JP2000262960A - Pva塗布液のスライドビード塗布方法 - Google Patents

Pva塗布液のスライドビード塗布方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布速度を高速化しても塗布欠陥(スジ状ムラ
やエアの巻き込み)が発生しないようにできる。 【解決手段】スライドビード型塗布装置10を使用して
複数のPVA塗布液14をウエブ12に同時に多層塗布
する場合の条件として、多層塗布膜のうち、最下層を形
成するPVA塗布液14Aに含有するポリビニルアルコ
ールの重合度を1000〜4000とし且つポリビニル
アルコールの濃度を4重量%以下とすると共に、最下層
以外の少なくとも1層のPVA塗布液14B、14Cの
粘度を最下層のPVA塗布液14Aの粘度よりも大きく
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスライドビード塗布
方法に係り、特に、感熱および感圧記録材料、印刷版材
などの製造において、連続走行している帯状支持体(以
下「ウエブ」と称す)に、ポリビニルアルコール(以下
「PVA」と称す)を含有した複数のPVA塗布液を精
密に多層塗布するPVA塗布液のスライドビード塗布方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続走行するウエブ面上に塗布液を塗布
する装置の1つにスライドビード型塗布装置がある。そ
して、PVAを含有した複数のPVA塗布液をムラなく
厚み一定に多層塗布する場合には、このスライドビード
型塗布装置を用いることが多層塗布膜の品質等において
有利である。
【0003】ところで、スライドビード型塗布装置を使
用したスライドビード塗布方法は、スライド面を流下す
る複数の塗布液が、スライド面先端において連続走行さ
れているウエブと出会う間隙部にビード部を形成するよ
うにし、このビード部を介して塗布液をウエブ面に塗布
する方法である。しかし、塗布速度(ウエブの走行速
度)を高速化すると、ビード部分で塗布液が急激に引き
伸ばされるため、PVA塗布液の場合には、その特性か
ら著しい不安定流動となる。この結果、ウエブ面に塗布
された多層塗布膜にスジ状ムラが発生したり、エアの巻
込み等の重大な塗布欠陥が発生する。このような塗布欠
陥が発生する理由は、PVA塗布液のように塗布液中に
高分子ポリマーが多く存在する塗布液の場合、強制的な
引き伸ばし作用により通常の塗布液の場合以上に流動不
安定を促進させてしまうことによる。しかし、PVA塗
布液のスライドビード塗布において、PVA塗布液に含
有するPVAの濃度を低くしすぎると、低粘度になり流
動の急激な加速を伴うことで、ウエブの走行方向に平行
なスジが発生してしまうという弊害が生じる。
【0004】従って、PVA塗布液のスライドビード塗
布における塗布速度は100m/分程度以下で行わざる
を得ないのが実情であり、塗布効率の点で問題があっ
た。このような背景から、PVA塗布液による塗布速度
を高速化しても塗布欠陥が発生しないスライドビード塗
布方法が要望されており、従来より各種の対策がなされ
てきている。
【0005】例えば、特開平5─323116号公報に
は、有機発色薬品を含む偏向フィルムの多層塗布におい
て、下層のPVA塗布液の粘度を低く上層のPVA塗布
液の粘度を高くすることが開示されている。特開平7─
18599号公報には、12〜60%濃度のPVA塗布
液を60〜95°C、100〜3000cPで200m
/分以上の塗布速度で紙に塗布することが開示されてい
る。特開平6─294099号公報には、顔料が主成分
の印刷用塗被紙製造において、0.5〜2.5%濃度の
PVA塗布液をカーテン塗布することが開示されてい
る。
【0006】また、多層塗布に関する従来の技術とし
て、特公昭56─20534号公報には、最下層の塗布
液の粘度を低くすると共に塗布量を少なくして薄膜と
し、次の層の塗布液の粘度を大きくすると共に塗布量を
多くして厚膜にすることが開示されている。特開昭57
─99367号公報には、高粘度層の下に低粘度層を形
成することが開示されている。特開平2─83066号
公報には、最下層の粘度を水に不溶性な固形分の濃度に
応じて調整することが記載されている。特開昭56─1
08566号公報には、最下層の粘度が次の層に比べて
高剪断域では低く、低剪断域では高くなるようにしたこ
とが開示されている。特開平9─108615号公報に
は、少なくとも1層の塗布液について剪断粘度と伸長粘
