JP2000261068A - レーザ媒質ガス交換方法、レーザ媒質ガス排出方法及びガスレーザ装置並びに露光装置 - Google Patents

レーザ媒質ガス交換方法、レーザ媒質ガス排出方法及びガスレーザ装置並びに露光装置

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JP2000261068A
JP2000261068A JP11064113A JP6411399A JP2000261068A JP 2000261068 A JP2000261068 A JP 2000261068A JP 11064113 A JP11064113 A JP 11064113A JP 6411399 A JP6411399 A JP 6411399A JP 2000261068 A JP2000261068 A JP 2000261068A
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laser
medium gas
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Hitoshi Takeuchi
仁 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未使用のレーザ媒質ガスの汚染を抑制し、か
つ、レーザの駆動効率を高めることの可能なレーザ媒質
ガス交換方法及びそのような交換が可能なレーザガス装
置、並びに、該ガスレーザ装置を用いた露光装置を提供
すること。 【解決手段】 放電チャンバ1内の圧力値をレーザ光発
振時の設定圧力値の近傍又はそれ以上に制御しながら、
放電チャンバ1内の使用済みのレーザ媒質ガスを放電チ
ャンバ1から排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電型のガスレー
ザ、特にエキシマレーザにおけるレーザ媒質ガスの交換
方法及びガスレーザ装置、並びに、当該ガスレーザ装置
を用いた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ光の利得媒質として気
体を用いたガスレーザは機械システム部品の位置合わせ
や精密加工等に使用されているが、特に、紫外線領域に
おいて強力なレーザ光を発生するエキシマレーザは、一
般材料の微細加工、表面改質の分野のみならず、半導体
デバイスの製造工程において、高密度の回路パターンを
半導体上に形成する投影露光装置の光源としても使用さ
れている。
【0003】エキシマレーザは、希ガス(Ar、Kr、
Xe等)とハロゲンガス(F2、Cl2等)の混合ガスを
レーザ媒質ガスとし、この中で放電を行ってレーザ媒質
ガスを励起することにより紫外線領域のパルスレーザを
発振するものであり、希ガス成分とハロゲンガス成分と
の組み合わせにより、得られるレーザ光の発振波長は異
なったものとなる。なお、フッ素ガスをレーザ媒質ガス
とした場合は、希ガスとハロゲンガスの混合ガスをレー
ザ媒質ガスとして用いた場合よりもさらに短波長の紫外
レーザ光を得ることができる。以下の説明では、希ガス
とハロゲンガスの混合ガス、並びに、フッ素ガスの双方
をレーザ媒質ガスとして用いたレーザをまとめてエキシ
マレーザと称する。
【0004】エキシマレーザ装置は、通常、内部に放電
電極が配設され、かつ、レーザ媒質ガスが封入された放
電チャンバを備えており、レーザ光発振時には該放電電
極に所定の高電圧を印加することにより、放電チャンバ
内のレーザ媒質ガスを励起する構成とされている。
【0005】ところで、エキシマレーザにおいては、レ
ーザ媒質ガスの構成成分であるハロゲンガスの反応性が
極めて高いために、前記ハロゲンガスは前記放電電極、
又は、放電チャンバの内面等と反応してハロゲン化物を
形成して消費される。また、時間の経過と共に、前記ハ
ロゲンガスは放電チャンバ内に存在する水分、並びに、
放電チャンバを構成する金属部材に吸着されていた微量
の水素、又は、シール部材等の高分子材料から発生する
水素等と反応して不純物ガスを形成するので、これによ
っても消費される。したがって、レーザ媒質ガス中のハ
ロゲンガスの濃度は時間の経過と共に減少していく。一
方、放電チャンバ内の空間に飛散した一部のハロゲン化
物及び不純物ガスは発振したレーザ光を吸収し、また、
放電チャンバ内の光学部品に付着して光学系を汚染す
る。
【0006】そして、レーザ媒質ガス中のハロゲンガス
の濃度が所定値よりも減少したり、あるいは、レーザ媒
質ガス中の不純物ガスの濃度が所定値を越えた場合に
は、エキシマレーザ光の出力が減少し、所定のレーザ出
力を維持することが最終的に困難となる。通常、このよ
うな状態となったレーザ媒質ガスは新鮮なレーザ媒質ガ
スと交換される。ここでは、所定時間以上のレーザ発振
により、所望のレーザ出力を得ることが不可能となった
レーザ媒質ガスを「使用済みのレーザ媒質ガス」とい
い、一方、未だ放電によるレーザ発振が行われていない
新鮮なレーザ媒質ガスを「未使用のレーザ媒質ガス」と
いう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】放電チャンバ内の使用
済みのレーザ媒質ガスは、一般に、次のようにして未使
用のレーザ媒質ガスと交換される。まず、放電チャンバ
内の使用済みのレーザ媒質ガスが排気装置により外部に
排出され、該放電チャンバ内は略真空状態とされる。次
に、ボンベ等のレーザ媒質ガス供給手段から未使用のレ
