JP2000259987A - 車両運行支援装置およびその装置を有する交通システム - Google Patents

車両運行支援装置およびその装置を有する交通システム

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JP2000259987A
JP2000259987A JP11064356A JP6435699A JP2000259987A JP 2000259987 A JP2000259987 A JP 2000259987A JP 11064356 A JP11064356 A JP 11064356A JP 6435699 A JP6435699 A JP 6435699A JP 2000259987 A JP2000259987 A JP 2000259987A
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traveling
passing
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Masashi Mizukoshi
雅司 水越
Keiji Aoki
啓二 青木
Shinichiro Ogawa
真一郎 小川
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Toshiba Corp
Toyota Motor Corp
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Toshiba Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単線型交通システムで、すれ違い用の複線部
に入出部を設けるときの入出部分の構成を大幅に簡素化
する。 【解決手段】 走行線は、単線部3と、すれ違い用の複
線部7で構成される。進行方向Xに走行する車両を導く
ためにN極磁気ネイルが設置され、進行方向Yに対応し
てS極磁気ネイルが設置される。一方のすれ違い線7y
には、車両が本線から出入りするための出入口11a、
11bが設けられ、入出線9が接続されている。出入口
11a、11bから複線部端8a、8bにかけて電磁石
ネイルEが設けられている。電磁石ネイルEの極性を切
り替えることで、進行方向Xに走る車両、進行方向Yに
走る車両とも、すれ違い線7yを通り、出入口11a、
11bを利用できる。複線を構成する両方の線に入出線
を接続しなくてよいので、構造を簡素化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単線部およびすれ
違い用の複線部を有する交通システムに関し、特に、走
行線への車両入出構造がすれ違い用の複線部に設けられ
たシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】新たな交通システムをつくるときには、
インフラストラクチャの設備を小規模にして、コストを
低く抑えることが求められる。例えば、専用線路を設置
する場所を確保するために、既存の一般道の上に高架橋
を建設することがある。このようなとき、高架橋の建設
費をできるだけ少なく抑えることが望ましい。
【0003】このようなコスト削減の要求に応えるため
には、単線型の交通システムを採用することが有効であ
る。走行線は基本的に単線で構成され、単線上を車両が
逆向きの両方向に走行する。単線の途中にすれ違い用の
複線部が設けられる。複線部は、2本の並列な一方通行
のすれ違い線で構成される。この種のシステムは、例え
ば、特開昭61−285168号公報に記載されてい
る。
【0004】また、走行線上で車両を導くために、磁気
を利用することが知られている。磁気誘導は、運転者が
運転しないでも車両が走行する自動運転システムに好適
に適用される。例えば、特開平8−314540号公報
には、路上に並べられた磁気マーカを使って自動走行車
両を誘導することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気誘導を単線型の交
通システムに適用する場合、磁界の極性を利用して車両
