JP2000258328A - 表面張力による実空間座標値圧力評価関数からの液体の形状予測方法 - Google Patents

表面張力による実空間座標値圧力評価関数からの液体の形状予測方法

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JP2000258328A
JP2000258328A JP11059722A JP5972299A JP2000258328A JP 2000258328 A JP2000258328 A JP 2000258328A JP 11059722 A JP11059722 A JP 11059722A JP 5972299 A JP5972299 A JP 5972299A JP 2000258328 A JP2000258328 A JP 2000258328A
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point
pressure
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surface tension
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Akira Ri
燦 李
Hideki Shinohara
英毅 篠原
Isamu Takahashi
勇 高橋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な表面張力支配液体の安定形状の解析,評
価方法の提供。 【解決手段】表面張力を持つ流体において、その流体の
表面形状を代表するN個の点で表し、圧力を求める点
({x,y}または{x,z})において、隣接する2
点と間の距離AB間とAC間の距離の和を表す関数S
(x,y)とし、点A近傍の表面張力のエネルギー関数
Eを面積関数と表面張力νを用いてE(x,y,z)=
νS(x,y,z)と与え、点Aに働く圧力Pから下式
により流体の動的挙動と静的安定形状を計算する表面張
力による実空間座標値圧力評価関数からの液体の形状予
測方法。 【数35】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】流体が表面張力を持ち、か
つ、その流体のスケールがmm単位またはその以下で記述
される液体を利用して生産される産業機器、例えば、ハ
ンダを用いた表面実装を必要とする産業機器,微細溶接
を必要とする半導体チップ、またはそのような流体を利
用する産業機器、例えば、インクを飛翔させて印字を行
うプリンタ,微小試薬を血液または分析物に投与する医
薬関連の分析装置等、またはそのような流体を対象とす
る計算シミュレーションにおいて、機器の性能向上およ
び設計の効率化のため、一方、計算シミュレーションで
計算機の計算空間に適した実空間での圧力評価式を与え
ることにより、計算途中に生じる破綻と計算時間を抑え
ることと、今まで不可能な計算を可能にするため、流体
の形状から生じる表面張力による圧力または流体と固体
の接触から生じる濡れ張力による圧力を実空間の座標を
用い簡単かつ正確に与える表面張力による実空間座標値
圧力評価関数からの液体の形状予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体が気体に接するとその間の界面には
表面張力という界面エネルギーが生じる。この表面張
力、即ち、エネルギーを最小にするため図1に示すよう
に液滴は形状をなす。
【0003】液体が形状をなすための液体の自由表面に
働く圧力に関して最初に系統的に論じたのが数学者であ
り物理学者のLaplace(Mechanique Celeste Supple
mentto Book 10 1806)である。Laplaceによれ
ば、図1に示す液滴の表面上の点zに働く表面張力によ
る圧力は次のように与えられる。
【0004】
【数7】
【0005】ここで、Pは液体と気体の界面間の圧力
差、つまり液滴の形状から生じる表面張力による圧力
で、nは液体の表面張力、R1,R2は図1に示すよう
に、点zで直交する自由表面上の曲率半径である。即
ち、式(1)の内部に向かう圧力と重力による液体の圧
力と相殺し液体は図1の安定形状をなす。
【0006】ここで、液体の形状を求めるためには曲率
半径を如何に求めるかが計算の重要点である。問題を簡
単にするため、2次元系で説明を行う。図2は2次元の
区間内に気体と液体が界面をなしている場合の図であ
る。この液体の界面の座標を{x,y(x)}と表現す
ると、微分幾何学により点{x0,y(x0)}の曲率半
径Rは次のように与えられる。
【0007】
【数8】
【0008】と定義されるxによる微分係数である。式
(2)は2次微分を含む非線形の形をしているため、そ
の計算はかなり難しいものになる。また、界面の座標を
長さパラメータλを用い{x(λ),y(λ)}と表現
すると点{x(λ1),y(λ1)}の曲率半径Rは次のよう
に与えられる。
【0009】
【数9】
【0010】このように、微分係数で液体の形状および
