JP2000258381A - 火力プラント給水系における腐食速度測定法及び腐食速度測定装置並びにそれらを利用した水質管理方法 - Google Patents

火力プラント給水系における腐食速度測定法及び腐食速度測定装置並びにそれらを利用した水質管理方法

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JP2000258381A
JP2000258381A JP11062372A JP6237299A JP2000258381A JP 2000258381 A JP2000258381 A JP 2000258381A JP 11062372 A JP11062372 A JP 11062372A JP 6237299 A JP6237299 A JP 6237299A JP 2000258381 A JP2000258381 A JP 2000258381A
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corrosion rate
water supply
corrosion
supply system
thermal power
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Noboru Kawai
登 河合
Kunihisa Wada
邦久 和田
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Central Research Institute of Electric Power Industry
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造材の腐食速度に関するデータ、特に高温
・高圧下における瞬間的腐食速度を定量的かつ連続的に
採取し、腐食状況を直接的に把握する。 【解決手段】 火力プラント給水系1の構造材2と同一
材質からなる電極4と貴金属からなる電極5とで電極対
3を構成し、該電極対3を火力プラント給水系1の循環
水路6に配置し、火力プラント給水系1におけるこの電
極対3間で発生する電流値を測定し、電極対3がさらさ
れている環境下での構造材2の平均腐食速度とそのとき
の電極対3間で発生する電流密度の平均値との相関関係
を利用して測定電流値から構造材2の腐食速度を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力プラント給水
系における腐食速度測定法に関する。さらに詳述する
と、本発明は、火力発電プラントの高温・高圧環境下を
含む汽水循環系の水質管理、中でも特に酸素処理法を実
施する場合の水質管理に供される給水系統構造材の腐食
速度測定法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素処理法が適用されている火力プラン
トとしては例えば図5に示すようなものがある。このプ
ラントでは、系統循環水(以下、循環水という)が、復
水器101、復水ポンプ102、復水脱塩装置103、
グランド蒸気復水器104、復水昇圧ポンプ105、低
圧給水加熱器106、脱気器107、給水ポンプ10
8、高圧給水加熱器109そして節炭器110を通り火
炉(ボイラ)111に送られる。給水された火炉111
で発生した蒸気は汽水分離器112を通過した後に過熱
器115で過熱蒸気とされ、高圧タービン117でター
ビン・発電機を回転させる仕事をした後、再熱器116
に送られる。再熱された蒸気は、中圧タービン118、
低圧タービン119と順次通過する段階で再び仕事を
し、その後、復水器101において凝縮されて水に戻る
という循環を繰り返す。尚、符号113はボイラ循環ポ
ンプ、114は高圧分離筒である。
【0003】酸素処理法は、こうした汽水循環系のう
ち、特に低圧給水加熱器106〜火炉111までの高温
・高圧の環境下にある給水系およびボイラ系構造材であ
る炭素鋼(あるいは低合金鋼など)の防食を目的とする
水処理法であり、例えば低圧給水加熱器106の入口部
のアンモニア注入装置120、酸素注入装置121およ
び脱気器107の出口部の酸素注入装置122を用いて
アンモニアおよび酸素を注入することにより炭素鋼表面
に溶解度の低い鉄酸化物(Fe)の保護皮膜を形
成し、腐食の防止を図っている。
【0004】そして、このように腐食防止が図られた給
水系構造材の内表面の実際の腐食状況は、例えば、給水
系を循環する高温水を採取し、この給水中に含まれてい
る溶出した鉄の濃度を分析するというサンプリング作業
によって求められている。これにより給水系における構
造材の腐食状況を把握し、循環水の酸素濃度やアンモニ
ア濃度が適切であるかどうかの判断をしてプラントの保
守と運転条件の最適化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな給水中の鉄濃度分析に基づく従来の腐食評価法のみ
では、循環水が流れている状況下で実際の構造材内表面
