JP2000253872A - 新規な卵巣癌細胞株 - Google Patents

新規な卵巣癌細胞株

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JP2000253872A
JP2000253872A JP11060963A JP6096399A JP2000253872A JP 2000253872 A JP2000253872 A JP 2000253872A JP 11060963 A JP11060963 A JP 11060963A JP 6096399 A JP6096399 A JP 6096399A JP 2000253872 A JP2000253872 A JP 2000253872A
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adenocarcinoma
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Tomokage Yoshimura
倫影 吉村
Yasuyuki Otake
康之 大竹
Kazunori Ochiai
和徳 落合
Seiji Isonishi
成治 礒西
Aiko Okamoto
愛光 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原発腫瘍由来で薬剤耐性を有する細胞株を樹立
し、クローニングする事により、薬剤耐性メカニズムを
検討する材料を獲得すること。 【解決手段】初代培養から無血清培地を用い樹立された
卵巣明細胞腺癌由来の細胞株またはその変異株。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は卵巣明細胞腺癌の樹
立細胞またはその変異株に関する。さらに、ErbB−
2、CA125等腫瘍マーカーの製造方法、卵巣明細胞
腺癌の持つ自然耐性メカニズムの免疫学的、分子生物学
的検討及び卵巣明細胞腺癌の発生機序の検討におけるこ
の細胞株の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】卵巣明細胞腺癌はそれ自体の持つ自然耐
性が故、化学療法が困難であることが知られている。一
般に薬剤耐性機構は例えばグルタチオンによるシスプラ
チンの解毒作用、P糖蛋白(PGP、mdr1)による
ドキソルビシン等の細胞外排泄機構等が知られる。明細
胞腺癌においてもP糖蛋白やMRP(multidrug resist
ance protein)の発現は知られており(藤井ら、第55
回日本癌学会総会発表要旨、350頁、1996年)、
これら蛋白の耐性への関与が考えられる。しかし一方、
卵巣癌ではシスプラチンが最も広く化学療法剤として使
用されるが、この薬剤の排泄にはP糖蛋白は一般に関与
しないと考えられている。このシスプラチンに対しても
卵巣明細胞腺癌は自然耐性を示し、この機構についての
詳細は未だ明らかとなっていない。薬剤耐性の解明のた
めには、患者検体からの初代培養により細胞株を樹立
し、生化学的、分子生物学的諸性質を解明していくこと
が不可欠と考えられる。
【0003】現在までに卵巣明細胞腺癌患者より細胞株
を樹立した報告はいくつか知られている。OCC−1は
卵巣明細胞腺癌患者腹水より樹立した(GYNECOLOGIC ON
COLOGY, 38, 37-45, 1990)。この株についての薬剤耐
性については報告がない。また同様にRMG−IIも同様
に患者腹水より樹立された細胞株であるが薬剤耐性に関
する報告はない(Jpn. J. Cancer Res., 82(7), 854-86
1, 1991)。KKはやはり患者腹水より樹立された(HUM
ANCELL, 6(4), 279-286, 1993)。この細胞株のシスプ
ラチンに対するIC50は0.95μMで弱いながら耐性
を示すと報告されている。またNAKANOも患者腹水
より樹立された株でシスプラチンに対する耐性が見られ
ると報告されている(第55回日本癌学会発表要旨、3
50頁、1996年)。SMOV−2は前述の細胞株と
は異なり、原発腫瘍由来の細胞株である(第57回日本
癌学会発表要旨、501頁、1998年)。しかしシス
プラチンに対しては耐性を示さないと報告されている。
以上示したごとく、原発腫瘍由来で薬剤耐性を示す卵巣
明細胞腺癌株の報告はなく、自然耐性メカニズム検討の
必要性からこのような株の樹立が求められている。
【0004】ところで、最近乳癌を中心に腫瘍の良性・
悪性判定に用いる腫瘍マーカーとしてErbB−2が注
目されている。ErbB−2は分子量185KDaの蛋
白質でHer−2、neuとも呼ばれている。EGF受
容体に類似の構造を持ち、632のアミノ酸よりなるN
末端の細胞外ドメインは糖鎖を多く含み、リガンドとの
結合能を有する。またこのN末端ドメインは切断され、
血清中または培養細胞上清中に放出されることが知られ
ている(Journal of Tumor Marker Oncology, 6,53-72,
1991)。このErbB−2は卵巣癌でも過剰発現し、
新しい予後因子としての可能性が示唆されている(Eur.
