JP2000264582A - コンテナクレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンテナターミナルの省スペース化を図る。 【解決手段】 コンテナ貯蔵装置３０の海側に隣接して
設けられコンテナ貯蔵装置３０よりも低いフラットな屋
根を有する建屋５０上を走行するとともに、トロリ８０
を有してコンテナ船７からコンテナ１３の積卸しを行う
コンテナクレーン８０であって、該コンテナクレーン８
０の海側の脚８０ａ用のレール８０ｂは建屋５０の海側
の上端、陸側の脚８０ｃ用のレール８０ｄはコンテナ貯
蔵装置３０の海側の上端にそれぞれ設けられ、陸側の脚
８０ｃには、陸側の脚用レール８０ｄに沿ってコンテナ
貯蔵装置３０の側面上部に設けられたレール８０ｅに下
から抱くように当接する車輪を有するアタッチメント８
０ｆが取り付けられていてコンテナクレーン８０の転倒
モーメントを受けるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は港湾に設置されるコ
ンテナターミナルで使用するコンテナクレーンに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来のコンテナターミナルの荷役
設備の側面図である。コンテナ船７に積込まれたコンテ
ナ１３はコンテナクレーン８により積卸しされ、コンテ
ナコンベア１１に載せられ、陸側に送られる。陸側の端
部でコンテナ１３はヤード用橋形クレーン９により吊上
げられ、シャーシ（トレーラ）１４に積込まれるかコン
テナヤード１０に積上げられる。なお、１２は岸壁であ
る。前記コンテナクレーン８は、岸壁１２上に常設され
るもので、枠本体８ａに海側に向けてガーダ８ｂが水平
に支持されるとともに、該ガーダ８ｂの先端に、ブーム
８ｃが上下回動可能に連設されて、これらのガーダ８ｂ
およびブーム８ｃに沿って移動するトロリー８ｄにコン
テナ吊具であるスプレッダ８ｅが巻き上げ装置８ｆによ
り上下動可能に設けられている。そして、前記枠本体８
ａは所定の間隔をあけた脚８ｇの先端が、岸壁１２に沿
って敷設された案内レール８ｈの上に載っており、前記
案内レール８ｈによってコンテナ船７の船体前後方向に
移動可能になっている。

【０００３】ヤード用橋形クレーン９により積上げられ
たコンテナ１３は順次コンテナターミナルから外部に輸
送される。この際、上の方に積まれたコンテナ１３から
順次輸送するようにすれば問題は無いが、下の方に積ま
れたコンテナ１３から先に出荷したい場合には、その上
のコンテナを取り除いてから出荷せねばならず、そのた
めの手間がかかり、荷役作業の円滑性が損なわれる。か
かる問題を解決するためコンテナを１個ずつ収容する貯
蔵セルを多段に形成する貯蔵棚を配置し、出荷する際に
はどの貯蔵セルからでもコンテナ１３を取り出せるよう
にすることが検討されている。本願出願人はかかるコン
テナターミナルに関連して、特許出願（特願平８−６９
６３４号）を行った。

【０００４】図５は上記出願に開示されたかかるコンテ
ナターミナルの全体平面図であり、図６は同じく側面図
である。なお、図５、図６において図７で説明したもの
と同一の部分については同じ符号を付してあり、重複し
た説明を省略する。図において、Ａは４０ｆｔコンテナ
用、Ｂは２０ｆｔコンテナ用の貯蔵領域を示している。
１はコンテナ移動用通路である。４０ｆｔコンテナ用の
通路１ａと２０ｆｔコンテナ用の通路１ｂとが設けられ
ている。２はコンテナ貯蔵棚であり、通路１ａ、１ｂの
両側に各１列ずつ貯蔵棚２ａ、２ｂが設けられている。
３はオートスタッククレーンで、各通路１ａ、１ｂに２
台ずつ設けられており、３Ａは４０ｆｔコンテナ用、３
Ｂは２０ｆｔコンテナ用である。オートスタッククレー
ン３は通路１上方を走行し、コンテナ１３をトラバーサ
４と貯蔵棚２との間で受渡しする。

