JP2000263451A - 切断用カッター及びその製造方法 - Google Patents

切断用カッター及びその製造方法

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JP2000263451A
JP2000263451A JP11071751A JP7175199A JP2000263451A JP 2000263451 A JP2000263451 A JP 2000263451A JP 11071751 A JP11071751 A JP 11071751A JP 7175199 A JP7175199 A JP 7175199A JP 2000263451 A JP2000263451 A JP 2000263451A
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Atsushi Wada
篤 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業時の消音効果に優れ、かつ製造工程が簡易
で製造コストの低い切断用カッター及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】複数の金属系円板を貼り合わせた円板状台
金と、その外周縁に設けられた砥粒層を有する切断用カ
ッターであって、前記円板状台金の内部に、中央軸孔に
連通した少なくとも1つの空隙部が設けられ、かつ該空
隙部に高分子重合体が充填されてなる切断用カッター、
及び少なくとも1枚の片面又は両面に凹部が設けられた
複数枚の金属系円板を点溶接で貼り合わせ、内部に少な
くとも1つの空隙部を有する円板状台金を作製し、該台
金の外周縁に砥粒層を形成したのち、前記空隙部に高分
子重合体を充填して、切断用カッターを製造する方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な切断用カッ
ター及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発
明は、作業時の消音効果に優れ、かつ製造コストの低い
コンクリートや石材などの切断用カッター、及びこのも
のを簡単にかつ効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、石材、コンクリートなどを切
断用カッターを用いて切断する際、作業時の騒音が問題
とされてきた。そのため、切断に際して騒音の発生の少
ない切断用カッターの開発が種々試みられている。カッ
ターの製造方法としては、同時焼結法と、別途焼結して
得られた砥粒層チップをロー付け又は溶接で固着する方
法が知られており、この中で同時焼結法は量産向きで、
かつ砥粒層の固着強度が高いという利点を有している。
一方、消音カッターには、合わせ消音タイプとレーザー
スリット消音タイプとがあり、これらの中で、複数の金
属系円板を貼り合わせた合わせ消音タイプのものは、こ
れまで種々開発され、径4〜72インチ(径100〜
1,800mm)のカッターに使用されている。このよう
な合わせ消音タイプのものとしては、例えば(1)2枚
の鋼製の円板の間に銅又は銅合金からなる中間層を配設
し、点溶接した円形鋸ブレード(特表昭55−5005
36号公報)、(2)複数枚の鋼板が低ヤング率の金属
又は合金の薄板からなる中間層を介して張り合わされ、
鋼板と中間層が冶金的に結合されたダイヤモンドカッタ
ー用ディスク(特開昭59−107860号公報)、
(3)2枚の鋼板の間に、外周部を銅系の材料、内周部
を鉄系の材料で形成した中間板を配置し、スポット溶接
した切断砥石の基板構造(実開平4−97652号公
報)、(4)複数の円板をカーボン、ボロン、セラミッ
クスなどの離隔材を介して接合し、少なくとも1枚の円
板に凹凸を設けて円板間に空隙部と当接部を生じせしめ
た超砥粒ブレード(特開平8−85066号公報)など
が提案されている。しかしながら、前記(1)の円形鋸ブ
レードにおいては、基板が鋼板と中間層の熱膨張率の差
のために、歪みの発生が避けられないし、また、切断要
素を基板に直接焼結して作製すると、鋼板と中間層が焼
結時に密着し、消音効果が低下するという問題がある。
また、(2)のディスクにおいても、鋼板と中間層の熱膨
張率の差によって歪みが発生し、また、鋼板と中間層が
冶金的に結合しているので、中間層の薄板を多孔質板と
して透孔を穿設しても、消音効果はそれほど向上しな
い。さらに、(3)の基板は構造が複雑である上に、銅系