の進行方向を規定することが考えられる。一方の進行方
向にN極を割り当て、他方の進行方向にS極を割り当て
る。車両は、自分の進行方向に対応する極性の磁界に導
かれる。すれ違い用の複線部では、2本のすれ違い線が
反対の極性の磁界を発生する。
【0006】ところで、従来の交通システムでは、専用
車両が専用の走行線だけを走行するのが一般的であっ
た。しかしながら、走行線の途中に出入口を設け、出入
口に入出線を接続することにより、インターチェンジを
形成することも好適である。車両は出入口を通って走行
線に出入りする。出入口部は、例えば、走行線と一般道
路との連絡部分として利用される。専用の走行線と一般
道路が接続され、交通システムのサービス範囲が一般道
路まで広がる。
【0007】走行線に出入口部を設置する適切な場所と
して、すれ違い用の複線部が候補に挙げられる。しか
し、複線部は、磁界の極性により進行方向が規定された
2本の一方通行線で構成される。従って、両方向に進行
する車両が入出線を利用するためには、これら2本の一
方通行線の両方に入出線を接続する必要がある。これは
大規模な道路構造を必要とし、走行線の建設費を増加さ
せる。そこで、出入口部の構造を簡素化することが望ま
れる。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、すれ違い用の複線部に入出部を設け
るときの構造を簡素化することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、すれ違い用の複線部を構成する2
本のすれ違い線の一方のみに出入口が設けられ、出入口
に入出線が接続される。そして、出入口を有するすれ違
い線に、極性切替可能な磁界発生手段、例えば電磁石が
設けられる。設置範囲は、少なくとも出入口から、すれ
違い線の両端が単線部に接続される地点まで、すなわち
複線部の両端までである。極性切替可能な磁界発生手段
は、出入口を使って走行線に進入または走行線から退出
する車両の進行方向に応じて磁界の極性を切り替える。
【0010】極性の切替により、出入口を利用する車両
をどちらの進行方向へも導くことができる。複線部の両
端から出入口への誘導も、出入口から複線部の両端への
誘導も可能である。従って、一方のすれ違い線にしか出
入口が設けられていなくても、両進行方向の車両が、出
入口付きのすれ違い線を通って、走行線から出入りで
き、インターチェンジとしての必要な機能が得られる。
2本のすれ違い線の両方に入出線を接続しなくてもよい
ので、入出部分の構造が大幅に簡素化する。
【0011】好ましくは、上述したように、極性切替可
能な磁界発生手段は電磁石である。これにより、容易に
磁界の極性を切り替えられる。しかし、本発明はこれに
限定されず、永久磁石が極性切替可能に設けられてもよ
い。例えば、永久磁石を機械的に反転させる構造が採用
可能である。また、異なる極性を発生する1組の永久磁
石が設けられ、一方の永久磁石の磁気が必要に応じて遮
蔽されてもよい。
【0012】また、好ましくは、入出線は2つの入出支
線に分岐し、両入出支線が、前記一方のすれ違い線に対
して、反対方向に傾斜した異なる角度で接続される。こ
れにより、車両が出入口を通るときの進行方向の変化を
少なくすることができ、スムーズな入退出が容易にな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。
【0014】図1は、本実施形態の単線型の交通システ
ムを模式的に示している。走行線1は、本交通システム
の対象車両だけが走行する専用線である。走行線1は、
a駅とb駅を結んでおり、車両は走行線1を両方向に走
行する。ここで、a駅からb駅に向かう進行方向をX、
b駅からa駅に向かう進行方向をYとする。進行方向
X、Yは上り、下りに対応する。そして、a駅、b駅は
下り端駅、上り端駅に相当する。
【0015】走行線1は、単線部3およびすれ違い用の
複線部を5を有する。走行線1は、その大部分が単線部
3で構成され、複線部5は単線の途中に挿入するように
設けられている。複線部5は、並列なすれ違い線5x、
5yを有する。すれ違い線5x、5yは、それぞれ、進