の腐食状況を実時間で測定することができないという問
題があった。すなわち、通常は上述のように鉄濃度の分
析などによって給水系の腐食状況を求めているが、この
ような方法は間接的な指標であり、構造材の実際の腐食
状況を定量的・連続的に求めることができない。
【0006】また、この鉄濃度を分析する際に、例えば
金属自動分析計などの機器がない場合には、試験水のサ
ンプリングや金属濃度の分析・測定に時間がかかり、多
くの労力を必要とするため、実時間での直接的なデータ
が採取できず、水質管理の迅速な対応が難しいという問
題もある。
【0007】そこで、本発明は、構造材の腐食速度に関
するデータ、特に高温・高圧下における瞬間的腐食速度
を定量的かつ連続的に採取し、腐食状況を直接的に把握
することにより運転条件の最適化を図ることができる火
力プラント給水系における腐食速度測定法及び腐食速度
測定装置並びにそれらを利用した水質管理方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明者等が火力プラントの給水系において循環水
を分岐し、プラントの運転条件に影響を与えずに構造材
(一般的には炭素鋼)の腐食状況を測定する腐食速度測
定システムを試作して種々実験・検討した結果、循環水
中の構造材・炭素鋼の腐食速度とこの循環水中における
電流値との間に相関関係が求められることを知見するに
至った。
【0009】即ち、測定対象である炭素鋼を一方の電極
(試料電極)、腐食しない貴金属を他方の電極(対照電
極)とした電極対を作製し、各種の水質条件において作
動させた場合、試験時間の経過に伴う電流の減少傾向が
高温水中での皮膜の成長に対応すること、およびこれら
の電気化学的特性はプラントの負荷変動にも対応するこ
とが明らかとなった。そして、このときの電流密度から
瞬間的な腐食速度を評価できること、つまり腐食速度測
定法としてこのような電極対が適用できることを知得し
た。
【0010】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであり、請求項1記載の発明の火力プラント給水系に
おける腐食速度測定法では、火力プラント給水系の構造
材と同一材質からなる試料電極と貴金属からなる対照電
極とで電極対を構成し、該電極対を火力プラント給水系
統内に配置してこの電極対間で発生する電流値を測定
し、電極対がさらされている環境下での構造材の平均腐
食速度とそのときの電極間で発生する電流密度の平均値
との相関関係を利用して測定電流値から構造材の腐食速
度を実時間で求めるようにしている。
【0011】即ち、火力プラントの給水系構造材として
使用されている炭素鋼の表面に高温水中で形成される皮
膜は、酸素を注入しない場合はFe(マグネタイ
ト)という酸化物となり、また酸素処理法のように微量
の酸素を注入した給水中ではFe(ヘマタイト)
という安定な酸化物となる。これら皮膜は運転時間の経
過と共に構造材内表面に形成され、さらに成長すること
によって一般に腐食が抑制されるようになる。このと
き、このように皮膜が生成されるのに伴い、電極として
用いられた火力プラント給水系の構造材と同じ材質即ち
炭素鋼材料の表面にも同様に安定な酸化皮膜が生成さ
れ、さらに成長することによって貴金属と同様の挙動即
ち腐食が抑制されるようになる。そして、異種金属間で
発生していた電流が減少することとなる。つまり、電極
における腐食速度は構造材内表面における実際の腐食の
速度と相関を有し、さらに近似した環境下ではほぼ同一
視できると考えられることから、本発明ではこの電極に
おける変化に着目し、電極対の間で発生する電流変化を
測定し、その測定電流密度からそのときの構造材表面で
の腐食速度を求めることとした。
【0012】このような測定法によれば、測定電流密度
から構造材の腐食速度に関する一義的なデータを定量的
かつ連続的に採取し、腐食状況を直接的に把握して実時
間で定量的に評価することができる。これにより最適水
質などを検討し、連続注入する酸素量を適正値に保持し
て運転条件の最適化を図ることができる。また設備診断
を迅速に行うことが可能となると共に、運転保守面にお
ける負担も軽減される。
【0013】また請求項2記載の発明の火力プラント給
水系における腐食速度測定装置は、火力プラント給水系
から系統循環水の一部を分流させる分岐水路と、火力プ
ラント給水系の構造材と同一材質からなる試料電極と貴
金属からなる対照電極とで構成される電極対を分岐水路
を流れる系統循環水にさらして電流を発生させその電流
値を測定する手段と、電極対がさらされている環境下で
の火力プラント給水系の構造材と同一材料の平均腐食速
度とそのときの電極対間で発生する平均電流密度との相
関関係を利用して測定電流値から火力プラント給水系構
造材の腐食速度を実時間で求める手段とを備えるように
している。
【0014】したがって、あらかじめ求められている平
均腐食速度とそのときの平均電流密度との相関関係に基
づいて、測定電流密度に対応する腐食速度を一義的に、
そして定量的かつ連続的に求めることができる。
