JP2000258281A - 音響式漏洩監視装置 - Google Patents

音響式漏洩監視装置

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JP2000258281A
JP2000258281A JP11059738A JP5973899A JP2000258281A JP 2000258281 A JP2000258281 A JP 2000258281A JP 11059738 A JP11059738 A JP 11059738A JP 5973899 A JP5973899 A JP 5973899A JP 2000258281 A JP2000258281 A JP 2000258281A
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acoustic
leak
leakage
doppler shift
shift component
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JP11059738A
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Izumi Yamada
泉 山田
Satoshi Okada
岡田  聡
Jun Kashiwakura
潤 柏倉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、監視対象域の気泡の有無から
漏洩を検出する漏洩監視装置において、発生気泡の径に
影響されにくい漏洩監視法および装置を提供することに
ある。 【解決手段】SG容器胴11の下部に送信用音響センサ
21を配置し、側壁に高さを変えて2点、受信用音響セ
ンサ22,23を設置し、漏洩監視領域を伝播した音響
を受信センサ22,23で捕らえ、受信信号の変化を漏
洩検出用信号処理器40,漏洩判別器50で捕らえる構
成として、ドップラシフト成分および非ドップラシフト
成分の両者を漏洩監視指標とすることで、発生気泡の径
に影響されにくい漏洩監視法装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は監視領域中の液体へ
の気泡混入を捕らえることで、監視領域中での漏洩を知
る漏洩監視装置に関するものであり、漏洩に伴って発生
する気泡の散乱波のドップラシフトを捕らえる方式を主
体とした音響式の漏洩監視方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−73575 号公報では、音響送信
センサと受信センサを配置して、監視領域の液体中に音
響波を送信し、監視領域中の漏洩に伴なって発生した気
泡から散乱された音響波の周波数シフトいわゆるドップ
ラシフトを受けた音響成分の有無から漏洩の有無を知る
漏洩監視方式を開示している。ここで、漏洩に伴なって
発生する気泡は、ナトリウムと水の化学反応で生じる水
素気泡である。
【0003】ドップラシフトを用いる漏洩監視方式は、
送信音響周波数とは違った周波数成分の音響波を捕らえ
る方式である。漏洩が無い場合、監視領域では音響散乱
が生じない液体のみが動いている。送信した音響波の周
波数が変化する要因は移動する気泡からの散乱以外に考
えにくいため、本質的に高いSN比で漏洩検出が可能な
方法である。但し、上記の公知例でも記述されているよ
うに、散乱音響波を捕らえることが重要であるため、流
れに対する音響センサの送受信角度の設定の工夫がなさ
れている。つまり、気泡の移動方向と音響波の散乱角度
を適切にして、気泡からの散乱音響波のドップラシフト
の量すなわち周波数の変化量を大きく受信できるように
している。ここで、気泡の移動方向や速度は、監視領域
中の流体の流れの速さと、気泡の径によって決まる。
【0004】ところが、漏洩に伴う発生気泡の径を制御
することはできない。さまざまな径の気泡が存在するよ
うな場合は、気泡の大きさと液体の流れの速度によっ
て、気泡の移動の様相は極めて複雑となる。また、散乱
の主体は、音響波の波長よりも大きな径の気泡である。
このため、漏洩が発生した場合でも、気泡の径やその移
動の速度によっては、音響波の散乱確率が極めて小さく
なったり、ドップラシフト量が小さい場合もありうる。
この場合は、漏洩検出感度が悪くなる。
【0005】一方、特開平10−90236 号公報では、監視
媒質である液体中に音響を周期的に送信するセンサと、
液体を通過した音響を受信するセンサを用い、周期的に
