JP2000256300A - ヨードアルキニルカーバメートの製造方法 - Google Patents

ヨードアルキニルカーバメートの製造方法

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JP2000256300A JP11068860A JP6886099A JP2000256300A JP 2000256300 A JP2000256300 A JP 2000256300A JP 11068860 A JP11068860 A JP 11068860A JP 6886099 A JP6886099 A JP 6886099A JP 2000256300 A JP2000256300 A JP 2000256300A
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iodoalkynyl
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Tatsuo Kaiho
龍夫 海宝
Naoki Asashige
朝重  直樹
Mitsuo Nakamura
光雄 中村
Ryoichi Seki
亮一 関
Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
Takayuki Kawamori
貴幸 川森
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキノールとイソシアネートを反応させて
アルキニルカーバメートを生成させた後、次いで該アル
キニルカーバメートをヨウ素化してヨードアルキニルカ
ーバメートを製造するに当たり、有機錫系触媒を使用す
ることなく、また製品中の不純物含量を低減し、着色が
改善されるヨードアルキニルカーバメートの製法を提供
する。 【解決手段】 上記アルキノールとイソシアネートとの
反応を、立体的に固定された3級アミン(例;1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等)の存在下で行
い、これにより得られるアルキニルカーバメートをヨウ
素化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、皮革又は繊
維類のような工業製品への殺菌剤等として有用なヨード
アルキニルカーバメートの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】既に、アルキニルカーバメートのヨウ素
化によるヨードアルキニルカーバメートの製造は公知で
あり、種々の方法が開示されている。例えば、特開昭5
5−100354号公報(ヨーロッパ特許第14032
号)には下記式(1)(化5)
【化5】 で表されるアルキノールをジブチル錫ジラウレートとト
リエチルアミンの存在下に下記式(2)(化6)
【化6】 で表されるイソシアネートと反応させて、下記式(3)
(化7)
【化7】 (式(1)(2)及び(3)において、Rは炭素原子1
〜20個を有し、かつm価を有する、置換されているか
又は置換されていないアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基もしくはアラルキル基を示し、m及びnは、
それぞれ1〜3の整数を示す。)で表されるアルキニル
カーバメートを得た後、次いで該アルキニルカーバメー
トをヨウ素化することによるヨードアルキニルカーバメ
ートの製法が開示されている。
【0003】また別法として、米国特許第3,923,879 号
公報には、前記式(1)で表されるアルキノールをまず
ヨウ素化してヨードアルキノールを生成させた後、次い
でこれを前記式(2)で表されるイソシアネートと、ジ
ブチル錫ジラウレート触媒及びトリエチルアミンの存在
下で反応させ、目的のヨードアルキニルカーバメートを
得るといった方法が開示されている。
【0004】これら従来に知られるヨードアルキニルカ
ーバメートの製法では、いずれも有機錫系の触媒が用い
られ、更にはこの触媒を使用していることに起因する欠
点がいくつか見られる。
【0005】即ち、有機錫系触媒を用いる方法では通
常、得られるヨードアルキニルカーバメート中、20〜
80ppm程度の、有機錫に由来する錫分が不純物とし
て含まれ、またこの際の製造工程で発生する廃液には、
200〜1000ppm程度の錫分の含まれてしまうこ
とが一般的である。
【0006】更にまた、上記従来に知られるヨードアル
キニルカーバメートの製法では、該目的としたものが生
成する反応のみではなく、ヨードホルムやヨウ素付加体
の生成等といった副反応も顕著に起こる。そしてこれら
副生物の生成は、目的ヨードアルキニルカーバメートの
純度を低下させるのみならず、該目的物自身を着色させ
てしまうことにもなる。しかして、ヨードアルキニルカ
ーバメートは塗料や繊維類のような工業製品に殺菌剤と
して添加されるものでもあり、このような着色したもの
は、好ましくないものであることが明らかである。
【0007】また、着色の回避されるヨードアルキニル
カーバメートの製法としては、米国特許第5,554,784 号
