JP3607098B2 - 永久磁石を用いた発電・電動機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は,ハウジングに回転可能に支持された回転軸に取り付けられた永久磁石から成るロータと,該ロータの外周に配置され且つハウジングに固定されたステータとから成る永久磁石を用いた発電・電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,工作機械等の技術分野では,各種切削のためのバイトや砥石を取り付けた回転軸の速度が大幅にアップされ,加工能率の向上が計られている。例えば,工作物に内径を切削する加工機では,切削する内径が小さい場合には,バイトや砥石を取り付けた回転軸の速度を増速させることが加工効率をアップする点から重要な問題となっている。従来の回転機械に用いる発電・電動機は,直流発電・発電・電動機の場合には,回転軸の回転速度を増速させると,電極ブラシの摩耗や破損が発生するという問題がある。また,誘導発電・電動機の場合に,回転子即ちロータに誘導コイルを巻き込んでいるため,ロータの回転速度を増速させると,遠心力が大きくなり,破損の可能性が大きくなるという問題がある。
【0003】
最近,永久磁石の性能が向上するに従って永久磁石を発電・電動機の回転子即ちロータとして使用される機会が増加してきた。また,永久磁石をロータとした発電・電動機は,高い発電効率又は電動効率が得られることと,簡単な構造で構成できるという特徴を有することから,最近,工業用機器に多く使用されるようになった。
【0004】
通常,円筒形の永久磁石を作製するには,鉄,ネオジム,サマリウム,コバルト等の元素を含有する合金粉末を非磁性体から成る円筒形の成形型に充填し,合金粉末を高温度で圧縮成形して固化させ,その成形体を高周波加熱で瞬間的に焼結し,成形体の焼結時にNS極即ち磁力をかけて合金中の磁力線を揃えている。次いで,焼結型から円筒形の永久磁石の焼結体を取り出し,その焼結体の外周面や内周面を研削加工し,永久磁石の焼結体を作製する。一方,焼結体を補強するための補強材として,カーボン長繊維を巻き上げた薄肉外筒を作製する。そこで,前記薄肉外筒内に永久磁石の焼結体をプレスで圧入嵌合させて,ロータに仕上げている。また,発電・電動機は,ロータの回転が上昇すると,ロータに大きな遠心力が発生し,その遠心力に耐えられないと破壊されるので,その遠心力に耐えることが要求される。そのため,ロータを構成する永久磁石の外周を補強リング等で補強してロータが遠心力に耐えるように構成されているのが一般的である。また,永久磁石式発電・電動機は,出力が増すと,ステータに巻回した巻線の電流が増し,発熱したり,大きな磁力によって発生する渦電流により発熱し,永久磁石の磁力を減少させることがある。
【0005】
また,永久磁石をロータとした発電・電動機としては,例えば,実開昭60−162977号公報に開示された回転電機,又は特開昭62−272850号公報に開示された永久磁石式回転機が知られている。例えば,特開昭62−272850号公報に開示された永久磁石式回転機は,ロータに永久磁石が配置され,可動磁性体が封入されたロータの回転で径方向へ可動磁性体を案内する磁極片形成用の容器をロータに設けたものである。また,特開平7−236260号公報に開示された高出力交流発電・電動機は,回転速度に応じて磁束密度を制御して発電量を適正に制御するものであり,ロータとステータとの間に制御リングを相対回転可能に配置し,制御リングに接離可能な透磁性体を設けたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,ロータに永久磁石を組み込んだ永久磁石式発電・電動機は,ロータの回転速度が増速され,例えば,5〜20万rpmで回転すると,遠心力が大きくなり,永久磁石が強度に弱いため破損の可能性がある。永久磁石式発電・電動機は,遠心力でロータが破損するのを防止するため,上記のように,永久磁石を円筒形状に構成し,永久磁石の外周面にカーボン繊維等の補強線を巻き上げてロータを補強しているが,一般に,カーボン繊維の径が50μm程度と細く,カーボン繊維の線材一本の強度は大きくない。しかも,カーボン繊維の補強線の線材一本が円形断面に形成されているので,単位面積当たりのカーボン繊維が占める割合は密度を大きくしても78%程度となり,補強材として十分に機能しない。
