JP2000139064A - 永久磁石を用いた発電・電動機 - Google Patents

永久磁石を用いた発電・電動機

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JP2000139064A
JP2000139064A JP10313033A JP31303398A JP2000139064A JP 2000139064 A JP2000139064 A JP 2000139064A JP 10313033 A JP10313033 A JP 10313033A JP 31303398 A JP31303398 A JP 31303398A JP 2000139064 A JP2000139064 A JP 2000139064A
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generator
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motor
outer peripheral
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JP10313033A
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Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,永久磁石の板部材をホウロウ材の
介在で多角形状に配置し,多角筒体の板部材を補強部材
で補強し,ロータを安価に製造し,軽量で高速回転の高
い出力を得ることができる永久磁石を用いた発電・電動
機を提供する。 【解決手段】 ロータ5は,多角形状に配置された永久
磁石から成る板部材3,それらの間のホウロウ材10,
多角形状の板部材3の外周に配置された非磁性材から成
る補強部材4から構成されている。永久磁石の板部材3
は補強部材4で強固に固定され,永久磁石の円筒体20
が安価に作製できると共に,板部材3のサイズ,使用数
によって所望のサイズの径のロータ5を作製することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,ハウジングに回
転可能に取り付けられた永久磁石から成るロータと,該
ロータの外周に配置され且つハウジングに固定されたス
テータとから成る永久磁石を用いた発電・電動機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来,永久磁石をロータとした発電・電
動機は,高い発電効率又は電動効率が得られることと,
簡単な構造で構成できるという特徴を有することから,
最近,工業用機器に多く使用されるようになった。発電
・電動機において,電圧及び電流が増加するに従ってロ
ータの回転が上昇すると,ロータには大きな遠心力が発
生し,該遠心力に耐えられないとロータが破壊されるの
で,ロータが遠心力に耐えることが要求される。そこ
で,ロータを構成する永久磁石の外周を補強リング等で
補強し,ロータが遠心力に耐えるように構成されてい
る。
【0003】例えば,特開昭62−272850号公報
に開示された永久磁石式回転機は,ロータに永久磁石が
配置され,可動磁性体が封入されたロータの回転で径方
向へ可動磁性体を案内する磁極片形成用の容器をロータ
に設けたものである。
【0004】また,特開平7−236260号公報に開
示された高出力交流発電・電動機は,回転速度に応じて
磁束密度を制御して発電量を適正に制御するものであ
り,ロータとステータとの間に制御リングを相対回転可
能に配置し,制御リングに接離可能な透磁性体を設けた
ものである。
【0005】ところで,車両に搭載してエンジンから放
出される排気ガスを浄化するため,ディーゼルパティキ
ュレートフィルタが設けられているが,ディーゼルパテ
ィキュレートフィルタではフィルタで捕集されたカーボ
ン,HC等から成るパティキュレートを加熱焼却してフ
ィルタを再生するため,ヒータが設けられている。ヒー
タに使用する電力を,車両に設けた発電機やバッテリか
