JP2000255063A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2000255063A
JP2000255063A JP5784099A JP5784099A JP2000255063A JP 2000255063 A JP2000255063 A JP 2000255063A JP 5784099 A JP5784099 A JP 5784099A JP 5784099 A JP5784099 A JP 5784099A JP 2000255063 A JP2000255063 A JP 2000255063A
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pressurizing
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JP5784099A
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Yoshihiro Kawamura
義裕 河村
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度の加圧部と堅牢な隔壁を備え加圧部にイ
ンクが円滑に流入するインク吐出ヘッドを有するインク
ジェットプリンタを提供する。 【解決手段】小房間隔壁部40−2aの幅mは5〜7μ
m程度であり、高さ10μmとでは高アスペクト比にな
っており、その分だけ加圧部35を配置する小房41の
配置を、加圧部35の高いインク吐出機能を維持したま
ま密にして、例えば800dpi以上の高解像度を実現
できる。支柱部40−2bは幅x、奥行きy共に小房間
隔壁部40−2aの幅mよりも大きく略x=yである。
小房間隔壁部40−2aはインクシール隔壁40−1と
支柱部40−2bに支持され、焼成・硬化の過程で欠落
や倒壊は発生しない。支柱部を平断面が円形(円形の直
径φは支柱部40−2bの幅x又は奥行きyと同様)の
支柱部40−2cにすると、小房41へのインクの流入
がより円滑になると共に現像液の流れが滑らかになって
高い精度で隔壁を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを加圧して
吐出する高密度配設された加圧部間に堅牢な加圧部隔壁
を設け且つ加圧部にインクを円滑に流入させることが可
能なインク吐出ヘッドを有するインクジェットプリンタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット方式のプリンタが
広く用いられている。このインクジェット方式によるプ
リンタは、インクを加圧して吐出するための加圧部を備
えている。この加圧部の構成には、気泡の発生する力で
インク滴を飛ばすサーマルジェット方式や、ピエゾ抵抗
素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ばすピエ
ゾ方式等がある。
【0003】これらの構成による印字方式は、色材たる
インクをインク滴にして直接記録紙に向かって吐出する
という工程により、粉末状の印材であるトナーを用いる
電子写真方式と比較した場合、印字エネルギーが低くて
済み、インクの混合によってカラー化が容易であり、印
字ドットを小さくできるので高画質であり、印字に使用
されるインクの量に無駄が無くコストパフォーマンスに
優れており、このため特にパーソナル用プリンタとして
広く用いられている印字方式である。
【0004】そして、上記のサーマルジェット方式に
は、インク滴の吐出方向により二通りの構成がある。す
なわち、加圧部としての発熱部の発熱面に平行な方向へ
インクを吐出する構成のものと、発熱部の発熱面に垂直
な方向にインクを吐出する構成のものとがある。
【0005】図7(a),(b),(c) は、発熱部の発熱面に平
行な方向へ吐出する構成のものであり、同図(d),(e),
(f) は、発熱部の発熱面に垂直な方向に吐出する構成の
ものをそれぞれ模式的に示している。同図(a) 又は(d)
に示すように、シリコン基板1上には発熱部(発熱素
子)2が形成されており、シリコン基板1に対向してオ
リフィス板3が形成されている。そして、同図(a) では
発熱素子2の側方に、同図(d) では発熱素子2に対向し
て、オリフィス4が形成されている。上記の発熱素子2
は不図示の電極に接続されており、発熱素子2が設けら
れているインク流路にはインク5が常時供給されてい
る。
【0006】このオリフィス4からインク滴を吐出させ
るには、先ず、同図(b) 又は(e) に示すように、画像情
報に応じた通電により、発熱素子2を熱してこの発熱
素子2上に核気泡を発生させ、この核気泡が合体して
膜気泡6が発生し、この膜気泡6が断熱膨脹して成長
し周囲のインクを押し遣り、これによりオリフィス4か
らインク5′が押し出され、この押し出されたインク
5′は、同図(c) 又は(f) に示すように、インク滴7と
なってオリフィス4から紙面に向けて吐出される。この
後、上記の成長した膜気泡が周囲のインクに熱を取ら
れて収縮し、ついには膜気泡が消滅し、次の発熱素子
の加熱を待機する。この一連の工程〜は、瞬時に行
われる。
【0007】上記の発熱素子の発熱面に垂直な方向にイ
ンク滴を吐出する構成のものは、ルーフシュータ型サー
マルインクジェットヘッドと呼称されており、消費電力
が極めて小さくて済むことが知られている。また、この
ルーフシュータ型のサーマルインクジェットヘッドの製