【0015】また、請求項3記載の発明の火力プラント
給水系における腐食速度測定装置は、火力プラント給水
系から系統循環水の一部を分流させる分岐水路と、該分
岐水路を流れる系統循環水に火力プラント給水系の構造
材と同一材料の腐食試験片をさらして電極対がさらされ
ている環境下での腐食試験片の平均腐食速度を求める腐
食試験手段と、火力プラント給水系の構造材と同一材質
からなる試料電極と貴金属からなる対照電極とで構成さ
れる電極対を分岐水路を流れる系統循環水にさらして電
流を発生させその電流値を測定する手段と、腐食試験手
段で得られた腐食試験片の平均腐食速度とそのときの電
極対間で発生する平均電流密度との相関関係を求める手
段と、この相関関係を利用して測定電流値から構造材の
腐食速度を実時間で求める手段とを備えるようにしてい
る。
【0016】この場合、腐食試験片を循環水路の途中に
配置しているので、この試験片の腐食速度は給水系構造
材の内表面の腐食速度とほぼ等しいと置き換えることが
可能であり、ここから平均腐食電流密度と構造材の平均
腐食速度との相関関係が求められる。そこで、実機のス
タートアップ時などに、火力プラント給水系構造材と同
一材料の腐食試験片が分岐水路を流れる系統循環水にさ
らされて腐食するときの平均腐食速度とそのときの平均
電流密度との相関関係即ち各プラント毎の固有の相関関
係を蒐集したデータを基に作成し、これを適用して電極
対間の測定電流値から構造材の腐食速度に関する一義的
なデータを実時間で定量的かつ連続的に求めることがで
きる。
【0017】さらに請求項4記載の発明では、請求項2
または3記載の火力プラント給水系における腐食速度測
定装置において、分岐水路の電極対または腐食試験片よ
りも上流側に減圧機構を設けるようにしている。この場
合、一般に給水ポンプより下流側では200kgf/c
を越える圧力であるが、この減圧機構により100
kgf/cm以下の低い圧力下での測定が可能となる
ことから、現在使用されている一般的な電極等を使用で
きるようになる。また、適正な圧力下で測定を行うこと
により高温水条件を保持することができる。
【0018】また、請求項5記載の発明の火力プラント
給水系の水質管理方法は、請求項1記載の火力プラント
における腐食速度測定法あるいは請求項2または3記載
の火力プラントにおける腐食速度測定装置によって求め
られる構造材の腐食速度を監視し、この腐食速度の変化
に応じて給水系に連続注入する水処理剤の濃度を適正に
保つようにしている。この場合、水質管理条件、例えば
酸素処理法による複合水処理条件あるいは揮発性物質処
理法による処理条件を常時適正な状態に維持できるの
で、火力プラント給水系の構造材の腐食の進行を防ぐこ
とができる。例えば、酸素処理法による水質管理方法の
場合、最適水質などを検討して連続注入する酸素量を適
正値に保持することにより運転条件の最適化を図ること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1と図2に、本発明の火力プラント給水
系における腐食速度測定法を実施する腐食速度測定装置
の一実施形態を示す。この腐食速度測定装置10は、火
力プラント給水系1の循環水路6から系統循環水の一部
を分流させる分岐水路7と、この分岐水路7を流れる系
統循環水に火力プラント給水系1の構造材2と同一材料
の腐食試験片21をさらして電極対3がさらされている
環境下での腐食試験片21の平均腐食速度を求める腐食
試験手段13と、構造材2と同一材質からなる試料電極
4と貴金属からなる対照電極5とで構成される電極対3
を分岐水路7を流れる系統循環水にさらして電流を発生
させその電流値を測定する手段としての試験部11と、
腐食試験手段13で得られた腐食試験片の平均腐食速度
とそのときの電極対3間で発生する平均電流密度との相
関関係を求める手段と、この相関関係を利用して測定電
流値から構造材2の腐食速度を実時間で求める手段とを
備え、前述の相関関係を利用することにより測定電流値
(電流密度に換算する)から実時間で腐食速度を求める
ようにしたものである。
【0021】本実施形態の場合、平均腐食速度とそのと
きの電極対3間で発生する平均電流密度との相関関係を
求める手段と、この相関関係を利用して電極対3間の測
定電流値から構造材2の腐食速度を実時間で求める手段
とは、例えば少なくとも1つのCPUやMPUなどの演
算処理装置(図示省略)と、データの入出力を行うイン
ターフェース(図示省略)と、プログラムやデータを記
憶するメモリ(図示省略)などを備えるコンピュータな
どのデータ処理装置34と所定の制御ないし演算プログ
ラムによって実現される。即ち、演算処理装置は、メモ
リに記憶されたOS等の制御プログラム、腐食試験片2
1の腐食量とそれに要した時間から平均腐食速度を演算
する手順、得られた平均腐食速度とそのときに電極対3
の間に発生した電流・ガルバニック電流の平均電流密度
を演算する手順、これら平均腐食速度と平均電流密度と
の相関関係を演算する手順並びにこの相関関係を利用し
て電極対3の間で発生する電流の測定電流密度からその
