JP2000254947A - 内径アンダーカット処理型 - Google Patents

内径アンダーカット処理型

Info

Publication number
JP2000254947A
JP2000254947A JP11063103A JP6310399A JP2000254947A JP 2000254947 A JP2000254947 A JP 2000254947A JP 11063103 A JP11063103 A JP 11063103A JP 6310399 A JP6310399 A JP 6310399A JP 2000254947 A JP2000254947 A JP 2000254947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
slide
small
slide core
inner diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11063103A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Higashida
繁 東田
Toshifumi Hikosaka
俊史 彦坂
Tetsuya Kumagai
哲也 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumiko Tec Co Ltd
Original Assignee
Sumiko Tec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumiko Tec Co Ltd filed Critical Sumiko Tec Co Ltd
Priority to JP11063103A priority Critical patent/JP2000254947A/ja
Publication of JP2000254947A publication Critical patent/JP2000254947A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形品の内周面と外周面の同軸度(厚み
の均一性)の精度を高めた内径アンダーカット処理型を
提供する。 【構成】 周囲に複数の分割したテーパ状のスライド面
を持つほぼ角錐状の芯金と、芯金の周囲のスライド面に
スライド可能に交互に配置された複数の大スライドコア
および小スライドコアと、大スライドコアおよび小スラ
イドコアとの間で射出成形品の形状のキャビティを形成
する固定型とを有する。そして、固定型の部分は、固定
型に対して大スライドコアおよび小スライドコアまたは
芯金の位置を固定する位置固定手段を有するようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用の成形型に
取付けられる内径アンダーカット処理型に関する。
【0002】
【従来の技術】内径アンダーカット処理型は、内ねじ、
突起部、内方くぼみ、凹孔、中空部および貫通孔などを
有し、場合によってはアンダーカットを持つ合成樹脂品
などを射出成形する際に使用される。
【0003】そのような内径アンダーカット処理型とし
て、特公平2−61892号公報は、固定端、自由端、
固定端から自由端の方へ向かって末つぼまる外面を有し
射出成形用の成形型の基板に固定端で固定されるコア棒
のまわりに、第1側部すべり部材とこれよりも錐形傾斜
度の大きい第2側部滑り部材とを周方向に1つおきに配
置し、第1および第2の側部滑り部材をコア棒の外面に
沿って軸線方向に摺動できるようにコア棒を取付け、成
形型の基板に対してコア棒の軸線方向に移動できる成形
型の案内板によって軸線方向に動かされる部分環状の突
起を第1および第2の側部滑り部材に形成した内径アン
ダーカット処理型を提案している。
【0004】以下図7〜図17の図面を参照して前述の
従来例の内径アンダーカット処理型をさらに詳細に説明
する。内径アンダーカット処理型はコア棒1を持つ。コ
ア棒のまわりには2群の側部滑り部材2、3が配置され
ている。各群に属する側部滑り部材は相等しく構成され
ている。第1側部滑り部材2の各々はコア棒1のまわり
で第2側部滑り部材3と1つおきになっている。コア棒
1は付属の中央コア4(図11、図12)を有してもよ
い。
【0005】1個または多数の内径アンダーカット処理
型は成形型7(特に第15図)の構成部分である。概略
すると、成形型7は、図15に示すように、相対移動で
きる固定型6および可動型5から成り、それらの間で射
出成形品8が形成される。固定型6は例えば取付け板6
1およびこれに取付けた空洞板62で構成され、取付け
板61にはノズル9が設けられている。可動型5は、コ