度の範囲を規定するようにしたことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来のPVA
塗布液を用いた塗布に関する技術の改良も、多層塗布に
関する技術の改良の何れの改良も、基本的には最下層の
粘度を低くして次の層の粘度を高くするという技術を開
示したものである。しかしながら、従来のいずれの技術
でも、塗布速度を200m/分程度まで高速化した場合
には、PVA塗布液をウエブに塗布した時の塗布欠陥
(スジ状ムラやエアの巻込み)を十分解消することはで
きないという問題がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、塗布速度を高速化しても塗布欠陥(スジ状ムラ
やエアの巻き込み)が発生しないようにできるPVA塗
布液のスライドビード塗布方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、スライドホッパー型塗布装置を使用して、ポ
リビニルアルコールを含有した複数のPVA塗布液を、
走行している帯状支持体に同時に多層塗布して前記帯状
支持体面に多層塗布膜を形成するPVA塗布液のスライ
ドビード塗布方法において、前記多層塗布膜のうち、最
下層を形成するPVA塗布液に含有するポリビニルアル
コールの重合度を1000〜4000とし且つポリビニ
ルアルコールの濃度を4重量%以下とすると共に、前記
最下層以外の少なくとも1層のPVA塗布液の粘度を前
記最下層のPVA塗布液の粘度よりも大きくすることを
特徴とする。
【0010】本発明によれば、スライドホッパー型塗布
装置を使用して複数のPVA塗布液を帯状支持体に同時
に多層塗布する場合の条件として、多層塗布膜のうち、
最下層を形成するPVA塗布液に含有するポリビニルア
ルコールの重合度を1000〜4000とし且つポリビ
ニルアルコールの濃度を4重量%以下とすると共に、最
下層以外の層のPVA塗布液の粘度を最下層のPVA塗
布液の粘度よりも大きくするようにしたので、塗布速度
を高速化しても塗布欠陥(スジ状ムラやエアの巻込み)
が発生しないようにできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るPVA塗布液のスライドビード塗布方法の好ましい実
施の形態について詳説する。図1は、本発明のスライド
ビード塗布方法を適用するスライドビード型塗布装置1
0の構成であり、3層同時塗布を行う装置の例で説明す
る。
【0012】図1に示すように、ウエブ12面に塗布さ
れる複数(例えば3種類)の塗布液14は、図示しない
塗布液タンクからそれぞれの供給ライン16、18、2
0を介してスライドホッパー22内の各マニホールド2
4、26、28に供給される。マニホールド24、2
6、28に供給されたPVA塗布液14は塗布幅方向に
拡流された後、スリット状に形成された各スロット3
0、32、34を介してスライドホッパー22上面の下
方傾斜したスライド面36に押し出される。スライド面
36に押し出されたPVA塗布液14は、互いに混ざり
合うことなく多層塗布膜状のPVA塗布液14となって
スライド面36を流下し、スライド面36下端のリップ
先端38に達する。リップ先端38に達したPVA塗布
液14は、リップ先端38と、バッキングローラ40に
巻き掛けられて走行するウエブ12面との間隙にビード
部42を形成する。このビード部42では、ウエブ12
はバッキングローラ40の周面に沿って下方から上方に
走行する。これにより、ビード部42におけるPVA塗
布液14は、ウエブ12面の上に引き上げられる作用を
受けて引き伸ばされて薄層化する。この結果、走行する
ウエブ12面に薄層化した多層塗布膜を形成することが
できる。また、多層塗布膜の薄層化の程度はウエブの走
行速度による。尚、図1における14Aは多層塗布膜の
うちの最下層を形成するPVA塗布液、14Bは次の層
を形成するPVA塗布液、14Cは最上層を形成するP
VA塗布液を示す。
【0013】しかし、PVAを含有するPVA塗布液1
4のスライドビード塗布の場合、塗布速度を高速化する
と、ビード部42でPVA塗布液14が急激に引き伸ば
されるため、PVA塗布液14の特性から著しい不安定
流動となり、ウエブ12面に塗布された多層塗布膜にス
ジ状ムラが発生したり、エアの巻込み等の重大な塗布欠
陥が発生する。
【0014】本発明者は、上記PVA塗布液14の高速
塗布における塗布欠陥の生じる要因及び対策を鋭意検討
した結果、高速化しても塗布欠陥を発生させない塗布条