ときの構造材2の内表面2aでの腐食速度を求める手順
などを規定したプログラム及び所要データ等により、上
記相関関係を基める手段とこの相関関係を利用して測定
電流密度から構造材の腐食速度を求める手段とを実現し
ている。ここで、平均腐食速度とそのときの平均電流密
度との相関関係は、コンピュータテーブルや関数式の形
式でメモリーに記憶される。また、データ処理装置34
には、図示していないが例えばCRTディスプレイやプ
リンター等の出力装置が接続される。
【0022】本実施形態の腐食速度測定装置10は、例
えば図5に示す火力プラントの高圧給水加熱器109と
節炭器110との間にサンプリング点Sを設け、このサ
ンプリング点Sを分岐点とし、分岐した循環水の一部を
試験水として利用できるように配置されている。即ち、
図1に示すように、火力プラント給水系1の循環水路6
からサンプリング配管16を分岐させ、更に腐食試験手
段13や試験部11などへと接続される分岐水路7を設
けて循環水の一部(このように試験に供される循環水の
一部を以下「試験水」という)を導くことにより、構造
材2と同一材質の腐食試験片21及び試料電極4を循環
水路6内とほぼ同条件下で腐食させて、そのときの平均
腐食速度および平均電流密度との相関関係を求めると共
に、電極対3間で発生する電流・ガルバニック電流を連
続的に測定して、測定電流密度に対応する腐食速度を求
めるように構成されている。尚、図中の符号14は電極
冷却系、15は試験水冷却水系である。
【0023】ここで、本実施形態における火力プラント
給水系1のサンプリング点S付近では循環水が加圧され
て高圧となっているため、分岐点の下流に減圧機構12
を設けて測定に適する水圧となるまで減圧している。ま
た、図1に示すように、分岐点以降における分岐水路
7、さらには分岐水路7に接続され腐食試験手段13の
一部を構成する第1測定容器17やガルバニック電流を
発生させる試験部11の一部を構成する第2測定容器8
には保温手段18が付設され、減圧あるいは導水に伴う
試験水の水温低下を防止して所定温度に保つように設け
られている。また第1測定容器17、第2測定容器8は
それぞれ試験水入口17a,8a、試験水出口17b,
8bが接続されて、任意に試験水を導入・排水し得るよ
うに設けられている。
【0024】第1測定容器17は減圧機構12の下流に
設けられると共に、その容器内には腐食速度測定に用い
られる腐食試験片21が自然浸漬状態で設置されてお
り、さらにこの第1測定容器17には試験水の水温を測
定可能な熱電対19も設置されている。本実施形態で
は、この第1測定容器17と第2測定容器8とは共に圧
力容器が用いられている。なお、この第1測定容器17
および第2測定容器8へ向かう分岐水路7には水路の一
部を2股とするバイパス20およびバイパス9がそれぞ
れ並列に設けられており、仕切弁36,38あるいは仕
切弁40,42を閉にすることにより、水質が不安定な
間は各測定容器17,8に試験水を注入しないで通過さ
せることが可能である。また、これらバイバス20,9
や分岐水路7の途中には図示するように適宜仕切弁(3
5,39,43,44)が設けられている。
【0025】さらに、この第1測定容器17の下流には
試験部11が設けられ、試験水の各水質条件下での電流
値が測定されている。ここで測定される電流密度と第1
測定容器17で実施する自然浸漬時の腐食試験から得ら
れる腐食量とを解析することにより、火力プラント給水
系1における平均腐食速度とそのときに試験部11で発
生する平均電流密度との相関関係が求められる。試験部
11は、主に減圧された循環水を導入する第2測定容器
8と、この中に収容されて電極対3を構成する電極板
4,5、各電極板4,5間に発生するガルバニック電流
を測定する無抵抗電流計25、測定電流値を記録する記
録計26及び測定電流値とあらかじめ求められる構造材
の平均腐食速度とそのときの平均電流密度との相関関係
と測定電流値から当該内表面における腐食速度を求める
データ処理装置34とから構成されている。
【0026】第2測定容器8内における電流変化は、図
1および図2に示すように当該容器内に設置される1組
の電極対3によって測定される。この場合、電極とし
て、一方側には給水系1の構造材2と同一材質である炭
素鋼から切り出して作製された試料電極4が、また他方
側にはこの試料電極4と組み合わせられる例えば白金な
どの貴金属からなる対照電極5がそれぞれ用いられてい
る。尚、本実施形態では対照電極を構成する貴金属材料
の一例として白金を用いた例を挙げたが、これに限られ
るものではなく他の貴金属材料を採用することも可能で
ある。
【0027】本実施形態では、試料電極4として、例え
ば薄い炭素鋼板材を矩形に切り出し、さらに表面を研磨
したものを用いている。この場合、特に詳しく図示して
いないが、この板材には炭素鋼のリード線22をねじ固
定し、さらにこのリード線22を熱収縮テフロン管で被
覆して試料電極4の導線を形成している。一方、対照電
極5の方は同じく板状とすると共に、その上部に白金リ
