JP2000257499A - コンピュータによる車両走行シミュレーション演算方法 - Google Patents

コンピュータによる車両走行シミュレーション演算方法

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JP2000257499A
JP2000257499A JP11057035A JP5703599A JP2000257499A JP 2000257499 A JP2000257499 A JP 2000257499A JP 11057035 A JP11057035 A JP 11057035A JP 5703599 A JP5703599 A JP 5703599A JP 2000257499 A JP2000257499 A JP 2000257499A
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Masao Nakazawa
澤 雅 生 中
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UD Trucks Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 実車走行時に機関からの排気ガス成分を、机
上演算で求める車両走行シミュレーション演算方法。 【解決手段】 車両走行シミュレーション演算方法にお
いて、供給燃料(Qf)を入力とするエンジンシミュレ
ーション工程(M1)と、M1で得られたエンジントル
ク(Qe)を入力とする車両シミュレーション工程(M
2)と、M2で得られたエンジン回転速度(Ne)を入
力とする冷却系シミュレーション工程(M3)と、供給
燃料(Qf)とエンジン回転速度(Ne)とM1で得ら
れたシリンダ吸気流量(Vs)及び温度(Ts)とシリ
ンダ排気流量(Ve)及び温度(Te)と、M3から得
られたシリンダ温度(Tcy)とを入力とし、排気ガス
のCOx、NOx、SOx、パーティクルの各排出量
(Ecox、Enox、Esox、Epat)を出力と
する燃焼シミュレーション工程(M4)と、を含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータよっ
て行う車両走行シミュレーション演算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の走行状態によって、CO
x、NOx、SOx、パーティクル等の排出量がどのよ
うな数値になるかを求めるには、一般には、実体の機関
に負荷装置を接続した実機試験運転から得た結果をもと
に推定算出していた。即ち、速度一定の定常走行抵抗に
相当する負荷を付与して、機関の排出するガスの前記各
成分を推定の基礎としてその結果を求めていた。しかし
ながら、この方法では、負荷装置による負荷の付与がほ
ぼ定常的となり、実車両の加速、減速等の過渡的な変化
を模擬できなかった。また、実車によるモード運転で
は、定常負荷と過渡負荷との区分の不明確、過渡状態内
での加速、定常、減速等の負荷の区分が不明確で、実車
条件での数値確認はできるが、設計段階での正確な基礎
データにすることはできなかった。
【0003】このような現状の中でも、燃料を付与して
機関のトルク、回転出力及びシリンダからの排気ガス温
度、流量等を算出する機関運転のシミュレーション演算
モデルと、機関出力を与えて走行速度、機関回転速度を
求める車両走行シミュレーション演算モデルと、は公知
である。しかし、これらのシミュレーション演算モデル
では、冷却系、燃焼系が含まれないので、排気ガスの各
成分の演算と推定はできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、実車走行
時に機関から排出される排気ガス成分を机上演算で求め
るための車両走行シミュレーション演算方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のコンピュータに
よる車両走行シミュレーション演算方法は、供給燃料を
入力とするエンジンシミュレーション工程と、そのエン
ジンシミュレーション工程で得られたエンジントルクを
入力とする車両シミュレーション工程と、その車両シミ
ュレーション工程で得られたエンジン回転速度を入力と
する冷却系シミュレーション工程と、前記供給燃料と前
記エンジン回転速度と前記エンジンシミュレーション工
程で得られたシリンダ吸気流量及び温度とシリンダ排気
流量及び温度と、前記冷却系シミュレーション工程から
得られたシリンダ温度と、を入力とし、排気ガスのCO
x、NOx、SOx、パーティクルの各排出量を出力と
する燃焼シミュレーション工程、とをコンピュータに実
行させることを特徴としている。
【0006】本発明の実施に際して、前記エンジンシミ
ュレーション工程は、吸気系シミュレーション工程と、
シリンダシミュレーション工程と、排気系シミュレーシ
ョン工程、と含んでいるのが好ましい。
【0007】また、前記車両シミュレーション工程は、
クラッチシミュレーション工程と、変速機シミュレーシ
ョン工程とプロペラシャフトシミュレーション工程と、
終減速機シミュレーション工程と、タイヤシミュレーシ
ョン工程とを含むことが好ましい。
【0008】そして、前記冷却系シミュレーション工程
は、ラジエータシミュレーション工程と、ウオータポン
