JP2000258382A - 検体少量型バイオセンサ - Google Patents

検体少量型バイオセンサ

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JP2000258382A
JP2000258382A JP11103104A JP10310499A JP2000258382A JP 2000258382 A JP2000258382 A JP 2000258382A JP 11103104 A JP11103104 A JP 11103104A JP 10310499 A JP10310499 A JP 10310499A JP 2000258382 A JP2000258382 A JP 2000258382A
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Japan
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capillary structure
biosensor
electrode
specimen
sample
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Yuichiro Noda
雄一郎 野田
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Arkray Inc
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要検体量が少量で、かつ簡易に安価に製造
できるバイオセンサを提供すること。 【解決手段】 ワーク電極とカウンター電極がスペーサ
14を介して対向させているため、両電極を絶縁する工
程が不要となり簡易にバイオセンサを作製できる。比較
的広い電極面積であって検体が少量で測定できる。更
に、キャピラリー構造15に連通する検体溜を連結する
ことによって、穿刺デバイスと組み合わせることによ
り、ゆっくりとした検体の出液であっても確実に正確な
測定が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、間質液等の
検体に含まれる特定成分を測定するためのバイオセンサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、検体中の特定成分について、検体
の希釈や撹拌などを行うことなく簡易に定量できるバイ
オセンサが開示されており、(特公平6−58338号
公報)このバイオセンサの概念図を図12に示す。前記
バイオセンサは、電気絶縁性の基板121上にスクリー
ン印刷でワーク電極122及びカウンター極123から
なる電極系を形成し、親水性高分子と酸化還元酵素とメ
ディエータからなる試薬層を電極系の上部に形成させた
ものである。試薬層上に、基質を含む検体を導入させる
と酵素反応層が溶解し、基質と酵素が反応して基質が酸
化され、メディエータが還元される。還元されたメディ
エータを電気化学的に酸化して得られる酸化電流値から
は、検体中の基質濃度を求めることができる。
【0003】前記バイオセンサは、検体を試薬層へ導入
する手段として、キャピラリー構造124を形成させる
ことによって行っている。キャピラリー構造124は、
電極系を形成した基板と上カバー125とスペーサ12
6から構成される。検体を反応層に導入するためには、
導入口127を検体に触れさせれば良い。検体は毛細管
現象によってキャピラリー構造124の中へ導入され
る。この時、押し出される空気は排出口128から逃げ
ていく。
【0004】キャピラリー構造を用いて検体を導入する
方法は、検体を導入口に触れさせるだけで採取でき、検
体量もキャピラリー構造の体積で済むことから少量で定
量的な採取が可能となる。つまり、簡便な操作で少量か
つ定量的に検体を採取することができる。
【0005】他のバイオセンサの例としては、特開平9
−189675号公報に開示されているものが挙げられ
る。図13に示すように、キャピラリー構造がワーク電
極131とカウンター電極132からなる電極系を形成
した基板と、上カバー133に介在するスペーサ134
から形成されている点において、特公平6−58338
号公報に開示されるバイオセンサと同じであるが、キャ
ピラリー構造の両端が直線的に連通する開口部135を
有する点で異なっており、キャピラリー構造の両端のど
ちらからでも検体を導入できるため、使い勝手の面では
優れている。
【0006】他のバイオセンサの例としては、特願平1
0−16689号に開示されているものが挙げられる。
図14に示すように、ランセットと呼ばれる穿刺デバイ
ス141とバイオセンサ142を、一体として使用する
もので、前記ランセットの穿刺針143がバイオセンサ
142に形成された貫通孔144を通って、皮膚等の生