公報に、まず原料であるイソシアネートを蒸留により精
製し、次いでこれを24ないし120時間以内にアルキ
ノールと反応させ、得られるアルキニルカーバメートを
ヨウ素化するといった方法が開示されている。しかしな
がらこの方法は、蒸留精製後のイソシアネートを長時間
滞留あるいは放置してもおけず、製造過程で時間的な制
約が生じたりすることにもなり、工業的にはあまり一般
的な方法と言えないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
知られるヨードアルキニルカーバメートの製法において
は有機錫系触媒が用いられる方法であるとともに、副生
物生成や製品着色という欠点をもつものであること、あ
るいは製造工程で精製操作を必須とした方法でしかなか
った。
【0009】本発明は、これら従来に知られるヨードア
ルキニルカーバメート製法上の欠点を、全て解消できる
方法を開示するものである。即ち、本発明では有機錫系
触媒を何ら使用することなく反応を行わせ、特に精製操
作も必要とすることなく、それでいて不純物含量を著し
く軽減し、着色現象の著しく改善されるヨードアルキニ
ルカーバメートの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の達成されるヨードアルキニルカーバメート製法につい
て鋭意研究及び検討を重ねた。
【0011】その過程で、アルキノールとイソシアネー
トの反応をある特定なアミン触媒の存在下で行わせるこ
とによりアルキニルカーバメートを得、そしてそれをそ
のままヨウ素化した場合は有機錫系触媒を使用したとき
とは大きく異なり、従来の欠点が十分に解消されるヨー
ドアルキニルカーバメートが得られる知見を得た。
【0012】更に検討を重ねた結果、アルキノールとイ
ソシアネートの反応を特に、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタンや、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン、キヌクリジン、及び1,5
−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン等といった、立
体的に固定された3級アミンの存在下に行わせ、そして
これにより得られるアルキニルカーバメートをヨウ素化
する場合は、該アルキニルカーバメート生成液を特に精
製せずとも、従来の製法上で見られた欠点が全て解消さ
れるヨードアルキニルカーバメートが得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、 立体的に固定された3級アミンの存在下に、下記式
(1)(化8)
【化8】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表されるアルキ
ノールと下記式(2)(化9)
【化9】 (式中、Rは炭素原子1〜20個を有し、かつm価を有
する、置換されているか又は置換されていないアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル
基を示し、mは1〜3の整数を示す。)で表されるイソ
シアネートを反応させて得られる下記式(3)(化1
0)
【化10】 (式中、m,n及びRはそれぞれ前記定義の通りであ
る。)で表されるアルキニルカーバメートをヨウ素化す
ることを特徴とする下記式(4)(化11)
【化11】 (式中、m,n及びRはそれぞれ前記定義の通りであ
る。)で表されるヨードアルキニルカーバメートの製造
方法であり、また、 立体的に固定された3級アミンが、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、及び1,
5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネンから選ばれる
一種、又は二種以上のものである上記に記載のヨード
アルキニルカーバメートの製造方法であり、また、 立体的に固定された3級アミンの存在下にアルキノー
ルとイソシアネートを反応させて得られる反応液をヨウ
素化する、上記又はに記載のヨードアルキニルカー
バメートの製造方法であり、また、 立体的に固定された3級アミンが、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタンであり、かつヨードアル
キニルカーバメートがヨードプロパギル−n−ブチルカ
ーバメートである、上記〜のいずれかに記載のヨー
ドアルキニルカーバメートの製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明でいう、立体的に固定され
た3級アミンとは、窒素原子に結合したアルキル鎖が環
状にかつ、立体的に固定された化学構造のものをいい、
具体的には1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オク
タン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ
ン、キヌクリジン、及び1,5−ジアザビシクロ[4.
