JP2000260994A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2000260994A
JP2000260994A JP6276299A JP6276299A JP2000260994A JP 2000260994 A JP2000260994 A JP 2000260994A JP 6276299 A JP6276299 A JP 6276299A JP 6276299 A JP6276299 A JP 6276299A JP 2000260994 A JP2000260994 A JP 2000260994A
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silicon film
film
amorphous silicon
polycrystalline silicon
substrate
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JP6276299A
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Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Teru Nishitani
輝 西谷
Mikihiko Nishitani
幹彦 西谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置において、高品質の多結晶シリコ
ン膜を安定して形成することができない。また、半導体
層とゲート絶縁膜との界面特性が良好なデバイスを作製
することができない。 【解決手段】 半導体装置の製造方法において、非晶質
シリコン膜に対し、特定のガスに置換された雰囲気状態
において、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改
質する第2の工程と、前記多結晶シリコン膜の表面にゲ
ート絶縁膜となる絶縁性薄膜を真空中若しくは減圧下に
おいて形成する第3の工程とを少なくとも有し、第1か
ら第3までの工程を大気に曝さずに連続して処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に関するもので、特にエキシマレーザー等の強力な光
を照射することで非晶質薄膜を結晶化させる方法に関す
るものである。また本発明は、半導体薄膜とゲート絶縁
膜との界面特性に優れた半導体装置の製造方法に関する
ものである。本発明は、高性能の半導体装置を再現性良
く、均一に製造する方法を提供するもので、特に液晶表
示装置のようなガラス基板上に形成する薄膜トランジス
タの性能向上に著しく寄与するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI分野等で用いられている単
結晶シリコン上ではなく、耐熱温度の低いガラス等の透
光性基板上に、結晶性の半導体薄膜を低温で形成する技
術の研究が広く行われている。単結晶シリコンを基板に
用いるようなLSIの製造工程においては、基本的に1
000℃近い高温プロセスを用いることができるため、
エピタキシャル成長法による多結晶シリコンの形成や高
温熱処理によるダメージの回復、或いは熱酸化法による
絶縁膜の形成等、良質の多結晶薄膜や絶縁膜を形成する
手法が確立されている。これに対してガラス基板のよう
な耐熱性の低い基板を用いる場合、600℃以上の高温
の製造工程を用いることができない。そこで結晶性薄膜
を形成する一つの手法として、基板上に低温で形成でき
る非晶質の半導体薄膜を形成した後、該半導体薄膜に吸
収される波長を有する、エキシマレーザ光などの強力な
光を照射して非晶質膜を溶融、結晶化する技術が広く用
いられている。また、半導体薄膜や絶縁膜の形成には低
温での薄膜形成が可能なプラズマCVD法や常圧CVD
法等の手法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】MOS型半導体装置に
おいて、半導体薄膜の結晶性向上(大きい結晶粒の形
成、高い平坦性、結晶欠陥の低減等)や半導体薄膜と絶
縁膜界面特性向上などが高い性能を得る上で重要な要素
となるが、従来技術では以下のような問題点がある。
【0004】従来の薄膜トランジスタの製造方法で多結
晶シリコン膜を形成する場合、例えばプラズマCVD法
で非晶質シリコン膜を形成した後、真空中においてレー