の材料と他の材料の間の熱膨張率の差により歪みが発生
するし、(4)の超砥粒ブレードにおいては、円板に凹凸
を設けるためのプレス工程が必要になるばかりでなく、
離隔材を均一に塗付することが難しく、超砥粒を焼結す
るときに離隔材が偏って基板が部分的に結合し、厚みの
調整が困難である上、焼結時に700〜800℃程度の
高温となるため、離隔材として振動吸収の良いゴムや樹
脂は使用できないなどの問題がある。また、これらの消
音タイプのものは、いずれも製造工程が煩雑であって、
製造コストが高くつくのを免れないという欠点を有して
いる。さらに、本発明者らは、先に、厚さの異なる3枚
の円形の鋼板の中心部以外にも穴を開け、鋼板の接触面
にたがいに融着しないような処理を施して貼り合わせた
基板を用いてなる消音タイプの切断砥石を提案した(特
開平10−128672号公報)。しかしながら、この
切断砥石は、優れた消音効果を有するものの、合わせ枚
数が多く、かつ製造工程が必ずしも簡易ではなく、コス
ト的には充分に満足しうるものではなかった。また、2
枚の金属系円板を接着剤で貼り合わせた消音タイプの台
金が市販されているが、このものは焼結時に接着剤が燃
えるため、同時焼結法を適用できないという欠点を有し
ている。さらに、複数枚の台金を点溶接で接合する方法
も試みられているが、この場合、焼結時の圧力で台金同
士が密着し、制振効果が低下するおそれがあり、やは
り、前記と同様に同時焼結法が適用できないという欠点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、作業時の消音効果に優れ、同時焼結法が
適用できるとともに、製造工程が簡易であって、製造コ
ストの低いコンクリートや石材などの切断用カッター、
及びこのものを簡単にかつ効率よく製造する方法を提供
することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、複数枚の金属系
円板を貼り合わせた円板状台金の内部に、中央軸孔に連
通した少なくとも1つの空隙部を設け、これに制振効果
の高い高分子重合体を充填してなるカッターは、消音タ
イプの切断用カッターとしてその目的に適合しうるこ
と、そして、少なくとも1枚の片面又は両面に凹部を設
けた複数枚の金属系円板を点溶接で貼り合わせて、内部
に少なくとも1つの空隙部を有する円板状台金を作製
し、砥粒層を形成後、該空隙部に高分子重合体を充填す
ることにより、上記消音タイプの切断用カッターが効率
よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)複数
の金属系円板を貼り合わせた円板状台金と、その外周縁
に設けられた砥粒層を有する切断用カッターであって、
前記円板状台金の内部に、中央軸孔に連通した少なくと
も1つの空隙部が設けられ、かつ該空隙部に高分子重合
体が充填されてなることを特徴とする切断用カッター、
(2)高分子重合体がゴム状弾性体である第(1)項記載
の切断用カッター、(3)少なくとも1枚の片面又は両
面に凹部が設けられた複数枚の中央に軸孔を有する金属
系円板を点溶接で貼り合わせ、内部に少なくとも1つの
空隙部を有する円板状台金を作製し、次いで、該台金の
外周縁に砥粒層を形成したのち、前記空隙部に高分子重
合体を充填することを特徴とする切断用カッターの製造
方法、及び(4)空隙部への高分子重合体の充填を、台
金の中央軸孔より行う第(3)項記載の切断用カッターの
製造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の切断用カッターは、円板
状台金と、その外周縁に設けられた砥粒層を有するもの
であって、上記円板状台金は、複数枚の金属系円板を貼
り合わせ、かつ内部に設けられた少なくとも1つの空隙
部に、制振材として高分子重合体を充填したものであ
る。円板状台金を構成する複数枚の金属系円板の材質と
しては特に制限はなく、従来切断用カッターの台金とし
て慣用されているものを用いることができる。このよう
な台金用の金属系円板としては、例えば炭素鋼、炭素工
具鋼、ステンレス鋼などの鋼材、銅、タングステン、チ
タン、モリブデンなどの金属やこれらの合金からなるも
のが挙げられる。複数の円板の材質は同一であってもよ
いし、異なっていてもよいが、台金の両面を構成する円
板は鋼製のものが好ましい。各金属系円板の厚さは、使
用する円板の枚数及びカッターの使用目的などに応じて
適宜選定される。また、使用する各円板の厚さは同一で
あってもよいし、異なっていてもよいが、両側の2枚の
