JP2000256865A - 無電解めっき方法およびその装置 - Google Patents

無電解めっき方法およびその装置

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JP2000256865A
JP2000256865A JP11061131A JP6113199A JP2000256865A JP 2000256865 A JP2000256865 A JP 2000256865A JP 11061131 A JP11061131 A JP 11061131A JP 6113199 A JP6113199 A JP 6113199A JP 2000256865 A JP2000256865 A JP 2000256865A
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plating
plated
angle
plating solution
electroless nickel
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JP11061131A
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English (en)
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Masami Masuko
正美 益子
Satoharu Arai
聡治 荒井
Hidemitsu Yokoyama
秀光 横山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円盤形状のみならず曲率を持つような形状の
被めっき物であっても、ピット、ピンホールおよびざら
つき等の欠陥のないニッケルめっき被膜を成膜できる、
無電解ニッケルめっき方法およびその装置を得る。 【解決手段】 被めっき物7の有効めっき面をめっき液
8中で下向きにし、さらに被めっき物7を自転もしくは
公転させ、さらに角度調節装置6で回転軸を傾斜させ
て、めっき反応時に発生する水素ガスを一箇所に滞留さ
せることなく、逃がし取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学レンズを成形
するための金型や反射鏡等の光学製品の、無電解めっき
方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に無電解ニッケルめっき被膜は均一
析出性が良く、また非晶質であることが知られており、
該めっき被膜は切削加工したり研磨加工等の機械加工を
施すことにより、表面粗さ0.1μm以下の非常に平滑
な鏡面が得られるため、従来から、反射鏡や光学レンズ
を成形するための金型等、光学製品の表面層に多く用い
られている。該無電解ニッケルめっきを施す被めっき物
には、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂の成形品や、
ガラスやセラミック基板や、鉄やアルミニウムや真鍮等
の金属を材料として機械加工により所望の形状に加工し
たものがあり、無電解ニッケルめっきを10μmから4
00μm程度施し、さらに切削加工、研磨加工等の機械
加工を施して所定の形状、寸法に仕上げていた。
【0003】ところで、無電解ニッケルめっき工程で
は、めっき反応時に水素ガスが発生するため被めっき物
の形状が例えば凹面鏡のような場合には、めっき面であ
る凹面部をめっき液面に対して下向きにすると水素ガス
が凹面部内に溜まることによりめっきが析出しないピッ
ト(めっき面に生成される巨視的な穴)やピンホール
(素地や下地まで達する細孔)といった欠陥を生じやす
く、従ってこれらの欠陥をなくし発生する水素ガスを逃
がすために凹面部を上に向けてめっきを行う必要があっ
た。ところが、凹面部を上向きのままめっきを行うと、
めっき反応時に核状に析出するニッケルやメッキ槽外部
より混入した微細な異物が凹面部に付着し、ざらついた
表面状態に仕上がってしまうことが多かった。また、こ
の現象は凹面部に限らず液面に対し上に向けた被めっき
物に非常に多く発生するものであった。これらの欠陥
は、製品としての要求性能を損ない、めっき後の機械加
工においてそのざらつきが原因となってバイトのチッピ
ングや破損を生じやすいなどの問題があった。そこで、
これらのめっきの欠陥を防止するために、特開平5−3
9579号公報ではめっき液の撹拌方法を工夫した無電
解めっき装置が開示されており、また特許第26753
09号公報では、被めっき物を回転させつつめっき液を
落下させて水素泡や不純物等を半径方向外周に向かって
