JP2000261993A - 高トルク型電動・発電機 - Google Patents

高トルク型電動・発電機

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JP2000261993A
JP2000261993A JP11066223A JP6622399A JP2000261993A JP 2000261993 A JP2000261993 A JP 2000261993A JP 11066223 A JP11066223 A JP 11066223A JP 6622399 A JP6622399 A JP 6622399A JP 2000261993 A JP2000261993 A JP 2000261993A
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JP
Japan
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permanent magnet
magnetic
rotor
generator
reinforcing
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Application number
JP11066223A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority to JP11066223A priority Critical patent/JP2000261993A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この高トルク型電動・発電機は,永久磁石部
材の外周面に配置した補強部材の強度をアップする。。 【解決手段】 この高トルク型電動・発電機は,回転子
3を回転軸2の外周に少なくとも磁路コア7を介して配
置された磁石片5Aから成るの永久磁石部材5と,永久
磁石部材5の外周に配置された非磁性の補強部材から構
成されている。補強部材は,高強度のアモルファス合金
から成る非磁性部材31の領域で凹部32に形成された
パイプ状補強材16,凹部32の外側に配置された楔状
の押え材34,及び押え材34と補強材16とを磁路コ
ア7に固定するねじ30から構成されている。ねじ30
は補強材16の長手方向の複数箇所に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,永久磁石から成
る回転子と該回転子の外周に配置されたステータとから
成る高トルク型電動・発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,電動・発電機は,直流式,誘導式
のものがあり,最近では,永久磁石を用いたタイプが高
い発電効率又は電動効率が得られ,簡単な構造で構成で
きるということから,最近,工業用機器に多く使用され
るようになった。電動・発電機について,電圧及び電流
が増加するに従って回転子の回転数が上昇すると,回転
子には大きな遠心力が発生し,該遠心力に回転子が耐え
られないと,回転子が破壊されるので,回転子が遠心力
に耐えることが電動・発電機には要求される。そこで,
回転子を構成する永久磁石部材の外周を補強リング等の
補強部材で補強し,回転子が遠心力に耐えるように構成
されている。
【0003】例えば,特開昭62−272850号公報
に開示された永久磁石式回転機は,回転子に永久磁石が
配置され,可動磁性体が封入された回転子の回転で径方
向へ可動磁性体を案内する磁極片形成用の容器を回転子
に設けたものである。
【0004】また,特開平7−236260号公報に開
示された高出力交流電動・発電機は,回転速度に応じて
磁束密度を制御して発電量を適正に制御するものであ
り,回転子とステータとの間に制御リングを相対回転可
能に配置し,制御リングに接離可能な透磁性体を設けた
ものである。
【0005】ところで,車両に搭載してエンジンから放
出される排気ガスを浄化するため,ディーゼルパティキ
ュレートフィルタが設けられているが,ディーゼルパテ
ィキュレートフィルタでは,フィルタで捕集されたカー