円板の厚さを同一とすることが、作業性などの点で有利
である。また、円板状台金を構成する金属系円板の数に
ついては特に制限はないが、通常は2枚又は3枚であ
る。台金の内部に形成される空隙部の形状としては、中
央軸孔に連通し、かつ十分に消音効果を発揮しうる上、
加工しやすい形状であればよく、特に制限はないが、例
えば後述の図1、図2及び図4に示す形状のものを好ま
しく挙げることができる。この台金の内部に形成される
空隙部の数としては特に制限はない。
【0006】本発明において、前記空隙部に充填される
高分子重合体としては、該空隙部に溶融充填可能であっ
て、かつ制振性を有するものであればよく特に制限はな
いが、例えばゴム状弾性体が充填性及び制振性などの点
から、好適である。上記ゴム状弾性体としては、ゴムや
熱可塑性エラストマー、例えばポリスルフィドゴム、チ
オコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エピクロ
ロヒドリンゴム、塩素化ゴム、スチレン−ブチルアクリ
レートゴム、エチレン−メチルメタクリレート−グリシ
ジルメタクリレート共重合体ゴム、エチレン−メチルメ
タクリレート−無水マレイン酸共重合体ゴム等のエチレ
ン−極性ビニルモノマー共重合体ゴム、天然ゴム、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、クロ
ロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBR)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体(SIR)、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、エ
チレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM)、エチレンブチレンゴム(EB
M)、その他エステル系やウレタン系エラストマー又は
これらを変性したもの等が挙げられる。これらのゴム状
弾性体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。また、必要に応じ、充填後加硫を行う
ことができる。本発明の切断用カッターにおいて、台金
の外周縁部に設けられる砥粒層は任意の形状とすること
ができ、また砥粒層を構成する砥粒としては、カッター
の用途に応じて公知の砥粒、例えばサファイア、ルビ
ー、ガーネット、炭化ケイ素、炭化ホウ素、天然ダイヤ
モンド、合成ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化ホウ
素)などの砥粒の中から適宜選択して用いることができ
るが、これらの中で硬度が大きく耐摩耗性に優れる点か
ら、ダイヤモンド砥粒及びcBN砥粒などの超砥粒が好
適である。本発明の切断用カッターにおいては、高分子
重合体の充填部分は、その外径が円板状台金外径の80
%以下が好ましく、かつその面積が台金面積の20%以
上であるのが好ましい。さらに、該充填部分の厚さは、
台金の厚さの1/4〜3/4程度が好ましく、特に1/
2程度が好適である。
【0007】次に、本発明の切断用カッターの製造方法
について説明する。まず、台金を構成する複数枚の中央
に軸孔を有する金属系円板の少なくとも1枚の、合わせ
の内側の面に、適当な形状及び深さの凹部を設け、台金
の中央軸孔に連通した空隙部が少なくとも1つ台金内部
に形成されるように、上記複数枚の金属系円板を点溶接
で貼り合わせることにより、円板状台金を作製する。例
えば、金属系円板2枚を用いて台金を作製する場合、各
円板の片面に凹部を設け、この凹部を内側にして、上記
2枚の金属系円板を点溶接により接合し、中央軸孔に連
通した空隙部を内部に1つ有する台金を作製する。図1
は、このようにして得られた台金の1例の中央横断面図
(a)及びA−A'縦断面図(b)である。2枚の金属系円
板1a及び1bには、それぞれ中央に軸孔4a、4b、
外周端部に切欠部5a、5bが設けられ、さらに軸孔4
a、4bに連通したゲート3a、3bを有する凹部2
a、2bが形成されている。この2枚の金属系円板1a
及び1bは、凹部2a、2bが対面するように点溶接に
より接合され、中央軸孔4に連通したゲート3をもつ空
隙部2を有する台金を構成している。また、金属系円板
3枚を用いて台金を作製する場合、例えば両側の円板の
片面に、それぞれ凹部を設けると共に、中央の円板の両
面若しくは該円板を貫通する凹部を設け、両側の円板の
凹部を内側にし、上記3枚の円板を点溶接により接合す