ード線23をスポット溶接した後、この白金リード線2
3をテフロン被覆するようにしている。なお、両電極
4,5は、図2中に示すように第2測定容器8内に常時
一定の間隔をおいて位置するようそれらの間にスペーサ
24を挟んだ状態で設置されている。
【0028】この1組の電極対3は、μAオーダーの微
少電流の測定が可能な無抵抗電流計25に、図2に示す
ようにリード線22および白金リード線23を介して接
続されている。無抵抗電流計25で測定されたガルバニ
ック電流値は、記録計26に表示されると共にデータ処
理装置34で相関関係を利用して構造材2の腐食速度を
求めることに利用される。また、第2測定容器8の内側
に設けられて容器内の試験水の温度を測定する熱電対2
7の出力はデータ処理装置34に入力されている。
【0029】また、この試験部11の電極部本体には電
極冷却系14から室温程度の冷却水が常時供給され、各
電極4,5の圧力シール部例えばテフロンの過熱を防止
している。この電極冷却系14は、電極用冷却水循環器
29、フロースイッチ31などから構成されている。
【0030】さらに、この試験部11の下流には、測定
に供された後の未だ高温の試験水を冷却する試験水冷却
水系15が設けられている。この試験水冷却水系15は
例えば図示するような冷却器32や流量計33などを備
えたものであり、冷却水を循環させることにより試験水
を一旦冷却してから系外へ排出している。
【0031】以上のように構成された腐食速度測定装置
10によると、次のようにして構造材の平均腐食速度と
そのときに電極間で発生する電流密度の平均値との相関
関係並びにこれを利用して測定電流値から構造材の腐食
速度を実時間で求めることが行われる。
【0032】まず、実機のスタートアップ時などに、火
力プラント給水系構造材と同一材料の腐食試験片21が
分岐水路7を流れる系統循環水にさらされて腐食すると
きの平均腐食速度とそのときの平均電流密度との相関関
係即ち各プラント毎の固有の相関関係を蒐集したデータ
を基に作成する。そして、これをデータ処理装置34の
メモリーなどに記憶・格納する。ここで、腐食試験片2
1を循環水路6から分岐された分岐水路7の途中に配置
しているので、この腐食試験片21の腐食速度は給水系
構造材2の内表面2aの腐食速度とほぼ等しいと置き換
えることが可能であり、ここから平均腐食電流密度と構
造材の平均腐食速度との相関関係が求められる。
【0033】そこで、腐食試験手段13の第1測定容器
17内に構造材2と同一材質の金属即ち炭素鋼の腐食試
験片21を設置し、分岐水路7から循環水を導入して自
然浸漬させる。そして、所定時間が経過したときの腐食
量を求め、それから平均腐食速度を算出する。
【0034】同時に、試験部11の第2測定容器8にも
循環水を導入して試料電極4と対照電極5との電極対
(循環水の存在下でガルバニック電池を構成する)3に
電流・ガルバニック電流を発生させ測定する。この場
合、試験のために導入される試験水は給水系1の循環水
として用いられるもので一般的に純度が高く高抵抗であ
り微少電流となることから、本実施形態のように無抵抗
電流計25を用いて測定するようにする。このとき、貴
金属とこれよりも卑なる金属との異種金属により構成さ
れる両電極4,5間には、ガルバニック電流と称される
微少電流が流れる。この電流は試料電極4に皮膜が生成
していない通水当初における値がもっとも大きく、その
後は試料電極4の表面の皮膜が成長するにつれて試料電
極4がみかけ上貴金属のような挙動を示すようになるた
め電流が流れ難くなることから電流が徐々に小さくな
る。測定電流値は記録計26に記録され、データ処理装
置34に保存されるのでこれを時間−電流グラフとして
表示することができる。そして、上述したように測定さ
れる電流は測定開始当初がもっとも大きく、表面に皮膜
が生成されて抵抗が大きくなるに連れて電流値が小さく
なることから、この電流値を平均化して平均電流密度を
得るようにしている。
【0035】データ処理装置34では、腐食試験手段1
3における炭素鋼の平均腐食速度と、そのときの試験部
11における平均電流密度との相関関係がもとめられメ
モリーに記憶される。
【0036】その後、測定部11にのみ循環水を導入し
て電極対3間で発生するガルバニック電流を連続的に測
定し、その測定電流値と先に取得した相関関係とから構
造材2の腐食速度を求める。この腐食速度は、相関関係
の利用により測定電流密度から実時間で定量的かつ連続
的に求めることができる。このことから、電流値が腐食
速度に一義的に対応することになる。さらに、ある時間
における電流変化の勾配によってその時点での腐食速度
の変化の程度が直接的かつ瞬間的に求められるので、得
られた電流値から瞬間的な腐食速度を実時間において評
価することができる。
【0037】すなわち、本発明を適用すれば、電極対3
での測定電流値から、試料電極4の腐食速度を定量的・
直接的に評価することが可能となる。この試料電極4は
給水系構造材2と同じ材質であることから、酸素処理法
を実施しているプラントの腐食状態をこの試料電極4を