ら供給するが,車両には十分な電力が無いのは一般的で
ある。
【0006】また,従来の冷凍車は,エバポレータとコ
ンプレッサを備えており,それらを駆動するため発電機
が設けられている。しかしながら,車両が停止すると,
発電機の発電電力は低下し,冷凍機を駆動できないた
め,従来の冷凍車は,電動機を設け,別の電源(交流の
100V電源)から電動機を回してコンプレッサを駆動
しているタイプがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】工作機械の中で,内径
孔を研削する加工装置は,加工砥石の回転速度を大きく
することができず,一般に,研削精度を良くすることが
困難である。永久磁石を用いたロータを使用すれば,高
速化することができるが,工作機械のように,小型で,
使用環境が厳しい場所では,その構造が複雑になり,成
立が難しい。また,小型のロータを組み込んだ発電・電
動機を運転するには,永久磁石とステータとの距離を極
力小さくなるように構成することが好ましい。そのため
には,ロータの外周面を高精度に切削することが必要に
なる。
【0008】また,発電機を大型に構成して大電力を発
電してバッテリ等に蓄電したり,その電力でヒータやコ
ンプレッサを駆動することが考えられるが,発電機を大
型にするには,コストや製作費,或いはスペース等の解
決しなければならない問題がある。発電・電動機におけ
る発電電力はロータの回転速度と磁界の強さとの積であ
るので,発電・電動機はロータの回転速度が速い程,発
電電力が大きくなる。また,発電・電動機における磁界
の強さは,永久磁石の磁力とその面積との積であるの
で,発電・電動機は永久磁石の面積が大きく,磁力が強
い程,発電電力が大きくなる。
【0009】しかしながら,永久磁石を大きな径を持っ
た円筒形に作製することは困難であり,該永久磁石を大
径のロータに構成することは困難であるので,永久磁石
をロータとする以上,大出力の発電は望めないことにな
る。また,永久磁石の素材である鉄,ネオジム,サマリ
ウム,コバルト等の材料は,コストが高いので,効率良
く利用することが望まれる。発電・電動機が大型になれ
ばなるほど永久磁石を大型化しなければならないので,
それに対応するため,永久磁石をセグメント部材に分割
して使用することが考えられるが,永久磁石をセグメン
ト部材に分割した場合に如何なる構造に構成すればよい
かの課題がある。
【0010】また,発電・電動機におけるロータが高速
回転する時に,大きな遠心力が作用するので,その遠心
力で永久磁石がバーストしないような補強が永久磁石の
保持のため常に要求され,そのため,永久磁石の強度を
アップさせるための構造上の工夫が要求される。また,
発電・電動機は,ロータを高速回転させることによって
高い出力が得られるので,ロータを軽量に作製すると共
に剛性を高めて高速回転に耐えるため,どのような構造
に構成すれば良いかの課題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,鉄や
ネオジムの粉末を焼結した永久磁石を平板に形成するこ
とによって製造コストを大幅に低減できることに着眼
し,永久磁石の平板を回転軸に取り付けてロータを構成
するために,永久磁石をN極とS極にそれぞれ交番する
平板で構成し,内外が多角形状に配置された平板部材を
ホウロウ材を挟み込んでそれぞれ固定して筒体を形成
し,該筒体の外周面を断面円形に加工して円筒部材に形
成し,該円筒部材の外側を非磁性材から成る補強部材で
補強し,前記ロータの剛性を確保すると共に軽量化を達
成し,前記ロータの高速回転を可能にして高い出力を得
ることができる永久磁石を用いた発電・電動機を提供す
ることである。
【0012】この発明は,ハウジングに回転可能に支持
された回転軸,前記回転軸に取り付けられたロータ,及
び前記ロータの外周に配置され且つ前記ハウジングに固
定されたステータから成る発電・電動機において,前記
ロータは,磁極が互いに相違する状態で多角形状に複数
配置された永久磁石部材,前記永久磁石部材間にそれぞ
れ介在されたホウロウ材,前記永久磁石部材を透磁性材