件についての知見を得た。即ち、 多層塗布膜のうちの最下層のPVA塗布液14Aの粘
度を小さくしてもPVA塗布液に含有されるPVA濃度
が高すぎると塗布欠陥が発生する。この対策として、最
下層のPVA塗布液14Aの粘度を低めにし且つ最下層
のPVA塗布液14AのPVA濃度を4%以下にすると
ビード部42における流動不安定から発生するエアの巻
込みを防止できる。
【0015】しかし、最下層のPVA塗布液14Aの
粘度を小さくしすぎると、ウエブ12の走行方向にスジ
が発生してしまう。この対策としては、最下層のPVA
塗布液14Aに含有させるPVAの重合度を1000〜
4000、更に好ましくは1500〜3000の範囲に
することで、スジの発生を防止できる。この場合、PV
Aの重合度が1000を下回ると、スジ発生の防止効果
が薄れてしまい、逆に重合度が4000を越えると、P
VAの溶解が難しくなり実用に適さなくなる。
【0016】最下層のPVA塗布液14Aと最下層以
外の層のPVA塗布液14B、14Cにおける塗布欠陥
を防止する関係は粘度で規定すればよく、最下層のPV
A塗布液14Aの粘度よりも最下層以外の層14B、1
4Cの少なくとも1層の粘度を大きくすることでスジ状
ムラの発生を抑制することができる。 上記ととの組み合わせにより、PVA塗布液1
4をウエブ12面に高速塗布した際の塗布欠陥を防止で
きるが、最下層のPVA塗布液14Aの塗布量が少なす
ぎると、エア巻込み防止効果が小さくなる。この対策と
して、最下層のPVA塗布液14Aの塗布量を2〜15
cc/cm2 の範囲で、更に好ましくは3〜10cc/
cm2 の範囲で規定するのが良い。
【0017】本発明のPVA塗布液のスライドビード塗
布方法は、上記知見に基づいてなされたもので、その主
たる構成は、スライドビード型塗布装置10を使用し
て、PVAを含有した複数のPVA塗布液14を、走行
しているウエブ12に同時に多層塗布してウエブ12面
に多層塗布膜を形成するPVA塗布液のスライドビード
塗布方法において、多層塗布膜のうち、最下層を形成す
るPVA塗布液14Aに含有するPVAの重合度を10
00〜4000とし且つPVAの濃度を4重量%以下と
すると共に、最下層以外のPVA塗布液14B、14C
の少なくとも1層の粘度を最下層以下のPVA塗布液1
4Aの粘度よりも大きくすることにある。また、最下層
を形成するPVA塗布液14Aのウエブ12に対する塗
布量は、2〜15cc/cm2 の範囲とすることにあ
る。
【0018】これにより、PVAを含有するPVA塗布
液を、スジ状ムラやエアの巻込みの塗布欠陥を発生させ
ることなく高速な塗布速度でスライドビード塗布するこ
とができる。塗布速度としては、100〜300m/分
の範囲であり、好ましくは180〜300m/分であ
る。また、塗布困難な高濃度で高粘度なPVA塗布液で
も、最下層に本発明の塗布条件を満足するPVA塗布液
を配することで安定に塗布することができると共に、乾
燥負荷も低減できる。
【0019】ここで、本発明に使用されるPVA(ポリ
ビニルアルコール)は、ポリビニルアルコール系重合体
である。PVAは、薬品を塗布する場合のバインダー剤
等として用いられ、バリヤー性や表面強度をもたせるた
め等に使用される。PVAは、酢酸ビニル等のビニルエ
ステル又はビニルエステルと他の共重合性モノマーを塊
状重合、乳化重合、溶液重合、懸濁重合等の重合方法に
よって重合、又は共重合して得られるビニルエステルを
ケン化することにより得られる。PVAのケン化度は6
0〜100%、好ましくは70〜99.5%、更に好ま
しくは80〜99.5%のものが良い。
【0020】また、本発明の場合には、塗布速度を速く
しても塗布欠陥の発生を一層抑制するためには、PVA
塗布液に増粘剤を添加することが好ましい。この場合、
PVAの重合度が小さすぎると、増粘剤の粘度上昇が小
さく添加の効果がうすれてしまうので、その点からもP
VA塗布液に含有させるPVAの重合度を1000〜4
000の範囲にすることが好ましい。
【0021】増粘剤としては、水溶性セルロース化合
物、海藻多糖類、カルボキシメチル化デンプン等を使用
することができるが、特に水溶性セルロース化合物が好
ましい。これにより、ビード部42における高剪断時の
粘度を維持しつつスライド面を流下する際の低剪断時の
粘度を上昇させることで多層塗布膜を安定に保つことが
できる。増粘剤の添加量としては、塗布量やウエブの塗
布速度によって適宜選ばれるが、PVA塗布液のPVA
に対して0.05〜0.5重量%の範囲が良く、好まし
