JP2000254781A - 下地処理を省略した全姿勢溶接方法 - Google Patents

下地処理を省略した全姿勢溶接方法

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JP2000254781A
JP2000254781A JP11061054A JP6105499A JP2000254781A JP 2000254781 A JP2000254781 A JP 2000254781A JP 11061054 A JP11061054 A JP 11061054A JP 6105499 A JP6105499 A JP 6105499A JP 2000254781 A JP2000254781 A JP 2000254781A
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勇 吹出
Hiroshi Iwami
博志 岩見
Ryuichi Nakamura
隆一 中村
Yuji Hara
裕司 原
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接に悪影響を及ぼす外面被覆アーク溶接時
に巻き込まれたスラグ、錆等の不純物が、単独或いは複
合して管内表面や溶接不良箇所の溝内部に存在したまま
でも、さらには目違いが残ったままでも、下地処理を省
略して安定した良好な溶接ビードを形成し、高能率施工
が可能な全姿勢溶接方法を提供すること。 【解決手段】 不純物の付着・形成および形状不良が存
在する箇所を溶接するに際し、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物
およびTiO2 を、単独あるいは複数添加した溶接ワイ
ヤを用いて下地処理を省略して、ガスシールドアーク溶
接を行う。溶接ワイヤとしては、Al2 3 、MgO、
ZrO2 、Al、Siを、単独あるいは複数添加したも
の、CaCO3 、CaF2 を、単独あるいは複数添加し
たものでもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物の付着・形
成および形状不良が存在する箇所を溶接するに際し、下
地処理を省略して、安定かつ良好な溶接を行うためのガ
スシールドアーク溶接による全姿勢溶接方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】本発明は一般的なガスシールドアーク溶
接に適用できるが、特に大きな成果を奏する既設パイプ
ラインの内面補修溶接に適用した場合について述べる。
既設パイプラインの突合せ溶接部の溶接不良個所を補修
溶接するような場合は、被溶接箇所に錆やタールを主と
する油脂等の付着物が存在するため、通常、研磨作業に
よる下地処理を行った後、管周に沿って全姿勢溶接を行
う。
【0003】これに関する従来技術としては、特開平2
−104468号公報、特開平2−121773号公報
に開示されているものがある。これらの従来技術は、カ
メラ、照明等の検査機器や溶接不良箇所に存在する不純
物の除去や目違いの研削を行う研磨機器、およびその後
の溶接作業等に必要な機器を搭載した一連の台車群から
構成された管内面自動溶接装置を用い、既設パイプライ
ンの途中を切断して新たに設けた管内挿入口より前記の
装置を挿入し、管内面を走行させながら装置に取り付け
られたカメラおよび照明器具により溶接不良箇所を検
知、観察し、溶接不良箇所の研磨を十分行った後、ガス
シールドアーク溶接を行う方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2は代表的な既設パ
イプラインの溶接不良個所の断面図である。既設パイプ
ライン1の鋼管相互の突合せ溶接部は、被覆アーク溶接
法により外面から片面溶接されたものが多く、既溶接部
2の内面側に溶接不良が生じているケースがある。溶接
不良箇所3には管内面側に溝があり、この溝内と周辺に
錆、タールを主とする油脂等の不純物6が付着してお
り、また、これらの他に溝内部5には被覆アーク溶接時
に巻き込まれたスラグ等の不純物7が、各々単独あるい
は複合して存在している。また突合せ部には、目違い8
が存在する場合がある。
【0005】一般に、溶接は母材の汚れや継手部の形状
の影響を受けやすく、良好な溶接を行うためには、錆、