ることにより、中央軸孔に連通した空隙部を内部に2つ
有する台金を作製することができる。図2は、このよう
にして得られた台金の1例の縦断面図[前記図1(b)に
相当する]である。3枚の金属系円板1a、1b及び1
cには、それぞれ中央に軸孔4a、4b、4c、外周端
部に図1(a)に示すものと同様の切欠部(図示せず)が
設けられている。金属系円板1a及び1bの片面には、
それぞれ軸孔4a、4bに連通したゲート3a、3bを
有する凹部2a、2bが形成されており、一方、金属系
円板1cの両面には、それぞれ軸孔4cに連通したゲー
ト3c、3c'を有する凹部2c、2c'が形成されてい
る。この3枚の金属系円板1a、1b及び1cは、凹部
2aが凹部2cに、凹部2bが凹部2c'に対面するよ
うに点溶接により接合され、中央軸孔4に連通したゲー
ト3をもつ空隙部2及び中央軸孔4に連通したゲート
3'をもつ空隙部2'を有する台金を構成している。な
お、3枚の金属系円板を用いて台金を作製する場合、こ
のようにたがいに分離した空隙部を2つ形成するのでは
なく、空隙部が1つ形成されるように、該金属系円板の
少なくとも1つに凹部を設けることもできる。図4は、
金属系円板2枚を用いて台金を作製する場合に使用する
金属系円板の別の例の平面図である。2枚の金属系円板
1a及び1bには、それぞれ中央に軸孔4a、4b、外
周端部に切欠部5a、5bが設けられ、さらに、円板の
外周側及び内周側に、軸孔4a、4bに連通したゲート
3a、3bを有する凹部2a、2bが、それぞれ独立に
4個ずつ、合計8個形成されている。この2枚の金属系
円板1a及び1bを、それぞれ対応した凹部2a、2b
が対面するように点溶接で接合することにより、中央軸
孔に連通したゲートをもつ空隙部8個を有する台金が得
られる。なお、凹部は、エンドミルなどの工具を用いて
彫り込むことにより形成してもよいし、プレス加工によ
り形成してもよい。図5は、プレス加工により空隙部を
設けた台金の1例の縦断面図である。2枚の金属系円板
1a及び1bには、それぞれ中央軸孔4a、4bが設け
られ、さらに軸孔4a、4bに連通したゲートを有する
凹部が形成されている。この2枚の金属系円板1a及び
1bは、それぞれの凹部が対面するように点溶接により
接合され、中央軸孔4に連通したゲート3をもつ空隙部
2を有する台金を構成している。
【0008】このようにして得られた台金は、必要に応
じ、銅メッキなどのメッキ処理を施してもよい。次に、
前記のようにして作製した台金の外周縁部に砥粒層を形
成させる。この砥粒層の形成方法としては特に制限はな
く、従来公知の方法、例えば同時焼結法、あるいは別途
焼結により作製した砥粒チップをロー付け又は溶接によ
り固着させる方法などを用いることができるが、量産性
及び固着強度などの点から、同時焼結法が有利である。
同時焼結法により、砥粒層を形成させる場合には、例え
ば砥粒と結合材の混合物を金型を用いて台金の外周縁部
に圧縮して仮成形し、さらに焼結炉を用いて加圧下に加
熱することにより、砥粒層を形成することができる。本
発明においては、このようにして砥粒層が設けられた台
金の前記空隙部に、高分子重合体、好ましくはゴム状弾
性体を充填させる。高分子重合体を空隙部に充填させる
方法としては、例えば金型内に砥粒層が設けられた台金
を設置し、溶融した高分子重合体を、好ましくは該台金
の中央軸孔からゲートを介して、空隙部に注入する方法
を用いることができる。注入された高分子重合体は、種
類によっては、加熱し、加硫を行う。最後に、必要なら
ば、ゲート部の高分子重合体を、引張って切断除去して
もよい。このようにして、所望の消音効果の高い切断用
カッターが得られる。このようにして得られた本発明の
切断用カッターの1例として、図3に示すものを挙げる
ことができる。図3は、後述の実施例1で作製した切断
用カッターの中央横断面図(a)及びA−A'縦断面図
(b)であり、金属系円板2枚を用い、空隙部を1つ有す
る台金を作製し、高分子重合体を該空隙部に充填してな
るものである。この切断用カッターは、2枚の金属系円
板を貼り合わせてなる、中央に軸孔4を、外周端部に切
欠部5を有し、かつ内部に高分子重合体7が充填された
台金10と、その外周縁に設けられた砥粒層6とから構
成されている。なお、3はゲートである。
【0009】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 図3に示す形状及び寸法を有する消音タイプの切断用カ
ッターを製造した。SK−5製の円板2枚のそれぞれの