3.0]ノネン等といったものが挙げられ、これらは一
種でもよく、又は二種以上が併用されて用いられても構
わない。
【0015】上記のような、立体的に固定された3級ア
ミンは従来、ウレタン化反応を行わせる際の触媒として
使用された例はあった。しかしながら、このような触媒
を用いて製造したアルキニルカーバメートが従来のもの
とは大きく異なり、特にそれをヨウ素化した際において
極めて好ましい結果を与える等ということは、従来技術
からは全く想到し得ないことである。
【0016】本発明において、式(1)で表されるアル
キノールの具体例としては、2−プロピン−1−オー
ル、3-ブチン−1−オール、及び4−ペンチン−1−オ
ール等を挙げることができる。
【0017】また、式(2)で表されるイソシアネート
の具体例としては、例えばメチルイソシアネート、エチ
ルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイ
ソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソ
シアネート、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイ
ソシアネート等のアルキルイソシアネート、及びこれら
の種々の構造異性体;シクロアルキルイソシアネート、
例えば、シクロヘキシルイソシアネート;単環式アリー
ルイソシアネート、例えば、フェニルイソシアネート、
4−クロロフェニルイソシアネート、3,4−ジクロロ
フェニルイソシアネート、2−ニトロフェニルイソシア
ネート、3−ニトロフェニルイソシアネート、4−ニト
ロフェニルイソシアネート;ジイソシアネート、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビスフ
ェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等
を挙げることができる。
【0018】本発明において、式(3)で表されるアル
キニルカーバメートは、立体的に固定された3級アミン
の存在下に、式(1)で表されるアルキノールを、式
(2)で表されるイソシアネートと反応させることで得
ることができ、この反応は無溶媒下でも進行させること
ができる。
【0019】本発明において、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタンや1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン、キヌクリジン、及び1,5
−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン等といった、立
体的に固定された3級アミンは、アルキノールとイソシ
アネートとを反応させる際に存在してさえすればよく、
特にその添加形態や使用形態について制限はない。
【0020】立体的に固定された3級アミンの使用量
は、あまり少量では反応が進まず収率が低下することに
なり、またあまり多い場合は不経済にもなることから、
通常は式(1)で表されるアルキノールに対して0.1
〜5モル%の範囲、より好ましくは0.3〜1モル%の
範囲で使用する。
【0021】本発明において、式(1)で表されるアル
キノールと、式(2)で表されるイソシアネートとの反
応は、通常15〜80℃の範囲で行わせることが可能で
あり、より好ましくは30〜60℃にて行う。この場
合、15℃未満の温度では反応効率が著しく低下するこ
とになり、また80℃を越える温度では原料の種類にも
よるが、一般に揮発量が多くなってくることから、好ま
しくない。
【0022】上記のように反応させて得られるアルキニ
ルカーバメート生成液は、勿論精製操作にかけてアルキ
ニルカーバメート以外の成分を分離してもよいが、本発
明では該生成液を特に何らの処理をせずとも、そのまま
ヨウ素化の工程に移行させることが可能である。即ち、
立体的に固定された3級アミンの存在下に反応させて得
たアルキニルカーバメート生成液を、そのままヨウ素化
反応に移行させることで、ヨウ素付加体やヨードホルム
等の不純物生成を抑制し、かつ、無着色性で高純度の目
的ヨードアルキニルカーバメートを生成させることが可
能である。
【0023】本発明におけるヨウ素化は、従来に知られ
る方法の全てが適用可能であり、特にその形態を限定す
るものではないが、以下、ヨウ素化剤として、次亜塩素
酸ナトリウムとアルカリ金属ヨウ化物の混合物を用い
て、又は次亜塩素酸ナトリウムとアルカリ金属水酸化物
及びヨウ素の混合物を用いて行う態様につき詳述する。
【0024】まず本発明において、アルキニルカーバメ
ート生成液に対するヨウ素化は、有機溶媒中、好ましく
はメタノールもしくはエタノール溶媒中で、又は水系混
合溶媒中で、好ましくは水−メタノール、もしくは水−
エタノール混合溶媒中で行い、これら溶媒中でまず、ア
ルキニルカーバメート濃度を5〜40重量%としておく
ことが望ましい。これが5重量%未満であっては目的物