ア棒1がねじばめされる基板51、2個の案内板52、
53および除き板54を持つ。
【0006】コア棒1の端部は可動型5の基板1との連
結のための連結部分11として形成される。連結部分1
1の自由端にはねじ12が設けられている。連結部分1
1の外端側には中央の冷却開孔13が開き、これはコア
棒1の反対側端部の区域までコア棒1の全体にわたって
延長している。
【0007】図面で示す例では、コア棒1は連結部分1
1に連結する錐形の外面部分14、15を備える。角度
βによって定められる錐形の外面部分15の錐形傾斜度
は角度αで定められる錐形の外面部分の錐形傾斜度より
大きく、これはこの例において、約2倍である。錐形の
外面部分14に沿って第1側部滑り部材2が滑り、錐形
の外面部分15に沿って第2側部滑り部材3が滑る。第
1および第2の側部滑り部材2、3の保持のため、錐形
の外面部分14、15はあり溝16、17を備える。錐
形の外面部分14、15およびあり溝16、17は連結
部分11のところで始まり連結部分11の反対側のコア
棒1の端部で終わる。
【0008】コア棒1の錐形の外面部分14に沿って滑
りかつあり溝16で案内される第1側部滑り部材2はほ
ぼ弓型の断面を持つ。各弓型の弦21は、あり溝16の
中に係合するあり突起22によって中断されている。あ
り溝16とあり突起22はあり継ぎ係合を構成するが、
このあり継ぎ係合は第1側部滑り部材2の方にあり溝を
形成し外面部分14にあり突起を設けるようにしてもよ
い。
【0009】各第1側部滑り部材2は自由端に肩24を
有し、これの外面25は射出成形品8の内面に適合する
(図15)。この実施例では、外面25は、平行な溝を
備える。肩24から離れたところに各第1側部滑り部材
2は部分環状の突起26を有し、これによって成形品7
の可動型5の中での第1側部滑り部材2の軸線向き運動
が達成される。
【0010】コア棒1の錐形の外面部分15に沿って滑
りかつあり溝17の中で案内される第2側部滑り部材3
はほぼ台形の断面を有し、この台形は各第1側部滑り部
材の弓型のわん曲度に適合するようにわん曲した外方底
辺31を備える。別の底辺32はあり溝17とあり継ぎ
係合を構成するあり突起33で中断され、このあり突起
によって第2側部滑り部材13があり溝17の中で案内
される。各台形は側辺37で隣接の第1側部滑り部材2
の弦21に接する。第2側部滑り部材3はさらに自由端
に肩34を備えこれの外面35は製造すべき射出成形品
8(図15)の内面に適合する。外面35から離れたと
ころに各第2側部滑り部材3は部分環状の突起36を持
つ。突起26と36は完全な環状帯を形成する。環状帯
によって成形型7の固定型5(図15)の中での第2側
部滑り部材3の軸線向き運動が達成される。
【0011】図11および図12で示す例では、コア棒
1は開いた外端部を持つ中空体として形成される。中空
体は開いた外端部からはめ入れられる中央コア4で埋め
られる。中央コア4の頭部41は成形コアの役をなし製
造すべき射出成形品8の形状に対応するように形成され
る。コア棒1が中央コア4を有する場合には、冷却開孔
42が中央コアの中を軸線方向に延びていることが好ま
しい。この構成によれば、同様に軸線方向の孔を持つ延
長部例えば円筒形の延長部をアンダカットの後方に持つ
ような射出成形品が形成できる。
【0012】次に、内径アンダーカット処理型の動作を
説明する。射出成形作業の際には成形型7が閉じられ
て、即ち図15に示すように可動型5(およびこれに取
付けられた内径アンダーカット処理型)と固定型とが閉
じ合わされて、これらの間の空洞にノズル9を通して成
形材料が射出され射出成形品8が形成される。射出成形
作業の完了後に成形型7が開かれた後に、即ち可動型5
と固定型6とが相離された後に、最初に図16に示すよ
うに滑り部材案内板52、53が除き板54と共に基板
51に対して行程Sだけ軸線方向に動かされる。滑り部
材案内板52、53は互いにねじ止めされていて行程S
だけを経過できる。コア棒1は基板51に固く連結され
ているから、突起26、36を介して同伴される第1お
よび第2の側部滑り部材2、3が行程Sだけ移動する。
コア棒1の外面部分14および第1側部滑り部材2の錐
形傾斜度を定める角度α(図8、図10)がコア棒1の
外面15および第2側部滑り部材3の錐形傾斜度を定め
る角度βの約半分の大きさであるから、第2側部滑り部
材3は行程Sだけ軸線方向にすべるだけでなく、さらに
隣接する第1側部滑り部材2の弦21に沿って内向きに
滑る。これはコア棒1の錐形の外面部分14に沿う第1
側部滑り部材2の運動を可能にする。関係β=2αが存
在するので、軸線方向の終わりにおいて、第2側部滑り
部材3の自由端の内縁は、その出発位置に対して第1側
部滑り部材2の自由端の内縁の2倍の大きさの行程だけ
半径方向内向きに動かされる。
