JP2000260631A - ビルディングファクターが小さく、かつ実機鉄損が低い巻きトランス - Google Patents

ビルディングファクターが小さく、かつ実機鉄損が低い巻きトランス

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JP2000260631A
JP2000260631A JP11064696A JP6469699A JP2000260631A JP 2000260631 A JP2000260631 A JP 2000260631A JP 11064696 A JP11064696 A JP 11064696A JP 6469699 A JP6469699 A JP 6469699A JP 2000260631 A JP2000260631 A JP 2000260631A
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Masao Iguchi
征夫 井口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際にトランスに組み立てた場合に、ビルデ
ィングファクターが劣化せず、従って優れた実機鉄損を
得ることができる巻きトランスを提供する。 【解決手段】 板厚が0.15mm以下の仕上焼鈍済み一方向
性珪素鋼板の表面に張力付与型のセラミック被膜を被成
した超低鉄損一方向性珪素鋼板を、巻き回したのち、 5
00〜900 ℃の温度範囲で歪取り焼鈍を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極薄のセラミック
被膜付き超低鉄損一方向性珪素鋼板を巻き回して製造し
た巻きトランス、特にビルディングファクターが小さ
く、かつ実機鉄損が低い巻きトランスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、主として変圧器そ
の他の電機機器の鉄心として利用され、磁化特性として
磁束密度(B8 値で代表される)が高く、鉄損(W
17/50 で代表される)が低いことが要求される。
【0003】一方向性珪素鋼板の磁気特性を向上させる
ためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の〈001〉軸
を圧延方向に高度に揃える必要があり、第二には最終製
品中に残存する不純物や析出物をできるだけ少なくする
必要がある。
【0004】このため、N.P.Gossによって一方向性珪素
鋼板の2段冷延による基本的な製造技術が提案されて以
来、その製造技術に数多くの改良が重ねられ、一方向性
珪素鋼板の磁束密度および鉄損値は年を追って改善され
てきた。その中で特に代表的なものは、SbとMnSeまたは
MnSとをインヒビターとして利用する特公昭51-13469号
公報に記載の方法、もう一つはAlNとMnSをインヒビタ
ーとして利用する特公昭33−4710号公報、特公昭40-156
44号公報および特公昭46-23820号公報等に記載の方法で
あり、これらの方法によればB8 が1.88Tを超える高磁
束密度を有する製品が得られるようになった。
【0005】さらに高磁束密度の製品を得るために、特
公昭57-14737号公報では素材中にMoを複合添加したり、
また特公昭62-42968号公報では素材中にMoを複合添加さ
せたのち、最終冷延直前の中間焼鈍後に急冷処理を施す
などの改良を加えて、B8 が1.90T以上の高磁束密度
で、かつ鉄損W17/50 が 1.05 W/kg(製品板厚:0.30m
m) 以下の低鉄損が得られることが、開示提案されてい
るが、なお十分な低鉄損化については改善すべき余地が
残されていた。
【0006】とくに、十数年前のエネルギー危機を境と
して電力損失を極力低減することへの要請が著しく強ま
り、それに伴って鉄心材料の用途でもより一層の改善が
望まれている。そのため、渦電流損をできる限り小さく
することを目的として、製品板厚を薄くした0.23mm厚
(9mil)以下のものが数多く使用されるようになってき
た。
【0007】上記した技術はいずれも、主に冶金学的な
手法であるが、これらの方法とは別に、特公昭57−2252
号公報に提案されているような、仕上焼鈍後の鋼板の表
面にレーザー照射やプラズマ照射(B.Fukuda, K.Sato,
T.Sugiyama, A.Honda and Y.Ito : Proc. of ASM Con.