の生産性が低下しやすく、また40重量%を越える濃度
であってはやはり顕著な生産性の向上がみられなくなる
ばかりか、反応を行わせている最中に結晶析出が起こり
やすくなり、このため不純物含有の製品となる可能性が
大となることから、好ましくない。
【0025】ヨウ素化に使用するヨウ素は、アルキニル
カーバメートの1モルあたり、通常0.5〜0.6モ
ル、好ましくは0.5〜0.55モルの範囲で用いる。
これが0.5モル未満ではアルキニルカーバメートが完
全に転化せず、また0.6モルを越えて使用しても収率
の向上は見られず効果的ではないばかりか、製品中にヨ
ウ素分が残存してしまう原因ともなることから好ましく
ない。
【0026】ヨウ素は固体のまま系中に添加することが
可能であり、また反応に用いる塩基としては、アルカリ
金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭
酸水素塩を用いることができる。具体的には、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げら
れる。塩基の量は、ヨウ素の1モルあたり0.70〜
2.00当量とすることが好ましい。これが0.70グ
ラム当量未満では生産性が低下するので好ましくなく、
また2.00グラム当量を越えては顕著な生産性の向上
が見られない。
【0027】これら塩基は固体のまま添加することがで
きるが、水溶液として添加することもできる。また、ヨ
ウ素を添加する前に、塩基を全量添加することもできる
が、ヨウ素の添加に合わせて連続的に添加することも可
能である。反応温度は−10〜20℃の範囲に維持す
る。この温度を維持しながらヨウ素を添加し、その後、
更に上記温度に維持し反応を完結させる。この際の温度
が−10℃未満では反応に完結する時間が非常に長くな
ってしまい、また20℃を越えては、不純物生成が増大
し、最終製品純度及び収率が低下するので好ましくな
い。
【0028】反応完結に要する時間は反応温度にも左右
され、一定しないが、通常は1〜4時間の範囲である。
反応終了後は、次亜塩素酸ナトリウムを徐々に添加し、
反応で生成したヨウ化ナトリウムを酸化しヨウ素化反応
を続ける。この際の反応温度は−10〜20℃の範囲に
維持することが好ましい。−10℃未満の温度ではこの
反応の完結に要する時間が非常に長くなることになり、
また20℃を越えては不純物生成増大の原因、更には最
終製品純度及び製品収率の低下となるため、好ましくな
い。この際の温度は高くなればなるほど不純物の生成及
びヨードホルムの生成が加速される傾向にはあるが、量
的には少なく、傾向としてはジブチル錫ジラウレート触
媒及びトリエチルアミンの存在下にて行うヨードアルキ
ニルカーバメート製造のときほど顕著ではない。
【0029】そして、本発明では上記温度を維持しなが
ら、次亜塩素酸ナトリウムを添加終了後、更に同温度範
囲にて反応させ、完結させる。これに要する時間は温度
にも左右され一定しないが、通常は1〜10時間の範囲
である。
【0030】次いで、反応液を中和した後、チオ硫酸ナ
トリウム(ハイポ)を添加して余剰のヨウ素を還元した
後、水を添加し、ヨードアルキニルカーバメートの結晶
を析出させる。この結晶を濾過等の方法で洗浄した後、
乾燥することで、十分に高純度のヨードアルキニルカー
バメート結晶を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明する。以下において「%」は特記していな
い限り重量基準である。純度の分析については高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)を使用したものであ
り、用いた測定波長は215nmである。また色差は、
色差計(日本電色工業社製;型番300A)を使用して
測定したものであって、標準白板を色差0とし、得られ
たヨードアルキニルカーバメート結晶の着色度合いを数
値化したものである。
【0032】実施例1 反応器(容量500ml、冷却器及び攪拌機付き)に、
2−プロピン−1−オール(別名プロパギルアルコー
ル;以下、PGAと略す)56.3g(1.0モル)
と、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
(以下、DABCOと略す)0.559g(0.005
モル)を仕込み、温度25℃にて攪拌した。次いで温度
を30℃に保ち、これにn−ブチルイソシアネート(以
下、NBIと略す)100.3g(1.01モル)を1
時間かけ添加し、その後4時間熟成した。ガスクロマト
グラフィー分析により、PGA転化率99.9%、純度
98.5%でプロパギル−n−ブチルカーバメート(以
下、PBCと略す)の生成していることが確認された。
次いで、反応器(容量1000ml、冷却器及び攪拌機
付き)に、上記反応で得られた生成液40g(PBC分
として0.25モル相当)を90%メタノール水溶液2
40g中に溶解して仕込み、これに48%水酸化ナトリ
ウム水溶液15.9g(0.19モル相当)を、溶液の