通じて判断することができ、異常などの設備診断を迅速
に行い得ることとなり運転保守の面での負担が軽減され
る。また、最適水質などの検討により、連続注入する酸
素量を適正量に保持することが可能となる。また、試験
時間の経過に伴う電極対3の間で発生する電流の減少傾
向は高温水中での皮膜の成長に対応し、この電気化学的
特性はプラントの負荷変動にも対応する。したがって、
本発明によれば瞬間的な腐食速度を高温高圧の火力発電
プラントの給水系統の中でも実時間で求めることができ
る。
【0038】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば上述した実施形態では、減圧バルブのよう
な減圧機構12を介して循環水路6から循環水を減圧し
てから分岐させる分岐水路7に第1測定容器17などを
設けるようにしているが、これに特に限定されず循環水
路6と同じ条件のまま循環水を流すように分流させる分
岐水路7に腐食速度測定装置を設けるようにしても良
い。また、本実施形態では節炭器110の入口部に腐食
速度測定装置を設けて高温・高圧の循環水を測定対象と
するようにしているが、これに特に限定されず、脱気器
107と低圧給水加熱器106との間のような箇所にで
も設置可能である。また、系統循環水にさらされて腐食
する給水系統の構造材の平均腐食速度とそのときの平均
電流密度との相関関係は、本実施形態のように測定対象
となる実機毎に設けられた腐食速度測定手段を利用して
スタートアップ時に求めたりあるいは任意の時期に得た
データで更新するようにしても良いが、これに特に限ら
れず様々な試験データなどからあらかじめ求められた汎
用的な相関関係を利用するようにしても良い。この場
合、相関関係は、コンピュータテーブルのような形式で
データ処理装置34のメモリーなどにあらかじめ格納さ
れており、腐食試験手段は省かれる。
【0039】更に、本実施形態では、CWT及びAVT
の給水処理方法を採用した火力プラント給水系での腐食
速度測定に適用した例について主に説明したがこれに特
に限定されず、リン酸塩処理や苛性アルカリ処理などの
他の給水処理方法を採用した火力プラント給水系での腐
食速度測定にも適用可能である。
【0040】また、上述の実施形態では、火力プラント
給水系の構造材2が炭素鋼である場合について主に説明
したが、これに特に限定されずその他の金属や合金など
でも適用可能であることは言うまでもない。
【0041】
【実施例】ガルバニック電流と腐食速度との相関関係を
確認するための腐食性評価試験を、節炭器入口サンプリ
ングラインに設置した図1に示す腐食速度測定装置を用
いて行った。尚、試験は、減圧機構12にキャピラリー
方式を採用して高温のまま節炭器入口圧力(定常時約2
3MPa、約230kg/cm)を、試験部で8MP
a(80kg/cm)以下になるように調節して行っ
た。
【0042】CWT(酸素処理法のうち複合水処理(Com
bined Water Treatment)のことで、酸素と微量のアンモ
ニアとを注入することにより給水系構造材2の腐食抑制
を図る水処理方式)およびAVT(揮発性物質処理(All
Volatile Treatment)のことでアンモニアやヒドラジン
などの揮発性薬品のみで腐食抑制を図る水処理方式)の
もと、表1に示す条件下で腐食速度測定試験を行った。
【0043】
【表1】 この場合、圧力条件は試験毎の圧力設定によって変動す
るが、定格時は50〜70kgf/cmに設定し
た。また、定格負荷時の流量は、炭素鋼の不働態保持に
必要な流速などを考慮して、毎分約2.3リットルを目
標値としてサンプリング流量を調整した。この試験部1
1の流量は、特に図示していないがpH計や導電率計な
ど、5つの水路に分岐される試験水の流量を合算するこ
とによって求めた。
【0044】試験後の腐食試験片21の腐食量について
は、インヒビター0.5V%を添加した10%硫酸中
で、試料電極4を陰極、電解用白金電極(ガルバニック
電池を構成するものとは異なる)を陽極にして電流密度
0.2A/cmで約2分間電解することにより、試
料電極4の炭素鋼表面の腐食生成物を除去して求めた。
【0045】次に、各試験における腐食量および平均腐
食速度を求めた。ここでは、試験後の試料の腐食生成物
を除去して表2に示すように腐食量を算出した。そし
て、これらの腐食データとガルバニック電流値を比較す
るため、各試験のガルバニック電流密度の平均値を求め
た。ここで、表2は各試験における腐食量、平均腐食速
度、ガルバニック電流密度および分極抵抗値を示す表で
ある。
【0046】
【表2】
【0047】上記表2のデータから、平均腐食速度とガ
ルバニック電流密度の関係を求めた。ここでは、まず図
3に示すように、ガルバニック電流密度と平均腐食速度
とは明らかに正の相関関係にあることがわかった。この
ことから、各試験において測定された電流値(電流密
度)が、腐食の速度的情報を反映しているものと考える
ことができる。そして以上の結果からは、CWTの水質
条件下ではこれらの電気化学的データから腐食速度の評