ボン,HC等から成るパティキュレートを加熱焼却して
フィルタを再生するため,ヒータが設けられている。ヒ
ータに使用する電力を,車両に設けた発電機やバッテリ
から供給するが,車両には十分な電力が無いのは一般的
であり,そのためにも車両等に設けた電動・発電機につ
いて,高効率で,低速時にも十分な電力を供給できるも
のが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,永久磁
石を用いた電動・発電機は,構造が簡単であり,高出力
を出すことができるが,高速回転の時に永久磁石部材を
固定している補強部材の強度が十分でなく,回転子が破
壊されたり,或いは,回転数が小さい時には,余り大き
なトルクを出すことができない。即ち,電動・発電機に
おける回転子が高速回転する時に,大きな遠心力が作用
するので,その遠心力で永久磁石部材がバーストしない
ような補強が永久磁石部材の保持のため常に要求され,
そのため,永久磁石の強度をアップさせるための構造上
の工夫が要求される。また,電動・発電機は,回転子を
高速回転させることによって高い出力が得られるので,
回転子を軽量に作製すると共に剛性を高めて高速回転に
耐えるため,どのような構造に構成すれば良いかの課題
があった。
【0007】また,電動・発電機における永久磁石の磁
力が永久磁石のサイズで固定されるので,磁力を増すた
めには電動・発電機自体を大型に構成しなければ低速で
の磁力を大きくすることができないからである。従来の
電動・発電機については,磁力を増加させるための構造
が種々に開発されているが,決定的なものは存在しない
のが現状である。また,電動・発電機において,永久磁
石を用いた回転子を使用すれば,小型で高速化すること
ができるが,工作機械のような使用環境が厳しい場所で
は,その構造が複雑になり,工作機械に組み込むことが
困難であり,成立が難しい。小型の回転子を組み込んだ
電動・発電機は,運転するには永久磁石とステータとの
距離が極力小さくなるように構成することが好ましい。
そのためには,回転子の外周面を高精度に切削すること
が必要になる。
【0008】また,発電機を大型に構成して大電力を発
電してバッテリ等に蓄電したり,その電力でヒータやコ
ンプレッサを駆動することが考えられるが,発電機を大
型にするには,コストや製作費,或いはスペース等につ
いて解決しなければならない問題がある。電動・発電機
における発電電力は回転子の回転速度と磁界の強さとの
積であるので,電動・発電機は回転子の回転速度が速い
程,発電電力が大きくなる。また,電動・発電機におけ
る磁界の強さは,永久磁石の磁力とその面積との積であ
るので,電動・発電機は永久磁石の面積が大きく,磁力
が強い程,発電電力が大きくなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,永久
磁石部材を板状の永久磁石に形成することによって製造
コストを低減し且つ設計の自由度を大きくすると共に,
永久磁石部材の磁力に電磁石による磁力を加算すること
で低速時の軸トルクを増加させ,特に,永久磁石部材の
外周に設けた非磁性材から成る補強部材を簡単な構造で
且つ高強度に構成して回転子が高速回転時の遠心力に耐
えるように構成した高トルク型電動・発電機を提供する
ことである。
【0010】この発明は,ハウジングに回転可能に支持
された回転軸,前記回転軸に取り付けられた回転子,及
び前記回転子の外周に配置され且つ前記ハウジングに固
定されたステータを具備し,前記回転子は,前記回転軸
の外周に配置された非磁性材を周方向に隔置して介在し
た透磁材から成る円筒状磁路コア,該磁路コアの外周に
配置され且つ磁極が互いに相違する状態で周方向に隔置
して配置された磁石片と該磁石片間に介在された非磁性
部材とから成る円筒状の永久磁石部材,及び該永久磁石
部材の外周に配置された非磁性の補強部材から構成さ
れ,また,前記補強部材は,前記永久磁石部材の外周に
嵌合し且つ前記磁石片間の前記非磁性部材の領域で断面
が楔状に変形した凹部を備えた軸方向に延びるパイプ状
補強材,該パイプ状補強材の前記凹部の外側に配置され
た軸方向に延びる楔状押え材,及び前記補強材を前記押