温度を5℃以下に冷却保持したまま添加した。そしてヨ
ウ素33.9g(0.13モル)結晶を系内温度5℃に
保持したまま1時間かけて添加し、更に1時間同温度で
攪拌しながら放置した(一次反応)。その後、反応液の
温度を0℃に冷却し保持したまま、12%次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液115.6g(0.13モル相当)を3
時間かけて添加し、1時間同温度で攪拌しながら放置し
た(二次反応)。次いで12%塩酸添加にて反応液pH
を5.6とし、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加
して過剰ヨウ素を還元した。この終点は酸化還元電位測
定により200mV以下とした。次に純水203gを添
加し晶析を行った後、濾過し、結晶部を142gの純水
で洗浄して湿潤結晶78gを得た。この結晶を温度40
℃にて4時間乾燥させ、目的のヨードプロパギル−n−
ブチルカーバメート(以下、IPBCと略す)白色結晶
71.5gを得た(仕込みPBCに対し、収率95.2
%)。分析の結果、このもののIPBC純度は98.8
%、ヨードホルムは不検出、HPLCにおける不純物
(IPBC以外のヨードホルムを含んだ不純物)のピー
ク面積の和は0.34面積%、色差1.46であった。
【0033】実施例2 実施例1において、仕込みDABCOの量を1.1g
(0.01モル)として行った他は全て同様に操作し、
目的のIPBC白色結晶71.2gを得た(仕込みPB
Cに対し、収率95.8%)。分析の結果、このものの
IPBC純度は99.2%、ヨードホルムは不検出、H
PLCにおける不純物(IPBC以外のヨードホルムを
含んだ不純物)のピーク面積の和は0.57面積%、色
差1.6であった。
【0034】実施例3 実施例1において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液添加後
の二次反応温度を5℃とした他は全て同様に操作し、目
的のIPBC白色結晶68.7gを得た(仕込みPBC
に対し、収率96.0%)。分析の結果、このもののI
PBC純度は99.1%、ヨードホルムは不検出、HP
LCにおける不純物(IPBC以外のヨードホルムを含
んだ不純物)のピーク面積の和は0.67面積%、色差
1.7であった。
【0035】比較例1 反応器(容量500ml、冷却器及び攪拌機付き)に、
PGA112g(2.0モル)と、ジブチル錫ジラウレ
ート(以下、DBTDと略す)3.2g(0.005モ
ル)及びトリエチルアミン(以下、TEAと略す)0.
5g(0.005モル)を仕込み、温度25℃にて攪拌
した。次いで温度を40℃に保ち、これにNBI202
g(2.04モル)を1時間かけて添加し、その後6時
間同温度で熟成した。ガスクロマトグラフィー分析によ
り、PGA転化率99.8%、純度98.5%でPBC
の生成していることが確認された。次いで、反応器(容
量500ml、冷却器及び攪拌機付き)に、上記反応で
得られた生成液24g(PBC分として0.15モル相
当)を90%メタノール水溶液140g中に溶解し、こ
れに48%水酸化ナトリウム水溶液9.5g(0.1モ
ル相当)を、溶液の温度を5℃以下に冷却保持したまま
添加した。そしてヨウ素20g(0.08モル)結晶を
系内温度5℃に保持したまま1時間かけて添加し、更に
1時間同温度で攪拌しながら放置した(一次反応)。そ
の後、反応液の温度を0℃に冷却し保持したまま、12
%次亜塩素酸ナトリウム水溶液50g(0.08モル相
当)を3時間かけて添加し、1時間同温度で攪拌しなが
ら放置した(二次反応)。次いで12%塩酸添加にて反
応液pHを5.7とし、20%チオ硫酸ナトリウム水溶
液を添加して過剰ヨウ素を還元した。この終点は酸化還
元電位測定により200mV以下とした。次に純水13
5gを添加し晶析を行った後、濾過し、結晶部を85g
の純水で洗浄して湿潤結晶47gを得た。この結晶を4
0℃にて4時間乾燥させ、目的のIPBC結晶40.8
gを得た(仕込みPBCに対し、収率95.3%)。分
析の結果、このもののIPBC純度は98.1%、ヨー
ドホルム含量0.72%、HPLCにおける不純物(I
PBC以外のヨードホルムを含んだ不純物)のピーク面
積の和は4.1面積%、色差8.2であった。
【0036】比較例2 比較例1において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液添加後
の二次反応温度を5℃とした他は全て同様に操作し、目
的のIPBC白色結晶40.9gを得た(仕込みPBC
に対し、収率95.5%)。分析の結果、このもののI
PBC純度は98.8%、ヨードホルム含量0.80
%、HPLCにおける不純物(IPBC以外のヨードホ
ルムを含んだ不純物)のピーク面積の和は4.7面積
%、色差9.0であった。
【0037】以上の実施例1〜3、及び比較例1,2の
結果を、表1にまとめる。
【表1】 (注)N.D.・・・不検出(non detected)の略
【0038】