J. Obstet. Gynecol. Reprod. Biol., 71(2), 173-17
9, 1997)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように卵巣明細
胞腺癌株は患者腹水より樹立された例が多く、癌の諸性
質を直接反映する原発腫瘍からの樹立報告例は少ない。
また一般に卵巣明細胞腺癌は化学療法剤に対する自然耐
性が知られる。本発明の目的は原発腫瘍由来で薬剤耐性
を有する細胞株を樹立し、クローニングする事により、
薬剤耐性メカニズムを検討する材料を獲得することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、鋭意研究の結果、原発腫瘍由来で、CA125、上
皮性膜抗原、サイトケラチン、ErbB−2、EGF受
容体等の腫瘍マーカーを産生し、シスプラチン、ドキソ
ルビシン等の薬剤に対する薬剤耐性を持ち、さらに初代
培養から無血清培地を用い樹立される卵巣明細胞腺癌株
を見いだすことに成功し、本発明を完成させた。特に初
代培養から無血清培地を用いて卵巣明細胞腺癌株を樹立
した例は初めてである。従って、本発明の第1は初代培
養から無血清培地を用い樹立された卵巣明細胞腺癌由来
の細胞株またはその変異株を提供することである。本発
明の第2は ErbB−2、CA−125、上皮性膜抗
原、サイトケラチンおよびEGF受容体の群から選ばれ
る腫瘍マーカーを少なくとも一つ産生する卵巣明細胞腺
癌由来の細胞株またはその変異株を提供することであ
る。
【0007】本発明の第3はシスプラチンおよび/また
はドキソルビシンに耐性を示す卵巣明細胞腺癌由来の細
胞株またはその変異株を提供することである。本発明の
第4は原発腫瘍から樹立された卵巣明細胞腺癌由来の細
胞株またはその変異株を提供することである。本発明の
第5は寄託番号FERM P−17237及びFERM
P−17238である卵巣明細胞腺癌由来の細胞株ま
たはその変異株を提供することである。本発明の第6は
初代培養から無血清培地を使用し継代を繰り返すことを
特徴とする卵巣明細胞腺癌由来細胞株の樹立方法を提供
することである。本発明の第7は前記細胞株の培養物か
ら、ErbB−2、CA−125、上皮性膜抗原、サイ
トケラチンおよびEGF受容体の群から選ばれる腫瘍マ
ーカーの製造方法を提供することである。
【0008】本発明の第8は腫瘍マーカーがErbB−
2である前記腫瘍マーカーの製造方法を提供することで
ある。本発明の第9は前記細胞株を ErbB−2、C
A−125、上皮性膜抗原、サイトケラチンおよびEG
F受容体の群から選ばれる腫瘍マーカーの陽性コントロ
ールとして使用する方法を提供することである。本発明
の第10は前記細胞株を用い、シスプラチンおよび/ま
たはドキソルビシンの薬剤耐性機構を分析する方法を提
供することである。
【0009】
【発明の実施の形態】摘出した腫瘍はリン酸緩衝生理食
塩水等で洗浄の後、無血清培地にけん濁し培養用のディ
ッシュもしくはフラスコに移す。ここでいう無血清培地
は例えば無機塩、グルコース、ピルビン酸ナトリウム、
各種アミノ酸、各種ビタミンを含む市販ほ乳類細胞培養
基本培地にインスリン、トランスフェリン、EGF、ヒ
ドロコルチゾン、牛血清アルブミン、亜セレン酸ナトリ
ウム等の培地添加物を添加したものでよい。細胞がディ
ッシュに接着した後、おおよそ3〜4日おきに培地の交
換を行う。細胞が増殖し、ディッシュが細胞でいっぱい
になったら例えばトリプシン−EDTA等の細胞解離剤
により継代を行う。この後はおおよそ1〜2週間毎に継
代を繰り返す。細胞の増殖速度が安定するのを目安とし
て、細胞のクローニングを行う。クローニングは限界希
釈法、カップ法、軟寒天法等いずれの方法でもよい。ク
ローニング後もおよそ1週間に一度継代を繰り返し、1
年以上の継続を持って細胞株の樹立とする。
【0010】また、本発明の細胞株を用いてCA12
5、ErbB−2等の腫瘍マーカーを生産することに関
して、初代培養より無血清培地にて培養しているため、
馴化の必要がなく、牛胎児血清を含まないことから培養
上清からの精製が容易である利点を持つ。腫瘍マーカー
の精製方法としては既に公知の、次に記載のいずれかの
方法または組み合わせによる。特異的抗体を利用したイ
ムノアフィニティークロマトグラフィー、その他のアフ
ィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、疎水クロマトグラフィー、等電点クロマトグ
ラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィーである。得られる細胞株は41〜60時間の
倍加時間を持って増殖し、染色体数は3倍体領域に分布
する。またCA125、サイトケラチン、上皮性膜抗
原、ErbB−2、EGF受容体等の腫瘍マーカーを発
現する。またシスプラチン、ドキソルビシン等の薬剤に
対し薬剤耐性を示す。この薬剤耐性を検討する手段とし
ては、例えば多剤耐性関連蛋白質の発現解析、グルタチ
オン・メタロチオネイン濃度の変動測定、薬剤の細胞内
への取り込み量測定がある。
【0011】
【発明の効果】前述細胞株の樹立により、卵巣明細胞腺
癌の抗癌剤に対する自然耐性機構の解明が期待され、よ
り有効な治療法の開発につながる。また腫瘍マーカーの
安定的な供給により、診断精度の向上、迅速化につなが
る。
【0012】
【実施例】以下実施例により、詳しく本発明を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ヒト卵巣腫瘍の採取と初代培養 卵巣明細胞腺癌患者の摘出卵巣より、腫瘍組織片を無菌
的に複数採取した。組織片はリン酸緩衝生理食塩水を含
むシャーレ中で5回洗浄し、GIBCO社製DME/F
12 1:1 Mixture(カタログ番号 113
30)中で血管を多く含む部分をハサミで除き、さらに
メスで細片化した。100μmのナイロン製メッシュで
濾過した後、濾液を15mlポリスチレン製チューブへ
移し約20分間静置、沈さをさらにDME/F12
1:1 Mixture中に浮遊させ同様に15mlポ
リスチレン製チューブへ移し約20分間静置した後、沈
さを回収、下記組成よりなる無血清培地中に浮遊させ、
10%牛胎児血清を含むDME/F12 1:1 Mi
xtureにより表面処理したファルコン社製初代培養
用PRIMARIA60mmディッシュに入れ、37
℃、5%CO2の存在下で培養を開始した。約50日後
0.25%トリプシン−0.02%EDTA溶液により
培養用ディッシュからはがし継代した。
【0013】基本培地組成 GIBCO社製D−MEM
/F12 1:1 Mixtureに対し 10μg/ml インスリン 10μg/ml トランスフェリン 2ng/ml 上皮細胞増殖因子 50nM ヒドロコルチゾン 1mg/ml 牛血清アルブミン 25nM 亜セレン酸ナトリウム 上記成分を各濃度となるように添加したもの。
【0014】実施例2 細胞株の樹立とクローニング 実施例1で得た卵巣腫瘍由来細胞を前述培地で1〜2週
間に一度継代して27代、約10ヶ月培養した後、IW
AKI社製クローニングリングを用いたカップ法により
細胞のクローニングを行った。さらに1週間に1度継代
して40代以上、約12ヶ月培養し2種のクローン(J
AOV−20−7及びJAOV−20−11)を得た。
JAOV−20−7及びJAOV−20−11は、本
発明者らによって平成11年2月24日に通商産業省生
命工学工業技術研究所にそれぞれ寄託番号FERM P
−17237、FERM P−17238として寄託さ
れた。
【0015】実施例3 本発明のヒト細胞株の性質 (1)増殖性 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11について、経時的に細胞数を測定した。25cm2
のコーニング社製フラスコに2.5×105個の細胞を
播種し、3日目より毎日細胞数を測定した(図1)。そ
の結果倍加時間はJAOV−20−7が41時間、JA
OV−20−11が60時間であった。 (2)染色体 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11について培養中の培養液に最終濃度0.1μg/m
lのコルセミドを加え37℃、2時間の処理を行った。
0.25%トリプシン−0.02%EDTA溶液により
細胞を回収し、75mM KClによる低調処理を20
分間行い、その後酢酸1:エタノール3のカルノイ氏液
で固定した。染色体標本は通常の空気乾燥法にて作成し
トリプシン−ギムザ染色法にて染色した後顕微鏡観察し