を介して取り付けた回転軸,及び外周を円筒面に加工さ
れた前記永久磁石部材と前記ホウロウ材との外周面に固
定された非磁性の補強部材から成ることを特徴とする永
久磁石を用いた発電・電動機に関する。
【0013】前記永久磁石部材は,外周面が円弧面に,
内周面が平面に且つ前記外周面と前記内周面とを結ぶ両
側面が平面のバー形状に形成されている。
【0014】又は,前記永久磁石部材は,外周面と内周
面が平面で且つ前記外周面と前記内周面とを結ぶ両側面
が平面の断面台形形状に形成されている。更に,この永
久磁石を用いた発電・電動機は,前記永久磁石部材を複
数配置した多角形筒状体,及び前記多角形筒状体の外周
面に配置され且つ全体を円筒体に形成する円弧状透磁性
材から成り,前記円筒体の外周面に前記補強部材が固定
されている。
【0015】前記補強部材はガラス材で被覆されたセラ
ミックス及び/又は合金等の金属から成る補強線から成
り,前記補強線を前記永久磁石部材の外周面に加熱状態
で巻き上げることによって前記補強線が前記ガラス材で
互いに固着されている。また,前記補強部材は,非磁性
のカーボン巻線,非磁性の金属巻線等の巻線から構成さ
れている。更に,前記補強線は,引張力を加えた状態で
前記永久磁石部材の外周面へ巻き付けられ,冷却時に伸
び量が低減して前記ガラス材で互いに適正に密着固定さ
れ,強度を大幅にアップできる。
【0016】前記ガラス材は,ケイ酸ガラス及び/又は
ホウケイ酸ガラスから構成されている。また,前記ホウ
ロウ材は,鉄及び銅と,ケイ酸ガラス及び/又はホウケ
イ酸ガラス等のガラス材とを混合した混合材から構成さ
れている。更に,前記ホウロウ材は,それを構成する前
記混合材とAl2 3 等のセラミックスとを前記永久磁
石部材間に充填して加熱することによって前記永久磁石
部材を互いに接合させる。
【0017】この発電・電動機は,上記のように,ロー
タを構成する永久磁石を複数の永久磁石部材で作製し,
永久磁石部材間にホウロウ材を介在させて永久磁石部材
をそれぞれ固定して多角形筒体に形成し,多角形筒体の
外周面を加工して全体として円筒部材に形成し,円筒部
材の外周面を補強部材を巻き上げて固定したので,製造
コストを大幅に低減でき,構造がシンプルで高強度に構
成でき,十分な発電力を確保することができる。
【0018】また,永久磁石を平らな永久磁石部材で作
製するので,永久磁石を円弧に作るのに比較して,コス
トを低減できると共に長時間を要することなく,しかも
高精度に作製できる。また,永久磁石から成る永久磁石
部材の使用数やサイズを選定することによって,全体と
して所望のサイズの径の永久磁石を安価に容易に作製で
き,その永久磁石のサイズに応じて内部の透磁性部材の
サイズを決定すると共に,外部の透磁性積層部材のサイ
ズや積層珪素鋼板の数を決定することによって,所望の
サイズのロータを容易に且つ安価に作製することができ
る。
【0019】また,この発電・電動機では,永久磁石を
ガラス材を含んだカーボン繊維やセラミック繊維,或い
はステンレススチールから成る薄板又は巻回線から筒体
形状に形成された補強部材が配置されているので,遠心
力によるバースト強度を補強できると共に,補強された
外周が円形のロータを容易に作製できる。従って,この
発電・電動機は,例えば,60,000rpmの高速回
転を可能にするコンパクトで,信頼性に富んだ高速モー
タを提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による永久磁石を用いた発電・電動機の実施例を説明す
る。図1はこの発明による永久磁石を用いた発電・電動
機を示す軸方向の断面図,図2は図1の発電・電動機に
おけるロータのA−A断面における実施例を示す断面
図,図3はロータにおける永久磁石の円筒体の製造工程
を示す説明図,図4はロータにおける永久磁石の円筒体
の別の製造工程を示す説明図,図5はロータにおける補
強部材の巻き上げ状態の製造工程を示す説明図,及び図
6はロータにおける補強部材の巻き上げ状態を示す断面
図である。
【0021】この発明による永久磁石を用いた発電・電
動機は,例えば,回転軸2をコージェネレーションシス