体表面140を穿刺する様に構成されている。図15に
示すように、貫通孔144は、絶縁性の基板151上に
形成されたワーク電極152とカウンター電極153か
らなる電極系と、スペーサ154および上カバー155
からなるキャピラリー構造と連通しており、検体の導入
口ともなっている。前記構成を取ることによって、皮膚
等の生体表面140を穿刺すると、出液した検体は導入
口に触れて、毛細管現象によってキャピラリー構造の中
へ導入される。つまり、バイオセンサを検体へ触れさせ
るという人為的な操作が不要となり、操作の簡便性にお
いて優れている。
【0007】特願平10−16689号には、図16に
示すようなバイオセンサも開示されている。上カバーを
アルミ板やステンレス板などの金属導体161とし、金
属導体をカウンター電極162にも利用している。カウ
ンター電極162のリードは、金属導体161の裏面、
すなわちカウンター電極162として利用する面の裏面
から取っている。よって同一平面上にワーク電極とカウ
ンター電極の両方を形成する必要がなく、及びワーク電
極163とカウンター電極を絶縁する必要もないため、
絶縁性基板164に形成されたワーク電極163とスペ
ーサ165およびカウンター電極162からなるキャピ
ラリー構造の体積の縮小が、容易な構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のバイオセンサは以下のような問題点を有するもので
あった。特公平6−58338号公報および特開平9−
189675号公報に開示されたバイオセンサに共通す
る問題点は、ワーク電極とカウンター電極からなる電極
系を同一平面上に形成していることである。ワーク電極
とカウンター電極を絶縁するための絶縁部分が必要とな
り、キャピラリー構造の体積を縮小するにあたって弊害
となっていた。測定に必要な検体量はキャピラリー構造
の体積で決まることから、検体量の少量化においても問
題となっていた。前記電極系の面積を小さくすればこの
問題は解決されるが、電極の面積は測定値に直接影響す
ることから再現良く作製する必要があり、面積を小さく
すればするだけより厳しい精度が要求されるため、製造
コストにも影響を及ぼしてしまう。
【0009】特願平10−16689号に開示されたバ
イオセンサでは、板状のバイオセンサが皮膚との当接面
に沿うように設置されている。穿刺する場所が指先では
なく前腕部などゆっくりと出液する場所の場合は、出液
した検体がゆっくりとキャピラリー構造の中へ導入され
る場合があるため、改良が望まれていた。
【0010】特願平10−16689号に開示された図
16に示すバイオセンサは、上カバーがアルミ板やステ
ンレス板などの金属導体からカウンター電極を形成して
いるが、金属であるため加工が制限されたり、製造コス
トが高くなったり、バイオセンサを使い捨てする場合
は、廃棄による問題があり改良が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、絶縁性基板上に形成されたワーク電極と、絶
縁性基板上に形成されたカウンター電極と、スペーサ
と、試薬層を有するバイオセンサであって、前記ワーク
電極と前記カウンター電極が対向するように配置された
バイオセンサを提供する。前記キャピラリー構造の断面
の一辺が0.1ミリメートル以上であり、面積も1平方
ミリメートル以下である事が望ましい。また、前記キャ
ピラリー構造の両端に開口部を有する場合である事が望
ましい。
【0012】加えて、前記キャピラリー構造と直線的に
連通する略筒状の検体溜を更に有する事が好ましく、前
記検体溜が定量機能を有すると特に好ましい。検体溜を
有するバイオセンサは、穿刺針と穿刺針の保持手段と穿
刺針の移動手段を有する穿刺デバイスであって、前記直
線的に連通するキャピラリー構造と検体溜を通して穿刺
針を移動させることによって生体表面を穿刺する穿刺デ
バイスに装着して使用すると好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳しく説明する。
【0014】図1は本発明の1例を示す斜視図である。
絶縁性基板11a上に形成されたワーク電極12と絶縁
性基板11b上に形成されたカウンター電極13がスペ
ーサ14を介して対向するとともにワーク電極12とカ
ウンター電極13とスペーサ14によってキャピラリー
構造15が形成されている。図1では、キャピラリー構
造15が両端に直線的に連通する開口を有することによ
って、2つの開口のどちらからでも検体を導入すること
が可能となっている。
【0015】絶縁性基板11a,11bは、耐水性等実
用的に問題のない物理的強度等を有する物であれば特に
限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレートやこれらの単位を主成
分とする共重合体ポリエステル等のポリエステル、6−