価に関連づけられることがわかった。
【0048】
【比較例】比較例として、火力プラント給水系の構造材
と同じ材質の炭素鋼から成る試料電極を用いて分極抵抗
を測定する方法で、平均腐食速度と分極抵抗値との関係
を求めることを試みた。この実験は、図1の対照電極5
と炭素鋼電極4との電極対の代わりに一対の炭素鋼電極
を用いると共に、無抵抗電流計25の代わりに分極抵抗
測定用計測器を使用して、表1及び表2の条件で平均腐
食速度と分極抵抗値との関係を求めた。尚、本測定で
は、直流による計測では溶液抵抗による抵抗誤差が大き
くなるため、交流例えば10kHzの高周波交流電圧
(±200mV)を印加することにより、溶液抵抗を計
測し、次に10mHzの低周波交流電圧(±10mV)
を印加した場合の全抵抗を計測し、この全抵抗と溶液抵
抗との抵抗値の差分を分極抵抗として求めた。
【0049】この結果、これらの間には図4に示すよう
に負の相関がみられた。特に、分極抵抗値をCWTの水
質のみで評価した場合には、分極抵抗法の理論曲線の勾
配(−1)に近い勾配が得られることが判明した。即
ち、平均腐食速度と分極抵抗値と間には次の数式1の関
係が成立する。
【0050】
【数1】 icorr=K・1/Rp (但し、K:比例定数) この関係から、平均腐食速度icorrは分極抵抗Rp
の逆数に比例し、ガルバニック電流の場合と同様に、分
極抵抗の変化が、腐食速度の変化に対応しているものと
考えることができる。したがって、CWTに対しては分
極抵抗の平均値と平均腐食速度との相関関係を利用する
ことも有効であるといえる。
【0051】しかし、AVTのデータを含めて評価した
場合には、平均腐食速度との相関は低いものとなる。こ
のことは対数表示されている図4の測定結果から明らか
なように、理論上の勾配から1桁程度離れたAVTに対
する分極抵抗値の変化から類推されるものであり、AV
Tでの腐食性の評価をする場合には分極抵抗値は直接的
な指標になりにくいことを示している。
【0052】以上の結果から、CWTの水質条件下では
これらの電気化学的データが腐食速度の評価に関連づけ
られることがわかったが、ガルバニック電流と分極抵抗
との比較では、ガルバニック電流のほうがAVTも含め
た広範な水質条件において、より腐食速度を把握しやす
いものと判断される。
【0053】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の火力プラント給水系における腐食速度測定法に
よると、電極対の間に発生する電流密度を連続的に測定
すれば、系統循環水にさらされて腐食する火力プラント
給水系の構造材の平均腐食速度とそのときの平均電流密
度との相関関係を利用して、測定電流密度に対応する腐
食速度を一義的に、そして定量的かつ連続的に求めるこ
とができる。
【0054】したがって、構造材の腐食状況を直接的に
把握することができ、設備診断を迅速に行うことが可能
となると共に運転保守面における負担も軽減される。ま
た、最適水質などを検討し、連続注入する酸素量を適正
値に保持して運転条件の最適化を図ることができる。し
かも本発明によれば、電極間に生ずる電流密度の大きさ
から、酸素処理法を実施している火力プラントの実時間
における腐食状態を定量的に判断することができ、迅速
に異常の有無などの設備診断が可能となり、運転保守面
での信頼性を高めることができる。また、最適水質条件
などの検討により、連続注入する水処理薬品の濃度を適
正に保持することなどが可能である。
【0055】また請求項2記載の発明の火力プラント給
水系における腐食速度測定装置によると、あらかじめ求
められている平均腐食速度とそのときの平均電流密度と
の相関関係を利用して、測定電流密度に対応する腐食速
度を一義的に、そして定量的かつ連続的に求めることが
できる。
【0056】また、請求項3記載の発明の火力プラント
給水系における腐食速度測定装置によると、実機のスタ
ートアップ時などに、火力プラント給水系構造材と同一
材料の腐食試験片が分岐水路を流れる系統循環水にさら
されて腐食するときの平均腐食速度とそのときの平均電
流密度との相関関係即ち各プラント毎の固有の相関関係
を蒐集したデータを基に作成し、更にはこれを最新の情
報下で更新し、これを適用して電極対間の測定電流値か
ら構造材の腐食速度に関する一義的なデータを実時間で
定量的かつ連続的に求めることができるので、より精確
な腐食速度を実時間で求めることができる。
【0057】さらに請求項4記載の発明によると、温度
条件を変えずに圧力条件を下げて測定を可能とするた
め、現在使用されている一般的な電極等を使用できるよ
うになる。また、適正な圧力下で測定を行うことにより
高温水条件を保持することができる。
【0058】また、請求項5記載の発明の火力プラント
給水系の水質管理方法によると、構造材の腐食速度を実
時間で監視し、この腐食速度の変化に応じて給水系に連
続注入する水処理剤の濃度を適正に保つことができるの
で、水質管理条件、例えば酸素処理法による複合水処理