行方向X、Yの一方通行線である。
【0016】さらに、走行線1には、インターチェンジ
付きのすれ違い用複線部7が設けられている。複線部7
も2本のすれ違い線7x、7yを有する。一方のすれ違
い線7yには入出線9が接続されている。入出線9の一
端は、すれ違い線7yに設けられた出入口11に接続さ
れており、他端は一般道路13に接続されている。車両
は入出線9を使って走行線1から一般道路13に出た
り、一般道路13から走行線1に入ることができる。
【0017】管制センター15は、本交通システムを構
成する全車両の走行を管理し、制御する。管制センター
15は、全車両と通信を行い、各車両に必要な指示を送
る。走行線1上の車両との通信には、走行線1上に設け
られた通信装置が使用される。また、一般道路13上の
車両との通信には、広域無線通信装置が使用される。
【0018】本交通システムでは、単線を採用している
ので、走行線の建設コスト、占有面積を少なくすること
ができる。また、車両は専用線だけでなく一般道路も走
行するので、一般道路を利用した各種のサービスを提供
できる。例えば、専用線以外の場所で乗客が車両に乗る
と、車両が一般道路から専用線へと進み、乗客は専用線
上の駅で下車できる。また例えば、車両の回送に一般道
路を利用できる。
【0019】図2は、図1のA部の拡大図であり、走行
線1の一般的な部分を示している。走行線1の分岐およ
び合流により、すれ違い用の複線部5が形成されてい
る。道路上には、車両を導く磁気ネイル17(丸印)が
適当な間隔を開けて埋設されている。磁気ネイル17は
円筒形状、円板形状または他の形状の永久磁石で構成さ
れ、レーンの形状を車両に教えるレーンマーカとして機
能する。
【0020】本交通システムでは、N極磁気ネイル(黒
丸)とS極磁気ネイル(白丸)の2種類が設けられてい
る。N極磁気ネイルは、N極を上側にして配置され、N
極の磁界を路上に発する。S極磁気ネイルは、S極を上
側にして配置され、S極の磁界を路上に発する。両極性
は車両の両進行方向に割り当てられている。本実施形態
では、進行方向XにN極が割り当てられ、進行方向Yに
S極が割り当てられている。
【0021】上記の設定に従い、進行方向Xのすれ違い
線5xにはN極磁気ネイルが配列されている。一方、進
行方向Yのすれ違い線5yにはS極磁気ネイルが配列さ
れている。単線部3では車両が両方向に走行するので、
N、Sネイルの両方が交互に配置されている。
【0022】走行線1上では、上記の磁気ネイル17を
利用した自動運転が行われ、運転者の操作なしで車両が
自動的に走行する。また、一般道路13では運転者によ
りマニュアル操作で車両が運転される。
【0023】図3は、自動運転に適した車両システムの
構成の一例を示している。進行方向切替スイッチ22
は、走行線1の両端の駅で作業員により操作される。ス
イッチ操作により、a駅では進行方向Xが指示され、b
駅では進行方向Yが指示される。
【0024】磁気ネイル検知部24は磁気センサを含
み、路上の磁気ネイル17を検出する。磁気センサは磁
気ネイル17が発する磁界を検出する。検知部24は、
N、S両方の磁気ネイルを検出可能に構成されている
が、走行中は進行方向に応じた片方の磁気ネイルだけを
検出する。
【0025】すなわち、検知部24は、進行方向切替ス
イッチ22の操作に応じて検出特性を反転し、これによ
り検出対象の磁気ネイルの極性が切り替えられる。a駅
で進行方向Xが指示されると、検出対象がN極に設定さ
れる。b駅で進行方向Yが指示されると、検出対象がS
極に設定される。この切替により、車両の進行方向に対
応する磁気ネイルのみが検出される。
【0026】また、操舵角検知部26は車輪の向きを検
出し、車速検知部28は車両の走行速度を検出する。車
速検知部28は、例えば、車輪の回転速度に応じたパル
ス信号を発生する車輪速センサを含む。
【0027】車両制御演算部20は、自動運転のための
コンピュータ装置であり、人間に代わって車両を操る。
制御部20は、磁気ネイル検出信号と、操舵角検出信号
と、車速検出信号に基づいて、目標操舵角と目標車速を
算出する。現状の車速で磁気ネイルを辿って進むのに必
要な操舵角が算出される。より具体的には、磁気ネイル
