JP2000254699A - 浚渫底泥の非流動化処理方法 - Google Patents

浚渫底泥の非流動化処理方法

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JP2000254699A JP11065962A JP6596299A JP2000254699A JP 2000254699 A JP2000254699 A JP 2000254699A JP 11065962 A JP11065962 A JP 11065962A JP 6596299 A JP6596299 A JP 6596299A JP 2000254699 A JP2000254699 A JP 2000254699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中小規模の浚渫底泥をできるだけ短時間で、
簡単かつ経済的に非流動化処理し、さらに、処理物を再
利用できる浚渫底泥の非流動化処理方法を提供する。 【解決手段】 浚渫底泥に、古紙の破砕物を添加、混合
して流動性を低下させ、次に、必要に応じて2価又は3
価の金属塩を添加、混合し、さらに水溶性高分子物質を
添加、混合して流動性を消失させることを特徴とする浚
渫底泥の非流動化処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的中小規模の湖沼
や河川、港湾などから得られる高濃度の浚渫底泥を、環
境への影響を最小限にとどめつつ非流動化する浚渫底泥
の非流動化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、湖沼や河川、港湾などから得られ
る浚渫底泥を非流動化処理する方法としては、底泥を浚
渫船で浚渫し、堤防、矢板等で取り囲んだポンド内に浚
渫底泥を送り、そこで天日乾燥する方法、あるいは、底
泥をポンプによって浚渫し、浚渫底泥に凝集剤を加えて
凝集させてから脱水機にかけ減容化する方法が行われて
いる。中小規模の浚渫に限れば、上記天日乾燥する方法
が多く採用されている。しかし、乾燥が終了するまで長
期間(1年以上)を要するため、ポンドをつくる場所が
ないこと、及び天日乾燥して非流動化させても十分な強
度の処理土が得られず、再利用が難しいなどの問題があ
った。
【0003】一方、浚渫底泥を短時間に固めてしまう試
みもなされているが、例えば、セメントによる固化は、
高アルカリによる環境汚染が懸念されるので好ましくな
い。また、水溶性高分子や吸水性ポリマーによる改良処
理は、含水比が100%以上(土質構成によっては15
0%以上)の浚渫底泥の場合、どんなに添加量を増して
も流動性を失わせることが出来ず、適用が制限されてき
た。さらに、大規模浚渫で実績のある機械脱水を中小規
模で採用する提案が一部でなされているが、機械脱水す
る方法は装置の運搬設置撤去などの一時的なコストが高
く、特に小規模な浚渫ではそれが処理単価に大きく跳ね
返るため、ほとんど採用に至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
対して、中小規模の湖沼や河川、港湾などから得られる
の高濃度の浚渫底泥をできるだけ短時間で、簡単かつ経
済的に非流動化処理し、さらに、処理物を再利用できる
浚渫底泥の非流動化処理方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法は、浚渫底泥
に、古紙の破砕物と水溶性高分子物質とを添加、混合し
て流動性を消失させることを特徴とする。また、本発明
の浚渫底泥の非流動化処理方法は、浚渫底泥に、古紙の
破砕物を添加、混合して流動性を低下させ、次に、水溶
性高分子物質を添加、混合して流動性を消失させること
を特徴とする。また、本発明の浚渫底泥の非流動化処理
方法は、浚渫底泥に、古紙の破砕物を添加、混合して流
動性を低下させ、次に、2価又は3価の金属塩を添加、
混合し、さらに水溶性高分子物質を添加、混合して流動
性を消失させることを特徴とする。