条件あるいは揮発性物質処理法による処理条件を常時適
正な状態に維持でき、火力プラント給水系の構造材の腐
食の進行を防ぐ運転条件の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火力プラント給水系における腐食速度
測定法の一実施形態を示す図であり、給水系から分岐し
た分岐水路および腐食速度測定装置全体の概要を表す。
【図2】第2測定容器、電極対および制御系の一部を示
す測定回路の模式図である。
【図3】平均腐食速度とガルバニック電流密度の平均値
との関係を示すグラフである。
【図4】平均腐食速度と分極抵抗の平均値との関係を示
すグラフである。
【図5】従来の火力プラント給水系の概略経路を示す図
である。
【符号の説明】
1 火力プラント給水系 2 給水系の構造材 2a 構造材の内表面 3 電極対 4 試料電極(構造材と同一材質からなる電極) 5 対照電極(貴金属からなる電極) 6 循環水路 7 分岐水路 11 試料電極と対照電極とを循環水に浸漬して電流を
発生させ測定する試験部 12 減圧機構 13 構造材と同一材料の腐食試験片を循環水に浸漬し
て腐食速度を求める腐食試験手段 21 腐食試験片 34 相関関係を求めかつ測定電流値から腐食速度を実
時間で求めるデータ処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G050 AA01 BA03 BA10 CA02 CA04 DA01 EA01 EA04 EA05 EB03 EC01 EC05 2G075 AA02 AA20 BA03 CA04 CA21 DA02 DA14 FA08 FA11 FB10 FB16 FC14 GA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火力プラント給水系の構造材と同一材質
    からなる試料電極と貴金属からなる対照電極とで電極対
    を構成し、該電極対を前記火力プラント給水系統内に配
    置して前記電極対間で発生する電流値を測定し、前記電
    極対がさらされている環境下での前記構造材の平均腐食
    速度とそのときの前記電極間で発生する電流密度の平均
    値との相関関係を利用して前記測定電流値から前記構造
    材の腐食速度を実時間で求めることを特徴とする火力プ
    ラント給水系における腐食速度測定法。
  2. 【請求項2】 火力プラント給水系から系統循環水の一
    部を分流させる分岐水路と、火力プラント給水系の構造
    材と同一材質からなる試料電極と貴金属からなる対照電
    極とで構成される電極対を前記分岐水路を流れる系統循
    環水にさらして電流を発生させその電流値を測定する手
    段と、前記電極対がさらされている環境下での前記火力
    プラント給水系の構造材と同一材料の平均腐食速度とそ
    のときの前記電極対間で発生する平均電流密度との相関
    関係を利用して前記測定電流値から前記火力プラント給
    水系構造材の腐食速度を実時間で求める手段とを備える
    ことを特徴とする火力プラント給水系における腐食速度
    測定装置。
  3. 【請求項3】 火力プラント給水系から系統循環水の一
    部を分流させる分岐水路と、該分岐水路を流れる系統循
    環水に前記火力プラント給水系の構造材と同一材料の腐
    食試験片をさらして前記電極対がさらされている環境下
    での前記腐食試験片の平均腐食速度を求める腐食試験手
    段と、前記火力プラント給水系の構造材と同一材質から
    なる試料電極と貴金属からなる対照電極とで構成される
    電極対を前記分岐水路を流れる系統循環水にさらして電
    流を発生させその電流値を測定する手段と、前記腐食試
    験手段で得られた前記腐食試験片の平均腐食速度とその
    ときの前記電極対間で発生する平均電流密度との相関関
    係を求める手段と、この相関関係を利用して前記測定電
    流値から前記構造材の腐食速度を実時間で求める手段と
    を備えることを特徴とする火力プラント給水系における
    腐食速度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記分岐水路の前記電極対または前記腐
    食試験片よりも上流側に減圧機構が設けられていること
    を特徴とする請求項2または3記載の火力プラント給水
    系における腐食速度測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の火力プラント給水系にお
    ける腐食速度測定法あるいは請求項2または3記載の腐
    食速度測定装置によって求められる構造材の腐食速度を
    監視し、前記腐食速度の変化に応じて前記給水系に連続
    注入する水処理剤の濃度を適正に保つことを特徴とする
    火力プラント給水系の水質管理方法。
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