タールを主とする油脂、外面からの被覆アーク溶接時に
巻き込まれたスラグの除去を十分に行い、目違い8もあ
る程度研削することが要求される。これら不純物のう
ち、管内表面4に付着した不純物6は長時間研磨すれば
除去できるが、溶接不良箇所3の溝内部5の不純物7を
完全に除去することは困難である。そのため、溝内部5
に不純物7が残存したまま補修溶接せざるを得ない場合
が多い。
【0006】溶接不良箇所3の溝内部5の不純物のう
ち、被覆アーク溶接時に巻き込まれたスラグが存在する
箇所では、補修溶接時のアーク長が長くなる。しかし、
スラグの巻き込みは一様でないため、スラグが点在する
箇所ではアーク長が一定せず、特に、溶接姿勢のなかで
も元来たれ下がりビードとなりやすい上向き姿勢におい
ては、図3に示すようなたれ下がりビードが発生しや
すかった。そのため安定したビード形成ができなく、溶
接後にたれ下がりビード9の削除および再補修溶接が必
要になるため施工能率の低下を招くというような課題が
あった。また、スラグ以外の錆、タールを主とする油脂
等の除去、および目違い8の研削には長時間を要してお
り、施工能率向上の阻害要因となっていた。
【0007】そこで発明者等は、外面からの被覆アーク
溶接時に巻き込まれたスラグの他、管内表面4や溶接不
良個所3の溝内部5に錆等の不純物が存在したままで
も、さらには目違い8を残したままでも、下地処理しな
いで補修溶接を行うときの溶接不安定現象を検討した。
この検討において、錆は主として酸化鉄や水酸化鉄で構
成されるが、そのうちの酸化鉄は酸化物であるため、溶
融金属中に溶解されると溶融金属の表面張力を低下させ
る。そのため、上向き溶接姿勢において、図3と同様の
たれ下がりビード9が発生し溶接不良となりやすい知見
を得た。
【0008】また、水酸化鉄を含有した錆はアーク熱に
よる水分の分解で発生する水素および水蒸気ガスが溶接
雰囲気中に供給され、シールドガスとして通常使用され
るアルゴンガス、炭酸ガスよりアーク柱中での電位傾度
が2〜3倍大きいため、アーク長を短くする作用を呈す
る。このため、溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱する前に
管内表面4へ接触する機会が増えて、溶接ワイヤは管内
表面4へ突っ込み、アーク切れ等のアーク不安定を起こ
しやすくなることが解った。
【0009】また、目違い8は大きくなるほど溶接トー
チ揺動時にワイヤ先端と母材間距離が急変するため自己
制御の安定性が保持できず、アークが不安定になり溶融
池が乱される。その結果、前記と同様に上向き姿勢にお
いてたれ下がりビード9が発生しやすくなることが解っ
た。
【0010】なお、タールを主とする油脂は有機物であ
るため、分解して溶融金属中に水素、窒素、酸素等のガ
スが溶解され、溶融金属の凝固時にこれらのガスは溶融
金属内から逸出するため問題ないが、有機物の量が多い
と一部が逃げ切れずにブローホール、およびピットの発
生原因となることが解った。
【0011】本発明は上記の検討結果を踏まえ、溶接不
良個所3等を補修する際、下地処理を省略して安定に溶
接する方法、すなわち溶接に悪影響をおよぼす外面被覆
アーク溶接時に巻き込まれたスラグ、錆等の不純物が、
単独あるいは複合して管内表面4や溶接不良箇所3の溝
内部5に存在したままでも、さらには目違い8が残った
ままでも、良好な溶接ビードを形成し、高能率施工が可
能な下地処理を省略した全姿勢溶接方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明では以下を要点とする下地処理を省略した全
姿勢溶接方法とした。すなわち、本発明の請求項1に記
載の発明は、不純物の付着・形成および形状不良が存在
する箇所を溶接するに際し、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物お
よびTiO2 を、単独あるいは複数添加した溶接ワイヤ
を用いて下地処理を省略して、ガスシールドアーク溶接
を行うことを特徴とする、下地処理を省略した全姿勢溶
接方法である。
【0013】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
不純物の付着・形成および形状不良が存在する箇所を溶
接するに際し、Al2 3 、MgO、ZrO2 、Al、
Siを、単独あるいは複数添加した溶接ワイヤを用いて