プシミュレーション工程とオイルクーラシミュレーショ
ン工程と、シリンダブロックシミュレーション工程と、
シリンダヘッドシミュレーション工程と、サーモスタッ
トシミュレーション工程とを含むことが好ましい。
【0009】さらに、前記燃焼シミュレーション工程
は、燃料供給量と、シリンダ吸気流量及び温度と、シリ
ンダ排気流量及び温度と、シリンダ温度と、から運転状
態を排気ガスの各成分別発生量に反映させる補正演算工
程と、各成分別の排気ガス発生量を算出するマップ照合
工程と、マップ照合工程でえられた各成分別の排気ガス
を入力とし排気ガスのCOx、NOx、SOx、パーテ
ィクルの各排出量を出力とする触媒・パーティクルシミ
ュレーション工程と、を含むことが好ましい。これらの
発明によれば、過去の実績データを折り込んだ各シミュ
レーション工程をコンピュータにより実行する事によっ
て、精度の良い車両走行シミュレーション演算ができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の車両
走行シミュレーション演算方法の実施の形態を説明す
る。図1に、本発明の車両走行シミュレーション演算方
法M0のブロック構成を示す。車両走行シミュレーショ
ン演算方法M0は、燃料Qfと、EGR弁開度Vegr
と、排気ブレーキ弁開度Vexhを入力とするエンジン
シミュレーション工程M1と、エンジントルクQeとク
ラッチペダル踏角αp及び変速機段Stmを入力とする
車両シミュレーション工程M2と、燃料Qfとエンジン
回転速度Neを入力とする冷却系シミュレーション工程
M3と、燃料Qf、エンジントルクQe、排気ガス流量
Ve及び同温度Te、吸気流量Vs及び同温度Ts、E
GR率Regr等を入力とする燃焼シミュレーション工
程M4とにより、主要構成がされている。
【0011】別の表現をすれば、図1は本発明の車両走
行シミュレーション演算方法を行うためのコンピュータ
システムをブロック構成により示すものであり、システ
ム全体が符号M0で表示されている。そして、車両走行
シミュレーション演算方法を実行するコンピュータシス
テムM0の主要部は、燃料Qfと、EGR弁開度Veg
rと、排気ブレーキ弁開度Vexhを入力とするエンジ
ンシミュレーション工程を実行するブロック(或いは部
分)M1と、エンジントルクQeとクラッチペダル踏角
αp及び変速機段Stmを入力とする車両シミュレーシ
ョン工程を実行するブロック(或いは部分)M2と、燃
料Qfとエンジン回転速度Neを入力とする冷却系シミ
ュレーション工程を実行するブロック(或いは部分)M
3と、燃料Qf、エンジントルクQe、排気ガス流量V
e及び同温度Te、吸気流量Vs及び同温度Ts、EG
R率Regr等を入力とする燃焼シミュレーション工程
を実行するブロック(或いは部分)M4とを含んで構成
されているのである。
【0012】ここで、エンジンシミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M1は、図2に
示すように、吸気系シミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M11と、シリンダシミュレ
ーション工程(或いはその工程を実行するブロック)M
12と、排気系シミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M13と、排気ガスの一部を吸気
に混合させて再燃焼させるEGRシミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M14と、を含
んで構成されている。
【0013】その吸気系シミュレーション工程(或いは
その工程を実行するブロック)M11は、本例の排気タ
ーボを使用するエンジンにおいては、ターボコンプレッ
サ回転速度NcとEGR弁流量Qegrを入力とし、出
力をシリンダの吸気流量Vs及び同温度Tsとするよう
構成されている。なお、ターボなしのナチュラル吸気エ
ンジンでは、大気吸入流量Vs、大気吸気温度Tsが吸
気系の入力でも出力でもある。
【0014】シリンダシミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M12は、燃料Qf及び吸
気系シミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M11からのシリンダの吸気流量Vs及び同
温度Tsを入力とし、出力をエンジントルクQeとシリ
ンダからの排気流量Ve及び同温度Teとするよう構成
されている。排気系シミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M13は、排気ブレーキ弁開
度Vexhと、シリンダシミュレーション工程(或いは
その工程を実行するブロック)M12からのエンジント
ルクQeとシリンダからの排気流量Ve及び同温度Te
を入力とし出力をターボ回転速度Ncとするよう構成さ
れている。
【0015】EGRシミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M14は、EGR弁開度と、
シリンダからの排気流量Ve及び同温度Teを入力とし
出力をEGR弁流量Qegrとするよう構成されてい
る。そして、これらの各工程(或いはその工程を実行す
るブロック)間は、吸気系シミュレーション工程(或い