ーザ媒質ガスが放電チャンバ内に所定量供給される。こ
れにより、再びエキシマレーザ光の出力を回復すること
ができる。
【0008】しかし、上記のようなレーザ媒質ガス交換
では以下のような問題が生じる。
【0009】エキシマレーザ用のレーザ媒質ガス中のハ
ロゲンガスは、その反応性の高さゆえに、上述したよう
に放電チャンバ内の各種部材、あるいは、放電チャンバ
の内面と反応してハロゲン化物を形成するが、一方で、
このハロゲン化物は薄い層となって放電チャンバ内の各
種部材の表面、或いは、放電チャンバ内面を保護するこ
とにより、ハロゲンガスと放電チャンバ及び前記各種部
材との追加の反応、並びに、放電チャンバ等からの水素
の発生を防止し、放電チャンバ内のレーザ媒質ガスの更
なる汚染を抑制する機能をも有している。
【0010】ところで、前記ハロゲン化物は、その多く
が昇華性である。したがって、使用済みのレーザ媒質ガ
スの排出のために放電チャンバ内を減圧状態とすると、
放電チャンバ内のハロゲン化物は昇華し、使用済みのレ
ーザ媒質ガスと共に外部へ排出されるので、放電チャン
バ内の各種部材及び放電チャンバ内面のハロゲンと未反
応の新たな表面が外界に曝されることとなる。
【0011】前記未反応の新たな表面は、次工程におい
て放電チャンバ内に供給される未使用のレーザ媒質ガス
中のハロゲンガスと接触して新たにハロゲン化物を形成
するが、これは未使用のレーザ媒質ガスの汚染の原因と
なり、レーザ媒質ガス交換の頻度を高めてしまう。ま
た、放電チャンバ内の全ての部材表面及び放電チャンバ
の全ての内面にハロゲン化物層を形成するためには多く
の時間を要するので、上記したようなハロゲン化物層の
新たな形成は、エキシマレーザの駆動効率を低下させて
しまう。
【0012】本発明は上記した従来の技術における問題
点を解決することをその課題とする。すなわち、本発明
の目的は、放電チャンバ内の使用済みのレーザ媒質ガス
を未使用のレーザ媒質ガスに交換するにあたり、未使用
のレーザ媒質ガスの汚染を抑制し、かつ、レーザの駆動
効率を高めることのできる新規なレーザ媒質ガス交換方
法、及び、そのようなレーザ媒質ガス交換が可能なガス
レーザ装置、並びに、該ガスレーザ装置を用いた露光装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、レー
ザ媒質ガス中で放電を行うことによりレーザ光を発振す
る放電チャンバにおいて、使用済みのレーザ媒質ガスの
少なくとも一部をパージガス又は未使用のレーザ媒質ガ
スと交換するレーザ媒質ガス交換方法であって、前記放
電チャンバ内の圧力値をレーザ光発振時の設定圧力値の
近傍又はそれ以上に制御しながら前記放電チャンバ内の
前記使用済みのレーザ媒質ガスを前記放電チャンバから
排出する工程を含むことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電チャンバ内において前記使用済みのレーザ
媒質ガスの占める空間の容積を縮小する工程をさらに含
むことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記レーザ媒質ガスがハロゲンガス及び/又
は希ガスを含むことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、レーザ媒質ガス中で放
電を行うことによりレーザ光を発振する放電チャンバ
と、前記放電チャンバ内の使用済みのレーザ媒質ガスを
外部へ排出するガス排出手段と、前記放電チャンバ内へ
パージガス又は未使用のレーザ媒質ガスを供給するガス
供給手段と、前記放電チャンバ内の圧力を検知する圧力
検知手段と、前記放電チャンバ内の圧力を制御する圧力
制御手段とを備えたガスレーザ装置であって、前記放電
チャンバ内の前記使用済みのレーザ媒質ガスの少なくと
も一部を前記パージガス又は前記未使用のレーザ媒質ガ
スに交換するにあたって、前記圧力制御手段が、前記圧
力検知手段からの検知信号に基づいて、前記放電チャン
バ内の圧力値がレーザ光発振時の設定圧力値の近傍又は
それ以上となるように前記ガス排出手段及び/又は前記
ガス供給手段を駆動することを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記放電チャンバ内に自己占有容積を調節自在なガ
ス排除部材を配設したことを特徴とする。
【0018】請求項6の発明は、請求項4又は5の発明
において、前記圧力制御手段が前記ガス排出手段と前記
ガス供給手段とを同時又は交互に駆動することを特徴と
する。
【0019】請求項7の発明は、請求項4乃至6のいず
れかの発明において、前記レーザ媒質ガスがハロゲンガ
ス及び/又は希ガスを含むことを特徴とする。
【0020】請求項8の発明は、請求項4乃至7のいず
れかのガスレーザ装置を光源に用いたことを特徴とする
露光装置である。
【0021】請求項9の発明は、レーザ媒質ガス中で放
電を行うことによりレーザ光を発振する放電チャンバ内
の前記レーザ媒質ガスを排出するレーザ媒質ガス排出方
法において、前記放電チャンバ内の圧力値をレーザ光発
振時の設定圧力値の近傍又はそれ以上に制御しながら、
前記放電チャンバ内のレーザ媒質ガスを排出することを
特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】上記したように、エキシマレーザ
装置における放電チャンバ内の各種部材及び放電チャン
バ内面に付着しているハロゲン化物は昇華性ではあるも