圧力を求める方法は、対称性が高い、即ち、液滴のよう
な簡単な形状に限り計算されている。そのため、白川
(日本機械学会誌(B編)62巻604号1996)等
は、図3で示すように適当な点x0の近傍に点x1とx2
を取り、点x,x1,x2 により定義される円から曲率
半径を求める方法が使っている。
【0011】しかし、この方法は点x1、x2の取り方に
任意性が残るため、一意的な計算結果を与えない欠点が
ある。またこのような方法により一意的に評価する方法
が2次元上に構築されたとしても、式(1)が示すよう
に3次元系では二つの曲率半径が直交するように計算し
なければならない。
【0012】ここまでは液体表面に働く表面張力による
圧力の従来の計算法を述べた。しかし、液体、即ち、流
体の形状の計算においては図1で示すように固体との接
触により生じる圧力も考慮しなければならない。
【0013】最初にこの固体との接触に対する理論を1
800年に示したのがYoung である。Young によると、
図4の液体の界面の平衡点、即ち、気体・液体・固体の
三重点では次の式が成り立つ。
【0014】
【数10】 γSG=γSL+γLGcosθ …(4) ここで、γSGは固体と気体間の界面エネルギー、γSL
固体と液体間の界面エネルギー、γLGは液体・気体間の
界面エネルギー、即ち、表面張力、θは固体・液体間の
接触角度である。即ち、式(4)によると式(1)に示
したように三重点の液面に対する圧力は導かれない。た
だ、液体の界面の固体に対する接触角が設定されている
だけである。
【0015】この場合において液体の形状は固体との接
触角がqを満たしていなければならないだけで、そこか
ら液体表面に働く圧力に対する情報は得られない。その
ため、白川(日本機械学会誌(B編)62巻604号1
996)等固体の表面を流れる流体の先端の形状は、た
だこの接触角を満たさせることだけを条件にしている。
【0016】しかし、C.ShenとD.W.Ruth(Physics of
Fluids 10,789(1998))らが観測しているよ
うに、式(4)は流体が停止している場合のみの接触
角、即ち、静的接触角であり、動的接触角、即ち、流体
が一定の速度で流れるときの接触角はこの静的接触角度
ではなく接触先端の速度に依存する。結果的に、先端が
常に静的接触角を満たすように流体を計算した場合には
正しい流体の運動を計算することにはならない。
【0017】また、静的な安定形状を求める場合でもこ
の接触角度は満たすべき必要条件であり計算をするため
の圧力の情報は得られない。即ち、固体が複雑な形状、
または固体表面の位置により異なる濡れ性を持つ場合、
液体の形状予測において式(4)の各固体間の接触角度
は予測に必要な情報を与えてくれない。そのため、N.J.
Nigro等(Trans.ASME Jounal Erectronic Pack
age 115,141(1993))は、形状に関するエ
ネルギーを求め、そのエネルギー最小の形状が液体の安
定形状になることを利用する方法を用いている。その方
法を簡単に説明する。
【0018】式(4)において表面張力であるγLGは気
体・液体間の界面エネルギーであると説明した。そのこ
とは表面張力が単位面積あたりのエネルギー、即ち、液
体の単位自由表面を作るために必要なエネルギーとして
も定義される。そのため、表面張力の単位は力の単位で
あるdynまたはNを用いdyn/cm,N/mとして与える
が、単位面積当りのエネルギーであるerg/cm2としても
与えられる。
【0019】一方、また、濡れ張力μを次式のように定
義すると、
【0020】
【数11】 μ=γSL+γSG=−γLGcosθ …(5) 濡れ張力も液体が単位面積の固体を濡らすためのエネル
ギーとしてerg/cm2と定義される。その二つの定義と液
体の密度ρを用いると次のように与えられる。
【0021】
【数12】 E=ν∫Sds+μ∫S′ds+gρ∫Vhdv …(6) ここで、νは表面張力、∫Sds は液体が占める自由表
面積、μは濡れ張力、∫S′ds は固体との接触面積、
gは重力加速度、ρは液体の密度、dvは液体の体積
素、hは体積素dvの基準点からの高さである。
【0022】式(6)の右側項の第1項ν∫Sds は表
面張力によるエネルギー、同第2項μ∫S′ds は濡れ
張力によるエネルギー、第3項gρ∫Vhdv は形状に
よる重力のエネルギー、即ち、ポテンシャルエネルギー
である。
【0023】従って、式(6)は液体の形状に関るエネ
ルギーの総和である。このエネルギーを液体の体積一定
の条件下で最小にする形状が液体の安定形状である。
【0024】この液体の安定形状を求めるためには、予
め固体の位置とその濡れ張力を定め、液体の体積一定の
条件で液体の形状を変化させ、式(6)のエネルギーを
最小にする、即ち、最低エネルギーを求めると、規定し
た境界条件での液体の安定形状が得られる。この場合、
液体の表面を代表する点の数をNとすると、系が持つ自
由度は、3次元系で体積一定の条件を含む場合、(3N
−1)である。
【0025】自由度を(3N−1)持つ系において、液