【０００５】４はコンテナクレーン８とコンテナ立体貯
蔵建屋６との間を循環走行してコンテナ１３を運搬する
トラバーサであり、５はトラバーサ４のレールである。
２ｉはコンテナ貯蔵棚２に設けられたトラバーサ４等の
通路、１４はコンテナを積んで陸送するシャーシ（トレ
ーラ）である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】かかるコンテナの段積
貯蔵装置（図７）または立体貯蔵装置（図５、図６）に
おいて、コンテナ貯蔵装置の海側の部分はエプロンと呼
ばれるが、エプロンにはコンテナクレーン８のレール８
ｇ、トラバーサ４のレール５が設けられている他、シャ
ーシ１４の通路が設けられており、そのためエプロンの
幅は７０ｍに及ぶ場合がある。エプロンには管理棟や空
コンテナの倉庫などの建屋を設けることができないの
で、コンテナターミナルは広大な敷地面積が必要にな
り、設置費用が高騰してしまう。

【０００７】本発明は、従来技術のかかる問題点に鑑み
案出されたもので、エプロンのスペース内に建屋を設
け、その上をコンテナクレーンを走行させることによ
り、省スペース化を図り、コストダウンを達成すること
ができるコンテナターミナルに使用するコンテナクレー
ンを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載発明のコンテナクレーンは、コンテナ貯蔵
装置の海側に隣接して設けられコンテナ貯蔵装置よりも
低いフラットな屋根を有する建屋上を走行するととも
に、トロリを有してコンテナ船からコンテナの積卸しを
行うコンテナクレーンであって、該コンテナクレーンの
海側の脚用のレールは建屋の海側の上端、陸側の脚用の
レールはコンテナ貯蔵装置の海側の上端にそれぞれ設け
られ、陸側の脚には、陸側の脚用のレールに沿ってコン
テナ貯蔵装置の側面上部に設けられたレールに下から抱
くように当接する車輪を有するアタッチメントが取り付
けられていて、コンテナクレーンの転倒モーメントを受
けるようになっている。

【０００９】請求項２記載発明のコンテナクレーンは、
上記請求項１記載発明のコンテナクレーンが１台のトロ
リを有しているのに代えて、ガーダおよびブーム上を横
行可能な２台のトロリと１台のクレーントラバーサとを
有してなり、一方のトロリはコンテナ船の上方に留っ
て、コンテナ船へのコンテナの積卸しを行い、他方のト
ロリは陸側に留って上記建屋上のトラバーサとの間でコ
ンテナの積卸しを行い、上記クレーントラバーサは２台
のトロリの間を横行してコンテナの授受を行うようにな
っている。

【００１０】次に本発明の作用を説明する。管理棟、冷
凍コンテナなど例外貨物用倉庫、空コンテナ用倉庫など
に必要な空間を区画して形成した建屋をコンテナ貯蔵装
置の海側に隣接して設置し、その上をコンテナクレーン
を走行させるようにしたので、これらの建物を別に設け
る必要がなくなり、コンテナターミナルとして大幅な省
スペースが図れる。コンテナクレーンも脚の長さが短く
てすむので、重量が軽減してコストダウンが図れる。