のの、実際に昇華するのは放電チャンバ内の圧力が過剰
に低下したときである。そして、少なくともレーザ発振
時のように放電チャンバ内の圧力が2〜5気圧の範囲に
設定されている状態ではハロゲン化物は昇華せず、前記
各種部材の表面及び放電チャンバ内表面に固着している
ものと考えられる。そこで、本発明においては、放電チ
ャンバ内の圧力がレーザ発振時の設定圧力値又はその近
傍の値を下回らないようにレーザ媒質ガスの交換を行う
ことにより、レーザ媒質ガス交換の際の放電チャンバ内
のハロゲン化物の昇華を回避し、未使用のレーザ媒質ガ
ス中のハロゲンガスと放電チャンバ内の各種部材等との
新たな反応を防止することとした。
【0023】すなわち、本発明においては、レーザ媒質
ガス交換中の放電チャンバ内の圧力値は、レーザ光発振
時の設定圧力値の近傍又はそれ以上の値となるように制
御される。ここで、前記設定圧力値は、ある特定の値と
してのみならず、所定の数値範囲として設定されていて
もよい。実際には、前記設定圧力値はハロゲン化物の昇
華抑制及びガス交換効率の点からみて2〜5気圧の範囲
で設定されることが好ましい。なお、本発明において、
前記設定圧力値の近傍とは、前記設定圧力値を含む所定
の数値範囲をいい、前記設定圧力値より大きい値のみな
らず、ハロゲン化物の昇華抑制効果を所定レベル以上得
ることが可能であれば、前記設定圧力値よりも小さい値
も含まれる。ただし、ハロゲン化物の確実な昇華防止及
び制御の容易性の点からみると、レーザ媒質ガス交換中
の放電チャンバ内の圧力値は、レーザ光発振時の設定圧
力値以上の値となるように制御されることが好ましい。
【0024】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の
形態を具体的に説明する。図1は、本発明のガスレーザ
装置を構成する放電チャンバの実施の形態の一例を示す
概念図である。図示されるように、放電チャンバ1内に
は陽極2a及び陰極2bが所定の間隔で離間して対向す
るように配設されており、この陽極2a及び陰極2bと
で主電極2を構成している。主電極2には図示しない高
電圧電源が接続されており、該高電圧電源によって所定
の高電圧が主電極2に印加され、陽極2aと陰極2bの
間の放電空間において主放電が行われる。そして、前記
主放電によって放電チャンバ1内のレーザ媒質ガスが励
起されてレーザ光が放出される。
【0025】前記放電空間における前記主放電を容易と
するために、前記放電空間は前記主放電に先だって予備
電離されることが好ましい。前記予備電離の手段として
は、ピン電極によるアーク放電を利用する方法、コロナ
電極によるコロナ放電を利用する方法あるいはX線発生
装置から出力されるX線を利用する方法などを適宜使用
できる。
【0026】本実施の形態における放電チャンバ1に
は、放電チャンバ1内のレーザ媒質ガスを循環させて、
前記放電空間に新しいレーザ媒質ガスを供給するための
循環ファン3、及び、放電によって温度が上昇したレー
ザ媒質ガスを冷却するための熱交換器4が設けられてい
る。なお、放電チャンバ1には、放電チャンバ1内のレ
ーザ媒質ガスの温度を検知するためのセンサを取り付
け、該センサからの検知信号に応じて循環ファン3及び
/又は熱交換器4の作動を制御することが好ましい。
【0027】放電チャンバ1の長手方向の一方の端部に
は光反射ミラー5が取り付けられ、他方の端部には光反
射ミラー5と光共振システムを構成する出力ミラー6が
取り付けられている。主電極2の陽極2aと陰極2bと
の間の放電によって発生したレーザ光は光反射ミラー5
及び出力ミラー6との間で増幅され、出力ミラー6から
発振出力される。出力されたレーザ光は図示しない光学
システム、例えば照明系、投影系等の光学システムを経
て、例えば半導体デバイス上の回路パターンを転写する
露光装置に使用される。
【0028】図2は、そのような露光装置31の構成の
概略図である。ここでは、例えば、ステップ・アンド・
リピート方式の投影露光装置(ステッパー)を用いて、
マスクに形成された回路パターンをウェハに転写する場
合の例を用いて説明する。投影露光装置31は、マスク
Mに形成されたパターン(例えば、半導体素子パター
ン)を、感光剤が塗布された略円形のウェハ(基板)W
上へ投影転写するものであって、本発明における放電チ
ャンバ1、照明光学系34、マスクステージ35,投影
光学系36、ウェハステージ(基板ステージ)37およ
び焦点検出系38から概略構成されている。放電チャン
バ1から射出された露光光Bは、反射ミラー32で反射
されて照明光学系34に入射する。
【0029】照明光学系34は、いずれも不図示のリレ
ーレンズ、露光光Bを均一化するためのオプティカルイ
ンテグレータ(フライアイレンズやロッドレンズ等)、
露光光Bをオプティカルインテグレータに入射させるイ
ンプットレンズ、オプティカルインテグレータから射出
した露光光BをマスクM上に集光するためのリレーレン
ズ、コンデンサーレンズ等を有している。照明光学系3
4から射出された露光光Bは、反射ミラー33によって
反射されて、ウェハW上に露光すべきパターンを有しマ
スクステージ35上に保持されたマスクMに入射する。
【0030】投影光学系36は、マスクMの照明領域に
存在するパターンの像をウェハW上に結像させるもので
ある。ウェハステージ37は、ウェハWを保持するもの
であって、互いに直交する方向(X、Y、Zの三次元方
向)へ移動自在とされている。このウェハステージ37