受信される音響波の漏洩前後の波形の違いから監視領域
の漏洩の有無を検出する方式を開示している。
【0006】受信される音響波の漏洩前後の波形の違い
を用いる漏洩監視方式は、漏洩に伴って発生した気泡
で、音響波が減衰することを利用した漏洩監視方式であ
る。送信音響波は、さまざまな経路を通って受信音響セ
ンサに到達することになるため、受信される音響信号
は、漏洩が無い場合でも、環境の雑音や温度やその分布
等で変化する可能性がある。このため、受信音響波が、
漏洩が無い場合の波形変化を越えて変化するような場合
でないと、漏洩は検出できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来技術であるドップラシフトを捕らえる漏洩監視方式で
は、漏洩発生気泡としてさまざまな径のものが存在し、
気泡径が漏洩検出特性に影響を与える。従って、本発明
の目的は、監視対象域の気泡の有無から漏洩を検出する
漏洩監視装置において、発生気泡の径に影響されにくい
漏洩監視法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、漏洩の有無を判断する指標とし
て、ドップラシフト成分の監視だけでなく、受信音響信
号振幅の変化も用いることで、漏洩に伴う発生気泡の径
に影響されにくい漏洩監視を可能とする。
【0009】即ち、音響波が漏洩に伴なって発生した気
泡に衝突して散乱する場合、散乱音響波の周波数は、気
泡の移動速度と音響波の速度の比に応じて変化し、いわ
ゆるドップラシフトを生じる。つまり、気泡の移動速度
が速いほどドップラシフトは大きい。一方、気泡の移動
速度が小さいとドップラシフトが小さくなる。送信音響
波と散乱音響波の周波数の違いが少ない場合ほど、漏洩
の有無の判断がしにくくなる。漏洩量が同じで受信音響
波のドップラシフト成分の振幅が小さいか、ドップラシ
フト周波数が小さい場合、漏洩に伴なって発生した気泡
径が小さいか、気泡の移動速度が遅いことが考えられ
る。気泡径が小さい場合でも気泡の量は変わらない。ま
た、気泡の移動速度が遅いと言うことは、気泡の監視領
域に存在する時間が長くなるため、送信音響波が、その
気泡と干渉して減衰する確率が高くなるということであ
る。
【0010】すなわち、ドップラシフト法による漏洩検
出性能が悪い条件では、受信音響波の振幅変化を捕らえ
る方式の漏洩検出法の方が相対的に感度が高くなる傾向
にあるといえる。このため、ドップラシフト成分の振幅
と、非ドップラシフト成分の振幅を漏洩監視の指標とす
ることで、漏洩に伴って発生する気泡の径に依存しにく
い漏洩監視装置を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0012】図1は、本発明の音響監視方法および装置
を高速増殖炉発電プラントのSG(蒸気発生器)の水漏
洩監視に適用した例である。
【0013】SGは、原子炉で加熱された液体ナトリウ
ムの熱を水に与え、タービンを回すのに必要な高圧蒸気
を得るための熱交換器である。SG内部にはナトリウム
が通り、水を伝熱管101と呼ばれる細管を通すことで
水とナトリウムが直接ふれないが、熱の授受は行われる
構造となっている。図1において、SG容器胴11の上
部のナトリウム入り口管12を通って高温ナトリウムが
流入し、ナトリウム出口管13から、水に熱を与えた後
のナトリウムが流出し、加熱源である原子炉側に向か
う。水は、給水管14を通って流入し、伝熱管101を
通って、蒸気管15から流出し、蒸気タービンに向か
う。
【0014】図1において、SG容器胴11の下部に送
信用音響センサ21を配置し、側壁に高さを変えて2
点、受信用音響センサ22,23を設置してある。発信
器31で発生させた正弦波の電気信号を、パワーアンプ
32で増幅し、送信用音響センサ21で音響波に変換し
て、SG容器胴11の内部に送信する。SG容器胴11
の内部に送信された音響は、内部の液体や構造物を伝播
する過程で、散乱や減衰を伴って、音響受信センサ2
2,23で受信される。後述する伝熱管から水がもれる
ような場合は、音響受信センサ22,23の受信信号に
変化があらわれ、これを漏洩検出用信号処理器40,漏
洩判別器50で捕らえる構成としてある。
【0015】伝熱管に微細な亀裂がはいるような場合、
伝熱管内部の圧力が高いため、ナトリウム側に水が漏れ
だす。SG容器胴11内部を伝播する音響は、ナトリウ
ムと漏れた水との反応で発生した水素気泡の存在により
伝播特性が変化する。ナトリウム中に気泡が混入するこ
