JP2019503488A - 検査対象物を用いて走行試験(Prueflauf)を実施するための方法及びテストベンチ - Google Patents

検査対象物を用いて走行試験(Prueflauf)を実施するための方法及びテストベンチ Download PDF

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Abstract

検査対象物に、走行試験中に、テストベンチで実際の環境又は周囲条件、特に熱的条件を与えるために、走行試験中にテストベンチ(1)上の1つの測定位置(MSi)において、少なくとも1つの温度が測定変数(MGi)として測定され、及び検査対象物(2)の少なくとも1つの検査対象物構成要素(PKi)が複数のセグメント(Si)に分割され、走行試験中に少なくとも1つのセグメント(Si)の、自動車の周囲との熱的相互反応が、シミュレーションモデル(22)の熱的シミュレーションモデル(23)を介して模倣され、そこでは熱的シミュレーションモデル(23)が少なくとも1つのセグメント(Si)に供給又は排出されたセグメント・熱流(Q・Si)を計算し、並びに前記セグメント・熱流(Q・Si)がテストベンチ(1)上で少なくとも1つのセグメント(Si)において、検査対象物(2)に熱流(Q・j)を形成する複数の熱流アクチュエータ(15j)によって、測定された温度に依存して調整されることが意図されている。

Description

本発明の主題は、テストベンチ上で走行試験を実施するための方法及びテストベンチに関し、その際に検査対象物が自動車又は自動車の構成要素の形で実際にテストベンチ上に構成及び駆動され、またシミュレーションユニットがシミュレーションモデルで走行試験をシミュレーションする。
検査、試験、実験は、1つの(又は複数の)技術的構成要素(機械的構造、ハードウェア又はソフトウェア)、一般化して検査対象物が、特定の条件の枠内で機能するかどうか又は特定の特性が存在するかどうかを確認することに役立つ活動である。検査対象物はそれに関連して試験すべき技術的システムである。この検査対象物はその際にシステム全体(例えば自動車)又はシステム全体の1つの部分(例えば自動車の内燃機関、駆動システム、排気ガスシステム又は排気ガス後処理システム等)であり得る。
いくつかの検査は、それらの下に検査対象物が置かれる、実際の、しばしば一時的である事象の調査に役立つ。調査はしばしば、シミュレートされた、即ちシミュレーションされた周囲(Umgebungen)内で行われる。この活動のためには、それぞれの検査対象物に適合されたテストベンチ、例えばエンジンテストベンチ、ドライブトレインテストベンチ又はシャシダイナモメータテストベンチ(Rollenpruefstand)が用いられる。これらのテストベンチは、検査対象物に系統的に何らかの周囲条件を与える(aufzupraegen)こと、即ちこの周囲条件下で検査することを可能にし、またそれにより検査過程を反復することを可能にする。これらのテストベンチはしかしまた、検査対象物に対して実際には不可能であるか又は非常に時間と経費をかけてのみ実現可能であろう周囲の中での、新しい又は未知の過程の有効性の確認に役立つ。検査環境が実際の周囲に対して常に不完全にしか対応できないため、検査の結果は、常にこの検査環境、即ちテストベンチとシミュレートされた周囲の品質を考慮して評価しなければならない。
テストベンチ上においては例えば、実際の又は仮想的な(即ちバーチャルで)自動車の試験走行をシミュレートすることが、しばしばその目標である。以下ではこの走行をバーチャル試験走行と呼ぶ。例えばエンジンテストベンチ上の内燃機関、又はドライブトレインテストベンチ上のドライブトレインは、適したインターフェースを介して時間的に変化するインターフェース値(実際に存在するテストベンチとシミュレーションとの間のインターフェース)を与えられ、その値は、全体システム、即ち自動車/運転者/環境、の部分構成要素としてのこの検査対象物では、例えばグロースグロックナー・アルプス山岳道路での実際の自動車での実際の試験走行の際に現れるかもしれないものである。同じく、テストベンチ上の検査対象物に、任意の、また仮想の、現実では必ずしも実現できないような道路区間の場合に現れるかもしれない、時間的に変化するインターフェース値を与えることにも関心が持たれ得る。このようなバーチャル試験走行はさまざまなやり方で作られることができ、例えばそれは実際の試験走行で測定され得、又は部分的にあらかじめ定義されるか又は規格化され得る(例えば規格化されたドライビングサイクル)。しかしまたそれはバーチャル環境を介してリアルタイムで、又はほぼリアルタイム(即ちオンライン)で十分な品質をもって計算され得る(いわゆるX−In−The−Loop試験走行、その際に「X」は検査対象物であって、即ち例えば内燃機関、ドライブトレイン等)。こうしてバーチャル試験走行の走行中にテストベンチ上でさまざまな測定を実施することができる。それには調査すべき検査対象物(内燃機関、ドライブトレイン、バッテリ、自動車等、又はその構成要素)に向けてインターフェース上に、通例では負荷ユニット(アクチュエータ)、例えばダイナモメータ(機械式アクチュエータ)又はバッテリテスタ(電気式アクチュエータ)から負荷がかけられ、それにより検査対象物に、バーチャル試験走行中に生じる機械的な又は電気的な負荷がもたらされる。テストベンチ上でのそのような試験走行は特に、その中に検査対象物が全体システムの一部分として通常は一体化される全体システム(例えば実際の全体自動車)を構成する必要を伴わず、またまずその実際の自動車を用いて、実際の試験走行によって実施すべき検査を実施する必要性を伴わずに、テストベンチ上で検査対象物において開発又は点検を実施することを可能にする。そのようなテストベンチでの試験は特に十分な再現性という利点を持ち、それにより結果をより良く比較することができる。
しかしながら、テストベンチはシステムに条件付けられて、実際の試験走行の境界条件(Randbedingungen)を絶対的に正確にシミュレートすることは決してできず、常に制限を伴ってシミュレートするのみである。しかし検査対象物をこの正確な境界条件に従わせることは、必ずしも望まれ、又は必要とされるわけではない。多くの場合は検査対象物を、考え出された、仮定的な境界条件のみに従わせることが望まれる。従来技術によれば現在は、例えば性能テストベンチ上では、基本的に、バーチャルと実際の試験走行との間の、機械的及び電気的な出力流(Leistungsfluesse)の高い一致に目標が定められている。その場合に、テストベンチ上で測定された、いくつかの測定変数の時間的経過が良好に一致するにもかかわらず、しばしば別のいくつかの測定変数の時間的経過にかなりの差が現れる。例えば、機械的な出力流(例えば回転数及び回転モメントのような)の高い一致性にもかかわらず、またドライブトレインテストベンチ上での及びシャシダイナモメータテストベンチ上でのバーチャル試験走行の場合、同一の排出物測定技術にもかかわらず、実際の自動車での実際の試験走行との比較において排出物測定(CO、NOx、...)、特に部分負荷の領域において、同じ結果が出なかったということが確認された。その原因は、しばしば異なった熱的な及び熱力学的な境界条件にあり、即ち特に自動車の敏感な構成要素上の異なった温度域及び熱流密度域(Temperatur− und Waermestromdichtefeldern)にある。これは特に、検査対象物にもたらされる異なった媒体流(例えば空気、水、オイル)に起因する。