【0007】
また,高い効率を要求される回転機は,上記補強材を出来るだけ薄くし,磁気損失を小さくする必要がある。従って,上記の繊維材で補強するだけでは不十分である。しかも,永久磁石は,熱に対して強くなく,150℃〜200℃程度で磁力が減少する減磁現象が発生する。また,発電・電動機におけるロータの高速高出力化に伴い,ステータの巻線への供給電流が増加し,銅損や鉄損が増加し,発熱量が大きくなり,そのため,ロータ及びステータの温度上昇が発生する。
【0008】
また,上記発電・電動機は,上記工作機に適用できる他,車両に搭載してエンジンから放出される排気ガスを浄化するため,ディーゼルパティキュレートフィルタが設けられているが,ディーゼルパティキュレートフィルタではフィルタで捕集されたカーボン,スモーク,HC,SOX 等から成るパティキュレートを加熱焼却してフィルタを再生するため,ヒータが設けられ,そのヒータに使用する電力を,車両に設けた発電・電動機を用いることができる。また,従来の冷凍車は,エバポレータとコンプレッサを備えており,それらを駆動するため発電機が設けられている。しかしながら,車両が停止すると,発電機の発電電力は低下し,冷凍機を駆動できないため,従来の冷凍車は,発電・電動機を設け,別の電源(交流の100V電源)から発電・電動機を回してコンプレッサを駆動しているタイプがある。このような問題を解決するため,発電機を大型に構成して大電力を発電してバッテリ等に蓄電したり,その電力でヒータやコンプレッサを駆動することが考えられるが,発電機を大型にするには,コストや製作費,或いはスペース等の解決しなければならない問題がある。従って,これらの用途に対応するため,上記の発電・電動機を用いることができる。。
【0009】
また,永久磁石をロータとする発電・電動機は,発電電力がロータの回転速度と磁界の強さの積であるので,ロータの回転速度が速い程,発電電力が大きくなる。また,磁界の強さは,永久磁石の磁力とその面積との積である。しかしながら,永久磁石を大きな径を持った円筒形に作製することは,発電・電動機の大型化につながり困難であり,該永久磁石を大径のロータに構成することは強度上,製作上,困難であるので,永久磁石をロータとする以上,大出力の発電は望めないことになる。また,永久磁石の素材である鉄,ネオジム,サマリウム,コバルト等の材料は,コストが高いので,効率良く利用することが望まれる。発電・電動機が大型になればなるほど永久磁石を大型化しなければならないので,それに対応するため,永久磁石をセグメント部材に分割して使用することが考えられるが,永久磁石をセグメント部材に分割した場合に如何なる構造に構成すればよいかの課題がある。
【0010】
また,発電・電動機において,ロータが高速回転する時に,大きな遠心力が作用するので,その遠心力で永久磁石がバーストしないような補強が永久磁石の保持のため常に要求され,そのため,永久磁石の補強構造の強度をアップさせるための構造上の工夫が要求される。また,発電・電動機は,ロータを高速回転させることによって高い出力が得られるので,ロータを軽量に作製すると共に,永久磁石の外周面とステータとの間の距離を小さくして剛性を高めて高速回転に耐えるようにするため,どのような構造に構成すれば良いかの課題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,永久磁石をNS極にそれぞれ交番する複数の永久磁石部材を円筒形に配置してロータを構成し,ロータの補強を金属薄板の巻き上げによって高強度の補強部材に構成すると共に,ロータの高速回転によって発生する熱を直ちに放熱できる冷却性に富んだ構造にステータとロータとを構成した永久磁石を用いた発電・電動機を提供することである。
【0012】
この発明は,ハウジングに回転可能に支持された回転軸,前記回転軸に取り付けられたロータ,及び前記ロータの外周に配置され且つ前記ハウジングに固定されたステータから成る発電・電動機において,前記ロータは円弧状の永久磁石部材を筒状に複数個配置した永久磁石体,前記永久磁石部材間に配置され且つ前記永久磁石部材を互いに接着させる接着用樹脂材,前記永久磁石体に巻回された内面に接着剤が塗布された非磁性の耐熱合金から成る薄板の補強部材から構成され,前記薄板は前記永久磁石部材の外周に張力を与えて巻き上げられて前記薄板にプレストレスが与えられていることを特徴とする永久磁石を用いた発電・電動機に関する。
