JP2000259099A - アクティブマトリクス基板、電気光学装置、およびアクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス基板、電気光学装置、およびアクティブマトリクス基板の製造方法

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JP2000259099A JP6522099A JP6522099A JP2000259099A JP 2000259099 A JP2000259099 A JP 2000259099A JP 6522099 A JP6522099 A JP 6522099A JP 6522099 A JP6522099 A JP 6522099A JP 2000259099 A JP2000259099 A JP 2000259099A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランジスタの膜質を容易に、かつ、正確に
検査することのできるアクティブマトリクス基板、それ
を用いた電気光学装置、およびアクティブマトリクス基
板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 アクティブマトリクス基板200におい
て、画素部11、走査線駆動回路70、データ線駆動回
路60、信号配線74、77などが形成されていない部
分には1mm角の膜質検査領域80が形成されている。
この膜質検査領域80では、TFT50のチャネル領域
1aおよびゲート絶縁膜2とそれぞれ同層の膜質検査用
半導体膜1c(シリコン膜)および膜質検査用絶縁膜2
c(シリコン酸化膜)が積層され、この膜質検査用絶縁
膜2cは層間絶縁膜4、71、72の開口部8cから露
出しているので、すぐに膜質の分析を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス基板、このアクティブマトリクス基板を用いた電気
光学装置、およびアクティブマトリクス基板の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは、トランジスタを
構成する膜の膜質検査を行うための膜質検査領域の形成
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上にトランジスタおよび信号配線が
形成されたアクティブマトリクス基板の代表的なものと
しては、電気光学装置に用いられるアクティブマトリク
ス基板がある。このアクティブマトリクス基板のうち、
駆動回路内蔵型のものでは、絶縁基板上に配列された複
数の走査線と複数のデータ線との交差点に対応して複数
の画素がマトリクス状に構成されている。各々の画素に
は、走査線およびデータ線に接続する画素スイッチング
用の薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)と、画
素電極とが形成されている。絶縁基板上における画素部
の外側領域には、複数のデータ線のそれぞれに画像信号
を供給するデータ線駆動回路と、複数の走査線のそれぞ
れに走査信号を供給する走査線駆動回路とが構成されて
いる。これらの駆動回路は複数のTFTによって形成さ
れている。
【0003】これらのTFTのうち、たとえば、画素ス
イッチング用のTFT50は、図6(A)、(B)に示
すように、走査線と同時形成されたゲート電極3aと、
データ線30の一部としてのソース電極6aが第1の層
間絶縁膜4の第1のコンタクトホール4aを介して電気
的に接続するソース領域1f、1dと、データ線30と
同時形成されたアルミニウム膜などから構成されたドレ
イン電極6dが第1の層間絶縁膜4の第2のコンタクト
ホール4dを介して電気的に接続するドレイン領域1
g、1eとを有している。第1の層間絶縁膜4の上層側
には第2の層間絶縁膜7が形成されており、この第2の
層間絶縁膜7に形成された第3のコンタクトホール8a
を介しては、画素電極9aがドレイン電極6dに対して
電気的に接続している。このような構造は、基本的に
は、駆動回路に形成されているTFTも同様である。
【0004】ここで、アクティブマトリクス基板200
は、半導体プロセスを利用してTFT50などを形成し
た後、各種の検査が行われ、この検査において、不具合
と判定されたものについては各種の解析が行われ、その
結果がフィードバックされる。たとえば、TFT50に
対してゲート絶縁膜2とチャネル領域1aの界面の不純
物分布などといった膜質を検査する場合には、画素スイ
ッチング用あるいは駆動回路用のTFT50に対して表
面側からラスターを行い、第2の層間絶縁膜7、第1の
層間絶縁膜4、ゲート電極3aをこの順に除去して、チ
ャネル領域1aの表面側でゲート絶縁膜2を露出させ、
しかる後に、SIMS(二次イオン質量分析)による元
素分析を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲート
絶縁膜2とチャネル領域1aの界面の不純物分布などと
いった膜質を検査する際に、従来のように、第2の層間
絶縁膜7、第1の層間絶縁膜4、ゲート電極3aを除去
していく方法では、その除去にかなりの時間を要すると
いう問題点がある。すなわち、検査対象となる部分の膜
厚はたとえば、500オングストロームから1000オ
ングストローム程度の厚さであるのにもかかわらず、そ
の膜質検査を行うまでに1μmもある層間絶縁膜を除去
した後、4000オングストロームのゲート電極3aを
除去する必要がある。また、このような時間をかけてラ
スターを行っても、TFT50のチャネル領域1aは、
大きくても100μm角程度と小さいので、精度の高い
調査を行うことができないという問題点がある。さら
に、このような狭い領域では、ラマン散乱分析などを利
用してチャネル領域1aの結晶化度までは検査できない
という問題点がある。
【0006】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
TFTなどといったトランジスタの膜質を容易に、か
つ、正確に検査することのできるアクティブマトリクス
基板、およびそれを用いた電気光学装置を提供すること
にある。
【0007】また、本発明の課題は、トランジスタのチ
ャネル領域およびゲート絶縁膜と同様な履歴を経た膜質
検査領域を形成することにより、より正確な膜質検査を
可能とするアクティブマトリクス基板の製造方法を提供
することにある。
【0008】さらに、本発明の課題は、工程数を増やす
ことなく、膜質検査領域を形成することのできるアクテ
ィブマトリクス基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、基板上にトランジスタおよび信号配線
が形成されたアクティブマトリクス基板において、 前
記基板上における前記トランジスタおよび前記信号配線
が形成されていない領域の少なくとも一か所では、前記
トランジスタのチャネル領域およびゲート絶縁膜とそれ
ぞれ同層の膜質検査用半導体膜および膜質検査用絶縁膜
が積層された膜質検査部が形成されてなることを特徴と
する。なお、本願明細書におけるMIS(Metal
Insulator Semiconductor)ト
ランジスタを用いた例により説明するが、MISトラン
ジスタはゲート電極が金属に限らず、導電化シリコンな
どを用いたものも含む。特に、前記膜質検査部が形成さ