法としては、シリコンウエハ上に区画された多数(例え
ば6インチ以上の直径のウエハで90個以上)のチップ
基板の上に、シリコンLSI形成技術と薄膜形成技術を
利用して、複数の発熱素子、これらを個々に駆動する駆
動回路、及びこれに対応するオリフィスを、一括してモ
ノリシックに形成する方法がある。
【0008】図8(a) は、そのようにして作成されたル
ーフシュータ型サーマルインクジェットヘッド(以下、
単にインク吐出ヘッドという)の概略の構成を示す側断
面図であり、同図(b) は、同図(a) のA−A′断面矢視
図、同図(c) はその一部を取り除いて示す縮小平面図で
ある。
【0009】同図(a),(b),(c) に示すインク吐出ヘッド
10は、チップ基板11上に形成されたLSIからなる
駆動回路12と、薄膜からなる発熱抵抗体13、その発
熱抵抗体13と上記駆動回路12を接続する個別配線電
極14及び接地用共通配線である共通電極15、並びに
これらの上に積層された隔壁16、17(17a、17
b)と、更にこれらの上に積層されたオリフィス板18
を備えている。このオリフィス板18には吐出ノズル
(オリフィス)19が形成されている。
【0010】上記の発熱抵抗体13は、例えば解像度が
360dpi(ドット/インチ)のインク吐出ヘッドで
あれば1個のチップ基板11上に328個並設され、ま
た解像度が739dpiの場合であれば466個並設さ
れている。これに対応して、個別配線電極14も328
個(又は466個)並設されている。更に、これらに対
応して、オリフィス板18の面(インク吐出ヘッドのイ
ンク吐出面)には328個(又は466個)の吐出ノズ
ル19が並設されて1列のノズル列を形成している。
【0011】上記の各発熱抵抗体13は、個別配線電極
14側に形成された櫛状の隔壁17の櫛の胴部に当る隔
壁17aから伸び出す幅wの櫛の歯部に当る隔壁17b
により形成された小房21内に配置されて、隣接する他
の発熱抵抗体13から隔離されている。そして、発熱抵
抗体13の並設方向に平行し、上記の小房21の開口部
側に、インク通路22が形成され、このインク通路22
に連通してインク供給溝23が穿設され、更に、このイ
ンク供給溝23に連通し基板下面に貫通するインク供給
孔24が穿設されている。
【0012】上記のように夫々隔離された小房21内の
発熱抵抗体13に、基板裏面のインク供給孔24に連結
される不図示のインクカートリッジ等から、インク供給
孔24、インク供給溝23及びインク通路22を介して
インクが供給される。発熱抵抗体13は、駆動回路12
により個別配線電極14を介し選択的に駆動されて発熱
し、膜気泡を発生して、その圧力によりインクを吐出ノ
ズル19から不図示の用紙面に向けて吐出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の如く
プリンタのカラー化が進んで来ると、これに対応して、
プリンタには720dpiあるいは800dpi以上の
高解像度が要求されるようになる。このような高い印字
ドット密度を実現するには、加圧部(発熱抵抗体13)
の並設密度をより密にする必要がある。そのためには、
隔壁17bの幅wを(小さく)狭くして小房21間の間
隔を詰め、抵抗発熱部13の並設密度を上げなければな
らない。つまり、隔壁17bの幅wと高さtとのアスペ
クト比t/wを、大きくしなければならない。
【0014】しかし、アスペクト比t/wを「t/w=
1.0」以上に設定すると、製造工程中の特にフォトリ
ソグラフィーの現像工程で、隔壁17bが強度不足とな
って、潰れたり倒れたりして所望の形状の隔壁が形成さ
れず、小房21内へのインクの流通に障害を引き起こし
てしまう。つまり、アスペクト比t/wが「t/w=
1.0」以上になるように隔壁17bを形成すること
は、隔壁の素材である感光性樹脂の強度の上から見て困
難であった。
【0015】したがって、発熱抵抗体13の配置密度を
高くし且つ隔壁17bのアスペクト比t/wを1.0よ
り小さくするには、隔壁17bの幅wを変更せずに従来
通り維持したままその隔壁17bで区画する小房21の
方を狭くすることによって発熱抵抗体13の配置密度を
より密にする方法以外には、高解像度化に対応する方法
がないと考えられていた。
【0016】しかしながら、このように発熱抵抗体13
の配置密度を上げるために隔壁17bで区画する小房2
1の寸法を狭くすると、その小房21内に配置される発
熱抵抗体13の寸法も狭くなってしまう。そうすると、
適正にインク滴を吐出するために必要な発熱抵抗体13
の面積を確保することが困難になるという問題が新たに
発生した。
【0017】また、電力効率を無視して上記面積の狭く
なった発熱抵抗体13の駆動電力を大きくして適正にイ
ンク滴を吐出させようとしても、今度は小房21の幅が
狭い(インク流路が狭い)ために小房21内へのインク
の流入が悪くなってしまい、発熱抵抗体13の駆動力を
大きくしたことに対応する適正なインクの吐出を実現で
きないという問題が発生した。
【0018】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
高密度の加圧部と堅牢な隔壁を備え加圧部にインクが円
滑に流入するインク吐出ヘッドを有するインクジェット
プリンタを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリンタは、所定のピッチで並設され、流入するインク
に圧力を加えて該インクを吐出して1ドット分の印字を
形成する複数の加圧部と、隣接する上記加圧部を隔離す