ナイロンや6,6−ナイロンやこれらの単位を主成分と
する共重合ポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレン
やこれらの単位を主成分とする共重合ポリオレフィン、
芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール
系ポリマー、などからなる基板を例示することができ
る。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート単位を85重量%以上有するポリエス
テル、ポリエチレンやポリプロピレンやこれらの単位を
主成分とする共重合ポリオレフィンからなる基板がその
物理的特性や経済性、環境適合性等からより好ましい。
但し、ワーク電極を形成する絶縁性の基板11aとカウ
ンター電極を形成する絶縁性の基板11bが同一素材で
ある必要はない。また、基板の厚みは特に制限されるも
のではないが、取り扱い性、物理的強度等を考慮すれ
ば、100〜300μm程度であるのが好ましい。但
し、厚みに関しても、ワーク電極を形成する絶縁性の基
板11aとカウンター電極を形成する絶縁性の基板11
bが同一である必要はない。
【0016】ワーク電極12およびカウンター電極13
の材料は、電極として使用できる導電性の材料であれば
特に制限なく用いることができるが、金、白金、銀等の
貴金属やカーボンまたはこれらの混合物を例示すること
ができる。但し、ワーク電極12とカウンター電極13
の材料が同一である必要はない。ワーク電極12および
カウンター電極13は、蒸着、化学メッキ、樹脂バイン
ダーを含む導電性インキを塗布あるいはスプレー塗装す
るなどの手段により絶縁性基板の全面に形成しても良い
し、スクリーン印刷等によって所望のパターンに形成す
ることも可能である。但し、形成の手段においてもワー
ク電極12とカウンター電極13が同一である必要はな
い。例えば、ワーク電極12が金を蒸着することによっ
て絶縁性の基板の全面に形成し、カウンター電極13が
カーボンインキを用いたスクリーン印刷によって所望の
パターンを描いて形成することも可能である。図4は、
図3に示したバイオセンサー内部にあるワーク電極12
とカウンター電極13のパターンを示した1例である。
【0017】図2は、図1に示したバイオセンサー内部
にあるワーク電極12とカウンター電極13のパターン
を示した1例を示す。斜線部は、図1に示したスペーサ
14部分である。ワーク電極12およびカウンター電極
13は、例えば絶縁性基板の全面に金を蒸着して形成さ
せれば、電極とリード22a,22bを同時に作製する
ことができる。
【0018】電極を形成するのに、絶縁性基板の全面に
導電体を形成した場合には、絶縁部21a,21bを設
けると好適である。スクリーン印刷,パターン蒸着等に
よって電極パターンを形成する場合には、絶縁部分を有
する刷版、又はマスクパターンを用いることにより形成
される。絶縁部21a,21bは、導電体を実質的に絶
縁することができれば、どの様な公知手段を用いても良
く、例えば、レーザートリミング法,エッチング法,刃
物を用いたハーフカット法等を挙げることができる。前
記ハーフカット法とは、導電体(例えば金の蒸着)が形
成された基板全体を切断してしまうのではなく、少なく
とも導電体(例えば金の蒸着)が切断される程度の深さ
であって基板自体は切断されない程度の深さに刃を入れ
ることをいう。
【0019】図2に示した絶縁部21a,21bの役割
は、検体不足による誤測定の防止である。すなわち、ワ
ーク電極12と3つのカウンター電極13に検体が導入
されることにより電気的な導通が起こり、キャピラリー
構造15が検体によって満たされたことを検知できる。
カウンター電極13に2本の絶縁ギャップ21bを形成
させている理由は、図1に示す通りキャピラリー構造1
5が両端に直線的に連通する開口を有するため、どちら
からでも検体を導入することができ、又キャピラリー構
造の内側に穿刺針を移動可能な状態に設置させたもので
ある。
【0020】スペーサ14は、ワーク電極12とカウン
ター電極13の間に介在させることによって両電極を絶
縁するとともにキャピラリー構造15を形成して、体積
を制限する役割を担っている。更に、図2に示す通り、
絶縁性基板の全面に導電体を形成した場合には、電極と
して働く部分以外を被覆することによって電極面積を規
制する役割をも担っている。
【0021】スペーサ14は例えば、基材の両面に圧着
性もしくは熱着性の粘着材が糊着された両面テープもし
くは両面ヒートテープ等が好適である。テープの基材
は、不織布、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレンなど公知のものが使用できるが、刃物
等を用いて加工する際に精度良く加工し易い硬質プラス
