JP2004343905A - モータ内蔵車輪装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】斬新な構造のホイールインモータが配備された車輪装置を得る。
【解決手段】モータハウジングとしてのリム22の内周側に複数のロータ極32を配設し、ホイール10を回転可能に支持する支持軸50の外周に複数のステータ極56を配設し、内蔵するモータ14をアウタロータ型のスイッチトリラクタンスモータとして構成する。ステータ54の車体側にディスク状のハブを設け、それの外縁部に、リム22を、周方向において隣り合うロータ極32の間をボルト84にて締結して固定する。ロータ32をステータ54から分離した状態で、ホイール10の着脱が可能である。ロータ30およびステータ54にはヨークが設けられておらず、複数のロータ極32およびステータ極56は互いに独立している。ステータ極32の各々はコイル104を有し、そのコイル104によって発生する磁束は、そのステータ極32と対向する1つのロータ極56とを経由する。
【選択図】 図1
【解決手段】モータハウジングとしてのリム22の内周側に複数のロータ極32を配設し、ホイール10を回転可能に支持する支持軸50の外周に複数のステータ極56を配設し、内蔵するモータ14をアウタロータ型のスイッチトリラクタンスモータとして構成する。ステータ54の車体側にディスク状のハブを設け、それの外縁部に、リム22を、周方向において隣り合うロータ極32の間をボルト84にて締結して固定する。ロータ32をステータ54から分離した状態で、ホイール10の着脱が可能である。ロータ30およびステータ54にはヨークが設けられておらず、複数のロータ極32およびステータ極56は互いに独立している。ステータ極32の各々はコイル104を有し、そのコイル104によって発生する磁束は、そのステータ極32と対向する1つのロータ極56とを経由する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータが車輪に内蔵された車輪装置に関し、詳しくは、いわゆるホイールインモータと称されるそのモータの構造に特徴を有する車輪装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車等のモータ駆動車両において、駆動モータの配設箇所はその車両の諸特性を大きく左右する。例えば、車輪に駆動モータが配設された車両では、駆動装置のコンパクト化が実現される。車輪装置に内蔵されたモータは、いわゆるホイールインモータと呼ばれ、ステアリングナックル等の車輪支持部材に配設されて、車輪を駆動するものが一般的である。このような構成の車輪装置とは別に、車輪自体にモータが組み込まれた車輪装置、詳しく言えば、車輪支持部材にモータステータが固定され、車輪にモータロータが固定された駆動モータを用いた車輪装置も検討されている。このような構成の車輪装置における駆動モータは、いわゆるアウタロータ型のホイールインモータと呼ばれるものであり、モータが発生するトルクを高くできるといったメリットを有する等の理由から、注目され始めている。これまでに、アウターロータ型のホイールインモータが組み込まれた車輪装置として、例えば、下記特許文献1、特許文献2に記載されたようなd車輪装置が存在する。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−281722号公報
【特許文献2】
特開平10−305735号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
上記特許文献に記載の車輪装置は、いずれもアウターロータ型の駆動モータが用いられているが、特許文献1に記載されたものは、ロータに永久磁石を用いたいわゆるPMモータと呼ばれるモータが用いられ、また、特許文献2に記載されたものは、誘導モータが用いられている。本発明は、PMモータ,誘導モータ等とは原理の異なるモータを使用することにより、新たな構成のモータ内蔵車輪装置を得ることを課題とする。言い換えれば、ホイールインモータの構造に特徴を有する斬新なモータ内蔵車輪装置を得ることを課題とする。そして、本発明によって、下記各態様のモータ内蔵車輪装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能である。
【0005】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項と(5)項とを合わせたものが請求項4に、(8)項が請求項5に、(9)項と(10)項とを合わせたものが請求項6に、(11)項が請求項7に、(14)項が請求項8に、(16)項が請求項9に、それぞれ相当する。
【0006】
(1)タイヤを保持する概ね円筒形状のリム部を備えるホイールと、支持軸を備えてそれを中心として前記ホイールを回転可能に支持するホイール支持装置と、前記ホイール内に設けられてそのホイールを回転させるモータとを含むモータ内蔵車輪装置であって、
前記モータが、(a)前記リム部の内周側に固定して設けられ、前記支持軸に向かう方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のロータ突極部を備えたモータロータと、(b)前記支持軸に固定して設けられ、その支持軸から離れる方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のステータ突極部を備えたモータステータとを備え、スイッチトリラクタンスモータとして構成されたことを特徴とするモータ内蔵車輪装置。
【0007】
本発明のモータ内蔵車輪装置は、ホイールを回転駆動するアウターロータ型のモータとして、スイッチトリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と略す場合がある)を用いたものである。SRモータは、例えば、(イ)低速・高トルク領域の特性に優れる、(ロ)モータロータ(以下、単に「ロータ」と呼ぶ場合がある)の構造が簡単・堅牢であり、温度上昇の点でも優れている、(ハ)安価で大量生産に適するといった種々の長所を有する。本車輪装置は、それらの長所を活かした高性能な車輪装置が実現する。なお、本発明の車輪装置のバリエーションを以下の項において説明するが、本発明の車輪装置を構成する各構成要素に関しても、適宜、以下の項の説明の中に織り込んで説明する。
【0008】
(2)前記ホイールと前記ホイール支持装置とが、前記モータロータと前記モータステータとをそれぞれに固定した状態で、分離可能とされた(1)項に記載のモータ内装車輪装置。
【0009】
本発明の車輪装置は、ホイールのリム部がモータハウジングの一部を兼ねるようにされており、単純な構造となっている。言い換えれば、ホイールとモータハウジングとの一体化が図られている。一般に、モータの整備を行うような場合、ハウジングの少なくとも一部を外して作業を行のであるが、本項に記載の態様によれば、ホイールを取り外すことで、あたかもハウジングの一部を取り外すのと同様の状態とすることができる。また、ホイールがホイール支持装置に対して脱着可能であることから、タイヤの交換,車輪よりも車体側にある装置・機器(例えば、サスペンション装置,ブレーキ装置等)の整備等においても、それらの作業の作業性を向上させることができる。ホイールを取り外す際、本項に記載の態様によれば、モータステータ(以下、単に「ステータ」と略す場合がある)を支持装置側に残したまま、ホイールが分離可能であり、取り外されたホイールは、比較的軽量であり、その点でも作業の容易化を図ることが可能である。さらにまた、SRモータは、ロータ,ステータのいずれにも磁石を用いていないことから、ホイールの脱着作業自体も容易に行うことが可能である。
【0010】
(3)前記ホイール支持装置が、前記モータステータよりも車体側の位置において前記支持軸に回転可能に支持された概して円盤形状のディスクハブを備え、前記ホイールが、前記ディスクハブの外縁部に締結部材によって分離可能に固定された(2)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0011】
一般のホイールは、リム部とディスク部とを含んで構成され、ディスク部において、ホイール支持部材であるハブに取り付けられる。本項に記載の態様では、一般的なホイールのディスク部に相当する部分をハブ側に設けていることから、ホイールの軽量化が図れる。
【0012】
(4)前記リム部が、車体側の端部に前記支持軸に向かう方向に延びるフランジを有し、前記ホイールが、そのフランジと前記ディスクハブの外縁部とが締結されて固定される(3)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0013】
ディスクハブの外縁部においてホイールが固定される場合、本項に記載の態様のように、リム部にフランジを設けてそのフランジとディクハブの外縁部とを締結させれば、ホイールをしっかりとディスクハブに固定することが可能であり、また、締結作業を容易に行うことができる。
【0014】
(5)前記フランジの前記締結部材によって締結される箇所が、周方向位置において、前記複数のロータ突極部のうちの互いに隣り合うものの中間の箇所とされた(4)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0015】
リム部にフランジを設けてそのフランジとディスクハブの外縁部とを締結する場合、例えば、ボルト等によって締結すれば、そのボルト位置は、リム部の内側に位置するロータと干渉する位置となる可能性が高い。ところが、本発明において使用されているモータは、SRモータであってロータが複数の突極部を備えており、本項に記載の態様のようにそれら突極部の間にボルト等の締結部材を位置させれば、ロータとの締結部材との干渉を避けることができ、また、締結作業をも容易に行うことが可能である。また、コイルによって発生する磁束の経路である磁路に対する影響も少ない。なお、本項に記載の態様において、隣り合う突極の間すべてにおいて締結する必要はなく、締結されない突極間があってもよい。平たく言えば、例えば、1つおき、あるいは2つおきといった具合にボルト等によって締結する態様である。
