JP2000262629A - 血管内挿入用医療器具 - Google Patents

血管内挿入用医療器具

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JP2000262629A
JP2000262629A JP11074957A JP7495799A JP2000262629A JP 2000262629 A JP2000262629 A JP 2000262629A JP 11074957 A JP11074957 A JP 11074957A JP 7495799 A JP7495799 A JP 7495799A JP 2000262629 A JP2000262629 A JP 2000262629A
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outer tube
inner tube
tube
blood vessel
resin
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JP11074957A
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Nobunari Hayashi
信成 林
Yukihiko Murata
幸彦 村田
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Original Assignee
Terumo Corp
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    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/06Body-piercing guide needles or the like
    • A61M25/065Guide needles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B90/00Instruments, implements or accessories specially adapted for surgery or diagnosis and not covered by any of the groups A61B1/00 - A61B50/00, e.g. for luxation treatment or for protecting wound edges
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂製内管の機械的強度に優れ、長期間にわた
って保管したり、温度・湿度変化の大きい環境で保管し
た場合でも内管が収縮し難く、またエチレンオキサイド
ガス滅菌による内管の収縮も生じ難い血管内挿入用医療
器具を提供する。 【解決手段】血管内挿入医療器具(血管穿刺器具)1
は、金属製外管2と、外管2の内径とほぼ同一外径を有
し、外管2内に挿入された樹脂製内管3からなる管状体
5を備える。樹脂製内管3の先端開口の周縁部3bは、
金属製外管2の先端開口2aの周縁部の少なくとも一部
を内側より被覆している。そして、樹脂製内管3は、ポ
リイミド系樹脂から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管内挿入用医療
器具に関するものである。具体的には、動脈、静脈など
の目的部位にカテーテルを導入するために使用されるガ
イドワイヤーを、血管内に導入する時に用いられる血管
穿刺器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガイドワイヤーを血管に導入
するための血管穿刺器具が使用されている。血管穿刺器
具としては、ガイドワイヤーを導入するための外管と、
この外管の基端部に固着された外管ハブを有する外管組
立体と、外管組立体内に抜去可能に挿入し、かつ先端に
穿刺用刃面を有する内針と、内針の基端部に固着され、
前記外管ハブの後端部と係合する内針ハブとからなる内
針組立体とにより構成されたものが一般的である。
【0003】しかし、この血管穿刺器具では、内針の抜
去作業が必要であった。そこで、本発明者は、内針の抜
去作業の必要のない血管穿刺器具を検討した。そして、
特開平7−178180号公報に記載されている通り、
金属製外管と、外管の内径とほぼ同一外径を有し、外管
内に挿入された樹脂製内管からなる管状体と、管状体の
基端部に固着されたハブとからなる血管穿刺器具を作製
した。この血管穿刺器具では、内針の抜去作業が必要で
なく、作業が容易である。
【0004】そして、上記特開平7−178180号公
報では、上記樹脂製内管の構成材料として、ETFE、
PTFE、FEP、PFA等のフッ素系樹脂、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂などが挙げ
られている。
【0005】また、このような血管穿刺器具は、生体内
に導入して用いられるものであるから、滅菌処理してか
ら出荷する必要がある。従来より、医療器具の滅菌方法
としては、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌、高
圧蒸気滅菌、γ線滅菌などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したET
FE、PTFE、FEP、PFA等のフッ素系樹脂、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂は、
ある程度の機械的強度を有しているが、これらの材料を
用いて上記血管穿刺器具の内管を構成すると、その中に
導入されたガイドワイヤーを目的部位に向けて挿入する
ために頻回にわたってガイドワイヤーを管状体内で摺動
させたり回転させた場合に、金属製外管の先端とガイド