はその工程を実行するブロック)M11とシリンダシミ
ュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M12とは送信線21を介して、シリンダシミュレ
ーション工程(或いはその工程を実行するブロック)M
12と排気系シミュレーション工程(或いはその工程を
実行するブロック)M13及びEGRシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M14とは
送信線22を介して、排気系シミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M13と吸気系シミ
ュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M11とは送信線23を介して、EGRシミュレー
ション工程(或いはその工程を実行するブロック)M1
4と吸気シミュレーション工程(或いはその工程を実行
するブロック)M11とは送信線24を介して、それぞ
れ接続されている。このエンジンシミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M1は、基本的
には公知のエンジンシミュレーションモデルと同様であ
る。
【0016】車両シミュレーション工程(或いはその工
程を実行するブロック)M2は、図3に示すように、ク
ラッチシミュレーション工程(或いはその工程を実行す
るブロック)M21と、変速機シミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M22と、プロ
ペラシャフトシミュレーション工程(或いはその工程を
実行するブロック)M23と、終減速機シミュレーショ
ン工程(或いはその工程を実行するブロック)M24
と、タイヤシミュレーション工程(或いはその工程を実
行するブロック)M25と、を含んで構成されている。
【0017】クラッチシミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M21は、動力伝達系の往
路ではエンジントルクQeと、伝達トルクを調整するク
ラッチペダル踏角αpとを入力とし、出力はクラッチ出
力トルクQcを、復路ではクラッチ板回転速度を入力と
し、出力はエンジン回転速度Neとするよう構成されて
いる。
【0018】変速機シミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M22は、往路ではクラッチ
出力トルクQcと変速機段Stm例えば第1速段とを入
力とし、出力は変速機出力トルクQtを、復路ではプロ
ペラシャフト回転速度Npを入力とし、出力はクラッチ
板回転速度Ncとするよう構成されている。プロペラシ
ャフトシミュレーション工程(或いはその工程を実行す
るブロック)M23は、往路では変速機出力トルクQt
を入力とし、出力はプロペラシャフト伝達トルクQpと
するよう構成されている。
【0019】終減速機シミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M24は、復路ではプロペ
ラシャフト伝達トルクQpを入力とし、出力は終減速機
伝達トルクQdを、復路ではタイヤ回転速度Nwを入力
とし、出力はプロペラシャフト回転速度Npとするよう
構成されている。タイヤシミュレーション工程(或いは
その工程を実行するブロック)M25は、車両重量、タ
イヤ半径等の諸元と終減速機伝達トルクQdを入力と
し、出力はタイヤ回転速度Nwとするよう構成されてい
る。
【0020】そして、これらの各工程(或いはその工程
を実行するブロック)間は、クラッチシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M21と変
速機シミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M22とは送信線31及び37を介して、変
速機シミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)とプロペラシャフトシミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M23とは送信
線32を介して、プロペラシャフトシミュレーション工
程(或いはその工程を実行するブロック)M23と終減
速機シミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M24とは送信線33を介して、終減速機シ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M24とタイヤシミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M25とは送信線34及び3
5を介して、また、終減速機シミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M24と変速機シミ
ュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M22とは送信線36を介して接続されている。
【0021】この車両シミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M2も、基本的には公知の