of Hard and Soft Magnetic Materials, 8710-008,(US
A), (1987) )を行い、人為的に 180°磁区幅を減少さ
せて鉄損を低減する方法(磁区細分化技術)が開発され
た。この技術の開発により、一方向性珪素鋼板の鉄損
は、大幅に低減された。しかしながら、この技術は、高
温での焼鈍に耐え得ないという欠点があり、用途が歪取
焼鈍を必要としない積鉄心変圧器に限定されるという問
題があった。
【0008】この点、歪取焼鈍に耐え得る磁区細分化技
術として、一方向性珪素鋼板の仕上焼鈍後の鋼板表面
に、線状の溝を導入し、溝による反磁界効果を応用して
磁区の細分化を図る方法が工業化された(H.Kobayashi,
E.Sasaki, M.Iwasaki and N.Takahashi : Proc. SMM-
8., (1987), P.402 )。また、これとは別に、一方向性
珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを施す
ことによって溝を形成し、磁区を細分化する方法(特公
平8−6140号公報)も開発され、工業化されている。
【0009】さらに、上記した珪素鋼板の製造方法とは
別に、特公昭55-19976号公報、特開昭56−127749号公報
および特開平2−3213号公報に開示されているように、
非晶質合金が通常の電力用トランスや高周波トランス等
の材料として注目されている。しかしながら、このよう
な非晶質材料では、通常の一方向性珪素鋼板に比較して
非常に優れた鉄損特性が得られる反面、熱的安定性に欠
ける、占積率が低い、加工性が悪い、あまりにも薄く脆
いためトランスの組み立て時におけるコストアップが大
きい等実用上の不利が多いことから、現状では大量に使
用されるまでには至っていない。
【0010】また、特に最近では、箔帯の非晶質材料を
トランスに組み立てた時のビルディングファクター(以
下、B.F.と表記する)が 2.0〜2.8 と一方向性珪素鋼板
に比べて格段に悪いという問題が指摘されている。な
お、B.F.とは、(トランスでの実機鉄損/単板での鉄
損)で示される値で、この値が小さいほどトランス組み
立て時における鉄損の劣化程度が少ないことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、非晶
質材料は、単板では優れた鉄損特性が得られるのである
が、実際にトランスに組み立てた場合にはB.F.が極端に
劣化するため、素材のもつ本来の優れた特性を活かせな
いという問題があった。本発明は、上記の実情に鑑み開
発されたもので、非晶質材料に代えて極薄の一方向性珪
素鋼板を用いるものとし、かかる極薄一方向性珪素鋼板
を実際にトランスに組み立てた場合に、B.F.が劣化せ
ず、従って優れた実機鉄損を得ることができる巻きトラ
ンスを提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、非晶
質材料に代わり得る一方向性珪素鋼板について鋭意検討
を重ねた結果、(1) 製品板厚が0.15mm以下の一方向性珪
素鋼板にセラミック張力被膜を被成すると、引張張力が
極めて効果的に珪素鋼板に付与されて渦電流損が著しく
低減する、(2) このようなセラミック張力被膜を被成し
た一方向性珪素鋼板をトロイダル鉄心に巻いたのち、適
切な温度で歪取り焼鈍を施した場合には、鉄損特性が格
段に向上する、(3) 結果として、B.F.が極めて小さく、
しかも実機鉄損に優れた巻きトランスが得られることの
知見を得た。本発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
【0013】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.板厚が0.15mm以下の仕上焼鈍済み一方向性珪素鋼板
の表面に張力付与型のセラミック被膜を被成した超低鉄
損一方向性珪素鋼板を、巻き回したのち、 500〜900 ℃
の歪取り焼鈍を施して得たことを特徴とするB.F.が小さ
く、かつ実機鉄損が低い巻きトランス。
【0014】2.上記1において、仕上焼鈍済み一方向
性珪素鋼板が、板幅方向に延びる線状溝の形成による磁
区細分化処理を施したものであるB.F.が小さく、かつ実
機鉄損が低い巻きトランス。
【0015】3.上記1または2において、B.F.が1.10
未満で、かつ実機鉄損が 0.25 W/kg以下である巻きトラ
ンス。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。図1に、セラミック張力被膜を被成した極薄一方向
性珪素鋼板を、トロイダル鉄心に組み立てた時の凹部の
圧縮状態および凸部の引張状態を模式的に示すが、B.F.