ワイヤーとの間に挟まれて内管が擦れて破断する可能性
があり、より機械的強度に優れた樹脂製内管を有する血
管穿刺器具が望まれている。
【0007】また、これらの構成材料で内管を構成する
と、上記血管穿刺器具を長期間にわたって保管したり、
周囲の温度変化や湿度変化の激しい場所で保管した場合
に、この樹脂製内管が収縮を生じる可能性がある。上記
血管穿刺器具において、樹脂製内管は金属製外管の先端
開口の後方側部分(アゴ部)を内側から被覆し、血管穿
刺器具に導入したガイドワイヤー等がこの部分に直接接
触しないように保護することを目的としている。したが
って、このような内管の収縮が生じると、管状体の内側
において外管の上記部分が内管の先端から露出し、この
部分でガイドワイヤーの血管内導入時にガイドワイヤー
が擦れたり、損傷する虞れがある。
【0008】さらに、上記滅菌処理に関して、高圧蒸気
滅菌は古くから行われている滅菌方法であるが、温度、
湿度共にかなり高い状態で滅菌処理を行うため、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の耐熱性の低い樹脂材料に対
しては適用できず、また上記フッ素系樹脂で内管を構成
した場合でも、滅菌後の内管の変形が大きいという問題
がある。また、γ線滅菌は、γ線の取り扱いに熟練を要
し、かつγ線を照射する装置が高価であり装置コストが
高くなるという問題がある。これに対して、エチレンオ
キサイドガス滅菌は高圧蒸気滅菌よりも低温、低湿度で
滅菌処理を行え、かつγ線滅菌の場合ほど高価な装置を
必要とせず、比較的簡単な操作で滅菌を行うことができ
る。
【0009】しかしながら、上記したETFE、PTF
E、FEP、PFA等のフッ素系樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂で構成された樹
脂製内管を備える血管穿刺器具に対してエチレンオキサ
イドガス滅菌を行うと、滅菌時の温度、湿度および減圧
の影響により、内管の収縮が生じ易く、管状体の内側に
おいて外管の上記部分が内管の先端から露出し、この部
分でガイドワイヤーの血管内導入時にガイドワイヤーが
擦れたり、損傷を受けるおそれがある。
【0010】本発明の目的は、従来のETFE、PTF
E、FEP、PFA等のフッ素系樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂で構成された樹
脂製内管を備える血管穿刺器具よりも、内管の機械的強
度に優れた血管内挿入用医療器具を提供することであ
る。
【0011】また、本発明の目的は、長期間にわたり保
管したり、周囲の温度変化や湿度変化の激しい場所で保
管した場合でも、樹脂製内管の収縮が小さく、管状体の
内側において外管の先端開口の後方側部分(アゴ部)が
内管の先端から露出することのない血管内挿入用医療器
具を提供することである。
【0012】さらに、本発明の目的は、エチレンオキサ
イドガス滅菌処理を行った場合でも、樹脂製内管の収縮
が小さく、管状体の内側において外管の先端開口の後方
側部分(アゴ部)が内管の先端から露出することのない
血管内挿入用医療器具を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、金属製外管と、該外管の内径とほぼ同一外径を有
し、該外管内に挿入された樹脂製内管からなる管状体を
備えた血管内挿入用医療器具であって、前記樹脂製内管
の先端開口の周縁部は、前記金属製外管の先端開口の周
縁部の少なくとも一部を内側より被覆しており、前記樹
脂製内管はポリイミド系樹脂から形成されていることを
特徴とする血管内挿入用医療器具である。
【0014】そして、前記金属製外管の先端開口は、該
外管の長手方向に所定長にわたって開口しており、前記
樹脂製内管の先端開口の周縁部は、前記外管の先端開口
の周縁部の少なくとも後方側部分を内側より被覆してい
ることが好ましい。また、前記金属製外管の先端開口の
後方側部分において、該外管の内側の縁部が丸められて
いることが好ましい。また、前記金属製外管の前記丸め
られた縁部と前記樹脂製内管とは該外管の径方向に離間
していることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の血管内挿入用医療器具を
血管穿刺器具に応用した実施例を、図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る血管穿刺器具の外
観図であり、図2は、図1に示した血管穿刺器具の先端
部の拡大断面図であり、図3は、図1に示した血管穿刺
器具の基端部の拡大断面図であり、図4は、管状体の基
端部を側面図とした図1に示した血管穿刺器具の部分拡
大断面図である。
【0016】本発明の血管内挿入用医療器具1は、金属
製外管2と、外管2の内径とほぼ同一外径を有し、外管
2内に挿入された樹脂製内管3からなる管状体5を備え
た血管内挿入用医療器具であって、樹脂製内管3の先端
開口の周縁部3bは、金属製外管2の先端開口2aの周
縁部の少なくとも一部を内側より被覆しており、樹脂製
内管3はポリイミド系樹脂から形成されているものであ
る。
【0017】図面に示す実施例は、本発明の医療器具を
血管穿刺器具に応用したものである。この血管穿刺器具
1は、金属製外管2と樹脂製内管3とからなる管状体5
と、この管状体5の基端部に固着されたハブ7とからな
る。管状体5は、中空の金属製外管2と、この外管内に
挿入された樹脂製内管3とからなる。金属製外管2は、
図1および図2に示すように、先端開口2aと、穿刺用
刃面2bを有している。先端開口2aは、外管2の中心
軸線に対して斜めに形成されており、これにより、開口
2aは外管2の長手方向に対して所定長にわたって開口
したものとなっている。金属製外管2としては、中空の
ものが用いられている。外管2の形成材料としては、ス
テンレス鋼が好適である。外管2の外径としては、0.