が形成するラインからの車両のずれが小さくなるような
操舵角が算出される。また、各位置での適切な車速が算
出される。
【0028】車両制御演算部20は、目標操舵角および
目標車速を達成するため、これらの目標値を制御信号と
して操舵制御装置40および車速制御装置42に送る。
操舵制御装置40は、車両制御演算部20の指示に従っ
て操舵アクチュエータを制御し、車輪の向きを調整す
る。車速制御装置42は原動機(例えば電気モータ、内
燃機関またはその両方)およびブレーキ装置を制御し
て、車速を調整する。
【0029】このような制御により、車両は自動的に走
行レーンに沿って進む。現在の進行方向に対応する磁気
ネイルのみが検出されるので、図2の複線部でも、現在
の進行方向に対応するすれ違い線に自動的に車両が進入
する。ここには、分岐部での特別な切替装置が不要であ
るという利点がある。
【0030】図3に戻り、車両システムは、さらに車両
位置検知部30を有する。車両位置検知部30は車両の
位置を検出する。走行線1上では、所定の絶対位置(例
えば駅内の基準位置)からの走行距離より車両位置が求
められる。走行距離は、車速の積分により求めることが
でき、また、磁気ネイルの検出数から求められる。一般
道路13では、GPS(グローバルポジショニングシス
テム)を利用して、人工衛星からの受信電波に基づいて
車両位置を検出することが好適である。
【0031】車両制御演算部20は、車両状態通報装置
44を使って、車両位置、車速等の車両状態情報を車両
IDとともに管制センターへ送る。車両状態通報装置4
4は無線送信装置であり、車両IDは車両ID記憶部3
2に記憶されている。車両IDは、ディップスイッチの
ような構成を用いて各車両に設定されてもよい。管制セ
ンターは、各車両の状態に基づいて、必要な指示を車両
に送る。
【0032】車両システムでは、管制受信装置34が管
制センターからの指示を受け取る。この指示は、例え
ば、次のすれ違い部への目標到達時刻を含む。これは、
対向車両との円滑なすれ違いに必要な情報である。車両
制御演算部20は、管制センターの指示に従って、自動
運転処理を行う。
【0033】なお、実際の装置では、管制受信装置34
と車両状態通報装置44が通信機を構成することが好適
である。走行線1で用いる通信機と、一般道路13で用
いる通信機を個別に用意することも好適である。
【0034】さらに、車両システムは自動/マニュアル
切替スイッチ36を有する。このスイッチ36は、走行
線1を出入りするときに作業員等により操作される。自
動モードでは、上記の自動運転が行われる。マニュアル
モードでは、運転者が車両を運転する。
【0035】以上に車両システムについて説明したが、
図3に示す車両システムの構成要素の一部が制御演算部
に組み込まれてもよい。
【0036】次に、図4を参照し、本発明の特徴的な構
成について説明する。図4は、図1のB部拡大図であ
り、インターチェンジ付きの複線部7を示している。前
述のように、入出線9は一方のすれ違い線7yに接続さ
れている。入出線9は分岐部9dで2つの入出支線9
a、9bに枝分かれしている。両支線9a、9bは、す
れ違い線7yに対して、出入口11a、11bにて反対
方向に傾斜した異なる角度で接続されている。
【0037】複線部7にも、基本的には上述の規則に従
って永久磁石の磁気ネイルが設置されている。しかし、
出入口11a、11bから複線部端8a、8bにかけ
て、すれ違い線7y上には永久磁石の代わりに電磁石ネ
イルE(四角形マーク)が埋設されている。複線部端8
a、8bは、複線部7の両端であり、すれ違い線7x、
7yが両側の単線部3に接続される地点である。
【0038】電磁石ネイルEは、電磁石で構成された磁
気ネイルである。電磁石ネイルEは、永久磁石のネイル
と同等の強さの磁界を発生する。ただし、電流の切替に
より、磁界の極性を任意に切り替えられる。
【0039】図4のその他の部分には通常の永久磁石ネ
イルが設置されている。単線部3には、N極、S極磁気
ネイルが設置され、進行方向Xに対応するすれ違い線7
xにはN極ネイルが設置されている。また、2つの出入
口11a、11bの間の区間には、S極磁気ネイルが設