実際の自動車内には、異なった熱的負荷に曝される可能性がある構成要素又は構成部品が閉じ込められている。ターボチャージャ及び排気ガス管を持つ内燃機関がこれの一例を提供する。排気ガス管内には、キャタライザ又は粒子フィルタのような構成要素も配置され得る。両者の場合(実際の又はバーチャル試験走行)において、前述の構成要素と部分構成要素の表面を介して熱的なエネルギー流が結果として生じる。ハイブリッド自動車の電気式エネルギー貯蔵媒体が別の一例を提供する。この構成要素も熱的に周囲/環境と相互に作用し、また構成要素側も周囲からの/環境からの影響(「境界条件」)によって影響を受ける。そのようにして例えば自動車のモータブロック又は排気ガス管は、境界条件又は周囲条件次第でさまざまにその周囲と熱的交換を行う。こうしてさまざまで一時的な構成要素・温度域と熱流密度(熱的エネルギー流)が、構成要素内及び構成要素表面上に結果として生じる。このようにして、例えば内燃機関は、冬期の周囲条件(冷たい路面、冷たい周囲空気)の場合は夏の周囲条件(暑い路面、暑い周囲空気)の場合よりもより大きな熱量を放出する。この場合、この検査対象物と周囲との間の熱伝達(熱流密度)は、物理的機構である熱伝達、熱流(対流)及び熱放射に基づいて行われる。
実際の道路区間での実際の自動車での実際の試験走行の場合、熱伝達過程は検査対象物又は検査対象物部分の表面に作用する。空気圧、空気湿度又は空気温度等によって特徴付けられる、さまざまな環境条件又は周囲条件が支配し、検査対象物上への水跳ねのような効果に至る。しかしテストベンチ上では通例では別の環境条件が支配し、それはテストベンチ上でのバーチャル試験走行の結果が実際の試験走行の結果となぜ相違するのかということの理由の1つである。与えられた境界条件内で任意の、熱伝達過程を、テストベンチ上で与えること(シミュレーション又はエミュレーション)には、これまではほぼ皆無又は不十分に関心が向けられていた。
例えばテストベンチ上で、検査対象物への空気流の発生のためにしばしば使用された冷却空気ファン、並びにテストベンチ調節装置(例えばテストベンチ空間の温度調節)は、テストベンチ上での実際の環境条件を正確にシミュレートするためには通例では不十分である。主に冷却空気ファンは、走行気流速度を鑑みてエンジン冷却への効果を反映するために使用される。この冷却空気ファンはそれゆえにしばしば不十分な大きさであるか、又は必要とされる自由度を提供しない。例えば冷却空気ファンの回転数はしばしば走行速度に依存してのみ制御される。テストベンチの周囲の空気温度と空気湿度は試験空間の空調によって調整されることができる。
さらにはテストベンチ上では媒体、即ち吸引空気、冷却液、オイル及び過給空気のための調節装置も知られている。これらは主に構成要素テストベンチ(エンジンテストベンチ、ドライブトレインテストベンチ、バッテリテストベンチ)で使われる。これらの助けでそれぞれの媒体温度が影響されるか又は調整される。吸引空気のための調節装置は、さらに空気湿度並びに圧力に影響を与えることができる。
冷却空気ファン、試験空間空調装置のみでなく、媒体調節装置も、この場合目標値の設定、例えば温度、湿度及び圧力をテストベンチ自動化装置から受け取る。その場合に、それぞれの値(例えば温度)の時間的経過の形での設定が行われるのみであって、この場合それが予想され、将来の周囲であり得る、検査対象物とバーチャル周囲との反応の形での相互反応(X−in−the−Loop−シミュレーションの意味での)はそこでは行われない。さらには目標値の設定の問題、即ち検査対象物のバーチャル周囲条件を、現実に即して反映することを可能にする、設定値の算出の問題も生じる。
さらなるテストベンチ構成も公知であって、そこでは検査対象物部分(例えばエンジンテストベンチ上のエンジンのような)が、熱的境界条件をより良くシミュレートすることを可能にするために、熱的にカプセルで包まれている。そのような構成は例えば非特許文献1から読み取ることができる。この場合はエンジンテストベンチ上に自動車のシャーシが複製され、エンジンルーム内又は床下の熱的境界条件をシミュレートするために、エンジンは閉鎖されたエンジンカプセル内に、並びに排気ガス管が閉鎖された床下カプセル内に配置される。その場合、それぞれ1つの、通気装置が実装されている隔離されたカバー(エンジンカプセル、床下カプセル)内への収納が行われる。通気装置を介してエンジンカプセルと床下カプセル内の温度が制御される。示された解決方法で、エンジンテストベンチ上での排出物測定とシャシダイナモメータテストベンチ上での排出物測定の結果を比較できる。しかしながら、一方で、エンジンカプセルと床下カプセル内では全域にわたる温度が設定され、また他方で、この場合にも正しい目標値設定の問題が存在することから、これは周囲条件の現実に即した反映のためには不十分である。したがって、例えばモータブロック、ターボチャージャ、冷却器、排気ガス管等、又はその部分のような検査対象物のさまざまな構成要素は、それらの表面上に、実際の又は望まれる温度分布とは一致しない温度分配を持つ。しかしながらこれらの構成要素の温度は、熱的エネルギー流(「熱流」)の形で熱伝達過程へのみならず、例えばエンジン(例えばNOx、CO等)の排気ガス挙動にも決定的に影響を及ぼし、それにより望ましくない、実際の試験走行とバーチャル試験走行との差に至る。示された方法は、実際の試験走行中の検査対象物の熱的態度をシミュレート又は予想するという問題を解決しない。
それゆえに特許文献1からは内燃機関のような構成部品のための冷却システムがすでに公知であって、そこでは構成部品が多数の個々のファンからなるファンマトリクスを用いて吹き付けられることで、構成部品上の温度が設定されることができる。この冷却システムはその際に、1つの構成部品上に異なった温度領域(温度域)を設定することを可能にする。例えば構成部品又はその一部分の熱的強度(thermische Festigkeit)を試験するために、あらかじめ(即ちすでに走行試験の開始の際に)既知の目標値として、時間的経過の形で、目標温度がそれぞれの点に対してあらかじめ与えられ、目標温度は調整ユニットからファンマトリクスを介して調整される。それは従来のテストベンチ構成に対して、特にテストベンチでの試験のための熱的境界条件に関しては改善であり、場合によってはしばしば十分である。しかしながらテストベンチ上での調整の目標値としての構成部品温度は、さまざまな検査環境内での実際の検査対象物の熱的エネルギー流の形での熱伝達過程を顧慮していない。検査対象物(実際の自動車)の構成要素上で重要な役割を持つ、対流、熱放射等のような効果はこの場合テストベンチ上で考慮されない。特許文献1に記載されているような、検査対象物の表面上の又は検査対象物自体の温度域の設定は、熱伝達過程を顧慮しておらず、それゆえにテストベンチ上でのバーチャル試験走行の形での、現実に即したテストベンチでの試験にはしばしば不十分である。
それにより特許文献1は、選択された測定位置上での目標温度が時間の関数として公知である(即ちあらかじめ調整の基準値として設定されることができる)という、非常に制限的な仮定を基にしている。これはあらかじめ定義されなければならず、その場合にこのような任意の設定をもっては現実に即した環境条件が生成されることはできないか、又はそれらは実際の試験走行においてあらかじめ算出されなければならず、それはまたもや非常に手間のかかることである。目標値算出の問題は特許文献1では考察されていない。
ドイツ特許第102013213863B3号