れた膜質検査領域が、前記トランジスタより上層に形成
された層間絶縁膜と同層の検査領域側絶縁膜の開口部か
ら露出していることを特徴とする。
【0010】本発明では、トランジスタのチャネル領域
およびゲート絶縁膜とそれぞれ同層の膜質検査用半導体
膜および膜質検査用絶縁膜がこの順に積層された膜質検
査領域が形成されているので、この膜質検査領域で検査
を行えば、トランジスタのゲート絶縁膜とチャネル領域
の界面の不純物分布などといった膜質を検査することが
できる。ここで、膜質検査領域は、層間絶縁膜と同層の
検査領域側絶縁膜の開口部から露出しているので、すぐ
に検査に取りかかることができ、トランジスタ側で検査
する場合と違って、層間絶縁膜やゲート電極を除去する
必要がない。それ故、膜質検査を迅速、かつ容易に行う
ことができる。また、膜質検査領域であれば大きく形成
しても、トランジスタのトランジスタ特性などに影響を
及ぼさない。従って、大きな膜質検査領域を形成するこ
とにより、SIMSによる膜質検査を高い精度で行うこ
とができる。
【0011】しかも、前記膜質検査領域は、トランジス
タのチャネル領域と比較してかなり大きな面積、たとえ
ば、約1mm2 以上の面積を有するように形成すると、
SIMSによる元素検査に加えて、ラマン散乱分析など
を利用して膜質検査用半導体膜(チャネル領域)の結晶
化度も検査できる。それ故、アモルファス半導体膜に対
して結晶化処理を行って得た多結晶性半導体膜から薄膜
トランジスタなどのトランジスタを形成した場合に、効
果的な検査を行うことができる。
【0012】本発明において、前記膜質検査用半導体膜
は、前記開口部の形成領域を含む領域に形成される場合
がある。また。前記膜質検査用半導体膜は、前記開口部
の内側領域に形成される場合もある。
【0013】本発明において、トラジスタが薄膜トラン
ジスタであれば、前記基板上に、当該薄膜トランジスタ
のゲート電極と同層の走査線、およびデータ線に接続す
る画素スイッチング用の薄膜トランジスタ、および該薄
膜トランジスタに接続してなる画素電極がマトリクス状
に形成されている画素部と、前記走査線および前記デー
タ線に信号出力する走査線駆動回路およびデータ線駆動
回路と、該駆動回路に信号供給する複数の信号配線とを
形成すれば、液晶表示装置などといった電気光学装置用
のアクティブマトリクス基板を形成できる。すなわち、
このアクティブマトリクス基板(アクティブマトリクス
基板)と、対向電極が形成された対向基板との間に、液
晶などの電気光学物質を挟持させれば液晶表示装置など
といった電気光学装置を構成することができる。このよ
うな場合には、前記膜質検査領域は、前記基板上におけ
る前記画素部、前記走査線駆動回路、前記データ線駆動
回路、前記信号配線が形成されていない領域の少なくと
も一か所に形成されることになる。
【0014】このような構成のアクティブマトリクス基
板を製造するにあたっては、前記トランジスタのチャネ
ル領域およびゲート絶縁膜を形成する際に前記膜質検査
領域とすべき領域に対して前記膜質検査用半導体膜およ
び前記膜質検査用絶縁膜をこの順に形成した以降、トラ
ンジスタのゲート電極を形成するとともに前記膜質検査
領域にも導電膜を同時形成する工程と、所定のマスクを
介して不純物を導入して前記トランジスタのソース・ド
レイン領域を形成する工程と、前記ゲート電極の表面側
に前記層間絶縁膜を形成するとともに前記検査領域側に
は前記導電膜の表面側に前記検査領域側絶縁膜を同時に
形成する工程と、前記層間絶縁膜に前記MISトランジ
スタに対するコンタクトホールを形成するとともに前記
膜質検査領域に前記開口部を同時に形成して前記導電膜
を露出させる工程と、前記開口部を介して前記導電膜を
エッチング除去することにより前記開口部から前記膜質
検査用絶縁膜を露出させる工程とを行う。
【0015】このような製造方法によれば、膜質検査用
絶縁膜および膜質検査用半導体膜は、トランジスタのゲ
ート絶縁膜およびチャネル領域と略同様な履歴を辿るこ
とになるので、膜質検査用絶縁膜および膜質検査用半導
体膜を検査対象としたときでも、より高い精度で、トラ
ンジスタのゲート絶縁膜およびチャネル領域の膜質を検
査できる。
【0016】また、アクティブマトリクス基板の別の製
造方法では、前記薄膜トランジスタのチャネル領域およ
びゲート絶縁膜を形成する際に前記膜質検査領域とすべ
き領域に対して前記膜質検査用半導体膜および前記膜質
検査用絶縁膜をこの順に形成した以降、前記走査線およ
び前記データ線の少なくともいずれかの配線同士を電気
的に接続するための短絡用配線を前記ゲート電極および
前記走査線と同時に形成するとともに前記膜質検査領域
にも導電膜を同時形成する工程と、所定のマスクを介し
て不純物を導入して前記薄膜トランジスタのソース・ド
レイン領域を形成する工程と、前記ゲート電極および前
記走査線の表面側に前記層間絶縁膜を形成するとともに
前記検査領域側には前記導電膜の表面側に前記検査領域
側絶縁膜を同時に形成する工程と、前記層間絶縁膜に前
記短絡用配線の切断予定部分を露出させる切断用孔を前
記薄膜トランジスタに対するコンタクトホールと同時に
形成するとともに前記膜質検査領域に前記開口部を同時
に形成して前記導電膜を露出させる工程と、前記切断用
孔を介して前記短絡用配線を前記切断予定部分でエッチ
ングにより切断するとともに前記開口部を介して前記導
電膜を同時にエッチング除去することにより前記膜質検
査領域で前記膜質検査用半導体膜および前記膜質検査用
絶縁膜を露出させる工程とを行う。このような製造方法
によれば、静電保護用の短絡線を切断する工程を利用し
て、膜質検査領域を露出させることができるので、工程
数が増えることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。
【0018】[電気光学装置の全体構成]図1は、本形
態に係る電気光学装置を対向基板の側からみた平面図で
ある。図2は、図1のH−H′線で切断したときの電気
光学装置の断面図である。
【0019】図1および図2に示すように、投射型表示
装置などに用いられる電気光学装置300は、石英ガラ
スや耐熱ガラスなどの絶縁基板10の表面に画素電極9
aがマトリクス状に形成されたアクティブマトリクス基
板200と、同じく石英ガラスや耐熱ガラスなどの絶縁
基板41の表面に対向電極32が形成された対向基板1
00と、これらの基板間に電気光学物質として封入、挟
持されている液晶39とから概略構成されている。アク
ティブマトリクス基板200と対向基板100とは、対
向基板100の外周縁に沿って形成されたギャップ材含
有のシール材59によって所定の間隙(セルギャップ)
を介して貼り合わされている。また、アクティブマトリ
クス基板200と対向基板100との間には、ギャップ
材含有のシール材59によって液晶封入領域40が区画
形成され、この液晶封入領域40内に液晶39が封入さ
れている。
【0020】対向基板100はアクティブマトリクス基
板200よりも小さく、アクティブマトリクス基板20
0の周辺部分は、対向基板100の外周縁よりはみ出た
状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリクス
基板200の駆動回路(走査線駆動回路70やデータ線
駆動回路60)や入出力端子45は対向基板100から
露出した状態にある。ここで、シール材59は部分的に
途切れているので、この途切れ部分によって、液晶注入