【0006】また、本発明では、上記浚渫底泥として、
含水比が100%以上500%以下のもの、好ましくは
150%以上350%以下を対象とすることができる。
さらに、上記古紙の破砕物の大きさは、20mm以下で
あることが好ましい。また、上記古紙の破砕物の添加量
は、浚渫底泥1m3 あたり、((含水比×50)/(含
水比+40))kgから((含水比×150)/(含水
比+40))kgの範囲内が適当であろう。
【0007】さらに、上記水溶性高分子物質は、ガム類
またはその誘導体類、でんぷんまたはその誘導体類、ア
ルギン酸ソーダ、セルロース誘導体類、及びカルボキシ
ル基を含む水溶性合成高分子物質からなるグループから
選ばれた1種又は2種以上の組み合わせを用いることが
できる。また、上記水溶性高分子物質の添加量は、浚渫
底泥1立方米に対し、天然系の場合にあっては1.0〜
20kg、半合成系の場合にあっては1.0〜15k
g、合成系の場合にあっては0.2〜5.0kgを用い
ることができる。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明
する。本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法は、浚渫底
泥に、古紙の破砕物を添加、混合し、次に、必要に応じ
て2価又は3価の金属塩を添加、混合し、さらに水溶性
高分子物質を添加、混合することによって実施される。
【0009】本発明の処理方法では、先ず、浚渫底泥に
古紙の破砕物を添加する。ここで対象となる浚渫底泥
は、比較的中小規模の湖沼や河川、港湾などから得られ
る高濃度の浚渫底泥である。例えば、その土質構成は、
砂分10%、シルト分40%、粘度分50%というよう
に、非常に微細な土粒子を多く含み、かつ、有機物の量
を示す灼熱減量が、10〜30%に達するようなのもの
である。また、浚渫底泥の含水比は、100〜500%
が好ましい。含水比が100%未満の浚渫底泥は、水溶
性高分子単独でも容易に改質できる。一方、含水比が5
00%を超える浚渫底泥は、仮に処理費用がかかっても
脱水して減容化した方が、非流動化して投棄する費用に
比べて有利になる場合が多い。
【0010】本発明で用いられる古紙としては、例え
ば、古新聞、古雑誌、古段ボール、古電話帳など、吸水
性に優れたものが用いられている。古紙の破砕物は、最
近、家畜の敷料として注目されており、他の吸収材にな
い優れた効果を有している。すなわち、含水比が100
〜500%の浚渫底泥に、古紙の破砕物を添加、混合す
ると、1〜3分の間に吸水が進み、浚渫底泥の流動性が
著しく低下する。一方、他の吸収剤、例えば、衛生用品
に広く使われている吸水性ポリマーは、吸水力があるも
のの、吸水後もポリマー同士のすべり現象が残り、処理
物の改良効果が弱い。天然鉱物ではベントナイトの吸水
性がずば抜けているが、粉末品は水を吸うと粘着性が障
害になり、破砕品はコストが高く、本発明の目的にそぐ
わない。コットン、わら、もみがら、おがくず、材木チ
ップなどでも良好な吸水効果は得られない。
【0011】また、古紙の破砕物としては、例えば、古
新聞、古雑誌などを20mm四方以下にカットしたもの
であり、さらに好ましくは5mm四方以上10mm四方
以下にカットしたものが好ましい。20mm四方より大
きな古紙破砕物は、取り扱いに難があり好ましくない。
また、5mm四方未満のサイズの古紙をつくるのは、コ
ストがかかり過ぎて実用的でない。古紙の破砕物の添加
量は、浚渫底泥1m3 あたり、((含水比×50)/
(含水比+40))kgから((含水比×150)/
(含水比+40))kgの範囲内が好ましい。また、
((含水比×50)/(含水比+40))kgから
((含水比×100)/(含水比+40))kgの範囲
内がさらに好ましい。この程度の添加量では、処理後の
浚渫底泥の増量はわずかである。
【0012】本発明では、次に、必要に応じて2価又は
3価の金属塩を添加、混合する。2価又は3価の金属塩
を加える必要がある場合とは、浚渫底泥が多量の有機物
を含み、強い還元性雰囲気にある場合である。このよう