【0013】図16の状態においては、等しい中心線か
らの第2側部滑り部材3の内縁の距離S1(図10)
も、中心線からの第1側部滑り部材2の内縁の距離S2
より小さくなる。行程Sの経過ののちに射出成形品8
は、連続的な相重なる平行な軸線運動および半径向き運
動の結果として内向きに第1および第2の側部滑り部材
2、3から自由になり、このときにこれら側部滑り部材
2、3の最大外径は射出成形品8の最小内径より小さく
なる。したがって、除き板54は図17に示すように滑
り部材案内板52、53から遠ざけることができる。成
形型7の可動型5の構成部材のその出発位置への戻り運
動の際に、第1および第2の側部滑り部材2、3は再び
コア棒1に沿って滑ってその出発位置に戻る。かくし
て、新しい射出成形作業が開始できる。この場合、成形
型は複式成形として多くの内径アンダーカット処理型を
装着することが望ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】近年、射出形成品8の
内周面と外周面との同軸度(それらの間の厚みの均一
性)の高い精度が求められてきている。しかしながら、
従来例の内径アンダーカット処理型では、射出成形され
る製品8の形状は芯金(コア棒)1上をスライドコア
(滑る側部滑り部材)2、3と空洞板62とによって主
に決められるが、空洞板62に対する側部滑り部材2、
3の芯出しは、側部滑り部材2、3の位置決めが案内板
52、53等で決められているとしても、十分ではな
く、製品8の厚みの均一性の精度の要求を十分満たすこ
とはできなかった。
【0015】また、前述の従来例の内径アンダーカット
処理型は、側部滑り部材2が数個と側部滑り部材3が数
個からなる6または8方向に均等の内方向なスライドコ
アであり、6方向または8方向の均等な円周方向の角度
のアンダーカット処理が可能なものである。しかしなが
ら、例えば、製品の形状がネジなどの形状と複数の縦溝
の方向がそれぞれ違う場合には、対処できなかった。
【0016】さらに、射出成形品を取り出すために、側
部滑り部材2、3を内方に向かって移動させたとき、側
部滑り部材2、3が互いに干渉するために、アンダーカ
ットの深い製品や、径の小さい射出成形品を製造するこ
とができなかった。
【0017】さらに、芯金1に対して側部滑り部材2、
3を滑らす際に、側部滑り部材2、3はこれらに設けら
れたあり溝とありの係合により案内されるようになって
いるが、あり溝とありのコーナ(隅)部が特に摩耗し易
く、この結果、ガタの発生や摩耗屑が生じ、内径アンダ
ーカット処理型の使用の寿命を縮めたり、使用に支障を
きたしていた。
【0018】したがって、本発明の目的は、第1に、射
出成形品の内周面と外周面の同軸度(厚みの均一性)の
精度を高めた内径アンダーカット処理型を提供すること
にある。
【0019】本発明の目的は、第2に、製品の形状がネ
ジなどの形状と複数の縦溝の方向がそれぞれ違う場合に
も対応できる内径アンダーカット処理型を提供すること
にある。
【0020】本発明の目的は、第3に、アンダーカット
の深い射出成形品や、径の小さい射出成形品を製造する
ことができる内径アンダーカット処理型を提供すること
にある。
【0021】本発明の目的は、第4に、大スライドコア
および小スライドコアと芯金とに摩耗が発生しにくい内
径アンダーカット処理型を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、周囲に複数の分割したテーパ状のスラ
イド面を持つほぼ角錐状の芯金と、芯金の周囲のスライ
ド面にスライド可能に交互に配置された複数の大スライ
ドコアおよび小スライドコアと、大スライドコアおよび
小スライドコアとの間で射出成形品の形状のキャビティ
を形成する固定型と、を有し、固定型の部分は、固定型
に対して大スライドコアおよび小スライドコアまたは芯
金の位置を固定する位置固定手段を有する、ことを特徴
とする内径アンダーカット処理型を採用するものであ
る。
【0023】また、本発明は、周囲に複数の分割したテ
ーパ状のスライド面を持つほぼ角錐状の芯金と、芯金の
周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置された大
スライドコアおよび小スライドコアと、大スライドコア
および小スライドコアとの間で射出成形品の形状のキャ
ビティを形成する固定型と、を有し、前記大スライドコ
アと前記小スライドコアが配置される芯金の周囲のスラ
イド面が円周方向に自由に間隔が選択できる、ことを特
徴とする内径アンダーカット処理型を採用するものであ
る。
【0024】さらにまた、本発明は、周囲に複数の分割
したテーパ状のスライド面を持つほぼ角錐状の芯金と、