体は最も滑らかな形状でエネルギーが安定するため、あ
る程度の安定エネルギーが得られると、そこからのエネ
ルギーの収束は難しくなる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】mm単位以下の大きさま
たは無重力の状況での液体を扱う産業機器において、重
力によるエネルギーおよび運動エネルギーの大きさは体
積が関与するため液体のスケールの3〜4乗に比例する
が、表面張力および濡れ張力によるエネルギーは表面積
によるため2乗に比例する。
【0027】そのことは、スケールが10分の1になる
と、表面張力によるエネルギーの効果は10倍になる。
即ち、表面張力および濡れ張力の効果を取り入れなけれ
ば、そのような産業機器の設計および性能向上を果すこ
とができない。そのため表面張力および濡れ張力を持つ
流体の挙動予測はそれら機器において最も重要なものに
なる。
【0028】表面張力を持つ流体の挙動、即ち、動的振
舞いおよび静的安定形状の予測を行う場合に、自由表面
の形状から生じる表面張力または固体との接触部の先端
の濡れ張力による圧力は重要な部分である。自由表面を
持つ流体力学を簡単に説明しながら課題を説明する。自
由表面を持つ流体を図5に示した。この流体のEuler運
動方程式は次のように与えられる。
【0029】
【数13】
【0030】式(7)の圧力Pは、液体の形状から来る
表面張力による圧力であるため、式(1)で与えられ
る。式(1)は3次元空間においては、流体の自由表面
での互いに直交する曲線の曲率半径を計算しなければな
らない。
【0031】前述したように、このような計算は困難な
だけではなく、計算機空間上で一意的に値を得ることが
難しい。また、流体が分離および衝突する場合、その瞬
間の分離点および接触点においての式(1)の計算はほ
とんど不可能で、それにより計算の破綻を生じる。その
ため、式(1)ではなく、より条件が緩やかでシミュレ
ーションに適した圧力評価式を与えなければならない。
【0032】一方、上記の流体が固体と接触している場
合、接触する先端の流体の形状に与えられている情報は
式(4)で、接触部分の圧力は式(1)のようには与え
られていない。そのため、固体と接触している流体の挙
動の予測においては、接触角度は常に式(4)によりθ
を保つように計算する方法を主に使っている。
【0033】しかし、C.ShenとD.W.Ruth(Phsics of F
luid 10,pp789(1998))が報告しているよう
に、運動する流体の接触角は、式(4)に示す停止時の
接触角度とは異なる。そのことは常にθを保つ条件は、
現実とは違った予測結果を与える恐れが大きい。従っ
て、式(4)と矛盾せず接触点での圧力を与える評価式
が必要である。
【0034】静的液体の安定形状を求める際において固
体の形状が複雑になる場合、前述したように固体との接
触点での圧力を評価する手段を有しないため、液体々積
一定の条件の下、式(6)のエネルギーを最小にする形
状を求める方法を用いている。
【0035】液体の表面を代表する点の数をNとした場
合、点を動かす自由度は体積一定の条件を考慮すると
(3N−1)となる。しかし、固体との接触点を含む代
表点の圧力が得られないため、予め任意の点を仮に動か
した場合、式(6)のエネルギーが減少したらその点を
移動し液体が持つ形状エネルギーを最小に収束させてい
く。その場合、点の選択および動かす変位と方向に対す
る指針がないため効率悪くあらゆる点に対し無作為に行
わなければならない。
【0036】また、液体は滑らかな表面形状の方が凹凸
がある表面よりエネルギーが低いため、ある程度エネル
ギーが低くなると表面は滑らかになるため、ほとんどの
点を動かしてもエネルギーは減少しない。減少させるこ
とができたとしても、その変位量は微小量でなければ減
少しない。そのため、点の移動反復回数は激増し、エネ
ルギーの収束は遅くなる。
【0037】しかし、前述した条件が緩やかな自由表面
の圧力評価関数および接触点の圧力関数が分かれば、最
も圧力が高い点を表面の内側に、最も低い圧力を持つ点
を表面の外側に所定の圧力になる変位および方向に動か
すことにより、液体の表面を代表するあらゆる点が同一
の圧力を持つとき液体は最低エネルギーを持つ安定形状
になる。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の圧力
評価関数を導くことにより、表面張力および濡れ張力を
有する流体のシミュレーションで今まで不可能または膨
大な計算量が必要であったものを可能にし、かつ、簡単
に実行できるようにする事を目的とする。
【0039】そのためには、圧力関数に式(1)のよう
な微分係数形式ではなく、空間的制限がない実空間の座
標を用いられ、かつ空間的に柔軟な圧力評価関数が必要
である。それを実現するためには、圧力の定義に戻らな
ければならない。
【0040】表面上の点zに働く圧力Pは次のように定
義される。
【0041】
【数14】
【0042】ここで、Sは点z近傍の面積、Fは点zに
働く力、||はベクトルの大きさを表すノルムである。