上には、移動鏡37aが設けられている。移動鏡37a
には、位置計測装置である不図示のレーザ干渉計からレ
ーザ光39が射出され、その反射光と入射光との干渉に
基づいて移動鏡37aとレーザ干渉計との間の距離、す
なわちウェハステージ37(ひいてはウェハW)の位置
が検出される構成になっている。また、ウェハステージ
37には、リニアモータ等、ウェハステージ37を駆動
させる駆動機構(不図示)が付設されている。焦点検出
系38は、ウェハWの高さ位置(Z方向の位置)を光学
的に検出するものであって、ウェハWに斜めから計測光
を入射する投光系40と、ウェハWの表面で反射された
計測光を受光する受光系41とを主体として構成される
ものである。
【0031】放電チャンバ1の説明に戻り、その構成に
ついて説明する。放電チャンバ1を構成する壁面には、
該壁面を貫通して設けられた給排気管7を介して、本発
明の容積調節部材としてのバルーン8が取り付けられて
おり、給排気管7からの給気及び排気によって放電チャ
ンバ1内の空間に向けて膨脹及び縮小自在とされてい
る。なお、バルーン8は、最大限に膨脹しても放電チャ
ンバ1内の機器に接触しないように放電チャンバ1内の
所定の位置に取り付けられている。本実施の形態におい
てはバルーン8はフッ素ゴムによって形成されている
が、レーザ媒質ガスと反応しない物質であればその材質
は特に限定されるものではなく、レーザ媒質ガスの種類
に応じて、フッ素ゴム、フッ素ゴムをコーティングした
合成又は天然ゴム等から適宜選択して使用することがで
きる。バルーン8の使用形態については後述する。
【0032】なお、本発明の容積調節部材は自己占有体
積を調節自在であり、放電チャンバ1内のレーザ媒質ガ
スの占める空間容積を縮小可能なものであれば特にその
形状は限定されるものではなく、上記したようなバルー
ン8の他に、例えばステンレス等の金属からなる蛇腹状
部材等も使用可能である。また、前記容積調節部材は、
放電チャンバ1内の空間に侵入可能なシリンダ状部材で
あってもよい。そして、本発明における容積調節部材は
放電チャンバ内に複数取り付けられていてもよい。した
がって、図1に示す放電チャンバ1の場合には、複数の
バルーン8がそれぞれ給排気管7を介して放電チャンバ
1の内壁面に取り付けられていてもよい。
【0033】前記レーザ媒質ガスとしては、例えば、K
rFエキシマレーザの場合は、フッ素、クリプトン及び
バッファガス(ヘリウム又はネオン)が用いられ、ま
た、ArFエキシマレーザの場合は、フッ素、アルゴン
及びバッファガス(ヘリウム又はネオン)の混合ガスが
主に使用される。
【0034】図3は、図1の放電チャンバ1を備えた本
発明のガスレーザ装置の一実施の形態の基本的構成を示
す概略図である。図示されるように、本実施の形態にお
いては、放電チャンバ1に配管9を介してガス排出手段
10が接続されており、レーザ媒質ガス交換時にはガス
排出手段10によって使用済みのレーザ媒質ガスが放電
チャンバ1から排出される。また、放電チャンバ1には
配管11を介してガス供給手段12が接続されており、
レーザ媒質ガス交換時にはガス供給手段12によって未
使用のレーザ媒質ガス又はパージガスが放電チャンバ1
内に導入される。
【0035】図3に示す実施の形態においては、ガス排
出手段10はバルブ13及びトラップ14によって構成
されている。バルブ13は、ガス排出手段10によって
放電チャンバ1内から排出される使用済みのレーザ媒質
ガスの量を調整するためのものであり、バルブ13の開
閉度によってその排出量が調節される。また、トラップ
14は、図3に示すガスレーザ装置がエキシマレーザ装
置である場合に、使用済みのレーザ媒質ガス中のハロゲ
ンガスを吸着するためのものである。これにより、人体
に有害なハロゲンガスが除去される。なお、ガス排出手
段10は放電チャンバ1内のガスを強制排気するための
真空ポンプを備えていてもよいが、レーザ装置全体への
好ましくない振動を抑制するためには、ガス排出手段1
0は図3に示すように自然排気機構を採用する形式であ
ることが好ましい。
【0036】一方、ガス供給手段12は、ネオン又はヘ
リウムからなるバッファガスを供給するバッファガス供
給手段15、アルゴン及びネオンの混合ガスを供給する
アルゴンガス供給手段16、フッ素及びネオンの混合ガ
スを供給するフッ素ガス供給手段17、これらのガス供
給手段15、16、17にそれぞれ取り付けられたバル
ブ18、19、20、そして、配管11に接続するバル
ブ21によって構成されている。ガス供給手段12で
は、バルブ18、19、20の開閉度を制御することに
より、バッファガス供給手段15、アルゴンガス供給手
段16、フッ素ガス供給手段17のそれぞれから供給さ
れる成分ガスの割合を任意に調節することが可能であ
る。バルブ18、19、20を経て供給される各成分ガ
スは最終的に配管11内で混合されて未使用のレーザ媒
質ガスとされる。そして、前記未使用のレーザ媒質ガス
の放電チャンバ1への供給量はバルブ22の開閉度によ
って調節される。
【0037】ガス供給手段12は、必要に応じてバルブ
18、19、20を選択的に開放することにより、バッ
ファガス、アルゴンガス又はフッ素ガスのいずれかを単
独で放電チャンバ1内に供給してもよい。本実施の形態
においては、バッファガスは不活性ガスであるネオン又
はヘリウムガスであるので、バッファガスはパージガス
として使用することができる。したがって、ガス供給手
段12がバッファガスのみを放電チャンバ1に供給する