置されている。
【0040】電磁石ネイルEの極性は、退出車両、進入
車両および通抜け車両をそれらの進路に導くように切り
替えられる。退出車両は、出入口11a、11bを使っ
て走行線1を出る車両である。進入車両は、出入口11
a、11bを使って走行線1に入る車両である。通抜け
車両は、出入口11a、11bを使わずに走行線1を走
り続ける車両である。極性の切替は、管制センターによ
って行われる。
【0041】図5は、管制センターに設けられた管制シ
ステムを部分的に示している。図5は、特に電磁石ネイ
ルEの制御に関連する部分を示している。通信装置50
は、車両とデータ通信を行う。通信装置50は、走行線
1上の車両との通信に使われるスポット通信装置と、一
般道路13上の車両との通信に使われる広域通信装置を
含む。通信装置50は、各車両の車両位置および車両I
Dを受信して、管制制御装置52に送る。なお、管制セ
ンターは、独自のセンサ等で車両位置や車両IDを検知
してもよい。例えば、入出線等に車両通過センサを設け
ることが考えられる。
【0042】管制制御装置52は、車両の走行を管理す
るコンピュータ装置である。制御装置52には、各車両
の行き先の計画が格納された車両行き先計画記憶部54
が設けられている。電磁石ネイル極性決定部56は、行
き先計画、車両IDおよび車両位置情報を利用して電磁
石ネイルの極性を決定する。
【0043】ここでは、車両位置情報から、複線部に近
づいている車両が求められる。例えば、複線部の手前の
所定位置に近づく車両があるか否かが判断され、また例
えば、所定時間以内に複線部に到達する車両があるか否
かが判断される。接近車両のIDから行き先計画が求め
られ、行き先計画から車両の進路、特に出入口を使う予
定があるか否かが求められる。車両の進路に応じて電磁
石ネイルEの極性が設定される。
【0044】決定された極性は、電磁石ネイル極性設定
部58に送られる。極性設定部58は、各電磁石ネイル
への供給電流を制御しており、各ネイルの極性を切り替
えられる。極性設定部58は、指示に従った極性の磁界
を電磁石ネイルに発生させる。このように、本実施形態
では管制制御装置52が電磁石ネイル極性設定部58と
ともに、2つの極性の磁界の一方を発生させる極性切替
制御装置として機能する。
【0045】図5および図6を参照し、電磁石ネイルの
極性設定処理の具体例を説明する。ここでは、説明を簡
単にするために、車両は単独で走行していると仮定す
る。しかし、実際のシステムでは、複数の車両が隊列を
形成することが好適である(隊列走行、プラトゥー
ン)。隊列に対しても以下の設定が同様に適用される。
【0046】通抜け車両が複線部を通るとき、図5の全
部の電磁石ネイルの極性がSに設定される。これは、通
常の他の複線部5と同様の設定である。従って、進行方
向X、Yの車両が複線部7を通過できる。両方向の車両
が同時に複線部を通るときも、スムーズにすれ違いが行
われる。
【0047】図6(a)において、退出車両Voxは、
進行方向Xに走行し、走行線1から退出する予定であ
る。そこで、複線部端8aから出入口11aまでの区間
の電磁石ネイルEの極性がNに切り替えられる。一方、
図6(b)は、進行方向Yの退出車両Voyのための極
性設定であり、複線部端8bから出入口11bの間の区
間がS極に設定される。
【0048】このように、電磁石ネイルが、退出車両V
ox、Voyの進行方向に対応する極性の磁界を発生す
る。車両Vox、Voyは、複線部に到達した後、電磁
石に導かれてすれ違い線7yに入り、出入口11a、1
1bに進む。車両システムの自動/マニュアル切替スイ
ッチ(図3)が出入口で操作され、マニュアルモードが
設定される。そして、車両は運転者に運転されて、一般
道路13に向かって進む。
【0049】図6(c)では、進入車両Viyが入出線
9を複線部7に向かって走行している。進入車両Viy
の予定進行方向はYであり、これは行き先計画から求め
られる。そこで、出入口11aから複線部端8aまでの
区間の極性がSに設定される。一方、図6(d)は、予
定進行方向Xの進入車両Vixのための極性設定であ
り、出入口11bから複線部端8bまでの区間の極性が