え材を介して前記磁路コアに固定して前記補強材を前記
永久磁石部材の外周に緊締する固着手段から構成されて
いることから成る高トルク型電動・発電機に関する。
【0011】前記固着手段は,前記補強材の長手方向に
複数箇所に設けられると共に,前記押え材,前記補強材
の前記凹部及び前記永久磁石部材間の前記非磁性部材を
貫通して前記磁路コアに螺入されたねじから構成され,
前記ねじを前記磁路コアに緊締することによって前記補
強材が前記永久磁石部材の外周に緊張される。更に,前
記ねじは前記永久磁石部材間に配置された前記押え材内
に埋没しており,前記回転子の外周面は断面円形に形成
されている。
【0012】前記補強材は,高強度のアモルファス合金
から作製されている。更に,前記補強材を構成する前記
アモルファス合金は,鉄系アモルファス合金,コバルト
系アモルファス合金,ニッケル系アモルファス合金から
構成されている。
【0013】前記永久磁石部材で形成された外周円形の
外径より大きい内径を持つ前記補強材は,前記永久磁石
部材に嵌合させた状態で前記凹部に成形される。
【0014】前記磁路コアは,前記回転軸の外周に非磁
性部材を介して筒状に形成された透磁部材を含んでい
る。
【0015】前記回転子の両端側には,前記永久磁石部
材による磁力に追加の磁力を発生させる電磁石が設けら
れている。前記電磁石は,前記永久磁石部材の磁極方向
に沿って磁束が流れるように前記回転子に密着する密着
部と該密着部を前記回転子から軸方向に離間させる切欠
き部を周方向に隔置状態に有する円筒部とから構成され
た電磁石コアと,前記電磁石コアに対応して前記ハウジ
ングの磁路ケースに固定された円筒状の電磁石コイルと
から構成されている。
【0016】この高トルク型電動・発電機は,上記のよ
うに構成したので,回転子の外周面に配置されて回転子
を補強する補強部材は,パイプ状補強材に形成した凹部
を永久磁石部材間の非磁性部材に位置させることによっ
て,永久磁石部材が互いにずれることなく強固に所定の
位置にねじ等の固着手段で固定される。また,ねじ等の
固着手段は,補強材の長手方向に複数箇所に設けられて
いるが,前記ねじは前記永久磁石部材間に配置された前
記非磁性部材内に埋没しており,前記回転子の外周面が
前記補強部材と前記非磁性部材とで高精度に断面円形に
形成される。
【0017】補強部材を,アモルファス合金でパイプ状
補強材に形成した場合には,補強材自体の厚さを薄く構
成できると共に,補強部材の引張強さを350kg/c
2(3200MPa)以上の強度に構成でき,回転子
が高速回転したとしても,遠心力に十分に耐えることが
できる。また,補強部材を薄く高い強度のアモルファス
合金の材料で永久磁石部材の外周に嵌合すれば,永久磁
石の回転子とステータとのクリアランスが小さくなり,
効率が向上する。また,補強材を透磁性の良い材料で作
ると,磁界がパイプ状補強材を通過し,効率のロスが発
生するが,本発明では補強材は,アモルファス合金で薄
く作製されているので,強度が飛躍的に増大し,大きな
遠心力に耐えることができると共に,効率のロスを防止
することができる。
【0018】また,永久磁石部材によるその外側がN極
に且つ内側がS極から成る磁力が通過するのに加えて,
回転子の両端には電磁石コアの軸方向の内側がS極に且
つ軸方向の外側がN極による電磁石コアからの電磁力が
通過し,それによって,トータルの磁力線が同方向に通
過して増加され,特に,低速トルクがアップされる。コ
ントローラは,低速時に電磁石の電磁石コイルに通電す
る制御を行うように設定しておけば,低速時の軸トルク
をアップさせることができる。従って,この高トルク型
電動・発電機は,永久磁石の磁力に電磁石の磁力を増加
させて低速時のトルクを増加させることができ,回転子
を構成する永久磁石を複数の永久磁石部材で作製して筒
体に形成し,筒体の外周面を補強部材を巻き上げて固定
することによって,製造コストを大幅に低減できると共
に,構造がシンプルで高強度に構成でき,十分な発電力
を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による高トルク型電動・発電機の実施例を説明する。図
1はこの発明による高トルク型電動・発電機を示す軸方