【００１１】また、請求項２記載発明のコンテナクレー
ンのように、２台のトロリと１台のクレーントラバーサ
とを取付け、一方のトロリはコンテナ船上方に留ってコ
ンテナ船への積卸しを行い、他方のトロリは陸側に留っ
て建屋上のトラバーサとの間でコンテナの積卸しを行
い、クレーントラバーサは上記２台のトロリの間で横移
動を専門に行うようにすればコンテナの荷役効率が大幅
に向上する。すなわち、トロリはコンテナをワイヤで吊
っているので、横揺を防ぐため横移動速度を大幅に増速
できないが、クレーントラバーサはそのようなことがな
く高速の横移動が可能だからである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の１実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。図１は請求項２記載発明
のコンテナターミナルの平面図であり、図２は図１のＡ
−Ａ矢視図である。これらの図におて、図５ないし図７
を用いて説明したのと共通の部分については同一の符号
を付しており、重複した説明は省略する。これらの図に
おいて、３０はコンテナ貯蔵装置であり、図１に示すＸ
の領域はコンテナ立体貯蔵装置３１であり、Ｙの領域は
コンテナ段積貯蔵装置４０である。輸出コンテナ１３
は、数量がまとまっておりロット管理がしやすいので、
設備費の安い段積貯蔵装置が適しており、輸入コンテナ
１３は払出しの順序が必ずしもうまく管理できないの
で、どの棚からでもコンテナ１３を取出せる立体貯蔵装
置が適している。コンテナ立体貯蔵装置３１と、コンテ
ナ段積貯蔵装置４０は、同一高さを有している。５０は
建屋であり、コンテナ貯蔵装置３０の海側に隣接して設
けられており、コンテナ貯蔵装置３０よりも低いフラッ
トな屋根５０ａを有している。建屋５０内は図２に示す
ように管理棟、冷凍コンテナ倉庫などに区画されてい
る。

【００１３】８０は建屋５０上を走行するコンテナクレ
ーンである。コンテナクレーン８０の海側の脚８０ａ用
のレール８０ｂは、建屋５０の海側の上端に設けられて
おり、コンテナクレーン８０の陸側の脚８０ｃ用のレー
ル８０ｄはコンテナ貯蔵装置３０の海側の上端に設けら
れている。なお、レール８０ｄ付近に補助レール８０ｅ
が設けられていて、陸側の脚８０ｃから垂下したアタッ
チメント８０ｆに取付けられた車輪がそのレール８０ｅ
を抱くようにして、脚８０ｃが浮上らないようにコンテ
ナクレーン８０の転倒モーメントを受けるようになって
いる。コンテナクレーン８０には、海側のトロリ８０
ｇ、クレーントラバーサ８０ｈおよび陸側トロリ８０ｉ
が設けられており、海側トロリ８０ｇはコンテナ船７へ
のコンテナ１３の積卸し陸側トロリ８０ｉはトラバーサ
２０へのコンテナ１３の積卸し、クレーントラバーサ８
０ｈはそれらの間でのコンテナ１３の移動をそれぞれ担
当する。８０ｋはクレーンガーダ、８０ｊはクレーンガ
ーダ８０ｋの先端に上下回動可能に連設されたブームで
ある。

【００１４】図３はコンテナクレーン８０の長手方向に
対して直角に切断した断面図である。８０ｊは２本のビ
ームからなるブーム（クレーンガーダも同じ構造であ
る）であり、ブーム８０ｊの内側にトロリ８０ｇ、８０
ｉ用のレール８０ｎが設けられ、ブーム８０ｊの外側に
クレーントラバーサ８０ｈ用のレール８０ｍが設けられ
ている。トロリ８０ｇ、８０ｉはワイヤ８０ｐを介して
スプレッダ８０ｑを吊下げている。クレーントラバーサ
８０ｈは逆門型構造をしており、底面８０ｒ上にコンテ
ナ１３を載置する。

【００１５】２０はトラバーサである。トラバーサ２０
は建屋５０の屋根５０ａ上またはコンテナ貯蔵装置３０
内を走行または横行し、コンテナクレーン８０とオート
スタッククレーン３または積付用クレーン４１との間で
コンテナ１３の授受を行う。