Kraemer S.他、「Verlagerung von Rollentests auf den Motorenpruefstand」、MTZ−Motortechnische Zeitschrift、2015年第76巻(3号)、36〜41頁 J. K. Hedrick、A. Girard、「Control of Nonlinear Dynamic Systems:Theory and Applications」、2005年、特に第8章 S. Skogestad、I. Postlethwaite「Multivariable Feedback Control − Analysis and Design」第2版、2001年、特に第9、10章及び3.4.1
それゆえに本発明の課題は、テストベンチ上の検査対象物の走行試験を、例えば熱的X−In−The−Loop試験走行の形で実施するための方法、及びそれに属するテストベンチを提示することであって、それらは検査対象物に走行試験中に実際の環境条件若しくは周囲条件、又はバーチャルな周囲の熱伝達の法則から生じる条件を与えることを可能にする。
この課題は、
テストベンチ(1)上で走行試験を実施するための方法であって、検査対象物(2)が、自動車又は自動車の構成要素として実際に前記テストベンチ(1)上に構成及び駆動され、シミュレーションユニット(20)が、シミュレーションモデル(22)によって前記走行試験をシミュレーションする方法において、
少なくとも1つの温度が、測定変数(MGi)として前記走行試験中に前記テストベンチ(1)の1つの測定位置(MSi)で測定され、前記検査対象物(2)の少なくとも1つの検査対象物構成要素(PKi)が、複数のセグメント(Si)に分割されること、
前記シミュレーションモデル(22)の熱的シミュレーションモデル(23)が、少なくとも1つのセグメント(Si)に供給又は排出されたセグメント・熱流(Q Si)を計算することによって、少なくとも1つの前記セグメント(Si)と前記自動車の周囲との熱的相互反応が、前記走行試験中に前記シミュレーションモデル(22)の熱的シミュレーションモデル(23)によってシミュレートされること、及び
前記セグメント・熱流(Q Si)が、前記テストベンチ(1)の前記少なくとも1つの前記セグメント(Si)で、前記検査対象物(2)に熱流(Q )をもたらす複数の熱流アクチュエータ(15)によって、測定される温度に依存して調整されることによって解決される。
さらに、この課題は、
走行試験を実施するためのテストベンチであって、検査対象物(2)が、自動車又は自動車の構成要素として実際に前記テストベンチ(1)に構成されていて、シミュレーションユニット(20)が、シミュレーションモデル(22)によって前記走行試験をシミュレーションする当該テストベンチにおいて、
測定変数(MGi)として前記走行試験中に前記テストベンチ(1)で温度を検出する少なくとも1つの測定ユニット(MEi)が、前記テストベンチ(1)に設けられていること、1つの熱的シミュレーションモデル(23)が、前記シミュレーションユニット(20)内に実装されていて、前記熱的シミュレーションモデル(23)が、少なくとも1つのセグメント(Si)に供給又は排出されたセグメント・熱流(Q Si)を計算することによって、この熱的シミュレーションモデル(23)が、前記走行試験中に、前記検査対象物(2)の検査対象物構成要素(PKi)の少なくとも1つのセグメント(Si)と前記自動車の周囲との熱的相互反応をシミュレートすること、及び
前記検査対象物(2)に熱流(Q )をもたらす少なくとも1つの熱流アクチュエータ(15)が、前記テストベンチ(1)に設けられていて、
少なくとも1つの前記セグメント(Si)に対する前記セグメント・熱流(Q )を測定された温度に依存して調整するため、少なくとも1つの前記熱流アクチュエータ(15)の前記熱流(Q Si)を調整する1つの熱流調整装置(17)がさらに設けられていることによって解決される。
本発明によって、走行試験中に検査対象物に何らかの熱的環境条件を与えること、及びそれによりテストベンチ上に現実に準じた状況を生成することが可能である。この熱的周囲条件は、熱伝達過程の形で検査対象物と相互に作用し、現実に即していることができ(即ち検査対象物が後に現実において、実際に使用される自動車の部品として実際に見出される、例:自動車はデスバレー(Death Valley)を通って走行する)又は単に仮定であり得る(即ち考え出されたが、それにもかかわらず実際の、物理的な条件に対応する、例:自動車は外気温60°Cにおいてデスバレーを走行する)。検査対象物にはテストベンチ上での走行試験中にしばしば付加的に、熱的負荷に加えて同時にまた機械的に、電気的に及び/又は質量流並びに情報流(例えばCAN−コミュニケーション)を介して負荷がかけられる。
熱的シミュレーションモデルを介して、検査対象物の、又は調節すべきである検査対象物のセグメントの、シミュレーションされた周囲との熱的相互反応は、特定の技術的境界内で任意にシミュレートされ得る。その際に、実際の状況に対応する、空間的及び時間的に変化する、検査対象物の熱伝達過程がシミュレートされることができる。熱流アクチュエータによってこの熱伝達過程はテストベンチ上の検査対象物上で調整されることができ、それにより検査対象物はテストベンチ上で、実際の条件下、又は仮想だが、それにもかかわらず物理的に現実に対応する条件下(例:デスバレーの熱的条件から南極の熱的条件への2時間以内での走行)での試験走行中の全体システム(例えば自動車)の部分構成要素としてのように、実質的に同じ、又は十分に類似した熱的条件の下に置かれる。
このシミュレーションモデルが付加的に1つ又は複数の以下のモデルを備えている場合は、好ましいことにシミュレーションの品質を高めることが可能であり、それらは自動車モデル、運転者モデル、道路又は区間モデル、タイヤモデル、周囲モデルである。さらにまた付加的な部分モデルで柔軟性を高めることが可能であって、なぜならそれを用いて試験走行内でさまざまな影響が考慮され得るからである。
有利であるのは付加的に検査対象物の少なくとも1つのさらなる測定変数が検出され、シミュレーションモデル内で処理されることである。同じく、付加的に検査対象物の検査対象物周囲の少なくとも1つのさらなる測定変数が検出され、シミュレーションモデル内で処理されることは有利である。
以下、例示的に、概略的に、及び制限することなく、本発明の有利な形態を示している図1〜6までを参照にして本発明を説明する。
従来技術による、自動車のためのシャシダイナモメータテストベンチを示す図である。 本発明のシャシダイナモメータテストベンチを示す図である。 本発明のエンジンテストベンチを示す図である。 本発明の、検査対象物のセグメント上の熱流の調整を示す図である。 シミュレーションユニットの実施形態を示す図である。 テストベンチを駆動するために本発明の方法を実行に移す際の情報流を示す図である。
検査対象物2のための従来のテストベンチ1が図1で示されている。検査対象物2は、示されている例示的実施形態では自動車であり、テストベンチ1はシャシダイナモメータテストベンチである。しかしもちろん検査対象物2は、自動車の任意の部分システム、例えばドライブトレイン、内燃機関、駆動バッテリ(パワーパック)、ターボチャージャ、キャタライザ等であることが可能であり、又は、テストベンチ1はそれに適したテストベンチ、例えばドライブトレインテストベンチ、エンジンテストベンチ、パワーパックテストベンチ、ターボチャージャテストベンチ、キャタライザテストベンチ等であり得る。