シミュレーションモデルと同様である。冷却系シミュレ
ーション工程(或いはその工程を実行するブロック)M
3は、図4に示すように、ラジエータシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M31と、
ウオータポンプシミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M32と、オイルクーラシミュレ
ーション工程(或いはその工程を実行するブロック)M
33と、シリンダブロックシミュレーション工程(或い
はその工程を実行するブロック)M34と、シリンダヘ
ッドシミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M35ト、サーモスタットシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M36と、
で構成されている。
【0022】ラジエータシミュレーション工程(或いは
その工程を実行するブロック)M31は、サーモスタッ
トシミュレーション工程(或いはその工程を実行するブ
ロック)からのシリンダヘッド冷却水温度Tch、同流
量Vch1を入力とし、出力をラジエータ冷却水温度T
rr、同流量Vrrとするよう構成されている。
【0023】ウオータポンプシミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M32は、エンジン
回転速度Neとラジエータシミュレーション工程(或い
はその工程を実行するブロック)M31からのラジエー
タ冷却水温度Trr、同流量Vrr及びサーモスタット
シミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)M36からのシリンダヘッド冷却水温度Tchと
サーモスタットから分岐された同流量Vch2とを入力
とし、出力をポンプ冷却水温度Tp、同流量Vpとする
よう構成されている。
【0024】オイルクーラシミュレーション工程(或い
はその工程を実行するブロック)M33は、燃料Qfと
ウオータポンプシミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M32からのポンプ冷却水温度T
p、同流量Vpとを入力とし、出力をオイルクーラ冷却
水温度Tco、同流量Vcoとするよう構成されてい
る。
【0025】シリンダブロックシミュレーション工程
(或いはその工程を実行するブロック)M34は、燃料
Qfとオイルクーラシミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M33からのオイルクーラ冷
却水温度Tco、同流量Vcoとを入力とし、出力をシ
リンダ温度Tcyとシリンダ冷却水温度Tc、同流量V
cとするよう構成されている。
【0026】シリンダヘッドシミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M35は、燃料Qf
とシリンダブロックシミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M34からのシリンダ冷却水
温度Tc、同流量Vcを入力とし、出力をシリンダヘッ
ド冷却水温度Tch、同流量Vchとするよう構成され
ている。
【0027】サーモスタットシミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M36は、大気温度
Tarとシリンダヘッドシミュレーション工程(或いは
その工程を実行するブロック)M35からのシリンダヘ
ッド冷却水温度Tch、同流量Vchを入力とし、出力
をシリンダヘッド冷却水温度Tchと2分する流量Vc
h1及びVch2とするよう構成されている。
【0028】そして、これらの各工程(或いはその工程
を実行するブロック)間は、ラジエータシミュレーショ
ン工程(或いはその工程を実行するブロック)M31と
ウオータポンプシミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M32とは送信線41を介して、
ウオータポンプシミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M32とオイルクーラシミュレー
ション工程(或いはその工程を実行するブロック)M3
3とは送信線42を介して、オイルクーラシミュレーシ
ョン工程(或いはその工程を実行するブロック)M33
とシリンダブロックシミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)M34とは送信線43を介し
て、シリンダブロックシミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M34とシリンダヘッドシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M35とは送信線45を介して、シリンダヘッドシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M35とサーモスタットシミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M36とは送信線4