ザー光を照射して非晶質シリコン膜を溶融固化し、多結
晶シリコン膜を形成する。この結晶化過程は、シリコン
膜に吸収されたレーザー光のエネルギが熱に変換される
ことで薄膜内部の温度が上昇し溶融固化する過程と考え
られる。ところが半導体薄膜がガラス基板上に形成され
ていることから、熱伝導が非常に悪い非晶質薄膜の上面
(表面)と熱伝導の良い下面(下地基板との界面)との
間の冷却速度に差が生じる。その結果結晶粒が面内方向
に成長せず、不均一で表面凹凸の激しい結晶粒が形成さ
れてしまい、良好な多結晶薄膜を得ることができない。
また従来技術では、多結晶薄膜形成後にゲート絶縁膜を
形成する際、一旦外気に曝した後プラズマCVD装置等
に移して絶縁膜を形成するため、多結晶シリコン表面に
不安定な自然酸化膜が形成されたり、大気中の不純物に
汚染されて半導体/絶縁膜界面の特性を著しく低下させ
てしまい、薄膜トランジスタの性能を低下させる一因と
なっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決することを目的としてなされたものであり、特に低
温で形成可能な非晶質シリコン膜から高品質の多結晶シ
リコン膜を形成し、且つ多結晶シリコン膜形成後の活性
な表面を大気に晒さずにゲート絶縁膜を形成することに
より、優れたデバイス特性と高い信頼性を有する半導体
装置の製造を可能ならしめたものである。具体的には以
下の構成としている。
【0006】請求項1記載の発明においては、非晶質シ
リコン膜にレーザー光またはそれと同等の光を照射して
多結晶シリコン膜を形成する際、特定のガスに置換され
た雰囲気状態で結晶化を行うことにより、非晶質シリコ
ン膜の表面と下地基板との界面における結晶成長の速度
を均一化することができるため、均質で大きい結晶粒を
有する多結晶シリコン膜を形成することができる。加え
て、非晶質シリコン膜の形成後表面を大気に晒さずに多
結晶化工程を行い、その後さらに続けて表面を表面を大
気に晒さずにゲート絶縁膜となる絶縁性薄膜を形成する
工程を行うことにより、自然酸化膜や不純物等のない優
れた界面特性を実現することにより、信頼性の高い、デ
バイス特性の優れた半導体装置を製造することができ
る。
【0007】請求項2記載の発明においては、非晶質シ
リコン膜にレーザー光またはそれと同等の光を照射して
多結晶シリコン膜を形成する際、所定以上の熱伝導率を
有するガスで置換された雰囲気状態で行うことにより表
面の凹凸が小さく、結晶粒の大きい多結晶シリコン膜を
形成することができる。詳細に検討したところ、シリコ
ンとの反応性が低く、室温、大気圧下で0.1J/m・
s・K以上の熱伝導率を有するガスの雰囲気状態であれ
ば、本発明の要件を満たす優れた多結晶シリコン膜を形
成できることが明らかとなった。これは、シリコン膜表
面を高い熱伝導率を有するガスに晒すことで、溶融した
シリコンが結晶化する際のシリコン膜の表面と下地基板
面との冷却速度の差が小さくなり、膜全体で均一な結晶
化が進行するためと考えられる。
【0008】特定の熱伝導率を有するガスが非晶質シリ
コン表面に本発明の要件を満たす一例として、水素ガス
やヘリウムガス、或いは水素ガスやヘリウムガスが10
%以上含有された窒素ガスや不活性ガスとの混合ガス等
が挙げられる。
【0009】請求項3記載の発明においては、非晶質シ
リコン膜にレーザー光またはそれと同等の光を照射して
多結晶シリコン膜を形成する際、室温、大気圧下で0.
1J/m・s・K以上の熱伝導率を有する置換ガスの圧
力を所定の範囲内とすることにより、優れた多結晶シリ
コン膜を形成することができる。発明者らが見い出した
ところによれば、50Pa以上10kPa以下とすると
平坦性の良い大結晶粒を有する多結晶シリコン膜を形成
することができる。更に詳細には、100Pa以上40
0Pa以下が望ましい。
【0010】請求項4記載の発明においては、特定のガ
スに置換された雰囲気状態で非晶質シリコン膜にレーザ
ー光またはそれと同等の光を照射して多結晶シリコン膜
を形成する際、非晶質シリコン膜の厚さを特定の範囲内
とすることにより、優れた多結晶シリコン膜を形成する
ことができる。発明者らが見い出したところによれば、
非晶質シリコン膜の厚さが25nm以上90nm以下と
すると平坦性の良い大結晶粒を有する多結晶シリコン膜
を形成することができる。非晶質シリコン膜がこれより
薄いと、多結晶シリコン膜が島状に分散してしまいデバ
イスとしての機能を果たさなくなってしまう。またこれ