【0013】
この永久磁石を用いた発電・電動機は,前記接着剤には,その線膨張係数を前記薄板の線膨張係数に調整するため,ガラス短繊維が混合されている。
【0014】
この永久磁石を用いた発電・電動機では,前記補強部材を構成する前記薄板の最外周端部は,その切断面が軸方向に斜めに延びており,巻回の内側に位置する前記薄板に互いに溶着されて前記薄板の斜めに延びる前記最外周端部に傾斜段部が形成され,前記傾斜段部によって前記ステータと前記ロータとの間に形成された隙間に前記ロータの回転で空気が流されて温度上昇が防止されるものである。従って,ロータの外周面を構成する金属製薄板の最外周端部にポンプ機能を持たせることによって,冷却効果をアップでき,熱による永久磁石の減磁を防止できる。
【0015】
また,この永久磁石を用いた発電・電動機は,前記ステータの銅線を巻き上げた銅線部には,SiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性セラミック短繊維又は粒子を混合したフェノール等の樹脂材が,前記銅線間に浸入して固化されているものである。従って,この発電・電動機は,銅損や鉄損による発熱が発生するが,ステータの銅線部の銅線間を熱伝導率の良好なセラミックスを混入した樹脂材で埋められているので,ステータの熱伝導率を大きくできるので,熱の放散を良好にすることができ,永久磁石の減磁を防止できる。
【0016】
この永久磁石を用いた発電・電動機は,前記ステータが嵌合する前記ハウジングの内周面には内側突起部と内側凹部とが形成され,前記ハウジングの前記内側凹部に対向する前記ステータの外周面には外側凹部が形成され,前記内側凹部と前記外側凹部とで形成される領域にはSiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性セラミック短繊維又は粒子を混合したフェノール等の樹脂材が充填されているものである。
【0017】
この永久磁石を用いた発電・電動機は,上記のように,ロータを構成する永久磁石を複数の永久磁石部材で作製し,永久磁石部材の固定のため,永久磁石体の外周を金属製薄板の補強部材で巻回して薄板にプレストレスを与えた構造に構成したので,高速回転による遠心力にも耐えることができると共に,永久磁石体を複数の永久磁石部材を樹脂材で接合して構成したので,製造コストを低減できると共に,製造に長時間を要することなく,しかも高精度に作製できる。また,ロータは,金属製薄板で永久磁石部材を積層巻回したので,繊維材を積層巻回したタイプに比較して,その断面積を1.3倍程増加させ,強度をアップすることができ,高速回転で発生する遠心力に耐えることができる。更に,薄板は,繊維材に比較して強度をアップできるので,その分だけ薄板の厚さを薄く構成でき,回転効率を向上させることができる。また,薄板は,永久磁石体に対して張力を与えて積層巻回することができるので,永久磁石体を安定して強固に固定できる。また,薄板は,0.1〜0.3mm程度の厚さでよく,加工が容易にできる。また,接着用樹脂材は,電気絶縁の役割があるので,磁力による渦電流の発生を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による永久磁石を用いた発電・電動機の実施例を説明する。図1はこの発明による永久磁石を用いた発電・電動機において,ロータとステータとを外形を示し,他の部分を断面で示す概略図,図2は図1の発電・電動機におけるロータを断面で示す断面図,図3は図1の発電・電動機におけるロータの製造工程を説明する斜視図,及び図4は図1の発電・電動機におけるステータの一部を示す説明図である。
【0019】
この発明による永久磁石を用いた発電・電動機は,例えば,高速回転軸を有する工作機械等の加工機の高速電動機,コージェネレーションシステムのエンジンに組み込まれた発電・電動機,ハイブリット自動車のエンジン等の出力軸に取り付けられた発電・電動機,排気ガスエネルギを回収するターボチャージャに組み込まれた発電・電動機,或いはエネルギ回収装置に設けた発電・電動機に組み込んで適用される。