る加圧部隔壁と、を基板上に形成してなるインク吐出ヘ
ッドを有するインクジェットプリンタであって、上記加
圧部隔壁の少なくとも一部分に他の部分より幅の広い支
柱部を設けて構成される。
【0020】上記支柱部は、例えば請求項2記載のよう
に、上記加圧部隔壁のインク流入側端部に設けられるこ
とが好ましく、その形状は、例えば請求項3記載のよう
に、円柱形をなすように構成することが好ましく、ま
た、例えば請求項4記載のように、平断面がインク流入
方向上流側に向かって幅が狭くなる楔形をなすように構
成してもよい。更に、例えば請求項7記載のように、そ
の壁面傾斜角が複数段階に変化するように構成すること
もできる。
【0021】また、上記加圧部は、例えば請求項5記載
のように、両側部を上記加圧部隔壁により、インク流入
側とは反対側の部分をシール壁により、夫々囲まれ、上
記シール壁と上記加圧部隔壁及び該加圧部隔壁と上記支
柱部との各接続部の角部に、該角部の空間を面取りする
面取り壁が夫々形成されているように構成することが好
ましい。また、上記加圧部隔壁は、例えば請求項6記載
のように、ポジ型感光性樹脂で形成され、上記支柱部の
壁面の上記基板表面との垂直面に対する傾斜角が支柱部
以外の加圧部隔壁部分の壁面の上記垂直面に対する傾斜
角より大きく構成することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) は、第1の
実施の形態におけるサーマルインクジェットヘッドの製
造方法を工程順に示す図であり、それぞれ一連の工程に
おいてシリコンチップの基板上に形成されていく状態の
概略の平面図と断面図を模式的に示している。尚、これ
らの図には、説明の便宜上、いずれもフルカラー用のサ
ーマルインクジェットヘッドの1個の印字ヘッド(モノ
クロ用インクジェットヘッドの構成と同じ)のみを示し
ているが、実際には後述するように、このような印字ヘ
ッドが複数個(通常は4個)連なった形状のものが、1
個の基板(シリコンチップ)上に形成される。また、同
図(c) には36個のインク吐出ノズル(オリフィス)4
4を示しているが、実際には128個又は256個が一
列に形成されているものである。
【0023】図2(a),(b),(c) は、上段に図1(a),(b),
(c) の平面図をそれぞれ拡大して詳細に示しており、図
2(a),(b),(c) の中段は上段のA−A′断面矢視図(同
図(a) 参照)、下段は上段のB−B′断面矢視図(同図
(a) 参照)である。また、同図(a),(b),(c) の中段に示
す断面図は、それぞれ図1(a),(b),(c) の下に示す断面
図と同一のものである。尚、図2(a),(b),(c) には、図
示する上での便宜上、128個又は256個のオリフィ
スを、5個のオリフィスで代表させて示している。
【0024】最初に、基本的な製造方法について説明す
る。先ず、工程1として、4インチ以上のシリコン基板
にLSI形成処理により駆動回路とその端子を形成する
と共に、厚さ1〜2μmの酸化膜を形成し、次に、工程
2として、薄膜形成技術を用いて、Ta(タンタル)−
Si(シリコン)−O(酸素)からなる抵抗膜と、Ti
/Wによる電極膜を形成し、ホトリソ技術によって電極
膜には配線部分のパターンを形成し、抵抗膜には微細な
発熱抵抗体(加圧部)のパターンを形成する。この工程
で発熱抵抗体の位置が決められる。
【0025】図1(a) 及び図2(a) は、上記の工程1及
び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、チップ基板31上には共通電極32、共通電極給電
端子33(図1(a) 参照)、個別配線電極34、多数の
発熱抵抗体35、駆動回路36及び駆動回路端子37
(図1(a) 参照)が形成されている。
【0026】続いて、工程3として、個々の発熱素子3
5に対応するインク溝を形成すべく感光性ポリイミドな
どの有機材料からなる隔壁部材をコーティングにより高
さ20μm程度に形成し、これをパターン化した後に、
300℃〜400℃の熱を30分〜60分加えるキュア
(乾燥硬化、焼成)を行い、高さ10μmの上記感光性
ポリイミドによる隔壁をチップ基板上に形成・固着させ
る。更に、工程4として、ウェットエッチングまたはサ
ンドブラスト法などにより上記チップ基板の面に溝状の
インク供給路を形成し、更にこのインク供給路に連通し
下面に開口するインク給送孔を形成する。
【0027】図1(b) 及び図2(b) は、上述の工程3及
び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、溝状のインク供給路38及びインク給送孔39が形
成され、インク供給路38の左側に位置する共通電極3
2部分と、右方の個別配線電極34が配設されている部
分、及び各発熱抵抗体35と発熱抵抗体35の間に、隔
壁40(40、40−1、40−2)が形成されてい
る。隔壁40の上記各発熱抵抗体35間に積層される部
分は、個別配線電極34上の部分40−1を櫛の胴とす
れば、各発熱抵抗体35間に伸び出す部分40−2は櫛
の歯に相当する形状をなしている。これにより、この櫛
の歯を仕切り壁として、その歯と歯の間の付け根部分に
発熱抵抗体35が位置する微細な区画部41′が、発熱
抵抗体35の数だけ形成される。
【0028】この後、工程5として、ポリイミドからな
る厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板を、そ