9〜2.0mm程度が一般的である。そして、図示のよ
うに、先端開口2aの後方側部分において、外管2の内
側の縁部2cは鋭く角ばった形状となっている。
【0018】なお、本発明において、開口部2aの形状
は図示のものに限定されず、長手方向に所定長にわたっ
て開口するものであればいかなる形状でもよい。
【0019】樹脂製内管3は、金属製外管2の内径とほ
ぼ同じ外径を有し、外管内に挿入されている。図示され
ているように、内管3の先端開口の形状は外管の先端開
口2aおよび刃面2bにほぼ対応した形状となってい
る。
【0020】そして、内管3の先端開口の周縁部3b
は、外管2の先端開口2aの周縁部2bのうち先端開口
2aの後方側部分(縁部2cが形成された側の部分)を
内側より被覆している。具体的に言うと、内管3の先端
は、外管2の先端開口2aの後方側部分(縁部2cが形
成された側の部分)において、外管2の先端まで延び、
さらに外管2の先端より図2に示す長さLだけ突出して
いる。したがって、外管2のこの部分は内管2によって
内側から保護されており、血管穿刺器具1に導入したガ
イドワイヤー等が外管2のこの部分と直接接触すること
が防止される。なお、図示のように内管3が外管2の先
端より突出している場合の上記長さLとしては、0.2
mm以上が好ましく、より好ましくは0.3mm以上で
ある。上記範囲であれば、上記範囲であれば、後述する
ガイドワイヤーの血管内挿入操作においてガイドワイヤ
ーが大きく変形(湾曲)した場合でもガイドワイヤーが
外管2に接触することがなく、かつ、血管内への挿入を
円滑に行うことができる。
【0021】なお、図示の内管3の先端は、外管2の先
端開口2aの後方側部分(鋭く角ばった縁部2cが形成
されている側)において、外管2の先端より突出してい
るが、本発明はこれに限定されるものでなく、内管3の
先端が外管2の先端とほぼ同じ位置であってもよい。
【0022】さらに、内管3の先端は、外管2の先端に
形成された刃面2aにほぼ対応した形状となっており、
内管3の先端面と外管2の先端面には実質的に段差など
がなく、連続した面となっていることが好ましい。この
ようにすることにより、穿刺時の抵抗を少なくすること
ができる。
【0023】なお、内管3の周縁部3bは、少なくとも
上記外管2の先端開口2aの後方側部分を被覆していれ
ばよく、上記外管2の先端開口2aの前方側部分(刃面
2bが形成された側の部分)も被覆していてもよい。但
し、図示のように刃面2bが形成されている場合には、
刃面2bの先端付近においては内管3の先端が外管の先
端(刃面2bの突端)より突出していないことが好まし
い。このようにすることにより、穿刺時の抵抗を少なく
することができる。
【0024】樹脂製内管3の基端は、図3および図4に
示すように、金属製外管2の基端より所定長突出し、こ
の突出した基端部が、金属製外管2の先端方向に屈曲さ
れ、金属製外管2の基端部外面上に位置する屈曲部3a
を形成している。具体的には、図4に示すように、樹脂
製内管3の基端部は、複数のスリットにより分割され、
かつ金属製外管2の先端方向に折り曲げられることによ
り、金属製外管2の基端部外面を被覆する屈曲部3aと
なっている。そして、この外管2の基端部を被包する樹
脂製内管3の屈曲部3aは、折り曲げられることにより
スリットが拡がり形成された隙間12を有する。スリッ
トの数としては、2以上であればよく、特に、3〜6程
度が好適である。このようにスリットを設けることによ
り、内管3の屈曲部3aを容易に形成することができ
る。
【0025】内管3の外径としては、0.7〜1.8m
m程度が好適である。また、屈曲部3aの長さは、3〜
8mm程度が好適である。
【0026】そして、樹脂製内管3は、ポリイミド系樹
脂から形成されている。このため、内管3が非常に機械
的強度に優れたものとなる。また、血管穿刺器具1を長
期間にわたって保管したり、あるいは温度変化や湿度変
化の激しい条件で保管した場合でも、内管3の収縮(図
2に示す長さLが小さくなること)が防止される。ま
た、血管穿刺器具1の製造後にエチレンオキサイドガス
滅菌を行った場合でも、滅菌前に比べて内管3が収縮す
る(図2に示す長さLが小さくなる)ことが防止され
る。したがって、管状体5の内側において外管2の先端
開口2aの後方側部分(縁部2c)が内管3の先端開口
の周縁部3bから露出し、この部分でガイドワイヤーの
血管内導入時にガイドワイヤーが擦れたり、損傷を受け
る虞れがない。
【0027】上記ポリイミド系樹脂としては、例えば、
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の、ポリイミ
ドのホモポリマーおよびポリイミドを主構成成分とし、
これにポリイミド樹脂としての特性を損ねない範囲内で
他のポリマー成分を共重合したものが挙げられる。な
お、このようなポリイミド系樹脂には、その特性を損な
わない範囲内で、例えばアロイ化剤、相溶化剤、安定化
剤、各種顔料等を混合したり、他の樹脂材料をブレンド
しても差し支えない。
【0028】ハブ7は、中空状であり、図1および図3
に示すように、基端にガイドワイヤー等の挿入口となる
開口7aと、先端部内部に、屈曲部3aが形成された管
状体5を収納する収納部7bを備えている。開口7aと