場合は、ガス供給手段12はパージガス供給手段として
の機能をも有する。
【0038】ところで、図3に示す実施の形態において
は、放電チャンバ1内のバルーン8に接続する給排気管
7が配管22及びバルブ23を介してガス供給手段12
内のバッファガス供給手段15に接続されている。ま
た、配管22とガス排出手段10は配管24によって連
結されており、その途中にはバルブ25が取り付けられ
ている。したがって、図3に示すガスレーザ装置におい
ては、バルブ23及びバルブ25を切替制御することに
より、バルーン8へのガスの供給及び排出が可能であ
る。なお、バルーン8に対するガス供給及び排出機構は
特に限定されるものではなく、図3に示す供給排出機構
に代えて、ガス排出手段10及びガス供給手段12の双
方から独立したガス供給及び排出機構としてもよい。し
かし、図3に示すように、バルーン8へのガス供給及び
排出機構と放電チャンバ1へのガス供給及び排出機構と
をリンクさせた場合は、そのような独立したガス供給及
び排出機構を設ける必要がないので、ガスレーザ装置全
体の簡素化を図ることができる。
【0039】放電チャンバ1には内部空間の圧力を検知
する圧力検知手段としての圧力センサ26が設けられて
いる。そして、図示されるように、バルブ13、18、
19、20、21、23、25及び圧力センサ26は圧
力制御手段としての制御器27に接続されており、圧力
センサ26の検知信号は制御器27に伝達され、これに
基づいて、バルブ13、18、19、20、21、2
3、25の開閉度が制御される。
【0040】本実施の形態においては、制御器27は、
CPU及びメモリを備えたコンピュータシステムによっ
て構成されており、該メモリにはレーザ発振時の放電チ
ャンバ1内の設定圧力値、放電チャンバ1の耐久限度に
より予め決定された放電チャンバ1内の加圧上限値及び
後述する圧力領域規定値が、それぞれ、PL、PH及びΔ
Pとして記憶されている。また、前記メモリにはバルブ
21の総開放回数n及び設定開放回数Nが記憶される。
なお、制御器27には、圧力センサ26からの検知信号
の他に、放電チャンバ1内の温度、レーザ光の出力値等
に対応する信号が入力されてもよく、また、これらのデ
ータを表示するためのディスプレイが接続されていても
よい。さらに、制御器27はバルブ13、18、19、
20、21、23、25の開閉以外に放電チャンバ1内
の循環ファン3及び熱交換器4の駆動、並びに、主電極
2における放電の制御等を行ってもよい。
【0041】図4は、図3に示すガスレーザ装置におけ
るレーザ媒質ガス交換時のガス交換処理の一例を示すフ
ローチャートである。以下、同図に基づいて、放電チャ
ンバ1内の使用済みのレーザ媒質ガスの交換処理を詳細
に説明する。なお、以下の説明では各処理のステップ番
号にSを付して示す。また、レーザ媒質ガス交換処理開
始時には、各バルブ13、18、19、20、21、2
3、25は閉じた状態であるとする。
【0042】まず、ステップS1において、ガス供給手
段12のバルブ18、19、20の開閉度を調整してガ
ス供給手段から放電チャンバ1内に導入されるべきガス
の種類及び組成を予め決定する。例えば、バルブ18の
みを開放した場合にはバッファガス供給手段15から不
活性ガスのみがパージガスとして放電チャンバ1内へ導
入され、また、バルブ18、19、20をそれぞれ所定
の割合で開放した場合には、所定の組成に調製された未
使用のレーザ媒質ガスが放電チャンバ1内へ導入される
こととなる。
【0043】次に、ステップS2において、圧力センサ
26によって検知された放電チャンバ1の内圧値pと放
電チャンバ1内の加圧上限値PHから前記圧力領域規定
値ΔPを減じた値PH−ΔPを比較する。比較の結果、
p<PH−ΔPであれば放電チャンバ1の内圧が許容範
囲にあるとみなしてステップS3に進み、バルブ21を
開けてガス供給手段12からパージガス又は未使用のレ
ーザ媒質ガスを放電チャンバ1内に導入する。そして、
バルブ21の開放に応じて制御器27のメモリに記憶さ
れるバルブ21の総開放回数nが+1だけインクリメン
トされる。なお、前記圧力領域規定値ΔPは、放電チャ
ンバ1の内圧pが上記のように予め設定された加圧上限
値PHを越えることのないように、PH近傍の圧力領域を
予め規定するためのものである。
【0044】本実施の形態においては、ガス供給手段1
2から放電チャンバ1内へのガス導入(ステップS3)
と並行して、放電チャンバ1の内圧値pと前記PH−Δ
P値との比較(ステップS2)が続行される。放電チャ
ンバ1の内圧はガス導入に伴い上昇し、ついには放電チ
ャンバ1の内圧値pがPH−ΔP値以上となるが、その
場合は、圧力領域に達したものみなしてステップS4に
進み、放電チャンバ1の破損等を防ぐためにバルブ21
を閉め、ガス供給手段12からのガス導入を停止し、次
いで、ステップS5においてガス排出手段10のバルブ
13を開放して放電チャンバ1内のガスを外部へ排出す
る。
【0045】図4に示すガス交換処理においては、放電
チャンバ1からのガス排出(ステップS5)と並行し
て、ステップS6において、放電チャンバ1の内圧pと
レーザ発振時の放電チャンバ1内の設定圧力値PLに圧
力領域規定値ΔP’を加算した値PL+ΔP’とが比較
される。比較の結果、PL+ΔP’<pであればバルブ
13の開放を継続する。なお、ここでの圧力領域規定値
ΔP’は、放電チャンバ1の内圧がレーザ光発振時の設
定圧力未満となって、放電チャンバ1内のハロゲン化物