【0016】
(6)前記ホイールが前記ディスクハブに固定された状態において、前記ディスクハブが、前記リム部に囲まれた空間の車体側の開口を閉塞する車体側閉塞板として機能する(3)項ないし(5)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0017】
リム部とデイスクハブとを締結する場合、本項に記載の態様によれば、ディスクハブがモータハウジングの軸方向における一方の端部を構成するものとすることができる。例えば、車輪の車体側からモータへの水,埃,泥等の進入を、このディスクハブによって防ぐことが可能である。
【0018】
(7)前記ホイールが、前記リム部の車体から遠い側の端部に脱着可能に設けられれて前記リム部に囲まれる空間の開口を閉塞する反車体側閉塞板を備える(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0019】
本項に記載の態様は、例えば、ホイールキャップのようなものをホイールのリム部に取り付ける態様が含まれる。反車体側閉塞板は、車両の外観を良好にするための部材としてでなく、モータハウジングの一部として機能させることができ、本項に記載の態様によれば、車輪の車体とは反対側(いわゆる外側)からモータへの水,埃,泥等の侵入を、この反車体側閉塞板によって防止することも可能である。
【0020】
(8)前記モータロータが、前記複数のロータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされ、かつ、前記モータステータが、前記複数のステータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされた(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0021】
本発明の車輪装置において、モータは、一般的なSRモータと同様に、ロータとステータとの一方が、リング状あるいは円筒状のヨーク部を有し、そのヨーク部から突極部が突出する形状とされたものであってもよい。そのような態様のモータにおいては、ヨーク部は周方向において突極部どうしをつなぐものとされ、例えば、2つの突極部とヨーク部のそれらを繋ぐ部分とで1つの磁路を形成することになる。本項に記載の態様では、ロータとステータとの両者がそのようなヨーク部を有しない態様であり、極端に言えば、複数の突極のみがリム部の内周におよび支持軸の外周に互いに間隔を隔てて配設されたような態様とすることができる。この態様の場合は、各々が突極部となるそれら突極の集合としてロータあるいはステータが構成されることになる。一般に、ロータ,ステータの磁路を形成する部分であるコアは、鉄(鉄合金を含む)等の磁性材料からなるため、ロータ,ステータは比較的重いものとされている。ところが、本項に記載の態様では、ロータおよびステータがヨーク部を有していないことから、比較的軽量化されたモータが配設されることになる。つまり、モータの単位重量あたりの出力である出力重量密度が高くなる。また、モータの軽量化は、ホイールとロータとを合わせた車輪の軽量化,車輪装置自体の軽量化につながり、例えば、サスペンション機構におけるバネ下重量を小さくすることが可能となる。
【0022】
なお、リブ部の内側においてロータの突極を保持する部材(ホイール自体である場合もある)および支持軸の外周において突極を保持する部材が、ヨーク部として機能しないためには、それらが、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)等の非磁性材料から形成されたものであることが望ましい。それらが磁性材料である場合には、適切な非磁性材料等を介して突極が保持されるようにして、磁束漏れ等を極力抑えることが望ましい。
【0023】
(9)前記複数のステータ突極部の各々がコイルを有する(1)項ないし(8)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0024】
本項に記載の態様のように、ステータ側にコイルを設ければ、ブラシ等の機能部品を必要とせず単純な構造の車輪装置が実現する。また、ホイールとロータを含めた重量も、コイルが存在しない分、小さくなる。
【0025】
(10)前記モータが、1つの前記コイルによって発生する磁束がその1つのコイルを有するステータ突極部とそれに対向する1つのロータ突極部とを経由する構造とされた(9)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0026】
本発明の車輪装置において、モータは、先に述べたように、一般のSRモータと同様、2つの突極部とヨーク部のそれら突極部を繋ぐ部分とで磁路を形成するような態様とすることもできる。これに対して、本項に記載の態様は、周方向において互いに隔たる2つのロータ突極部および2つのステータ突極部を巡るような磁束が殆ど発生しないようにされている。極端に言えば、モータが、1つの前記コイルによって発生する磁束が2つ以上のステータ突極部を経由することも、2つ以上のロータ突極部を経由することもない構造とされた態様である。つまり、本態様には、1つのステータ突極部が1つのロータ突極部との間で閉じた磁路を形成するような態様が含まれるのである。本態様によれば、磁路が短く、また、磁束の向き(内部磁場の向き)の変化も小さく、渦電流の発生を抑制することが可能である。なお、本項に記載の態様は、先に述べたヨーク部を有しない態様と、機能、作用において相通ずるものであり、それらの態様を組み合わせた態様とすることが望ましい。
【0027】
(11)前記複数のステータ突極部の各々が、前記支持軸から離れる方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部とを有するステータコアを備え、前記発生する磁束が、前記ステータコアの複数のコア突部のうちの2つのものであるステータ側突部ペアと、前記複数のロータ突極部のうちの1つのものとを巡る(10)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0028】
本項に記載の態様は、例えば、ステータ突極部が、鉄(鉄合金を含む)等の磁性材料からなるコアと、コアの少なくとも一部を芯とするコイルとを含んで構成される態様が含まれる。この場合、コアは磁路を形成する磁路形成部材として機能する。1つのステータ突極部と1つのロータ突極部とで閉じた磁路を形成させる場合、ステータ突極部は、少なくとも2箇所においてロータ突極部と小さなギャップで対向することが望ましい。本態様では、複数のコア突部は、その近接して対向する部分として機能する部分であり、そのうちの2つのものが対をなし、コアヨーク部のそれらを繋ぐ部分とを含んで1つの閉じた磁路が形成される。なお、本態様において、1つのステータ突極部のコアと1つのロータ突極部との間で形成される磁路は1つとは限らず、複数のコア突部が複数の突部ペアを構成して(1つのペアの片方が他のペアの片方を兼ねる態様も含まれる)、そのペアごとに閉じた磁路を形成するものであってもよい。
【0029】
(12)前記ステータコアの前記複数のコア突部が、前記支持軸に平行な一線上に位置する(11)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0030】
本項に記載の態様によれば、例えば、ステータ突極部に対向するロータ突極部も、支持軸に平行に延びるものとすることができ、先に説明した態様のように突極部間で締結を行う場合に、締結のためのスペースを大きくできるというメリットがある。
【0031】
(13)前記スタータコアが、
磁化容易方向に略直角な屈曲線で屈曲されて概ねU字状をなす帯状の方向性磁性鋼板が複数積層されて形成され、概ねU字状をなすコア体を有し、
そのコア体の両端の各々が、前記ステータ側突部ペアの2つのコア突部の各々とされた(11)項または(12)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0032】
方向性電磁鋼板は、例えば、約3重量%のSiを含有するともに結晶方位が配向した結晶組織を有し、磁化容易軸である<100>が圧延方向にそろった鋼板とすることができる。方向性電磁鋼板は、磁化容易軸の方向である磁化容易方向において優れた軟磁性を示すことから、コアの材料として好適である。本項に記載の態様によれば、2つのコア突部とコアヨーク部のそれらを繋ぐ部分とを経由した磁路が形成される場合に、磁化容易方向を磁路に沿わせることができ、低鉄損特性に優れ、また、モータ内部に発生する渦電流が抑制されたモータとなる。U字状のコア体は、真直ぐな帯状の鋼材を使用して形成することができるが、その場合、板圧方向に折り曲げる等してU字形状としたものを積層したものとすることができ、また、板幅方向に曲げてU字形状としたものを積層したものとすることもできる。作製が容易であるという点を考慮すれば、前者の態様を採用することが望ましい。なお、3つ以上のコア突部が存在する場合は、上記コア体を2つ以上含むステータコアとすることができる。また、本項に記載の態様は、コア体自体、あるいは、コア体の集合自体がコアとなる態様も含まれる。
【0033】
(14)前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータコアの複数のコア突部の各々に対向して前記支持軸に向かう方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部を有するロータコアを備え、前記磁束が、それらロータ突極部の各々において、それらが有する複数のコア突部のうちの前記ステータ側突部ペアと対向する2つのものであるロータ側突部ペアを巡るものとされた(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0034】