向の断面図,図2は図1の高トルク型電動・発電機にお
けるA−A断面における実施例を示す断面図,及び図3
は図1の高トルク型電動・発電機における回転子の拡大
断面図である。
【0020】この発明による高トルク型電動・発電機
は,例えば,回転軸2をコージェネレーションシステム
のエンジンに取り付けて発電させたり,電動・発電機と
エンジンを併設したハイブリット自動車のエンジンに連
結することによってエンジンの回転力で発電したり,車
軸に取り付けて駆動系に用いたり,或いは工作機械等の
機械装置にコントローラの指令で作動させる小型の電動
・発電機として適用できるものである。
【0021】この実施例の電動・発電機は,主として,
ねじ27で互いに連結された一対のハウジング部材1
A,ハウジング部材1Aの両端にそれぞれに固定された
磁路ケース1B及び磁路ケース1Bの外側を被覆する非
磁性材のカバー部材1Cから成るハウジング1,磁路ケ
ース1Bに非磁性材(図示せず)を介在して配置された
一対の軸受13によって回転可能にそれぞれ支持されて
いる回転軸2,回転軸2に固定されている永久磁石部材
5から成る回転子(ロータ)3,及び回転子3の外周で
回転子3との間に隙間17を形成してハウジング1に固
定されている固定子即ちステータ4を有している。回転
子3は,その両端が回転軸2に設けられたねじ24に押
さえ板12を介して固定ナット11が螺入され,回転子
3が回転軸2に固定されている。押さえ板12の外周面
は磁路ケース1Bに微小クリアランスを持って隣接し,
一種のワッシャである押さえ板12は電磁石9の磁力線
の通路を形成している。また,回転軸2には,図示して
いないが,例えば,回転軸2の端部に入力となるベルト
プーリが固定され,ベルトプーリにエンジンの出力軸に
取り付けたベルトが掛けられている。ステータ4は,図
2に示すように,積層された薄板のステータコア20の
空所25にステータコイル14が巻き付けられている。
ステータコア20における空所25の内周側に隙間21
が形成され,隙間21によって隣接するステータコア2
0のヨーク部20Aが遮断されている。
【0022】回転子3は,回転軸2の外周に筒状に複数
配置され且つ隣接間に非磁性部材22が介在された透磁
部材6,透磁部材6の外周に配置された磁路コア7,磁
路コア7の外周に配置され且つ磁極が互いに相違する状
態で筒状に複数配置された板状の永久磁石部材5,及び
永久磁石部材5の外周面に固定された非磁性の補強部材
16から構成されている。磁路コア7は,永久磁石部材
5に相当する部分に透磁材7Aと,その境界にガラス材
等の非磁性材7Bが周方向に交互に配置されて円筒状に
形成されている。また,永久磁石部材5は,周方向に隔
置して配置された軸方向に延びる磁石片5Aと,互いに
隣接する磁石片5Aの間に介在された非磁性部材31と
から,全体的にほぼ円筒状に形成されている。永久磁石
部材5における磁石片5Aの一部が内周側に一方の磁極
(N極又はS極)が且つ外周側に他方の磁極(S極又は
N極)が位置するように配置され,隣接する他の磁石片
5Aの磁極(N極とS極)は互いに相違するように配置
されている。また,透磁部材6は,永久磁石部材5の磁
極に沿って磁束が流れるように,永久磁石部材5の磁石
片5A分だけ板材を周方向に積層した積層板材6Aと,
積層板材6A間に介在された非磁性部材22とから円筒
状に形成されている。
【0023】回転子3の両端側には,永久磁石部材5の
磁力に追加の磁力を発生させる電磁石9が設けられてい
る。電磁石9は,回転子3の両端側で回転軸2に固定さ
れた電磁石コア8と,電磁石コア8に対応してハウジン
グ1の磁路ケース1Bに固定された円筒状の電磁石コイ
ル19から構成されている。電磁石コア8は,永久磁石
部材5の磁極方向に沿って磁束が流れるように回転子3
に密着する密着部18と,密着部18を回転子3から軸
方向に離間させる切欠き部15が周方向に隔置して形成
された円筒部26とから構成されている。密着部18
は,透磁部材6,磁路コア7及び永久磁石部材5の各両
端面にそれぞれ密着して補強材16の位置まで延びてい
る。
【0024】この電動・発電機は,特に,ハウジング1
に固定されたステータ4に対して回転可能に支持された