芯金の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置さ
れた複数の大スライドコアおよび小スライドコアと、大
スライドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形品
の形状のキャビティを形成する固定型と、を有し、前記
小スライドコアは、芯金とのスライド面の両端に切り欠
きを設けている、ことを特徴とする内径アンダーカット
処理型を採用するものである。
【0025】本発明は、さらに、周囲に複数の分割した
テーパ状のスライド面を持つほぼ角錐状の芯金と、芯金
の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置された
複数の大スライドコアおよび小スライドコアと、大スラ
イドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形品の形
状のキャビティを形成する固定型と、を有し、芯金と大
スライドコアおよび小スライドコアは、それらに設けら
れたありおよびあり溝によって係合されており、ありお
よびあり溝のコーナ部には切り欠きが設けられている、
ことを特徴とする内径アンダーカット処理型を採用する
ものである。
【0026】
【実施例】次に、図1から図6を参照して本発明の実施
例を説明する。本発明の内径アンダーカット処理型は、
軸方向に複数の縦溝の付随した内ネジを持つ射出成形品
を形成するのに特に適しているので、以下の実施例はこ
れに関連して説明するが、本発明は内ネジを持つ射出成
形品に限定されるものではない。
【0027】図1は、本発明の実施例の内径アンダーカ
ット処理型の端面図であり、図2は、図1の線2−2に
沿った断面図(スライドコアの位置を示す端面図を参考
に含む)であり、図3は、作動完了時の端面図であり、
図4は、図3の線4−4に沿った断面図(スライドコア
の位置を示す端面図を参考に含む)であり、図5は、製
品の取り出し時の断面図(スライドコアの位置を示す端
面図を参考に含む)であり、図6、芯金とスライドコア
のあり、あり溝の拡大断面図である。
【0028】内径アンダーカット処理型は、主要部品と
して、芯金1と、芯金1のまわりに配置されて芯金1の
移動(上下方向の移動)によって内方向に移動させられ
る大スライドコア2(3個)および小スライドコア3
(3個)と、スライドコアが内方向に移動する際の案内
板53、52と、芯金1を取り付けており、芯金1を移
動させる移動型51とを有する。
【0029】芯金1は、この実施例では、図1に示すよ
うに、円周方向に3方向がそれぞれ違う間隔(δ1〜δ
6で示す)で形成され、図2に示すように、傾斜角度α
(大スライドコア2の傾斜角度に対応)と傾斜角度β
(小スライドコア3の傾斜角度に対応)が隣合わせで形
成され、即ち、上方に向かって細くなっている。なお、
ここで、傾斜角度αとβは、芯金1の軸線に対する角度
である。
【0030】芯金1と大スライドコア2の傾斜角度α
は、射出成形品の形状、例えば、射出成形品の内部に形
成される内ネジの深さや突起部の高さ等によって適切に
選ばれる。芯金1と小スライドコア3の傾斜角度βは、
傾斜角度αと傾斜角度θ(θ1〜θ3)(図1参照)と
円周方向の3方向δによって決められるものであり、滑
らかにスライドするのに適した値が選ばれる。なお、図
1で示す実施例では、δ1〜δ6は、それぞれ、55
°、55°、60°、60°、65°、65°であり、
θ1〜θ3は、それぞれ、20°、20°、25°であ
る。そして、各スライドコアと芯金1には、あり1aと
あり溝1bが形成されている。さらに、具体的に言う
と、大スライドコアには、あり溝が形成され、小スライ
ドコアにはありが形成されており、芯金1には、スライ
ドコアのそれぞれのあり溝またはありに対応するありま
たはあり溝が形成されている。なお、ここで、角度δお
よびθは芯金1の円周方向の開き角度および芯金1の半
径方向に対する角度である。
【0031】大スライドコア2は、芯金1の各窪み部分
の内面に適合する補完形状、即ち、傾斜角度αを持ち、
小スライドコア3との間には、角度θの傾斜面を持つよ
うに形成されている。小スライドコア3は、芯金1の各
窪み部分の内面に適合する補完形状、即ち、傾斜角度β
を持ち、大スライドコアとの間には角度θの傾斜面を持
つように形成されている。大スライドコア2と小スライ
ドコア3の外周部は、円弧状に形成されており、射出成
形品の内ネジを形成するための補完形状が設けられてい
る。
【0032】図2に示すように、芯金1および大スライ
ドコア2と小スライドコア3がそれぞれ配置された状態
で(さらに具体的にいうと、芯金1のあり1aとあり溝
1bと各スライドコアのあり溝2b、あり3aが結合し
た状態で)、案内板52および53と突出板54および