くは0.06〜0.4重量%の範囲、更に好ましくは
0.1〜0.35重量%の範囲である。増粘剤の添加量
が少なすぎると、十分な増粘効果が得られず、添加量が
多すぎると、PVA塗布液の粘度が大きくなりすぎて逆
に塗布欠陥が発生し易くなる。
【0022】本発明に使用されるウエブとしては、紙、
ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム、金属箔等を用
いることができる。また、本発明では、PVA塗布液1
4をウエブ12面に塗布する直前でウエブ12にコロナ
処理又は帯電処理の表面処理を施すようにした。図2
は、ウエブ12にコロナ放電処理を行う場合の構成図の
一例である。
【0023】図2に示すように、走行するウエブ12
は、スライドビード型塗布装置10の前段に設けられた
ウエブ帯電用装置44に高電圧電源46から高電圧が印
加され、アースされた支持ローラ48に係合して走行す
るウエブ12に対してコロナ放電が行なわれる。これに
より、ウエブ12表面に単極性電荷が付与される。次
に、ウエブ12は表面電位計50を通過し、ここでウエ
ブ表面の電位が測定され記録計に記録される。表面電位
計50を通過したウエブ12はパスローラ52を経由し
てスライドビード型塗布装置10のバッキングローラ4
0に達し、スライドホッパー22からウエブ12にPV
A塗布液14が塗布される。
【0024】このように、ウエブ帯電用装置44でウエ
ブ12表面に単極性電荷が付与されることによりウエブ
12とPVA塗布液14との親和性及び付着性が向上
し、塗布性能を高めることができる。
【0025】
【実施例】次に、実施の形態で説明したスライドホッパ
ー型塗布装置を用い、表1の塗布条件で2層同時塗布を
行った実施例と比較例について説明する。尚、ウエブの
表面処理は行わなかった。実施例は、本発明のスライド
ビード塗布方法の条件を満足する実施例(1)〜(4)
の4試験区で行い、比較例は、本発明の条件から外れた
比較例(1)〜(5)の5試験区で行った。また、実施
例及び比較例における2層同時塗布の下層と上層のPV
A塗布液の液種、濃度、粘度、塗布量は表2の通りであ
る。尚、表2における濃度は、PVA塗布液中のPVA
の重量%濃度であり、粘度は剪断速度50(1/秒)で
の値である。また、塗布量は液状態での値で示した。
【0026】そして、実施例及び比較例の各試験区につ
いて、表1の塗布温度、操作条件、ウエブ条件を全て同
じにして塗布速度のみを上昇させた時に、塗布欠陥がい
くつの塗布速度まで発生しないかの限界速度を調べた。
また、限界速度にて発生する塗布欠陥が「スジ状ムラ」
と「エア巻込み」の何れであるかを調べた。
【0027】
【表1】 (備考) ビード間隔とは、スライドホッパーの先端とウエブの間隙をいう。 スライド角とは、水平面を基準としたスライド面の傾斜角度をいう。 使用するPVAは、いずれもクラレ(株)製を使用した。 PVA塗布液の(a) と(c) は、加水により濃度を調整した。 PVA塗布液におけるPは、PVA塗布液に含有されるPVAの重合度を示す 。 結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から分かるように、本発明のスライド
ビード塗布方法の条件から外れた比較例(1)〜(5)
の5試験区では、塗布欠陥を発生させないための限界速
度が90〜140m/分であった。これに対し、本発明
のスライドビード塗布方法の条件を満足する実施例
(1)〜(4)の4試験区では、塗布欠陥を発生させな
いための限界速度が180〜300m/分(min)と
なった。
【0030】このように、本発明の実施例は、比較例に
比べて、「スジ状ムラ」や「エア巻込み」の発生が抑制
され、これらの塗布欠陥が発生するまでの限界の塗布速
度である限界速度を、比較例のほぼ2倍にすることがで
きた。この結果を更に考察してみると、実施例(1)及
び(2)では、下層のPVA塗布液の液種(a)を使用
すると共にそのPVA濃度を3%又は4%とした場合、
塗布速度が300m/分又は240m/分を越えるまで
塗布欠陥が発生しない。これに対し、比較例(1)のよ
うに下層に実施例(1)と同じPVA塗布液の液種
(a)を使用してもPVA濃度を5%にすると、塗布速
度が120m/分を越えると塗布欠陥が発生してしま
う。
【0031】また、実施例(3)では、PVA塗布液の
液種を実施例(1)の(a)から(b)に変えてPVA
濃度を3%としても、塗布速度が220m/分を越えな