が昇華することのないように、望ましくない圧力領域を
予め規定するためのものである。圧力領域規定値ΔP’
の具体的な値はレーザ媒質ガスの種類、放電チャンバの
仕様、設定圧力値PLの値などによって適宜決定され
る。通常、圧力領域規定値ΔP’の値は0以上の所定値
に設定されるが、ハロゲン化物の昇華によるレーザ媒質
ガスの汚染の程度が許容可能な範囲であれば、前記Δ
P’は負の値に設定されてもよい。
【0046】バルブ13の開放により、放電チャンバ1
の内圧pは徐々に低下するが、本実施の形態において
は、放電チャンバ1の内圧pが、PL≦p≦PL+ΔPと
なったときに、放電チャンバ1の内圧pが低下したとみ
なして、直ちにステップS7に移行してバルブ13を閉
塞し、放電チャンバ1内からのガス排出を停止する。し
たがって、実施の形態においては、放電チャンバ1内の
圧力はガス交換処理中であってもレーザ光発振時の設定
圧力であるPL以上に維持され、放電チャンバ1内に存
在するハロゲン化物の昇華が防止される。また、本実施
の形態においては、放電チャンバ1の内圧pが設定圧力
値PLよりも所定値ΔPだけ高いPL+ΔP値に低下した
段階で放電チャンバ1内からのガス排出が停止されるの
で、放電チャンバ1の内圧pをより確実にPL以上に維
持することができる。なお、本実施の形態においては、
ガス交換の効率性及び放電チャンバの耐圧性などの点か
らみて、設定圧力値PLは2〜5気圧の範囲で適宜設定
されることが好ましい。
【0047】ところで、本発明においては放電チャンバ
1内は真空排気されないので、放電チャンバ1から所定
量のガスが排出されても放電チャンバ1内には使用済み
のレーザ媒質ガスが一部残留するおそれがある。そこ
で、本実施の形態では、放電チャンバ1へのガス導入と
放電チャンバ1からのガス排出を設定開放回数Nだけ繰
り返すこととしている。具体的には、ステップS7にお
いてバルブ13が閉じられ、放電チャンバ1内のガスが
所定量だけ排出されると、次に、ステップS8におい
て、制御器27のメモリに記憶されているバルブ21の
総開放回数nと設定開放回数Nとが比較される。比較の
結果、n<NならばステップS2に戻り、S2−S8の
ステップが繰り返されることによりバルブ21及びバル
ブ13の開閉が交互に行われて、放電チャンバ1内の使
用済みのレーザ媒質ガス成分の置換が促進される。
【0048】一方、本実施の形態では、上記したように
バルブ21が開放される度に制御器27のメモリに記憶
されている総開放回数nが+1ずつインクリメントされ
ているので、バルブ21の開放回数nがn=Nとなった
ときに、制御器27は、ステップS8において放電チャ
ンバ1内の使用済みのレーザ媒質ガスの置換回数が設定
回数に達したとみなしてガス交換処理を終了する。な
お、放電チャンバ1内の使用済みのレーザ媒質ガスの残
留量は前記設定開放回数Nに対して指数関数的に減少す
るので、前記設定開放回数Nの値は、通常は、4〜10
程度の範囲の適当な整数で十分であるが、放電チャンバ
1の容積等によっては、それ以上の適当な整数値が設定
される。
【0049】このように、ガス供給手段12のバルブ2
1及びガス排出手段10のバルブ13を交互に駆動する
ことにより放電チャンバ1内の使用済みのレーザ媒質ガ
スを交換する場合は、放電チャンバ1内の使用済みのレ
ーザ媒質ガスを確実に排出することが可能であり、ま
た、放電チャンバ1のガス交換の制御が比較的容易であ
る。この交換は放電チャンバだけに限らず、投影露光装
置内でガス交換が必要ば部位でも使用される。
【0050】図4に示すレーザ媒質ガス交換処理では、
放電チャンバ1の加圧上限値PHを、放電チャンバ1自
体の耐久限度に基づいて決定しているが、加圧上限値P
Hは放電チャンバ1の強度以外の様々な基準に基づいて
決定することが可能である。ただし、放電チャンバ1の
ガス交換の効率の点では、加圧上限値PHは放電チャン
バ1の耐久限度に基づいて、できるだけ高い値に設定す
ることが好ましい。なお、圧力領域規定値ΔPの具体的
な数値は、放電チャンバ1の材質、容積等に応じて、適
宜設定することができる。
【0051】なお、図4においてガス供給手段12から
未使用のレーザ媒質ガスが供給される場合は、図4のス
タートからエンドまでの処理を1回行うことによって放
電チャンバ1内のガスを未使用のレーザ媒質ガスに交換
することができるが、ガス供給手段12からパージガス
が供給される場合は、放電チャンバ1内のガスを未使用
のレーザ媒質ガスに交換するためには、放電チャンバ1
内をパージガスで置換した後に、ガス供給手段12から
供給されるガスの種類を未使用のレーザ媒質ガスに切り
替えて、更に、図4のガス交換処理を繰り返す必要があ
る。
【0052】ところで、本発明のガス交換方法を行うに
あたっては、ガス交換効率を高めるために、放電チャン
バ内の使用済みのレーザ媒質ガスの占める空間の容積を
縮小することが好ましい。例えば、図3に示すガスレー
ザ装置において図4に示すガス交換処理を行うにあたっ
ては、バルブ25を閉じた状態のまま、バルブ23を開
放してバルーン8内に配管22を介してバッファガス供
給手段15から不活性ガスを導入することにより、バル
ーン8を膨脹させて放電チャンバ1内の使用済みのレー
ザ媒質ガスの占める空間の容積を縮小することが好まし
い。このバルーン8の膨脹工程は図4に示すS1−S8
のいずれのステップの前後においても行うことができる
が、ガス交換効率の点ではバルブ21が開放されるステ