移動型51内に配置される。案内板52および案内板5
3は、ネジ52aによって固定されている。
【0033】内径アンダーカット処理型は、成形型7の
構成部分である。概略すると、成形型7は、図2に示す
ように、相対移動できる固定型6および可動型5からな
り、それらの間で射出成形品8が形成される。固定型6
は、例えば型板62および取り付け板61、これらの内
部に配置されたキャビティ形成部材で構成され、取り付
け板61にはノズル9が設けられいる。さらに詳細に
は、後述するキャビティ形成部材611に設けられてい
る。可動型は芯金1がボルト止めされる移動型51と案
内板52、53および突出板54を持つ。案内板53に
は、スライド案内板4が組み込まれており、部分的な環
状隙間4aが形成されている。この隙間の間隔は、大ス
ライドコア2cと小スライドコア3cのフランジ部の高
さと同一になるように構成されている。このため、この
隙間内に大スライドコア2cと小スライドコア3cが配
置されると、スライド案内板4の下面と案内板52の上
面は、大スライドコア2cと小スライドコア3cを水平
方向に案内するスライド面となる。
【0034】また、芯金1の下部は、ネジ51aによっ
て固定されており、移動型51を下方に移動させること
によって、芯金1を下方に移動させることができる。さ
らに、成形品の内周面(または内径)の位置決めを行う
大スライドコア2と小スライドコア3のテーパ部2tと
3tが大スライドコアおよび小スライドコアと共に射出
成形品の外形となるキャビティを形成するキャビティ形
成部材611のテーパ部611t1と係合され、大スラ
イドコア2と小スライドコア3がキャビティ形成部材6
11に対して位置決めされる。なお、このキャビティ形
成部材611には、射出成形の際、溶融物を注入するた
めのノズル9が形成されている。そして、キャビティ形
成部材611の他のテーパ部611t2が成形品の外周
面(または外径)の位置決めを行うと共に、大スライド
コアおよび小スライドコアと共に射出成形品を外形を形
成する他のキャビティ形成部材621のテーパ部621
tと係合し、キャビティ形成部材611がキャビティ形
成部材621に対して位置決めされる。この結果、成形
品の内径と外径の同軸度の精度が保持できる。即ち、均
一な厚みの成形品が得られることになる。
【0035】なお、この実施例では、射出成形品が円筒
形状の一方の端部に内方に張り出したフランジを持つ形
状であるので、2つのキャビティ形成部材611、62
1を射出成形品の外形のキャビティを形成するための部
材として例に上げて説明しているが、必ず2つのキャビ
ティ形成部材を用いる必要はなく、例えば、一方のキャ
ビティ形成部材621だけがキャビティを形成するのに
用いられてもよい。しがって、本明細書で用いている用
語「キャビティ形成部材」は、説明の便宜上そのようよ
うに呼ぶことにしたのであって、キャビティを形成しな
い場合も含むものである。
【0036】なお、前述の実施例では、キャビティ形成
部材611が型板62と大スライドコア2および小スラ
イドコア3の両方に当接することによって、大スライド
コア2および小スライドコア3を固定型6に対して位置
決めしているが、他の実施例(図示せず)では、キャビ
ティ形成部材611が大スライドコア2および小スライ
ドコア3の代わりに、芯金1に当接することによって、
芯金1、したがって、大スライドコア2および小スライ
ドコア3を固定型6に対して位置決めしてもよい。な
お、キャヒティ形成部材611を芯金1に当接するため
には、芯金1の上端部を大スライドコア2および小スラ
イドコア3の上端部より突出させるように構成する必要
がある。
【0037】また、小スライドコア3には、特に図3に
示すように、芯金1とのスライド面の両端に逃げとして
の切り欠き3hが形成されている。図3からわかるよう
に、この切り欠き2hを設けることにより、図3に示す
状態からさらに小スライドコア2を内方に移動できる。
もしこの切り欠き2hが設けられていない場合には、図
3に示すように、隣接する小スライドコア2の端部が当
接し、さらに、内方への移動を行うことはできない。
【0038】次に、ありとあり溝を拡大して示す断面図
である図6を参照すると、芯金1と小スライドコア3の
あり溝1bとあり3aが係合した状態で、摩耗が生じ易
いこれらのコーナ部には、摩耗防止のための切り欠き1
b1、3a1が芯金1と小スライドコア3にそれぞれ予
め設けられている。このため、摩耗の発生(粉体の発
生)が抑えられる。なお、芯金1と大スライドコア2の
ありとあり溝においても、同様な切り欠きが設けられて
いる。
【0039】最後に、内径アンダーカット処理型の動作
を概略する。内径アンダーカット処理型の動作自体は、
従来例の内径アンダーカット処理型と同様であるので、
概略するに留める。最初に、図1、図2に示すような内