本項に記載の態様は、ロータ突極部も、先に述べたステータ突極部の一態様と同様、コア突部およびコアヨーク部を含むように構成した態様である。両突極部のコア突部どうしが対向するようしており、両突極部に跨ってそれらのコア突部を経由した環状の磁路を効率よく形成することが可能である。
【0035】
(15)前記ロータコアが、
磁化容易方向に略直角な屈曲線で屈曲されて概ねU字状をなす帯状の方向性磁性鋼板が複数積層されて形成され、概ねU字状をなすコア体を有し、
そのコア体の両端の各々が、前記ロータ側突部ペアの2つのコア突部の各々とされた(14)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0036】
本項に記載の態様は、ロータコアも、先に説明したのステータコアの一態様と同様、方向性磁性鋼板から形成されたU字状のコア体を含んで構成される。前記説明と重複するため、ここでの説明は省略する。
【0037】
(16)前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータ側突部ペアに跨って延びるロータコアを備えた(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0038】
本項に記載の態様は、先に説明した態様と異なり、ロータコアがコア突部およびコアヨーク部を有しない形状とされており、本態様によれば、ロータコアの単純化が図れる。ステータコアのコア突部が一直線上に並ぶ場合、ロータコアはその直線に沿った直線的なものとすることができる。
【0039】
(17)前記ロータコアが、複数の帯状の方向性磁性鋼板が磁化容易方向を前記ロータコアの延びる方向に向けた状態で複数積層されて形成されたコア体を有する(16)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0040】
本項に記載の態様は、ロータコアの延びる方向、つまり、ステータ側突部ペアを跨ぐ方向と、方向性磁性鋼板の磁化容易方向とを整合させたコア体を含む態様である。本態様によれば、例えば、真直ぐに延びるコア体とすることができ、コア体の作製が容易に行うことができる。なお、本項に記載の態様には、先のものと同様、コア体自体、あるいは、コア体の集合体自体がコアとなる態様も含まれる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態およびその変形態様を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形態等に限定されるものではなく、以下の実施形態等の他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0042】
図1に、本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置の正面図を、図2に、その車輪装置の軸線を含む断面での断面図を、それぞれ示す。なお、図1は、カバーの一部を取り除いた図であり、図2は、図1におけるA−A断面である。
【0043】
本実施形態のモータ内蔵車輪装置は、ホイール10、ホイール支持装置12、モータ14を含んで構成されている。ホイール10は、タイヤ20を保持するリム部としてのリム22と、そのリム22の車体から遠い側の開口を閉塞する反車体側閉塞板としてのカバー24とを含んで構成されている。
【0044】
リム22の外周側には、タイヤ20が取り付けられる。また、リム22の内周側には、モータ14の構成要素であるロータ30の突極部としてのロータ突極32が配設されている。ロータ突極32は、8個設けられており、それぞれが、ホイール10の回転軸線である軸線Mを中心とした一円周上に、等ピッチ間隔で固定されている。
【0045】
リム22は、車体側および車体から遠い側の端部に、それぞれフランジ34,36を有している。後に詳しく説明するが、ホイール10は、車体側のフランジ34においてホイール支持装置12に支持される。もう一方のフランジ36には、カバー24が取り付けられる。フランジ36には、雌ねじが形成されたカバー取付部38が、一円周上に8つ、等ピッチで設けられており、また、カバー24には、外縁部のカバー取付部38と合致する位置に、複数の取付穴40が設けられており、雄ねじが形成された締結部材であるボルト42を用いて、カバー24がリム22に固定されるのである。
【0046】
ホイール支持装置12は、ステアリングナックル等の車輪装置支持部材の一部をなして支持軸として機能する軸部材50と、ホーイル取付部材である概して円盤形状のディスクハブ52と、ホルダ58とを含んで構成されている。モータ14は、ステータ54の突極部としての複数のステータ突極56を構成要素として含み、ホルダ58は、それらステータ突極56を保持する突極保持具として機能する。
【0047】
軸部材50は、概ね円筒形状をなし、その中心軸線が、ホイール10の回転軸線である軸線Mとされる。軸部材は50の外周部は、車体から遠ざかるにつれて外径が小さくなるような段付き形状とされており、車体から遠い側に位置する小径部70において、ホルダ58が支持され、大径部70の車体側に位置する中径部72において、ディスクハブ52が支持されている。
【0048】
ディスクハブ52は、中央部に概ね円筒形状をなすボス部74を有しており、そのボス部74が1対のアンギュラ軸受76を介して軸部材50の中径部72の外周面に支持されることで、軸部材50に対して回転可能にかつ軸方向に移動不能に支持されているのである。ディスクハブ52の外縁部78には、一円周上に等ピッチで8つの雌ねじ80が形成されており、これらの雌ねじ80を利用してホイール10が取り付けられる。詳しくは、リム22が有するフランジ34には雌ねじ80に合致する位置に、8つの取付穴82が設けられており、締結部材であるボルト84を用いて、リム22がディスクハブ52に固定されるのである。なお、ボルト84の周方向の位置、すなわちリム22とディスクハブ52との締結箇所が、ロータ突極32の間に位置しているため、ボルト54の頭部がロータ突極32等の他の部材と干渉しないようにされている。つまり、デッドスペースを利用して締結がなされているのである。
【0049】
ホルダ58は、それぞれが環状をなすところの、外輪部材90と、内輪部材92と、それらを繋ぐ状態でそれらと接合された2つの輪間部材94,95とを含んで構成されている。内輪部材92の内周面は、軸部材50の小径部70に固定的に取り付けられており、ホルダ58は軸部材50に対して回転不能かつ軸方向に移動不能にとされている。また、外輪部材90には、ステータ突極56が固定的に保持されている。ステータ突極56は、12個設けられており、それぞれが、軸線Mを中心とした一円周上に、等ピッチ間隔で固定されている。
【0050】
モータ14は、スイッチトリラクタンスモータであり、ロータ30とステータ54とを含んで構成されている。ロータ30は、先に説明したように、8個のロータ突極32を含んでおり、広い意味においては、それらロータ突極32を保持するリム22をも含んでロータ30が構成されているとすることもできる。同様に、ステータ54は、12個のステータ突極56を含んでおり、広い意味においては、それらステータ突極56を保持するホルダ58をも含んでステータ54が構成されているとすることもできる。また、リム22はモータハウジングの一部として機能するものであり、同様に、カバー24およびディスクロータ52もモータハウジングの一部として機能するものといえる。なお、デイスクロータ52は、リム22に囲まれた空間、つまりモータ14の内部空間の車体側の開口を閉塞する車体側閉塞板として機能する。
【0051】
ロータ突極32を保持するリム22は、非磁性材料であるアルミニウム合金製であり、ロータ30は、ロータ突極32を周方向に繋ぐヨークを有していない。同様に、ステータ突極56を保持するホルダ58もアルミニウム合金製であり、ステータ54も、ステータ突極を周方向に繋ぐヨークを有していない。このような構造とされているため、モータ14およびそれが内蔵された状態でのホイール10は、比較的軽量なものとされている。
【0052】
ロータ突極32は、ロータコア100を主体とするものであり、ステータ突極56は、ステータコア102と、それの一部を芯とするコイル104とを含んで構成されている。図3に、ロータ突極32およびステータ突極56を拡大して示す。図3(a)はロータ突極32であり、図3(b)はステータ突極56である。
【0053】
ロータコア100は、概ねU字形状をなす2つのコア体110が並べられたものである。1つのコア体110は、方向性電磁鋼板製の帯材112を板厚方向に折り曲げてU字状に成形したものを積層させた積層体である。各帯材112の間にはワニス等の絶縁体が挟み込まれており、コア体110およびそれら2つは硬化樹脂で一体化されている。帯材112の磁化容易方向は、図に示す矢印の方向である。形状的な特徴についていえば、ロータコア100は、コア体110の両端によって形成される3つのコア突部と114、それらを繋ぐヨーク部116とを有する形状とされている。なお、中央のコア突部114は、2つのコア突部114が合わさったものと考えることができる。なお、本実施形態では、ステータコア102の3つのコア突部114は軸線Mに沿って一直線上に位置し、それと対向するロータコア100の3つのコア突部114も、軸線Mに沿った一直線上に位置している。
【0054】
ステータコア102は、ロータコア100と同様の構造をなしているため、その説明は省略する。ステータ突極56は、ロータ突極32と異なり、励磁用のコイル104を有している。詳しくは、ステータコア102の中央のコア突部114に、コイル用電線が巻回されているのである。
【0055】
1つのステータ突極56と1つのロータ突極32とが対向する状態では、それのステータコア100の3つのコア突部114と、それのロータコア102の3つのコア突部114とは、小さなギャップ120を挟んで対向する。図4に、1つのステータ突極56と1つのロータ突極32とが対向する状態で、そのステータ突極56のコイル104に通電した状態を、図4に示す。