下地処理を省略して、ガスシールドアーク溶接を行うこ
とを特徴とする、下地処理を省略した全姿勢溶接方法で
ある。
【0014】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
不純物の付着・形成および形状不良が存在する箇所を溶
接するに際し、CaCO3 、CaF2 を、単独あるいは
複数添加した溶接ワイヤを用いて下地処理を省略して、
ガスシールドアーク溶接を行うことを特徴とする、下地
処理を省略した全姿勢溶接方法である。
【0015】また、本発明の請求項4に記載の発明は、
不純物の付着・形成および形状不良が存在する箇所を溶
接するに際し、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アル
カリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、TiO2 、A
2 3 、MgO、ZrO2、Al、Si、CaCO3
およびCaF2 を、複数添加した溶接ワイヤを用いて下
地処理を省略して、ガスシールドアーク溶接を行うこと
を特徴とする、下地処理を省略した全姿勢溶接方法であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】被覆アーク溶接によるスラグが巻
き込まれた溶接不良箇所を補修溶接する場合、スラグの
主要構成物であるCaO、TiO2 等は母材の主要構成
物であるFeより仕事関数が小さいため母材側からの電
子放出能力が高く、アーク長を長くする。通常の溶接不
良個所の補修溶接では、補修溶接位置ごとに外面被覆ア
ーク溶接によるスラグの巻き込み量が異なるためアーク
状態が変動し、上向き溶接近傍のアーク長が長くなる箇
所ではたれ下がりビードが発生する。
【0017】しかし、本発明の請求項1に記載したごと
く、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸
化物、アルカリ金属フッ化物、およびTiO2 等のアー
ク安定剤を、単独あるいは複数添加した溶接ワイヤを使
用した場合、アーク安定剤が溶融ワイヤ中に溶解された
まま溶滴となり、溶融池へ移行するために溶融池の電子
放出能力が高まる。また電子放出能力への影響度は、補
修溶接箇所ごとに点在する外面被覆アーク溶接時に巻き
込まれたスラグからよりも、供給量が一定した溶接ワイ
ヤからのほうが遥かに大きい。このようなことから、外
面からの被覆アーク溶接によるスラグが巻き込まれてお
らずアーク長が短縮化傾向にある箇所においても、溶接
ワイヤから積極的に電子放出能力が高められるため、被
覆アーク溶接によるスラグの巻き込み量にかかわらず一
定のアーク長を維持することができる。その結果、たれ
下がりビードの発生を防止できる。
【0018】次に、錆が形成された溶接不良箇所を補修
溶接する場合、錆を構成する酸化鉄は酸化物であるため
溶解された溶融金属は表面張力が低下し、上向き溶接で
はたれ下がりビードを発生し易くなる。しかし本発明の
請求項2に記載したごとく、Al2 3 、MgO、Zr
2 等のスラグ形成剤またはAl、Si等の脱酸剤を、
単独あるいは複数添加した溶接ワイヤを用いた場合は、
スラグ形成剤が溶融池表面に形成されるスラグの凝固点
を高めるため、その形成スラグにより溶融金属のたれ下
がりを防止でき、脱酸剤も溶融金属の表面張力を上げる
ため溶融金属のたれ下がりを防止できる。
【0019】また、水酸化鉄を含有した錆では、請求項
3に記載したごとく、CaCO3 等のガス発生剤または
CaF2 等の脱水素剤を、単独あるいは複数添加した溶
接ワイヤを用いることにより、極めて効果的に溶接雰囲
気中の水素分圧を低下できるためアーク長短縮化を防止
し、溶接ワイヤの突っ込みおよびアーク切れを防止でき
る。その結果、連続した溶接が可能になり、安定した溶
接が行える。
【0020】さらに、図2に示すような形状の目違いが
ある箇所では、請求項2に記載したごとく、Al
2 3 、MgO、ZrO2 等のスラグ形成剤またはA
l、Si等の脱酸剤を、単独あるいは複数添加した溶接
ワイヤを使用することにより、スラグ形成剤が溶融池表
面に形成されるスラグの凝固点を高めるため、その形成
スラグにより溶融金属のたれ下がりを防止でき、脱酸剤
も溶融金属の表面張力を上げるため溶融金属のたれ下が