の片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄に例
えば厚さ2〜5μmにコーテングし、上記積層構造の最
上層に張り付けて、390〜300℃で加熱しながら加
圧してオリフィス板を固着させる。続いて、Ni、Cu
又はAlなどの厚さ0.5〜1μm程度の金属膜を形成
する。
【0029】更に、工程6として、オリフィス板の上の
金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチ
ングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をEC
Rなどのドライエッチングなどにより上記の金属膜マス
クに従って40μmφ〜39μmφの孔空けをして多数
のノズル孔(オリフィス)を一括形成する。尚、孔空け
はエキシマレーザなどを用いて行ってもよい。
【0030】図1(c) 及び図2(c) は、上述した工程5
と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、オリフィス板43が給電端子33及び37の部分を
除く全領域を覆っており、隔壁40−2によって形成さ
れている区画部41′も上を覆われて、インク供給路3
8方向に向く開口部を個々に備えた、隔壁40−2の厚
さ(高さ)10μmに対応する高さの微細な個別房(小
房)41を形成しており、これら小房41の開口部とイ
ンク供給路38とを連通させる高さ10μmのインク流
路42が形成されている。
【0031】そして、オリフィス板43には、発熱抵抗
体35に対応する部分にインク吐出ノズル(オリフィ
ス)44がドライエッチングによって形成されている。
これにより、128個又は256個のインク吐出ノズル
44を1列に備えた多数のモノカラーヘッド45がシリ
コンウエハ上に完成する。
【0032】このようにオリフィス板43を張り付け
て、その後で、下地のパターンつまり発熱抵抗体35の
位置に合わせてインク吐出ノズル(オリフィス)を加工
することは、予めオリフィスを加工したオリフィス板を
張り合わせるよりも、遥かに生産性の高い実用性のある
方法である。また、ドライエッチングによる場合は、マ
スクはNi、Cu、又はAlなどの金属膜を使うことで
樹脂と金属膜との選択比が概略100程度得られる。し
たがって、39〜40μmのポリイミドフィルムのエッ
チングには1μm以下の金属膜でマスクを形成すること
で十分である。
【0033】ここまでが、ウエハの状態で処理される。
そして、最後に、工程7として、ダイシングソーなどを
用いてシリコンウエハをカッテングして、チップ基板単
位毎に個別に分割し、実装基板にダイスボンデングし、
端子接続して、実用単位のインクジェットヘッドが完成
する。
【0034】上記のように1列のインク吐出ノズル44
を備えたモノカラーヘッド45はモノクロ用インクジェ
ットヘッドの構成であるが、通常フルカラー印字におい
ては、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒部分
に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色のイン
クを必要とする。したがって最低でも4列のノズル列が
必要である。そして上述した製造方法によれば4列の発
熱ヘッドをモノリシックに構成することは可能であり、
各列の位置関係も今日の半導体の製造技術により正確に
配置することが可能である。
【0035】図3(b) は、上述の図1及び図2に示した
チップ基板31、共通電極32、共通電極給電端子3
3、個別配線電極34、抵抗35、駆動回路36、駆動
回路端子37、インク供給路38、隔壁部材40、イン
ク供給孔39、オリフィス板43、インク溝22、イン
ク吐出ノズル44の各部を1組としてなる素子(モノク
ロ印字ヘッド45)を4列並べてフルカラーのサーマル
インクジェットヘッド46を構成した状態を示す図であ
る。尚、図3(a) には、印字ヘッド45が4列並んだ構
成を分かり易く示すため、図1(a) に示した工程1〜工
程2まで終了した状態のものを示している。
【0036】この図3(a),(b) に示すように、サーマル
インクジェットヘッド46は、4個の印字ヘッド45
(45a、45b、45c、45d)が並んで配置さ
れ、例えばインク供給路38aからYインクが印字ヘッ
ド45aの個々の小房41に供給され、インク供給路3
8bからMインクが印字ヘッド45bの個々の小房41
に供給され、インク供給路38cからCインクが印字ヘ
ッド45cの個々の小房41に供給され、そして、イン
ク供給路38dからはBkインクが印字ヘッド45dの
個々の小房41に供給される。
【0037】このサーマルインクジェットヘッド46
は、印字に際しては発熱抵抗体35(図1(c) 参照)が
印字情報に応じて選択的に通電され、瞬時に発熱して膜
沸騰現象を発生させ、その発熱抵抗体35に対応するイ
ンク吐出ノズル44からインク滴が吐出される。このよ
うなサーマルインクジェットヘッドではインク滴はイン
ク吐出ノズル44の径に対応する大きさの略球形で吐出
され、紙面上に略その倍の径の大きさとなって印字され
る。
【0038】次に、上述したサーマルインクジェットヘ
ッド46の製造方法の工程3において概略説明した櫛状
の隔壁40−1及び40−2の形成について更に詳しく
説明する。尚、隔壁40に用いられる感光性樹脂はポジ
型感光性樹脂である。ポジ型感光性樹脂は、パターンマ
スクによって光が当たった部分が硬化しないで除去され