な浚渫底泥の場合、古紙破砕物および水溶性高分子を添
加、混合しても、流動性を消失させることができない。
そこで、このような場合は、古紙破砕物を添加した後、
2価又は3価の金属塩を加え、さらに後述する水溶性高
分子物質を加えることによって、流動性を消失させるこ
とができる。ただし、上記2価又は3価の金属塩を添加
した場合は、処理物の再利用途が限定される。本発明で
用いられる2価又は3価の金属塩としては、2価又は3
価の水溶性金属塩が好ましい。2価又は3価の水溶性金
属塩としては、硫酸ばん土、PAC(ポリ塩化アルミニ
ウム)、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄など
がある。また、2価又は3価の金属塩であれば、例え
ば、石膏(硫酸カルシウム)のように水溶性でなくと
も、ある程度の溶解度を持っていれば使用できる。上記
2価又は3価の金属塩の添加量は、特に限定されない
が、浚渫底泥1m3 に対し、無水物換算で0.3〜10
kgが好ましい。ここで、石膏のような非水溶性物資の
場合は、その物質の水溶解度をもとに計算した水溶性部
分の無水重量で換算する。
【0013】本発明では、さらに水溶性高分子物質を添
加、攪拌する。数分の撹拌により、浚渫底泥は流動性を
完全に失い、団粒化した処理物となる。本発明で用いる
水溶性高分子物質としては、ガム類またはその誘導体
類、でんぷんまたはその誘導体類、アルギン酸ソーダ、
セルロース誘導体類、カルボキシル基を含む水溶性合成
高分子物質等からなるグループから選ばれた少なくとも
1種又は2種以上の組み合わせである。上記カルボキシ
ル基を含む水溶性合成高分子物質としては、例えば、ポ
リアクリル酸ソーダまたはその誘導体、アクリル酸又は
その塩とアクリルアミドとの共重合物、アクリルアミド
重合物の部分加水分解物、マレイン酸又はその塩と酢酸
ビニルとの共重合物、イタコン酸又はその塩とアクリル
アミドとの共重合物などがある。
【0014】上記水溶性高分子物質の添加量は、浚渫底
泥1m3 に対し、天然系の場合にあっては1.0〜20
kg、好ましくは2.0〜10kgである。半合成系の
場合にあっては1.0〜15kg、好ましくは2.0〜
10kgである。合成系の場合にあっては0.2〜5.
0kg、好ましくは0.5〜3.0kgである。上記天
然系の水溶性高分子とは、例えば、ガム類又はその誘導
体類、でんぷん又はその誘導体類、アルギン酸ソーダな
どである。また、上記半合成系の水溶性高分子とは、例
えば、CMC、その他のセルロース誘導体類などであ
る。さらに、上記合成系の水溶性高分子とは、例えば、
カルボキシル基を含む水溶性合成高分子物質などであ
る。
【0015】本発明は、中小規模の河川や湖沼、ダム、
港湾などの浚渫に最適な処理方法を提供するものであ
る。代表例として、ヘドロが大量に堆積して流れが悪く
なっている小規模河川を、重機を使用して浚渫、改良処
理する方法について説明する。まず、施工準備を、添付
図面を参照にして説明する。図1及び3は、施工準備の
実施の形態を示す河川の平面図である。また、図2は図
1のA−A線に沿う断面図であり、図4は図2のB−B
線に沿う断面図である。
【0016】図1に示すように、小規模河川1に、大量
に堆積したヘドロ2がある。ヘドロ2を浚渫、改良作業
する場所を確保するため、川の水3が入り込まないよ
う、ヘドロ2の上流と下流の両方に、河川1の幅いっぱ
いに矢板4を打ち込むことが望ましい。しかし、河川1
を完全に堰き止めると水3の行き場がなくなるので、必
要最小限の仮設水路5を設置する。図1は、河川1の片
側の岸に沿って矢板4で水路を作った場合の例である。
また図3は、上流及び下流の矢板4の間に、鋼管又はヒ
ューム管で通水路6を設けた場合の例である。通水路6
が設置される高さは、特に限定されないが、図4に示さ
れるような、ある程度の高さの位置に設置することもで
きる。鋼管又はヒューム管は、河川1の水量に応じて、
適宜、本数を決める。以上のような施工準備によって、
浚渫底泥を非流動化する場所を確保することができる。