Nに設定される。
【0050】このような極性設定の下、車両Vix、V
iyが出入口11b、11aに達すると、自動/マニュ
アル切替スイッチ(図3)が操作され、自動モードが設
定される。車両Vix、Viyは、対応する極性の磁界
に導かれて、予定進行方向に進む。車両は複線部端8
b、8aを通って単線部3へ進む。
【0051】図6に示すように、退出車両および入出車
両の進行方向に応じて電磁石ネイルの極性が切り替えら
れるので、両進行方向の車両が、走行線1に進入および
退出できる。従って、複線部7がインターチェンジとし
ての機能を好適に果たすことができる。
【0052】なお、図6の設定において、車両が通過し
ない区間の電磁石には電流が供給されなくてよい。ま
た、図5に関し、近くに車両がいないとき、また、進行
方向Nの通抜け車両だけが複線部7を使うとき、全磁石
に電流が供給されなくてよい。
【0053】また、ここでは車両Vox、Voy、Vi
x、Viyに関する制御が別々に説明された。しかし、
これらの制御が組み合わされてもよい。例えば図6
(a)と図6(b)の切替を同時に行い、また例えば図
6(a)と図6(d)の切替を同時に行ってもよい。こ
れにより、効率の良い車両の出入りを実現できる。
【0054】次に、図7は本実施形態の変形例を示して
いる。図7の構成では、電磁石ネイルEの設置範囲が広
がっている。すなわち、入出線9の分岐部の両入出支線
9a、9bにもネイルEが設定されている。支線9a、
9bのネイルの極性は、それらに続く本線のネイルと同
様に切り替えられる。
【0055】図4の構成では、すれ違い線7y(本線)
から外れるとき、すなわち、出入口11a、11bを通
過するときは、マニュアル運転が行われる。これに対
し、図7の構成では、出入口を完全に通過するまで自動
運転が継続される。そして、入出線上でマニュアルモー
ドが設定される。図4を手動分合流とすると、図7では
自動分合流が行われる。
【0056】次に、図8は、図4の複線部7の端部8a
付近の拡大図である。図4では簡略化されているが、磁
気ネイルの設置間隔は例えば1mである。端部8aの分
岐点では、2つのすれ違い線の磁気ネイルが近接してい
る。磁気ネイルは、磁気センサの検出範囲の設定値以上
に近接することもある。このような部分では、両方のす
れ違い線に電磁石ネイルEを設けることが好適である。
そして、車両が進入すべきでない線に、逆の極性の磁界
を与える。これにより、車両の誘導を確実に行える。こ
の構成は、もう一つの複線部端8bにも同様に採用され
る。また、図7の両入口部11a、11bにも同様の構
成を採用することが好適である。
【0057】以上、本発明の好適な実施形態を説明し
た。本実施形態によれば、電磁石ネイルEを設けたこと
により、出入口付きのすれ違い線上で車両を両方向へ導
くことができる。両側の単線部から出入口への誘導も、
出入口から両側の単線部への誘導も可能である。この部
分での車両側の磁気検出特性の切替は不要である。従っ
て、一方のすれ違い線にしか出入口が設けられていなく
ても、両進行方向X、Yの車両が、出入口を使って走行
線から出入りできる。
【0058】図9は、本発明の利点を説明するための比
較用の図である。図9の構成には本発明が適用されてい
ない。一方のすれ違い線にはN極ネイルのみが設置さ
れ、他方のすれ違い線にはS極ネイルのみが設置され、
各すれ違い線は完全な一方通行線である。図9の構成で
は、両方のすれ違い線に入出線が接続されている。これ
は、仮に一方のすれ違い線だけに入出線を接続したとし
ても、一方向の車両しか入出線を使えないからである。
【0059】図9のような構成と比較すると、本実施形
態によれば、走行線の建設コストを削減し、また、走行
線の占有面積を削減することが可能である。本実施形態
は、走行線を小規模にするという単線型システムの利点
をさらに増長することができる。
【0060】また、本実施形態では、図4等に示される
ように、入出線9は分岐部9dを有し、両入出支線9
a、9bが2つの出入口11a、11bに接続される。
そして、出入口11aは、本線上の進行方向Xの車両
と、入出線上の進行方向Y(予定)の車両に利用され