の増大を抑制して実機鉄損を小さくするためには、この
ような曲げ部における磁気特性の劣化状況を正確に把握
することが重要と考えられる。
【0017】そこで、発明者は、以下に述べる実験を行
った。C:0.076 wt%、Si:3.43wt%、Mn:0.078 wt
%、Se:0.020 wt%、Sb:0.025 wt%、Al:0.020 wt
%、N:0.0068wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残
部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350
℃で5時間の加熱処理後、熱間圧延を施して板厚:2.0
mmの熱延板とした。この熱延板に1050℃、2分間の均一
化焼鈍を施した後、1030℃の中間焼鈍を挟む2回の圧延
を施して板厚:0.15mmの最終冷延板とした。
【0018】ついで、この最終冷延板の表面に、アルキ
ド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグ
ラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向にほ
ぼ直角に幅:200 μm 、間隔:4mmで線状に残存するよ
うに塗布した後、 200℃で3分間焼き付けた。このとき
のレジスト厚は2μm であった。このようにしてエッチ
ングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施す
ことにより、幅:200μm 、深さ:20μm の線状の溝を
形成し、ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去し
た。このときの電解エッチングは、NaCl電解液中で電流
密度:10 A/dm2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0019】その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1 次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面に MgO(10wt%), Al2O3(65w
t%), CaSiO3(5wt%), SiO2(20wt%)の組成になる焼鈍分離
剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、
850℃から12℃/hの速度で1150℃まで昇温してゴス方位
に強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1200℃の
乾H2中で純化処理した。
【0020】かくして得られた製品の表面の酸化被膜を
除去し、ついで化学研磨により珪素鋼板の表面を平滑化
して 0.10 mm厚の極薄一方向性珪素鋼板としたのち、鋼
板表面上に次のようにしてセラミック被膜を被成した。 (A) HCD法を用いて約 0.7μm 厚の薄TiN膜を被成し
た。 (B) マグネトロン・スパッタ法(PVD法の一手法)を
用いて約 0.7μm 厚の薄Si3N4膜を被成した。 (C) 比較のため、非晶質材FeSiB(0.02mm厚)を準備し
た。 これらの単板における鉄損特性を図2に示す。
【0021】図2から明らかなように、(A) の鉄損W
13/50 は 0.13 W/kg、(B) の鉄損W13 /50 は 0.12 W/k
g、(C) の鉄損W13/50 は 0.10 W/kgであり、単板では
非晶質材FeSiBの磁気特性が最も良好であった。
【0022】また、図2には、これらの単板をそれぞれ
トロイダル鉄心に組み立てたときの実機鉄損について調
べた結果を併記したが、この時の鉄損W13/50 は (A)=
0.14W/kg, (B)=0.12 W/kg, (C)=0.26 W/kg であり、
この場合には非晶質材FeSiBが最も悪い磁気特性を示す
ことが注目される。ここで (A)と(B) はトロイダル鉄心
に組み立てた後、高温で歪取り焼鈍を行った。一方 (C)
は 400℃程度で焼鈍を行っている。この時のB.F.は (A)
が1.08、 (B)が1.00と極めて良好であったのに対し、
(C)のそれは 2.6と極めて悪い値であった。
【0023】このように、非晶質材では、B.F.が大き
く、悪い実機特性しか得られないのに対し、極薄一方向
性珪素鋼板では良好なB.F.ひいては優れた実機特性が得
られる理由は、次のとおりと考えられる。すなわち、非
晶質材は、板厚が0.02mm程度と極めて薄いことからトロ