る特性を持っている。
【0039】図4(a),(b),(c),(d) は、それぞれ上述し
た小房41を形成する櫛の胴部の隔壁(以下、インクシ
ール隔壁という)40−1及び櫛の歯部の隔壁(以下、
小房隔壁という)40−2の構成例を示す図である。先
ず、図4(a) に示す小房隔壁40−2は、小房間隔壁部
40−2aとそのインク流入側端部に設けられた支柱部
40−2bとから成っている。小房間隔壁部40−2a
の幅mは、5〜7μm程度で形成されており、支柱部4
0−2bは幅x、奥行きy共に、小房間隔壁部40−2
aの幅mよりも大きく、略x=yとなるように形成され
ている。
【0040】本来、上記のような小房間隔壁部40−2
aの幅mの寸法では、隔壁40の高さが10μmで略一
定であるから、小房間隔壁部40−2aのアスペクト比
は「10/5」〜「10/7」と1.0以上になる。し
たがって、リソグラフィー工程(キュアによる硬化工
程)で、隔壁の欠落や倒壊等が発生する虞れがある。
【0041】しかし、本発明の隔壁構造においては、小
房間隔壁部40−2aは、根元をインクシール隔壁40
−1に支持されているだけでなく、先端部を支柱部40
−2bによっても支持されているので、欠落や倒壊等の
発生を伴うことがない。
【0042】そして、このように小房間隔壁部40−2
aの幅mを、従来はアスペクト比を1より小さくする為
に高さ10μmに対して10μmよりも大きくしていた
が、上記のように5〜7μm程度と狭くできるので、そ
のように狭くなった分だけ小房41の並設間隔(ピッ
チ)を密にすることができる。これにより、例えば、8
00dpi以上の高密度のドット(インク滴)を吐出す
る印字ヘッドを、堅牢な隔壁を持った形で構成すること
ができる。
【0043】この場合、小房間隔壁部40−2aの幅m
を狭くするだけで小房41のピッチを密にできるので、
小房41内に配置できる発熱抵抗体35の大きさ(発熱
面積)は、小房41のピッチを密にする前と同じ大きさ
を維持させることができ、インク吐出機能に変化はな
い。
【0044】尚、上述の図4(a) に示す小房隔壁40−
2の構成は、支柱部40−2bの平断面の形状が四角形
の構成であるが、支柱部40−2bの形状は、これに限
ることなく、要は小房間隔壁部40−2aの幅mよりも
幅寸法の大きい支柱形状であればよい。例えば、同図
(b) に示すように、平断面が円形の支柱部40−2cに
してもよい。この場合の円形の直径φは、上記の支柱部
40−2bの幅x又は奥行きyと同様の大きさである。
【0045】支柱部40−2cをこのように円柱状に構
成すると、四角形の支柱部40−2bに比べて、小房4
1へのインクの流入が円滑になり、したがって、より高
密度なピッチで小房を形成しても、吐出後のインクの補
給が滞りなく行われるので、高密度でありながら加圧部
へのインクの流入が円滑なインクジェットヘッドを形成
することができる。加えて、隔壁を形成するときのリソ
グラフィー工程における発熱抵抗体35近傍の現像液の
流れが滑らかになり、隔壁を高精度に形成することがで
きる。
【0046】また、同図(c) に示すように、平断面がイ
ンク流入方向上流側に向かって幅が狭くなる楔形をなし
た支柱部40−2dとしてもよい。この場合、楔形の根
元部(小房間隔壁部40−2aとの連結部)の寸法b
が、支柱部の高さ(隔壁の高さ10μm)よりも大きけ
れば、支柱としての役割が十分に得られる。
【0047】また、このような楔形の形状をとることに
より、小房41へのインクの流入が良好になるばかりで
なく、インク吐出時におけるインクの流入口側への逆流
を防止できる。したがって、発熱抵抗体35により気泡
を発生させたときの圧力を逃がすことなくインクの吐出
に無駄なく有効に利用することができ、加圧部駆動エネ
ルギーの効率のよいインクジェットヘッドを形成するこ
とができる。
【0048】また、上記のように小房間隔壁部40−2
aのアスペクト比が1.0を超えても支障がないからと
いって、より高密度配置の小房を形成するために、アス
ペクト比が2.0を超えるような構造で、つまり極めて
幅の狭い構造で小房間隔壁部40−2aを形成すると、
今度は他の弊害が発生する虞がある。
【0049】すなわち、前述したように、隔壁40は、
感光性樹脂層をパターン化した後、高温で硬化させて形
成するが、その際に硬化収縮が発生する。このとき収縮
による応力が隔壁各部に発生し、高アスペクト比の小房
間隔壁部40−2aが波打ったり歪むなどの不具合が起
こる虞がある。
【0050】このような不具合の発生を緩和するため
に、すなわち硬化収縮の際の応力からの悪影響を緩和す
る構造とするために、同図(d) に示すように、小房間隔
壁部40−2aとインクシール隔壁40−1との連結部
及び支柱部40−2eとの連結部に、その連結部の角を
盛り上げて90度の角度を緩和する埋め込み部47を形
成するようにしてもよい。
【0051】これを換言すると、両側部を加圧部隔壁
(小房間隔壁部40−2a)により囲まれ、インク流入
側とは反対側の部分をシール壁(インクシール隔壁40
−1)により囲まれている加圧部(小房41)におい
て、シール壁と加圧部隔壁及び加圧部隔壁と支柱部40
−2eとの各接続部における角部の空間(小房41の各
角部空間)を面取りした形状となっている。
【0052】ところで、上述した第1の実施の形態で
は、小房間隔壁部及び支柱部の壁面は、基板面に対し垂
直であるとして説明したが、実際には隔壁材料の感光性
樹脂をフォトマスクと熱硬化処理によってパターン形成
すると、基板に接する面が広く上に行く程やや狭くなっ