る。出入口11bは、本線上の進行方向Yの車両と、入
出線上の進行方向X(予定)の車両に利用される。
【0061】ここで、入出支線9a、9bは、すれ違い
線7yに対して、反対方向に傾斜した異なる角度で接続
されている。一方の支線9aは、すれ違い線7yの区間
9a〜8aと滑らかに繋がるような角度ですれ違い線7
yに接続されている。他方の支線9bは、すれ違い線7
yの区間9b〜8bと滑らかに繋がるような角度ですれ
違い線7yに接続されている。このような構成により、
本線入出時の車両の向きの変化、操舵量を少なくするこ
とができ、スムーズな入退出を容易に行うことができ
る。
【0062】本実施形態に対しては、本発明の範囲内で
各種の変形が可能である。以下に変形の例を示す。
【0063】(1)本発明の極性切替可能な磁界発生手
段(可変極性)は、電磁石ネイルには限定されない。例
えば、図10(a)(b)に示すかたちで永久磁石を採
用することができる。図10(a)では、永久磁石を機
械的に反転させる構造が道路に設置される。また、図1
0(b)では、N極磁気ネイルとS極磁気ネイルが並べ
て設けられる。スライド可能な遮蔽板が一方のネイルの
磁界を遮蔽する。遮蔽板は各極のために個別に設けられ
てもよい。N極ネイルが遮蔽されるときはS極の磁界が
発生し、S極ネイルが遮蔽されるときはN極の磁界が発
生する。図10(a)の反転装置および図10(b)の
遮蔽板は、好ましくは、管制センターの制御の下で駆動
される。
【0064】(2)上記の(1)とは反対に、本発明の
固定磁界発生手段(固定極)は、永久磁石には限定され
ず、電磁石であってもよい。
【0065】(3)本実施形態のN極とS極の関係は、
反対でもよいことはもちろんである。すなわち、反対側
のすれ違い線に出入口が設けられてもよい。
【0066】(4)本実施形態では磁気発生手段が磁気
ネイルであり、磁気ネイルはいわゆる磁気マーカの一種
である。しかし、磁気発生手段は、磁気ネイルおよび磁
気マーカには限定されない。車両に進行方向を教えられ
る磁界を発生する任意の構成が適用可能である。
【0067】(5)本実施形態では、説明を簡単にする
ために、主として車両が1台のみで走行する場合を取り
上げた。しかし、前述したように、実際のシステムで
は、複数の車両が隊列を形成することも好適である。隊
列の車両は、所定の適当な車間距離を保って走行する。
車両間が機械的に連結されてもよい。
【0068】(6)入出線はすれ違い線との接続部分で
分岐していなくてもよい。この場合、出入口の数は一つ
であり、すれ違い線の全体に電磁石ネイルが設置され
る。また、入出線は、一般道路との接続部分で分岐して
いてもよい。
【0069】(7)本実施形態は、走行線が単線構造
(単線部とすれ違い用の複線部)を有している。しか
し、交通システムの全体が単線構造の走行線で構成され
る必要はない。図1に示されない他の部分が複線構造を
採用していてもよい。
【0070】(8)また、本実施形態において車両は走
行線上で自動運転され、一般道路でマニュアル運転され
たが、本発明はこのようなシステムに限定されない。例
えば、走行線でも車両が運転者に運転されてもよい。運
転者が車速の調整を行い、車両システムが自動操舵で操
舵角を調整するといった構成が考えられる。また、運転
者が手動で操舵をも行ってもよい。いずれにせよ、磁気
信号は、何らかのかたちで車両の走行に利用される。一
方、一般道路でも車両が自動運転されてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、すれ違い用の複線部に入出部を設けるときの入出部
分の構成を大幅に簡素化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の交通システムを模式的に
示す図である。
【図2】 図1の交通システムの走行線の一般部分を示
す図である。
【図3】 図1の交通システムに適用される自動走行車
のシステムを示すブロック図である。
【図4】 一般道路への出入口が設けられたすれ違い用
の複線部を示す図である。
【図5】 図4の複線部の電磁石ネイルの極性を切り替
えるための管制システムの構成を示す図である。