【0020】
この実施例の発電・電動機は,主として,一対のハウジング部1A,1Bをボルト21で互いに連結して構成されたハウジング1,ハウジング1に一対の軸受13を介して回転可能にそれぞれ支持された回転軸2,回転軸2に固定された永久磁石体3から成る回転子即ちロータ5,及びロータ5の外周でロータ5との間に隙間15を形成してハウジング1に固定されたステータ6を有する。ロータ5は,その一端が回転軸2に設けられたストッパ11に当接し,他端が当て板12を介在して回転軸2のねじ部に螺入された固定ナット16によって回転軸2に固定されている。回転軸2は,例えば,その端部がベルトプーリ等を通じてエンジンの出力軸,又はバイトや砥石に動力伝達装置を介して取り付けられた回転軸に連結されたり,或いは,タービン軸等の回転軸を構成している。ステータ6は,積層された薄板17にステータコイルの銅線7が巻き付けられている。
【0021】
この発電・電動機は,特に,回転軸2に固定されたロータ5の構造,及びハウジング1に固定されたステータ6の構造に特徴を有している。特に,ロータ5は,筒状に複数個配置された円筒状の永久磁石体3を形成する円弧状の永久磁石部材10,永久磁石部材10の間に配置され且つ永久磁石部材10を互いに接着させる接着用樹脂材9,及び永久磁石体3に巻回された内面に接着剤18が塗布された非磁性耐熱合金から成る薄板8の補強部材4から構成されていることに特徴を有する。
【0022】
また,ステータ6は,銅線7を巻き上げた銅線部19にSiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性のセラミック短繊維又は粒子を混合されたフェノール等の樹脂材20が銅線7間に浸入して固化されており,ステータ6自体が熱伝導率が良好に構成されていることに特徴を有する。フェノール樹脂の線膨張係数(α)は,20×10- 6 /℃であり,Alの線膨張係数に近いが,熱伝導率が小さい材料である。そこで,フェノール樹脂に熱伝導率が大きいSiC,AlNを混入して全体として熱伝導率の高い樹脂材20に構成する。フェノール樹脂の熱伝導率(λ)は0.5W/m・Kであるのに対して,SiCのλは80W/m・Kであり,AlNのλは120W/m・Kである。
【0023】
更に,ステータ6が嵌合するハウジング1のハウジング部1Aの内周面には,内側突起部24と内側凹部25とが形成され,ハウジング1の内側凹部25に対向するステータ6の外周面には外側凹部26が形成されている。内側凹部25と外側凹部26とで形成される領域にはSiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性セラミック短繊維又は粒子を混合したフェノール等の樹脂材20が充填されている。樹脂材20は,ステータ6内の銅線内にも含浸されると共に,ステータ6とハウジング1との上記領域の他,両者の接合部の隙間27にも浸入しているので,ステータ6からハウジング1への熱伝達は良好であり,銅損,鉄損により発生する熱は,ステータ6から樹脂材20を通じてハウジング1へと熱伝達され,外部に放熱される。上記のように,ステータ6が熱伝導率が良いことによって,ロータ5が回転することによって発生する熱はステータ6を通じて外部に放熱され,発電・電動機が高温になることがなく,発生する熱によってロータ5を構成する永久磁石体3が減磁することが防止される。
【0024】
補強部材4を構成する薄板8は,マグネシウムとバナジウムが混合された非磁性のチタン−アルミニウム合金から構成されている。チタン−アルミニウム合金は,例えば,Tiに,Alが8%,Mgが1%,Vが1%含有された合金である。或いは,薄板8は,クロムとモリブデンを含むニッケル合金から成る弾性非磁性材〔例えば,ハステロイ(商品名)〕から構成されている。弾性非磁性材は,例えば,Niに,Moが15〜20%,Crが13〜16%,Feが4〜7%,Wが3〜6%,及びCが1%以下を混合した組成を有する。
【0025】