【００１６】トラバーサ２０は、走行用車輪と横行用車
輪を有していて図１、図２に示すように建屋５０の屋根
５０ａ上に設けられた４レーンの走行用レール２１ａ上
を走行することができるとともに、コンテナ立体貯蔵装
置３１内のコンテナ移動用通路１の上部に設けられた横
行用レール２１ｂとその延長部分またはコンテナ段積貯
蔵装置４０の上部に設けられた横行用レール２１ｂとそ
の延長部分上を横行することができる。このようにトラ
バーサ２０によりコンテナクレーン８０で吊上げたコン
テナ１３をコンテナ貯蔵装置３０内に運搬し、オートス
タッククレーン３または積付用クレーン４１によりコン
テナ貯蔵装置３０内に収容することができる。

【００１７】コンテナ立体貯蔵装置３１は、コンテナ貯
蔵棚２を多段多列に、かつ、間にコンテナ移動用通路１
を形成するように２列１組に配置した貯蔵建屋６と、コ
ンテナ移動用通路１の上方に設けたレール上を走行して
トラバーサ２０によって運ばれたコンテナ１３を吊上げ
てコンテナ貯蔵棚２に出し入れするオートスタッククレ
ーン３とからなる。オートスタッククレーン３は、トロ
リから吊下げた吊ビームにコンテナ１３を把持するスプ
レッダの走行用レールを設け、スプレッダを自走させて
吊ビームとコンテナ貯蔵棚２との間でコンテナの授受を
行う。

【００１８】コンテナ段積貯蔵装置４０は、段積貯蔵エ
リアＹの上方に設けられた架構４２と、架構４２上に岸
壁１２に対して直角方向に設けられ、陸側に張り出して
いるクレーン横行レール４３上を横行し、コンテナ１３
の段積、段卸しとコンテナの入出庫作業を行う積付用ク
レーン４１と、クレーン横行用レール４３の下方にクレ
ーン横行用レール４３に沿って設けられたトラバーサ２
０の横行用レール２１ｂとを有している。積付用クレー
ン４１はコンテナ１３の２個分の長さを有し、かつ、長
手方向に移動可能なトロリを有していて、トロリには１
個分のコンテナ１３を把持するスプレッダが吊下げられ
ている。したがって、積付用クレーン４１により２列分
の段積コンテナをハンドリングすることができる。

【００１９】２８は仮置台車で、コンテナ船７のハッチ
カバーを仮置することができる（図４参照）。仮置台車
２８は片脚門型構造をしており、建屋５０の屋根５０ａ
のドック側端付近とコンテナ貯蔵装置３０のドック側側
面の上部にそれぞれ設けられたレール上を走行可能にな
っており、コンテナクレーン８０により運ばれたハッチ
カバーを仮置した後、コンテナ１３の荷役に邪魔になら
ない位置に退避するようになっている。

【００２０】２６はコンテナ貯蔵装置３０の陸側の側面
に沿って地上に設けられたトラバーサ用レールであり、
走行用レール２６ａと横行用レール２６ｂからなり、ト
ラバーサ２０は走行および横行が可能である。２７は移
載機であり、トロリ２７ａと門型の架構２７ｂを有して
おり、トラバーサ２０とシャーシ１４との間でコンテナ
１３の移載を行う。２９はガイドである。６０はシャー
シ１４の入口、６１はシャーシ１４の出口である。６２
はゲートである。９０は冷凍コンテナなどの例外貨物用
のシャーシ、９１は船用車両である。

【００２１】図４は請求項１記載発明のコンテナクレー
ンを有するコンテナターミナルの側面図である。８１は
請求項１記載発明のコンテナクレーンである。コンテナ
クレーン８１が、図２のコンテナクレーン８０と異るの
は、コンテナクレーン８０は２台のトロリ８０ｇ、８０
ｉとクレーントラバーサ８０ｈを有しているのに対し、
コンテナクレーン８１はトロリ８１ａを１台のみを有し
ている点であり、他は同じなので説明を省略する。

