JP2000252761A - フィードフォワード増幅器及びその制御方法 - Google Patents

フィードフォワード増幅器及びその制御方法

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JP2000252761A
JP2000252761A JP11048337A JP4833799A JP2000252761A JP 2000252761 A JP2000252761 A JP 2000252761A JP 11048337 A JP11048337 A JP 11048337A JP 4833799 A JP4833799 A JP 4833799A JP 2000252761 A JP2000252761 A JP 2000252761A
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distortion
amplifier
distortion component
synchronization signal
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Akio Fukuchi
章夫 福地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】映像同期信号を用いて種々の要因に基づく増幅
特性の変化を自動的に補償することのできるフィードフ
ォワード増幅器及びその制御方法を提供する。 【解決手段】入力信号を増幅する主増幅器14からの信
号に含まれる歪み成分を抽出し、該抽出された歪み成分
を増幅して前記主増幅器14の出力に再び注入すること
により歪み成分を相殺し、以て歪み成分が除去された出
力信号を生成するフィードフォワード増幅器であって、
前記入力信号又は前記出力信号に含まれる同期信号を検
出する同期信号検出器50と、該同期信号検出器で映像
同期信号が検出されている間に当該フィードフォワード
増幅器の内部信号に含まれる歪み成分の大きさを検出す
る誤差検出手段30、40と、該誤差検出手段における
検出結果に基づき前記出力信号に含まれる歪み成分が除
去されるように制御する制御手段70、80、を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテレビジョ
ン放送中継装置で使用されるフィードフォワード増幅器
及びその制御方法に関し、特に増幅時に発生する歪みを
抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放送中継装置(サテライト)で
は、受信されたテレビジョン放送信号をそのまま再送出
するために、該テレビジョン放送信号に含まれる映像変
調信号と音声変調信号とが電力増幅器によって同時に増
幅される。その結果、これらの信号に、同時増幅に起因
する相互変調歪みが発生する。
【0003】図3は、実際のテレビジョン放送に用いら
れているテレビジョン放送信号(赤色の画像をNTSC
方式で変調した信号)を一般的な電力増幅器で増幅した
信号のスペクトラムの波形を示す。図3に示すように、
映像変調信号、音声変調信号、色変調信号の各波形が見
られる。また、図3には、映像変調信号、音声変調信
号、色変調信号を同時に増幅することに起因して発生す
る相互変調歪みが見られる。
【0004】放送中継に用いられる放送中継装置は、テ
レビジョン放送信号を受信しそのまま大電力にまで増幅
するので、相互変調歪みを低減することが大きな課題と
なっており、しかも、この相互変調歪みは不要輻射であ
るので厳しく抑圧することが要求されている。
【0005】従来の放送中継装置では、このような歪み
を抑圧するために、一般的に、電力増幅器にバックオフ
を持たせることにより、即ち出力を最大出力より低減さ
せることが行われている。しかしながら、この方法で
は、電力効率の悪化を伴うので、歪み特性の改善に限界
がある。
【0006】そこで、歪み特性を大きく改善するため
に、フィードフォワード増幅器を利用することが提案さ
れている。ところが、フィードフォワード増幅器の構成