チック、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材の厚みに特に制限はないが、後に述べる好ましい粘
着材の厚みとの関係や取り扱い性およびキャピラリー構
造15断面の好ましい一辺の長さ等を考慮すると、50
マイクロメートル以上であるのが好ましい。粘着材は、
アクリル系粘着材、ゴム系粘着材など公知の粘着材を使
用することができる。粘着材の厚みは、電極面積を規制
する上で重要であり、1〜50マイクロメートルである
のが好ましい。即ち、粘着材が50マイクロメートル以
上になると粘着材がはみ出してしまい、電極面積のばら
つく原因になり測定性能を悪化させる。よって特に好ま
しいのは、25マイクロメートル以下である。
【0022】キャピラリー構造15は図1に示した両端
に直線的に連通する開口部を有する形態の他に、図3に
示すように、排出口31を有する形態とすることができ
る。検体は導入口32からキャピラリー構造15の中に
導入され、押し出される空気は排出口31から逃げて行
く。
【0023】図1および図3に示したキャピラリー構造
15の(スペーサ14からなる内壁に垂直な)断面は、
ワーク電極12とカウンター電極13とスペーサ14を
それぞれ辺とする四角形となっているが、これに限定さ
れるものではなく、例えば円形であって良い。但し、作
製の容易さを考慮すれば、四角形、特に長方形である事
が好ましい。キャピラリー構造15の断面が四角形であ
る場合には、一辺の長さは0.1ミリメートル以上であ
る事が好ましい。0.1ミリメートル以下の辺が存在す
ると、粘性の高い検体、例えばヘマトクリット値の高い
検体や低温の検体をキャピラリー構造15の中に導入す
るのが困難になるからである。しかし、前記断面の面積
を大きくすると毛細管現象が起こらなくなる場合があ
り、また、必要検体量を低減するという本発明の目的に
合致しなくなるため、毛細管現象が起こる程度の大きさ
であることが条件となる。
【0024】図5は図1に示したバイオセンサの断面図
である。図5に示すように、本発明のバイオセンサは、
試薬層51に酸化還元酵素が含まれている。試薬層51
をカウンター電極13上に形成しているが、図2にある
バイオセンサの断面図を示した図6の様に、ワーク電極
12上に形成することも可能である。試薬層51に含ま
れる酸化還元酵素は、測定の対象となる物質によって、
例えば、グルコースを測定する場合であればグルコース
オキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸
を測定する場合であれば乳酸オキシダーゼ、コレステロ
ールを測定する場合であればコレステロールオキシダー
ゼ、という様に選択して使用することができる。所望で
あれば、フェリシアン化カリウム、フェロセン等のメタ
ロセン化合物やキノン類等のメディエータを含む試薬層
とすることも容易である。また、必要であればニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドフォスフェート、ピロロキノリンキノ
ン等の補酵素を含む試薬層とすることも可能である。
【0025】図7はキャピラリー構造15に直線的に連
通する検体溜71を有するバイオセンサを示す平面図で
ある。図7に示すバイオセンサは、図1に示したバイオ
センサとそれを囲む成型体73とこの成型体73に形成
された検体溜71およびリードピン穴72a,72bか
らなる。リードピン穴72aの円に印した×の記号は紙
面表側から裏側へ向かってリードピンが挿入されること
を示しており、リードピン穴72bの円に・印の記号は
紙面裏側から表側へ向かってリードピンが挿入されるこ
とを示している。図中の検体溜71は、円錐の頂部を除
いた形状であるが、円筒状,直方体状等の任意の略筒状
とすることもできる。また、検体溜71の大きさや形状
によって定量機能を有するようにすると好適である。例
えば、必要量の検体が検体溜71に溜まった状態になっ
たときに初めて、検体がキャピラリー構造15の端部に
触れ、キャピラリー構造中を満たすことにより確実な測
定ができる。
【0026】図8は穿刺針81と穿刺針の保持手段82
と穿刺針の移動手段83とを備えた穿刺デバイスに、図
7に示したバイオセンサを装着して使用する模式図であ
る。穿刺デバイスは、皮膚等の生体表面80に検体溜7
1が接するように配置されている。穿刺針の移動手段8
3により穿刺針81はキャピラリー構造15の内部を移
動し、生体表面80を穿刺することができる。穿刺によ
って傷つけられた生体表面80からは検体が出液して検
体溜71に溜まり、必要な量の検体が溜まった後に、キ
ャピラリー構造15へ毛細管現象によって導入され、測
定に供されることになる。弾性体84は、穿刺針81が
生体表面80を穿刺した後に元の位置に戻れるように設
けられている。図8では、穿刺針81は穿刺デバイス本
体と一体に描かれているが、衛生上の問題や感染の危険
等の観点から穿刺針81を着脱可能な使い捨てとする事