【図6】 図5のシステムによる極性切替処理を示す図
である。
【図7】 図4の構成の変形例を示す図である。
【図8】 図4の複線部の端部の拡大図である。
【図9】 本実施形態の利点を説明するための比較用の
図である。
【図10】 本発明の極性切替可能な磁界発生手段の他
の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 走行線、3 単線部、5,7 複線部、5x,5
y,7x,7y すれ違い線、8a,8b 複線部端、
9 入出線、9a,9b 支線、9d 分岐部、11,
11a,11b 出入口、13 一般道路、15 管制
センター、17磁気ネイル、E 電磁石ネイル、N N
極磁気ネイル、S S極磁気ネイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小川 真一郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 5H180 AA01 AA27 BB04 CC19 CC24 EE07 FF05 FF27 GG02 JJ03 JJ06 LL09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が逆向きの両進行方向に走行する走
    行線を有し、走行線は単線部およびすれ違い用の複線部
    を含み、複線部は並列な一方通行のすれ違い線の組を有
    する交通システムに適用され、前記逆向きの両進行方向
    の各々に割り当てられた極性の磁界を走行線に発生する
    ことにより車両を導く車両運行支援装置であって、 複線部の一方のすれ違い線に設けられた走行線進入・退
    出車両のための出入口から、前記一方のすれ違い線の両
    端が複線部両側の単線部に接続される地点にかけて、極
    性切替可能な磁界発生手段が設けられ、 前記極性切替可能な磁界発生手段は、前記出入口を使っ
    て走行線に進入または走行線から退出する車両の進行方
    向に応じて磁界の極性を切り替えることを特徴とする車
    両運行支援装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両運行支援装置にお
    いて、 前記極性切替可能な磁界発生手段は電磁石であることを
    特徴とする車両運行支援装置。
  3. 【請求項3】 車両が逆向きの両進行方向に走行する走
    行線であって、単線部およびすれ違い用の複線部を含
    み、複線部は並列な一方通行のすれ違い線の組を有する
    走行線と、 複線部の一方のすれ違い線に接続され、前記走行線に進
    入および退出する車両が通る入出線と、 前記入出線と前記一方のすれ違い線の接続点である出入
    口と、 前記走行線に設けられ、前記逆向きの両進行方向の各々
    に割り当てられた極性の磁界を固定的に発生して、各進
    行方向の車両を導く固定磁界発生手段と、 前記出入口から、前記一方のすれ違い線の両端が複線部
    両側の単線部に接続される地点にかけて、前記固定磁界
    発生手段に代わって設けられた極性切替可能な磁界発生
    手段と、 を含み、前記極性切替可能な磁界発生手段は、前記出入
    口を使って走行線に進入または走行線から退出する車両
    の進行方向に応じて磁界の極性を切り替えることを特徴
    とする交通システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の交通システムにおい
    て、 前記固定磁界発生手段は永久磁石であり、前記極性切替
    可能な磁界発生手段は電磁石であることを特徴とする交
    通システム。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の交通システムにおい
    て、 前記入出線は2つの入出支線に分岐し、両入出支線が、
    前記一方のすれ違い線に対して、反対方向に傾斜した異
    なる角度で接続されることを特徴とする交通システム。
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