収納部7bを形成する凹部は、通路7cにより連通して
いる。また、ハブ7の中央より若干先端側の位置に、穿
刺時に指をかけるためのフランジ9が設けられている。
ハブ7の収納部は、屈曲部3aが形成された管状体5の
外径より若干大きい内径を有する円柱状の凹部であり、
かつ収納部の底部(凹部の底部)は、管状体5の基端の
係止部7dを形成している。この実施例のように、係止
部7dは、収納部7bより内径が小さい環状突起により
形成することが好ましく、特に、係止部7dの内径は、
樹脂製内管3の内径とほぼ等しいことが好ましい。この
ように形成することにより、スリットを介してハブ7の
内部と外部とが連通することを防止できる。
【0029】そして、ハブ7は、収納部内であって、か
つ管状体5の基端部が収納されたときの屈曲部3aの端
部よりハブ7の先端側となる位置に、環状溝7eを有す
ることが好ましい。言い換えれば、収納部7bの底部7
dより屈曲部3aの長さと同じか若干長い距離離間した
位置に環状溝7eを有している。さらに、この環状溝7
eより先端側に第二の環状溝7fを有することが好まし
い。環状溝7e,7fの径は、屈曲部3aが形成する外
径より大きいことが好ましい。このようにすることによ
り、後述する接着剤によるハブ7への管状体の固着が確
実となる。ハブ7の形成材料としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレンな
どの熱可塑性合成樹脂が使用できる。
【0030】そして、屈曲部3aが形成された管状体5
は、図3および図4に示すように、ハブ7の収納部内
に、収納部の底部に管状体5の基端が当接するまで挿入
されている。そして、管状体5とハブ7との間に形成さ
れた間隙には、接着剤10が注入されており、この接着
剤10により管状体5はハブ7に固着されている。接着
剤10は、環状溝7e,7fにも流入しており、この環
状溝に流入し固化した接着剤10は、図4に示すように
環状リブとなり楔機能を発揮し、管状体5がハブ7より
離脱することを防止する。さらに、接着剤10は、図4
および図3のA−A線断面図である図5に示すように、
屈曲部3aの隙間(スリット)内にも流入していること
が好ましい。このようにすることにより、ハブへの管状
体の固着がより確実となり、さらに、スリットを介して
ハブの内部と外部とが連通することも防止できる。さら
に、図示しないが、屈曲部3aとハブ7との間隙にも接
着剤が流入していることが好ましい。
【0031】そして、この血管穿刺器具1は、図1に示
す状態にて、ハブ7を持って、血管に穿刺することによ
り使用される。そして、内管3の内部を通って血液が流
出し、血管への穿刺ができたことが確認される。そし
て、ガイドワイヤー20をハブ7の後端開口7aより挿
入する。このとき、図6に示すように、外管2の先端開
口2aの後方側部分において、先端開口2aの周縁部
(縁部2c)は内管3の周縁部3bにより内側から覆わ
れ、管状体5の内側に露出しない構造であるため、ガイ
ドワイヤー20が外管2の先端開口2aの周縁部(縁部
2c)に接触してこすれたり、損傷される虞れがなく、
高い安全性でかつ円滑にガイドワイヤの血管内挿入操作
を行うことができる。
【0032】そして、ガイドワイヤーのある程度の部分
が血管内に挿入した後、この血管穿刺器具1は抜去さ
れ、続いて、ガイドワイヤーを被覆するように血管造影
用、血管拡張用などのカテーテルが血管内に導入され
る。
【0033】以上説明した血管穿刺器具1は、例えば次
のようにして製造することができる。
【0034】まず、金属製外管2と樹脂製内管3とから
なり、金属製外管2の内部に該樹脂製内管3が挿入され
かつ金属製外管2の基端より突出する樹脂製内管3の基
端部に複数のスリットが設けられた管状体5を作成する
工程を行う。
【0035】具体的には、金属製外管2および樹脂製内
管3を準備する。金属製外管2としては、ステンレス鋼
などにより、外径が、0.9〜2.0mm程度であり、
図5に示すように、先先端開口2aおよび穿刺用刃面2
bを有する中空状のものを準備する。樹脂製内管3とし
ては、金属製外管2の内径とほぼ同じ内径を有し、かつ
金属製外管2より長いものを準備する。樹脂製内管3の
形成材料としては、ETFE、PTFE、FEP、PF
A等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等
のオレフィン系樹脂などが好適に使用される。準備する
内管3の長さとしては、15mm程度外管2より長いも
のが好適である。また、後述するように内管3の基端部
は、後の工程にて分割して折り曲げられるので、折り曲
げ可能な材料を用いることが必要であり、上記の材料で
あれば好適である。
【0036】そして、図7に示すように、このようにし
て準備した樹脂製内管3を金属製外管2内に挿入し、樹
脂製内管3の先端が金属製外管2の先端より突出し、か
つ樹脂製内管3の基端が所定長金属製外管2の基端より
突出する状態とする。外管2の基端より突出する樹脂製
内管3の長さとしては、0.1〜0.9mm程度が好適
であり、特に0.2〜0.5mmが好ましい。そして、
外管2の基端より突出する部分の樹脂製内管3に、図7
に示すように、複数のスリット13を形成する。スリッ
ト13の形成は、カッターなどの切断器具、レザーなど