口241が構成されている。このため、対向基板100
とアクティブマトリクス基板200とを貼り合わせた
後、シール材59の内側領域を減圧状態にすれば、液晶
注入口241から液晶39を減圧注入でき、液晶39を
封入した後、液晶注入口241を封止剤242で塞げば
よい。なお、アクティブマトリクス基板200には、シ
ール材59の形成領域の内側において、画面表示領域1
1を区切りするための遮光膜55が形成されている。ま
た、対向基板100には、アクティブマトリクス基板2
00の各画素電極9aの境界領域に対応する領域に遮光
膜57が形成されている。
【0021】また、対向基板100およびアクティブマ
トリクス基板200の光入射側の面あるいは光出射側に
は、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモード
の別に応じて、偏光板(図示せず。)などが所定の向き
に配置される。
【0022】このように構成した電気光学装置300に
おいて、アクティブマトリクス基板200では、データ
線(図示せず。)およびTFT50を介して画素電極9
aに印加した画像信号によって、画素電極9aと対向電
極32との間において液晶39の配向状態を画素毎に制
御し、画像信号に対応した所定の画像を表示する。従っ
て、アクティブマトリクス基板200では、データ線お
よびTFT50を介して画素電極9aに画像信号を供給
するとともに、対向電極32にも所定の電位を印加する
必要がある。そこで、電気光学装置300では、アクテ
ィブマトリクス基板200の表面のうち、対向基板10
0の各コーナー部に対向する部分には、データ線などの
形成プロセスを援用してアルミニウム膜などからなる上
下導通用の第1の電極47が形成されている。一方、対
向基板100の各コーナー部には、対向電極32の形成
プロセスを援用してITO(Indium Tin O
xide)膜などからなる上下導通用の第2の電極48
が形成されている。さらに、これらの上下導通用の第1
の電極47と第2の電極48とは、エポキシ樹脂系の接
着剤成分に銀粉や金メッキファイバーなどの導電粒子が
配合された導通材56によって電気的に導通している。
それ故、電気光学装置300では、アクティブマトリク
ス基板200および対向基板100のそれぞれにフレキ
シブル配線基板などを接続しなくても、アクティブマト
リクス基板200のみにフレキシブル配線基板99を接
続するだけで、アクティブマトリクス基板200および
対向基板100の双方に所定の信号を入力することがで
きる。
【0023】[アクティブマトリクス基板の全体構成]
図3は、電気光学装置300に用いたアクティブマトリ
クス基板の構成を模式的に示すブロック図である。
【0024】図3に示すように、本形態の駆動回路内蔵
型のアクティブマトリクス基板200では、絶縁基板1
0上に、互いに交差する複数の走査線20と複数のデー
タ線30とに接続するTFT50が形成され、画素電極
9aがマトリクス状に構成されている。走査線20はタ
ンタル膜、アルミニウム膜、アルミニウムの合金膜など
で構成され、データ線30はアルミニウム膜あるいはア
ルミニウム合金膜などで構成され、それぞれ単層もしく
は積層されている。これらの画素電極9aが形成されて
いる領域が画面表示領域11である。
【0025】絶縁基板10上における画面表示領域11
の外側領域(周辺部分)には、複数のデータ線30のそ
れぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路60が構
成されている。また、走査線20の両端部のそれぞれに
は、各々の走査線20に画素選択用の走査信号を供給す
る走査線駆動回路70が構成されている。
【0026】データ線駆動回路60には、X側シフトレ
ジスタ回路、X側シフトレジスタ回路から出力された信
号に基づいて動作するアナログスイッチとしてのTFT
を備えるサンプルホールド回路651、6相に展開され
た各画像信号に対応する6本の画像信号線671などが
構成されている。本例において、データ線駆動回路60
は、前記のX側シフトレジスタ回路が4相で構成されて
おり、入出力端子45を介して外部からスタート信号、
クロック信号、およびその反転クロック信号がX側シフ
トレジスタ回路に供給され、これらの信号によってデー
タ線駆動回路60が駆動される。従って、サンプルホー
ルド回路651は、前記のX側シフトレジスタ回路から
出力された信号に基づいて各TFTが動作し、画像信号
線671を介して供給される画像信号を所定のタイミン
グでデータ線30に取り込み、各画素電極9aに供給す
ることが可能である。
【0027】一方、走査線駆動回路70には、端子を介
して外部からスタート信号、クロック信号、およびその
反転クロック信号が供給され、これらの信号によって走
査線駆動回路70が駆動される。
【0028】本形態のアクティブマトリクス基板200
において、絶縁基板10の辺部分のうち、データ線駆動
回路60の側の辺部分には定電源、変調画像信号(画像
信号)、各種駆動信号などが入力されるアルミニウム膜
等の金属膜、金属シリサイド膜、あるいはITO膜等の
導電膜からなる多数の入出力端子45が構成され、これ
らの入出力端子からは、走査線駆動回路60およびデー
タ線駆動回路70を駆動するためのアルミニウム膜など
の低抵抗の金属膜からなる複数の信号配線74、77が
それぞれ引き回されている。また、信号配線74、77
の途中位置には、後述する静電保護回路65、75が形
成されている。
【0029】[画素およびTFTの構造]図4は、図3
に示すアクティブマトリクス基板の画素部のコーナー部
分を拡大して示す平面図である。図5は、図3に示すア
クティブマトリクス基板の画素の等価回路図である。図
6(A)、(B)はそれぞれ、図4の画素TFT部のA
−A′線、図7の静電気対策部のB−B′線、図1を参
照して後述する膜質検査領域のC−C′線における断面
図、およびそれらの一部を拡大して示す断面図である。
【0030】図4および図5からわかるように、画素電
極9aには、走査線20およびデータ線30に接続する
画素スイッチング用のTFT50が形成されている。ま
た、各画素電極9aに向けては容量線75も形成されて
いる。
【0031】TFT50は、図6(A)、(B)に示す
ように、走査線20と同時形成されたゲート電極3a
と、データ線30の一部としてのソース電極6aが第1
の層間絶縁膜4の第1のコンタクトホール4aを介して
電気的に接続するソース領域1f、1dと、データ線3
0と同時形成されたアルミニウム膜などから構成された
ドレイン電極6dが第1の層間絶縁膜4の第2のコンタ
クトホール4dを介して電気的に接続するドレイン領域
1g、1eとを有している。また、第1の層間絶縁膜4
の上層側には第2の層間絶縁膜7が形成されており、こ
の第2の層間絶縁膜7に形成された第3のコンタクトホ
ール8aを介しては、画素電極9aがドレイン電極6d
に対して電気的に接続している。
【0032】本形態において、第2の層間絶縁膜7は、
ペルヒドロシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を
焼成した絶縁膜71と、CVD法などにより形成された
厚さが約500オングストローム〜約15000オング
ストロームのシリコン酸化膜からなる絶縁膜72との2
層構造になっている。ここで、ペルヒドロシラザンとは
無機ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成すること
によってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング
材料である。たとえば、東燃(株)製のポリシラザン
は、−(SiH2 NH)−を単位とする無機ポリマーで
あり、キシレンなどの有機溶剤に可溶である。従って、
この無機ポリマーの有機溶媒溶液(たとえば、20%キ
シレン溶液)を塗布液としてスピンコート法(たとえ
ば、2000lrpm、20秒間)で塗布した後、45
0℃の温度で大気中で焼成すると、水分や酸素と反応
し、CVD法で成膜したシリコン酸化膜と同等以上の緻
密なアモルファスのシリコン酸化膜を得ることができ
る。従って、この方法で成膜した絶縁膜71(シリコン
酸化膜)は、層間絶縁膜として用いることができるとと
もに、ドレイン電極6dに起因する凹凸などを平坦化し
てくれる。それ故、液晶の配向状態が凹凸に起因して乱
れることを防止できる。
【0033】[静電気対策]このような構成を有するア
クティブマトリクス基板200において、前記のTFT
50、各種の配線、走査線駆動回路70、およびデータ
線駆動回路60は、半導体プロセスを利用して形成され
る。ここで、アクティブマトリクス基板200には絶縁
基板10が用いられていることから、静電気などに起因
する不具合が発生しやすいので、本形態では以下の静電
気対策を施してある。
【0034】まず、本形態では、図3に示すように、走
査線20およびTFT50のゲート電極を形成する工程
を兼用して、すべての信号配線74、77に電気的に接
続する第1の短絡用配線91を形成してある。また、走
査線20およびTFT50のゲート電極を形成する工程
を兼用して、すべての走査線20に電気的に接続する第
2の短絡用配線92を形成してある。さらに、走査線2
0およびTFT50のゲート電極を形成する工程を兼用
して、すべてのデータ線30に電気的に接続する第3の
短絡用配線93を形成してある。
【0035】ここで、第1、第2、および第3の短絡用
配線91、92、93は、あくまで走査線20とTFT
50のゲート電極と一括してゲート絶縁膜2と第1の層
間絶縁膜4との層間に形成されたタンタル膜である。こ
れに対して、信号配線74、77およびデータ線30
は、第1の層間絶縁膜4と第2の層間絶縁膜7との層間
に形成されたアルミニウム膜である。従って、第1およ
び第3の短絡用配線91、93は、アルミニウム膜から
なる信号配線74、77およびデータ線30とは異なる
層間に位置している。
【0036】このため、図7および図6(A)に示すよ
うに、第1および第3の短絡用配線91、93と、配線
6e(信号配線74、77およびデータ線30)とは、
第1の層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール4e
を介して電気的に接続している。
【0037】このようにして、第1、第2、および第3
の短絡用配線91、92、93をそれぞれ信号配線7
4、77、走査線20、およびデータ線30に接続して
おくと、これらの配線構造を形成した以降行われる工程
において静電気などが発生しても、この電荷は第1、第
2、および第3の短絡用配線91、92、93を介して
基板外周側に拡散し、突発的な過剰な電流が走査線2
0、画像表示領域11、走査線駆動回路70、サンプル
ホールド回路、およびデータ線駆動回路60に流れない
ので、こられ全ての部分を静電気から保護することがで
きる。
【0038】但し、第1、第2、および第3の短絡用配
線91、92、93は、アクティブマトリクス基板20
0の製造工程が終了した後には不要なので、詳しくは後
述するが、図3に「×」印を付した位置で、図6
(A)、(B)に示すように、第1の層間絶縁膜4およ
び第2の層間絶縁膜7に切断用孔8bを形成し、この切
断用孔8bを介して短絡用配線3b(第1、第2、およ
び第3の短絡用配線91、92、93)にエッチングを
行うことによって切断してある。このため、図3におい
て、製造工程の途中まで、第1、第2、および第3の短
絡用配線91、92、93はそれぞれ信号配線74、7
7、走査線20、およびデータ線30に接続している
が、切断用孔を介してのエッチング後は、信号配線7
4、77、走査線20、およびデータ線30の各々が電
気的に分離されることになる。これにより、アクティブ
マトリクス基板200では、第1、第2、および第3の
短絡用配線91、92、93を切断した後であれば、電
気特性な検査、および液晶表示装置を製造した後の動作
に支障はない。
【0039】ここで、短絡用配線3b(第1、第2、お
よび第3の短絡用配線91、92、93)は、第1の層
間絶縁膜4および第2の層間絶縁膜7から露出させて切
断するため、第1の層間絶縁膜4には、短絡用配線3b
に相当する部分に切断用孔4b(第1の接続用孔)が形
成され、第2の層間絶縁膜7には、短絡用配線3bに相
当する部分には切断用孔8b(第2の切断用孔)が形成
されている。切断用孔8bは、切断用孔4bに重なる位
置に切断用孔4bより大きな内径をもって形成されてい
る。
【0040】[静電保護回路]図3に示した静電保護回
路65、75としては、各種回路を利用できるが、図8
に示すものでは、保護抵抗66と、プッシュプル配列さ
れたPチャネル型TFT67とNチャネル型TFT68
とを利用しており、それぞれの正電源VDDおよび負電
源VSSとの間にダイオードを構成する。また、本形態
では、第1の短絡用配線91を信号配線73(または7
4)に接続するのは、必ず、入出力端子45と保護抵抗
66との間であり、これにより、入出力端子45あるい
は第1の短絡用配線91から入った静電気は、保護抵抗
66および静電気保護回路65(または75)を通過し
ないとデータ線駆動回路60および走査線駆動回路70
に達しない。このような構成とすることで、静電気は静
電気保護回路65(または75)に確実に吸収され、デ
ータ線駆動回路60および走査線駆動回路70を確実に
保護することができる。
【0041】[膜質検査領域]このように形成したアク
ティブマトリクス基板200については、半導体プロセ
スを利用して各構成要素を形成した後、図3に「×」印
を付した位置で、第1、第2、および第3の短絡用配線
91、92、93を切断し、しかる後に、電気的な検査
を行う。また、この検査工程において不具合と判定され
たものについては、各種の解析が行われ、その結果がフ
ィードバックされる。たとえば、TFT50に対してゲ
ート絶縁膜2とチャネル領域1aの界面の不純物分布な
どといった膜質を検査し、その結果がフィードバックさ
れる。
【0042】このような検査を行うために、図1および
図3に示すように、本形態のアクティブマトリクス基板
200には、画像表示領域11、走査線駆動回路70、
データ線駆動回路60、信号配線74、77などが形成
されていない角部分(図1および図3に向かって右下部
分)には、各辺がそれぞれ1mm程度の矩形の膜質検査
領域80が形成されている。
【0043】この膜質検査領域80では、図6(A)、
(B)に示すように、TFT50のチャネル領域1aお
よびゲート絶縁膜2とそれぞれ同層の膜質検査用半導体
膜1c(シリコン膜)および膜質検査用絶縁膜2c(シ
リコン酸化膜)が積層された膜質検査部が形成されてい
る。この膜質検査用絶縁膜2cは、膜質検査領域側に形
成された各層間絶縁膜4、71、72の開口部8c(開
口部4c、71c、72c)から露出している。また、