6を介して、サーモスタットシミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)36とラジエータシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M31とは送信線48を介して接続されている。さ
らに、サーモスタットシミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M36とウオータポンプシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M32とは送信線47を介してそれぞれ接続されて
いる。
【0029】燃焼シミュレーション工程(或いはその工
程を実行するブロック)M4は、図5に示すように、補
正演算工程(或いはその工程を実行するブロック)M4
1と、マップ照合工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)M40と、触媒・パーティクルトラップ工程(或
いはその工程を実行するブロック)M46とで構成され
ている。
【0030】補正演算工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M41は、エンジンの運転状態を排気ガスの
発生量に反映させるための工程(或いはその工程を実行
するブロック)で、シリンダ吸気量Vs、同温度Ts、
シリンダ排気流量Ve、同温度Te、EGR率Regr
を入力とし、出力を吸気係数Cfs及び排気係数Cfe
とするよう構成されている。
【0031】マップ照合工程(或いはその工程を実行す
るブロック)M40は、排気ガス成分別の発生量をマッ
プを照合して求める工程(或いはその工程を実行するブ
ロック)で、前記吸気係数Cfs及び排気係数Cfe
と、エンジン回転速度Ne、エンジントルクを入力と
し、出力を排気ガス成分量とするよう構成されている。
その工程(或いはその工程を実行するブロック)M40
は、COxマップ照合工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M42、NOxマップ照合工程(或いはその
工程を実行するブロック)M43、SOxマップ照合工
程(或いはその工程を実行するブロック)M44とパー
ティクルマップ照合工程(或いはその工程を実行するブ
ロック)M45とで構成されている。
【0032】触媒・パーティクルトラップ工程(或いは
その工程を実行するブロック)M46は、排気ガスを触
媒によって酸化、還元して有害成分を減少させる浄化作
用のシミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)で、前記COx、NOx、SOx及びパーテ
ィクルの各発生量Vcox、Vnox、Vsox、Vp
atを入力とし、出力を外部に排出するCOx、NO
x、SOx及びパーティクルの各排出量Ecox、En
ox、Esox、Epatとするよう構成されている。
この各マップ照合工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)で使用されるマップは、エンジンの燃焼方式、出
力その他で区分され、実績データに基いて作成されて予
め記憶媒体に入力されている。
【0033】そして、これらの各工程(或いはその工程
を実行するブロック)間は、補正演算工程(或いはその
工程を実行するブロック)M41とCOxマップ照合工
程(或いはその工程を実行するブロック)M42、NO
xマップ照合工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M43、SOxマップ照合工程(或いはその工程を
実行するブロック)M44とパーティクルマップ照合工
程(或いはその工程を実行するブロック)M45とは、
それぞれに吸気係数Cfsを送信する送信線55及び排
気係数Cfeを送信する送信線56を介して接続されて
いる。また、マップ照合工程(或いはその工程を実行す
るブロック)M40は、COxマップ照合工程(或いは
その工程を実行するブロック)M42、NOxマップ照
合工程(或いはその工程を実行するブロック)M43、
SOxマップ照合工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)M44とパーティクルマップ照合工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M45が触媒・パーティク
ルトラップ工程(或いはその工程を実行するブロック)
M46にそれぞれ送信線57、58、59、60を介し
て接続されている。
【0034】上記構成の作用を、図6に示すフローチャ
ートによって説明する。ステップS1において、シミュ
レーション演算の条件を設定する。即ち、エンジン設定
と、このエンジンを搭載する車両の設定と、この車両が
走行する例えば走行パターン等の走行条件を設定する。
ステップS2では、エンジンに供給する燃料量、本例で
は噴射による燃料供給量Qfと、EGR弁開度Vegr
と、排気ブレーキ弁開度Vexhと、使用する変速機の
段数Stmと、クラッチペダル踏角αp、走行に関する
タイヤ半径、車両重量等のパラメータの読み込み等をす
る。
【0035】次のステップS3においては、エンジンシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M1によって、エンジントルクQe、エンジンへの