が好ましい。
【0027】図8には示していないが、検体の出液を促
進するために、検体溜71とキャピラリー構造15内を
陰圧とするための減圧機構を穿刺デバイスに備えること
も可能である。また、リードピン穴72a,72bから
リードピンを挿入して穿刺デバイスとバイオセンサを電
気的に接続すれば、電気化学的な測定が可能となる。
【0028】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。 (実施例1)バイオセンサの1例として、グルコースセ
ンサを作製した。厚さ100マイクロメートルのポリエ
チレンテレフタレート(以下、PETと略記)からなる
基板の一表面の全面に金を蒸着し、金蒸着基板101を
作製した。次に、厚さ150マイクロメートルのPTE
に、厚さ25マイクロメートルのアクリル系粘着材が塗
布された両面テープ91(全体の厚みは200マイクロ
メートル)を台紙92を残して切断し、不要部分を剥が
すことにより、図9に示すような幅2.5ミリメート
ル、間隙1ミリメートルおよび10ミリメートルの両面
テープパターン93を作製した。作製した両面テープパ
ターン93の台紙92と反対側の面の剥離紙を剥がし、
粘着材を露出させて金蒸着基板101に圧着した。続い
て圧着した両面テープパターン93の台紙92を剥がし
た。(図10)
【0029】次に、両面テープパターンの間隙1ミリメ
ートルの部分にできる溝102に試薬水溶液を1平方ミ
リメートルあたり1マイクロリットル分注し、摂氏50
度で10分間乾燥して試薬層51を形成した。試薬水溶
液は、酸化還元酵素としてグルコースオキシダーゼ、メ
ディエータとしてフェリシアン化カリウム、両者のバイ
ンダーとしてカルボキシメチルセルロースをそれぞれ1
000(ユニット/ミリリットル)、3(重量%)、
0.5(重量%)の濃度に調製した。更に試薬層51の
上に、毛細管現象を促進させるためのレシチン層を形成
した。レシチン層は、卵黄レシチン0.5(重量%)の
トルエン溶液を1平方ミリメートルあたり1マイクロリ
ットル分注し、室温乾燥により形成した。
【0030】試薬層51およびレシチン層を形成した
後、別の金蒸着基板101を金を蒸着した面が対向する
ように(金を蒸着した面が両面テープ91に接するよう
に)圧着した。これを11ミリメートル×1ミリメート
ルの短冊状に切断し、不要部分を切除することによって
図1のような形状のグルコースセンサを得た。キャピラ
リー構造15の体積は、0.2立方ミリメートルであ
り、必要な検体量がわずか0.2マイクロリットルであ
ることを意味している。
【0031】前記グルコースセンサを用いて測定を行っ
た。測定サンプルには、種々のグルコース濃度に調製し
た全血を用いた。試薬層51を形成した方の金蒸着基板
101をワーク電極12とした。測定装置は、ポテンシ
ョスタット(BAS 100B/W、BAS社製)を用
いた。ポテンショスタットとグルコースセンサの電気的
接続は、リード22a,22bをワニ口クリップで挟む
ことによって行った。
【0032】全血をグルコースセンサのキャピラリー構
造15の端部に、触れさせることによってキャピラリー
構造15の中に導入し、25秒後に500ミリボルトの
一定電圧を印加し、電圧を印加してから5秒後の電流を
測定した。得られた電流値とグルコース濃度をプロット
(図11)すると、良好な直線関係が得られた。スペー
サ14を介してワーク電極12とカウンター電極13を
対向させたことで、両電極を絶縁する工程が不要とな
り、簡易にバイオセンサを作製することができた。ま
た、1ミリメートル×1ミリメートルという比較的広い
電極面積でありながら、わずか0.2マイクロリットル
の検体で測定が行うことができた。
【0033】(実施例2)厚さ450マイクロメートル
のポリスチレンに、粘着材の厚さが25マイクロメート
ルである両面テープ91(全体の厚みは500マイクロ
メートル)を使用したこと、及び試薬水溶液の分注量を
1平方ミリメートルあたり2.5マイクロリットルに変
更したこと以外は、実施例1と同様にしてグルコースセ
ンサの作製を行った。
【0034】図7に示すように、グルコースセンサを囲
むようにセット可能な成型体73を透明なビニル樹脂を
用いて作製した。検体溜71は断面が1ミリメートル×
1ミリメートルで長さ(奥行き)が1.5ミリメートル
の直方体形状とした。リードピン穴72a,72bは、
直径0.8ミリメートルの円形に形成した。
【0035】穿刺デバイスは、減圧機構の備わった市販
のランセットの先端部分を改造して作製した。電気的接
続は、リードピン穴72a,72bからリードピンを挿
入しリード22a,22bに押しつけることによって得
た。測定は、実施例1と同じポテンショスタットを用い
た。ランセットにバイオセンサをセットした成型体73
を装着し、測定装置に電気的に接続した後、検体溜71