開口部8cの周りには、後述するように、開口部8cを
介してエッチングされた導電膜3cの残りの部分があ
る。ここで、膜質検査用半導体膜1cは、チャネル領域
1aよりもかなり広い面積をもつように形成されてい
る。また、膜質検査用半導体膜1cは、開口部8cの形
成領域を含む領域に形成され、この開口部8cの開口面
積と比較してひと回り大きい。
【0044】従って、本形態のアクティブマトリクス基
板200には、TFT50のチャネル領域1aおよびゲ
ート絶縁膜2とぞれぞれ同層の膜質検査用半導体膜1c
および膜質検査用絶縁膜2cが積層された膜質検査領域
80が形成されているので、この膜質検査領域80で検
査を行えば、TFT50のゲート絶縁膜2とチャネル領
域1aの界面の不純物分布などといった膜質を検査する
ことができる。ここで、膜質検査領域80は、層間絶縁
膜4、71、72の開口部8cから露出しているので、
すぐに検査に取りかかることができ、TFT50側で検
査する場合と違って、層間絶縁膜4、71、72やゲー
ト電極3aを除去する必要がない。それ故、膜質検査を
迅速に、かつ、容易に行うことができる。また、このよ
うな膜質検査領域80であれば大きく形成しても、TF
T50のトランジスタ特性などに影響を及ぼさない。従
って、大きな膜質検査領域80を形成することにより、
SIMSによる分析において、膜質検査領域80の一部
をラスターしながら深さ方向における元素分析を高い精
度で行うことができる。しかも、膜質検査領域80は、
トランジスタのチャネル領域と比較してかなり大きな面
積、たとえば、約1mm2 の面積を有しているので、S
IMSによる元素分析に加えて、ラマン散乱分析などを
利用して膜質検査用半導体膜1c(チャネル領域1a)
の結晶化度も検査できる。それ故、アモルファス半導体
膜に対して結晶化処理を行って得た多結晶性半導体膜か
ら形成したTFT50を検査するのに効果的である。
【0045】さらに、本形態において、膜質検査領域8
0は、図1からわかるように、アクティブマトリクス基
板200のうち、対向基板100からはみ出した位置に
形成されている。従って、アクティブマトリクス基板2
00の段階に限らず、アクティブマトリクス基板200
と対向基板100とを貼り合わせて電気光学装置300
を組み立てて点灯検査などを行った後、膜質検査領域8
0での膜質検査を行うこともできる。
【0046】[アクティブマトリクス基板200の製造
方法]このような膜質検査領域80を形成し、かつ、静
電保護対策を行いながら、アクティブマトリクス基板2
00を製造する方法を、図9ないし図11を参照して説
明する。これらの図はいずれも、本形態のアクティブマ
トリクス基板200の製造方法を示す工程断面図であ
り、いずれの図においても、その左側部分には図4のA
−A′線における断面(画素TFT部の断面)、中央部
分には図7のB−B′線における断面(短絡用配線の切
断が行われる静電気対策配線部(図3に「×」印を付し
た部分)の断面)、右側部分には図1のC−C′線にお
ける断面(膜質検査領域80の断面)を示してある。
【0047】まず、図9(A)に示すように、ガラス基
板、たとえば無アリカリガラスや石英などからなる透明
な絶縁基板10の表面に直接、あるいは絶縁基板10の
表面に形成した下地保護膜(図示せず。)の表面全体
に、減圧CVD法などにより厚さが約200オングスト
ローム〜約2000オングストローム、好ましくは約1
000オングストロームのポリシリコン膜からなる半導
体膜1を形成した後、図9(B)に示すように、それを
フォトリソグラフィ技術を用いて、パターニングし、画
素TFT部に島状の半導体膜1h(能動層)を形成す
る。また、膜質検査領域80に島状の膜質検査用半導体
膜1cを形成する。これに対して、静電気対策配線部の
側では半導体膜1を完全に除去する。
【0048】このような半導体膜1の形成は、低温プロ
セスにてアモルファスシリコン膜を堆積した後、レーザ
アニールなどの方法で結晶化させてポリシリコン膜を得
る。
【0049】次に、図9(C)に示すように、CVD法
などによりたとえば400℃程度の温度条件下で絶縁基
板10の全面に厚さが約500オングストローム〜約1
500オングストロームのシリコン酸化膜を形成する。
その結果、画素TFT部では島状の半導体膜1hの表面
にゲート絶縁膜2が形成され、膜質検査領域80では島
状の膜質検査用半導体膜1cの表面に膜質検査用絶縁膜
2cが形成される。
【0050】次に、図9(D)に示すように、ゲート電
極などを形成するためのタンタル膜3を絶縁基板10全
面に形成した後、タンタル膜3をフォトリソグラフィ技
術を用いて、図9(E)に示すように、パターニング
し、画素TFT部の側にゲート電極3aを形成する。ま
た、膜質検査領域80に導電膜3cを残す。これに対し
て、静電気対策配線部には、タンタル膜を短絡用配線3
b(第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、
93に相当する。)として残す。
【0051】次に、図9(F)に示すように、画素TF
T部および駆動回路のNチャネルTFT部の側には、ゲ
ート電極3aをマスクとして、約0.1×1013/cm
2 〜約10×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純
物イオン(リンイオン)の打ち込みを行い、画素TFT
部の側には、ゲート電極3aに対して自己整合的に低濃
度のソース領域1f、および低濃度のドレイン領域1g
を形成する。ここで、ゲート電極3aの真下に位置して
いるため、不純物イオンが導入されなかった部分はチャ
ネル領域1aとなる。このとき、膜質検査領域80で
は、チャネル領域1aと同様、膜質検査用半導体膜1c
は導電膜3cで覆われているので、不純物は導入されな
い。
【0052】次に、図10(A)に示すように、画素T
FT部では、ゲート電極3aよりの幅の広いレジストマ
スクRM1を形成して高濃度の不純物イオン(リンイオ
ン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/c
2 のドーズ量で打ち込み、高濃度のソース領域1dお
よびドレイン領域1eを形成する。このときも、膜質検
査領域80では、チャネル領域1aと同様、膜質検査用
半導体膜1cは導電膜3cで覆われているので、不純物
は導入されない。
【0053】これらの不純物導入工程に代えて、低濃度
の不純物の打ち込みを行わずにゲート電極3aより幅の
広いレジストマスクRM1を形成した状態で高濃度の不
純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソー
ス領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、ゲ
ート電極3aの上に高濃度の不純物(リンイオン)を打
ち込んで、セルフアライン構造のソース領域およびドレ
イン領域を形成してもとよいことは勿論である。
【0054】また、図示を省略するが、周辺駆動回路の
PチャネルTFT部を形成するために、前記画素部およ
びNチャネルTFT部をレジストで被覆保護して、ゲー
ト電極をマスクとして、約0.1×1015/cm2 〜約
10×101015/cm2 のドーズ量でボロンイオンを
打ち込むことにより、自己整合的にPチャネルのソース
・ドレイン領域を形成する。なお、NチャネルTFT部
の形成時と同様に、ゲート電極をマスクとして、約0.