により行われる。形成されるスリット13の数は、2以
上であればよく、好ましくは、3〜6である。そして、
3以上スリットを設ける場合は、各スリット13は、等
間隔離間するように形成することが好ましい。
【0037】このようにして、図7に示す状態の外管2
と内管3からなる管状体5が作製される。なお、図7に
示す管状体5の形成工程は、上記の方法に限られず、あ
らかじめ内管の基端部の所定の長さ部分にスリットを形
成した内管を、このスリットが設けられた基端部が金属
製外管2の基端より突出するように挿入することにより
行ってもよい。
【0038】そして、図8に示すように、スリットを設
けた樹脂製内管3の基端部を先端方向に折り曲げ屈曲部
3aを形成する。具体的には、スリット13により分割
された樹脂製内管3の基端部を、外管2の基端を支点と
して、外管2の外面上に到達するまで折り曲げる。この
作業をスリット13の数(基端部を分割した数)繰り返
して行うことにより、図8に示すような、樹脂製内管3
の基端部により屈曲部3aが形成された管状体5が作製
される。なお、屈曲部3aは、外管2の外面に密着する
ことが好ましいが、多少の間隙が両者間にあってもよ
い。そして、折り曲げられた屈曲部3aの形状を安定さ
せるために、屈曲部付近に対して加熱処理を行ってもよ
い。
【0039】次に、このようにして作製した管状体5の
基端部を、図1に示すような外観形状と、図4および図
3に示すような断面形状を有するハブ7の凹部(収納部
7b)内に挿入し、管状体5とハブ7との間隙に接着剤
10を注入し、管状体5とハブ7とを固着する。ハブ7
の先端開口より注入された接着剤10は、外管2の外面
とハブ7の収納部7bの内面間に形成された間隙に流入
し、さらに、ハブ7に設けられた2つの環状溝7e,7
f内に流入し、そして、樹脂製内管3の基端部が折り曲
げられて、スリット13が広がったことにより形成され
た間隙12内にも流入する。また、図示しないが、屈曲
部3bとハブ7との間に接着剤が流入可能な空隙がある
場合には、その空隙にも流入する。同様に、図示しない
が、屈曲部3aと金属製外管2の外面との間に接着剤が
流入可能な空隙がある場合には、その空隙にも流入す
る。
【0040】そして、接着剤10が固化することによ
り、管状体5(外管および内管)はハブ7に固着され
る。そして、外管2の外径より大きい屈曲部3aは、接
着剤10がハブ7に接した状態で固化した後は、楔機能
を発揮するため、管状体5のハブ7からの抜去を防止す
る。また、環状溝7e,7fに流入し、固化した部分の
接着剤10は、接着剤固化物の離脱方向に対する楔機能
を有し、接着剤自体のハブ7からの離脱を防止する。
【0041】そして、金属製外管2の先端より突出する
樹脂製内管3の先端を切断する内管先端形成工程を行う
ことにより、本発明の血管穿刺器具1が作製される。な
お、金属製外管2の先端より突出する樹脂製内管3の先
端の切断は、カッターなどの切断器具、レザーなどによ
り行われる。また、内管3の切断は、このように管状体
5がハブ7に固着された後に行うことが好ましい。内管
3と外管2の先端のずれが形成されることを防止でき
る。
【0042】しかし、上記血管穿刺器具1の製造方法は
上記した方法に限定されるものではなく、例えば、樹脂
製内管3による屈曲部3aを形成した状態にて内管3の
先端の突出部分を切断してもよく、また、図7の内管3
の基端部にスリット13を入れた状態、またスリット1
3を入れる前に行ってもよい。さらに、あらかじめ内管
3の先端を外管の刃面形状に対応した形状に切断したも
のを用い、この内管3を外管2内に、両者の先端面が連
続するように挿入してもよい。
【0043】図9は、本発明の他の実施例に係る血管穿
刺器具の外観図であり、図10は、図9に示した血管穿
刺器具の先端部を拡大して示す外観図であり、図11
は、図9に示した血管穿刺器具の先端部の拡大断面図で
ある。なお、これらの図に示す実施例と、図1ないし図
4に示す実施例と同一の構成については同一の符号を付
し、説明は省略する。
【0044】図9ないし図11に示す血管内挿入用医療
器具(血管穿刺器具)4は、金属製外管2と、外管2の
内径とほぼ同一外径を有し、外管2内に挿入された樹脂
製内管3からなる管状体5を備えた血管内挿入用医療器
具であり、樹脂製内管3の先端開口の周縁部3bは、金
属製外管2の先端開口2aの周縁部の少なくとも一部を
内側より被覆しており、樹脂製内管3はポリイミド系樹
脂から形成されているものである。そして、この血管内
挿入用医療器具4と、図1ないし図4に示す血管内挿入
用医療器具1との相違は、外管2の先端開口2aの後方
側部分における内側の縁部2cが丸められて(角がとれ
た形状となって)いる点のみである。
【0045】この縁部2cの内径は、その内側に配設さ
れた内管3の外径よりも大きくなっている。このため、
外管2の先端開口2aの後方側部分において、外管2の
丸められた縁部2cと樹脂製内管3とは外管2の径方向
に離間している。
【0046】このような丸められた縁部2cを形成する
範囲としては、先端開口2aの最後端を中心に、先端開
口2aの周縁部全体の40%にわたって形成されている
ことが好ましく、より好ましくは先端開口2aの周縁部
全体の60〜80%である。上記範囲を下回ると、血管