弾性非磁性材から成る薄板8は,永久磁石部材10から成る永久磁石体3の外周に,張力を与えて巻き上げられてプレストレスが与えられ,永久磁石体3を強固に補強することができる。薄板8を永久磁石体3の外周に巻き上げる際に,薄板8の内面にエポキシ樹脂等の接着剤18を塗布し,薄板8を互いに強固に接合させている。また,接着剤18には,その線膨張係数を薄板8の線膨張係数に調整するため,ガラス短繊維やセラミックス繊維材が混合されている。
【0026】
薄板8の最外周端部22は,軸方向に斜めに延びており,薄板8に互いにロウ接合や溶接等で溶着され,接合端部が僅かな突出した傾斜段部に形成され,ロータ5の回転方向に対応するように配置されている。また,ハウジング1の軸方向の両側端部23には通孔14が形成され,薄板8の斜めに延びる最外周端部22の傾斜段部は,ロータ5が回転することによってステータ6とロータ5との間に形成された隙間15の空気を流すポンプ機能を有することになる。また,隙間15にオイルミストが浸入すれば,更に冷却効果が大きくなる。
【0027】
永久磁石体3を構成する複数(図3では,6個)の円弧状の永久磁石部材10は,ほぼ円筒状に配置され,永久磁石部材10と永久磁石部材10との間の境界領域には樹脂材9が配置され,各永久磁石部材10が樹脂材9で互いに隔置され,全体の外形形状がほぼ円筒状に形成されている。また,永久磁石部材10は,内周側に一方の磁極(N極)が且つ外周側に他方の磁極(S極)が位置するように配置され,隣接する永久磁石部材10の磁極(N極とS極)は互いに相違するように配置されている。
【0028】
また,ロータ5を構成する永久磁石体3の永久磁石部材10の間に配置されている樹脂材9には,強度と熱伝導性を向上させるため熱伝導率の大きいセラミック繊維材又はカーボン繊維を混入することができる。また,樹脂材9には,強度と熱伝導性をアップするため,AlN,SiC等の熱伝導率の大きいセラミック繊維材が混入されている。
【0029】
ロータ5は,上記のように構成されているので,全体として,剛性が極めて高くなり且つ軽量に構成することができ,高速回転に十分耐えることができ,高い出力を得ることができるようになる。
【0030】
次に,ロータ5を構成する永久磁石体3の製造方法について説明する。例えば,永久磁石体3を構成する永久磁石部材10を作製するには,鉄,ネオジム,サマリウム,コバルト等の元素を含有する磁性粉末を長方形の成形型に充填し,高温度で圧縮成形して固化させて平板の成形体を作製し,平板の成形体の形状は,焼結に先立って,最終形状が高精度になるように,円弧状の成形体に成形する。次いで,成形体を焼結して永久磁石の焼結体を取り出す。その焼結体に所定の方向に磁極ができるように磁界をかけて磁力線を揃える。そこで,中子と外型とから成る金型に薄肉外筒を配置し,次いで,永久磁石部材10を薄肉外筒内に嵌入すると共に,永久磁石部材10と中子との間にカーボン繊維を含有する混合材の樹脂材9を浸入させ,充填して上記各隙間を埋め,樹脂材9を含浸固化させる。この時,金型内を真空にしておき,温度を上昇させれば,樹脂材9は溶融して隙間へ確実に含浸され,極めて強固に固定された永久磁石体3が形成される。金型から固化されたロータ5を取り出す。
【0031】
【発明の効果】
この発明による永久磁石を用いた発電・電動機は,上記のように構成されているので,ロータが高速回転したとしても,補強部材で強固に固定された永久磁石部材から成るロータは,発生する遠心力で破損することが防止される。また,永久磁石体は,複数の永久磁石部材から筒状に配置されて構成されているので,永久磁石部材自体を安価に作製できると共に,永久磁石部材のサイズ,使用数やサイズを選定することによって,所望のサイズの径の永久磁石を容易に且つ安価に作製することができる。また,ロータは,金属製薄板の補強部材で永久磁石部材の強度を補強でき,高強度のロータを容易に,低コストで作製できる。また,この発電・電動機は,ステータ内の銅線間に樹脂材が浸入していると共に,ステータとハウジングとの上記領域の他,両者の接合部の隙間にも浸入しているので, ステータからハウジングへの熱伝達は良好であり,銅損,鉄損により発生する熱は,ステータから樹脂材を通じてハウジングへと熱伝達され,外部に放熱される。従って,この発電・電動機は,ステータが熱伝導率が良いことによって,ロータが回転することによって発生する熱がステータを通じて外部に放熱され,高温になることがなく,発生する熱によってロータを構成する永久磁石体が減磁することが防止される。