1×1013/cm2 〜約10×1013/cm2のドーズ
量で低濃度の不純物(ボロンイオン)を導入して、ポリ
シリコン膜に低濃度領域を形成した後、ゲート電極より
の幅の広いマスクを形成して高濃度の不純物(ボロンイ
オン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015
cm2 のドーズ量で打ち込み、LDD構造(ライトリー
・ドープト・ドレイン構造)のソース領域およびドレイ
ン領域を形成してもよい。また、低濃度の不純物の打ち
込みを行わずに、ゲート電極より幅の広いマスクを形成
した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、
オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成
してもよい。これらのイオン打ち込み工程によって、C
MOS化が可能になり、周辺駆動回路の同一基板内への
内蔵化が可能となる。
【0055】次に、図10(B)に示すように、ゲート
電極3a、短絡用配線3bおよび導電膜3cの表面側に
CVD法などにより、たとえば400℃程度の温度条件
下で酸化シリコン膜やNSG膜(ボロンやリンを含まな
いシリケートガラス膜)などからなる第1の層間絶縁膜
4を3000オングストローム〜15000オングスト
ローム程度の膜厚で形成する。
【0056】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
第1の層間絶縁膜4にコンタクトホール、切断用孔およ
び開口部を形成するためのレジストマスクRM2を形成
する。
【0057】次に、図10(C)に示すように、画素T
FT部の側では第1の層間絶縁膜4のうち、ソース領域
1dおよびドレイン領域1eに対応する部分、静電気対
策配線部の側では第1の層間絶縁膜4のうち、各短絡用
配線3bに対応する部分の一部、膜質検査領域80の側
では第1の層間絶縁膜4のうち、導電膜3cに対応する
部分の一部にコンタクトホール4a、4d、4e、切断
用孔4bおよび開口部4cをそれぞれ形成する。その結
果、静電気対策配線部の側では、短絡用配線3bの切断
予定部分が露出した状態となる。また、膜質検査領域8
0では、導電膜3cが露出した状態となる。そして、レ
ジストマスクRM2を除去する。
【0058】次に、図10(D)に示すように、第1の
層間絶縁膜4の表面側に、ソース電極などを構成するた
めのアルミニウム膜6をスパッタ法などで形成する。
【0059】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
アルミニウム膜6をパターニングするためのレジストマ
スクRM3を形成する。
【0060】次に、図10(E)に示すように、アルミ
ニウム膜6をパターニングし、画素TFT部では、デー
タ線30の一部としてソース領域1aに第1のコンタク
トホール4aを介して電気的に接続するアルミニウム膜
からなるソース電極6aと、ドレイン領域1eに第2の
コンタクトホール4dを介して電気的に接続するドレイ
ン電極6dとを形成する。また、静電気対策配線部で
は、アルミニウム膜からなる各種の配線6e(データ線
30や信号配線74、77)をコンタクトホール4eを
介して短絡用配線3bに電気的に接続させる。これに対
して、膜質検査領域80ではアルミニウム膜6を完全に
除去する。
【0061】このように、図10(C)〜(E)の工程
を利用して、図7を参照して説明した第1および第3の
短絡用配線91、93と、信号線74、77およびデー
タ線30との配線接続を行う。また、静電気対策配線部
の側では、短絡用配線3bの切断予定部分が露出した状
態となる。そして、レジストマスクRM3を除去する。
【0062】次に、図11(A)に示すように、ソース
電極6a、配線6eおよび第2のパッド下配線6cの表
面側に、ペルヒドロシラザンまたはこれを含む組成物の
塗布膜を焼成した絶縁膜71を形成する。さらに、この
絶縁膜71の表面に、TEOSを用いたCVD法により
たとえば400℃程度の温度条件下で厚さが約500オ
ングストローム〜約15000オングストロームのシリ
コン酸化膜からなる絶縁膜72を形成する。これらの絶
縁膜71、72によって第2の層間絶縁膜7が形成され
る。
【0063】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
第2の層間絶縁膜7にコンタクトホール、切断用孔およ
び開口部を形成するためのレジストマスクRM4を形成
する。
【0064】次に、図11(B)に示すように、第2の
層間絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して、ド
レイン電極6dに対応する部分にコンタクトホール71
a、72aからなる第3のコンタクトホール8aを形成
する。
【0065】このとき、静電気対策配線部において、短
絡用配線3b(第1、第2、および第3の短絡用配線9
1、92、93に相当する。)の切断予定部分では、第
2の層間絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して
切断用孔71b、72bからなる切断用孔8bを構成す
る。従って、短絡用配線3bの切断予定部分が露出した
状態となる。
【0066】また、膜質検査領域80では、第2の層間
絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して開口部7
1c、72cを形成し、導電膜3cを露出させる開口部
8cを形成する。そして、レジストマスクRM4を除去
する。
【0067】次に、図11(C)に示すように、第2の
層間絶縁膜7の表面側に、ドレイン電極を構成するため
の厚さが約400オングストローム〜約2000オング
ストロームのITO膜9(Indium Tin Ox
ide)をスパッタ法などで形成する。
【0068】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
ITO膜9をパターニングするためのレジストマスクR
M5を形成する。
【0069】そして、レジストマスクRM5を用いて、
ITO膜9をパターニングする。その結果、図6
(A)、(B)に示すように、画素TFT部には、第3
のコンタクトホール8aを介してドレイン電極6dに電
気的に接続する画素電極9aが形成される。静電気対策
配線部ではITO膜9が完全に除去される。膜質検査領
域80でもITO膜9が完全に除去される。
【0070】また、本形態では、ITO膜9をパターニ
ングした際には、静電気対策配線部の側で短絡用配線3
bの切断予定部分が切断され、この切断部によって各配
線が分離される。このように製造工程の最終工程で短絡
用配線3bを切断するので、それ以前の多くの工程で発
生する静電気に対して有効である。すなわち、信号配線
74、77(配線6e)を第1の短絡用配線91(短絡
用配線3b)で電気的に接続した状態で各工程を行う。
従って、静電気が発生したり、絶縁基板表面に電荷が蓄
積されても、かかる電荷を第1の短絡用配線91を介し
て基板外周側に拡散させるので、過剰な電流がデータ線
駆動回路60および走査線駆動回路70に突発的に流れ
ない。それ故、データ線駆動回路60および走査線駆動
回路70を保護することができる。また、走査線20の