穿刺器具4の血管に対する挿入方向によってはガイドワ
イヤーの変形(湾曲)の自由度がそれほど高くならず、
血管内導入時におけるガイドワイヤーの操作性が妨げら
れる虞れがある。
【0047】このような丸められた縁部2cは、先端開
口2aを有する金属製外管2を準備したあと、例えば直
径20μm程度のガラスビーズ、ホワイトアランダム
(WA)、グリーンカーボン(GC)等の微粒体を噴射
する等により物理的に研磨する方法や、電解研磨、化学
研磨、レーザビームの照射等により形成することができ
る。上記微粒体の噴射により丸め加工を行う場合は、こ
のような微粒体を水若しくは空気のような流体とスラリ
ーポンプ等で混合しながら例えば4〜8kg/cm
圧力で噴射することが好ましい。
【0048】そして、このようにして丸められた縁部2
cを形成したあと、外管2の先端開口の先端部(前方
部)に、切削加工等によって刃面2bを形成する。そし
て、前述した血管穿刺器具1の場合と同様の工程を行う
ことで、図示の血管穿刺器具4を製造することができ
る。
【0049】そして、内管3の先端開口の周縁部3b
は、外管2の先端開口2aの周縁部2bのうち先端開口
2aの後方側部分に対応する部分(縁部2cが形成され
た側の部分)を内側より被覆している。具体的に言う
と、内管3の先端は、外管2の先端開口2aの後方側部
分(縁部2cが形成された側の部分)において、外管2
の先端まで延び、さらに外管2の先端より図2に示す長
さLだけ突出している。したがって、外管2のこの部分
は内管3によって内側から保護されており、血管穿刺器
具4に導入したガイドワイヤー等が外管2のこの部分と
直接接触することが防止される。なお、図示のように内
管3が外管2の先端より突出している場合の上記長さL
としては、0.2mm以上が好ましく、より好ましくは
0.3mm以上である。上記範囲であれば、後述するガ
イドワイヤーの血管内挿入操作においてガイドワイヤー
が大きく変形(湾曲)した場合でもガイドワイヤーが外
管2に接触することがなく、かつ、血管内への挿入を円
滑に行うことができる。
【0050】なお、図示の内管3の先端は、外管2の先
端開口2aの後方側部分(縁部2cが形成された側の部
分)において、外管3の先端より突出しているが、本発
明はこれに限定されるものでなく、内管3の先端が外管
2の先端とほぼ同じ位置であってもよい。
【0051】そして、樹脂製内管3は、ポリイミド系樹
脂から形成されている。このため、内管3が非常に機械
的強度に優れたものとなる。また、血管穿刺器具4を長
期間にわたって保管したり、あるいは温度変化や湿度変
化の激しい条件で保管した場合でも、内管3の収縮(図
11に示す長さLが小さくなること)が防止される。ま
た、血管穿刺器具4の製造後にエチレンオキサイドガス
滅菌を行った場合でも、滅菌前に比べて内管3が収縮す
る(図11に示す長さLが小さくなる)ことが防止され
る。したがって、管状体5の内側において外管2の先端
開口2aの後方側部分(縁部2c)が内管3の先端開口
の周縁部3bから露出し、この部分でガイドワイヤーの
血管内導入時にガイドワイヤーがこすれたり、損傷を受
ける虞れがない。
【0052】上記ポリイミド系樹脂としては、例えば、
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の、ポリイミ
ドのホモポリマーおよびポリイミドを主構成成分とし、
これにポリイミド樹脂としての特性を損ねない範囲内で
他のポリマー成分を共重合したものが挙げられる。な
お、このようなポリイミド系樹脂には、その特性を損な
わない範囲内で、例えばアロイ化剤、相溶化剤、安定化
剤、各種顔料等を混合したり、他の樹脂材料をブレンド
しても差し支えない。
【0053】そして、この血管穿刺器具4は、ハブ7を
持って、血管に穿刺することにより使用される。そし
て、内管3の内部を通って血液が流出し、血管への穿刺
ができたことが確認される。そして、ガイドワイヤーを
ハブ7の後端開口7aより挿入していく。このとき、外
管2の先端開口2aの後方側部分において、先端開口2
aの周縁部(縁部2c)が内管3の周縁部2bにより内
側から覆われ、管状体5の内側に露出してないため、ガ
イドワイヤー20が外管2の先端開口2aの周縁部(縁
部2c)に接触してこすれたり、損傷される虞れがな
く、高い安全性でかつ円滑にガイドワイヤの血管内挿入
操作を行うことができる。
【0054】さらに、先端開口2aの後方側部分におけ
る外管2の内側の縁部2cが丸められているため、図1
2に示すように、内管3が外管2の縁部2bに当接する
まで、管状体5の内腔の中心軸線から遠ざかる方向に捲
れるように変形することができる。このため、図12に
示すように、血管穿刺器具1に挿通されたガイドワイヤ
20が管状体5の中で高い自由度で変形(湾曲)でき
る。したがって、管状体5内に挿通されたガイドワイヤ
20をたいへん円滑に操作でき、血管内導入時における
ガイドワイヤー操作性がきわめて高いものとなる。
【0055】そして、ガイドワイヤー20のある程度の
部分が血管内に挿入した後、この血管穿刺器具1は抜去
され、続いて、ガイドワイヤーを被覆するように血管造
影用、血管拡張用などのカテーテルが血管内に導入され
る。
【0056】なお、丸められた縁部3cの形状は図11
に示したような形状に限定されるものではなく、例えば