テムのエンジンに適用して発電させたり,発電・電動機
とエンジンを併設したハイブリット自動車のエンジンに
連結することによってエンジンの回転力で発電したり,
或いはコントローラの指令で作動させる小型の発電・電
動機として適用できるものである。
【0022】この実施例の発電・電動機は,主として,
互いに連結された一対のハウジング部1A,1Bから成
るハウジング1に一対の軸受13を介して回転可能にそ
れぞれ支持されている回転軸2,回転軸2に固定されて
いる永久磁石から成る回転子即ちロータ5,及びロータ
5の外周でロータ5との間に隙間15を形成してハウジ
ング1に固定されているステータ6を有している。ロー
タ5は,その一端が回転軸2に設けられたストッパ11
に当接し,他端が当て板12を介在して回転軸2のねじ
部14に螺入された固定ナット16によって回転軸2に
固定されている。また,回転軸2には,図示のように,
例えば,その一端に設けたねじ部に螺入されたナットに
よって,回転軸2の端部に入力となるベルトプーリが固
定され,ベルトプーリにエンジンの出力軸に取り付けた
ベルトが掛けられている。ステータ6は,積層された薄
板にステータコイル7が巻き付けられている。
【0023】この発電・電動機は,ハウジング1に固定
されたステータ6に対して回転可能に支持された回転軸
2に固定されたロータ5の構造及びその製造方法に特徴
を有している。ロータ5は,特に,外周面を円弧面8に
且つ内周面を平面9に形成され且つ磁極が互いに相違す
る状態に多角形状に配置された永久磁石部材3,永久磁
石部材3の間にそれぞれ介在されたホウロウ材10,永
久磁石部材3を透磁性材17を介して取り付けた回転軸
2,及び外周を円筒面に加工された永久磁石部材3とホ
ウロウ材10との外周面に固定された非磁性の補強部材
4から構成されていることを特徴とする。
【0024】補強部材4は,ガラス材で被覆されたセラ
ミックス及び/又は合金等の金属から成る補強線から成
り,補強線を永久磁石部材3の外周面に加熱状態で巻き
上げることによって補強線がガラス材で互いに固着され
ている。また,補強線は,引張力を加えた状態で永久磁
石部材3の外周面へ巻き付けられ,冷却される時に伸び
量が低減して互いに適正に密着固定される。更に,補強
部材4を構成する補強線は,非磁性のカーボン巻線,非
磁性の金属巻線,或いは,薄板から構成されている。ま
た,補強部材4を構成するガラス材は,ケイ酸ガラス及
び/又はホウケイ酸ガラスから構成されている。補強部
材4を構成する補強線は,例えば,磁性を持たないカー
ボン繊維やセラミック繊維を樹脂材で固めて作製するこ
とができる。
【0025】また,ホウロウ材10は,鉄及び銅と,ケ
イ酸ガラス及び/又はホウケイ酸ガラス等のガラス材と
を混合した混合材から構成されている。永久磁石部材3
をホウロウ材10で互いに接合させる場合には,ホウロ
ウ材10を構成する混合材とAl2 3 等のセラミック
スとを,永久磁石部材3の間に充填し,これを600℃
〜300℃に加熱することによってホウロウ材10が永
久磁石部材3を互いに接合させることができる。
【0026】永久磁石を構成する複数の永久磁石部材3
をほぼ多角形状に配置し,永久磁石部材3と永久磁石部
材3と間の境界領域にホウロウ材10を構成するガラス
材を充填し,永久磁石部材3とガラス材とから成る全体
の外形形状を,ほぼ多角形状に形成する。また,永久磁
石部材3は,内周側に一方の磁極(N極)が且つ外周側
に他方の磁極(S極)が位置するように配置され,隣接
する永久磁石部材3の磁極(N極とS極)は互いに相違
するように配置されている。多角形状に配置された永久
磁石部材3の外周面は,切削加工によって断面円形に加
工され,円筒体20に形成されている。
【0027】一般に,ロータ5を回転させて発電させる
場合,高速度で回転させる程,発電電力が大きくなる
が,その遠心力も大きくなる。この永久磁石を用いた発
電・電動機は,上記のように構成されているので,例え
ば,直径が100mm以上の大型ロータを持つ発電・電
動機に適用することができ,その時に発生する大きな遠