て傾斜がつくことが多い。この傾斜角は、フォトリソグ
ラフィーのプロセス条件を制御することにより調整する
ことができる。
【0053】ところで、隔壁の傾斜角は小さく形成され
た方が(縦断面形状が長方形に近くなる方が)、一般に
パターン形成の精度が上がり良好な隔壁か得られる。し
かし、本発明においては、上記の傾斜を支柱部分に積極
的に形成してインク流路の断面積を広くしてインクの良
好な流通性を確保し且つ印字密度の高密度化に好適で堅
牢な隔壁を得る工夫が施されている。これを第2の実施
の形態として以下に説明する。
【0054】図5(a),(b) は、第2の実施形態における
小房隔壁40−2の構成例を示す図であり、同図(a) は
平面図、同図(b) はそのC断面図、同図(c) はそのD断
面図である。また、同図(d),(e) はそのアスペクト比を
説明する図である。同図(a),(b),(c) に示すように、小
房間隔壁部40−2aと支柱部40−2bとでは、異な
る角度の傾斜が設けられている。即ち、小房間隔壁部4
0−2aでは、フォトリソグラフィー工程により自ずと
形成される傾斜が設けられ、支柱部40−2bでは、通
常の略垂直な壁面に比較して傾斜角のより大きな積極的
な傾斜が形成されている。
【0055】このように、小房間隔壁部40−2aには
なるべく傾斜をつけず、支柱部40−2bに選択的に大
きく傾斜をつけた構造が好ましい。この構造は、傾斜が
大きくなる条件で先に支柱部40−2bを設け、その
後、傾斜の小さい条件で小房間隔壁部40−2aを形成
する2度塗りの方法で行ってもよく、また、一度に処理
するには、後述する針状隔壁を複数造って硬化収縮させ
る方法によって、複数種類の傾斜角度を備えた隔壁を一
度に良好に形成することができる。
【0056】本発明の要点は、高アスペクト比の小房間
隔壁部40−2aを支柱部40−2bで支えることにあ
るので、支えという意味では、アスペクト比は、同図
(d) に示す隔壁の高さhと基板31との接触部分の幅W
bとの比「h/Wb」であると定義できる。
【0057】同図(c) に示すように、支柱部40−2b
に、より積極的に傾斜面を設けることにより、同じ基板
接触面積をもち縦断面形状が長方形に近い形状をもつも
のよりも、インク流路の断面積が増えることになり、イ
ンクの流れがより円滑になる。言い換えると、底部の流
路幅sが狭くなってもインク流路断面積を確保しつつ支
柱部40−2bの基板31との接触部の寸法Wbを大き
くとることができる。これにより、支柱部40−2bの
アスペクト比「h/Wb」が小さくなり、より強固な支
柱部40−2bを形成することができる。
【0058】この場合、小房間隔壁部40−2aも支柱
部40−2bと同じような傾斜角で形成してしまうと、
必然的に基板接触部の面積を大きくとらねばならないか
ら、本発明の要点である発熱抵抗体の配置面積の広い小
房を高密度の間隔で形成出来なくなってしまうから注意
が肝要である。
【0059】通常、ポジ型感光性樹脂の隔壁形成後の断
面は、同図(d) に示すように、正傾斜(基板接触面の寸
法の方が大きい台形)となっている。特にポジ型感光性
樹脂を用いると、普通にフォトリソグラフイープロセス
を通すだけで同図(d) に示すような形状に仕上げること
ができる。このとき基板接触面の寸法wbをマスク寸法
Mよりも大きく仕上がるようにし、現像ファクターFを
4.0〜8.0程度に仕上がるようなフォトリソグラフ
イープロセスにする。
【0060】同図(d) において、マスク寸法をM、現像
寸法をWb、寸法太りをΔMR(マスク寸法Mに対して
現像寸法Wbがどれだけ太ったかを示す量)、高さを
h、隔壁上下寸法差をd、傾斜角をθ、現像ファクター
をF、アスペクト比をAとすれば、ΔMR=Wb−M、
d=(Wb−Wt)/2、F=h/d、tanθ=d/
h=1/F、A=h/Wbであり、「A≦F/2」でな
ければならないから、F/2が限界のアスペクト比であ
る。
【0061】ここで、現像ファクターFは、プロセスに
よって任意に定まる定数であり、通常の感光性樹脂の場
合の現像ファクターFは、プロセスによって1.0(垂
直)〜∞(逆テーパ)の範囲でコントロールでき、プロ
セスを決定するとどのような形状のパターンでも一定の
数値となるので、高アスペクト比の隔壁をパターン形成
することは容易である。
【0062】ただし、上述したアスペクト比がF/2を
超えるようでは、正常な隔壁を形成できなくなる。図5
(e) はそのような正常に形成できなくなった隔壁の断面
である。すなわち、正常に形成できずに針状のパターン
49となって高さが低くなっている。このときの高さを
関数h(M)(マスク寸法Mに依存するため)とする
と、F=h(M)/(wb/2)より、h(M)=F×
Wb/2。Wb=M+ΔMRとすると、h(M)=F×
(M+ΔMR)/2である。
【0063】ところで、上記のように、アスペクト比を
F/2以下として一律に隔壁に傾斜面を積極的に形成す
るのではなく、部分的に選択的に傾斜面を形成すること
もできる。これを第3の実施の形態として以下に説明す
る。
【0064】図6(a) は、部分的に選択的に傾斜面を形
成する方法を説明する図であり、同図(b) は部分的に傾
斜面を形成された隔壁の完成断面図である。この実施形
態では、上記の図5(e) に示した針状パターン49と同
様な針状パターン51を、図6(a) に示すように、隔壁
パターン52の正常高さパターン53の両側部に形成す
る。この隔壁パターン52の形成には、フォトマスク5