【0043】一方、式(6)に説明したように、表面積
Sに表面張力νを掛けた量はエネルギー、即ち、ポテン
シャルエネルギーE=νSを得ることになる。
【0044】ニュートン力学よればポテンシャルエネル
ギーに空間微分を行うと力Fを次のように得る。
【0045】
【数15】
【0046】式(10)は、式(1)のような微分形
式、即ち、お互いに直交する点zを通る曲線の曲率半径
を求めるのではなく、点zの近傍の面積を求めることに
より圧力が求められる。点z近傍の面積を求めること
は、直交する曲率を求めるより遥かに緩やかな条件で有
り特にシミュレーションを行う計算機ような格子空間に
おいては最適である。
【0047】固体との接触点の圧力に関しても式(1
0)の拡張によって求めることが可能である。まず図6
で示すように、接触する部分の固体と液体の間に仮想な
空間を導入する。その仮想空間を用いて式(10)を次
のように構成する。固体の表面から濡れ接触角度θで接
触しながら点zに連結させる。
【0048】そのときの面積をS′とすると、S′は接
触角度θと仮想空間の幅δによる関数、即ち、S′
(θ,δ)であり、実表面の面積Sと合わせると表面積は
S+S′(θ,δ)になり、エネルギーEはν(S+S′
(θ,δ))となる。
【0049】
【数16】
【0050】しかし、式(11)では仮想空間の任意性
であるdが残っている。この任意性をなくすためリミッ
ト操作を行い次式の圧力関数を得る。
【0051】
【数17】
【0052】この関数を用いれば、固体との接触点は式
(4)の条件を満たすだけではなく、圧力も評価される
ため、動的には式(7)の運動方程式の解が得られ、静
的には他の点の圧力との比較により安定形状をも求める
ことが可能である。
【0053】
【発明の実施の形態】〔実施例 1〕ここでは、請求項
1と2の発明を2次元系流体および液体に適用する。
【0054】まず自由表面の2次元の圧力関数を求め
る。図7に液体の自由表面を示した。この自由表面を代
表する点pj,pi,pk を用い、その点を直線で結び自
由表面を直線で近似する。この場合、自由表面上の点p
i の近傍のエネルギーは請求項1により次のように与え
られる。
【0055】
【数18】
【0056】即ち、3次元空間においての面積は2次元
においては線の長さになり、式(13)はpi の近傍のエネ
ルギーになる。そのエネルギーから点pi に働く力Fx
i ,Fyi は次のように与えられる。
【0057】
【数19】
【0058】ここでrt(2)は、長さLijにおいて点
jと点piの場合に二回勘定されるが、重複を避けるた
め2になる。
【0059】一方、式(16)はLaplaceが提案した式
(1)と相当形が異なり矛盾するように見える。しか
し、初等幾何学において同一面上にある3点は一の半径
Rを持つ円を定義する。即ち、式(16)での点pj
i,pk が一つの半径Rを持つ円を定義したとき、式
(16)がその半径の逆数を与えれば、Laplaceの式
(1)と矛盾がなくなる。
【0060】それはLaplace式のよい近似式であること
を示している。そのため、点pj ,pi,pkが描く半径
Rの円を用い、円の中心を原点とする曲座標(R,θ)
に座標変換を行い整理すると次式が証明される。ここで
は証明は省略する。
【0061】
【数20】
【0062】式(16)は、Laplaceの式(1)から式
(2)を使用して点に働く圧力を求める煩雑で難しい計
算を行うのではなく、圧力を求める点と隣接点の座標さ
え用いれば簡単に得られることを示している。
【0063】次は接触点の圧力関数を請求項2に従い導
く。図8に2次元の固体に接触した点piの圧力関数を
求めるため、点piから仮想空間に接触角度θで固体に
接触した点p0および空間上の点pjを用意する。具体的
には示さないが、ここで点p0は接触角度θと仮想空間
の厚さδの関数になるため、線分の長さLi0も{θ,δ}
の関数になり接触する表面のエネルギーは次のように与
えられる。
【0064】
【数21】
【0065】を得る。ここで、{Nx,Ny}は固体表
面の垂直方向の単位ベクトル、即ち、Nx2+Ny2=1
の条件での成分の大きさを示す。
【0066】
【数22】
【0067】2次元においてrt(2)は2である。式
(19)および(20)の結果を整理すると、点pi
の圧力評価関数は次のように得る。
【0068】
【数23】
【0069】式(21)も式(16)同様、極限操作を
行うと、点pi,pj,p0 を通る円の半径Rと次のよう
な関係を得る。
【0070】
【数24】
【0071】ここではν=1にした。この式は、式(1
7)同様、Laplaceの結果と一致する。
【0072】上述の結果、即ち、式(17)においては
液体の自由表面上の点の圧力、式(21)においては固
体との接触角θである液体の接触点の圧力評価式を2次
元空間上で導いた。
【0073】〔実施例 2〕実施例2は、実施例1同
様、本発明の3次元空間上の液体表面の圧力評価関数を
求める。
【0074】3次元の曲面上の点とその近傍の曲面を三
角形で被覆する方法に対しては、2次元と異なり自由度