ップS3の前に行うことが望ましい。これにより、放電
チャンバ内の使用済みのレーザ媒質ガスの分圧を高めて
外部への排出効果を高めると共に、放電チャンバ内に残
留する使用済みのレーザ媒質ガスの容積を減少させるこ
とができ、放電チャンバ内のガス交換効率が高められ
る。
【0053】また、ガス交換効率の更なる向上のために
は、ガス交換処理中のバルブ21及びバルブ13の開閉
に伴う放電チャンバ1内の圧力の変動に対応してバルブ
23の開放度を制御器27によって制御することによ
り、バルーン8の容積を一定に保つことが好ましい。な
お、図3におけるガスレーザ装置においては、ガス交換
処理終了後にバルブ23が閉じられる一方、バルブ25
が開放されてバルーン8内のガスは配管24を介してガ
ス排出手段10を通して外部へ排出される。これによ
り、放電チャンバ1に収容可能な未使用のレーザ媒質ガ
スの容積が拡大され、レーザ媒質ガスの寿命の延長を図
ることができる。
【0054】図4に示すガス交換処理においては、ガス
供給手段12のバルブ21及びガス排出手段10のバル
ブ13を交互に駆動することにより放電チャンバ1内の
使用済みのレーザ媒質ガスを未使用のレーザ媒質ガスに
交換しているが、バルブ21及びバルブ13の開閉度を
精密に制御することにより、バルブ21及びバルブ13
を同時に開放して放電チャンバ1内のガス交換を行って
もよい。この場合は、バルブ21及びバルブ13の開閉
を交互に行う形式に比べて放電チャンバ1の内圧pの変
動を抑制することができるので放電チャンバ1の構造へ
の負担を軽減することが可能である。また、放電チャン
バ1へのガス導入とガス排出を同時に行うのでガス交換
に要する時間を短縮することも可能である。
【0055】なお、本実施例の放電チャンバは、マスク
と基板とを同期移動してマスクのパターンを露光する走
査型の露光装置(USP 5,473,410)、又はマスクと基板
とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を
順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型
の露光装置にも適用することができる。
【0056】本発明を適用した投影露光装置は、放電チ
ャンバ1から射出されるレーザ光の光軸と位置合わせさ
れた送光光学系、送光光学系から導かれたレーザ光をマ
スクに照射する、複数のレンズから構成される照明光学
系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をす
るとともに、多数の機械部品からなるレクチルステージ
やウェハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配
管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)を
することにより本実施例の露光装置を製造することがで
きる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が
管理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、放電チャンバ内の圧力
をレーザ発振時の設定圧力の近傍又はそれ以上に維持し
たまま該放電チャンバ内の使用済みのレーザ媒質ガスを
交換又は排出することができるので、放電チャンバ内に
昇華性のハロゲン化物が存在していても、該ハロゲン化
物が昇華して未使用のレーザ媒質ガスを汚染することが
ない。したがって、レーザ媒質ガスの交換頻度を抑制す
ることが可能である。また、放電チャンバ内の各種部材
及び放電チャンバ内面がパッシベーション層として機能
するハロゲン化物層によって保護されたままの状態を維
持できるので、レーザ駆動効率を向上させることができ
る。
【0058】また、本発明において、放電チャンバ内に
自己占有体積を調節自在なガス排除部材を設け、これを
膨脹等させることにより放電チャンバ内の使用済みのレ
ーザ媒質ガスの占める空間容積を縮小した場合には、使
用済みのレーザ媒質ガスの交換効率を向上させることが
できる。
【0059】そして、本発明のガスレーザ装置におい
て、放電チャンバ内へパージガス又は未使用のレーザ媒
質ガスを供給するガス供給手段及び放電チャンバ内の使
用済みのレーザ媒質ガスを排出するガス排出手段を交互
に駆動する場合には、放電チャンバ内の使用済みのレー
ザ媒質ガスを確実に排出することが可能であり、また、
ガス交換の制御が比較的容易である。一方、前記ガス供
給手段及び前記ガス排出手段を同時に駆動する場合は、
放電チャンバの内圧変動を抑制して該放電チャンバの構
造にかかる負担を軽減することが可能であり、また、ガ
ス交換に要する時間を短縮することも可能である。な
お、本発明のガスレーザ装置を光源に用いた露光装置に
おいては、所定のパワーのレーザ光を光源から得るため
のガス交換を効率的に行うことができるので、露光装置
全体としての稼働効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガスレーザ装置を構成する放電チャ
ンバの実施の形態の一例を示す概念図。
【図2】 本発明の露光装置の実施の形態の一例を示す
概念図。
【図3】 図1の放電チャンバ1を備えた本発明のガス
レーザ装置の一実施の形態の基本的構成を示す概略図。
【図4】 図3に示すガスレーザ装置におけるレーザ媒