押し流すめっき方法等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような撹拌方法を工夫した無電解めっき装置では若干の
改善が見られるものの完全にはめっきの欠陥を防ぐこと
はできず、また被めっき物が曲面を持つものには不適で
あった。一方、被めっき物を回転させる方法では円盤形
状の被めっき物には有効であるが、曲率をもつ反射鏡や
凹面形状の被めっき物には対応できないといった問題点
があった。さらにめっきの欠陥を生じた製品はめっきを
剥離して再度めっきを行ったり、あるいはめっき面が損
傷してしまった場合には被めっき物を新規に作り直す必
要が生じ、当然のことながら製品のコストが上昇してし
まう原因となっていた。
【0005】そこで本発明では円盤形状だけでなく、曲
率を持つような被めっき物に無電解ニッケルめっきを施
す場合においても、ピット、ピンホールおよびざらつき
等の欠陥の発生を低減せしめ、製造コストを抑制でき
る、無電解ニッケルめっき方法およびその装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために本発明者らは、被めっき物の有効めっき
面をめっき浴中で下向きにし、さらに被めっき物を自転
もしくは公転させることにより、めっき反応時に発生す
る水素ガスを一箇所に滞留させることなく、逃がし取り
除くことができることを見出した。
【0007】請求項1の発明のめっき方法では、めっき
浴中で被めっき物のめっき面をめっき液面に対して下向
きにし、被めっき物を自転もしくは公転させることを特
徴としている。また請求項2の発明では、請求項1に記
載のめっき方法において、被めっき物の回転軸中心をめ
っき液面に対して傾けて回転させることを特徴としてい
る。
【0008】請求項3の発明では、請求項2に記載の被
めっき物の回転軸とめっき液面とのなす角度を20°か
ら90°に設定しためっき方法であることを特徴として
いる。ここで、被めっき物の回転軸とめっき液面のなす
角度が20°未満であると、その傾斜のためにめっき装
置を大きくせねばならず、また被めっき物の回転により
該被めっき物の一部が液面から出てしまい大気と接触し
てしまう不都合を生じる。
【0009】さらに請求項4の発明では、めっき液が充
填されるめっき槽と、このめっき液中に被めっき物を保
持する冶具とを具備する無電解めっき装置において、前
記めっき液中の被めっき物を自転もしくは公転させる回
転手段と、該回転手段をめっき液面に対して任意の角度
に設定できる保持手段とを具備した無電解めっき装置で
あることを特徴としている。
【0010】以下に本発明の実施の形態を説明するが、
これにより本発明が実施の形態に限定されるものではな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は本発明
の第1の実施形態の無電解めっき装置の概略構成を示す
図である。本無電解ニッケルめっき装置はめっき槽1
と、被めっき物7をねじどめ(不図示)した回転シャフ
ト4を取り付けたスピード可変モータ2からなる回転手
段と、前記スピード可変モータ2を前記めっき槽1の上
部横側に固定ボルト3で固定し回転シャフト4の取り付
け角度を任意に調整できる角度調整装置6を有した保持
手段とを具備しており、無電解ニッケルめっき液8はヒ
ータ(不図示)で加熱され、ろ過器(不図示)により循
環ろ過されている。
【0012】本実施形態の被めっき物7の形状は曲率半
径17mm、直径30mmの凹面鏡で材料はアルミニウ
ムである。この被めっき物7を回転シャフト4に取り付
け、凹面部めっき必要面以外はめっきマスキング剤(例
えばターコ5980−1A)を塗布、乾燥しマスキング
する。この時マスキング剤の代わりにマスキングテープ
(例えばSPT−642)を用いてマスキングしてもか
まわない。
【0013】次に、回転シャフト4に取り付けられた被
めっき物7を、有機溶剤もしくはアルカリ系洗浄剤での
脱脂、硝酸による酸洗い、亜鉛置換、希硝酸浸漬、亜鉛
置換の前処理を順次行った。該前処理終了後、液温90
℃、PH4.5に調整された無電解ニッケルめっき液8
中に被めっき物7を保持した回転シャフト4がめっき液
面に対して30°の角度になるように角度調整装置6を
調節する。該角度は、被めっき物7のめっき面である光
学面の形状(前述凹面 曲率17mm 直径30mm)
を考慮して30°に調節した。そして、スピード可変モ
ーター2により回転数1rpmで回転させて被めっき物
7が自転し、めっき反応時に発生する水素ガスはめっき
面の曲率と傾斜角度の関係と該自転により一ヶ所に滞留
することなくめっき面の外側へと逃がされる。この状態
で約7時間のめっきを行い、膜厚100μmのニッケル
被膜が得られた。このニッケルめっき皮膜を目視および