【0056】
ステータ突極56とロータ突極32とで形成される磁路は、対向する1対のコア体110を巡る環状のものが、2つ並ぶように形成される。詳しく言えば、ステータコア102の中央のコア突部114と一方の端のコア突部114とで1つのステータ側突部ペアが構成され、それに対向するロータコア100の中央のコア突部114と一方の端のコア突部114とで1つのロータ側突部ペアが構成され、これらの突部ペアとそれらの各々のコア突部114を繋ぐヨーク部116とで1つの環状の磁路が形成される。同様に、ステータコア102の中央のコア突部114と他方の端のコア突部114とで他の1つのステータ側突部ペアが構成され、それに対向するロータコア100の中央のコア突部114と他方の端のコア突部114とで他の1つのロータ側突部ペアが構成され、これらの突部ペアとそれらの各々のコア突部114を繋ぐヨーク部116とでもう1つの環状の磁路が形成される。その状態においてコイル104に通電した場合、上記のように形成された磁路を通る磁束が、図に示すような状態に発生する。磁路の方向,つまり磁束の方向は、前述したところの各帯材112の磁化容易方向に一致しており、発生する磁束は、損失の少ない効率的なものとなる。
【0057】
次に、模式図である図5を参照しつつ、モータ14の回転動作について説明する。ステータ54には、ステータ突極56が12個設けられているが、これらステータ突極56は、90゜位相の異なるものどうしが1つのグループを構成し、3つのグループ、[a],[b],[c]に分けられている。また、ロータ30にはロータ突極32が8個設けられており、90゜位相の異なるものどうしを、便宜的に、2つのグループ[A],[B]に分けることとする。なお、以後の説明において例えば、グループ[a]に属するステータ突極56をステータ突極[a]と呼び(他のグループも同様)、グループ[A]に属するロータ突極32をロータ突極[A]と呼ぶ(他のグループも同様)。
【0058】
図5〈1〉に示す状態では、ロータ30は、ステータ突極[a]とロータ突極[A]とが正対する回転位置に位置している。この状態において、ステータ突極[b]のコイル104に通電すれば、鎖線で示すような磁束が発生してステータ突極[B]とロータ突極[B]との間に引き合う力が発生し、ロータ30を反時計回りに回転させるトルクが生じる。その結果、図5〈2〉に示す状態に移行する。この状態は、ロータ30が、ステータ突極[b]とロータ突極[B]とが正対する回転位置に位置する状態である。その状態において、次に、ステータ突極[b]への通電を遮断し、ステータ突極[c]に通電する。その場合には、ステータ突極[c]とロータ突極[A]との間に引き合う力が発生し、ロータ30を反時計回りに回転させるトルクが生じる。次に移行する図5〈3〉の状態は、ステータ突極[c]とロータ突極[A]とが正対する状態であり、その状態でステータ突極[a]に通電すれば、同様に反時計回りに回転させるトルクが生じる。このように、[a]→[b]→[c]→[a]→・・・を繰り返し通電することによってモータ14のロータ30が回転し続けることで、ホイール10は連続的に回転する。なお、通電の順序を、[a]→[c]→[b]→[a]→・・・に変更すれば逆方向に回転する。
【0059】
以上の説明から解るように、本実施形態の車輪装置が備えるモータ14は、通常のSRモータとは異なり、周方向に跨る複数のステータ突極56およびロータ突極32を経由するような磁束を発生させないようにされている。従って、磁束の方向の変化が殆どなく、いわゆるヒステリシス損失の少ないモータとされているのである。また、前述したように、リム22をディスクハブ52に固定するためのボルト84が、ロータ突極32の間に存在しているが、そのボルト84が(特に、それの頭部)磁束に与える影響は小さいものとなっている。
【0060】
モータ14の制御は、図示を省略するコントローラによって行われる。車輪装置は、軸部材50の先端部にエンコーダ130を備えており、ホイール10の回転角度位置は常に検出され、また、回転速度も演算により取得されるようになっている。コントローラは、これらの検出・取得結果に基づいて、通電するコイル104の切替のタイミングや通電電流量を制御する。なお、本車輪装置は、ブレーキ装置を備えない構造とされており、ホイール10の回転を停止させる際には、モータ14を制御して、逆方向の回転トルクあるいは停止状態を維持するための保持トルクを発生させるようにされている。
【0061】
本実施形態の車輪装置では、タイヤ交換,モータ14の整備,サスペンション装置の整備等の場合において、ホイール10がホイール支持装置12から分離される。その際には、まず、ボルト42を緩めてカバー24を取り外し、その後に、リム22を固定しているボルト84をホイール10の正面側から緩め、ディスクハブ52とリム22との締結を解くようにすればよい。簡単な作業によって、ホイール10の取り外しが可能である。取り外されたホイール10の側にはロータ30が固定されたままになっており、ホイール支持装置12の側にはステータ54が固定されたままになっている。取り外したホイール10を取り付ける場合には、先の作業とは逆の作業を行えばよい。なお、モータ14には、磁石が備わっていないことから、ホイール10の脱着作業は容易に行うことができる。
【0062】
上記実施形態の車輪装置の変形態様として、モータ14のステータ54の構成を変更したものを説明する。図6に、モータ14に含まれるステータ突極56と、上記実施形態のものとは異なるロータ突極150とが、対向した状態を示す。ステータ突極56は、先のものと同様の構成であるため、説明は省略する。ロータ突極150は、図6(a)に示すように、真直ぐに延びる帯材152が、モータ14の周方向に積層させられて1つのコア体154を形成し、そのコア体154によって構成されたロータコア156を備えるものとされている。帯材152の各々は、方向性電磁鋼板製であり、その磁化容易方向は、図に矢印で示すように、帯材152の長手方向つまりロータコア156の延びる方向である。ステータコア152は、先に説明したように、2つのステータ側突部ペアとされる3つのコア突部を有しており、それぞれのコア突部に跨るように延びる状態でロータコア156が位置させられている。このロータ突極150が対向させられた状態において発生する磁束は、図6(b)に示すようであり、上記磁化容易方向に沿って形成された磁路を経由する2つの環状のものとなる。
【0063】
上記実施形態においては、ロータ突極32,150の数は8個とされ、ステータ突極56の数は12個とされているが、例えば、4/6,6/8,22/24といった種々の数の組み合わせを採用することもできる。また、ステータ突極56のコア突部114の数は、2つの突部ペアを含む3つとされているが、1つの突部ペアのみを含む2つとしてもよく、逆に、2以上の突部ペアによって構成される4以上とすることもできる。このように、ロータ30、ステータ54を始めとして、モータの種々の構成要素を適宜目的に応じて変更することも可能である。また、さらに、モータ14以外の構成要素についても種々の態様に変更することが可能である。例えば、リム22をディスクハブ52に締結するためのボルト84の数量、締結箇所の変更等は、本発明の目的の範囲内において、自由に変更が可能である。また、前述のようにモータ14によって制動トルクを発生させるのではなく、デスクハブ52の車体側にディスクロータを設け、そのデイスクロータを挟むブレーキ装置を車輪支持部材に設け、そのブレーキ装置によって制動トルクを発生させる態様で実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置を示す断面図である。
【図3】実施形態のモータ内装車輪装置に配備されているロータ突極およびステータ突極を示す斜視図である。
【図4】実施形態のモータ内蔵車輪装置において、1つのステータ突極と1つのロータ突極とが対向する状態で、そのステータ突極のコイルに通電した状態を示す模式図である。
【図5】実施形態のモータ内装車輪装置におけるモータの回転動作を説明するための模式図である。
【図6】モータが備えるロータ突極の構成を変更した変形態様のモータ内蔵車輪装置におけるステータ突極とロータ突極とが対向した状態を示す斜視図、および、派生する磁束の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10:ホイール 12:ホイール支持装置 14:モータ(SRモータ)
20:タイヤ 22:リム(リム部) 24:カバー(反車体側閉塞板) 30:ロータ(モータロータ) 32:ロータ突極(突極部) 34:フランジ 50:軸部材(支持軸) 52:ディスクハブ 54:ステータ(モータステータ) 56:ステータ突極(突極部) 58:ホルダ
84:ボルト(締結部材) 100:ロータコア 102:ステータコア
104:コイル 112:帯材(方向性電磁鋼板) 116:コアヨーク部 150:ロータ突極(突極部) 152:帯材(方向性電磁鋼板)
154:コア体 156:ロータコア
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータが車輪に内蔵された車輪装置に関し、詳しくは、いわゆるホイールインモータと称されるそのモータの構造に特徴を有する車輪装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車等のモータ駆動車両において、駆動モータの配設箇所はその車両の諸特性を大きく左右する。例えば、車輪に駆動モータが配設された車両では、駆動装置のコンパクト化が実現される。車輪装置に内蔵されたモータは、いわゆるホイールインモータと呼ばれ、ステアリングナックル等の車輪支持部材に配設されて、車輪を駆動するものが一般的である。このような構成の車輪装置とは別に、車輪自体にモータが組み込まれた車輪装置、詳しく言えば、車輪支持部材にモータステータが固定され、車輪にモータロータが固定された駆動モータを用いた車輪装置も検討されている。このような構成の車輪装置における駆動モータは、いわゆるアウタロータ型のホイールインモータと呼ばれるものであり、モータが発生するトルクを高くできるといったメリットを有する等の理由から、注目され始めている。これまでに、アウターロータ型のホイールインモータが組み込まれた車輪装置として、例えば、下記特許文献1、特許文献2に記載されたようなd車輪装置が存在する。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−281722号公報