図13に示すものでもよい。図13は、外管の丸められ
た縁部の変形例を示す説明図である。図11に示した縁
部2cは、外管2の長手方向において曲線的に丸められ
た形状であるのに対し、図13に示す縁部2cは、外管
2の長手方向において直線的に丸められた(角がとれ
た)形状となっている。
【0057】このような形状においても、内管3が外管
2の縁部2cに当接するまで管状体5の内腔の中心軸線
から遠ざかる方向に捲れるように変形することができ
る。このため、血管穿刺器具に挿通されたガイドワイヤ
が管状体5の中で高い自由度で変形(湾曲)できる。し
たがって、管状体5内に挿通されたガイドワイヤ20を
たいへん円滑に操作でき、血管内導入時におけるガイド
ワイヤー操作性がきわめて高いものとなる。
【0058】以上、本発明を添付図面に基づき説明した
が、本発明は図示のような形状に限定されるものではな
く、金属製外管と樹脂製内管とを有する血管内挿入用医
療器具であればいかなるものでもよい。例えば、図示の
管状体5は全長にわたってほぼ一定の外径及び内径を有
しているが、血管穿刺器具1の血管内への穿刺をより容
易に行うために、管状体5の先端部が先細りとなった形
状とすることも可能である。
【0059】また、以上の説明は、本発明の血管内挿入
用医療器具を血管穿刺器具に応用した実施例を用いて行
ったが、本発明の血管内挿入用医療器具は、血管穿刺器
具に限定されるものではなく、例えば、カテーテル、血
管内留置針、注射針、採血針、麻酔用針(例えば、脊髄
針、硬膜外針)などの種々の血管内挿入用の医療器具に
応用することができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例に基づき詳細に
説明する。
【0061】先端が斜めに開口したステンレス鋼製の外
管(全長15.5cm、外径1.3mm、内径1.1m
m)を準備した。この外管の先端開口に研削加工により
穿刺用刃面を形成した。
【0062】一方、熱可塑性ポリイミド樹脂(三井東圧
化学(株)製、商品名オーラム[登録商標]PL40
0)のペレットを用いて押出成形法により内管(全長1
7.0cm、外径1.06mm、内径0.95mm)を
準備した。
【0063】そして、この内管を外管内に挿入し、内管
の先端が外管の先端より突出し、内管の基端が所定長外
管の基端より突出する状態とした。そして、外管2の基
端より突出する部分の内管にスリットを形成し、この部
分を先端方向に折り曲げた。
【0064】そして、これらの内管と外管とからなる管
状体の基端部を、ハブに挿入し、管状体とハブとの間隙
に接着剤を注入した。接着剤が固化したあと、外管2の
先端より突出する内管の先端を切断し、図1ないし図4
に示す本発明の血管穿刺器具を計10本作製した(実施
例1〜10)。
【0065】一方、熱可塑性ETFE樹脂(旭硝子
(株)製、商品名アフロンCOP)のペレットを用い押
出成形法により内管を準備したことを除いては上記と同
様にして、血管穿刺器具を計5本作製した(比較例1〜
5)。
【0066】これらの実施例1〜10及び比較例1〜5
の血管穿刺器具について、先端開口の後方側部分におけ
る外管先端からの内管先端の突出長さ(L)を精密測長
機を用いて測定したあと、以下に示す滅菌試験及びサイ
クル試験(一定周期で周囲の温度および湿度を変化さ
せ、それにより影響されるチューブの変化を調べる試
験)を行った。
【0067】[滅菌試験]実施例1〜10および比較例
1〜5の血管穿刺器具を滅菌タンクに入れ、下記表1に
示す条件でエチレンオキサイドガス滅菌を行った。
【0068】
【表1】
【0069】滅菌終了後、これらの血管穿刺器具を室温
まで冷却し、各血管穿刺器具の先端開口の後方側部分に
おける外管先端からの内管先端の突出長さ(L)を精密
測長機を用いて測定した。
【0070】続いて、これらの血管穿刺器具について以
下に示すサイクル試験を行った。
【0071】[サイクル試験]滅菌試験終了後の実施例
1〜10および比較例1〜5の血管穿刺器具を温湿サイ
クル機(HITACHI社製COSMOPIA)に入
れ、下記表2に示す条件でサイクル試験を行った。
【0072】
【表2】
【0073】試験終了後、これらの血管穿刺器具を室温
まで冷却し、各血管穿刺器具の先端開口の後方側部分に
おける外管先端からの内管先端の突出長さ(L)を精密
測長機を用いて測定した。
【0074】滅菌前、滅菌後及びサイクル試験後の実施
例1〜10および比較例1〜5の各血管穿刺器具の上記
長さ(L)をまとめて下記表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】これらの結果から、滅菌後の実施例1〜1
0のポリイミド製の内管では、滅菌前に比べて平均で
0.222mm、最大で0.229mmの伸張が見られ
るのに対し、滅菌後の比較例1〜5のETFE製の内管
では、滅菌前に比べて平均で0.005mm、最大で
0.017mmの収縮が見られることがわかった。ま
た、サイクル試験後の実施例1〜10のポリイミド製の
内管では、滅菌後(サイクル試験前)に比べて平均で
0.135mm、最大で0.145mmの収縮が見られ
るのに対し、サイクル試験後の比較例1〜5のETFE
製の内管では、滅菌後(サイクル試験前)に比べて平均