より厚い場合には、多結晶シリコン膜の上層と下層で膜
厚方向に結晶粒が分断してしまいやはりデバイス特性を
低下させてしまう。
【0011】非晶質シリコン膜の膜厚範囲を更に詳細に
は限定すると、40nm以上60nm以下が望ましい。
【0012】請求項5記載の発明においては、特定のガ
スに置換された雰囲気状態で非晶質シリコン膜にレーザ
ー光またはそれと同等の光を照射して多結晶シリコン膜
を形成する際、照射する光が周期10Hz以上のパルス
光であり、非晶質シリコン膜上の任意の位置における照
射回数を連続して100回以上450回以下とすること
により、大結晶粒を成長させることができる。発明者ら
が行ったシミュレーションによれば、この様な条件でレ
ーザーを照射すると、レーザーが照射された領域の下地
基板自身が熱を保持する(畜熱効果)ため、溶融したシ
リコンが結晶化する際のシリコン膜の表面と下地基板面
との冷却速度の差が小さくなり、膜全体で均一な結晶化
が進行するためと考えられる。
【0013】照射するパルス光の周期が10Hz以下の
場合や照射回数が100回以下の場合、下地基板の畜熱
効果が殆ど現われないため所望の効果が得られない。ま
た照射回数を500回以上とすると、下地基板の局所的
な温度上昇が大き過ぎるためシリコン膜が飛散したり、
場合によっては下地基板にクラックが生じることがあり
デバイス性能を著しく低下させる。
【0014】照射回数を更に詳細に限定すると、150
回以上300回以下が望ましい。
【0015】請求項6記載の発明においては、特定のガ
スに置換された雰囲気状態で非晶質シリコン膜にレーザ
ー光またはそれと同等の光を照射して形成された多結晶
シリコン膜の表面に、ゲート絶縁膜となる絶縁性薄膜を
真空中若しくは減圧下において形成する手段として、原
料ガスをプラズマ分解して基板上に堆積することを特徴
とする。この様な方法を用いることにより、多結晶シリ
コン膜の表面を大気に曝さずに、低温で良質の絶縁膜を
形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明に示す実施の
形態の半導体装置の製造方法を示す一例として、液晶デ
ィスプレイに用いられる薄膜トランジスタの製造方法
を、図1、図2、図3及び図4を参照して説明する。
【0017】透光性基板41を、図1に示す仕込み・取
り出し室2に載置する。搬送室1及び搬送室1の周囲に
配置された各真空室は、仕込み・取り出し室2以外は何
れも予め所定の圧力以下になる様真空排気されている。
仕込み・取り出し室2を真空排気後、GV2を開け搬送
用ロボット10により基板41を成膜室3に移動する。
成膜室3にはTEOSと酸素の混合ガスを導入し、基板
41表面にプラズマCVD法により二酸化シリコン膜よ
りなるアンダーコート膜42を400nmの厚さで製膜
した後、基板41を測定室7に移動し透過率を測定す
る。
【0018】次に基板41を成膜室4に移動する。成膜
室4には、シランとアルゴンの混合ガスを導入し、アン
ダーコート膜42上に非晶質シリコン膜43を概ね50
nmの厚さで製膜する(図4a)。その後、基板41を
測定室7に移動し透過率を測定する。非晶質シリコン膜
43の成膜前後の透過率の変化を元に、非晶質シリコン
膜43の厚さを1nm以下の精度で算出する。
【0019】基板41を測定室7からレーザアニール室
5に移動し、所定の圧力以下になるまで排気した後、ガ
ス導入口より水素ガスを導入し所定の圧力に制御する。
先に求めた非晶質シリコン膜43の厚さに最も適した条
件のレーザ光を基板表面に照射することにより、多結晶
シリコン膜44を形成する(図4b)。予め膜厚とレー
ザ照射条件の関係を求めておくことにより、非晶質シリ
コン膜43の厚さが5〜10%程度の範囲でばらついて
も、特性のばらつきを2〜3%程度に抑えることができ
る。
【0020】ここで、レーザーアニール工程について、
図2を用いて更に詳細に説明する。表面に非晶質シリコ
ン膜が形成された基板41をレーザーアニール室21に
移載後、所定の圧力以下になるまで排気する。次に流量
コントローラー26を介してガス導入口27より所定の
流量に制御された水素ガスを導入する。アニール室21
内の圧力は圧力計31で常時測定されており、排気ポン
プ30の前方に取り付けられた圧力コントロールバルブ
29により常に所定の圧力になる様制御されている。続
いて、レーザー発振機22よりパルス状のレーザー光を
発振する。レーザー光は光学系23により線状に整形さ
れる。図3に示すように、レーザー光の短軸方向の断面