要素には伝達関数が安定であること要求されるので、温
度などの環境の変化や経年変化に基づく増幅特性の変化
を何らかの方法で補償しなければならない。
【0007】このような補償を行う技術として、例え
ば、特開平1−198809号公報には、パイロット信
号を用いてフィードフォワード増幅器を自動制御する
「フィードフォワード増幅器の自動制御回路」が開示さ
れている。しかし、このパイロット信号を用いた制御方
式では、自動制御が不完全な時にパイロット信号が漏洩
するという問題がある。このパイロット信号は本来伝送
される信号でないので、パイロット信号の漏洩により不
要な輻射が行われることになる。また、テレビジョン放
送信号の場合、パイロット信号の漏洩は受像器の画面に
縞模様を発生させ、画質を劣化させる。
【0008】なお、関連する技術として、特開平5−2
18926号公報に「テレビジョン中継放送機の電力増
幅装置」が開示されている。この電力増幅装置は、電力
増幅器と、これに並列接続した自己調整型フィードフォ
ワード非線型歪補償回路とから構成されている。自己調
整型フィードフォワード非線型歪補償回路は、電力増幅
器で増幅される前の信号と、増幅された後の信号とから
歪成分を抽出し、この歪成分を電力増幅器の出力信号の
レベルまで増幅し、かつ逆相とした上で電力増幅器から
の出力信号に加える。これにより、歪が相殺されて非線
型歪が補償される。その結果、電力増幅装置で発生され
る歪が種々の要因によって変化した場合にも、好適な歪
補償が可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、相互変調歪
みを有するテレビジョン放送信号(模式図)は図4に示
すような特性を有する。最も電力の大きい信号は映像変
調信号であり、次に大きい信号は音声変調信号である。
音声変調信号は映像変調信号より4.5MHz高い周波
数を有するので、最も大きい相互変調歪みは映像変調信
号より4.5MHz低い周波数に現れる。
【0010】図5に映像信号と映像変調信号(被変調波
形)の波形例を示す(日本放送協会編 NHKテレビ技
術教科書[上]P.20 日本放送出版協会)。実際の
テレビジョン放送に用いられている信号では映像変調に
振幅変調を採用しているため、伝送する映像信号に依存
し電力が変化する。しかし、映像信号の中に挿入されて
いる映像同期信号は、伝送内容によらず一定の値であ
る。また、日本をはじめ多くの国では映像同期信号が映
像信号の中で最大の電力となる変調方式を採用してい
る。
【0011】また、電力増幅器の場合、出力が大きくな
ると歪みが増加する傾向があるので、最大出力を送出し
ている時の歪みを最小にすることができれば、より小さ
い出力を送出している時は、より良好な特性が得られる
ことが期待できる。以上から、最大電力である映像同期
信号を送出している時の相互変調を最良にすることで、
総合的な相互変調歪みを良好になることが期待できる。
【0012】そこで、本発明の目的は、映像同期信号を
用いて種々の要因に基づく増幅特性の変化を自動的に補
償することのできるフィードフォワード増幅器及びその
制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、テレビジョン
放送信号の場合、映像同期信号が最大電力であるため、
映像同期信号を送出している時の歪みが最も大きい点及
び映像同期信号は伝送内容に依存しないので安定した制
御が可能になる点に注目し、映像同期信号が送出されて
いる期間だけ歪みを検出し、該歪みを補償するようにし
ている。
【0014】本発明の第1の態様に係るフィードフォワ
ード増幅器は、上記目的を達成するために、入力信号を
増幅する主増幅器からの信号に含まれる歪み成分を抽出
し、該抽出された歪み成分を増幅して前記主増幅器の出
力に再び注入することにより歪み成分を相殺し、以て歪
み成分が除去された出力信号を生成するフィードフォワ
ード増幅器であって、前記入力信号又は前記出力信号に
含まれる同期信号を検出する同期信号検出器と、該同期
信号検出器で同期信号が検出されている間に当該フィー