で0.230mm、最大で0.263mmの収縮が見ら
れることがわかった。
【0077】したがって、比較例のETFE製の内管
は、エチレンオキサイドガス滅菌の際の温度、湿度、減
圧等の影響及び保管時の温度変化や湿度変化の影響によ
る収縮が大きいのに対し、実施例のポリイミド製内管は
上記影響による収縮が極めて小さいことが確認された。
【0078】本発明の血管穿刺器具においては、内管の
機能として、先端開口の後方側部分において外管を内側
から被覆し保護することを目的としているため、収縮に
よる外管の内側への露出は最低限避けなければならな
い。したがって、本発明の血管穿刺器具の樹脂製内管の
構成材料としては、滅菌ならびに保管時の温度変化、湿
度変化によって収縮を生じないポリイミド樹脂が適して
いると考えられる。
【0079】
【発明の効果】本発明の血管内挿入用医療器具は、金属
製外管と、該外管の内径とほぼ同一外径を有し、該外管
内に挿入された樹脂製内管からなる管状体を備えた血管
内挿入用医療器具であって、前記樹脂製内管の先端開口
の周縁部は、前記金属製外管の先端開口の周縁部の少な
くとも一部を内側より被覆しており、前記樹脂製内管は
ポリイミド系樹脂から形成されている。よって、この医
療器具では、内管の機械的強度に優れたものとなる。ま
た、この医療器具では、長期間にわたり保管したり、周
囲の温度変化や湿度変化の激しい場所で保管した場合で
も、樹脂製内管の収縮が小さく、管状体の内側において
外管の先端開口の後方側部分(アゴ部)が内管の先端か
ら露出することが防止される。さらに、この医療器具で
は、エチレンオキサイドガス滅菌処理を行った場合で
も、樹脂製内管の収縮が小さく、管状体の内側において
外管の先端開口の後方側部分(アゴ部)が内管の先端か
ら露出することが防止される。したがって、この医療器
具によれば、外管の上記部分でガイドワイヤーの血管内
導入時にガイドワイヤーが擦れたり、損傷する虞れがな
く、極めて円滑にガイドワイヤーの血管導入操作を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の血管内挿入器具を血管穿刺器
具に応用した一実施例の外観図である。
【図2】図2は、図1に示した血管穿刺器具の先端部の
拡大断面図である。
【図3】図3は、図1に示した血管穿刺器具の基端部の
拡大断面図である。
【図4】図4は、管状体の基端部を側面図とした図1に
示した血管穿刺器具の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、図3のA−A線での断面図である。
【図6】図6は、図1に示した血管穿刺器具を血管に穿
刺し、ガイドワイヤーを血管穿刺器具を介して血管内に
導入する操作を説明するための説明図である。
【図7】図7は、図1に示した血管穿刺器具の製造方法
の一例を説明するための説明図である。
【図8】図8は、図1に示した血管穿刺器具の製造方法
の一例を説明するための説明図である。
【図9】図9は、本発明の血管内挿入器具を血管穿刺器
具に応用した他の実施例の外観図である。
【図10】図10は、図9に示した血管穿刺器具の先端
部を拡大して示す外観図である。
【図11】図11は、図9に示した血管穿刺器具の先端
部の拡大断面図である。
【図12】図12は、図9に示した血管穿刺器具を血管
に穿刺し、ガイドワイヤーを血管穿刺器具を介して血管
内に導入する操作を説明するための説明図である。
【図13】図13は、縁部2cの変形例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1、4 血管内挿入用医療器具(血管穿刺器具) 2 金属製外管 2a 先端開口 2b 刃面 2c 縁部 3 樹脂製内管 3a 屈曲部 3b 周縁部 5 管状体 7 ハブ 7a 開口 7b 管状体基端部収納部 7c 通路 7d 係止部 9 フランジ 10 接着剤 12 間隙 13 スリット L 突出長さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製外管と、該外管の内径とほぼ同一
    外径を有し、該外管内に挿入された樹脂製内管からなる
    管状体を備えた血管内挿入用医療器具であって、 前記樹脂製内管の先端開口の周縁部は、前記金属製外管
    の先端開口の周縁部の少なくとも一部を内側より被覆し
    ており、 前記樹脂製内管はポリイミド系樹脂から形成されている
    ことを特徴とする血管内挿入用医療器具。
  2. 【請求項2】 前記金属製外管の先端開口は、該外管の
    長手方向に所定長にわたって開口しており、前記樹脂製
    内管の先端開口の周縁部は、前記外管の先端開口の周縁
    部の少なくとも後方側部分を内側より被覆している請求
    項1に記載の血管内挿入用医療器具。
  3. 【請求項3】 前記金属製外管の先端開口の後方側部分
    において、該外管の内側の縁部が丸められている請求項
    2に記載の血管内挿入用医療器具。
  4. 【請求項4】 前記金属製外管の前記丸められた縁部と
    前記樹脂製内管とは該外管の径方向に離間している請求
    項3に記載の血管内挿入用医療器具。
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