4のパターン両端に当たる部分に細いスリット55を所
望の針状パターン51の数だけ設ける。
【0065】上述したように、ΔMR=Wb−Mである
から、マスク寸法Mを変えることで図5(e) に示した針
状パターン49は、針状の断面ではるが高さh(M)を
コントロールすることができる。即ち、図6(a) の針状
パターン51の形状は、スリット55の幅と間隔を上述
したパターン断面形状に関わる各量と最終的に所望する
傾斜角とによって定めることで、設計通りの形状に制御
することができる。
【0066】尚、上記のフォトマスク54は、ポジ型感
光性樹脂を用いる場合のフォトマスクであるが、ネガ型
感光性樹脂の場合は、フォトマスクの紫外線遮光膜の配
置がポジ・ネガ反転することはいうまでもない。
【0067】このようなフォトマスク54を用いてフォ
トリソグラフイープロセスを通すと、パターン両端に設
けた数本のスリット55にあたる部分の隔壁は、同図
(a) に示すような高さの低い針状隔壁51が数本並ぶ。
ここで、スリット55の幅が小さい場合(具体的にはΔ
MRよりも小さい場合)には、隣の針状隔壁51と基板
56に近い方が合体した形状になる。
【0068】このような断面形状の感光性樹脂を高温で
硬化焼成させ、前述のように硬化収縮が発生すると、パ
ターン中心の樹脂の部分の応力により針状隔壁51が中
心側に引き寄せられ、最終的には、同図(b) に示すよう
に、基部の傾斜面57は通常に近い傾斜角であり、上部
の傾斜面58はそれよりの傾斜角の大きな隔壁パターン
59(支柱部)を作成することができる。
【0069】このように、支柱部の断面テーパを選択的
に設けるので、この場合も、同じ基板接触面積をもち断
面形状が長方形に近い形状をもつものよりも、インクの
流路の断面積が増えることになり、インクの流れが、よ
り円滑になる。換言すれば、インク流路断面積を確保し
つつ支柱底部の寸法を大きくとることができるから、よ
り強固な支柱部を設けることができる。
【0070】尚、上記の実施形態において、隔壁材料と
してポジ型感光性樹脂を用いる場合を説明しているが、
隔壁材料はこれに限ることなく、ネガ型感光性樹脂を用
いることもできる。ネガ型感光性樹脂は、パターンマス
クによって光が当たった部分が硬化して残る特性をもっ
ている。
【0071】この場合、普通にネガ型感光性樹脂をバタ
ーニングした場合は「垂直〜逆テーパ」の形状になる
が、第1は反射光を利用する。つまり基板表面による紫
外線反射率が高く或る程度乱反射する場合であり、下地
に近い方の樹脂が下地の紫外線乱反射によって太る現象
を利用するものである。第2は硬化収縮の差を利用す
る。つまり硬化収縮を起こす感光性樹脂を用い、下地か
ら遠い方(表面側)は縮むが、下地側のパターンは下地
との密着により縮むことができないという現象を利用す
るものである。また、基板に透明なガラス基板を用い裏
面から露光することも考えられる。
【0072】上記いずれにしても、普通にパターニング
すると殆ど垂直に近いパターンが形成できる条件で加工
するとよい。また、隔壁の傾斜角の変化(2段構成の傾
斜)は、マスクによって針山を形成して硬化させるので
はなく、隔壁層を2度塗りして2層構造とすることによ
って傾斜角を形成するようにしてもよい。また、この印
字ヘッドの構造は、上記のようにサーマルインクジェッ
トプリンタに適用できるばかりでなく、ピエゾ式のイン
クジェットプリンタにも適用可能である。また、支柱部
は小房間隔壁の先端部に限るものではなく小房間隔壁の
他の部分に形成するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、隣接する加圧部を隔てて配置する小房の隔壁の先
端部に支柱を形成して隣接加圧部間の壁幅を薄くするの
で、加圧部を配置する小房を従来通りの広いサイズに維
持したまま小房の配設密度を上げることができ、したが
って、加圧部の配置密度が従来よりも密に構成されると
共に加圧部の面積を従来通りの広いサイズに維持するこ
とができ、これにより、インク吐出機能を変えることな
く加圧部を高密度に形成できると共に堅牢で実用的な隔
壁を形成することが可能となる。
【0074】また、支柱の形状を円柱状に形成すること
により、高密度でありながら加圧部へのインクの流入が
円滑なインクジェットヘッドを高い精度で形成すること
ができる。
【0075】また、支柱の形状を平断面がインク流入方
向上流側に向かって幅が狭くなる楔形状に形成すること
により、加圧部からのインクの逆流を防止でき、これに
より、加圧部のインク吐出力を無駄なく有効に利用する
ことができ、したがって、加圧部駆動エネルギーの効率
のよいインクジェットヘッドを形成することができる。
【0076】また、隔壁で区画される小房の角部の空間
を面取りした形状に形成することにより、隔壁の接続角
部に隔壁形成時の硬化収縮応力に対する高い抵抗力を持
たせることができ、これにより、隔壁形成後に発現し勝
ちな浪打や歪みを防止して精度のよいインクジェットヘ
ッドを形成することができる。
【0077】また、隔壁及び支柱の形状を下から上に細
まるように形成することにより、加圧部までのインク流
路の断面積を広く確保することができ、したがって、加
圧部にインクが円滑に流入して吐出後のインク補給が順
調に行われ、これにより、高密度でありながら適正なイ
ンクを吐出できるインクジェットヘッドを形成すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) は第1の実施の形態におけるサー
マルインクジェットヘッドの製造方法を工程順に模式的