がある。例えば、図9に示すように、二つの線分が交差
する網で3次元上の曲面を表現した場合、点pi を囲む
三角形を表示すると図10のようになる。ここで、点p
i とその近傍は四つの三角形1,2,3および4により
表現されている。
【0075】一方、3次元の曲面上を三つの線分が交差
する網で曲面を表現した場合、図11になり、点pi
その近傍は図12で示す六個の三角形で表現される。即
ち、三次元空間の曲面上の点とその近傍を表現する三角
形の数は任意の数により表現される。そのため、ここで
は図9が示す四つの場合の圧力関数を導き、一般なn個
の三角形の場合に対し拡張を行う。
【0076】まず図10の点pi近傍の表面エネルギー
iを請求項1に従い求めると次のように表現できる。
【0077】
【数25】 Ei=νSi=(Sijk+Sikl+Silm+Simj) …(23) ここで、Sijkは点pi,pj,pkで囲まれる三角形の面
積を表す。
【0078】式(23)のエネルギーを用い、点pi
圧力は請求項1の手順、即ち、実施例1と同様に求め
る。ここで、2次元においては、実施例1のように、線
分の長さがエネルギーと係わるが、3次元の場合には三
角形の面積が物理量になる。
【0079】3次元空間内の三角形の面積を簡単に求め
る方法は、Heronの公式とベクトルを用いる二つの方法
があり、ここではHeronの公式を用いて圧力関数を求め
る。まず、Heronの公式は次のように与えられる。
【0080】
【数26】
【0081】と定義され、Lijは式(14)同様線分の
長さで、3次元では次のように与えられる。
【0082】
【数27】
【0083】ここで、Lijは次を満たすLij=Ljiであ
る。
【0084】式(24)を用い、三角形Sijkによる力
のFx成分の寄与、即ち、Sijkのx−成分の空間微分
は、簡単な計算により次のように与えられる。
【0085】
【数28】
【0086】が求められる。
【0087】ここで、隣点の数である位数に関係する整
数関数rt(4)は、2次元で求めたrt(2)同様、
次の簡単な考察により求められる。
【0088】図13は三角形1の三つ頂点を含む範囲を
示した図である。ここで、点pi の圧力の計算を行う場
合三角形1の面積が一回勘定される。また、点pj,pk
の圧力を計算するとき三角形1の面積の半分が2回勘定
され、三角形1の三つの頂点の圧力を計算すると、三角
形1の面積は2回考慮される。
【0089】その重複を解消させるためrt(4)は2
でなければならない。そのrt(4)=2を式(28)に
導入すると、点piでの圧力関数が求まる。
【0090】今度は、図11および図12同様点pi
位数が6、即ち、六個の三角形で表面が構成されている
場合の圧力関数を上の方法により求める。
【0091】位数が4の場合にも示したように各々の三
角形が寄与する力を合算すれば合力が求められ、その絶
対値、即ち、ノルムを取ることで圧力が求められる。図
11の点piを含む六つの三角形を用い式(23)同様
iを次のように構成する。
【0092】
【数29】 Ei=νSi=(S1+S2+S3+S4+S5+S6) …(29) ここでS1,S2,S3,… は、式(24)同様各三角形
の面積を示している。この各三角形の面積から式(2
7)に従い力を求め式(28)を構成すればよい。
【0093】しかし、位数、即ち、三角形の数が6であ
るためrt(6)を求めなければならない。図14に三
角形1を構成する点pi,pj,pk を中心とする各6個
の三角形を示した。各点の圧力を求めるとき、三角形1
の面積は計算に考慮される。その三回の重複を解消する
ためにはrt(6)は3になる。このrt(6)を用い
式(28)に代入すると、位数6の圧力が求められる。
【0094】請求項1記載の方法により3次元空間の液
体の表面圧力関数を求めた。今度は、実施例1の2次元
の固体との接触点での圧力関数を、3次元空間上に拡張
する。3次元においても、2次元同様図8が示すように
仮想空間を必要とする。しかし、2次元空間において
は、自由表面と固体表面の接触部分が点であるが、3次
元においては接触部分が線である。そのため圧力関数の
誘導はかなり複雑になる。
【0095】図15に固体表面に接触した液体の表面を
示した。図15に示すように、点pbに働く圧力を求め
るためには、2次元同様、まず固体と接触する線分pbpb
1とpbpb2が点pbに与える力を求めなければならな
い。
【0096】そのため接触する三角形pbpnpb2を図
16に示し、力を求める。図16には、2次元同様、接
触する線分pbpb2 の中点pcを用いその点pcか
ら、図17で示すように仮想空間を通し、固体面に接触
角θに接触するよう線分pcpv2を引き、仮想三角形pb
pb2pv2を作る。同じく、線分pbpb1 に対しても
仮想三角形pbpb1pv1を同様に図18のように作る
ことができる。
【0097】この場合点pbに働く力を求めるため、各
三角形を用いエネルギーE(θ,δ)は次のように与えら
れる。
【0098】