【特許文献2】
特開平10−305735号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
上記特許文献に記載の車輪装置は、いずれもアウターロータ型の駆動モータが用いられているが、特許文献1に記載されたものは、ロータに永久磁石を用いたいわゆるPMモータと呼ばれるモータが用いられ、また、特許文献2に記載されたものは、誘導モータが用いられている。本発明は、PMモータ,誘導モータ等とは原理の異なるモータを使用することにより、新たな構成のモータ内蔵車輪装置を得ることを課題とする。言い換えれば、ホイールインモータの構造に特徴を有する斬新なモータ内蔵車輪装置を得ることを課題とする。そして、本発明によって、下記各態様のモータ内蔵車輪装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能である。
【0005】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項と(5)項とを合わせたものが請求項4に、(8)項が請求項5に、(9)項と(10)項とを合わせたものが請求項6に、(11)項が請求項7に、(14)項が請求項8に、(16)項が請求項9に、それぞれ相当する。
【0006】
(1)タイヤを保持する概ね円筒形状のリム部を備えるホイールと、支持軸を備えてそれを中心として前記ホイールを回転可能に支持するホイール支持装置と、前記ホイール内に設けられてそのホイールを回転させるモータとを含むモータ内蔵車輪装置であって、
前記モータが、(a)前記リム部の内周側に固定して設けられ、前記支持軸に向かう方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のロータ突極部を備えたモータロータと、(b)前記支持軸に固定して設けられ、その支持軸から離れる方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のステータ突極部を備えたモータステータとを備え、スイッチトリラクタンスモータとして構成されたことを特徴とするモータ内蔵車輪装置。
【0007】
本発明のモータ内蔵車輪装置は、ホイールを回転駆動するアウターロータ型のモータとして、スイッチトリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と略す場合がある)を用いたものである。SRモータは、例えば、(イ)低速・高トルク領域の特性に優れる、(ロ)モータロータ(以下、単に「ロータ」と呼ぶ場合がある)の構造が簡単・堅牢であり、温度上昇の点でも優れている、(ハ)安価で大量生産に適するといった種々の長所を有する。本車輪装置は、それらの長所を活かした高性能な車輪装置が実現する。なお、本発明の車輪装置のバリエーションを以下の項において説明するが、本発明の車輪装置を構成する各構成要素に関しても、適宜、以下の項の説明の中に織り込んで説明する。
【0008】
(2)前記ホイールと前記ホイール支持装置とが、前記モータロータと前記モータステータとをそれぞれに固定した状態で、分離可能とされた(1)項に記載のモータ内装車輪装置。
【0009】
本発明の車輪装置は、ホイールのリム部がモータハウジングの一部を兼ねるようにされており、単純な構造となっている。言い換えれば、ホイールとモータハウジングとの一体化が図られている。一般に、モータの整備を行うような場合、ハウジングの少なくとも一部を外して作業を行のであるが、本項に記載の態様によれば、ホイールを取り外すことで、あたかもハウジングの一部を取り外すのと同様の状態とすることができる。また、ホイールがホイール支持装置に対して脱着可能であることから、タイヤの交換,車輪よりも車体側にある装置・機器(例えば、サスペンション装置,ブレーキ装置等)の整備等においても、それらの作業の作業性を向上させることができる。ホイールを取り外す際、本項に記載の態様によれば、モータステータ(以下、単に「ステータ」と略す場合がある)を支持装置側に残したまま、ホイールが分離可能であり、取り外されたホイールは、比較的軽量であり、その点でも作業の容易化を図ることが可能である。さらにまた、SRモータは、ロータ,ステータのいずれにも磁石を用いていないことから、ホイールの脱着作業自体も容易に行うことが可能である。
【0010】
(3)前記ホイール支持装置が、前記モータステータよりも車体側の位置において前記支持軸に回転可能に支持された概して円盤形状のディスクハブを備え、前記ホイールが、前記ディスクハブの外縁部に締結部材によって分離可能に固定された(2)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0011】
一般のホイールは、リム部とディスク部とを含んで構成され、ディスク部において、ホイール支持部材であるハブに取り付けられる。本項に記載の態様では、一般的なホイールのディスク部に相当する部分をハブ側に設けていることから、ホイールの軽量化が図れる。
【0012】
(4)前記リム部が、車体側の端部に前記支持軸に向かう方向に延びるフランジを有し、前記ホイールが、そのフランジと前記ディスクハブの外縁部とが締結されて固定される(3)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0013】
ディスクハブの外縁部においてホイールが固定される場合、本項に記載の態様のように、リム部にフランジを設けてそのフランジとディクハブの外縁部とを締結させれば、ホイールをしっかりとディスクハブに固定することが可能であり、また、締結作業を容易に行うことができる。
【0014】
(5)前記フランジの前記締結部材によって締結される箇所が、周方向位置において、前記複数のロータ突極部のうちの互いに隣り合うものの中間の箇所とされた(4)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0015】
リム部にフランジを設けてそのフランジとディスクハブの外縁部とを締結する場合、例えば、ボルト等によって締結すれば、そのボルト位置は、リム部の内側に位置するロータと干渉する位置となる可能性が高い。ところが、本発明において使用されているモータは、SRモータであってロータが複数の突極部を備えており、本項に記載の態様のようにそれら突極部の間にボルト等の締結部材を位置させれば、ロータとの締結部材との干渉を避けることができ、また、締結作業をも容易に行うことが可能である。また、コイルによって発生する磁束の経路である磁路に対する影響も少ない。なお、本項に記載の態様において、隣り合う突極の間すべてにおいて締結する必要はなく、締結されない突極間があってもよい。平たく言えば、例えば、1つおき、あるいは2つおきといった具合にボルト等によって締結する態様である。
【0016】
(6)前記ホイールが前記ディスクハブに固定された状態において、前記ディスクハブが、前記リム部に囲まれた空間の車体側の開口を閉塞する車体側閉塞板として機能する(3)項ないし(5)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0017】
リム部とデイスクハブとを締結する場合、本項に記載の態様によれば、ディスクハブがモータハウジングの軸方向における一方の端部を構成するものとすることができる。例えば、車輪の車体側からモータへの水,埃,泥等の進入を、このディスクハブによって防ぐことが可能である。
【0018】
(7)前記ホイールが、前記リム部の車体から遠い側の端部に脱着可能に設けられれて前記リム部に囲まれる空間の開口を閉塞する反車体側閉塞板を備える(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0019】
本項に記載の態様は、例えば、ホイールキャップのようなものをホイールのリム部に取り付ける態様が含まれる。反車体側閉塞板は、車両の外観を良好にするための部材としてでなく、モータハウジングの一部として機能させることができ、本項に記載の態様によれば、車輪の車体とは反対側(いわゆる外側)からモータへの水,埃,泥等の侵入を、この反車体側閉塞板によって防止することも可能である。
【0020】
(8)前記モータロータが、前記複数のロータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされ、かつ、前記モータステータが、前記複数のステータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされた(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0021】
本発明の車輪装置において、モータは、一般的なSRモータと同様に、ロータとステータとの一方が、リング状あるいは円筒状のヨーク部を有し、そのヨーク部から突極部が突出する形状とされたものであってもよい。そのような態様のモータにおいては、ヨーク部は周方向において突極部どうしをつなぐものとされ、例えば、2つの突極部とヨーク部のそれらを繋ぐ部分とで1つの磁路を形成することになる。本項に記載の態様では、ロータとステータとの両者がそのようなヨーク部を有しない態様であり、極端に言えば、複数の突極のみがリム部の内周におよび支持軸の外周に互いに間隔を隔てて配設されたような態様とすることができる。この態様の場合は、各々が突極部となるそれら突極の集合としてロータあるいはステータが構成されることになる。一般に、ロータ,ステータの磁路を形成する部分であるコアは、鉄(鉄合金を含む)等の磁性材料からなるため、ロータ,ステータは比較的重いものとされている。ところが、本項に記載の態様では、ロータおよびステータがヨーク部を有していないことから、比較的軽量化されたモータが配設されることになる。つまり、モータの単位重量あたりの出力である出力重量密度が高くなる。また、モータの軽量化は、ホイールとロータとを合わせた車輪の軽量化,車輪装置自体の軽量化につながり、例えば、サスペンション機構におけるバネ下重量を小さくすることが可能となる。