ただし、大雨が降ると、矢板3で作った仮設水路5や通
水路6の通水能力を超えた量の雨水が上流から流れてく
るため、川から水が溢れたり、水が矢板3を乗り越えて
浚渫、改良作業を行う場所に入り込む危険がある。よっ
て、工事は比較的雨の少ないときを選ぶ。また、1工区
(上流と下流の2箇所の仕切り間)は、あまり大きく取
らない方が良い。川幅3〜5mの小規模河川を例にとれ
ば、1工区は、長さ10〜50m程度が好ましい。
【0017】施工準備が終わったら、浚渫箇所内の余水
をポンプで汲み出してから、底面に複数のスリットを有
するバケットを装着したバックホウを浚渫箇所にいれ、
ゴミをすくいとり除去する。次に、古紙破砕物を必要量
ばらまき、バックホウで良く撹拌する。さらに、必要に
応じ2価又は3価の金属塩をばらまき、同様にバックホ
ウで撹拌する。さらに水溶性高分子粉末を必要量ばらま
き、同じくバックホウで良く撹拌する。以上の作業の結
果、ヘドロ等の浚渫底泥は非流動化し、団粒化する。最
後に、団粒化された浚渫土をダンプで搬出する。強度を
さらに強めたい場合は、野積み等をして乾燥させる。攪
拌、混合に使用するバックホウは、バケット内に撹拌羽
根を有するものを用いると、効率良く作業を進めること
ができる。施工方法は、重機による現地混合のほか、バ
ッチ式あるいは連続式の混練ミキサーなどの混合機械に
よっても良く、その他、浚渫土と添加材を十分混ぜ合わ
せられるものであれば手段を問わない。
【0018】本発明では、高濃度浚渫土に、第1段階で
古紙破砕物からなる吸水材を添加混合し、第2段階で必
要に応じ2価又は3価の金属塩を添加混合し、第3段階
(2価又は3価の金属塩を使用しない場合は第2段階)
で水溶性高分子物質を添加混合する。第1段階の吸水材
の添加混合だけでは、見掛けの流動性は減退するものの
いわゆる改質効果はなく、したがって再び水に会うとヘ
ドロ化する。また、第3段階(2価又は3価の金属塩を
使用しない場合は第2段階)の水溶性高分子物質の添加
混合だけでも、流動性を失わせることはできない。古紙
と水溶性高分子物質の2つを添加混合することで、はじ
めて高濃度浚渫土の疎水化、改質がおこり、再利用が可
能な土になる。
【0019】本発明では、高濃度底泥中から大部分の水
を古紙に吸収させ、結果として底泥の含水比を大幅に低
下させることで、水溶性高分子物質による土粒子の疎水
性化を図っている。例えば、含水比200%の底泥10
0g中には、67gの水が存在する。これに古紙5gを
加えると、古紙は重量比で10倍の吸水能力があるの
で、50gの水を吸収する。よって、底泥の残留水分は
17gとなり、見かけ上、含水比は、51%に減少する
ことになる。前述のように土質によって異なるが、おお
むね含水比100%を超える底泥には、水溶性高分子物
質をどんなに加えても、糊状になるばかりで、疎水性化
しない。しかし、含水比が100%より下がるあたりか
ら、疎水性化して見かけがパサパサになる。さらに、古
紙破砕物と、必要に応じ2価又は3価の金属イオンと、
水溶性高分子とを、予め混合又は現場で混合して添加す
るか、同時に添加する方法でも一定の改良はできるが、
改良効果はやや落ちる。
【0020】本発明の大きな特徴は、改質に伴うアルカ
リ汚染がないことである。セメント系の固化材では、い
かに川の流れを隔離して作業を行なってもアルカリ分の
漏洩による汚染の危険は避けられず、おのずとヘドロを
他の処理場に運び出して処理せねばならない。また、セ
メント固化物は植生に適さないので、再利用途が限定さ
れる。これに対し本発明による改質は、中性下での処理
であり、周辺環境の汚染はない。また、処理物は適度に
団粒化するので、処理物を野積みしておくと、改良しな
いものに比べて著しく乾燥速度が速まり、それにつれて
強度も増してくる。さらに、ヘドロの処理では臭いが問
題になるが、古紙は悪臭を吸着する作用があり、悪臭問
題の軽減につながる。処理物は粒状で、通気性、透水性
に富み、必要に応じ栄養分を添加すれば、最適な植生土
となる。通常、古紙は脱リグニン処理がなされている