りを防止できる。タールについては少量であればアーク
熱で逸散できるため問題ないが、多量に付着している場
合は事前に除去する必要がある。
【0021】このように本発明は、外面からの被覆アー
ク溶接時に巻き込まれたスラグ、錆等の不純物および目
違いが存在する既設パイプラインの管内表面や溶接不良
個所の溝内部の事例のような不純物の付着・形成および
形状不良が存在する箇所を全姿勢溶接する場合におい
て、下地処理を省略してもアークの安定したたれ下がり
のない連続した良好な溶接ビードの形成を可能とし、さ
らにその結果、従来生じていた補修溶接後の不良ビード
の研磨および再補修溶接等を行う必要がなくなるため施
工能率の向上を図ることができる。
【0022】図1に本発明に係る全姿勢溶接方法にて補
修溶接箇所を溶接する場合を示す。前記した請求項1〜
4のいずれかに規定した成分を添加した溶接ワイヤ10
を用いて、ガスシールドアーク溶接を実施すれば、下地
処理を省略しても良好な溶接ビードが得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。表1は試験に用いたソリッドワイヤおよびフラ
ックスコアードワイヤの化学成分組成である。表2は試
験体および溶接条件を示す。表3は試験結果の評価で、
アーク安定性は電流・電圧波形変動の一様性の評価およ
び官能評価で、ビード形状はビード形状や連続性を外観
形状より評価した。
【0024】表3に示すように、実施例1、実施例2お
よび比較例1は外面被覆アーク溶接による巻き込みスラ
グの影響を確認した結果である。実施例1はCa(アル
カリ土類金属)によるアーク安定剤が添加されたソリッ
ドワイヤを使用し、実施例2はNa2 O(アルカリ金属
酸化物)やTiO2 によるアーク安定剤が充填されたフ
ラックスコアードワイヤを使用しているため、アーク状
態は安定し、図4の本発明による上向き溶接での代表的
な補修溶接部の断面図に示すように、溶接ビードの外観
形状もたれ下がりのない優れた補修溶接ビード11を得
ることができた。これに対し、比較例1は溶接ワイヤ中
にアーク安定剤が添加されていないため、不安定なアー
ク状態で頻繁にたれ下がりビードが発生した。
【0025】実施例3、比較例2は錆および目違いの影
響を確認した結果を示す。使用した試験体の目違いの大
きさは、既設パイプラインの不良溶接箇所の目違いの平
均と考えられた3mmとした。実施例3は、Al、Si、
Ti、Mg等の脱酸剤やAl 2 3 、MgO、Zr
2 、SiO2 等のスラグ形成剤が充填されたフラック
スコアードワイヤを使用しているため、アークの安定し
た図4と同様の連続した良好な溶接ビードを得ることが
できた。これに対し、比較例2は溶接ワイヤ中に前記の
脱酸剤やスラグ形成剤が添加されていない、あるいは適
正量でなかったため、不安定なアーク状態で頻繁にたれ
下がりビードが発生した。
【0026】また、錆中の水酸化鉄の影響を確認した結
果を実施例4、比較例3に示す。実施例4はCaCO3
によるガス発生剤やCaF2 による脱水素剤が充填され
たフラックスコアードワイヤを使用しているため、アー
ク切れのない図4と同様の連続した良好な溶接ビードの
形成が可能であった。これに対し、比較例3は溶接ワイ
ヤ中に前記のガス発生剤や脱水素剤が充填されていない
ため、アーク切れが起こることがあり、ビード形成不可
になることがあった。
【0027】実施例5、比較例4はこれまで述べたきた
溶接不安定アークおよびたれ下がりビードの発生要因で
ある被覆アーク溶接による巻き込みスラグ、錆、および
目違いが、すべて複合した場合の影響を確認した結果で
ある。実施例5は、アーク安定剤、スラグ形成剤、脱酸
剤、ガス発生剤および脱水素剤が適量に充填されたフラ
ックスコアードワイヤを使用しているため、アーク状態
は安定し、図4と同様のたれ下がりのない連続した良好
な溶接ビードを形成できた。これに対し比較例4は、溶
接ワイヤ中にこれらの化学成分が適量に添加されていな
い、あるいは適正量でなかったため、不安定なアーク状
態で、頻繁にたれ下がりビードが発生した。
【0028】実施例6は既設パイプラインの外面被覆ア
ーク溶接による突合せ溶接部の溶接不良個所の溶接結果
である。アーク安定剤、スラグ形成剤、脱酸剤、ガス発
生剤および脱水素剤が適量に充填された、実施例5の場
合と同じフラックスコアードワイヤを使用しているた