を皮膚に密着するように押しつけて穿刺し、ランセット
の減圧機構を用いて検体溜71およびキャピラリー構造
15の内部を陰圧にし、検体の出液を促した。徐々に出
液する検体は検体溜71に溜まって行き、キャピラリー
構造15の端部に触れた瞬間にキャピラリー構造15の
中に導入される様子が観察された。
【0036】また、穿刺前からバイオセンサに500ミ
リボルトの一定電圧を継続的に印加しておき0.1秒毎
に電流を測定したところ、キャピラリー構造15に検体
が導入されると上昇する電流が観察された。上昇する電
流を指標として、穿刺および減圧操作からキャピラリー
構造15へ検体が導入されるまでの時間を調べたとこ
ろ、穿刺する場所によって大きなばらつきが見られ、5
〜70秒であった。一方、電流の上昇が始まってからピ
ークに達するまでの時間を調べたところ、大きなばらつ
きは見られず、0.2〜1秒であった。測定後にランセ
ットからバイオセンサ(成型体73を含む)を取り外し
てキャピラリー構造15を目視観察したが、いずれの場
合もキャピラリー構造15が検体によって満たされてい
る事が確認できた。
【0037】キャピラリー構造15と検体溜71が直線
的に連通していることによって、穿刺針を移動させて穿
刺することができる上、検体溜71を設けることにより
ゆっくりとした出液にも対応し得るバイオセンサを得る
ことができた。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ワーク電
極12とカウンター電極13がスペーサ14を介して対
向しているので、両電極を絶縁する工程が不要となって
簡易にバイオセンサを作製でき、また、比較的広い電極
面積でありながら非常に微量な検体で測定できる。更
に、キャピラリー構造15に連通する検体溜71を有す
る構成として、これらを通して穿刺する穿刺デバイスと
組み合わせて使用することによって、ゆっくりとした検
体の出液であっても確実に正確な測定が可能となる。加
えて、カウンター電極13の材料として導体を用いる必
要がなく、平板状の部材を組み合わせて作製できるの
で、材料コスト,製造コストともに安価なバイオセンサ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バイオセンサの1例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示すカウンター電極の1例を示す平面
図である。
【図3】 バイオセンサの他の1例を示す斜視図であ
る。
【図4】 図3に示すワーク電極とカウンター電極の1
例を示す平面図である。
【図5】 図1に示すバイオセンサの断面図である。
【図6】 図3に示すバイオセンサの断面図である。
【図7】 バイオセンサの他の1例を示す平面図であ
る。
【図8】 図7に示したバイオセンサを装着した模式図
である。
【図9】 両面テープパターンの平面図である。
【図10】 両面テープパターンを貼り付けた金蒸着基
板の平面図である。
【図11】 グルコース濃度と電流値の関係を示すグラ
フである。
【図12】 従来のバイオセンサを示す分解斜視図であ
る。
【図13】 他の従来のバイオセンサを示す斜視図であ
る。
【図14】 他の従来のバイオセンサをランセットとを
一体的に使用する様子を描いた断面図である。
【図15】 図14のバイオセンサを示す分解斜視図で
ある。
【図16】 他の従来のバイオセンサを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11a,11b 絶縁性基板 12 ワーク電極 13 カウンター電極 14 スペーサ 15 キャピラリー構造 21a,21b 絶縁ギャップ 22a,22b リード 31 排出口 32 吸引口 51 試薬層 71 検体溜 72a,72b リードピン穴 73 成型体 80 生体表面 81 穿刺針 82 穿刺針の保持部 83 穿刺針の移動手段 84 弾性体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成されたワーク電極及
    びカウンター電極と、スペーサと試薬層を有するバイオ
    センサであって、前記ワーク電極と前記カウンター電極
    が対向するバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記スペーサが形成するキャピラリー構
    造に直線的に連通する検体溜を設けた請求項1に記載す
    るバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記スペーサが形成するキャピラリー構
    造の内側に、穿刺針が移動できるようにバイオセンサを
    配置させる請求項1又は2に記載するバイオセンサの使
    用方法。
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