径アンダーカット処理型を閉じた状態で、射出成形機
(図示せず)から溶融した材料をノズル9を通して芯金
1と大スライドコア2、小スライドコア3との間に形成
されている隙間に注入する。
【0040】射出成形品が硬化した後、移動型6を介し
て芯金1を下方に移動させる。図3、図4は動作完了時
の状態を示す図である。芯金1の下方移動により、あり
溝とありの係合と、スライド案内板4と案内板52の水
平方向の案内とによって大スライドコア2と小スライド
コア3は内方に向かって移動させられる。例えば、図4
のように、芯金1の移動量S1に対して大スライドコア
2の移動量S2および小スライドコア3の移動量S3だ
け内方に対して移動する。ここで、大スライドコア2の
移動量S2と小スライドコアの移動量S3は、芯金の移
動量S1と前述の傾斜角度αおよびβ、前述の角度θに
よって決まる値である。
【0041】射出成形品の内ネジの最内径よりもスライ
ドコアの最外径が小さくなるように移動量S2とS3を
設定することによって、大スライドコア2および小スラ
イドコア3は射出成形品から分離され、射出成形品は金
型から突出板54より突出して上方に取り出せる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
以下に記載するような種々の効果が得られる。 (1)製品の内周面と外周面の同軸度(厚みの均一性)
の精度を高めた内径アンダーカット処理型が得られる。 (2)製品の形状がネジなどの形状と複数の縦溝の方向
がそれぞれ違う場合にも対応できる内径アンダーカット
処理型が得られる。 (3)アンダーカットの深い製品や、径の小さい製品を
製造することができる内径アンダーカット処理型が得ら
れる。 (4)大スライドコアおよび小スライドコア、芯金で摩
耗が発生しにくい内径アンダーカット処理型が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の内径アンダーカット
処理型の端面図である。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った断面図であ
る。
【図3】図3は、動作完了時の端面図である。
【図4】図4は、図3の線4−4に沿った断面図であ
る。
【図5】図5は、製品取り出し完了時の断面図である。
【図6】図6は、図1の丸Aの拡大断面図である。
【図7】図7は、射出状態における従来例の内径アンダ
ーカット処理型の断面図である。
【図8】図8は、図7の軸線を通る断面図である。
【図9】図9は、型開き状態における図7に対応する従
来例の内径アンダーカット処理型の図である。
【図10】図10は、型開き状態における図8に対応す
る従来例の内径アンダーカット処理型の図である。
【図11】図11は、射出状態における中央コアを付属
した従来例の内径アンダーカット処理型の軸線を通る断
面図である。
【図12】図12は、型開き状態における図11の内径
アンダーカット処理型を示す図11と同様な図である。
【図13】図13は、成形型に取り付けた射出状態にお
ける従来例の内径アンダーカット処理型を示す図14の
端面図である。
【図14】図14は、図13の軸線を通る端面図であ
る。
【図15】図15は、従来例の内径アンダーカット処理
型を取り付けた成形型の構成要素の型閉じ段階における
位置を示す図である。
【図16】図16は、従来例の内径アンダーカット処理
型を取り付けた成形型の構成要素の型開き段階における
位置を示す図である。
【図17】図17は、従来例の内径アンダーカット処理
型を取り付けた成形型の構成要素の型開き段階における
位置を示す図である。
【符号の説明】
1 芯金 2 大スライドコア 3 小スライドコア 4 スライド案内板 5 可動型 51 移動型 52 案内板 53 案内板 54 突出板 6 固定型 61 取り付け板 611 キャビティ部材 62 型板 621 キャビティ部材 7 成形型 8 成形品 9 ノズル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月18日(1999.3.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】また、小スライドコア3には、特に図3に
示すように、芯金1とのスライド面の両端に逃げとして
の切り欠き3hが形成されている。図3からわかるよう
に、この切り欠き3hを設けることにより、図3に示す
状態からさらに小スライドコア3を内方に移動できる。
もしこの切り欠き3hが設けられていない場合には、図
3に示すように、隣接する小スライドコア3の端部が当
接し、さらに、内方への移動を行うことはできない。