め、アーク状態は安定し、ビードの外観形状も図4と同
様のたれ下がりのない連続した良好な補修溶接ビードを
得ることができた。なお、タールを主とする油脂が少量
であったため、補修溶接前の管内表面および溶接不良個
所の溝内部に付着していても、溶接アーク熱により蒸発
し、アーク不安定およびたれ下がりビードを起こすこと
はなかった。もし、油脂成分の付着物が多い場合は、あ
らかじめ簡単な除去作業を行う必要がある。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶接に悪影響をおよぼす巻き込みスラグ、錆等の不純物
および目違いが、単独あるいは複合して存在する箇所を
全姿勢溶接するに際し、下地処理を省略しても安定した
良好な溶接ビードを形成でき、高能率施工が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる全姿勢溶接方法の概略図。
【図2】代表的な既設パイプラインの溶接不良個所の断
面図。
【図3】従来法による上向き溶接での代表的な補修溶接
部の断面図。
【図4】本発明による上向き溶接での代表的な補修溶接
部の断面図。
【符号の説明】
1 既設パイプライン 2 既溶接部 3 溶接不良箇所 4 管内表面 5 溝内部 6 不純物(管内面側) 7 不純物(溝内部側) 8 目違い 9 たれ下がりビード 10 本発明による溶接ワイヤ 11 補修溶接ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 35/368 B23K 35/368 B (72)発明者 岩見 博志 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 中村 隆一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 原 裕司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB01 DA06 DB03 DC01 DC05 EA07 4E081 YX09 YX16 4E084 AA02 AA04 AA07 AA09 AA11 AA18 AA20 AA26 BA04 BA10 BA16 BA17 CA38 DA10 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物の付着・形成および形状不良が存
    在する箇所を溶接するに際し、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物
    およびTiO2 を、単独あるいは複数添加した溶接ワイ
    ヤを用いて下地処理を省略して、ガスシールドアーク溶
    接を行うことを特徴とする、下地処理を省略した全姿勢
    溶接方法。
  2. 【請求項2】 不純物の付着・形成および形状不良が存
    在する箇所を溶接するに際し、Al2 3 、MgO、Z
    rO2 、Al、Siを、単独あるいは複数添加した溶接
    ワイヤを用いて下地処理を省略して、ガスシールドアー
    ク溶接を行うことを特徴とする、下地処理を省略した全
    姿勢溶接方法。
  3. 【請求項3】 不純物の付着・形成および形状不良が存
    在する箇所を溶接するに際し、CaCO3 、CaF
    2 を、単独あるいは複数添加した溶接ワイヤを用いて下
    地処理を省略して、ガスシールドアーク溶接を行うこと
    を特徴とする、下地処理を省略した全姿勢溶接方法。
  4. 【請求項4】 不純物の付着・形成および形状不良が存
    在する箇所を溶接するに際し、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化
    物、TiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、Al、
    Si、CaCO 3 およびCaF2 を、複数添加した溶接
    ワイヤを用いて下地処理を省略して、ガスシールドアー
    ク溶接を行うことを特徴とする、下地処理を省略した全
    姿勢溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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