とで、音響伝播減衰が増大するとともに、音響の散乱特
性変化等が生じる。
【0016】図2は、SG容器胴11の内部の状況を説
明するために、SG断面の片側を簡易的に示したもので
ある。円筒形のSG容器胴11の内部には、円筒形の外
部シュラウド、細管をらせん状に巻いた伝熱管102,
円筒形の内筒がある。図2では、外部シュラウド壁10
2,伝熱管101,内筒壁103が、前述の構造物を示
す。ナトリウムは、上から下に流れるようになってい
る。但し、内筒壁103の内側や外部シュラウド壁10
2外側には、ナトリウムが充填されているが、この領域
には直接ナトリウムが供給されないため、大きな流れは
ない。
【0017】本実施例においては、音響送信センサ21
をSG容器胴11の下部に設置し、伝熱管101が配置
されている領域に、発生した音響を障害物無しで直接到
達するようにしている。従来法のように、径方向から音
響を送信する場合に比べて、監視領域へ入射する音響レ
ベルが高くできる。音響送信センサ21で発生した音響
が、受信センサ22,23に到達する経路として、一つ
は伝熱管101で散乱して、外部シュラウド壁102、
その外側のナトリウム層、SG容器胴11に到達する経
路がある。
【0018】他に、SG容器胴11の壁を伝播する経
路、外部シュラウド壁102とSG容器胴11間のナト
リウム伝播してSG容器胴11に設置された受信センサ
22,23に伝播する経路等がある。受信センサ22,
23の受信信号は、これら各経路を伝播する音響波の合
成信号が検出されることとなる。ここで、音響が気泡の
散乱によりドップラシフトを受ける経路は、はじめに述
べた伝熱管101領域を伝播する音響のみである。つま
り、漏洩が発生すると、複数の伝播経路の一部の経路の
音響が影響を受けることになるので、漏洩検出において
は、その一部の経路の音響変化を捕らえる必要がある。
【0019】伝熱管101から水が漏れ、伝熱管群が存
在する伝熱管領域に水素気泡が発生した場合、この気泡
は、その大きさに応じた浮力をもつため、ナトリウムの
流れの速さに応じて、上昇するもの,下降するものが存
在する。漏洩に伴う水素気泡の径はさまざまなものが存
在する。この気泡は、ナトリウムの流れにより、移動速
度,移動方向が変わる。ナトリウムの流れの速度は、原
子炉の運転条件によって変わる。比較的径の大きい気泡
の移動速度が極めて小さいような運転条件では、ドップ
ラシフト量が小さいため、気泡からの音響散乱波を用い
るドップラ方式による漏洩検出法では、その漏洩検出性
能は劣化する。前述したように、気泡量そのものが少な
いわけではないため、このような場合でも受信音響波の
振幅減衰を捕らえる方式の感度は下がらない。逆に、気
泡と音響波が干渉する確率が増える分、感度は上がる。
外部シュラウド壁102とSG容器胴11間を伝播する
音響波も一部、この気泡発生領域で減衰する。
【0020】つまり、実施例のようなセンサ配置におい
ては、ドップラ法の漏洩検出感度が悪い場合は、振幅変
化を捕らえる漏洩検出法の感度が高く、ドップラ法の感
度が高い場合は、気泡の移動速度が早いことで、気泡と
音響波が干渉する確率が下がるため、振幅を捕らえる方
式の感度が低下する。そこで、両者の漏洩検出感度の高
い領域だけを使うことで、気泡径に依存しにくい漏洩監
視法が実現できる。
【0021】なお、ここで、受信センサ22,23の二
つを用いたのは、漏洩発生位置によりSG容器胴11の
壁面位置での感度が違うことによる。例えば、図2にお
いて、伝熱管101の下部で漏洩による気泡が発生した
場合、伝熱管領域を伝播する音響は、気泡中で減衰する
ため、漏洩位置より上へ伝播する音響レベルは小さくな
る。このため、漏洩位置によって、感度の高い音響測定
位置が変わる。本実施例では、上下2領域に分けて監視
している。
【0022】図3は、本発明で主要な受信センサ22,
23からの音響を処理して、漏洩と判断する信号処理部
の構成を示したものである。受信センサ22,23は、
それぞれアンプ33,34,BPF(バンドパスフィル
タ)411,421,加算器412,422,BPF4
14,424、とLPF(ローパスフィルタ)413,
423、を通る。BPF414,424の出力は、RM
S(実効値演算器)415,425を通って、比較器5
11,521に入力される。LPF413,423出力
は、比較器512,522に入力される。比較器51
1,512、漏洩判定指標演算器521,522の出力
のどれか一つでも変化してれば、漏洩兆候検出器530
では漏洩発生と判断して、警報発生器540に警報発生
信号を与える。