【数30】 E(θ,δ)=νS(θ,δ) =ν(Spbpv2pb2(θ,δ)+Spbpb1pv1(θ,δ)+Spbpb1pk +Spbpkpn+Spbpnpb2 …(30) ここで三角形Spbpv2pb2(θ,δ)およびSpbpb1pv2(θ,
δ)は、仮想三角形であり、仮想空間の高さδおよび接
触角度θの関数になる。
【0099】圧力を求めるためには、仮想三角形の点p
bに働く力を求めなければならない。そのためには次式
の計算が必要である。
【0100】
【数31】
【0101】上式の計算をするためには、図16および
図17に示した三角形pbpb2pb2に関る幾何学量を説明す
る。dNは固体表面の法線方向の単位ベクトルで成分は
{dNx,dNy,dNz},δLpbpb2は線分pbp
2のpb方向の単位ベクトル、dSpbpb2はdNとdL
pbpb2の外積でdSpbpb2=dN×dLpbpb2と与えられ
る。
【0102】これを用いて実施例1同様計算を行うと次
式を得る。これらの量を用い式(31)の計算を行った
結果が次式である。
【0103】
【数32】
【0104】の計算結果と合わせると、請求項2の
【0105】
【数33】
【0106】の分子の部分が計算される。
【0107】一方、S(θ,δ)は、
【0108】
【数34】
【0109】である。また、実空間の三角形の数、即
ち、点pbを囲む点の数は4、それから1を引くと3で
あるためn=3,rt(2n)はrt(6)となるため、r
t(6)を分母に用いると、式(33)、即ち、点pbに
働く圧力関数P(θ)が得られる。
【0110】〔実施例 3〕本発明の実施例3を請求項
1および2に記載の圧力関数、即ち、実施例1と2で求
めた結果を用いて、静的液体の安定形状を求めるための
フローチャートを示し、2次元および3次元の平板上の
液滴の形状を解析例として示す。
【0111】表面張力および固体とのぬれ接触角を持つ
液体の安定形状を求める場合、液体の体積に対する条件
は二つに分けられる。一つは、液体が孤立していてその
体積が一定、例えば、平板状の液滴のような場合であ
る。もう一方は、はんだ槽等から幾らでも液体の供給お
よび排除が可能な場合に分けられる。
【0112】図19は本発明の圧力関数を用い、体積一
定の条件で液体の安定形状を求めるプログラムのフロー
チャートを示す。最初に境界の固体の形状および液体の
N点より代表される初期形状を入力する。圧力を求める
ためには、物理量、即ち、液体の密度,表面張力,固体
との接触角度を入力し、最終安定形状を決める最大圧力
と最小圧力の差ΔPを入力する。
【0113】その次に、2次元の場合は、自由表面上の
点に対しては式(16)、固体に接触する点に対しては
式(21)、3次元の場合は、自由表面上の点は式(2
8)、接触点は式(33)を用いて各点の圧力Piを求
める。求めた各点の圧力{P1,P2,P3……,PN-1
N}から、最大圧力Pmaxと最小圧力Pminを選ぶ。
【0114】この場合、Pmax−Pmin<ΔPであれば、
液体は安定形状に達したことになるが、そうでなければ
最大圧力点pmaxと最小圧力点pminに対して、同一の体
積を持ち、最大圧力点は液体内部に、最小圧力点は液体
外部に移動させる。
【0115】移動させた点とその周辺の点は形状が変形
したため、その圧力も変わる。そのため、それらの点の
圧力を再度求め、各点の圧力から最大最小圧力を求め、
また、その点を移動させる。
【0116】このような手順を繰り返し、条件Pmax
min<ΔPを満たすようになれば、求める液体の安定
形状が得られたことになる。その結果をプリントまたは
CRTに表示すればよい。
【0117】図20は、2次元の固体平板状に7個の点
によって代表される面積0.15cm2の四角形の液体を初
期形状として示した。この場合、液体の密度は8g/cm
3 、表面張力は400dyn/cm 、固体との接触角度は1
06度と与えた。安定形状を判断する圧力差ΔPは10
dyn/cm2で与えた。
【0118】図21は、計算の途中における各点の移動
状況と最終安定形状を示している。図22と図23は、
図20と同一条件で点の数を10個と17個の場合に対
して求めた結果(点と実線)と、Laplace、即ち、式
(1)の方法により求めた結果(破線)の比較を示し
た。
【0119】液体の体積が一定ではない場合、例えば、
図24に示すように液体が垂直壁をぬれ上がる場合は図
19のフローチャートの中で移動体積ΔVpmax−ΔV
pmin=0の条件を外せば安定形状は求められる。
【0120】図25は、液体の密度は8g/cm3、表面
張力は400dyn/cm、固体との接触角度は25.8 度
と与えた場合の、水平の液体面がぬれ上がる各計算過程
と結果を示した。
【0121】図26と図27は、Laplace結果(実線)
に9個と17個の点で計算した結果を比較し示した。
【0122】3次元の場合においても、そのフローチャ
ートは図19と同一である。図28は、図20同様、3
次元空間で平板上に液体の初期形状として体積156.184m
m3の43個の点で表現される立方体である。液体の密度
は1g/cm3 、表面張力200dyn/cm,接触角度116.