回転軸2に固定された回転子3を補強するパイプ状補強
材16から成る補強部材に特徴を有している。補強部材
を補強材16は,アモルファス合金から構成され,強度
が大幅にアップされている。補強部材は,永久磁石部材
5の外周に嵌合し且つ磁石片5A間の非磁性部材31の
領域で断面が楔状に変形した凹部32を備えた軸方向に
延びるパイプ状補強材16,パイプ状補強材16の凹部
32の外側に配置された軸方向に延びる楔状押え材3
4,及び補強材16を押え材34を介して磁路コア7に
固定して補強材16を永久磁石部材5の外周に緊締する
ねじ30から成る固着手段から構成されている。ねじ3
0は,押え材34,補強材16の凹部32,及び永久磁
石部材5間の非磁性部材31を貫通し,磁路コア7のね
じ孔に螺入固定されている。補強材16は,帯状薄板を
接合することによって作製でき,永久磁石部材5に嵌合
して凹部32を形成した後に,凹部32の長手方向に孔
35を複数箇所にあけることによって形成できる。ねじ
30は,補強材16の長手方向に複数箇所の孔35を貫
通して磁路コア7にを螺入して設けられる。また,ねじ
30は,永久磁石部材5間に配置された押え材34内に
埋没しており,回転子3の外周面は,補強材16と押え
材34とで断面円形に形成されている。
【0025】補強材16は,高強度のアモルファス合金
から作製されている。アモルファス合金は,例えば,鉄
系アモルファス合金,コバルト系アモルファス合金,ニ
ッケル系アモルファス合金等から構成されている。鉄系
アモルファス合金としては,Fe8020,Siを含有し
たFe7810Si12,Fe62Mo2018,Fe46Cr 16
Mo2018等がある。コバルト系アモルファス合金とし
ては,Co44Mo36 20,Co34Cr28Mo2018等が
ある。ニッケル系アモルファス合金としては,Ni34
24Mo2418等がある。これらのアモルファス合金を
用いて作製した補強材16は,引張強さが350kg/
mm2 (3200MPa)以上の強度に構成できるの
で,回転子3が高速回転したとしても,遠心力に十分に
耐えることができる。
【0026】また,補強材16は,永久磁石部材5で形
成された外周円形の外径より大きい内径に形成されてお
り,永久磁石部材5に嵌合した状態で凹部32が成形さ
れている。即ち,補強材16をアモルファス合金で作製
した場合には,アモルファス合金が高価で成形が困難で
あるが,補強材16自体の厚さを薄く作製できるので,
補強材16の内径を永久磁石部材5の円筒形の外径より
大きく構成し,補強材16を永久磁石部材5の外周面に
嵌合した後に,例えば,図3のように,周方向に6箇所
の凹部32を形成するように補強材16を成形すれば,
補強材16を永久磁石部材5と非磁性部材31とに容易
に密着させることができる。次いで,ねじ30を磁路コ
ア7のねじ部材に螺入し,補強材16を永久磁石部材5
と非磁性部材31に更に密着させて固定し,最後に,凹
部32の領域に,樹脂等の押え材34を充填し,外周面
を断面円形に成形すれば,外周面が断面円形の回転子4
が完成する。
【0027】また,非磁性部材22,31や,押え材3
4の非磁性部材は,例えば,ホウロウ材,オーステナイ
トステンレス,ニッケルホウロウ材からなり,鉄及び銅
と,ケイ酸ガラス及び/又はホウケイ酸ガラス等のガラ
ス材とを混合した混合材から構成されている。永久磁石
部材5を非磁性部材31で互いに接合させる場合には,
非磁性部材31を構成する混合材とAl2 3 等のセラ
ミックスとを,永久磁石部材5の間に充填し,これを6
00℃〜300℃に加熱することによって非磁性部材3
1が永久磁石部材5を互いに接合させることができる。
非磁性部材22についても,同様にして透磁部材6間に
固定することができる。
【0028】また,電磁石9は,電磁石コア8と電磁石
コア8に巻回された電磁石コイル19から構成され,コ
ントローラ10が回転軸2のトルクに応答して電磁石コ
イル19への通電を制御することによって付勢され,永
久磁石部材5と同方向の磁力線を発生させることができ
る。また,永久磁石部材5の隣接する間には,非磁性部
材31がそれぞれ配置され,補強部材16の凹部32の