【0023】図3において、アンプ33とアンプ34以
降の信号処理は全く同じであるから、以下では、アンプ
33の系統を使って、動作を説明する。
【0024】アンプ33は、受信センサ22の出力を増
幅する機能を有し、その出力はBPF411に入力され
る。BPF411は、発信器31,パワーアンプ32,
送信センサ21により、SG容器胴11内部に与えた音
響の周波数成分のみを通過させる機能を有する。加算器
412は、発信器31の出力正弦波信号と、受信音響信
号の和を計算する機能を有する。これにより、いわゆる
ヘテロダイン検波を行うことが可能となる。加算器41
2の出力のレベルは、直流レベルが送信周波数と同一周
波数の音響信号成分の大きさを、交流成分が送信周波数
とは異なった周波数成分の大きさを示すことになる。直
流成分が送信周波数すなわち非ドップラシフト成分の振
幅を、交流成分がドップラシフト成分の振幅を示す。
【0025】直流および交流成分を独立に評価するた
め、LPF413で直流成分を抽出し、BPF414で
交流成分を抽出し、交流成分についてはRMS415に
より実効値変換して、その大きさを算出している。漏洩
判定指標演算器511,521は、LPF413,42
3,RMS415,425の出力を基に、漏洩判定指標
を算出する機能を有する。漏洩兆候検出器530では、
漏洩判定指標演算器511,521の出力である漏洩判定指
標の値から漏洩発生の有無を判定する。警報発生器54
0は、漏洩兆候検出器530で漏洩と判断されたとき、
インジケータの点滅と音により異常を知らせる。
【0026】さて、ここで、気泡状態と受信音響波の周
波数スペクトルの関係をさらに詳しく説明する。上述し
たように、受信音響波は、2種類の周波数を含む。一つ
は、音響の送信周波数であり、これをf0とする。他
は、移動気泡に衝突して散乱したドップラシフト後の音
響波の周波数であり、これを周波数fdとする。ここで
f0は単一周波数であるが、fdは気泡の移動速度、音
響波の反射角度により変化するため、単一の周波数では
ない。ここでは、説明を簡単化するため、ドップラシフ
トを受けた周波数をfdと表現することとする。
【0027】はじめに、f0すなわち非ドップラシフト
成分の振幅について述べる。図4に、漏洩が発生してい
ない場合の受信音響波の周波数分布の例を示す。送信周
波数であるf0成分のみが現れている。漏洩量が増える
と水素気泡量が増え、気泡混入領域を通過する音響波の
減衰も増え、結果的にf0成分の振幅は減少する。次
に、fdすなわちドップラシフト成分の振幅について述
べる。図5は、気泡の移動速度が速い場合の受信音響信
号の周波数分布の例を示す。ドップラシフト成分fd
が、送信音響周波数f0より高周波側に現れている。
【0028】図2で示したように、音響が下から上に向
かって伝播し、気泡が下降している場合である。気泡が
上昇する場合は、低周波側にシフトする。f0成分の振
幅は、音響と気泡との衝突等による干渉の確率が大きい
ほど変化し、気泡の移動方向には依存しない。図6に、
気泡の移動速度が遅いときの受信音響信号の周波数分布
の例を示す。この場合、気泡による音響散乱で生じる周
波数変化がわずかであり、散乱波の周波数はほとんどド
ップラシフトを受けない。一方、気泡の移動速度が遅い
ことで、f0成分が気泡と干渉して減衰する確率が高く
なり、f0成分の減衰は大きい。
【0029】以上、受信音響信号の周波数分布と漏洩時
の流動条件との関連を述べた。漏洩で発生した気泡の径
と、Na流速に起因した気泡の振る舞いの違いに対し
て、受信音響信号のドップラシフトと音響信号の振幅変
化の両者の監視で、ドップラシフト量が小さい場合でも
漏洩検出が可能であることがわかる。
【0030】ドップラシフト後の周波数fdは、漏洩量
が増えるほど反射する音響波成分が増え、周波数fdの
振幅が増加する。Na流速が小さいときと大きいとき
は、気泡移動速度が早いために、ドップラシフトが大き
くなる。ところが、漏洩に伴う発生気泡がほとんど移動
しないようなプラント運転条件では、反射成分の周波数
シフトがほとんどない。
【0031】つまり、図3で示したような信号処理系と
することで、ドップラシフトが大きいときは周波数シフ
トで、振幅変化が大きいときは振幅変化を捕らえて漏洩
検出が可能となる。
【0032】この事を実現するため、本実施例において
は、以下のように漏洩を判定する。
【0033】
【数1】
【0034】(数1)式において、Af0は非ドップラシ
フト成分の振幅、A1 は非ドップラシフト成分を判定す