フロントページの続き (72)発明者 熊谷 哲也 宮城県宮城郡利府町飯土井字長者前82 住 鉱テック株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AG27 AG28 CA11 CB01 CK33 CK54 CK64

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周囲に複数の分割したテーパ状のスライド
    面を持つほぼ角錐状の芯金と、 芯金の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置さ
    れた複数の大スライドコアおよび小スライドコアと、 大スライドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形
    品の形状のキャビティを形成する固定型と、を有し、 固定型の部分は、固定型に対して大スライドコアおよび
    小スライドコアまたは芯金の位置を固定する位置固定手
    段を有する、 ことを特徴とする内径アンダーカット処理型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内径アンダーカット処理
    型において、前記固定型は、型板と、該型板の下に配置
    した取り付け板と、前記型板の内部に配置した第1のキ
    ャビティ形成部材と、前記取り付け板の内部に配置した
    第2のキャビティ形成部材とを有し、前記第1のキャビ
    ティ形成部材が前記型板に対して位置決めされるための
    当接面を有し、かつ大スライドコアおよび小スライドコ
    アまたは芯金を位置決めするための当接面を有し、それ
    によって、第1のキャビティ形成部材が前記位置固定手
    段を構成していることを特徴とする内径アンダーカット
    処理型。
  3. 【請求項3】周囲に複数の分割したテーパ状のスライド
    面を持つほぼ角錐状の芯金と、 芯金の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置さ
    れた大スライドコアおよび小スライドコアと、 大スライドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形
    品の形状のキャビティを形成する固定型と、を有し、 前記大スライドコアと前記小スライドコアが配置される
    芯金の周囲のスライド面が円周方向に自由に間隔が選択
    できる、 ことを特徴とする内径アンダーカット処理型。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の内径アンダーカット処理
    型において、複数の大スライドコアの各々の芯金の軸線
    に対する傾斜角度は同一であり、複数の小スライドコア
    の各々の芯金の軸線に対する傾斜角度が異なっているこ
    とを特徴とする内径アンダーカット処理型。
  5. 【請求項5】周囲に複数の分割したテーパ状のスライド
    面を持つほぼ角錐状の芯金と、 芯金の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置さ
    れた複数の大スライドコアおよび小スライドコアと、 大スライドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形
    品の形状のキャビティを形成する固定型と、を有し、 前記小スライドコアは、芯金とのスライド面の両端に切
    り欠きを設けている、 ことを特徴とする内径アンダーカット処理型。
  6. 【請求項6】周囲に複数の分割したテーパ状のスライド
    面を持つほぼ角錐状の芯金と、 芯金の周囲のスライド面にスライド可能に交互に配置さ
    れた複数の大スライドコアおよび小スライドコアと、 大スライドコアおよび小スライドコアとの間で射出成形
    品の形状のキャビティを形成する固定型と、を有し、 芯金と大スライドコアおよび小スライドコアは、それら
    に設けられたありおよびあり溝によって係合されてお
    り、ありおよびあり溝のコーナ部には切り欠きが設けら
    れている、 ことを特徴とする内径アンダーカット処理型。
JP11063103A 1999-03-10 1999-03-10 内径アンダーカット処理型 Withdrawn JP2000254947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11063103A JP2000254947A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 内径アンダーカット処理型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11063103A JP2000254947A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 内径アンダーカット処理型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000254947A true JP2000254947A (ja) 2000-09-19