イダルに巻く過程で箔帯内に歪が導入され易く、しかも
かかる非晶質材は、非晶質であるが故にかような歪を除
去するのに必要な高温での歪取り焼鈍ができないのに対
し、一方向性珪素鋼板は極薄とはいえ非晶質材の約5倍
の厚みがあり、しかも非晶質材と違って高温での歪取り
焼鈍に耐え得る、ことによるものと考えられる。
【0024】図3に、上記した(A), (B)のセラミック膜
を被成した極薄一方向性珪素鋼板の単板を、それぞれト
ロイダル鉄心に組み立てたのち種々の温度で歪取り焼鈍
(2時間)を行った時の鉄損値の推移について調べた結
果を示す。同図に示したとおり、セラミック被膜付き極
薄一方向性珪素鋼板は、トロイダル鉄心に組み立てたの
ちに高温での歪取り焼鈍が可能であり、特に 500〜900
℃の温度範囲で焼鈍した場合に鉄損の有利な改善が達成
されている。このように 500〜900 ℃の温度範囲で焼鈍
を施すことによって鉄損が有利に改善される理由は、か
ような高温焼鈍によって、図1に示したような凹部およ
び凸部における歪が効果的に開放されたためと考えられ
る。
【0025】これに対し、非晶質材は、高温で焼鈍を行
うと結晶化が起こるため、焼鈍温度はせいぜい 400℃程
度までしか上げることができず、歪の開放が不十分なた
め、トロイダルに組み立てた後の実機鉄損は大幅な劣化
を余儀なくされるものと考えられる。
【0026】また、このような高温の歪取り焼鈍による
鉄損の低減は、凸および凹状に曲げた後の磁区観察から
も理解することができる。図4に示すように、鋼板を60
mmR の凸状に曲げた状態での、化学研磨後、TiN被覆後
および磁区細分化後の一方向性珪素鋼板の磁区の観察例
を、図5(a), (b), (c) にそれぞれ示す。一方、図6に
示すように、鋼板を60mmR の凹状に曲げた状態での、化
学研磨後、TiN被覆後および磁区細分化後の磁区の観察
例を、図7(a), (b), (c) にそれぞれ示す。これらの磁
区写真において、圧延方向に沿って凸状および凹状に 1
80°主磁区が観察されるのが注目される。
【0027】さらに、磁区観察を行った結果、化学研磨
した場合、 500℃の歪取り焼鈍において縦縞状のメイズ
ドメインが出現し、 600℃の歪取り焼鈍において縦縞状
のメイズドメインと 180°主磁区の磁壁間隔を有する磁
区が混在し、さらに 700℃歪取り焼鈍において 180°主
磁区の磁壁間隔を有する磁区が支配的となり、僅かに縦
縞状のメイズドメインが残存することが明らかになっ
た。また、TiN被覆においては、磁区変化が化学研磨の
場合よりも約100 ℃低温側に移行することが明らかにな
った。この理由は、TiNを被覆した場合には、鋼板表面
上に歪が導入されているため、かかる歪が熱処理によっ
て早期に開放されるためと考えられる。
【0028】本発明の素材である含珪素鋼としては、従
来公知の成分組成いずれもが適合するが、代表組成を掲
げると次のとおりである。 C:0.01〜0.08wt% Cは、0.01wt%より少ないと熱延集合組織抑制が不十分
となって大きな伸長粒が形成されるため磁気特性が劣化
し、一方0.08wt%より多いと脱炭工程で脱炭に時間がか
かり経済的でないので、0.01〜0.08wt%程度とするのが
好ましい。
【0029】Si:2.0 〜4.0wt % Siは、 2.0wt%より少ないと十分な電気抵抗が得られな
いため渦電流損失が増大して鉄損の劣化を招き、一方
4.0wt%より多いと冷延の際に脆性割れが生じ易くなる
ので、 2.0〜4.0 wt%程度の範囲とすることが好まし
い。
【0030】Mn:0.01〜0.2 wt% Mnは、一方向性珪素鋼板の2次再結晶を左右する分散析
出相としてのMnSあるいはMnSeを決定する重要な成分で
ある。Mn量が0.01wt%を下回ると2 次再結晶を生じさせ
るのに必要なMnS等の絶対量が不足し、不完全2次再結
晶を起こすと同時に、ブリスタ−と呼ばれる表面欠陥が
増大する。一方、 0.2wt%を超えると、スラブ加熱等に
おいてMnS等の解離固溶が行われたとしても、熱延時に
析出する分散析出相が粗大化し易く、抑制剤として望ま
れる最適サイズ分布が損なわれて磁気特性が劣化するの
で、Mnは0.01〜0.2 wt%程度とすることが好ましい。
【0031】S:0.008 〜0.1 wt%、Se:0.003 〜0.1
wt% SおよびSeはいずれも、 0.1wt%以下、中でもSは 0.0
08〜0.1 wt%、またSeは 0.003〜0.1 wt%の範囲とする
ことが好ましい。というのは、これらが 0.1wt%を超え
ると熱間および冷間加工性が劣化し、一方それぞれ下限