た。その結果染色体数はともに3倍体領域を中心に分布
した(図2)。
【0016】(3)腫瘍マーカー染色 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11をファルコン社製CultureSlides 8
wellの1wellに対し1.4×104個播種し、
4〜5日間培養、4%パラホルムアルデヒドにより固定
した後、ZYMED社製Histostain SP
KITを用いて免疫組織染色を行った。抗体はCA12
5(ZYMED社ZY−OV5)、CA19−9(同Z
Y−CO9)、CEA(同Col−1)、サイトケラチ
ン(同AE1/AE3)、上皮性膜抗原(同ZCE11
3)、ErbB−2(オンコジーンリサーチプロダクツ
社Ab−2)、EGF受容体(同Ab−1)をそれぞれ
用いた。陰性コントロールとして非免疫のマウスIgG
(ZYMED社)を用いた。その結果を表1に示す。J
AOV−20−7、JAOV−20−11はともにCA
125、 サイトケラチン、上皮性膜抗原、ErbB−
2、EGF受容体陽性であった。
【0017】
【表1】
【0018】実施例4 本発明細胞株による物質生産 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11について7.5×105個を75cm2のフラスコに
播種し前述基本培地15ml中で培養開始、1、3、
7、11日目に、培養上清と、0.25%トリプシン−
0.05%EDTAにより細胞を回収した。培地の交換
は3日目、7日目にそれぞれ全量を廃棄し、リン酸緩衝
生理食塩水で軽く洗浄の後、新鮮な基本培地を添加し
た。回収した細胞は1.0×105個に対し10μlの
下記組成よりなる緩衝液を添加した。 10mM Tris−HCl(pH7.4) 10mg/ml EDTA 50mM NaF 1μg/ml ロイペプチン 1μg/ml ペプスタチン 1mM PMSF
【0019】添加後ミキサーで攪拌し、30秒間超音波
処理を行った。以下の実験はオンコジーンリサーチプロ
ダクツ社製ErbB−2測定キット(Human ne
u Quantitative ELISA)の使用説
明書に従い行った。超音波処理を行った細胞に1/5量
のAntigen Extraction Agent
を添加5分間ミキサーで攪拌後15,000回転で遠心
分離し、上清を回収した。回収した上清の一部はPie
rce社BCA Protein Assayキットに
より蛋白濃度定量を行い、残りをSample Dil
uentにより250倍に希釈しErbB−2測定に使
用した。培養上清は同様に10倍に希釈して測定に使用
した。ErbB−2含有量はJAOV−20−7よりも
JAOV−20−11が高く、培養11日目の濃度は
5.9HNU/μg proteinであった。この値
はErbB−2を中程度産生する乳癌細胞株MCF−7
と同程度である。なお培地中にも可溶性のErbB−2
を分泌する。細胞の増殖に伴い、培地中のErbB−2
濃度は増加する。これについてもJAOV−20−7よ
りもJAOV−20−11が高く、培養開始11日目の
濃度は620HNU/mlとなった(図3)。
【0020】実施例5 本発明細胞株の薬剤耐性 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11について2mlの前述基本培地に懸濁、1.0×1
3個をコーニング社製60mm培養用ディッシュに播
種し、翌日後述の薬剤を添加、1時間の後、薬剤を含む
基本培地を除去し、2mlのリン酸緩衝生理食塩水によ
り軽く洗浄し前述基本培地2mlを添加した。10〜1
4日間培養の後、ホルマリンにより細胞を固定、クリス
タルバイオレットにより染色された細胞コロニーをカウ
ントした。使用した薬剤はシスプラチン(ブリストル・
マイヤーズ・スクイブ社製商品名ブリプラチン)、ドキ
ソルビシン(シグマ社)である。薬剤の濃度はシスプラ
チンが1、2、5、10、20、50μM、ドキソルビ
シンが0.03、0.1、0.3、1、3、10μMで
ある。コントロールのコロニー形成数に対し、半分のコ
ロニーを形成する薬剤濃度をIC50値とすると、シスプ
ラチンのIC50はJAOV−20−7が21μM、JA
OV−20−11が27μM、ドキソルビシンのIC50
はJAOV−20−7が6.1μM、JAOV−20−