吸気流量Vs、同温度Ts、シリンダからの排気流量V
e、同温度Te、EGR率Regrを算出する。この算
出要領は公知の方法による。ステップS3が、エンジン
シミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)である。
【0036】ステップS4において、車両シミュレーシ
ョン工程(或いはその工程を実行するブロック)M2に
よりエンジン回転速度Neを算出する。即ち、エンジン
トルクQe、クラッチペダル踏み角αp、変速機段St
mを入力し、車両各装置をシミュレートするクラッチシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M21と、変速機シミュレーション工程(或いはそ
の工程を実行するブロック)M22と、プロペラシャフ
トシミュレーション工程(或いはその工程を実行するブ
ロック)M23と、終減速機シミュレーション工程(或
いはその工程を実行するブロック)M24と、タイヤシ
ミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M25とによって、エンジンが必要とするエンジン
回転速度Neを求める。ステップS4が車両シミュレー
ション工程(或いはその工程を実行するブロック)であ
る。
【0037】次のステップS5において、冷却系シミュ
レーション工程(或いはその工程を実行するブロック)
M3によりシリンダ温度Tcyを算出する。燃料噴射量
Qf、大気温度Tarと前ステップS4で得たエンジン
回転速度Neとを入力し、ラジエータシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M31と、
ウオータポンプシミュレーション工程(或いはその工程
を実行するブロック)M32と、オイルクーラシミュレ
ーション工程(或いはその工程を実行するブロック)M
33と、シリンダブロックシミュレーション工程(或い
はその工程を実行するブロック)M34と、シリンダヘ
ッドシミュレーション工程(或いはその工程を実行する
ブロック)M35ト、サーモスタットシミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M36と、
の各工程(或いはその工程を実行するブロック)によっ
て、シリンダ温度Tcyを求める。ステップS5が冷却
系シミュレーション工程(或いはその工程を実行するブ
ロック)である。
【0038】ステップS6では、燃焼シミュレーション
工程(或いはその工程を実行するブロック)M4によ
り、前ステップS3、S4、S5で求めた各パラメータ
を入力として、COx、NOx、SOx、パーティクル
の各排出量Ecox、EnoxE、Esox、Epat
を算出する。即ち、エンジン回転速度Ne、エンジント
ルクQe、シリンダ吸気量Vs、同温度Ts、シリンダ
排気流量Ve、同温度Te、EGR率Regrを入力と
し、補正演算工程(或いはその工程を実行するブロッ
ク)M41と、マップ照合工程(或いはその工程を実行
するブロック)M40と、触媒・パーティクルトラップ
工程(或いはその工程を実行するブロック)M46とに
よって各排気ガス成分量を求める。ステップS6が燃焼
シミュレーション工程(或いはその工程を実行するブロ
ック)である。
【0039】ステップS7において、シミュレーション
演算の終了条件を満たしたか否かを確認する。即ち、ス
テップS1で設定した走行条件のすべてをシミュレート
したか、あるいは、走行条件の変数、エンジン部品の特
性の変数、ラジエータ容量の変数、等の初期、所定の目
的が達成されてYESであればステップS8に行く。N
Oであれば、ステップS2にもどってシミュレーション
演算を継続する。ステップS8において、上記各ステッ
プにより求めた演算結果を、グラフ等に整理する。以上
で、シミュレーションを終了する。
【0040】
【発明の効果】本発明の作用効果を、以下に列挙する。 (1) 従来のエンジンシミュレーションと車両シミュ
レーションに冷却系シミュレーション工程(或いはその
工程を実行するブロック)及び燃焼シミュレーション工
程(或いはその工程を実行するブロック)を加えて、シ
ミュレーション形態を完成させたので、机上で車両走行
シミュレーション演算ができて、加速、減速の過渡状態
を含んだ排出ガスの各成分量を算出できる。 (2) 走行条件を変数にして、広範な演算と検討がで
きる。 (3) 例えばエンジン部品等の形状、特性等を容易に
変化させ、最適合部品を選定できる。 (4) 例えばラジエータ部品等の形状、特性等を変化
させ、加、減速の過渡条件も検討したラジエータ特性、
ウオータポンプ特性の最適合部品を容易に選定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両走行シミュレーション演算方法の
実施形態を示すブロック構成図。
【図2】図1内のエンジンシミュレーション工程M1を
示すブロック構成図。
【図3】図1内の車両シミュレーション工程M2を示す
ブロック構成図。
【図4】図1内の冷却系シミュレーション工程M3を示
すブロック構成図。
【図5】図1内の燃焼シミュレーション工程M4を示す
ブロック構成図。
【図6】上記構成の作用を示すフローチャート図。
【符号の説明】