【0022】
なお、リブ部の内側においてロータの突極を保持する部材(ホイール自体である場合もある)および支持軸の外周において突極を保持する部材が、ヨーク部として機能しないためには、それらが、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)等の非磁性材料から形成されたものであることが望ましい。それらが磁性材料である場合には、適切な非磁性材料等を介して突極が保持されるようにして、磁束漏れ等を極力抑えることが望ましい。
【0023】
(9)前記複数のステータ突極部の各々がコイルを有する(1)項ないし(8)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0024】
本項に記載の態様のように、ステータ側にコイルを設ければ、ブラシ等の機能部品を必要とせず単純な構造の車輪装置が実現する。また、ホイールとロータを含めた重量も、コイルが存在しない分、小さくなる。
【0025】
(10)前記モータが、1つの前記コイルによって発生する磁束がその1つのコイルを有するステータ突極部とそれに対向する1つのロータ突極部とを経由する構造とされた(9)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0026】
本発明の車輪装置において、モータは、先に述べたように、一般のSRモータと同様、2つの突極部とヨーク部のそれら突極部を繋ぐ部分とで磁路を形成するような態様とすることもできる。これに対して、本項に記載の態様は、周方向において互いに隔たる2つのロータ突極部および2つのステータ突極部を巡るような磁束が殆ど発生しないようにされている。極端に言えば、モータが、1つの前記コイルによって発生する磁束が2つ以上のステータ突極部を経由することも、2つ以上のロータ突極部を経由することもない構造とされた態様である。つまり、本態様には、1つのステータ突極部が1つのロータ突極部との間で閉じた磁路を形成するような態様が含まれるのである。本態様によれば、磁路が短く、また、磁束の向き(内部磁場の向き)の変化も小さく、渦電流の発生を抑制することが可能である。なお、本項に記載の態様は、先に述べたヨーク部を有しない態様と、機能、作用において相通ずるものであり、それらの態様を組み合わせた態様とすることが望ましい。
【0027】
(11)前記複数のステータ突極部の各々が、前記支持軸から離れる方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部とを有するステータコアを備え、前記発生する磁束が、前記ステータコアの複数のコア突部のうちの2つのものであるステータ側突部ペアと、前記複数のロータ突極部のうちの1つのものとを巡る(10)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0028】
本項に記載の態様は、例えば、ステータ突極部が、鉄(鉄合金を含む)等の磁性材料からなるコアと、コアの少なくとも一部を芯とするコイルとを含んで構成される態様が含まれる。この場合、コアは磁路を形成する磁路形成部材として機能する。1つのステータ突極部と1つのロータ突極部とで閉じた磁路を形成させる場合、ステータ突極部は、少なくとも2箇所においてロータ突極部と小さなギャップで対向することが望ましい。本態様では、複数のコア突部は、その近接して対向する部分として機能する部分であり、そのうちの2つのものが対をなし、コアヨーク部のそれらを繋ぐ部分とを含んで1つの閉じた磁路が形成される。なお、本態様において、1つのステータ突極部のコアと1つのロータ突極部との間で形成される磁路は1つとは限らず、複数のコア突部が複数の突部ペアを構成して(1つのペアの片方が他のペアの片方を兼ねる態様も含まれる)、そのペアごとに閉じた磁路を形成するものであってもよい。
【0029】
(12)前記ステータコアの前記複数のコア突部が、前記支持軸に平行な一線上に位置する(11)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0030】
本項に記載の態様によれば、例えば、ステータ突極部に対向するロータ突極部も、支持軸に平行に延びるものとすることができ、先に説明した態様のように突極部間で締結を行う場合に、締結のためのスペースを大きくできるというメリットがある。
【0031】
(13)前記スタータコアが、
磁化容易方向に略直角な屈曲線で屈曲されて概ねU字状をなす帯状の方向性磁性鋼板が複数積層されて形成され、概ねU字状をなすコア体を有し、
そのコア体の両端の各々が、前記ステータ側突部ペアの2つのコア突部の各々とされた(11)項または(12)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0032】
方向性電磁鋼板は、例えば、約3重量%のSiを含有するともに結晶方位が配向した結晶組織を有し、磁化容易軸である<100>が圧延方向にそろった鋼板とすることができる。方向性電磁鋼板は、磁化容易軸の方向である磁化容易方向において優れた軟磁性を示すことから、コアの材料として好適である。本項に記載の態様によれば、2つのコア突部とコアヨーク部のそれらを繋ぐ部分とを経由した磁路が形成される場合に、磁化容易方向を磁路に沿わせることができ、低鉄損特性に優れ、また、モータ内部に発生する渦電流が抑制されたモータとなる。U字状のコア体は、真直ぐな帯状の鋼材を使用して形成することができるが、その場合、板圧方向に折り曲げる等してU字形状としたものを積層したものとすることができ、また、板幅方向に曲げてU字形状としたものを積層したものとすることもできる。作製が容易であるという点を考慮すれば、前者の態様を採用することが望ましい。なお、3つ以上のコア突部が存在する場合は、上記コア体を2つ以上含むステータコアとすることができる。また、本項に記載の態様は、コア体自体、あるいは、コア体の集合自体がコアとなる態様も含まれる。
【0033】
(14)前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータコアの複数のコア突部の各々に対向して前記支持軸に向かう方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部を有するロータコアを備え、前記磁束が、それらロータ突極部の各々において、それらが有する複数のコア突部のうちの前記ステータ側突部ペアと対向する2つのものであるロータ側突部ペアを巡るものとされた(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0034】
本項に記載の態様は、ロータ突極部も、先に述べたステータ突極部の一態様と同様、コア突部およびコアヨーク部を含むように構成した態様である。両突極部のコア突部どうしが対向するようしており、両突極部に跨ってそれらのコア突部を経由した環状の磁路を効率よく形成することが可能である。
【0035】
(15)前記ロータコアが、
磁化容易方向に略直角な屈曲線で屈曲されて概ねU字状をなす帯状の方向性磁性鋼板が複数積層されて形成され、概ねU字状をなすコア体を有し、
そのコア体の両端の各々が、前記ロータ側突部ペアの2つのコア突部の各々とされた(14)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0036】
本項に記載の態様は、ロータコアも、先に説明したのステータコアの一態様と同様、方向性磁性鋼板から形成されたU字状のコア体を含んで構成される。前記説明と重複するため、ここでの説明は省略する。
【0037】
(16)前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータ側突部ペアに跨って延びるロータコアを備えた(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
【0038】
本項に記載の態様は、先に説明した態様と異なり、ロータコアがコア突部およびコアヨーク部を有しない形状とされており、本態様によれば、ロータコアの単純化が図れる。ステータコアのコア突部が一直線上に並ぶ場合、ロータコアはその直線に沿った直線的なものとすることができる。
【0039】
(17)前記ロータコアが、複数の帯状の方向性磁性鋼板が磁化容易方向を前記ロータコアの延びる方向に向けた状態で複数積層されて形成されたコア体を有する(16)項に記載のモータ内蔵車輪装置。
【0040】
本項に記載の態様は、ロータコアの延びる方向、つまり、ステータ側突部ペアを跨ぐ方向と、方向性磁性鋼板の磁化容易方向とを整合させたコア体を含む態様である。本態様によれば、例えば、真直ぐに延びるコア体とすることができ、コア体の作製が容易に行うことができる。なお、本項に記載の態様には、先のものと同様、コア体自体、あるいは、コア体の集合体自体がコアとなる態様も含まれる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態およびその変形態様を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形態等に限定されるものではなく、以下の実施形態等の他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0042】