11が1.9μMであった(図4)。これらの値はJA
OV−20−7、JAOV−20−11が明細胞癌の持
つ多剤耐性(自然耐性)を有することを示すものであ
る。
【0021】実施例6 多剤耐性関連蛋白質の発現 実施例2で得たJAOV−20−7、JAOV−20−
11を実施例3(3)記載の免疫染色法によりPGP
(P Glycoprotein)、MRP(multidrug resistance p
rotein)、LRP(lung resistance protein)の発現
解析を行った。抗体はPGP(SANBIO BV社J
SB−1)、MRP(同MRPm6)、LRP(同LR
P−56)を用いた。陰性コントロールとして非免疫の
マウスIgG(ZYMED社)を用いた。結果を表2に
示す。JAOV−20−7、JAOV−20−11はと
もにLRPのみ発現が見られた。
【0022】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 JAOV−20−7及びJAOV−20−1
1の増殖曲線を示すグラフ。
【図2】 JAOV−20−7及びJAOV−20−1
1の染色体数の分布を示すグラフ。
【図3】 JAOV−20−7及びJAOV−20−1
1の細胞数および培養上清中、細胞中のErbB−2含
量を示すグラフ。
【図4】 JAOV−20−7及びJAOV−20−1
1のシスプラチン、ドキソルビシンに対する耐性をそれ
ぞれの薬剤濃度でのコロニー形成率で示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒西 成治 東京都杉並区成田西3−5−7 (72)発明者 岡本 愛光 東京都杉並区井草4−5−2 Fターム(参考) 4B065 AA93X AC14 AC15 AC16 AC20 BA21 BA30 BB01 BC01 CA24 CA46 4H045 AA10 AA20 AA30 CA41 DA86 EA51 FA72

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初代培養から無血清培地を用い樹立され
    た卵巣明細胞腺癌由来の細胞株またはその変異株。
  2. 【請求項2】 ErbB−2、CA−125、上皮性膜
    抗原、サイトケラチンおよびEGF受容体の群から選ば
    れる腫瘍マーカーを少なくとも一つ産生する請求項1記
    載の卵巣明細胞腺癌由来の細胞株またはその変異株。
  3. 【請求項3】 シスプラチンおよび/またはドキソルビ
    シンに耐性を示す請求項1記載の卵巣明細胞腺癌由来の
    細胞株またはその変異株。
  4. 【請求項4】 原発腫瘍から樹立された請求項1記載の
    卵巣明細胞腺癌由来の細胞株またはその変異株。
  5. 【請求項5】 寄託番号FERM P−17237及び
    FERM P−17238である請求項1記載の卵巣明
    細胞腺癌由来の細胞株またはその変異株。
  6. 【請求項6】 初代培養から無血清培地を使用し継代を
    繰り返すことを特徴とする卵巣明細胞腺癌由来の細胞株
    の樹立方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の細胞株の培養物から、
    ErbB−2、CA−125、上皮性膜抗原、サイトケ
    ラチンおよびEGF受容体の群から選ばれる腫瘍マーカ
    ーを製造する方法。
  8. 【請求項8】 腫瘍マーカーがErbB−2である請求
    項7の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の細胞株を ErbB−
    2、CA−125、上皮性膜抗原、サイトケラチンおよ
    びEGF受容体の群から選ばれる腫瘍マーカーの陽性コ
    ントロールとして使用する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の細胞株を用い、シス
    プラチンおよび/またはドキソルビシンの薬剤耐性機構
    を分析する方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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