テストベンチ1上にテストベンチ自動化がテストベンチ自動化ユニット3の形で設けられ、テストベンチ自動化ユニットはテストベンチ上で実施されるバーチャル試験走行(=走行試験)を制御し、又はそれに加えてテストベンチ1の必要とされるすべての装置(即ち特にアクテュアトロニク(Aktuatorik))を走行試験の設定に従って制御する。その際にこのテストベンチ自動化ユニット3は、特に検査対象物2も制御することができる。検査対象物2が自動車である場合は、例えば、ギヤ切り替え、アクセルを踏むなどのテストベンチ自動化ユニット3の制御命令を実行に移すところの、公知である走行ロボットを自動車内に配置することができる。このテストベンチ自動化ユニット3は、代替として又は付加的に、例えば自動車制御ユニット(ECU)、トランスミッション制御ユニット(TCU)、ハイブリッド制御ユニット、バッテリ管理システム等のような検査対象物制御ユニットを介して検査対象物2を直接制御することもできる。検査対象物2が内燃機関である場合は、テストベンチ自動化ユニット3は例えばスロットル位置α(図3を参照)又は燃料噴射を制御することが可能であり得る。
検査対象物2は負荷装置(一般的にアクチュエータ)5によって、この場合は機械的(検査対象物と周囲との間の機械的出力流)に負荷される。シャシダイナモメータテストベンチの場合は、図1に示唆されているように、(機械的な)負荷装置5はテストベンチローラの駆動又は停止である。内燃機関又はドライブトレインが検査対象物2である場合は、この機械的な負荷装置5は、例えば内燃機関又はドライブトレインと接続されているところのダイナモメータ又は電気式ダイナモメータである。バッテリが検査対象物2である場合は、この負荷装置5は電気的であって、例えば電気式バッテリテスタの形であろう。さまざまな検査対象物2に対する適した負荷装置は十分公知であり、それゆえにここでは詳細には触れない。
検査対象物2上で例えばいくつかの、しばしば一時的な負荷モメントMを、又はいくつかの、しばしば一時的な回転数nを調整するために、負荷装置5は、アクチュエータ調整装置4によって主に調整され、アクチュエータ調整装置はまたテストベンチ自動化ユニット3から目標値を受信する。これに加えて通例ではテストベンチ1上に、モメント測定装置6及び/又は回転数測定装置7も設けられていて、これらは負荷モメントM及び検査対象物2の回転数nの対応する実際値を測定し、またテストベンチ自動化ユニット3に提供する。もちろん別の検査対象物2又はテストベンチタイプに対して、別の又は付加的な、例えば電流又は電圧のような測定変数が測定されることができ、またテストベンチ自動化ユニット3に供給されることができる。
テストベンチ1上での走行試験中に、さらに例えば排気ガス測定システム14を用いて排出物測定が実施される。もちろん検査対象物2次第で別の又は付加的な、特に検査対象物の開発のために必要な、例えば燃費の測定、電気的エネルギー流の測定等の、測定も実施されることが可能である。検査対象物2の少なくとも1つの出発値、即ち、例えば、排出物、消費、出力等を検出し、評価することは、走行試験の基本となる目標であり、それから検査対象物2の開発のために見識を得るためである。その際に、検査対象物2がテストベンチ1上で基本的に、実際の自動車に埋め込まれているように挙動することが望ましい。
テストベンチ1にはまたしばしば、検査対象物2の周囲及び/又は検査対象物2の調節のために少なくとも1つの調節ユニット16が設けられている。それにより、特に、検査対象物2に何らかの(例えば望まれる)空間的及び時間的に変化する熱伝達がもたらされることができ、それを検査対象物2はテストベンチ1上で検査対象物周囲と相互交換する。この熱伝達はその場合に何らかの物質伝達と結び付けられていることが可能であって、例えば熱伝達は空気流又は別の物質流と結び付けられる。これをもってこの熱伝達は、熱伝達に対して等価物である、そのような物質伝達も含む。検査対象物周囲の周囲温度、空気湿度等を設定するための調節ユニット16としてテストベンチ空調がしばしば設けられている。さらにこの調節ユニット16は、例えば走行気流のシミュレーションのために、ファン8を含むこともできる。しかしまたこのファン8は調節ユニット16とは別に分離された装置としてテストベンチ1上に実現されることもできる。このようなファン8は、検査対象物2に何らかの(例えば望まれる)一般的に空間的及び時間的に変化する熱伝達過程をもたらすことに寄与し、それを検査対象物2は検査対象物周囲と相互交換する。ここでは、当然ながら、さまざまなテストベンチタイプのためにしばしばさまざまな調節ユニット16が使われ得る。示されている例示的実施形態では、この調節ユニット16は、検査対象物2に1つの特定の空気流域9を与える、1つのファン8を含んでいる。
この調節ユニット16は付加的にテストベンチ1上に、検査対象物2の調節のために公知の仕方で、媒体調節ユニット、例えば吸引空気調節器装置、過給空気調節装置、オイル調節装置、又は冷却水調節装置を含むことができ、これらは見やすくするという理由で図1には図示されていない。これらのアクチュエータも検査対象物2に何らかの、しばしば望まれる、時間的及び空間的に変化する熱伝達過程を与えることに寄与する。
場合によってはファン8及び/又は媒体調節ユニットを伴うこの調節ユニット16も、通例ではテストベンチ自動化ユニット3から何らかの目標値(温度、空気湿度、質量流量、...)を受け取り、目標値は調節ユニット16又はファン8又は媒体調節ユニットによって調整される。導入部分で述べたように、そのような調節ユニット16、ファン8及び/又は典型的な媒体調節ユニットでは、検査対象物2上又は検査対象物構成要素上で、望まれる(例えば現実に即した)熱伝達過程はシミュレートされることができないか、又は、実施すべき検査課題に鑑みて、不十分にシミュレートされるのみである。
テストベンチ1上での走行試験を1つの方法で実施することができるようにするために、即ち検査対象物2の走行試験中の熱的条件が、あらかじめ設定され又は望まれる、特に現実をシミュレートする(テストベンチ上で実際の試験走行を「追走」すると言う意味で)条件に合致し、それゆえに検査対象物2をこの設定に相応してシミュレートすることが本発明では意図される。以下にそれを、図2の、テストベンチ1としてのシャシダイナモメータテストベンチ及び検査対象物2としての自動車という例、並びに図3の、テストベンチ1としてのエンジンテストベンチ及び検査対象物2としての内燃機関という例を参照に説明する。その際に、見やすくするという理由から、例えば図1に対して記載されているテストベンチ1の構成部分がすべて示されているわけではない。
検査対象物2は多数の検査対象物構成要素PKi、i=1,...,m、を含み、その際に検査対象物構成要素PKiは、例えば内燃機関10、排気ガス管11、又は排気ガス管11内のキャタライザ又は粒子フィルタのような排気ガス後処理ユニット12、13のような、検査対象物2の構成群全体であり得る。しかしまた検査対象物構成要素PKiは、検査対象物2の構成部品又は検査対象物2の構成群の一部分、例えば排気ガス管11の排気ガスダクト区間であり得る。しかしまた、例えば検査対象物2が蓄電池である場合は、検査対象物2全体が検査対象物構成要素PKi(i=1)でもあり得る。本発明では少なくとも1つのそのような検査対象物構成要素PKiが存在する。以下に記載されるように、検査対象物構成要素PKiは本発明の意味では特に検査対象物2の1つの部分であって、その上に空間的及び時間的に変化する熱的な相互反応(熱伝達、熱流密度)がもたらされ、それを検査対象物2はその検査対象物周囲と相互交換する。それゆえに、特にその挙動又は特性が熱的負荷に依存しているような検査対象物2の部分が、検査対象物構成要素PKiとして適している。それによって検査対象物2のある種の特性へ影響を与えることができる。例えば特性「NOx−排出物」は、特に検査対象物構成要素「キャタライザ」の熱的負荷に左右される。