【００２２】次に、本実施形態を説明する。管理棟、冷
凍コンテナなど例外貨物用倉庫、空コンテナ用倉庫など
に必要な空間を区画して形成した建屋５０をコンテナ貯
蔵装置３０の海側に隣接して設置し、その上をコンテナ
クレーン８０、８１トラバーサ２０、ハッチカバー仮置
台車２８などを走行させるようにしたので、これらの建
物を別に設ける必要がなくなり、コンテナターミナルと
して大幅な省スペースが図れる。コンテナクレーン８
０、８１も脚の長さが短くてすむので、重量が軽減して
コストダウンが図れる。

【００２３】また、請求項２記載発明のコンテナクレー
ン８０のように２台のトロリと、１台のクレーントラバ
ーサとを取付け、海側のトロリ８０ｇはコンテナ船７の
上方に留ってコンテナ船７へのコンテナ１３の積卸しを
専門に行い、陸側のトロリは陸側に留って建屋５０上の
トラバーサ２０との間でコンテナ１３の積卸しを行い、
クレーントラバーサ８０ｈは、上記２台のトロリ８０
ｇ、８０ｉの間で横移動を専門に行うようにすればコン
テナ１３の荷役効率が大幅に向上する。すなわち、トロ
リ８０ｇ、８０ｉはコンテナ１３をワイヤ８０ｐで吊っ
ているので横揺れを防ぐため横移動速度を大幅に増速で
きないがクレーントラバーサ８０ｈは、そのようなこと
がなく高速の横移動が可能だからである。

【００２４】本発明は以上述べた実施形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
更が可能である。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように本発明のコンテナクレ
ーンを有するコンテナターミナルは、コンテナ貯蔵装置
の海側に隣接して管理棟や空コンテナ倉庫などを収容す
る建屋を設け、その上にコンテナクレーンを走行可能に
設けたので、コンテナターミナルの省スペース化が可能
になるとともに、コンテナクレーンの脚が短くてすむの
でコストダウンができるなどの優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項２記載発明のコンテナクレーンを有する
コンテナターミナルの平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】コンテナクレーンの長手方向に直角に切断した
断面図である。

【図４】請求項１記載発明のコンテナクレーンを有する
コンテナターミナルの側面図である。

【図５】従来のコンテナターミナルの平面図である。

【図６】従来のコンテナターミナルの側面図である。

【図７】従来のコンテナターミナルの側面図である。

【符号の説明】

７ コンテナ船 １３ コンテナ ３０ コンテナ貯蔵棚 ５０ 建屋 ８０ コンテナクレーン ８１ コンテナクレーン ８０ａ 海側の脚 ８０ｃ 陸側の脚 ８０ｆ アタッチメント ８０ｇ トロリ ８０ｈ クレーントラバーサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンテナ貯蔵装置の海側に隣接して設け
   られコンテナ貯蔵装置よりも低いフラットな屋根を有す
   る建屋上を走行するとともに、トロリを有してコンテナ
   船からコンテナの積卸しを行うコンテナクレーンであっ
   て、該コンテナクレーンの海側の脚用のレールは建屋の
   海側の上端、陸側の脚用のレールはコンテナ貯蔵装置の
   海側の上端にそれぞれ設けられ、陸側の脚には、陸側の
   脚用のレールに沿ってコンテナ貯蔵装置の側面上部に設
   けられたレールに下から抱くように当接する車輪を有す
   るアタッチメントが取り付けられていて、コンテナクレ
   ーンの転倒モーメントを受けるようになっていることを
   特徴とするコンテナクレーン。
2. 【請求項２】 ガーダおよびブーム上を横行可能な２台
   のトロリと１台のクレーントラバーサとを有してなり、
   一方のトロリはコンテナ船の上方に留ってコンテナ船へ
   のコンテナの積卸しを行い、他方のトロリは陸側に留っ
   て上記建屋上のトラバーサとの間でコンテナの積卸しを
   行い、上記クレーントラバーサは２台のトロリの間を横
   行してコンテナの授受を行う請求項１記載のコンテナク
   レーン。