心力にも十分に耐えることができ,バランス良く回転さ
せることができる。ロータ5は,大型の発電・電動機の
場合,永久磁石を最小サイズにしないと,コスト高にな
るが,本発明のロータ5の永久磁石は,多数の永久磁石
部材3から構成されているので,その要件を十分に満足
して低コストで作製できるものである。
【0028】また,ロータ5は,永久磁石の強度を補強
するため,磁性を持たないステンレススチールやセラミ
ック繊維,或いはカーボン繊維から成る補強部材4を永
久磁石部材3の外周に配置して永久磁石及びその接合部
を補強しているので,高速回転の時に遠心力で破壊され
ることが防止される。また,永久磁石部材3の内周面は
平面9であるので,永久磁石部材3を円筒状に組み立て
た円筒体20を回転軸2に取り付ける場合に,透磁性材
17を介して円筒体20を回転軸2に固定する。透磁性
材17は,セラミックス又は金属から構成することがで
きる。透磁性材17は,回転軸2に固定され,透磁性材
17と回転軸2とから成る軸自体を大径に構成すること
ができるが,例えば,多孔質部には樹脂材を注入できる
ので全体的に軽量に構成することができる。更に,SU
S円筒の補強部材4の隙間,永久磁石の永久磁石部材3
の間,及び透磁性材17の隙間には,樹脂材を注入で
き,ロータ5が完成されている。
【0029】ロータ5は,上記のように構成されている
ので,全体として,剛性が極めて高くなり且つ軽量に構
成することができ,高速回転に十分耐えることができ,
高い出力を得ることができるようになる。
【0030】図3を参照して,ロータ5を構成する永久
磁石部材3の永久磁石の製造方法について説明する。図
3に示すように,永久磁石を構成する永久磁石部材3を
作製するには,鉄,ネオジム,サマリウム,コバルト等
の元素を含有する磁性粉末を長方形の成形型に充填し,
高温度で圧縮成形して固化させて断面台形状のバー状の
成形体を作製し,その成形体を所定の方向に磁極ができ
るように磁界をかけて焼結して磁力線を揃える。成形体
は,内周面が平面9に,外周面が平面33に,内周面と
外周面とを結ぶ両側面が平面34に形成された断面台形
状のバー状に形成されている。この時,成形体の焼結に
先立って,最終形状の所定の形状に近づけた形状に成形
する。そこで,永久磁石部材3を多角形に組み立て,永
久磁石部材3間の隙間にホウロウ材10と成る混合材を
Al2 3 等のセラミック粉末と共に充填し,600℃
〜300℃に加熱して永久磁石部材3をホウロウ材10
を介在させた構造に互いに接合し,図3に示すように,
多角筒体19を作製する。次いで,多角筒体19を点線
18で示す部分を切削加工して円筒体20に成形加工
し,それによって,永久磁石部材3は,その外周面が円
弧面8に,内周面が平面9に且つ外周面と内周面とを結
ぶ両平側面34から成るバー形状に形成される。適宜
に,円筒体20に対して所定の方向に磁極ができるよう
に磁界をかけて磁力線を揃えて着磁する。
【0031】図4を参照して,ロータ5を構成する永久
磁石部材26の別の製造方法について説明する。図4に
示すように,永久磁石を構成する永久磁石部材26を作
製するには,鉄,ネオジム,サマリウム,コバルト等の
元素を含有する磁性粉末を長方形の成形型に充填し,高
温度で圧縮成形して固化させて平板の成形体を作製し,
その成形体を所定の方向に磁極ができるように磁界をか
けて焼結して磁力線を揃える。この時,バー状の成形体
の形状は,焼結に先立って,最終形状の所定の形状に近
づけた形状に成形する。即ち,永久磁石部材26は,外
周面が平面28に,内周面が平面29に且つ外周面と内
周面とを結ぶ両側面が平面31から成る断面台形形状に
形成されている。そこで,永久磁石部材3を多角形に組
み立て,永久磁石部材26間の隙間にホウロウ材10と
成る混合材をAl2 3 等のセラミック粉末と共に充填
し,600℃〜300℃に加熱して永久磁石部材26を
ホウロウ材10を介在させた構造に互いに接合し,図4
に示すように,多角筒体32を作製する。次いで,多角
筒体32の外周面に,樹脂材から成る透磁性材27を配
置し,透磁性材27の外周面を加工して全体の形状が円
筒体30になるように成形加工する。適宜に,円筒体3