各々に電気的に接続する第2の短絡用配線92(短絡用
配線3b)を利用して過剰な電流が走査線20に突発的
に流れることを防止するので、走査線20や画面表示領
域11を保護することができる。さらに、データ線30
(配線6e)の各々に電気的に接続する第3の短絡用配
線93(短絡用配線3b)を利用して過剰な電流がデー
タ線30に突発的に流れることを防止するので、データ
線30、サンプルホールド回路、および画面表示領域1
1を保護することができる。
【0071】さらに、膜質検査領域80では、開口部8
cから露出していた導電膜3cが除去され、膜質検査用
絶縁膜2cが開口部8cから露出した状態となる。従っ
て、以降、開口部8cを介して膜質検査用絶縁膜2cお
よび膜質検査用半導体膜1cの膜質検査をすぐに行うこ
とができる。しかも、膜質検査用絶縁膜2cおよび膜質
検査用半導体膜1cは、TFT50のゲート絶縁膜2お
よびチャネル領域1aと略同様な履歴を辿ることになる
ので、膜質検査用絶縁膜2cおよび膜質検査用半導体膜
1hを検査対象としたときでも、より高い精度で、TF
T50のゲート絶縁膜2およびチャネル領域の膜質を検
査できる。
【0072】また、静電保護用の短絡線6bを切断する
工程を利用して、膜質検査領域80を露出させるので、
工程数が増えることがない。ここで、静電保護を行うに
あたっても、短絡用配線3bを走査線20などと同時に
形成し、第1の層間絶縁膜4に第1および第2のコンク
タクトホール4a、4dを形成する際に切断用孔4bを
同時に形成し、さらに第2の層間絶縁膜7に第3のコン
クタクトホール8aを形成する際に切断用孔8bを形成
する。それ故、画素電極9aとドレイン領域1eとをド
レイン電極6dを中継して電気的に接続する場合でも、
TFTを製造していく工程の中で第1の層間絶縁膜4お
よび第2の層間絶縁膜7から短絡用配線3bを露出さ
せ、切断することができ、最小限の工程数で静電保護を
行うことができる。
【0073】[その他の実施形態]なお、上記形態で
は、膜質検査用半導体膜1cは、開口部8cの形成領域
を含む領域に形成されていたが、図12に示すように、
膜質検査用半導体膜1cが開口部8cの内側に形成され
ている構成であってもよい。
【0074】また、上記形態では、電気光学装置の組み
立てに用いるアクティブマトリクス基板に本発明を適用
したが、アクティブマトリクス基板を製造する際に、試
験的に流して工程条件を確認するためのテスト基板に本
発明を適用してもよい。
【0075】さらに、本発明は上記形態に限定されるこ
となく、本発明の要旨の範囲内で種々変形した形態で実
施が可能である。たとえば、本発明は上述の各種の液晶
表示装置に限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズ
ディスプレー装置にも適用できる。さらにまた、本発明
は、SOI(Silicon On Insulato
r)基板やSOS(Silicon On Sapph
ire)基板を用いた場合にも適用できる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、トラ
ンジスタのチャネル領域およびゲート絶縁膜のそれぞれ
と同層の膜質検査用半導体膜および膜質検査用絶縁膜が
積層された膜質検査領域が形成されているので、この膜
質検査領域で検査を行えば、トランジスタのゲート絶縁
膜とチャネル領域の界面の不純物分布などといった膜質
を検査することができる。ここで、膜質検査領域は、層
間絶縁膜と同層の検査領域側絶縁膜の開口部から露出し
ているので、すぐに検査に取りかかることができ、トラ
ンジスタ側で検査する場合と違って、層間絶縁膜やゲー
ト電極を除去する必要がない。それ故、膜質検査を迅速
に行うことができる。また、膜質検査領域であれば大き
く形成しても、トランジスタのトランジスタ特性などに
影響を及ぼさない。従って、大きな膜質検査領域を形成
することにより、SIMSによる検査を高い精度で行う
ことができる。また、SIMSによる検査に加えて、ラ
マン散乱分析などを利用して膜質検査用半導体膜(チャ
ネル領域)の結晶化度も検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電気光学装置を対向基板の側
からみた平面図である。
【図2】図1のH−H′線で切断したときの電気光学装
置の断面図である。
【図3】図1に示す液晶表示パネルに用いたアクティブ
マトリクス基板のブロック図である。
【図4】図3に示すアクティブマトリクス基板の画素部
のコーナー部分を拡大して示す平面図である。
【図5】図3に示すアクティブマトリクス基板の画素の
等価回路図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、図4の画素TFT
部のA−A′線、図7の静電静電気対策部のB−B′
線、図1の膜質検査領域のC−C′線における断面図、
およびそれらの一部を拡大して示す断面図である。
【図7】図3に示すアクティブマトリクス基板における
信号配線と短絡用配線との接続構造を示す平面図であ
る。
【図8】図3に示すアクティブマトリクス基板に構成し
た静電保護回路の回路図である。
【図9】図3に示すアクティブマトリクス基板の製造方
法を示す工程断面図である。
【図10】図9に示す工程に続いて行う各工程の工程断
面図である。
【図11】図10に示す工程に続いて行う各工程の工程
断面図である。
【図12】本発明を適用した別のアクティブマトリクス
基板に形成した膜質検査領域の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体膜 1a チャネル領域 1d ソース領域 1e ドレイン領域 1f LDD領域 1g LDD領域 1h 島状の半導体膜 1c 膜質検査用半導体膜 2 ゲート絶縁膜 2c 膜質検査用絶縁膜 3 ゲート電極 3a ゲート電極 3b 短絡用配線 3c 導電膜 4 第1の層間絶縁膜 4a 第1のコンタクトホール 4b 切断用孔(第1の切断用孔) 4d 第2のコンタクトホール 4e 第1の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール 5b、8b 切断用孔 6a ソース電極 6c 第2のパット下配線 6d ドレイン電極 6e 配線 7 第2の層間絶縁膜 8a 第3のコンタクトホール 8b 切断用孔(第2の切断用孔) 8c 開口部 9a 画素電極 10 絶縁基板 11 画面表示領域 20 走査線 30 データ線 32 対向電極 39 液晶層 40 液晶封入領域 41 絶縁基板 45 入出力端子 47 上下導通材 48 上下導通材 50 TFT 55 遮光膜 56 導通材 57 遮光膜 59 シール材 60 データ線駆動回路 65 静電保護回路 66 保護抵抗 70 走査線駆動回路 75 静電保護回路 71 ポリシラザンを用いた絶縁膜 71a コンタクトホール 71b コンタクトホール 71c コンタクトホール 72 CVD法で形成した絶縁膜 72a コンタクトホール 72b コンタクトホール 73c コンタクトホール 74、77 信号配線 75 容量線 80 膜質検査領域 91 第1の短絡用配線 92 第2の短絡用配線 93 第3の短絡用配線 100 対向基板 200 アクティブマトリクス基板 300 電気光学装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/12 