質ガス交換時のガス交換処理の一例を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 放電チャンバ 31 投影露
光装置 2 主電極 32、33
反射ミラー 3 循環ファン 34 照明光
学系 4 熱交換器 35 マスク
ステージ 5 光反射ミラー 36 投影光
学系 6 出力ミラー 37 ウェハ
ステージ 7 給排気管 38 焦点検
出系 8 バルーン 39 レーザ
光 9、11、24 配管 40 投光系 10 ガス排出手段 41 受光
系 12 ガス供給手段 13 バルブ 14 トラップ 15 バッファガス供給手段 16 アルゴンガス供給手段 17 フッ素ガス供給手段 18〜23、25 バルブ 26 圧力センサ 27 制御器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒質ガス中で放電を行うことによ
    りレーザ光を発振する放電チャンバにおいて、使用済み
    のレーザ媒質ガスの少なくとも一部をパージガス又は未
    使用のレーザ媒質ガスと交換するレーザ媒質ガス交換方
    法であって、 前記放電チャンバ内の圧力値をレーザ光発振時の設定圧
    力値の近傍又はそれ以上に制御しながら前記放電チャン
    バ内の前記使用済みのレーザ媒質ガスを前記放電チャン
    バから排出する工程を含むことを特徴とするレーザ媒質
    ガス交換方法。
  2. 【請求項2】 前記放電チャンバ内において前記使用済
    みのレーザ媒質ガスの占める空間の容積を縮小する工程
    を含むことを特徴とする請求項1記載のレーザ媒質ガス
    交換方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ媒質ガスがハロゲンガス及び
    /又は希ガスを含むことを特徴とする請求項1又は2記
    載のレーザ媒質ガス交換方法。
  4. 【請求項4】 レーザ媒質ガス中で放電を行うことによ
    りレーザ光を発振する放電チャンバと、前記放電チャン
    バ内の使用済みのレーザ媒質ガスを外部へ排出するガス
    排出手段と、前記放電チャンバ内へパージガス又は未使
    用のレーザ媒質ガスを供給するガス供給手段と、前記放
    電チャンバ内の圧力を検知する圧力検知手段と、前記放
    電チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段とを備えた
    ガスレーザ装置であって、 前記放電チャンバ内の前記使用済みのレーザ媒質ガスの
    少なくとも一部を前記パージガス又は前記未使用のレー
    ザ媒質ガスに交換するにあたって、前記圧力制御手段
    が、前記圧力検知手段からの検知信号に基づいて、前記
    放電チャンバ内の圧力値がレーザ光発振時の設定圧力値
    の近傍又はそれ以上となるように前記ガス排出手段及び
    /又は前記ガス供給手段を駆動することを特徴とするガ
    スレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記放電チャンバ内に自己占有容積を調
    節自在な容積調節部材を配設したことを特徴とする請求
    項4記載のガスレーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力制御手段が前記ガス排出手段と
    前記ガス供給手段とを同時又は交互に駆動することを特
    徴とする請求項4又は5記載のガスレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ媒質ガスがハロゲンガス及び
    /又は希ガスを含むことを特徴とする請求項4乃至6の
    いずれかに記載のガスレーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれかに記載のガス
    レーザ装置を光源に用いたことを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 レーザ媒質ガス中で放電を行うことによ
    りレーザ光を発振する放電チャンバ内の前記レーザ媒質
    ガスを排出するレーザ媒質ガス排出方法において、 前記放電チャンバ内の圧力値をレーザ光発振時の設定圧
    力値の近傍又はそれ以上に制御しながら、前記放電チャ
    ンバ内のレーザ媒質ガスを排出することを特徴とするレ
    ーザ媒質ガス排出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103620892A (zh) * 2011-06-30 2014-03-05 西默有限公司 用于在双腔室气体放电激光系统中进行高准确度的气体重新充填的系统与方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103620892A (zh) * 2011-06-30 2014-03-05 西默有限公司 用于在双腔室气体放电激光系统中进行高准确度的气体重新充填的系统与方法
JP2014518457A (ja) * 2011-06-30 2014-07-28 サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー 2チャンバガス放電レーザシステムの高精度ガスリフィルのためのシステム及び方法

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