部分には断面三角柱の非透磁部材34がそれぞれ配置さ
れ,非透磁部材31,押え材34はねじ30で押し付け
られて固定されている。
【0029】透磁部材6及び電磁石コア8は,フェライ
ト材,Moパーマロイ,センダスト等の透磁性に優れた
材料から構成されている。フェライト材は,一般式Mn
X ZnY FeZ であり,その組成は,具体的には,Mn
O:ZnO:Fe3 4 =22%:15%:63%,又
はMnO:ZnO:Fe3 4 =15〜19%:13〜
17%:67〜78%である。又は,Moパーマロイ
は,Ni−Fe系磁性合金であり,具体的には,その組
成は,Ni:Fe:Mo=79%:17%:4%であ
る。或いは,センダスト材は,Fe−Si−Alを含有
する磁性合金であり,具体的には,その組成は,Fe:
Si:Al=85%:9.6%:5.4%である。
【0030】この高トルク型電動・発電機は,上記の構
成を有するので,電磁石コイル19を通電させることに
よって電磁石コア8とステータ4との間に追加の磁力線
が形成されることになる。コントローラ10は,回転軸
2の回転数に応答して,電磁石コイル19に通電して電
磁石コア8を通過する磁力を発生させてトルクをアップ
する制御を行うものである。また,回転子3を回転させ
て発電させる場合,高速度で回転させる程,発電電力が
大きくなるが,その遠心力も大きくなる。この高トルク
型電動・発電機は,上記のように補強部材をアモルファ
ス合金による補強材16で作製したので,例えば,直径
が100mm以上の大型回転子を持つ電動・発電機に適
用することもでき,その時に発生する大きな遠心力にも
十分に耐えることができ,バランス良く回転させること
ができる。また,回転子3は,大型の電動・発電機の場
合,永久磁石を最小サイズにしないと,コスト高になる
が,回転子3の永久磁石は,多数の永久磁石部材5から
構成されているので,その要件を十分に満足して低コス
トで作製できるものである。
【0031】
【発明の効果】この高トルク型電動・発電機は,上記の
ように,永久磁石部材の外周を補強する補強部材をアモ
ルファス合金による凹部を持つ補強材で構成したので,
回転子が高速回転してもその遠心力に十分に耐えること
ができ,回転エネルギを電気エネルギに変換する高速発
電機や高速モータとして適用でき,発電機をコジェネレ
ーションシステム,ハイブリット自動車用エンジン等に
容易に適用できると共に,工作機械等で使用される高速
回転のモータに適用することができ,特に,60000
rpm以上という回転子の高速回転にも耐えると共に,
製造コストを低減でき,しかもコンパクトに構成でき
る。また,この高トルク型電動・発電機は,永久磁石部
材を磁石片で安価に構成でき,大型や小型に適宜に対応
でき,高い出力を得ることができる。例えば,この電動
・発電機を車両に搭載すれば,十分な電力を発電でき,
車両が停止している時でも,車両に搭載されたエンジン
から排出される排気ガスを浄化するフィルタを再生する
ヒータに十分な電力を供給できる。或いは,この電動・
発電機を冷凍車に搭載すれば,冷凍車のコンプレッサや
エバポレータを駆動するための電力を十分に供給でき,
従来の冷凍車のように,別の電源を使用する必要がなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による高トルク型電動・発電機の一実
施例を示す軸方向の断面図である。
【図2】図1の高トルク型電動・発電機におけるA−A
断面における実施例を示す断面図である。
【図3】図1の高トルク型電動・発電機における回転子
の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 回転軸 3 回転子 4 ステータ 5 永久磁石部材 5A 磁石片 6 透磁部材 7 磁路コア 7A 透磁材 7B 非磁性材 8 電磁石コア 9 電磁石 10 コントローラ 15 切欠き部 16 補強材 18 密着部 19 電磁石コイル 22,31 非磁性部材 26 円筒部 30 ねじ 32 凹部 34 押え材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転可能に支持された回転