584度と代入した。図29に計算の途中経過と結果を
表示させた。
【0123】〔実施例 4〕本発明の実施例として液体
の破壊現象を請求項1記載の圧力関数を用いて解析を行
う。液体の破壊現象はジェットインクプリンターのノズ
ル先の液滴の噴射、または注射器針先端で起こる雫の落
下等工業製品によく使われている現象である。
【0124】針先端の雫の落下は、血液などの検査品に
試薬を投与し、その成分を検査する検査機によく使われ
ている。この場合、試薬の雫の大きさは検査の精度に係
わり、また針先端部の残りの試薬は次の検査時の妨げに
なる。そのため針先端の雫の挙動は設計において重要な
部分である。
【0125】このような液体の破壊現象をシミュレーシ
ョンするためには、液体の表面張力が重要な役割を果た
すため、請求項1記載の圧力関数は必需のものである。
【0126】液体の破壊現象を解析するプログラムのフ
ローチャートを図30に示す。フローチャートの基本は
図19であるが、体積の増加させる部分と破壊、例え
ば、ある圧力以上になったとか液体が分離したとかの判
断部分を加えるだけである。
【0127】図31に、長軸2.5mm,短軸1.6mmの楕
円注射口での雫の破壊現象の解析例を示した。図31に
も示すように、従来は円形、即ち、軸対称の場合のみ計
算可能であったが、請求項1および2に記載の圧力関数
を用いることにより非軸対称の一般の3次元空間の形状
にも対処可能である。
【0128】〔実施例 5〕本発明の流体力学解析への
応用例を示す。発明が解決しようとする課題で記述した
ように式(7)の圧力Pの計算は、自由表面を持つ流体
の解析に最も重要な部分である。最近プリンターとして
盛んに開発されているインクジェットプリンターにおい
ても、自由表面の表面張力は、流体の液滴の形成に決定
的な役割を果たす。
【0129】図32に表面張力支配の液体の動的挙動を
解析するプログラムのフローチャートを示した。ここ
で、N−S方程式、即ち、Navier−Stokes方程式は式
(7)のEuler方程式を示す。
【0130】図32のフローチャートにより構成された
プログラムを用いて2次元空間で解析を行った結果を図
33および図34に示す。図33は解析を行う初期条件
で、四角形の空間内で四角形の初期形状の表面張力を持
つ液体の自由落下を解析する。
【0131】図34は、表面張力を持つ液体が固体の壁
とのぬれ性が良い場合と悪い場合において各時刻の状態
を比較し示した。計算結果からもわかるように、固体と
のぬれ性により液体の動的挙動は明らかに違ってくるこ
とが分かる。
【0132】〔実施例 6〕半導体パッケージ組み立て
におけるはんだを用いた技術のひとつにBGA(Ball
Grid Array)がある。
【0133】本発明の形状予測技術をBGAのはんだボ
ールの最終凝固形状の予測に適用した。図35および図
36は、単一のハンダボールの安定形状予測を行なった
結果である。図中の上下の面は、はんだ接合を行うパッ
ドをモデル化した部分であり、前記バッドの部分は、図
35において直径1mmの円で、図36において一辺1mm
の正方形である。表面張力は、真空中のはんだの値60
0dyn/cm2、密度は9g/cm3を用いた。
【0134】なお、本実施例においては、パッド部分の
全領域にはんだがぬれ広がることをモデル化しているた
め、はんだとパッドの接触面の形状は変化しないという
仮定のもとに解析を行なった。従来のLaplaceの式を用
いた方法では、図35の解析のみ、二次元軸対称モデル
で解くことが可能であったが、本発明の圧力式を用いる
ことにより、図36のような回転対称軸を持たないパッ
ドの形状においても、はんだの形状予測解析を行うこと
ができた。
【0135】
【発明の効果】実空間座標値圧力評価関数により、容易
に表面での圧力評価が可能となり、必要とされる表面張
力および濡れ張力を持つ流体の挙動を予測することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体上の液体の安定形状およびLaplaceの式に
おける曲率半径。
【図2】二次元における液体表面上にある点における曲
率半径。
【図3】二次元における液体表面上にある三点を通る曲
率半径。
【図4】Youngの三重点における力の平衡,前進ぬれ角
および後退ぬれ角。
【図5】圧力Pの作用下で自由表面を持つ流体。
【図6】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ張
力による圧力を求めるための仮想空間(二次元)。
【図7】本発明における液体表面の点piでの表面張力
による力。
【図8】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ張
力による圧力を求めるための仮想空間(二次元)。
【図9】二つの線分が交差する網で表現した3次元上の
曲面。
【図10】図9の点pi を囲む三角形。
【図11】三つの線分が交差する網で表現した3次元上
の曲面。
【図12】図11の点pi とその近傍の三角形。
【図13】図10の三角形1の三つ頂点を含む範囲を示
した図。
【図14】図12の三角形1を構成する点pi,pj,p
kを中心とする三角形。
【図15】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ
張力による圧力を求めるための図(三次元)。
【図16】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ
張力による圧力を求めるための仮想空間(三次元)。
【図17】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ
張力による圧力を求めるための仮想空間(三次元)。
【図18】本発明における液体の固体界面先端部のぬれ
張力による圧力を求めるための仮想空間(三次元)。
【図19】本発明の圧力関数を用い、体積一定の条件で
液体の安定形状を求めるプログラムのフローチャート。
【図20】2次元の固体平板状に7個の点によって代表
される面積0.15cm2の四角形の液体の初期形状。