Family

ID=13219633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11063103A Withdrawn JP2000254947A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 内径アンダーカット処理型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000254947A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238642A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Yokoi Seisakusho:Kk 樹脂成形品およびその製造金型
CN105904677A (zh) * 2016-05-25 2016-08-31 安徽宁国中鼎模具制造有限公司 一种改进型球头防尘罩类模具
CN109049567A (zh) * 2018-09-06 2018-12-21 上海崇晟精密模塑有限公司 一种大直径燕尾芯机构

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238642A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Yokoi Seisakusho:Kk 樹脂成形品およびその製造金型
CN105904677A (zh) * 2016-05-25 2016-08-31 安徽宁国中鼎模具制造有限公司 一种改进型球头防尘罩类模具
CN109049567A (zh) * 2018-09-06 2018-12-21 上海崇晟精密模塑有限公司 一种大直径燕尾芯机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5464138B2 (ja) Cvjブーツ成形用金型及びcvjブーツ成形方法
US6638054B2 (en) Injection molding machine for making a worm wheel
US4695421A (en) Method of molding a member having undercut portions
US5690159A (en) Casting apparatus and casting method for producing cylinder block
JP3296844B2 (ja) 内径アンダーカットを有する円筒状物の成形金型
KR101167724B1 (ko) 금형조립체
JP2000254947A (ja) 内径アンダーカット処理型
KR101678958B1 (ko) 사출금형의 보스부위 싱크마크 생성방지 장치
JP2000289062A (ja) 開きコア
KR100243303B1 (ko) 마그네틱 레코딩 장치용 마그네틱 헤드 드럼 및 그 제작 방법
KR100302986B1 (ko) 사출성형용 금형
JPH0639880A (ja) 射出成形金型
KR101934359B1 (ko) 굴곡 튜브 사출 성형 금형
JP4987305B2 (ja) 射出成形金型
US20070014954A1 (en) Resin molded article and mold for manufacturing the same
JPS63144028A (ja) ディスク基盤用成形型
JP2007136823A (ja) アンダーカットコア可動金具、可動スライダ及び可動用治具並びにこれらを備えた二重成形金型
JPS63242617A (ja) 開きコアを有する射出成形金型
KR100283041B1 (ko) 사출성형용조합금형및상기금형으로회전부재를사출성형하는방법
US6714359B2 (en) Lens barrel and cam ring
JPH0261892B2 (ja)
JPH1119975A (ja) 射出成形用金型
JP6447032B2 (ja) 金型、成形品の製造方法
JPH05237880A (ja) 樹脂歯車の成形装置
JPH0724652A (ja) 成形金型の加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606