数量n個の測定位置MSi、i=1,...,n上に、本発明では少なくとも1つの測定位置MS1が必要不可欠であり、それぞれに1つの測定ユニットMEi、i=1,...,nが配置されていて、それを用いて検査対象物2のそれぞれの測定変数MGi、i=1,...,nが測定される。1つの測定位置MSi上には、さまざまな測定ユニットMEiが、さまざまな測定変数MGiを測定するために設けられることも可能である。その際に少なくとも1つの測定変数MGiは温度、又はそれから温度が計算されるか若しくは推定されることができる測定変数である。それに相応して、少なくとも1つの測定ユニットMEiは、例えばそれを用いて測定位置MSi上で検査対象物2の温度が測定される単純な温度センサである。温度を検出するための測定ユニットMEiは、例えば排気ガス温度若しくは液体温度、構成群温度若しくは構成部分温度のような媒体温度、又は表面温度を検出することができる。基本的に、測定ユニットMEiとして赤外線カメラで、又は他の方法で、検査対象物2、検査対象物構成要素PKi、又はその一部分の複雑な三次元の温度域も測定されることができる。
適した数学的/物理学的方法によって、検査対象物2上でのいくつかの温度測定からも、検査対象物2又は検査対象物構成要素PKi又はその部分(例えば検査対象物構成要素PKiの表面)の全温度域(即ち立体的な温度分布)が推量され得る。そのような方法は、測定位置MSi間の温度、又は空間的温度経過を推定するために、例えば公知のスプライン関数による補完法又は有限要素法を使うことが可能であり得る。
付加的に、検査対象物2上で測定ユニットMEiを用いて、排気ガス管11を通る排気ガス流量又は吸引空気流量のような媒体流量も測定することができる。排気ガス圧のような媒体圧もさまざまな位置で測定することが可能であり得る。
同じく測定ユニットMEiを用いてテストベンチ1上で付加的に検査対象物2の検査対象物周囲、好ましくは検査対象物2の近接領域内の測定変数MGiを測定することができる。検査対象物周囲の測定変数MGiは、例えば空気圧、周囲温度、空気湿度等であり得る。見やすくするという理由で図2及び図3にはすべての測定位置MSi、測定ユニットMEi及び測定変数MGiが図示されているわけではない。
テストベンチ1上の検査対象物構成要素PKi上で、熱伝達過程を、望まれる又はあらかじめ設定された方法でシミュレートするために、少なくとも1つの熱流アクチュエータ(Waermestromaktuator)15、j=1,...,kが設けられている。少なくとも1つの熱流アクチュエータ15によって、検査対象物構成要素PKi上に望まれる熱伝達過程が、特に好ましくは空間的(x)及び時間的(t)に変化する熱流Q(t)、又は熱流密度q(t,x)の形でもたらされる。以下では簡易化のためにQ及びqのみを使用する。その場合に熱流Qは熱流密度qの積分であって、この2つの値は同意義に使用されることができる。それゆえに以下では熱流Qという概念のみが使用され、その際にそれは同意義として熱流密度q、又は何らかの別の、熱流Qに対して等価の値と理解される。
熱流アクチュエータ15はヒートシンク(Waermesenke)、熱源又は両者であり得る。熱流アクチュエータ15としてはさまざまな装置が考慮の対象となり、それは熱(どの方向へであっても)を伝達し又は特に検査対象物構成要素PKiに熱流Qをもたらすことができる。例えば、水熱交換器又は空気熱交換器、流体吹出口(例えばファン、ベンチュリ吹出口)、ペルティエ素子、水のような液体を噴射するための噴射ノズル等が考えられる。それゆえ、図2及び図3に示唆されているように、テストベンチ空間調節のために従来の調節ユニット16も基本的に熱流アクチュエータ15として使用可能である。同様に、テストベンチ1のファン8又は調節ユニット16の媒体調節ユニット、例えば内燃機関10の吸引空気調節装置、過給空気調節装置、オイル調節装置、又は冷却水調節装置を、図3に熱流アクチュエータ15、15及び15で示唆されているように、熱流アクチュエータ15として用いられることができる。そのような媒体調節ユニットは典型的にはそれぞれの媒体のための熱交換器として実施されている。したがってそれにより検査対象物2又は検査対象物構成要素PKiに、熱流アクチュエータ15を用い、熱流Qを介して、何らかの、好ましくはあらかじめ設定された、空間的及び時間的に変化する熱伝達がもたらされ、それを検査対象物2は、検査対象物周囲と相互交換する。
熱流アクチュエータ15の詳細な実施形態は本発明にとってはしかしそれほど重要ではない。熱流アクチュエータ15での唯一の必要不可欠な要求事項は、熱流Qを検査対象物2の検査対象物構成要素PKiへと向かって及び/又は熱流Qを検査対象物2の検査対象物構成要素PKiから離れるように、又は両方をもたらすようにすることである。それぞれの熱流アクチュエータ15はそれゆえに検査対象物2に熱を供給及び/又は排出することができる。
熱流アクチュエータ15の測定変数を測定ユニットMEiを用いて検出することもでき、例えば熱流アクチュエータ15が1つのファン8である場合は(図2のように測定ユニットMEnで)通気装置回転数又は空気の吹出速度であり、又は熱流アクチュエータ15が熱交換器である場合は熱交換器流体(空気、水等)の流体流である。
望まれる熱流Qを設定するための熱流アクチュエータ15の制御は、少なくとも1つの熱流調整装置17が担う。熱流調整装置17の実装は、独立したユニットとしてテストベンチ1上に(図3のように)、及び/又は熱流アクチュエータ15内に組み込まれること、及び/又はテストベンチ自動化ユニット3の部分として(図2のように)行われることができる。
熱流調整装置17を用いた熱流アクチュエータ15の調整は、それに応じた多変数調整であって、それは少なくとも1つの測定変数MGi、特に検査対象物2上の測定位置MSi上の少なくとも1つの温度を、特定の熱流Qをもたらすという目的で処理する。熱流アクチュエータ15を調整するために、実際値を検出するための測定ユニットMEiも必要とされる場合は、対応する測定ユニットMEiが設けられなければならない。代替として、必要とされる実際値が別の測定変数MGiから計算されることもできる。熱流調整装置17内には任意の適した制御法則(Regelgesetzes)が実装され得るが、本発明においては制御法則を具体的に実行に移すことは重要ではない。
この測定ユニットMEiはその測定変数MGiを、対応する測定変数MGiを処理する熱流調整装置17に送り、場合によってはテストベンチ自動化ユニット3又はシミュレーションユニット20にも送る。
個々に調節すべきである検査対象物構成要素PKi上への熱流アクチュエータ15の作用は通常は結び付けられている。これは、(複数)の熱流アクチュエータ15が同時に複数の検査対象物構成要素PKiに作用し、又はその逆に、1つの検査対象物構成要素PKiが同時に複数の熱流アクチュエータ15から影響されることを意味する。それゆえに、熱流アクチュエータ15の調整のために有利であるのは、個々の熱流アクチュエータ15の調整を調整技術的に切り離すことである。これに関しては文献中に公知の方法が十分あり(例えば非特許文献2及び非特許文献3)、それゆえにここではそれについて詳細には触れない。
さまざまな検査対象物構成要素PKiとそれぞれに配置されている熱流アクチュエータ15との間に相互結合がない限りにおいては、調整技術的に切り離すことなく、自立的な調整装置である熱流調整装置17を用いて分散された調整が行われることができる。