上、易分解性の炭水化物が含まれているので堆肥化し易
い。ヘドロ中の有機物も堆肥化にプラスに作用する。安
価であること、豊富に存在すること、最近余りぎみの古
紙の再利用の拡大に貢献する点も特筆される事項であ
る。
【0021】
【実施例】実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1 含水比200%の湖水浚渫底泥1リットルをポリビーカ
ーにとり、ジャパンクリエチティブル社製の古紙破砕品
(大きさ10mm以下、商品名あんしん君)を50グラ
ム添加し、大型試薬匙で1分間混合した。次に、東亜合
成社のアクリルアミド、アクリル酸共重合物(品番T−
140)を1グラム添加し、同じく大型試薬匙で1分間
混合した。その結果、得られた処理物はきれいに団粒化
したものであった。処理物の外見、及び処理物を水に投
入して撹拌したときの水の性状を表1に示す。
【0022】実施例2 含水比230%の都市河川浚渫底泥1リットルをポリビ
ーカーにとり、ジャパンクリエチティブル社製の古紙破
砕品(大きさ10mm以下、商品名あんしん君)を60
グラム添加し、大型試薬匙で1分間混合した。次に、ポ
リ塩化アルミニウム水溶液(Al23 10%)を9m
l添加し、同じく大型試薬匙で1分間混合した。さら
に、東亜合成社のアクリルアミド、アクリル酸共重合物
(品番T−140)を1グラム添加し、同じく大型試薬
匙で1分間混合した。その結果、得られた処理物はきれ
いに団粒化したものであった。処理物の外見、及び処理
物を水に投入して撹拌したときの水の性状を表1に示
す。
【0023】比較例1 含水比200%の湖水浚渫底泥1リットルをポリビーカ
ーにとり、ジャパンクリエイティブル社製の古紙破砕品
(大きさ10mm以下、商品名あんしん君)を100グ
ラム添加し、大型試薬匙で1分間混合した。処理物の外
見、及び処理物を水に投入して撹拌したときの水の性状
を表1に示す。
【0024】比較例2 含水比200%の湖水浚渫底泥1リットルをポリビーカ
ーにとり、東亜合成社のアクリルアミド、アクリル酸共
重合物(品番T−140)を1〜3g添加したものを、
大型試薬匙で1分間混合した。処理物の外見、及び処理
物を水に投入して撹拌したときの水の性状を表1に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、実施例1では、処理物
の外見が団粒化し、好ましい改良状態であった。処理物
を水中に投入して攪拌しても、pHは6.8と中性を示
し、濁りもなかった。実施例2は、浚渫底泥が多量の有
機物を含み、強い還元性雰囲気にある場合である。2価
又は3価の金属塩であるポリ塩化アルミニウム水溶液を
添加したことで、処理物の外見が団粒化し、好ましい改
良状態になった。処理物を水中に投入して攪拌しても、
pHは5.8を示し、濁りもなかった。一方、古紙のみ
を添加した比較例1は、団粒化せず、水中に投入して攪
拌した結果、ひどく濁ってしまった。水溶性高分子のみ
を添加した比較例2は、添加量を増やしても団粒化せ
ず、水中に投入して攪拌した結果、薄い濁りを示した。
【0027】
【発明の効果】上述したように、本発明の処理法によれ
ば、浚渫底泥を環境に悪影響を与えることなく改良し、
団粒化した疎水性の処理物を得ることが可能となる。改
良後は、著しく野積みによる乾燥速度が速くなる。本
来、高含水比の浚渫底泥は、脱水処理して減容化すべき
である。しかし、中小規模の浚渫底泥の処理の場合、脱
水装置を持ち込むには多額の費用を要する。脱水で減容
化できるとしても、それにより達成される処理物の運搬
費用の節約分及び廃棄する場合は投棄費用の節約分の合
計より、脱水装置の搬入、設置、撤去費用が上回るケー
スがほとんどである。ランニング費用を比較しても、中
小規模の場合は、脱水経費(運転費、薬剤費、機械損料
の合計)より、非脱水、非流動化処理の経費の方がかな
り安価である。特に、建設重機による処理は、特別な場
所を準備する必要がなく、手軽に施工できる。したがっ
て、本発明の処理方法を用いることによって、短時間で