【0032】
従って,この永久磁石を用いた発電・電動機は,例えば,高速電動機や,回転エネルギを電気エネルギに変換する発電機として適用でき,所定の高速回転にも耐えるものに構成できる。例えば,この発電・電動機を工作機械等の加工機に組み込まれた高速電動機に適用した場合に,ロータの遠心力で破損することがなく,また,ロータの高速回転によって発生する熱もステータを通じてスムースに放熱されるので,ロータの永久磁石が減磁することがなく,長寿命の高速モータを提供できる。また,この発電・電動機を車両に搭載すれば,車両が停止している時でも,車両に搭載されたエンジンから排出される排気ガスを浄化するディーゼルパティキュレートフィルタを設けたフィルタ再生用にヒータに十分な電力を供給できる。或いは,この永久磁石を用いた発電・電動機を冷凍車に搭載すれば,冷凍車のコンプレッサやエバポレータを駆動するための電力を十分に供給でき,従来の冷凍車のように,別の電源を使用する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による永久磁石を用いた発電・電動機おいて,ロータとステータとを外形を示し,他の部分を断面で示す概略図である。
【図2】図1の発電・電動機におけるロータを断面で示す断面図である。
【図3】図1の発電・電動機におけるロータの製造工程を説明する斜視図である。
【図4】図1の発電・電動機におけるステータの一部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 回転軸
3 永久磁石体
4 補強部材
5 ロータ
6 ステータ
7 銅線
8 補強用薄板
9 接着用樹脂材
10 永久磁石部材
13 軸受
14 通孔
15,27 隙間
18 接着剤
19 銅線部
20 樹脂材
22 最外周端部
24 突起部
25,26 凹部
Claims (5)
- ハウジングに回転可能に支持された回転軸,前記回転軸に取り付けられたロータ,及び前記ロータの外周に配置され且つ前記ハウジングに固定されたステータから成る発電・電動機において,前記ロータは円弧状の永久磁石部材を筒状に複数個配置した永久磁石体,前記永久磁石部材間に配置され且つ前記永久磁石部材を互いに接着させる接着用樹脂材,前記永久磁石体に巻回された内面に接着剤が塗布された非磁性の耐熱合金から成る薄板の補強部材から構成され,前記薄板は前記永久磁石部材の外周に張力を与えて巻き上げられて前記薄板にプレストレスが与えられていることを特徴とする永久磁石を用いた発電・電動機。
- 前記接着剤には,その線膨張係数を前記薄板の線膨張係数に調整するため,ガラス短繊維が混合されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
- 前記補強部材を構成する前記薄板の最外周端部は,その切断面が軸方向に斜めに延びており,巻回の内側に位置する前記薄板に互いに溶着されて前記薄板の斜めに延びる前記最外周端部に傾斜段部が形成され,前記傾斜段部によって前記ステータと前記ロータとの間に形成された隙間に前記ロータの回転で空気が流されて温度上昇が防止されることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
- 前記ステータの銅線を巻き上げた銅線部には,SiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性セラミック短繊維又は粒子を混合したフェノール等の樹脂材が,前記銅線間に浸入して固化されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
- 前記ステータが嵌合する前記ハウジングの内周面には内側突起部と内側凹部とが形成され,前記ハウジングの前記内側凹部に対向する前記ステータの外周面には外側凹部が形成され,前記内側凹部と前記外側凹部とで形成される領域にはSiC,AlN等の熱伝導率の良い非導電性セラミック短繊維又は粒子を混合したフェノール等の樹脂材が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
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