熱流アクチュエータ15は共同で検査対象物2上に1つの時間的及び空間的に変化する熱流域Q を、又は類似の熱流密度域q を生成し、それは検査対象物構成要素PKiに作用する。熱流アクチュエータ15が切り離されている場合は、熱流域Q =[Q ,...,Q ]、又は類似の熱流密度域q =[q ,...,q ]が調節すべき検査対象物構成要素PKi上に結果として生じる。
検査対象物構成要素PKiがi=1,...,sの有限なセグメントSiに分割されることは有利である。セグメントSiへの分割は、需要に基づいた又は利用に適合した粒度で行われる。1つのセグメントSiは検査対象物構成要素PKi全体、例えば排気ガス管11又は排気ガス管11の排気ガス後処理ユニット12、13であり得る。しかし、セグメントSiは同様に詳細に分割されることも可能であり、例えば検査対象物構成要素PKiが複数のセグメントSiに分割されることもでき、例えば排気ガス管11が10個のセグメントSiに分割されることもできる。しかしまた基本的には、例えば1つのバッテリのような、検査対象物2全体が1つのセグメントSiであることも可能である。しかしセグメントSiの正確な分割は本発明においてはそれほど重要ではない。しかし重要であるのは、それに加えて熱流アクチュエータ15の数量j=1,...,kがセグメントSiの数量i=1,...,sと一致する必要はなく、また通例では一致しないということに気づくことである。熱流アクチュエータ15によって生成された熱流域Q によって、それに相応してセグメントSi上にセグメント・熱流Q Si、即ち検査対象物周囲からそれぞれのセグメントSi内へ又はそれぞれのセグメントSiから検査対象物周囲へ1つの熱流が結果として生じる。それは図4に概略的に示されていて、その際にこの例示的実施形態では1つの検査対象物構成要素PKiが6個のセグメントSiに分割されている。
熱流アクチュエータ15は、検査対象物構成要素PKiに向かうか及び/又はそれから離れる熱流Q を生成する。すでに記載したように、検査対象物2上に及び場合によっては検査対象物2の周囲内でも、あらかじめ設定された測定位置MSiにおいて測定ユニットMEiが設けられ、その際に少なくとも1つの温度が検査対象物2上で測定される。この測定ユニットMEiにより、検査対象物2の若しくは検査対象物構成要素PKiの測定変数MGiが、しかしまた、例えば試験空間の空気圧若しくは空気湿度のような、検査対象物2の検査対象物周囲の測定変数MGiも、又は、例えば吹出速度のような、熱流アクチュエータ15の測定変数MGiも、検出されることができる。測定ユニットMEiで検出された測定変数MGiは熱流調整装置17に供給され、望まれるセグメント・熱流Q Si(目標値設定)を設定するために、熱流調整装置は実装されている制御法則に従って熱流アクチュエータ15のための設定値を計算する。それによりセグメントSi上で目標を定めてセグメント・熱流Q Siを調整することができ、このセグメント・熱流は設定、例えば実際の自動車での実際の試験走行の際の実際の状態にできる限り相応する。その際にこの熱流アクチュエータ15はテストベンチ1上に、セグメント・熱流Q Siが好都合に調整され得るように配置されていることが当然好ましい。
これをもって、相応する試験走行及びそれぞれの検査課題に適合された十分な品質とダイナミクスを伴って、時間的及び空間的に変化する熱流域Q をテストベンチ1上の実際の検査対象物2に与えるための、1つの柔軟で、開放性で、拡張可能な、一般化されたIO−システム(制御を含むセンサ技術及びアクテュアトロニク)が記載されている。
セグメント・熱流Q の生成のための熱流域Q Siの目標値設定をするために、本発明では1つのシミュレーションユニット20が(適したシミュレーションハードウェア及び/又はシミュレーションソフトウェアの形で)設けられている。このシミュレーションユニット20は、少なくとも1つの適した「リアルタイムが可能である」シミュレーションモデル22に基づいて、時間的及び空間的に変化する熱流域Q Siによって設定されるセグメント・熱流Q の形でこの目標値を生成する。
これは続いて、例えば、バーチャル試験走行(走行試験)を許し、そこでは実際の検査対象物2が1つの自動車全体のバーチャル世界の中に埋め込まれ、及びその周囲がシミュレーションされる(X−In−The−Loopシミュレーション)。即ちシミュレーションモデル22によって、例えばバーチャル自動車がバーチャル世界の中を移動させられる。このシミュレーションユニット20はテストベンチ自動化ユニット3内に実装されることもできる。シミュレーションは、テストベンチ1上でのバーチャル試験走行のために好ましくはリアルタイムで行われる。即ち、必要とされる熱流域Q を熱流アクチュエータ15の助けを借りてもたらすために、例えばミリ秒から分範囲までのすべての時間的ステップに対して現下の目標設定値が計算される。
このシミュレーションモデル22は、図4及び図5に示されているように、少なくとも1つの熱的シミュレーションモデル23を含み、熱的シミュレーションモデルは、検査対象物2又は検査対象物構成要素PKiが実際の自動車内に埋め込まれているとしたら、またこの自動車があらかじめ設定されている走行区間に沿って移動されるとしたら、検査対象物2又は検査対象物構成要素PKiが周囲と熱的にどのように相互に作用するかをシミュレーションする。この場合この検査対象物構成要素PKiの周囲は、現実にテストベンチ上に存在する自動車構成要素(例えば自動車の隣接する構成群又は部品)及び自動車の環境(例えば空気流、路面表面、...)ではない。それにより、熱的シミュレーションモデル23は、特にテストベンチ1上に実際に存在しない自動車構成要素(場合によってはテストベンチ上に閉じ込められた構成要素も)及び環境(空気流、路面表面)を、例えばエンジンルームモデル及び床下モデル(「underhood and underbody models」)の形で反映する。この熱的相互反応は熱流の形で現れ、それはテストベンチ1上で熱流アクチュエータ15の助けを借りてシミュレートされる。
付加的にシミュレーションモデル22内に、図5に例示的に示されているように、自動車モデル24、運転者モデル25、道路又は区間モデル26、タイヤモデル27等が実装されることができる。さらに周囲モデルを設けることもでき、それは自動車の周囲をシミュレーションする。シミュレーションモデル22のさまざまな部分モデルはその際に、自動車の周囲との検査対象物2の熱的相互反応を考慮して走行試験を実行するために、共同して働く。このシミュレーションモデル22により、さまざまな運転者(保守的、攻撃的等)、道路の状態(例えばアクアプレーニング、氷、さまざまな路面等)又はさまざまなタイヤといった、他の影響も反映され得る。それにより、調整すべき熱流域Q が、特定の周囲条件を考慮してシミュレーションされた走行状況から結果として生じることも可能である。例として、スポーツ的な運転者はカーブを切り、及びそれによりアイスバーン上を走行し、又は水溜り(例えば水跳ね)を通って走行し、それに対して保守的な運転者はカーブを忠実に走行し、及びそれによりアイスバーン又は水溜りを避けて走行するということが想定できる。それは検査対象物2の熱伝達過程へ直接影響する。それこそ、テストベンチ1上に、例えばハンドル、ガスペダル、ブレーキペダル、ギヤのような実際の自動車の制御要素を設け、それらを介して能動的に走行試験に介入できるということも可能である。その場合にシミュレーションは、好ましくは必要とされる時間的解像度で、リアルタイムで行われる。