簡単かつ経済的に浚渫底泥を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法における
施工準備の一実施の形態を示す河川の平面図である。
【図2】本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法における
施工準備の一実施の形態を示す河川の断面図であって、
図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法における
施工準備の一実施の形態を示す河川の平面図である。
【図4】本発明の浚渫底泥の非流動化処理方法における
施工準備の一実施の形態を示す河川の断面図であって、
図3のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 小規模河川 2 堆積したヘドロ 3 水 4 矢板 5 仮設水路 6 通水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 光夫 東京都渋谷区幡ヶ谷1丁目7番5号 株式 会社テルナイト本社内 Fターム(参考) 4D059 AA09 BF16 BG03 BJ01 DA07 DA16 DA17 DA24 DB11 DB16 DB19 DB20 DB24 DB28 DB34 DB40 EB01 EB11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浚渫底泥に、古紙の破砕物と水溶性高分
    子物質とを添加、混合して流動性を消失させることを特
    徴とする浚渫底泥の非流動化処理方法。
  2. 【請求項2】 浚渫底泥に、古紙の破砕物を添加、混合
    して流動性を低下させ、次に、水溶性高分子物質を添
    加、混合して流動性を消失させることを特徴とする浚渫
    底泥の非流動化処理方法。
  3. 【請求項3】 浚渫底泥に、古紙の破砕物を添加、混合
    して流動性を低下させ、次に、2価又は3価の金属塩を
    添加、混合し、さらに水溶性高分子物質を添加、混合し
    て流動性を消失させることを特徴とする浚渫底泥の非流
    動化処理方法。
  4. 【請求項4】 上記浚渫底泥の含水比が100%以上5
    00%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の浚渫底泥の非流動化処理方法。
  5. 【請求項5】 上記古紙の破砕物の大きさが20mm以
    下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の浚渫底泥の非流動化処理方法。
  6. 【請求項6】 上記古紙の破砕物の添加量が、浚渫底泥
    1m3 あたり、((含水比×50)/(含水比+4
    0))kgから((含水比×150)/(含水比+4
    0))kgの範囲内であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の浚渫底泥の非流動化処理方法。
  7. 【請求項7】 上記水溶性高分子物質が、ガム類または
    その誘導体類、でんぷんまたはその誘導体類、アルギン
    酸ソーダ、セルロース誘導体類、及びカルボキシル基を
    含む水溶性合成高分子物質からなるグループから選ばれ
    た1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の浚渫底泥の非流動化処理方法。
  8. 【請求項8】 上記水溶性高分子物質の添加量が、浚渫
    底泥1m3 に対し、天然系の場合にあっては1.0〜2
    0kg、半合成系の場合にあっては1.0〜15kg、
    合成系の場合にあっては0.2〜5.0kgであること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の浚渫底泥
    の非流動化処理方法。
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