る基準振幅、Afdはドップラシフト成分の振幅、A2
ドップラシフト成分を判定する基準振幅、A3 は漏洩判
定指標の制限値である。(数1)では、非ドップラシフト
成分の振幅が小さくなったり、ドップラシフト成分の振
幅が大きいとき、漏洩判定指標の制限値A3 を越え、漏
洩と判定する。本実施例では、A3 を2としている。ド
ップラシフト成分および非シフト成分のどちらかの変化
が大きいか、両者とも変化した場合に漏洩と判定するよ
うになっている。(数1)式と、図3の信号処理部構成と
の関連を説明する。Af0がLPF413,423の出力
である。Afdは、RMS415,425の出力に相当す
る。漏洩判定指標演算器511,521は、あらかじめ
設定されているA1,A2の値と、非ドップラシフト成分
の振幅Af0,ドップラシフト成分の振幅Afdを用いて、
漏洩判定指標を(数1)式、左辺に従って算出する。漏
洩兆候検出器530では、算出した漏洩判定指標と、あ
らかじめ設定してある漏洩判定指標の制限値A3 の値を
比較して、漏洩の有無を判定する。
【0035】本実施例において、音響センサを蒸気発生
器の底部に配置してある。これは、底部に音響センサを
配置することで、蒸気発生器内部の構造による送信音響
波の減衰を小さくして、少しでも大きなな振幅の音響波
を監視領域に伝播させたいためである。
【0036】ドップラシフト成分の振幅とその基準値の
比と、非ドップラシフト成分の基準値と非ドップラシフ
ト成分の振幅の差を非ドップラシフト成分の基準値で正
規化した値の和が2を越えたときに漏洩と判断するよう
にしているが、どちらか一方が設定値を越えたときに漏
洩と判断するようにしても良い。
【0037】本実施例においては、ドップラシフト成分
の振幅とその基準値の比と、1から非ドップラシフト成
分の振幅とその基準値との比を差し引いた値の和が2を
越えたときに漏洩と判断するようにしている。ドップラ
シフト成分の振幅もしくは、非ドップラシフト成分の振
幅のどちらか一方が基準値を漏洩発生側に越えたときに
漏洩と判断するようにしても、ほぼ同等の効果が得られ
る。
【0038】本実施例においては、単にドップラシフト
成分と、非ドップラシフト成分の振幅の絶対値を監視す
る構成としている。さらに、高い漏洩検出感度を得よう
とする場合、非ドップラシフト成分の変化をより強調し
て求めれば良い。発信器31をバースト波発生モードに
設定し、BPF411,421の出力を検波器を通し、
この検波器出力と、あらかじめ測定した漏洩が無い場合
の基準となる検波器出力との差の積分値を、バースト波
発生タイミング毎に算出し、この差の積分値を非ドップ
ラシフト成分と見立てれば良い。つまり、LPF41
3,423の出力信号の代わりに、この差の積分値を用
いればよい。
【0039】主要な漏洩監視対象と想定している蒸気発
生器は、内部の蒸気の流れや周辺機器の作動により雑音
が大きくなる場合もある。このような場合、送信した音
響波と雑音を区別するために、送信音響波を例えばM系
列信号で変調し、受信側で復調することで、送信音響波
を源とした音響波のみを選択的に捕らえることが可能と
なる。
【0040】以上説明したように、本実施例において
は、漏洩に伴なって発生する気泡の径に検出感度が影響
されにくい漏洩監視装置が実現可能である。
【0041】本実施例の特有の効果として、以下の項目
があげられる。
【0042】(1)送信用音響センサを蒸気発生器底部
に配置することで、径方向からの送信音響波入射に比較
して、蒸気発生器の構造物による音響伝播の減衰効果が
少なくなり、漏洩検出の感度向上が図れ、漏洩検出器の
性能向上に効果が有る。
【0043】(2)いわゆる周波数分析を行わない構成
としたことで、漏洩監視装置の簡単化が図れており、漏
洩監視装置の経済性向上効果がある。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、ドップ
ラシフトを捕らえる漏洩監視方式において、ドップラシ
フト成分および非ドップラシフト成分の両者を漏洩判定
指標とすることで、発生気泡の径に影響されにくい漏洩
監視法装置を提供できる。これにより、漏洩監視装置の
適用範囲が拡大することになり、漏洩検出器の性能向上
に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響監視装置をFBR・SGの伝熱管
漏洩監視装置へ適用した構成図。
【図2】本発明の実施例の音響式漏洩監視装置における
漏洩監視領域の模式図。
【図3】本発明の漏洩監視装置の信号処理部分のブロッ