    軸,前記回転軸に取り付けられた回転子,及び前記回転
    子の外周に配置され且つ前記ハウジングに固定されたス
    テータを具備し,前記回転子は,前記回転軸の外周に配
    置された非磁性材を周方向に隔置して介在した透磁材か
    ら成る円筒状磁路コア,該磁路コアの外周に配置され且
    つ磁極が互いに相違する状態で周方向に隔置して配置さ
    れた磁石片と該磁石片間に介在された非磁性部材とから
    成る円筒状の永久磁石部材,及び該永久磁石部材の外周
    に配置された非磁性の補強部材から構成され,また,前
    記補強部材は,前記永久磁石部材の外周に嵌合し且つ前
    記磁石片間の前記非磁性部材の領域で断面が楔状に変形
    した凹部を備えた軸方向に延びるパイプ状補強材,該パ
    イプ状補強材の前記凹部の外側に配置された軸方向に延
    びる楔状押え材,及び前記補強材を前記押え材を介して
    前記磁路コアに固定して前記補強材を前記永久磁石部材
    の外周に緊締する固着手段から構成されていることから
    成る高トルク型電動・発電機。
  2. 【請求項2】 前記固着手段は,前記補強材の長手方向
    に複数箇所に設けられると共に,前記押え材,前記補強
    材の前記凹部及び前記永久磁石部材間の前記非磁性部材
    を貫通して前記磁路コアに螺入されたねじから構成さ
    れ,前記ねじを前記磁路コアに緊締することによって前
    記補強材が前記永久磁石部材の外周に緊張されることか
    ら成る請求項1に記載の高トルク型電動・発電機。
  3. 【請求項3】 前記ねじは前記永久磁石部材間に配置さ
    れた前記押え材内に埋没しており,前記回転子の外周面
    は断面円形に形成されていることから成る請求項2に記
    載の高トルク型電動・発電機。
  4. 【請求項4】 前記補強材は,高強度のアモルファス合
    金から作製されていることから成る請求項1に記載の高
    トルク型電動・発電機。
  5. 【請求項5】 前記補強材を構成する前記アモルファス
    合金は,鉄系アモルファス合金,コバルト系アモルファ
    ス合金,ニッケル系アモルファス合金から構成されてい
    ることから成る請求項4に記載の高トルク型電動・発電
    機。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石部材で形成された外周円形
    の外径より大きい内径を持つ前記補強材は,前記永久磁
    石部材に嵌合させた状態で前記凹部に成形されることか
    ら成る請求項4に記載の高トルク型電動・発電機。
  7. 【請求項7】 前記磁路コアは,前記回転軸の外周に非
    磁性部材を介して筒状に形成された透磁部材を含んでい
    ることから成る請求項1に記載の高トルク型電動・発電
    機。
  8. 【請求項8】 前記回転子の両端側には,前記永久磁石
    部材による磁力に追加の磁力を発生させる電磁石が設け
    られていることから成る請求項1に記載の高トルク型電
    動・発電機。
  9. 【請求項9】 前記電磁石は,前記永久磁石部材の磁極
    方向に沿って磁束が流れるように前記回転子に密着する
    密着部と該密着部を前記回転子から軸方向に離間させる
    切欠き部を周方向に隔置状態に有する円筒部とから構成
    された電磁石コアと,前記電磁石コアに対応して前記ハ
    ウジングの磁路ケースに固定された円筒状の電磁石コイ
    ルとから構成されていることから成る請求項8に記載の
    高トルク型電動・発電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015136244A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 アイダエンジニアリング株式会社 永久磁石回転電機
CN110114577A (zh) * 2016-12-21 2019-08-09 罗伯特·博世有限公司 电动齿轮泵

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