【図21】図20の計算の途中における各点の移動状況
と最終安定形状。
【図22】図20と同一条件で点の数を10個の場合に
対して求めた結果(点と実線)と、Laplaceの式(1)
の方法により求めた結果(破線)の比較。
【図23】図20と同一条件で点の数を17個の場合に
対して求めた結果(点と実線)と、Laplaceの式(1)
の方法により求めた結果(破線)の比較。
【図24】液体の体積が一定ではなく液体が垂直壁をぬ
れ上がる解析。
【図25】液体の密度8g/cm3,表面張力400dyn/
cm,固体との接触角度25.8度と与えた場合の水平の
液体面がぬれ上がる各計算過程と結果。
【図26】Laplace結果(実線)に図24の9個の点で
計算した結果の比較。
【図27】Laplace結果(実線)に図24の17個の点
で計算した結果の比較。
【図28】3次元空間で平板上に液体の初期形状として
体積156.184mm3の43個の点で表現される立方
体。
【図29】図28の解析の途中経過と結果。
【図30】液体の破壊現象を解析するプログラムのフロ
ーチャート。
【図31】長軸2.5mm,短軸1.6mmの楕円注射口での
雫の破壊現象の解析例。
【図32】表面張力支配の液体の動的挙動を解析するプ
ログラムのフローチャート。
【図33】図32のフローチャートにより構成されたプ
ログラムを用いて2次元空間で解析の初期条件(四角形
の空間内で四角形の初期形状の表面張力を持つ液体の自
由落下を解析)。
【図34】図32のフローチャートにより構成されたプ
ログラムを用いて2次元空間で解析を行った結果(表面
張力を持つ液体が固体の壁とのぬれ性が良い場合と悪い
場合において各時刻の状態を比較)。
【図35】BGAにおける単一のハンダボールの安定形
状予測を行なった結果(図中の上下のパッドをモデル化
した部分が直径1mmの円)。
【図36】BGAにおける単一のハンダボールの安定形
状予測を行なった結果(図中の上下のパッドをモデル化
した部分が一辺1mmの正方形)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面張力を持つ流体において、その流体す
    なわち液体の表面形状を代表するN個の点で表した場
    合、圧力を求める点(点Aとしその座標を{x,y}ま
    たは{x,z}とする)において、2次元の場合には隣
    接する2点(C,B点とする)と間の距離すなわち点AB
    間と点AC間の距離の和を表現する関数S(x,y)、
    3次元においては点Aを一周する点の集合を用いて点A
    を中心とする面積を表現する関数を同じくS(x,y,
    z)とし、点A近傍の表面張力によるエネルギー関数E
    をこの面積関数と表面張力νを用いてE(x,y,z)
    =νS(x,y,z)と与え、点Aに働く圧力Pを次の
    関数で与え、 【数1】 ここで、∇はグラディアントで2次元空間座標系、即
    ち、座標が{x,y}においては、 【数2】 3次元即ち、座標が{x,y,z}においては 【数3】 で、各座標系において異なる。||はベクトルのノルム
    の関数で、2次元では、 【数4】 3次元において|∇E(x,y,z)|は、 【数5】 rt(n)は点Aからの最隣点の数による位数関数で、
    2次元において隣接する点の数は2点だけでrt(2)
    は2,3次元においては点Aを囲み一周する隣接する点
    の数は任意にあるため、rt〔3〕=1.000,rt
    〔4〕=2.000,rt〔5〕=2.6180,rt
    〔6〕=3.0000,rt〔7〕=3.2470,rt
    〔8〕=3.4142等と与えられ、 この圧力関数Pを用いて、表面張力を持ち流体および液
    体の動的挙動および静的安定形状を計算またはシミュレ
    ーションすることを特徴とする表面張力による実空間座
    標値圧力評価関数からの液体の形状予測方法。
  2. 【請求項2】表面張力を持ち固体に接触した流体または
    液体において、固体との接触する固有の角度即ち、接触
    角度が与えられた液体において、またその流体表面が請
    求項1と同様N個の点で代表される場合、その流体また
    は液体の固体との接触点の圧力関数の定義は、 固体と液体の間に仮想空間を作り、この場合仮想空間の
    幅を示す変数dを用意すると、液体の接触点から仮想空
    間を通し接触角度qに接触するように仮想液体表面を作
    り、請求項1に従いこの仮想液面まで含むエネルギーE
    を構成し、この場合のエネルギーは厚さのdと接触角度
    qに関るため{θ,δ}の関数となり、この関数を用い
    て接触点の圧力は、 【数6】 はリミット操作で右辺の計算を済ませた後、その中にあ
    るdを0に限りなく近づけた結果の残りを示す。nは接
    触点の、仮想空間は含まない、両脇の接触点を含む接触
    点を半周する点の数から1を引いた数である。上記の圧
    力関数Pを用いて、表面張力を持ち流体および液体の動
    的挙動および静的安定形状を計算またはシミュレーショ
    ンすることを特徴とする表面張力による実空間座標値圧
    力評価関数からの液体の形状予測方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の圧力関数、また
    は、それを用いたシミュレーション機能を用いるプログ
    ラムを有する流体用解析ソフトを用いることを特徴とす
    る表面張力による実空間座標値圧力評価関数からの液体
    の形状予測方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の圧力関数、また
    は、それを用いたシミュレーションを用い設計された機
    械または電子機器を用いることを特徴とする表面張力に
    よる実空間座標値圧力評価関数からの液体の形状予測方
    法。
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