値に満たないとMnS、MnSeとしての1 次粒成長抑制機能
に格別の効果を生じないからである。その他、インヒビ
タ−として従来公知のAl, Sb, Cu, SnおよびB 等を複合
添加しても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0032】次に、本発明に従う超低鉄損一方向性珪素
鋼板の製造工程について説明する。まず、素材を溶製す
るには、LD転炉、電気炉、平炉、その他公知の製鋼炉
を使用できるのは言うまでもなく、真空溶解やRH脱ガ
ス処理を併用することもできる。
【0033】本発明に従い、素材中に含有されるS、Se
あるいはその他の1 次粒成長抑制剤を溶鋼中に微量添加
する方法としては、従来公知の何れの方法を用いても良
く、例えばLD転炉、RH脱ガス終了時あるいは造塊時
の溶鋼中に添加することができる。また、スラブ製造
は、コスト低減、さらにはスラブ長手方向における成分
あるいは品質の均一性等の経済的・技術的利点のため連
続鋳造法の採用が有利ではあるが、従来の造塊スラブの
使用を妨げるものではない。
【0034】連続鋳造スラブは、スラブ中のインヒビタ
−を解離・固溶させるために、1300℃以上の温度に加熱
される。その後、このスラブは熱間粗圧延ついで熱間仕
上圧延が施されて、通常厚み 1.3〜3.3 mm程度の熱延板
とされる。
【0035】次に熱延板は、必要に応じ 850〜1100℃程
度の温度範囲で熱延板焼鈍(均一化焼鈍ともいう)を施
したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
施して最終板厚とするが、高磁束密度で低鉄損の特性を
有する製品を得るには最終冷延率(通常55〜90%)に注
意を払う必要がある。このとき、珪素鋼板の渦電流損を
できるかぎり小さくする観点から、製品厚の上限は0.15
mmに限定した。なお、板厚の下限については特に限定さ
れないが、ヒステリシス損の弊害を避けるためには0.05
mm以上とすることが好ましい。
【0036】鋼板表面に線状の溝を形成する場合には、
この最終冷延を終え製品板厚となった鋼板に対して行う
のがとりわけ有利である。すなわち、最終冷延板または
2次再結晶前後の鋼板の表面に、圧延方向と交差する向
きに2〜10mmの間隔で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1
〜50μm の線状の凹領域を形成させるのである。ここ
に、線状凹領域の間隔を2〜10mmの範囲に限定したの
は、2mmに満たないと鋼板凹凸があまりにも顕著で磁束
密度が低下し経済的でなくなり、一方10mmを超えると磁
区細分化効果が小さくなるからである。また、凹領域の
幅が50μm に満たないと反磁界効果を利用することが困
難となり、一方 500μm を超えると磁束密度が低下し経
済的でなくなるので、凹領域の幅は50〜500 μm の範囲
が好ましい。さらに、凹領域の深さが 0.1μm に満たな
いと反磁界効果を効果的に利用することができず、一方
50μm を超えると磁束密度が低下し経済的でなくなるの
で、凹領域の深さは 0.1〜50μm の範囲が好ましい。な
お、線状凹領域の形成方向は、圧延方向と直角方向すな
わち板幅方向とするのが最適であるが、板幅方向に対し
±30°以内であればほぼ同様の効果を得ることができ
る。
【0037】さらに、線状凹領域の形成方法としては、
最終冷延板の表面に、印刷によりエッチングレジストを
塗布、焼き付けた後、エッチング処理を施し、しかるの
ち該レジストを除去する方法が、従来のナイフの刃先や
レーザー等を用いる方法に比較して、工業的に安定して
実施できる点、および引張り張力により一層効果的に鉄
損を低減できる点で有利である。
【0038】以下、上記のエッチングによる線状溝形成
技術の典型例について具体的に説明する。最終冷延板の
表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジ
ストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部
が圧延方向にほぼ直角に幅:200μm 、間隔:4mmで線
状に残存するように塗布したのち、 200℃で約20秒間焼
き付ける。このとき、レジスト厚は2μm 程度とする。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングまたは化学エッチングを施すことによ
り、幅:200 μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、
ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去する。この
時の電解エッチング条件は、NaCl電解液中で電流密度:
10 A/dm2、処理時間:20秒程度、また化学エッチング条
件は、HNO3液中で浸漬時間:10秒間程度とすれば良い。
【0039】ついで、鋼板には脱炭焼鈍が施される。こ
の焼鈍は、冷延組織を1次再結晶組織にすると同時に、
最終焼鈍(仕上焼鈍とも呼ばれる)で(110)[00
1]方位の2次再結晶粒を発達させる場合に有害なCを
除去することを目的とし、例えば 750〜880 ℃の湿水素
中で行う。
【0040】最終焼鈍は、(110)[001]方位の
2次再結晶粒を十分発達させるために施されるもので、
通常箱焼鈍によって直ちに1000℃以上に昇温し、その温
度に保持することによって行われる。この最終焼鈍は通
常、マグネシア等の焼鈍分離剤を塗布して行い、表面に
フォルステライトと呼ばれる下地被膜も同時に形成す
る。しかしながら、この発明では、フォルステライト下
地被膜を形成させたとしても、次工程でこの下地被膜を
除去するため、かようなフォルステライト下地被膜を形
成させないような焼鈍分離剤の方が有利である。すなわ
ち、フォルステライト下地被膜を形成させる MgOの含有
比率を低減し(50wt%以下)、代わってかかる被膜を形
成させない CaO, Al2O3, CaSiO3, SiO2, PbCl3等の含有
比率を高く(50wt%以上)した焼鈍分離剤が有利であ
る。
【0041】この発明において(110)[001]方
位に高度に集積した2次再結晶組織を発達させるために
は、 820℃から900 ℃の低温で保定焼鈍する方が有利で
あるが、その他、例えば 0.5〜15℃/h程度の昇温速度の
徐熱焼鈍でも良い。
【0042】この純化焼鈍後に、鋼板表面のフォルステ
ライト下地被膜や酸化物被膜は、公知の酸洗などの化学
的方法や切削、研磨などの機械的方法またはそれらの組
み合わせにより除去して、鋼板表面を平滑化する。すな
わち、鋼板表面の種々の被膜を除去した後、化学研磨、
電解研磨等の化学研磨やバフ研磨等の機械的研磨あるい
はそれらの組み合わせなど従来の手法により、中心線平
均粗さRaで 0.4μm 以下程度まで鋼板表面を平滑化す
る。
【0043】なお、本発明では、珪素鋼板の表面を必ず
しも平滑化する必要はない。従ってこの場合には、コス
トアップを伴う平滑化処理を行わなくても、酸洗処理の
みで十分な鉄損低減効果を発揮できるという利点があ
る。とはいえ、やはり平滑化処理を施すことが有利であ
ることに変わりはない。また、この段階で鋼板表面に凹
形状の溝を導入することもできる。溝の導入方法は、最
終冷延板または2次再結晶前後の鋼板の表面に施す場合
と同じ方法を用いれば良い。
【0044】上記の処理後、鋼板表面にプラズマ・コー
ティング法等を用いて、例えばSiの窒化物(Si3N4)また
は炭化物(SiC)等からなるセラミック膜を被成する。
また、場合によっては、低電圧・大電流特性のイオン化
率の良いHCD法を用いて、TiN,TiC,Ti(CN)および
CrN等のセラミック膜を被成することも有効である。
【0045】このようにして極薄のセラミック膜を被成
した一方向性珪素鋼板は、図1に模式で示したように巻
いて巻きトランスとしたのち、高温での歪取り焼鈍を施
す。ここに、かかる歪取り焼鈍における焼鈍温度は 500
〜900 ℃(より好ましくは600〜800 ℃)とする必要が
ある。というのは、焼鈍温度が 500℃に満たないと、前
掲図3に示したように実機鉄損の改善効果が十分ではな
く、一方 900℃を超えるとセラミック膜と鋼板との反応
が進み、かえって張力付与効果が減少するからである。
【0046】
【実施例】C:0.073 wt%, Si:3.36wt%, Mn:0.071
wt%, Se:0.020 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt
%, N:0.0071wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残
部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350
℃で5時間の加熱処理後、熱間圧延を施して厚み:2.2
mmの熱延板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した
後、1050℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.