は略台形状に整形されている。このような形状を有する
レーザー光を石英製のレーザー導入窓24を通して基板
41表面に照射する。基板41の載置された試料台25
は、レーザーパルスの発振と同期してレーザー光の短軸
方向に一定の送りピッチで動くように制御されている。
本実施例では、レーザー光の短軸幅を400μmに整形
し、試料台を2μmピッチで動かし、非晶質シリコン膜
の任意の個所に連続して200回レーザー光を照射する
ような工程を行った。
【0021】基板面の所定の領域にレーザーを照射して
多結晶シリコン膜を形成したら、ガスの導入を止めて流
量コントロールバルブ29を全開し、レーザーアニール
室21を所定の圧力以下になるまで排気する。続いて基
板41をレーザアニール室5から成膜室4に移動し、多
結晶シリコン膜44表面に30nmの厚さの二酸化シリ
コン膜よりなる第1ゲート絶縁膜45aを成膜した後
(図4c)、仕込み・取り出し室2に移動する。GV2
を閉じ、仕込み・取り出し室2に窒素ガスを大気圧にな
るまで導入後、基板41を取り出す。
【0022】フォトリソグラフィ技術を用いて基板41
表面に所定のパターンのレジストを形成した後、四弗化
炭素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチング法によ
り、第1ゲート絶縁膜45a及び多結晶シリコン膜44
を所定のパターンに形成する(図4d)。
【0023】次に、60nmの厚さの二酸化シリコン膜
よりなる第2ゲート絶縁膜45bを成膜し、続けてモリ
ブデンとタングステンの合金よりなるゲート電極膜46
を成膜する。ゲート電極膜46を所定のパターンに形成
後、基板全面にボロン(B)イオンを打ち込み、多結晶
シリコン膜44の一部にp型半導体領域44Pを形成す
る(図4e)。
【0024】再度、ゲート電極膜46を所定のパターン
に形成後、基板全面にリン(P)イオンを打ち込み、多
結晶シリコン膜44の一部にn型半導体領域44Nを形
成する(図4f)。
【0025】層間絶縁膜47を成膜した後、水素ガスの
プラズマ雰囲気中で350℃の熱処理を行い、多結晶シ
リコン膜44中の欠陥を水素原子で終端する。その後、
n型及びp型半導体の所定の領域にコンタクトホールを
形成し、チタンとアルミニウムの積層膜よりなるソース
/ドレイン電極48を形成することで薄膜トランジスタ
が完成する(図4g)。
【0026】本実施例の方法で作製した薄膜トランジス
タの特性を評価したところ、n型半導体で300以上、
p型半導体で200以上の電界効果移動度を有する薄膜
トランジスタを、基板間ばらつき3%以下で作製するこ
とができた。
【0027】本発明の実施例では、アンダーコート膜か
ら第1ゲート絶縁膜までの工程中、異なる層同士の界面
が一度も大気に曝されることがないため、正常な界面を
実現することができ、優れたトランジスタ特性を実現で
きた。また同様の理由で、1V以下の閾値電圧を再現性
良く実現することができた。更に、従来に比較して、A
C電圧によるストレス印加や高温下でのDCストレス等
に対する耐性の向上も図ることができた。
【0028】(実施例2)実施例2においては、レーザ
ーアニール室で多晶質シリコン膜を形成する工程につい
てのみ説明する。
【0029】図5に示したのは、数種のガスを用いてレ
ーザー照射中のガス雰囲気状態を形成し、非晶質シリコ
ン膜に照射するエネルギー密度を変化させた時の薄膜ト
ランジスタの電界効果移動度を測定した結果である。ガ
スの圧力は250Paとした。真空中の場合に比べ、水
素ガスやヘリウムガスに置換した雰囲気状態でレーザー
を照射した場合の方が明らかに高い移動度が実現できて
いる。加えて、特定のガス雰囲気中で結晶化した方が、
エネルギー密度の変動に対する移動度の変化が小さい。
即ち、製造工程におけるマージンが広いことを意味して
おり、再現性や生産性に優れた製造方法であることが明
らかとなった。発明者らが見出したところによれば、置
換するガスに必要な用件は、シリコンに対して化学的に
不活性である(反応性が極めて小さい)ことと、室温、
大気圧化における熱伝導率が0.1J/m・s・K以上
であれば本発明の要件を満たすことができる。
【0030】図6及び図7に示したのは、数種のガスを
用いてレーザー照射中のガス雰囲気状態を形成し、その
時の圧力を変えた時の結晶粒径と表面荒さを評価した結
果である。照射するエネルギーは、概ね最も高い移動度
の得られるエネルギーを選択した。作製された半導体装