図1に、本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置の正面図を、図2に、その車輪装置の軸線を含む断面での断面図を、それぞれ示す。なお、図1は、カバーの一部を取り除いた図であり、図2は、図1におけるA−A断面である。
【0043】
本実施形態のモータ内蔵車輪装置は、ホイール10、ホイール支持装置12、モータ14を含んで構成されている。ホイール10は、タイヤ20を保持するリム部としてのリム22と、そのリム22の車体から遠い側の開口を閉塞する反車体側閉塞板としてのカバー24とを含んで構成されている。
【0044】
リム22の外周側には、タイヤ20が取り付けられる。また、リム22の内周側には、モータ14の構成要素であるロータ30の突極部としてのロータ突極32が配設されている。ロータ突極32は、8個設けられており、それぞれが、ホイール10の回転軸線である軸線Mを中心とした一円周上に、等ピッチ間隔で固定されている。
【0045】
リム22は、車体側および車体から遠い側の端部に、それぞれフランジ34,36を有している。後に詳しく説明するが、ホイール10は、車体側のフランジ34においてホイール支持装置12に支持される。もう一方のフランジ36には、カバー24が取り付けられる。フランジ36には、雌ねじが形成されたカバー取付部38が、一円周上に8つ、等ピッチで設けられており、また、カバー24には、外縁部のカバー取付部38と合致する位置に、複数の取付穴40が設けられており、雄ねじが形成された締結部材であるボルト42を用いて、カバー24がリム22に固定されるのである。
【0046】
ホイール支持装置12は、ステアリングナックル等の車輪装置支持部材の一部をなして支持軸として機能する軸部材50と、ホーイル取付部材である概して円盤形状のディスクハブ52と、ホルダ58とを含んで構成されている。モータ14は、ステータ54の突極部としての複数のステータ突極56を構成要素として含み、ホルダ58は、それらステータ突極56を保持する突極保持具として機能する。
【0047】
軸部材50は、概ね円筒形状をなし、その中心軸線が、ホイール10の回転軸線である軸線Mとされる。軸部材は50の外周部は、車体から遠ざかるにつれて外径が小さくなるような段付き形状とされており、車体から遠い側に位置する小径部70において、ホルダ58が支持され、大径部70の車体側に位置する中径部72において、ディスクハブ52が支持されている。
【0048】
ディスクハブ52は、中央部に概ね円筒形状をなすボス部74を有しており、そのボス部74が1対のアンギュラ軸受76を介して軸部材50の中径部72の外周面に支持されることで、軸部材50に対して回転可能にかつ軸方向に移動不能に支持されているのである。ディスクハブ52の外縁部78には、一円周上に等ピッチで8つの雌ねじ80が形成されており、これらの雌ねじ80を利用してホイール10が取り付けられる。詳しくは、リム22が有するフランジ34には雌ねじ80に合致する位置に、8つの取付穴82が設けられており、締結部材であるボルト84を用いて、リム22がディスクハブ52に固定されるのである。なお、ボルト84の周方向の位置、すなわちリム22とディスクハブ52との締結箇所が、ロータ突極32の間に位置しているため、ボルト54の頭部がロータ突極32等の他の部材と干渉しないようにされている。つまり、デッドスペースを利用して締結がなされているのである。
【0049】
ホルダ58は、それぞれが環状をなすところの、外輪部材90と、内輪部材92と、それらを繋ぐ状態でそれらと接合された2つの輪間部材94,95とを含んで構成されている。内輪部材92の内周面は、軸部材50の小径部70に固定的に取り付けられており、ホルダ58は軸部材50に対して回転不能かつ軸方向に移動不能にとされている。また、外輪部材90には、ステータ突極56が固定的に保持されている。ステータ突極56は、12個設けられており、それぞれが、軸線Mを中心とした一円周上に、等ピッチ間隔で固定されている。
【0050】
モータ14は、スイッチトリラクタンスモータであり、ロータ30とステータ54とを含んで構成されている。ロータ30は、先に説明したように、8個のロータ突極32を含んでおり、広い意味においては、それらロータ突極32を保持するリム22をも含んでロータ30が構成されているとすることもできる。同様に、ステータ54は、12個のステータ突極56を含んでおり、広い意味においては、それらステータ突極56を保持するホルダ58をも含んでステータ54が構成されているとすることもできる。また、リム22はモータハウジングの一部として機能するものであり、同様に、カバー24およびディスクロータ52もモータハウジングの一部として機能するものといえる。なお、デイスクロータ52は、リム22に囲まれた空間、つまりモータ14の内部空間の車体側の開口を閉塞する車体側閉塞板として機能する。
【0051】
ロータ突極32を保持するリム22は、非磁性材料であるアルミニウム合金製であり、ロータ30は、ロータ突極32を周方向に繋ぐヨークを有していない。同様に、ステータ突極56を保持するホルダ58もアルミニウム合金製であり、ステータ54も、ステータ突極を周方向に繋ぐヨークを有していない。このような構造とされているため、モータ14およびそれが内蔵された状態でのホイール10は、比較的軽量なものとされている。
【0052】
ロータ突極32は、ロータコア100を主体とするものであり、ステータ突極56は、ステータコア102と、それの一部を芯とするコイル104とを含んで構成されている。図3に、ロータ突極32およびステータ突極56を拡大して示す。図3(a)はロータ突極32であり、図3(b)はステータ突極56である。
【0053】
ロータコア100は、概ねU字形状をなす2つのコア体110が並べられたものである。1つのコア体110は、方向性電磁鋼板製の帯材112を板厚方向に折り曲げてU字状に成形したものを積層させた積層体である。各帯材112の間にはワニス等の絶縁体が挟み込まれており、コア体110およびそれら2つは硬化樹脂で一体化されている。帯材112の磁化容易方向は、図に示す矢印の方向である。形状的な特徴についていえば、ロータコア100は、コア体110の両端によって形成される3つのコア突部と114、それらを繋ぐヨーク部116とを有する形状とされている。なお、中央のコア突部114は、2つのコア突部114が合わさったものと考えることができる。なお、本実施形態では、ステータコア102の3つのコア突部114は軸線Mに沿って一直線上に位置し、それと対向するロータコア100の3つのコア突部114も、軸線Mに沿った一直線上に位置している。
【0054】
ステータコア102は、ロータコア100と同様の構造をなしているため、その説明は省略する。ステータ突極56は、ロータ突極32と異なり、励磁用のコイル104を有している。詳しくは、ステータコア102の中央のコア突部114に、コイル用電線が巻回されているのである。
【0055】
1つのステータ突極56と1つのロータ突極32とが対向する状態では、それのステータコア100の3つのコア突部114と、それのロータコア102の3つのコア突部114とは、小さなギャップ120を挟んで対向する。図4に、1つのステータ突極56と1つのロータ突極32とが対向する状態で、そのステータ突極56のコイル104に通電した状態を、図4に示す。
【0056】
ステータ突極56とロータ突極32とで形成される磁路は、対向する1対のコア体110を巡る環状のものが、2つ並ぶように形成される。詳しく言えば、ステータコア102の中央のコア突部114と一方の端のコア突部114とで1つのステータ側突部ペアが構成され、それに対向するロータコア100の中央のコア突部114と一方の端のコア突部114とで1つのロータ側突部ペアが構成され、これらの突部ペアとそれらの各々のコア突部114を繋ぐヨーク部116とで1つの環状の磁路が形成される。同様に、ステータコア102の中央のコア突部114と他方の端のコア突部114とで他の1つのステータ側突部ペアが構成され、それに対向するロータコア100の中央のコア突部114と他方の端のコア突部114とで他の1つのロータ側突部ペアが構成され、これらの突部ペアとそれらの各々のコア突部114を繋ぐヨーク部116とでもう1つの環状の磁路が形成される。その状態においてコイル104に通電した場合、上記のように形成された磁路を通る磁束が、図に示すような状態に発生する。磁路の方向,つまり磁束の方向は、前述したところの各帯材112の磁化容易方向に一致しており、発生する磁束は、損失の少ない効率的なものとなる。
【0057】
次に、模式図である図5を参照しつつ、モータ14の回転動作について説明する。ステータ54には、ステータ突極56が12個設けられているが、これらステータ突極56は、90゜位相の異なるものどうしが1つのグループを構成し、3つのグループ、[a],[b],[c]に分けられている。また、ロータ30にはロータ突極32が8個設けられており、90゜位相の異なるものどうしを、便宜的に、2つのグループ[A],[B]に分けることとする。なお、以後の説明において例えば、グループ[a]に属するステータ突極56をステータ突極[a]と呼び(他のグループも同様)、グループ[A]に属するロータ突極32をロータ突極[A]と呼ぶ(他のグループも同様)。
【0058】
図5〈1〉に示す状態では、ロータ30は、ステータ突極[a]とロータ突極[A]とが正対する回転位置に位置している。この状態において、ステータ突極[b]のコイル104に通電すれば、鎖線で示すような磁束が発生してステータ突極[B]とロータ突極[B]との間に引き合う力が発生し、ロータ30を反時計回りに回転させるトルクが生じる。その結果、図5〈2〉に示す状態に移行する。この状態は、ロータ30が、ステータ突極[b]とロータ突極[B]とが正対する回転位置に位置する状態である。その状態において、次に、ステータ突極[b]への通電を遮断し、ステータ突極[c]に通電する。その場合には、ステータ突極[c]とロータ突極[A]との間に引き合う力が発生し、ロータ30を反時計回りに回転させるトルクが生じる。次に移行する図5〈3〉の状態は、ステータ突極[c]とロータ突極[A]とが正対する状態であり、その状態でステータ突極[a]に通電すれば、同様に反時計回りに回転させるトルクが生じる。このように、[a]→[b]→[c]→[a]→・・・を繰り返し通電することによってモータ14のロータ30が回転し続けることで、ホイール10は連続的に回転する。なお、通電の順序を、[a]→[c]→[b]→[a]→・・・に変更すれば逆方向に回転する。