ドフォワード増幅器の内部信号に含まれる歪み成分の大
きさを検出する誤差検出手段と、該誤差検出手段におけ
る検出結果に基づき前記出力信号に含まれる歪み成分が
除去されるように制御する制御手段、を備えている。
【0015】より詳しくは、本発明の第1の態様に係る
フィードフォワード増幅器は、入力信号を増幅する主増
幅器からの信号に含まれる歪み成分を抽出する歪み抽出
手段と、該歪み抽出手段で抽出された歪み成分を副増幅
器で増幅して前記主増幅器の出力に再び注入することに
より歪み成分を相殺して歪みが除去された出力信号を生
成する歪み除去手段、とを有するフィードフォワード増
幅器であって、前記入力信号又は前記出力信号に含まれ
る同期信号を検出する同期信号検出器と、該同期信号検
出器で同期信号が検出されている間に前記歪み抽出手段
及び前記歪み除去手段の内部信号に含まれる歪み成分の
大きさを検出する誤差検出手段と、該誤差検出手段にお
ける検出結果に基づき前記出力信号に含まれる歪み成分
の大きさが最小になるように制御する制御手段、とを備
えている。
【0016】本発明の第1態様に係るフィードフォワー
ド増幅器においては、前記誤差検出手段は、前記同期信
号検出器で同期信号が検出されている間に前記副増幅器
からの信号の大きさを検出する第1誤差検出器と、前記
同期信号検出器で同期信号が検出されている間に前記出
力信号中の歪み成分の大きさを検出する第2誤差検出
器、とを備え、前記制御回路は、前記第1誤差検出器の
検出結果が最小になるように前記歪み抽出手段を制御す
る第1制御回路と、前記第2誤差検出器の検出結果が最
小になるように前記歪み除去手段を制御する第2制御回
路、とを備えて構成できる。
【0017】また、前記入力信号としてテレビジョン放
送信号を用いることができ、前記同期信号検出器は、該
テレビジョン放送信号に含まれる映像信号中の映像同期
信号を検出するように構成できる。
【0018】本発明の第1の態様に係るフィードフォワ
ード増幅器によれば、特開平1−198809号公報に
記述されているパイロット信号を使用しないで自動制御
が行われる。その結果、自動制御が不完全な時にパイロ
ット信号が漏洩するという問題がないので、パイロット
信号の漏洩により不要な輻射が行われたり、また、テレ
ビジョン放送信号の場合、パイロット信号の漏洩に起因
する受像器の画面に縞模様を発生させ画質を劣化させる
という問題も解消される。
【0019】また、このフィードフォワード増幅器は、
同期信号が含まれる入力信号を増幅するあらゆる装置、
例えば映像同期信号が含まれるテレビジョン放送信号を
増幅する場合に適用できる。また、テレビジョン放送信
号の場合、映像同期信号が最大電力であるため、映像同
期信号を送出している時の歪みが最も大きい。このフィ
ードフォワード増幅器によれば、この歪みが最も大きい
部分で歪み成分の大きさが検出されるので検出精度が大
きくなり、正確な歪み除去が可能になる。また、映像同
期信号は伝送内容に依存しないため、安定した制御が可
能となる。更に、映像同期信号の周期は短いので高速な
制御ができる。
【0020】また、本発明の第2の態様に係るフィード
フォワード増幅器の制御方法は、上記と同様の目的で、
入力信号を増幅する主増幅器からの信号に含まれる歪み
成分を抽出し、該抽出された歪み成分を副増幅器で増幅
して前記主増幅器の出力に再び注入することにより歪み
成分を相殺して歪みが除去された出力信号を生成するフ
ィードフォワード増幅器の制御方法であって、前記入力
信号又は前記出力信号から同期信号を検出する第1ステ
ップと、該同期信号が検出されている間に前記フィード
フォワード増幅器の内部信号に含まれる歪み成分の大き
さを検出する第2ステップと、該検出結果に基づき前記
出力信号に含まれる歪み成分の大きさが最小になるよう
に制御する第3ステップ、とを備えている。
【0021】本発明の第2の態様に係るフィードフォワ
ード増幅器の制御方法では、前記第2ステップは、前記
同期信号が検出されている間に前記副増幅器からの信号
の大きさを検出する第4ステップと、前記同期信号が検
出されている間に前記出力信号の大きさを検出する第5