置のデバイス特性との相関から許容できる値、及びより
望ましいと考えられる値を図中に示した。図に示したよ
うに、置換するガスをある所定の圧力範囲に制御するこ
とにより、平坦性が高く結晶粒の大きい多結晶シリコン
膜を形成することができる。発明者らが見出したところ
では、概ね50Pa以上10kPa以下の範囲内であれ
ば良好なデバイス特性を有する多結晶シリコン膜が形成
できた。更に望ましくは、100Pa以上400Pa以
下の圧力とするのが良い。
【0031】図8に示したのは、異なる厚さの非晶質シ
リコン膜を多結晶化した場合の断面模式図である。この
ように、非晶質シリコン膜が薄い場合(図8a)には、
溶融したシリコンが固化する過程で局所的に島状になっ
たり、表面が非常に荒れたりする。一方非晶質シリコン
膜が厚い場合(図8b)、膜厚方向の熱伝導が不均一に
なるため、厚さ方向に結晶粒が分断したような構造とな
ってしまう。非晶質シリコン膜を特定の膜厚範囲内とす
ることにより、厚さ方向に均一で、且つ面内方向に大き
く成長した結晶粒を有する多結晶シリコン膜を形成する
ことができる(図8c)。発明者らは、非晶質シリコン
膜の厚さを25nmから90nmの範囲とすれば良好な
多結晶シリコン膜を形成できることを見出した。更に望
ましくは、40nm以上60nm以下の膜厚とするのが
良い。
【0032】図9に示したのは、水素ガス或いはヘリウ
ムガスで置換された雰囲気中で非晶質シリコン膜にレー
ザー光を照射する際、基板送りピッチを変えた場合の薄
膜トランジスタの電界効果移動度の変化を示したもので
ある。レーザー光は線状に整形されており、短軸方向の
幅は350μmとした。照射ピッチが0.5μmの場合
(シリコン膜の任意の点に対して700回照射)、表面
荒さが大きく良好な多結晶シリコン膜を形成することが
できなかった。また照射ピッチが4μmより大きい場合
(同87回)、大きな結晶粒の成長が生じず、結晶粒の
細かい多結晶シリコン膜しか形成できない。一連の実験
より、シリコン膜の任意の位置における照射回数を10
0回以上450回以下とすることで、表面の平坦性が高
く大結晶粒を有する多結晶シリコン膜を形成できること
を見出した。
【0033】本実施例では、非晶質シリコン膜の任意の
位置に対するレーザー光の照射回数を多くする手段とし
て、線状ビームに対する基板の送りピッチを小さくする
方法を用いた。本方法によれば、大面積の基板に対して
良質の多結晶シリコン膜を均一に形成することが可能に
なる。一方、多結晶シリコン膜を必要とする領域が限ら
れている場合、必ずしも基板を動かす必要はない。例え
ば液晶ディスプレイにおいて、基板周辺部に駆動回路部
を形成する場合、駆動回路部に必要な面積になるように
整形したビームを用い、特定のガス雰囲気状態で基板を
静止させ、所定の領域のみレーザー光を照射することで
所望の領域に優れた多結晶シリコン膜を形成することが
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれ
ば、大粒径で平坦性の高い多結晶シリコン薄膜を、再現
性良く均一に形成することが可能である。且つその表面
を大気に曝さずに次工程のゲート絶縁膜となる絶縁性薄
膜の成膜を行うため、優れた特性を有するデバイスの作
成が実現可能となる。
【0035】加えて本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、レーザー照射により多結晶シリコン膜を形成する
際、照射エネルギーの変動に対する多結晶シリコン膜の
品質の変化が小さいため、製造上より安定した品質を再
現性良く形成することができるため、非常に優れた特性
を有する薄膜トランジスタを非常に小さいばらつきの範
囲で再現性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による半導体装置の製造に用
いた装置の概略構成を示す概念図
【図2】本発明の実施例1による半導体装置の製造に用
いた装置のレーザーアニール室の一例を示す概略構成図
【図3】本発明の実施例1による半導体装置の製造方法
における線状レーザービームの形状を示す模式図
【図4】本発明の実施例1による薄膜トランジスタアレ
イの構成、及びその製造方法を示す断面構造図
【図5】本発明の実施例2による薄膜トランジスタアレ
イの電界効果移動度のレーザーエネルギー密度依存性を
示す図
【図6】本発明の実施例2による多結晶シリコン膜の結
晶粒径の雰囲気ガス圧力依存性を示す図