【0059】
以上の説明から解るように、本実施形態の車輪装置が備えるモータ14は、通常のSRモータとは異なり、周方向に跨る複数のステータ突極56およびロータ突極32を経由するような磁束を発生させないようにされている。従って、磁束の方向の変化が殆どなく、いわゆるヒステリシス損失の少ないモータとされているのである。また、前述したように、リム22をディスクハブ52に固定するためのボルト84が、ロータ突極32の間に存在しているが、そのボルト84が(特に、それの頭部)磁束に与える影響は小さいものとなっている。
【0060】
モータ14の制御は、図示を省略するコントローラによって行われる。車輪装置は、軸部材50の先端部にエンコーダ130を備えており、ホイール10の回転角度位置は常に検出され、また、回転速度も演算により取得されるようになっている。コントローラは、これらの検出・取得結果に基づいて、通電するコイル104の切替のタイミングや通電電流量を制御する。なお、本車輪装置は、ブレーキ装置を備えない構造とされており、ホイール10の回転を停止させる際には、モータ14を制御して、逆方向の回転トルクあるいは停止状態を維持するための保持トルクを発生させるようにされている。
【0061】
本実施形態の車輪装置では、タイヤ交換,モータ14の整備,サスペンション装置の整備等の場合において、ホイール10がホイール支持装置12から分離される。その際には、まず、ボルト42を緩めてカバー24を取り外し、その後に、リム22を固定しているボルト84をホイール10の正面側から緩め、ディスクハブ52とリム22との締結を解くようにすればよい。簡単な作業によって、ホイール10の取り外しが可能である。取り外されたホイール10の側にはロータ30が固定されたままになっており、ホイール支持装置12の側にはステータ54が固定されたままになっている。取り外したホイール10を取り付ける場合には、先の作業とは逆の作業を行えばよい。なお、モータ14には、磁石が備わっていないことから、ホイール10の脱着作業は容易に行うことができる。
【0062】
上記実施形態の車輪装置の変形態様として、モータ14のステータ54の構成を変更したものを説明する。図6に、モータ14に含まれるステータ突極56と、上記実施形態のものとは異なるロータ突極150とが、対向した状態を示す。ステータ突極56は、先のものと同様の構成であるため、説明は省略する。ロータ突極150は、図6(a)に示すように、真直ぐに延びる帯材152が、モータ14の周方向に積層させられて1つのコア体154を形成し、そのコア体154によって構成されたロータコア156を備えるものとされている。帯材152の各々は、方向性電磁鋼板製であり、その磁化容易方向は、図に矢印で示すように、帯材152の長手方向つまりロータコア156の延びる方向である。ステータコア152は、先に説明したように、2つのステータ側突部ペアとされる3つのコア突部を有しており、それぞれのコア突部に跨るように延びる状態でロータコア156が位置させられている。このロータ突極150が対向させられた状態において発生する磁束は、図6(b)に示すようであり、上記磁化容易方向に沿って形成された磁路を経由する2つの環状のものとなる。
【0063】
上記実施形態においては、ロータ突極32,150の数は8個とされ、ステータ突極56の数は12個とされているが、例えば、4/6,6/8,22/24といった種々の数の組み合わせを採用することもできる。また、ステータ突極56のコア突部114の数は、2つの突部ペアを含む3つとされているが、1つの突部ペアのみを含む2つとしてもよく、逆に、2以上の突部ペアによって構成される4以上とすることもできる。このように、ロータ30、ステータ54を始めとして、モータの種々の構成要素を適宜目的に応じて変更することも可能である。また、さらに、モータ14以外の構成要素についても種々の態様に変更することが可能である。例えば、リム22をディスクハブ52に締結するためのボルト84の数量、締結箇所の変更等は、本発明の目的の範囲内において、自由に変更が可能である。また、前述のようにモータ14によって制動トルクを発生させるのではなく、デスクハブ52の車体側にディスクロータを設け、そのデイスクロータを挟むブレーキ装置を車輪支持部材に設け、そのブレーキ装置によって制動トルクを発生させる態様で実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態であるモータ内蔵車輪装置を示す断面図である。
【図3】実施形態のモータ内装車輪装置に配備されているロータ突極およびステータ突極を示す斜視図である。
【図4】実施形態のモータ内蔵車輪装置において、1つのステータ突極と1つのロータ突極とが対向する状態で、そのステータ突極のコイルに通電した状態を示す模式図である。
【図5】実施形態のモータ内装車輪装置におけるモータの回転動作を説明するための模式図である。
【図6】モータが備えるロータ突極の構成を変更した変形態様のモータ内蔵車輪装置におけるステータ突極とロータ突極とが対向した状態を示す斜視図、および、派生する磁束の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10:ホイール 12:ホイール支持装置 14:モータ(SRモータ)
20:タイヤ 22:リム(リム部) 24:カバー(反車体側閉塞板) 30:ロータ(モータロータ) 32:ロータ突極(突極部) 34:フランジ 50:軸部材(支持軸) 52:ディスクハブ 54:ステータ(モータステータ) 56:ステータ突極(突極部) 58:ホルダ
84:ボルト(締結部材) 100:ロータコア 102:ステータコア
104:コイル 112:帯材(方向性電磁鋼板) 116:コアヨーク部 150:ロータ突極(突極部) 152:帯材(方向性電磁鋼板)
154:コア体 156:ロータコア
Claims (9)
- タイヤを保持する概ね円筒形状のリム部を備えるホイールと、支持軸を備えてそれを中心として前記ホイールを回転可能に支持するホイール支持装置と、前記ホイール内に設けられてそのホイールを回転させるモータとを含むモータ内蔵車輪装置であって、
前記モータが、(a)前記リム部の内周側に固定して設けられ、前記支持軸に向かう方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のロータ突極部を備えたモータロータと、(b)前記支持軸に固定して設けられ、その支持軸から離れる方向に突出するとともに一円周上に位置する複数のステータ突極部を備えたモータステータとを備え、スイッチトリラクタンスモータとして構成されたことを特徴とするモータ内蔵車輪装置。 - 前記ホイールと前記ホイール支持装置とが、前記モータロータと前記モータステータとをそれぞれに固定した状態で、分離可能とされた請求項1に記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記ホイール支持装置が、前記モータステータよりも車体側の位置において前記支持軸に回転可能に支持された概して円盤形状のディスクハブを備え、前記ホイールが、前記ディスクハブの外縁部に締結部材によって分離可能に固定された請求項2に記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記リム部が、車体側の端部に前記支持軸に向かう方向に延びるフランジを有し、前記ホイールが、そのフランジと前記ディスクハブの外縁部とが締結されて固定され、前記フランジの前記締結部材によって締結される箇所が、周方向位置において、前記複数のロータ突極部のうちの互いに隣り合うものの中間の箇所とされた請求項3に記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記モータロータが、前記複数のロータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされ、かつ、前記モータステータが、前記複数のステータ突極部の各々を周方向に繋ぐヨーク部を有しない構造とされた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記複数のステータ突極部の各々がコイルを有し、前記モータが、1つの前記コイルによって発生する磁束がその1つのコイルを有するステータ突極部とそれに対向する1つのロータ突極部とを経由する構造とされた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記複数のステータ突極部の各々が、前記支持軸から離れる方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部とを有するステータコアを備え、前記発生する磁束が、前記ステータコアの複数のコア突部のうちの2つのものであるステータ側突部ペアと、前記複数のロータ突極部のうちの1つのものとを巡る請求項6に記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータコアの複数のコア突部の各々に対向して前記支持軸に向かう方向に突出した複数のコア突部とそれらを繋ぐコアヨーク部を有するロータコアを備え、前記磁束が、それらロータ突極部の各々において、それらが有する複数のコア突部のうちの前記ステータ側突部ペアと対向する2つのものであるロータ側突部ペアを巡るものとされた請求項7に記載のモータ内蔵車輪装置。
- 前記複数のロータ突極部の各々が、前記ステータ側突部ペアに跨って延びるロータコアを備えた請求項7に記載のモータ内蔵車輪装置。
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