15mm厚の最終冷延板とした。
【0047】ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面に MgO(20wt%), Al2O3(70w
t%), CaSiO3(10wt%)の組成になる焼鈍分離剤をスラリ−
塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から12
℃/hの速度で1180℃まで昇温してゴス方位に強く集積し
た2次再結晶粒を発達させた後、1220℃の乾H2中で純化
処理を施した。
【0048】かくして得られた珪素鋼板の表面の酸化物
被膜を除去し、一部についてはさらに化学研磨を施して
表面を平滑化し、0.12mmとした。ついで、珪素鋼板の表
面に (A) マグネトロン・スパッタ法を用いて Si3N4セラミッ
ク膜を約 0.8μm 厚被成した。 (B) HCD法を用いてTiN膜を約 0.7μm 厚被成した。
【0049】かくして得られた製品の単板における鉄損
特性は次のとおりであった。 (A) W13/50 :0.15 W/kg (B) W13/50 :0.17 W/kg
【0050】ついで、これらの珪素鋼板をトロイダル鉄
心に組み立てたのち、(A) 750 ℃、(B) 700 ℃の温度で
歪取り焼鈍を施した後の実機鉄損は次のとおりであっ
た。 (A) W13/50 :0.15 W/kg (B) W13/50 :0.18 W/kg 従って、この時のB.F.は次のとおりであった。 (A) B.F.:1.00 (B) B.F.:1.06
【0051】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、従来に比較
してB.F.が格段に優れ、しかも実機鉄損にも優れた巻き
トランスを、極めて安価にしかも高生産性の下で得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】極薄一方向性珪素鋼板をトロイダル鉄心に組み
立てた時の凹部の圧縮状態および凸部の引張状態を模式
的に示した図である。
【図2】単板における鉄損とトロイダル鉄心に組み立て
たときの実機鉄損とを比較して示したグラフである。
【図3】トロイダル鉄心に歪取り焼鈍を施した時の焼鈍
温度と実機鉄損との関係を示したグラフである。
【図4】鋼板を60mmR の凸状に曲げた状態を示す図であ
る。
【図5】鋼板を60mmR の凸状に曲げた状態での、化学研
磨後(a) 、TiN被覆後(b) 、磁区細分化後(c) の一方向
性珪素鋼板の磁区模様を示す図面代用写真である。
【図6】鋼板を60mmR の凹状に曲げた状態を示す図であ
る。
【図7】鋼板を60mmR の凹状に曲げた状態での、化学研
磨後(a) 、TiN被覆後(b) 、磁区細分化後(c) の一方向
性珪素鋼板の磁区模様を示す図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 30/00 H01F 31/00 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚が0.15mm以下の仕上焼鈍済み一方向
    性珪素鋼板の表面に張力付与型のセラミック被膜を被成
    した超低鉄損一方向性珪素鋼板を、巻き回したのち、 5
    00〜900 ℃の歪取り焼鈍を施して得たことを特徴とする
    ビルディングファクターが小さく、かつ実機鉄損が低い
    巻きトランス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、仕上焼鈍済み一方向
    性珪素鋼板が、板幅方向に延びる線状溝の形成による磁
    区細分化処理を施したものであるビルディングファクタ
    ーが小さく、かつ実機鉄損が低い巻きトランス。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、ビルディン
    グファクターが1.10未満で、かつ実機鉄損が 0.25 W/kg
    以下である巻きトランス。
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