片面に、図1に示す形状の深さ0.35mmの凹部(彫り
込み)を、エンドミルを用いて形成したのち、該凹部を
内側にして上記2枚の円板を点溶接で接合し、図1に示
すような内部に空隙部を1つ有する台金を作製した。次
いで、この台金の両面に、公知の方法により、厚さ30
μmの銅メッキを施した。次に、この台金の外周縁に、
粒度40/50のダイヤモンド砥粒5重量部と、コバル
ト、鉄、銅及び錫の混合粉末95重量部の混合物を、円
環状のキャビティを有する金型を用いて圧縮して仮成形
し、さらに焼結炉を用いて225kg/cm2の加圧下、8
00℃で60分間焼結し、図3に示すような砥粒層を形
成した。このようにして砥粒層が設けられた台金を金型
内に設置し、ブチルゴム50を180℃の溶融状態で、
台金の中央軸孔からゲートを介して空隙部に注入した。
次いで、180℃で5分間加熱して加硫を行った。冷却
後、ゲート内のゴムを引張り、切断除去することによ
り、図3に示す消音タイプの切断用カッターが得られ
た。 実施例2 実施例1で用いたものと同じ寸法のSK−5製の円板2
枚のそれぞれの片面に、図4に示す形状の深さ0.35m
mの凹部(彫り込み)をエンドミルを用いて形成したの
ち、対応する凹部が対面するように2枚の円板を点溶接
で接合し、内部に空隙部8個を有する台金を作製した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、消音タイプの切断
用カッターを製造した。実施例1及び2で得られた消音
タイプの切断用カッター、並びに標準タイプの切断用カ
ッター(4インチポータブルカッター、非消音品)を用
い、JIS U字溝蓋切断加工を実施し、騒音を計測し
た。その結果、非消音品である標準タイプの切断用カッ
ターの騒音値は104dBであったのに対し、実施例1の
カッターの騒音値は95dB、実施例2のカッターの騒音
値は96dBであった。
【0010】
【発明の効果】本発明の消音タイプの切断用カッター
は、以下に示す効果を奏する。 (1)従来の消音タイプの切断用カッターと同等以上の
消音効果を有する。 (2)同時焼結法を採用することができ、また、焼結後
に高分子重合体を充填するので、燃焼や劣化が生じるこ
とがない。 (3)合わせ枚数が少なくてすみ、製造工程が簡易であ
り、製造コストが低い。 (4)特にポータブル型切断用カッターとして好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いる台金の1例の中央横断
図面(a)及びA−A'縦断面図(b)である。
【図2】図2は、本発明で用いる台金の異なる例の縦断
面図である。
【図3】図3は、実施例1で製造した本発明の切断用カ
ッターの中央横断面図(a)及びA−A'縦断面図(b)で
ある。
【図4】図4は、本発明で用いる台金を作製するのに使
用する2枚の金属系円板の別の例の平面図である。
【図5】図5は、プレス加工により空隙部を設けた台金
の1例の縦断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 金属系円板 2、2'、2a、2b、2c、2c' 空隙部(凹部) 3、3'、3a、3b、3c、3c' ゲート 4、4a、4b、4c 軸孔 5、5a、5b 切欠部 6 砥粒層 7 高分子重合体 10 台金

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の金属系円板を貼り合わせた円板状台
    金と、その外周縁に設けられた砥粒層を有する切断用カ
    ッターであって、前記円板状台金の内部に、中央軸孔に
    連通した少なくとも1つの空隙部が設けられ、かつ該空
    隙部に高分子重合体が充填されてなることを特徴とする
    切断用カッター。
  2. 【請求項2】高分子重合体がゴム状弾性体である請求項
    1記載の切断用カッター。
  3. 【請求項3】少なくとも1枚の片面又は両面に凹部が設
    けられた複数枚の中央に軸孔を有する金属系円板を点溶
    接で貼り合わせ、内部に少なくとも1つの空隙部を有す
    る円板状台金を作製し、次いで、該台金の外周縁に砥粒
    層を形成したのち、前記空隙部に高分子重合体を充填す
    ることを特徴とする切断用カッターの製造方法。
  4. 【請求項4】空隙部への高分子重合体の充填を、台金の
    中央軸孔より行う請求項3記載の切断用カッターの製造
    方法。
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