この走行試験は、さまざまな部分モデル(自動車モデル24、運転者モデル25、道路又は区間モデル26、タイヤモデル27、熱的シミュレーションモデル23の部分としてのエンジンルームモデル又は床下モデル等)に代わって他の方法で、例えば従来の、時間を基礎とした又は経路を基礎とした走行速度の設定の形で、あらかじめ設定されることも可能である。部分モデル又は時間又は経路に基づいた走行速度設定によって、具体的な走行試験が決定され、その際にその場合に生じる検査対象物2の周囲との熱的相互反応はそれぞれ熱的シミュレーションモデル23でシミュレーションされる。
このシミュレーションユニット20はさらに1つのインターフェース21を備え(図5)、それを介してシミュレーションモデル22に必要とされる測定変数MGiが、しかしまた、1つ若しくは複数の実際の回転数nist、xのような検査対象物2の実際値、又は1つ若しくは複数の実際の回転モメントMist、zのような負荷装置5の実際値も与えられることが可能であり、並びにそれを介してシミュレーションモデル22によって計算された、検査対象物2の調整(例えばスロットルバルブ位置αsoll)及び/又はテストベンチ1の調整(例えば負荷装置5の1つの目標回転モメントMsoll及び/又は1つの目標回転数nsoll又は複数の負荷装置の場合は‘複数の目標回転モメント及び/又は目標回転数)、若しくは走行試験の調整、特に熱流アクチュエータ15の調整のための目標値が送られる。インターフェース21は場合によっては必要不可欠な信号処理機構、例えば測定変数MGiのためのフィルタを提供する。この測定変数MGiをシミュレーションユニット20のために提供することによって「シミュレーションループ」(Simulationsschleife)は閉じられ、また検査対象物2は実際にバーチャル・現実の世界の「in−the−Loop」に受け入れられる。
検査対象物構成要素PKiの周囲との熱的相互反応をシミュレートする熱的シミュレーションモデル23は、例えば物理的モデル、経験的モデル又は訓練されたモデル(ニューラルネットワーク、直線的なモデルネットワーク等)の形で任意に構成されることができる。さらには熱的シミュレーションモデル23は、例えば測定されなかった又は測定不可能な値(例えば温度)を再建するために(例えば調整技術的な監視者を介して)、調査すべきである、及び実際にテストベンチ1に存在する検査対象物構成要素PKiの挙動をシミュレートすることができる。熱的シミュレーションモデル23は、少なくとも1つのセグメントSi、好ましくは検査対象物2のすべてのセグメントSiに対して、あらかじめ設定されているすべての時間的ステップで、セグメント・熱流Q Siのための目標値を算出する。このために熱的シミュレーションモデル23は、それに属する測定位置MSi上で、測定ユニットMEiで測定された少なくとも1つの温度(又はそれに同等の物理的値)を処理する。もちろんこの熱的シミュレーションモデル23はさらに、例えば質量流量又は容積流量、空気圧、周囲の温度等のような、さらなる測定変数MGiも処理することができる。どの測定変数MGiが必要とされるかは、熱的シミュレーションモデル23のそれぞれの実装に、また場合によってはシミュレーションモデル22の別のモデルのそれぞれの実装に依存する。この際に、熱的シミュレーションモデル23のために必要とされる測定変数MGiが直接測定されず、それに代わって別の測定された測定変数MGiを基に、例えば適した監視者を介して、推定すること又は計算することも可能である。排気ガス管11の例では、例えば、排気ガス管11内へ入る又は出る排気ガスの流入温度と流出温度の測定から、及び排気ガス管11を通る排気ガス質量流量の測定から、排気ガス管11のさまざまな位置での表面温度を計算することが可能である。
この熱的シミュレーションモデル23はさらに、例えばシミュレーションモデル22の別のモデルから得るか、又は速度設定値から得る、走行試験自体の値、例えば自動車の速度を処理することができる。走行試験によって、熱的シミュレーションモデル23にも流れ込むことができる、空気温度、空気湿度等のような周囲条件もあらかじめ設定されていることが好ましい。しかしまた、同じく熱的シミュレーションモデル23に流れ込むことができる例えば雷雨、自動車の停車休憩又は水溜りの通過走行のような出来事もあらかじめ設定されることができる。
例えば数量で又はモデルに基づいて算出されたセグメント・熱流Q Siの目標値はインターフェース21を介して熱流調整装置17に引き渡され、熱流調整装置はこれらの目標値を、あらかじめ設定されている調整のすべての時間的ステップ内で、ある数量の熱流アクチュエータ15を用いて、その際に少なくとも1つの熱流アクチュエータ15が設けられていて、少なくとも1つのセグメントSi上に、好ましくはすべてのセグメントSi上に、ある程度の品質をもって調整する。その際にこの品質は特に熱流アクチュエータ15の具体的な実装に依存する。そのために熱流調整装置17内で、セグメント・熱流Q Siの目標値から、実装されている制御法則に従って存在するj個の熱流アクチュエータ15のために設定値を計算し、また相応する熱流Q 、又は熱流域Q を生成する熱流アクチュエータ15に、あらかじめ設定する。
本発明の経過の方法を分かりやすく説明するために以下の例が使われる。検査対象物2は、実際の自動車での実際の試験走行の枠内に埋め込まれて実際の走行試験場で移動される。それによって検査対象物2上で確定されているセグメントSiに対していくつかの実際のセグメント・熱流Q Siが結果として生じるであろう。課題はいまや、実際の試験走行で現れる、この実際のセグメント・熱流Q Siを、テストベンチ1上のバーチャル試験走行において、即ち1つの走行試験において目標値として、適した熱的シミュレーションモデル23から生じさせることにある。物理の法則によれば、このセグメント・熱流Q Siは、検査対象物2上に生じる温度域に決定的に左右され、温度域は例えば熱伝達、対流、熱放射を介して、測定位置MSiにおいて近似的に検出される。このためにすべての時間的ステップにおいて、検査対象物2の温度がn個の測定位置MSiで測定され、熱的シミュレーションモデル23に基づいてそれからi個のセグメントSiのためにセグメント・熱流Q Siが計算され、並びに熱流調整装置17及び熱流アクチュエータ15によってテストベンチ1上で調整される。
一般的に注記しておくことは、その際に測定位置MSiとセグメントSiの間に1対1の対応がある必要はないということである。個々のセグメントSi上で例えば複数回温度を測定することができ、それに対して別のセグメントSi上では温度測定が行われない。そこでは、温度域は単に推定されるのみである。
セグメント・熱流Q Siの調整のための情報流は一般化されて図6に再度示されている。複数の測定変数MGiが、検査対象物2で及び場合によってはテストベンチ1上で測定ユニットMEiを用いて特定の測定位置MSiで検出される。その際に検査対象物2上の少なくとも1つの測定位置MSiで少なくとも1つの温度(又はそれに同等の物理的値)が測定される。上述のように、それと並んでさらに別の、例えば周囲の値(周囲の温度、空気湿度、空気圧等)のような測定変数MGi、及び質量流量又は容積流量が測定され得る。この測定変数MGiはインターフェース21を介してシミュレーションユニット20内のシミュレーションモデル22の熱的シミュレーションモデル23、及び場合によってはシミュレーションモデル22のさらなるモデルに供給される。熱的シミュレーションモデル23は測定変数MGiから、セグメントSi上でのセグメント・熱流Q Siの目標値を算出する。セグメント・熱流Q Siのこの目標値は、熱流アクチュエータ15を介して調整するために熱流調整装置17に引き渡される。加えて熱流アクチュエータ15は必要とされる熱流Q を生成し、熱流は調節すべき検査対象物構成要素PKiへ又はセグメントSiへと作用する。