ク線図。
【図4】漏洩が無い場合の受信音響信号の周波数分布の
例を示す特性図。
【図5】漏洩発生時の受信音響信号の周波数分布の例を
示す特性図。
【図6】漏洩発生時の受信音響信号の周波数分布の他の
例を示す特性図。
【符号の説明】
11…SG(蒸気発生器)容器胴、21…送信音響セン
サ、22,23…受信音響センサ、31…発信器、32
…パワーアンプ、33,34…アンプ、40…漏洩検出
用信号処理器、50…漏洩判別器、101…伝熱管、1
02…外部シュラウド壁、103…内筒壁、411,4
21…BPF、412,422…加算器、413,42
3…LPF、414,424…BPF、415,425
…RMS、511,521…漏洩判定指標演算器、53
0…漏洩兆候検出器、540…警報発生器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏倉 潤 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 Fターム(参考) 2G047 AA03 AC01 GF08 GG32 2G067 BB11 DD13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響波を監視領域中に送信するステップ
    と、監視領域中の透過・散乱音響波を受信するステップ
    と、受信音響波を複数の周波数領域の振幅成分に分離す
    るステップと、分離した周波数成分のうち少なくとも二
    つ以上の周波数成分の振幅の大きさから漏洩を判定する
    ステップからなることを特徴とする音響式漏洩監視方
    法。
  2. 【請求項2】音響波を監視領域中に送信する送信センサ
    と、監視領域中の透過・散乱音響波を受信する受信セン
    サとが、液体を内蔵する構造物の外壁に設置された構造
    物内部の気泡の有無により漏洩を検出する装置におい
    て、受信音響信号のドップラシフト成分とドップラ非シ
    フト成分を分離抽出する手段と、ドップラシフト成分と
    ドップラ非シフト成分の振幅それぞれの大きさから液体
    中の気泡の発生の有無を判別することを特徴とすること
    を特徴とする音響式漏洩監視装置。
  3. 【請求項3】請求項2の漏洩監視装置において、ドップ
    ラシフト成分の振幅の算出を発信器出力と受信音響信号
    の加算手段と、帯域通過フィルタと、実効値演算手段に
    より実現し、非ドップラシフト成分の振幅の算出を、発
    信器出力と受信音響信号の加算手段と、低域通過フィル
    タで実現したことを特徴とする音響式漏洩監視装置。
  4. 【請求項4】請求項2の漏洩監視装置において、ドップ
    ラシフト成分の振幅とその基準値の比と、非ドップラシ
    フト成分の基準値と非ドップラシフト成分の振幅の差を
    非ドップラシフト成分の基準値で正規化した値の和が2
    を越えたときに漏洩と判断することを特徴とする音響式
    漏洩監視装置。
  5. 【請求項5】請求項2の漏洩監視装置において、ドップ
    ラシフト成分の振幅があらかじめ設定したしきい値を越
    えて大きくなった場合、もしくは非シフト成分の振幅が
    あらかじめ設定したしきい値よりも小さくなった場合に
    漏洩と判断することを特徴とする音響式漏洩監視装置。
  6. 【請求項6】請求項2の漏洩監視装置において、送信信
    号発生手段がバースト波発生手段であり、受信音響信号
    の信号処理が送信信号の発生に同期して動作する手段を
    付加し、非ドップラシフト成分の振幅を、無漏洩時の信
    号と現受信音響信号の差の積分値としたことを特徴とす
    る音響式漏洩監視装置。
  7. 【請求項7】請求項2の漏洩監視装置において、送信信
    号を変調する手段と、受信音響信号を復調する手段を付
    加したことを特徴とする音響式漏洩監視装置。
  8. 【請求項8】請求項2の漏洩監視装置において、音響受
    信センサを監視領域の周辺に複数配置し、受信音響セン
    サのうち少なくとも1個の受信センサで漏洩検出したと
    きに漏洩と判断することを特徴とした音響式漏洩監視装
    置。
  9. 【請求項9】請求項2の漏洩監視装置において、音響波
    を送信するセンサを蒸気発生器の底部に配置したことを
    特徴とする音響式漏洩監視装置。
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