M1・・・エンジンシミュレーション工程 M11・・吸気系シミュレーション工程 M12・・シリンダシミュレーション工程 M13・・排気系シミュレーション工程 M2・・・車両シミュレーション工程 M21・・クラッチシミュレーション工程 M22・・変速機シミュレーション工程 M23・・プロペラシャフトシミュレーション工程 M24・・終減速機シミュレーション工程 M25・・タイヤシミュレーション工程 M3・・・冷却系シミュレーション工程 M31・・ラジエータシミュレーション工程 M32・・ウオータポンプシミュレーション工程 M33・・オイルクーラシミュレーション工程 M34・・シリンダブロックシミュレーション工程 M35・・シリンダヘッドシミュレーション工程 M36・・サーモスタットシミュレーション工程 M4・・・燃焼シミュレーション工程 M40・・マップ照合工程 M41・・補正演算工程 M42・・COxマップ照合工程 M43・・NOxマップ照合工程 M44・・SOxマップ照合工程 M45・・パーティクルマップ照合工程 M46・・触媒・パーティクルトラップ工程 αp・・・クラッチペダル踏角 Ne・・・エンジン回転速度 Nc・・・クラッチ板回転速度 Np・・・プロペラシャフト回転速度 Nw・・・タイヤ回転速度 Stm・・変速機段数 Qe・・・エンジントルク Qc・・・クラッチ出力トルク Qt・・・変速機伝達トルク Qp・・・プロペラシャフト伝達トルク Vrr・・ラジエータ冷却水流量 Trr・・ラジエータ冷却水温度 Ve・・・シリンダからの排気流量 Te・・・シリンダからの排気温度 Vs・・・シリンダの吸気流量 Ts・・・シリンダの吸気温度 Vp・・・ポンプ冷却水流量 Tp・・・ポンプ冷却水温度 Vc・・・シリンダ冷却水流量 Tc・・・シリンダ冷却水温度 Tcy・・シリンダ温度 Vch・・シリンダヘッド冷却水流量 Tch・・シリンダヘッド冷却水温度 Vco・・オイルクーラ冷却水流量 Tco・・オイルクーラ冷却水温度 Qf・・・燃料供給量 Vcox・・COx発生量 Vnox・・NOx発生量 Vsox・・SOx発生量 Vpat・・パーティクル発生量 Ecox・・COx排出量 Enox・・NOx排出量 Esox・・SOx排出量 Epat・・パーティクル排出量 2、3・・送信線 10〜15、15A、15B、16、17・・送信線 41〜48・・送信線 55〜60・・送信線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給燃料を入力とするエンジンシミュレ
    ーション工程と、そのエンジンシミュレーション工程で
    得られたエンジントルクを入力とする車両シミュレーシ
    ョン工程と、その車両シミュレーション工程で得られた
    エンジン回転速度を入力とする冷却系シミュレーション
    工程と、前記供給燃料と前記エンジン回転速度と前記エ
    ンジンシミュレーション工程で得られたシリンダ吸気流
    量及び温度とシリンダ排気流量及び温度と、前記冷却系
    シミュレーション工程から得られたシリンダ温度とを入
    力とし、排気ガスのCOx、NOx、SOx、パーティ
    クルの各排出量を出力とする燃焼シミュレーション工
    程、とをコンピュータに実行させることを特徴とするコ
    ンピュータによる車両走行シミュレーション演算方法。
  2. 【請求項2】 前記エンジンシミュレーション工程は、
    吸気系シミュレーション工程と、シリンダシミュレーシ
    ョン工程と、排気系シミュレーション工程、とを含む請
    求項1のコンピュータによる車両走行シミュレーション
    演算方法。
  3. 【請求項3】 前記車両シミュレーション工程は、クラ
    ッチシミュレーション工程と、変速機シミュレーション
    工程とプロペラシャフトシミュレーション工程と、終減
    速機シミュレーション工程と、タイヤシミュレーション
    工程、とを含む請求項1または2のいずれかのコンピュ
    ータによる車両走行シミュレーション演算方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却系シミュレーション工程は、ラ
    ジエータシミュレーション工程と、ウオータポンプシミ
    ュレーション工程とオイルクーラシミュレーション工程
    と、シリンダブロックシミュレーション工程と、シリン
    ダヘッドシミュレーション工程と、サーモスタットシミ
    ュレーション工程、とを含む請求項1〜3のいづれか1
    項のコンピュータによる車両走行シミュレーション演算
    方法。
  5. 【請求項5】 前記燃焼シミュレーション工程は、燃料
    供給量と、シリンダ吸気流量及び温度と、シリンダ排気
    流量及び温度と、シリンダ温度と、から運転状態を排気
    ガスの各成分別発生量に反映させる補正演算工程と、各
    成分別の排気ガス発生量を算出するマップ照合工程と、
    マップ照合工程で得られた各成分別の排気ガスを入力と
    し排気ガスのCOx、NOx、SOx、パーティクル、
    の各排出量を出力とする触媒・パーティクルシミュレー
    ション工程、とを含む請求項1〜4のいずれか1項のコ
    ンピュータによる車両走行シミュレーション演算方法。
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