顕微鏡観察をしたところピットやピンホール及びざらつ
き等の欠陥がない良好な被膜であった。
【0014】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2
の実施形態の無電解めっき装置の概略構成を示す図であ
る。本実施形態では被めっき物を複数個同時にめっき処
理する場合を示している。めっき装置は第1の実施形態
と同じものを用いた。本実施形態での被めっき物7の形
状は曲率半径15mm、直径10mmの凹面鏡で材料は
アルミニウムであり、同形状のものが5個ある。ここ
で、同形状の被めっき物7を円盤状基板5に円周方向に
等間隔で5個を取り付け、さらに該円盤状基板5を回転
シャフト4に取り付けた。そして実施形態1と同様に、
めっき必要面以外はマスキングし、めっき前処理を施し
た後、液温90℃、PH4.5に調整された無電解ニッ
ケルめっき液8中に、5個の被めっき物7を取り付けた
円盤状基板5を保持した回転シャフト4がめっき液面に
対して45°の角度になるように角度調整装置6を調節
する。該角度は、前述の通り被めっき物7である光学面
および該被めっき物を取り付けた円盤状基板5の形状を
考慮したものである。
【0015】そして、スピード可変モーター2を回転数
5rpmに調節し回転させることで被めっき物7が公転
し、この状態で約11時間のめっきを行い、膜厚150
μmのピットやピンホール及びざらつき等の欠陥がない
良好なニッケル被膜が得られた。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ピット、
ピンホール及びざらつき等の欠陥のない品質の良好なニ
ッケルめっき被膜が得られ、その結果、めっき不良によ
る再めっき作業や被めっき物の再製作によるコストの上
昇を抑制でき生産性も向上する効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である無電解ニッケル
めっき装置の概略図である。
【図2】本発明の第2の実施形態である無電解ニッケル
めっき装置の概略図である。
【符号の説明】
1 めっき槽 2 スピード可変モーター 3 固定ボルト 4 固定シャフト 5 円盤状基板 6 角度調節装置 7 被めっき物 8 無電解ニッケルめっき液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 DA01 DA10 DC01 DC11 4K022 AA02 AA41 BA14 DA01 DB14 DB15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき浴中で被めっき物のめっき面をめ
    っき液面に対して下向きに設定し、被めっき物を自転も
    しくは公転させることを特徴とする無電解ニッケルめっ
    き方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の被めっき物を自転もし
    くは公転させる回転軸中心をめっき液面に対して傾ける
    ことを特徴とする無電解ニッケルめっき方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の回転軸を傾けてめっき
    液面とのなす角度が20°から90°であることを特徴
    とする無電解ニッケルめっき方法。
  4. 【請求項4】 めっき液が充填されるめっき槽と、この
    めっき液中に被めっき物を保持する冶具とを具備する無
    電解めっき装置において、前記めっき液中の被めっき物
    を自転もしくは公転させる回転手段と、該回転手段をめ
    っき液面に対して任意の角度に設定できる保持手段とを
    具備したことを特徴とする無電解めっき装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101260A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Osaka Prefecture Univ 導電性微粒子及びその製造方法
JP2010186157A (ja) * 2009-01-15 2010-08-26 Hoya Corp 鏡枠部材、及び鏡枠部材の表面加工方法
JP2011214131A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd めっき液の活性度測定装置及びその方法
CN109518235A (zh) * 2019-01-10 2019-03-26 江西凤凰光学科技有限公司 一种光学模仁镀镍工艺

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