0に対して所定の方向に磁極ができるように磁界をかけ
て磁力線を揃えて着磁する。
【0032】次に,図5及び図6を参照して,円筒体2
0,30の外周面に補強部材4を巻き上げる製造工程の
一実施例を説明する。補強部材4は,永久磁石部材3か
ら成る円筒体20,30の外周面に巻き上げられ,永久
磁石部材3及びその接合部のホウロウ材10を強固に補
強することができる。ケーシング24には,SiO2
Al2 3 ,MgO等を混合したガラス原料が加熱され
て溶解された状態の溶解ガラス21が入れられている。
ソースボビン22には,非磁性材のオーステナイトステ
ンレス鋼,カーボンファイバ,アモルファス合金等から
成る補強線25が巻き上げられている。補強線25をソ
ースボビン22からガイドローラ23のガイドによって
繰り出し,補強線25をケーシング24内の溶解ガラス
21内を通過させ,補強線25の外周面に溶解ガラス2
1を付着させ,テンションローラ35によって補強線2
5にテンションをかけた状態で,図6に示すように,円
筒体20,30の外周面に積層して巻き上げていく。そ
こで,円筒体20,30に巻き上げられた補強線25は
溶解ガラス21のガラス材によって互いに接合される
が,補強線25は引張り力を加えた状態で接合されるの
で,全体が冷却される時,補強線25の伸び量が減少
し,補強線25は互いに適正に密着固定される。ガラス
材としては,例えば,ケイ酸ガラス(SiO2 ),ホウ
ケイ酸ガラス(Na2 O−B2 3 −SiO2 )を使用
できる。
【0033】
【発明の効果】この永久磁石を用いた発電・電動機は,
上記のように構成されているので,例えば,回転エネル
ギを電気エネルギに変換する高速発電機や高速モータと
して適用できるものであり,発電機をコジェネレーショ
ンシステム,ハイブリット自動車用エンジン等に容易に
適用できると共に,工作機械等で使用される高速回転の
モータに適用することができる。この発電・電動機は,
例えば,60000rpmという高速回転にも耐えると
共に,製造コストを低減でき,しかもコンパクトに構成
できる。
【0034】また,この発電・電動機は,全体として大
径の永久磁石を安価に構成でき,大型や小型に適宜に対
応でき,高い出力を得ることができる。また,永久磁石
は,複数の永久磁石部材から筒状に配置されて構成され
ているので,永久磁石部材自体を安価に作製できると共
に,永久磁石部材のサイズ,使用数によって所望のサイ
ズの径のロータを作製することができる。例えば,この
発電・電動機を車両に搭載すれば,車両が停止している
時でも,車両に搭載されたエンジンから排出される排気
ガスを浄化するディーゼルパティキュレートフィルタを
設けたフィルタ再生用ヒータに十分な電力を供給でき
る。或いは,この発電・電動機を冷凍車に搭載すれば,
冷凍車のコンプレッサやエバポレータを駆動するための
電力を十分に供給でき,従来の冷凍車のように,別の電
源を使用する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による永久磁石を用いた発電・電動機
を示す軸方向の断面図である。
【図2】図1の発電・電動機におけるロータのA−A断
面における実施例を示す断面図である。
【図3】ロータにおける永久磁石の円筒体の製造工程を
示す説明図である。
【図4】ロータにおける永久磁石の円筒体の別の製造工
程を示す説明図である。
【図5】ロータにおける補強部材の巻き上げ状態の製造
工程を示す説明図である。
【図6】ロータにおける補強部材の巻き上げ状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 回転軸 3,26 永久磁石部材 4 補強部材 5 ロータ 6 ステータ 8 円弧面 9,28,29,31,33,34 平面 10 ホウロウ材 15 隙間 17,27 透磁性材 19,32 多角筒体 20,30 円筒体 21 溶解ガラス 25 補強線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転可能に支持された回転