に示す概略の平面図と断面図である。
【図2】(a),(b),(c) は夫々上段は図1(a),(b),(c) の
平面図を拡大した図、中段は上段のA−A′断面矢視
図、下段は上段のB−B′断面矢視図である。
【図3】(a) は製造工程1〜工程2まで終了した状態で
構成を分かり易く示す図、(b)は完成したフルカラーの
サーマルインクジェットヘッドを示す図である。
【図4】(a),(b),(c),(d) はそれぞれインクシール隔壁
と小房間隔壁の構成例を示す図である。
【図5】(a),(b),(c) は第2の実施形態における小房間
隔壁の構成例を示す図、(d),(e) はアスペクト比を説明
する図である。
【図6】(a) は部分的に選択的に傾斜面を形成する方法
を説明する図、(b) は部分的に傾斜面を形成された隔壁
の完成断面図である。
【図7】(a),(b),(c) は発熱部の発熱面に平行な方向へ
インクを吐出する構成を示す図、(d),(e),(f) は発熱部
の発熱面に垂直な方向にインクを吐出する構成を示す図
である。
【図8】(a) は従来のルーフシュータ型サーマルインク
ジェットヘッドの概略の構成を示す側断面図、(b) は
(a) のA−A′断面矢視図、(c) はその一部を取り除い
て示す縮小平面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 発熱部(発熱素子) 3 オリフィス板 4 オリフィス(インク吐出孔) 5、5′ インク 6 膜気泡 7 インク滴 10 インク吐出ヘッド 11 チップ基板 12 駆動回路 13 抵抗発熱部 14 個別配線電極 15 共通電極 16、17(17a、17b) 隔壁 18 オリフィス板 19 吐出ノズル(オリフィス) 21 小房 22 インク通路 23 インク供給溝 24 インク供給孔 31 チップ基板 32 共通電極 33 共通電極給電端子 34 個別配線電極 35 発熱抵抗体 36 駆動回路 37 駆動回路端子 38(38a、38b、38c、38d) インク供給
路 39 インク給送孔 40 隔壁 40−1 インクシール隔壁 40−2 小房隔壁 40−2a、小房間隔壁部 40−2b、40−2c 支柱部 41′ 区画部 41 小房 42 インク流路 43 オリフィス板 44 インク吐出ノズル(オリフィス) 45(45a、45b、45c、45d) 単色の印字
ヘッド 46 フルカラーのサーマルインクジェットヘッド 47 角埋め込み部 Wm マスク寸法 Wb 現像寸法 h 高さ d 隔壁上下寸法差 θ 傾斜角 49 針状のパターン 51 針状パターン 52 隔壁パターン 53 正常高さパターン 54 フォトマスク 55 スリット 56 基板 57 基部の傾斜面 58 上部の傾斜面 59 隔壁パターン(支柱部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のピッチで並設され、流入するイン
    クに圧力を加えて該インクを吐出して1ドット分の印字
    を形成する複数の加圧部と、隣接する前記加圧部を隔離
    する加圧部隔壁と、を基板上に形成してなるインク吐出
    ヘッドを有するインクジェットプリンタであって、 前記加圧部隔壁の少なくとも一部分に他の部分より幅の
    広い支柱部を設けたことを特徴とするインクジェットプ
    リンタ。
  2. 【請求項2】 前記支柱部は、前記加圧部隔壁のインク
    流入側端部に設けられていることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記支柱部は、円柱形をなすことを特徴
    とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記支柱部は、平断面がインク流入方向
    上流側に向かって幅が狭くなる楔形をなすことを特徴と
    する請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記加圧部は、両側部を前記加圧部隔壁
    により、インク流入側とは反対側の部分をシール壁によ
    り、夫々囲まれ、前記シール壁と前記加圧部隔壁及び該
    加圧部隔壁と前記支柱部との各接続部の角部に、該角部
    の空間を面取りする面取り壁が夫々形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリ
    ンタ。
  6. 【請求項6】 前記加圧部隔壁は、ポジ型感光性樹脂で
    形成され、前記支柱部の壁面の前記基板表面との垂直面
    に対する傾斜角が支柱部以外の加圧部隔壁部分の壁面の
    前記垂直面に対する傾斜角より大きいことを特徴とする
    請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記支柱部は、その壁面傾斜角が複数段
    階に変化していることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5又は6記載のインクジェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221757A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Canon Inc インクジェットヘッド製造方法及び貫通電極の製造方法

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