【発明の効果】以上の説明、とりわけ実施例及び比較例
の結果からも明らかなように、本発明の方法によるヨー
ドアルキニルカーバメートの製造方法では下記事項が、
本発明特有の効果として挙げられる。 本発明によるヨードアルキニルカーバメートの製造方
法によれば、ヨードホルムやヨウ素付加体等の生成とい
った副反応が顕著に抑制されるため、目的のヨードアル
キニルカーバメートは純白色(無着色)のものが得られ
る。 DBTD触媒を使用せずとも、十分に純度の高いヨー
ドアルキニルカーバメートを高収率で得ることができ、
勿論目的物中に錫分の含まれることもない。従って、本
発明によるヨードアルキニルカーバメートの製造方法
は、特に産業上、非常に好ましく用い得る方法であると
言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 271/26 C07C 271/26 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 関 亮一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 山口 秀幸 千葉県茂原市茂原1579−206 (72)発明者 川森 貴幸 千葉県茂原市高師632−11 Fターム(参考) 4G069 AA02 BA21A BA21B BE14A BE14B CB46 CB68 CB77 DA05 4H006 AA02 AC30 AC56 BA51 BD70 RA06 RA08 RA28 RA38 RA40 RA54 RA56 RB28 RB34 4H039 CA71 CF40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体的に固定された3級アミンの存在下
    に、下記式(1)(化1) 【化1】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表されるアルキ
    ノールと下記式(2)(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素原子1〜20個を有し、かつm価を有
    する、置換されているか又は置換されていないアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル
    基を示し、mは1〜3の整数を示す。)で表されるイソ
    シアネートを反応させて得られる下記式(3)(化3) 【化3】 (式中、m,n及びRはそれぞれ前記定義の通りであ
    る。)で表されるアルキニルカーバメートをヨウ素化す
    ることを特徴とする下記式(4)(化4) 【化4】 (式中、m,n及びRはそれぞれ前記定義の通りであ
    る。)で表されるヨードアルキニルカーバメートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 立体的に固定された3級アミンが、1,
    4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリ
    ジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ
    ン、及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン
    から選ばれる一種、又は二種以上のものである請求項1
    に記載のヨードアルキニルカーバメートの製造方法。
  3. 【請求項3】 立体的に固定された3級アミンの存在下
    にアルキノールとイソシアネートを反応させて得られる
    反応液をヨウ素化する、請求項1又は2に記載のヨード
    アルキニルカーバメートの製造方法。
  4. 【請求項4】 立体的に固定された3級アミンが、1,
    4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンであり、か
    つヨードアルキニルカーバメートがヨードプロパギル−
    n−ブチルカーバメートである、請求項1〜3のいずれ
    かに記載のヨードアルキニルカーバメートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100378070C (zh) * 2006-05-08 2008-04-02 江苏安邦电化有限公司 高纯度碘代炔丙基正丁氨基甲酸酯的制备方法
JP2013503137A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ヨードプロパルギル化合物の製造方法
US11814360B2 (en) 2017-10-05 2023-11-14 Novomer, Inc. Isocyanates, derivatives, and processes for producing the same

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