【図7】本発明の実施例2による多結晶シリコン膜の表
面粗さの雰囲気ガス圧力依存性を示す図
【図8】本発明の実施例2による多結晶シリコン膜の断
面構造を示す模式図
【図9】本発明の実施例2による薄膜トランジスタアレ
イの電界効果移動度の基板送りピッチ依存性を示す図
【符号の説明】
1 搬送室 2 仕込み・取り出し室 3 成膜室 4 成膜室 5 レーザアニール室 6 熱処理室 7 測定室 8 レーザ発振装置 9 光学系
フロントページの続き (72)発明者 西谷 幹彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F052 AA02 BA07 BA18 BB07 CA08 DA02 DB01 JA01 5F110 AA30 BB01 BB02 BB04 DD13 EE06 FF02 GG02 GG13 GG25 GG44 HJ01 HJ13 HL06 NN02 PP03 PP06 PP13 QQ04 QQ09 QQ11 QQ25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板上に、真空中若しくは減圧下に
    おいて非晶質シリコン膜を形成する第1の工程と、前記
    非晶質シリコン膜に対し、特定のガスに置換された雰囲
    気状態において、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン
    膜に改質する第2の工程と、前記多結晶シリコン膜の表
    面にゲート絶縁膜となる絶縁性薄膜を真空中若しくは減
    圧下において形成する第3の工程とを少なくとも有し、
    第1から第3までの工程が大気に曝されずに連続して処
    理されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】特定のガスに置換された雰囲気状態におい
    て、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する
    工程において、置換に用いられるガスが、室温、大気圧
    で0.1J/m・s・K以上の熱伝導率を有し、且つ多
    晶質シリコン膜に対して化学的に不活性なガスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】特定のガスに置換された雰囲気状態におい
    て、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する
    工程において、置換に用いられるガスの圧力が50Pa
    以上10kPa以下であることを特徴とする請求項1記
    載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】特定のガスに置換された雰囲気状態におい
    て、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する
    工程において、前記非晶質シリコン膜の厚さが25nm
    以上90nm以下であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】特定のガスに置換された雰囲気状態におい
    て、該非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する
    工程において、前記非晶質シリコン膜上に照射されるレ
    ーザー光またはそれと同等の光が周期10Hz以上のパ
    ルス光であり、前記非晶質シリコン膜上の任意の位置に
    おける照射回数が、連続して100回以上500回以下
    であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】多結晶シリコン膜の表面にゲート絶縁膜と
    なる絶縁性薄膜を真空中若しくは減圧下において形成す
    る手段が、原料ガスをプラズマ分解して基板上に堆積さ
    せることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100337316C (zh) * 2004-03-20 2007-09-12 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 薄膜晶体管及其制造方法

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