いと塗布欠陥が発生せず、比較例に比べて高く維持でき
る。また、実施例(4)では、上層のPVA濃度を極め
て高くしても、下層のPVA濃度を4%とすることによ
り、塗布速度が180m/分を越えないと塗布欠陥が発
生せず、比較例と比べて高く維持することができる。こ
の結果から、限界速度の高低は、下層のPVA塗布液の
粘度よりもPVA濃度が大きく影響することが分かる。
【0032】一方、比較例(2)のように上層の粘度が
下層よりも低いとき、また、比較例(3)及び(5)の
ように、下層に低重合度のPVAを用いるときは、PV
A濃度を3%と低くしても塗布速度が90〜110m/
分を越えると塗布欠陥が発生してしまう。更に、比較例
(4)のように下層に高重合度のPVAを用いても塗布
量が少ないと限界速度は低下してしまう。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPVA塗
布液のスライドビード塗布方法によれば、塗布速度を高
速化しても塗布欠陥(スジ状ムラやエアの巻込み)が発
生しないようにできる。即ち、本発明のスライドビード
塗布方法を行えば、塗布速度を従来の100m/分程度
以下から200m/分以上に高速化しても塗布欠陥が発
生しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のスライドビード塗布方法を適
用するスライドビード塗布装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明のスライドビード塗布方法にお
いて、ウエブにコロナ放電処理を行う場合の構成図であ
る。
【符号の説明】
10…スライドビード型塗布装置、12…ウエブ、14
…PVA塗布液、14A…最下層のPVA塗布液、14
B…次の層のPVA塗布液、14C…最上層のPVA塗
布液、22…スライドホッパー、24、26、28…マ
ニホールド、30、32、34…スロット、36…スラ
イド面、40…バッキングローラ、42…ビード部、4
4…ウエブ帯電用装置、50…表面電位計

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スライドホッパー型塗布装置を使用して、
    ポリビニルアルコールを含有した複数のPVA塗布液
    を、走行している帯状支持体に同時に多層塗布して前記
    帯状支持体面に多層塗布膜を形成するPVA塗布液のス
    ライドビード塗布方法において、 前記多層塗布膜のうち、最下層を形成するPVA塗布液
    に含有するポリビニルアルコールの重合度を1000〜
    4000とし且つポリビニルアルコールの濃度を4重量
    %以下とすると共に、前記最下層以外の少なくとも1層
    のPVA塗布液の粘度を前記最下層のPVA塗布液の粘
    度よりも大きくすることを特徴とするPVA塗布液のス
    ライドビード塗布方法。
  2. 【請求項2】前記最下層を形成するPVA塗布液の前記
    帯状支持体に対する塗布量は2〜15cc/cm2 の範
    囲であることを特徴とする請求項1のPVA塗布液のス
    ライドビード塗布方法。
  3. 【請求項3】前記帯状支持体の走行速度である塗布速度
    は、100〜300m/分の高速塗布であることを特徴
    とする請求項1又は2のPVA塗布液のスライドビード
    塗布方法。
  4. 【請求項4】前記多層塗布膜のうちのいずれかの層のP
    VA塗布液に増粘剤を含有させることを特徴とする請求
    項1、2又は3のPVA塗布液のスライドビード塗布方
    法。
  5. 【請求項5】前記PVA塗布液を前記帯状支持体に塗布
    する直前で、前記帯状支持体にコロナ処理又は帯電処理
    の表面処理を施すことを特徴とする請求項1、2、3又
    は4のPVA塗布液のスライドビード塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009536675A (ja) * 2006-05-11 2009-10-15 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 両面粘着テープ
JP2012016704A (ja) * 2011-09-16 2012-01-26 Dow Global Technologies Llc コーテッド紙または板紙を製造する方法

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