    軸,前記回転軸に取り付けられたロータ,及び前記ロー
    タの外周に配置され且つ前記ハウジングに固定されたス
    テータから成る発電・電動機において,前記ロータは,
    磁極が互いに相違する状態で多角形状に複数配置された
    永久磁石部材,前記永久磁石部材間にそれぞれ介在され
    たホウロウ材,前記永久磁石部材を透磁性材を介して取
    り付けた回転軸,及び外周を円筒面に加工された前記永
    久磁石部材と前記ホウロウ材との外周面に固定された非
    磁性の補強部材から成ることを特徴とする永久磁石を用
    いた発電・電動機。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石部材は,外周面が円弧面
    に,内周面が平面に且つ前記外周面と前記内周面とを結
    ぶ両側面が平面のバー形状に形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動
    機。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石部材は,外周面と内周面が
    平面で且つ前記外周面と前記内周面とを結ぶ両側面が平
    面の断面台形形状に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石部材を複数配置した多角形
    筒状体,及び前記多角形筒状体の外周面に配置され且つ
    全体を円筒体に形成する円弧状透磁性材から成り,前記
    円筒体の外周面に前記補強部材が固定されていることを
    特徴とする請求項3に記載の永久磁石を用いた発電・電
    動機。
  5. 【請求項5】 前記補強部材はガラス材で被覆されたセ
    ラミックス及び/又は合金等の金属から成る補強線から
    成り,前記補強線を前記永久磁石部材の外周面に加熱状
    態で巻き上げることによって前記補強線が前記ガラス材
    で互いに固着されていることを特徴とする請求項1に記
    載の永久磁石を用いた発電・電動機。
  6. 【請求項6】 前記補強線は,引張力を加えた状態で前
    記永久磁石部材の外周面へ巻き付けられ,冷却時に伸び
    量が低減して前記ガラス材で互いに密着固定されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の永久磁石を用いた発
    電・電動機。
  7. 【請求項7】 前記補強部材は,非磁性のカーボン巻
    線,非磁性の金属巻線を前記ガラス材で固めた構造に構
    成されていることを特徴とする請求項5に記載の永久磁
    石を用いた発電・電動機。
  8. 【請求項8】 前記ガラス材は,ケイ酸ガラス及び/又
    はホウケイ酸ガラスから構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
  9. 【請求項9】 前記ホウロウ材は,鉄及び銅と,ケイ酸
    ガラス及び/又はホウケイ酸ガラス等のガラス材とを混
    合した混合材から成ることを特徴とする請求項1に記載
    の永久磁石を用いた発電・電動機。
  10. 【請求項10】 前記ホウロウ材は,それを構成する前
    記混合材とAl2 3 等のセラミックスとを前記永久磁
    石部材間に充填して加熱することによって前記永久磁石
    部材を互いに接合させることから成ることを特徴とする
    請求項1に記載の永久磁石を用いた発電・電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100407550C (zh) * 2006-08-01 2008-07-30 陈年忠 汽车永磁发电机

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CN100407550C (zh) * 2006-08-01 2008-07-30 陈年忠 汽车永磁发电机

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