セグメント・熱流Q Siが前後に続く時間的ステップ内で非常に迅速に変化する場合は、例えば水溜りの通過走行の場合、その際に例えば短期的に多くの水溜りの水が排気ガス管11の熱いマフラ上で蒸発すると、熱流アクチュエータ15は恒常的に境界付けられているダイナミクスのために、そのような迅速なセグメント・熱流Q Siの変化を調整できないということがあり得る。この場合は、少なくともセグメント・熱流Q Siが積分的な手段で、適して選択された時間帯、例えば1分にわたって調整されることが意図され得て、即ち1つの長い時間にわたって交換された熱の積分が走行試験に相応する。
テストベンチ1上の検査対象物2の負荷状態を、負荷装置5を介して走行試験に従って調整するために、シミュレーションユニット20はテストベンチ自動化ユニット3及び/又はアクチュエータ調整装置4と情報を交換することもできる。
本発明が排気ガス管11の例において説明されたにもかかわらず、自動車の別のさまざまな検査対象物構成要素PKiが援用され得るということは明らかである。特に関心が持たれるのは、例えば、それらにおいてそれぞれ複数のセグメントSiを設けることが可能であり得る、内燃機関、冷却器又はハイブリッド自動車のパワーパックを検査対象物構成要素PKiとして使用することである。本発明をもって1つのX−In−The−Loopテストベンチ1が実現され、その装置ではいくつかの自動車構成要素(「X」)が物理的に、実際にハードウェアとしてテストベンチ1上に構成され(検査対象物2)及び走行試験として、その中に検査対象物2が埋め込まれている自動車を用いての試験走行が、シミュレーションユニット20内でシミュレーションされる。この場合に自動車全体も自動車構成要素として見なされることができる。シミュレーションでは、検査対象物2の周囲との熱的相互反応が熱伝達過程の形でシミュレーションされ、この熱伝達過程は検査対象物2が実際の自動車中で実際の試験走行で経験するであろうものである。しかし任意の別の、特にまた仮想の熱伝達過程があらかじめ設定され、また走行試験の経過中に使用されることもできる。このシミュレーションから結果として生じる熱伝達過程は、テストベンチ1上において熱流アクチュエータ15を用いて調整される。このようにして非常に現実に即した試験走行がテストベンチ1上で実行される。

Claims (8)

  1. テストベンチ(1)上で走行試験を実施するための方法であって、検査対象物(2)が、自動車又は自動車の構成要素として実際に前記テストベンチ(1)上に構成及び駆動され、シミュレーションユニット(20)が、シミュレーションモデル(22)によって前記走行試験をシミュレーションする方法において、
    少なくとも1つの温度が、測定変数(MGi)として前記走行試験中に前記テストベンチ(1)の1つの測定位置(MSi)で測定され、前記検査対象物(2)の少なくとも1つの検査対象物構成要素(PKi)が、複数のセグメント(Si)に分割されること、
    前記シミュレーションモデル(22)の熱的シミュレーションモデル(23)が、少なくとも1つのセグメント(Si)に供給又は排出されたセグメント・熱流(Q Si)を計算することによって、少なくとも1つの前記セグメント(Si)と前記自動車の周囲との熱的相互反応が、前記走行試験中に前記シミュレーションモデル(22)の熱的シミュレーションモデル(23)によってシミュレートされること、及び
    前記セグメント・熱流(Q Si)が、前記テストベンチ(1)の前記少なくとも1つの前記セグメント(Si)で、前記検査対象物(2)に熱流(Q )をもたらす複数の熱流アクチュエータ(15)によって、測定される温度に依存して調整されることを特徴とする方法。
  2. 前記シミュレーションモデル(22)は、以下の1つ又は複数のモデルである自動車モデル(24)、運転者モデル(25)、道路又は区間モデル(26)、タイヤモデル(27)、周囲モデルをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記検査対象物(2)の少なくとも1つの別の測定変数(MGi)がさらに検出され、前記シミュレーションモデル(22)内で処理されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記検査対象物(2)の検査対象物周囲の少なくとも1つの測定変数(MGi)がさらに検出され、前記シミュレーションモデル(22)内で処理されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 走行試験を実施するためのテストベンチであって、検査対象物(2)が、自動車又は自動車の構成要素として実際に前記テストベンチ(1)に構成されていて、シミュレーションユニット(20)が、シミュレーションモデル(22)によって前記走行試験をシミュレーションする当該テストベンチにおいて、
    測定変数(MGi)として前記走行試験中に前記テストベンチ(1)で温度を検出する少なくとも1つの測定ユニット(MEi)が、前記テストベンチ(1)に設けられていること、1つの熱的シミュレーションモデル(23)が、前記シミュレーションユニット(20)内に実装されていて、前記熱的シミュレーションモデル(23)が、少なくとも1つのセグメント(Si)に供給又は排出されたセグメント・熱流(Q Si)を計算することによって、この熱的シミュレーションモデル(23)が、前記走行試験中に、前記検査対象物(2)の検査対象物構成要素(PKi)の少なくとも1つのセグメント(Si)と前記自動車の周囲との熱的相互反応をシミュレートすること、及び
    前記検査対象物(2)に熱流(Q )をもたらす少なくとも1つの熱流アクチュエータ(15)が、前記テストベンチ(1)に設けられていて、
    少なくとも1つの前記セグメント(Si)に対する前記セグメント・熱流(Q )を測定された温度に依存して調整するため、少なくとも1つの前記熱流アクチュエータ(15)の前記熱流(Q Si)を調整する1つの熱流調整装置(17)がさらに設けられていることを特徴とするテストベンチ。
  6. 以下の複数のモデルである自動車モデル(24)、運転者モデル(25)、道路又は区間モデル(26)、タイヤモデル(27)、周囲モデルのうちの1つ又は複数のモデルが、前記シミュレーションモデル(22)内にさらに実装されていることを特徴とする請求項5に記載のテストベンチ。
  7. 少なくとも1つのさらなる測定ユニット(MEi)が、前記テストベンチ(1)に設けられていて、当該測定ユニット(MEi)が、前記検査対象物(2)の1つの別の測定変数(MGi)を検出し、前記シミュレーションモデル(22)が、前記別の測定変数(MGi)を処理することを特徴とする請求項5又は6に記載のテストベンチ。
  8. 少なくとも1つのさらなる測定ユニット(MEi)が、前記テストベンチ(1)に設けられていて、当該測定ユニット(MEi)が、前記検査対象物(2)の検査対象物周囲の1つの別の測定変数(MGi)を検出し、前記シミュレーションモデル(22)が、前記別の測定変数(MGi)を処理することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のテストベンチ。
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