H01L 27/12 T 29/786 29/78 612A 624 Fターム(参考) 2H092 GA29 HA28 JA24 JA37 JA41 JA46 JB22 JB31 JB51 JB77 JB79 KA05 KB25 MA05 MA07 MA13 NA14 NA19 NA27 NA30 PA01 PA03 RA05 4M106 AA10 AA12 AA20 BA14 CB02 CB19 DH11 DH55 5C080 AA10 BB05 DD15 DD19 DD28 FF11 GG09 JJ02 JJ03 JJ06 5C094 AA00 AA42 BA03 BA27 BA31 BA43 CA19 DA13 FA01 FA02 FB12 FB15 GB10 5F110 AA17 AA18 AA22 AA24 BB02 BB04 CC02 CC08 DD02 DD03 EE04 FF02 FF29 GG02 GG13 GG24 GG25 GG47 HJ01 HJ04 HJ13 HL03 HL07 HL23 HM14 NN03 NN04 NN22 NN23 NN35 NN36 NN40 PP03 QQ01 QQ11 QQ19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にトランジスタおよび信号配線が
    形成されたアクティブマトリクス基板において、 前記基板上における前記トランジスタおよび前記信号配
    線が形成されていない領域の少なくとも一か所に、前記
    トランジスタのチャネル領域およびゲート絶縁膜とそれ
    ぞれ同層の膜質検査用半導体膜および膜質検査用絶縁膜
    が積層された膜質検査部が形成されてなることを特徴と
    するアクティブマトリクス基板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記膜質検査部が形
    成された膜質検査領域が、前記トランジスタより上層に
    形成された層間絶縁膜と同層の検査領域側絶縁膜の開口
    部から露出していることを特徴とするアクティブマトリ
    クス基板。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記膜質検査領域
    は、前記トランジスタのチャネル領域よりも大きな面積
    を有していることを特徴とするアクティブマトリクス基
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3のいずれかにおいて、前
    記膜質検査領域は、1mm2 以上の面積を有しているこ
    とを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記膜質検査用半導体膜は、前記開口部の形成領域を含
    む領域に形成されていることを特徴とするアクティブマ
    トリクス基板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    記膜質検査用半導体膜は、前記開口部の内側に形成され
    ていることを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記トラジスタは薄膜トランジスタであり、前記基板上
    には、当該薄膜トランジスタのゲート電極と同層の走査
    線、データ線、および該薄膜トランジスタに接続する画
    素電極が形成されている画像表示領域と、前記走査線お
    よび前記データ線に信号出力する走査線駆動回路および
    データ線駆動回路と、該駆動回路に信号を供給する複数
    の前記信号配線とが形成され、 前記膜質検査領域は、前記基板上における前記画像表示
    領域、前記走査線駆動回路、前記データ線駆動回路、前
    記信号配線が形成されていない領域の少なくとも一か所
    に形成されていることを特徴とするアクティブマトリク
    ス基板。
  8. 【請求項8】 請求項7に規定するアクティブマトリク
    ス基板と、対向基板との間に電気光学物質が挟持されて
    いることを特徴とする電気光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかに規定する
    アクティブマトリクス基板の製造方法において、前記ト
    ランジスタのチャネル領域およびゲート絶縁膜を形成す
    る際に前記膜質検査領域とすべき領域に対して前記膜質
    検査用半導体膜および前記膜質検査用絶縁膜を形成する
    工程と、 前記トランジスタのゲート電極を形成するとともに前記
    膜質検査領域にも導電膜を同時に形成する工程と、 所定のマスクを介して不純物を導入して前記トランジス
    タのソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記ゲート電極の表面側に前記層間絶縁膜を形成すると
    ともに前記検査領域側には前記導電膜の表面側に前記検
    査領域側絶縁膜を同時に形成する工程と、 前記層間絶縁膜に前記トランジスタに対するコンタクト
    ホールを形成するとともに前記膜質検査領域に前記開口
    部を同時に形成して前記導電膜を露出させる工程と、 前記開口部を介して前記導電膜をエッチング除去するこ
    とにより前記開口部から前記膜質検査用絶縁膜を露出さ
    せる工程、 とを少なくとも有することを特徴とするアクティブマト
    リクス基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に規定するアクティブマトリ
    クス基板の製造方法において、前記薄膜トランジスタの
    チャネル領域およびゲート絶縁膜を形成する際に前記膜
    質検査領域とすべき領域に対して前記膜質検査用半導体
    膜および前記膜質検査用絶縁膜を形成する工程と、 前記走査線および前記データ線の少なくともいずれかの
    配線同士を電気的に接続するための短絡用配線を前記ゲ
    ート電極および前記走査線と同時に形成するとともに前
    記膜質検査領域にも導電膜を同時形成する工程と、 所定のマスクを介して不純物を導入して前記薄膜トラン
    ジスタのソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記ゲート電極および前記走査線の表面側に前記層間絶
    縁膜を形成するとともに前記検査領域側には前記導電膜
    の表面側に前記検査領域側絶縁膜を同時に形成する工程
    と、 前記層間絶縁膜に前記短絡用配線の切断予定部分を露出
    させる切断用孔を前記薄膜トランジスタに対するコンタ
    クトホールと同時に形成するとともに前記膜質検査領域
    に前記開口部を同時に形成して前記導電膜を露出させる
    工程と、 前記切断用孔を介して前記短絡用配線を前記切断予定部
    分でエッチングにより切断するとともに前記開口部を介
    して前記導電膜を同時にエッチング除去することにより
    当該開口部から前記膜質検査用絶縁膜を露出させる工
    程、 とを少なくとも有することを特徴とするアクティブマト
    リクス基板の製造方法。
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