ステップ、とを備え、前記第3ステップは、前記第4ス
テップでの検出結果が最小になるように制御するステッ
プと、前記第5ステップでの検出結果が最小になるよう
に制御するステップ、とを備えるように構成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態1に係
るフィードフォワード増幅器を図面を参照しながら詳細
に説明する。この実施の形態1ではテレビジョン放送に
使用される信号を取り扱うものとする。従って、フィー
ドフォワード増幅器には、入力信号としてテレビジョン
放送信号が入力されるものとする。
【0023】図1は、本発明の実施の形態1に係るフィ
ードフォワード増幅器の構成を示す回路図である。この
フィードフォワード増幅器は、キャリアキャンセルルー
プ10、歪みキャンセルループ20、第1誤差検出器3
0、第2誤差検出器40、同期信号検出器50、第5方
向性結合器60、第1制御回路70及び第2制御回路8
0から構成されている。本発明の歪み抽出手段はキャリ
アキャンセルループ10に、歪み除去手段は歪みキャン
セルループ20にそれぞれ対応する。
【0024】キャリアキャンセルループ10は、入力信
号を所定の電力になるように増幅した信号の中からキャ
リアをキャンセルし、歪み成分だけを抽出する機能を有
する。歪みキャンセルループ20は、キャリアキャンセ
ルループ10で抽出された歪み成分を増幅し、この増幅
された信号と上記入力信号を増幅した信号とを合成する
ことにより歪み成分をキャンセルする機能を有する。
【0025】キャリアキャンセルループ10は、分配器
12、第1ベクトル調整器13、主増幅器14、第1方
向性結合器15、第1遅延手段16及び第2方向性結合
器17から構成されている。以下では、入力端子11か
ら分配器12、第1ベクトル調整器13、主増幅器14
及び第1方向性結合器15を経由して第2方向性結合器
17へ至る経路を「第1経路」という。また、入力端子
11から分配器12、第1遅延手段16を経由して第2
方向性結合器17へ至る経路を「第2経路」という。
【0026】分配器12は、入力端子11から入力され
る入力信号を2つに分配し、一方の信号を第1ベクトル
調整器13に供給し、他方の信号を第1遅延手段16に
供給する。
【0027】第1ベクトル調整器13は、第1制御回路
70からの信号に応答して、分配器12からの信号の振
幅及び位相を調整する。具体的には、第1ベクトル調整
器13は、第2経路の伝達関数に対する第1経路の伝達
関数を調整することにより、第2方向性結合器17に入
力される2つの信号の振幅が等しく位相が逆になるよう
に制御する。
【0028】この第1ベクトル調整器13からの信号
は、主増幅器14に供給される。主増幅器14は、第1
ベクトル調整器13からの信号を所定の電力になるよう
に増幅し、歪みキャンセルループ20の第2遅延手段2
5に供給する。第1方向性結合器15は、主増幅器14
からの出力信号の一部を取り出し、第2方向性結合器1
7に供給する。
【0029】第1遅延手段16は、上記分配器12で2
分配された他方の信号を適当な時間だけ遅延させ、第2
方向性結合器17に供給する。第2方向性結合器17
は、第1方向性結合器15からの信号と第1遅延手段1
6からの信号とを合成し、歪みキャンセルループ20の
第2ベクトル調整器22に供給する。
【0030】ここで、上記第1ベクトル調整器13によ
って、第1方向性結合器15からの信号の振幅が第1遅
延手段16からの信号の振幅に等しく、且つこれら両信
号の位相が逆になるように制御されているので、第2方
向性結合器17の出力端にて主信号と第1遅延手段16
からの信号とが打ち消し合う。ここで、主信号とは、主
増幅器14で増幅された信号から主増幅器14に起因す
る歪みが除去された信号をいう。その結果、第2方向性
結合器17からは歪み成分を表す信号のみが出力され
る。この歪み成分を表す信号は、歪みキャンセルループ
20の第2ベクトル調整器24に供給される。
【0031】以上のように、キャリアキャンセルループ
10は、入力端子11へ入力された入力信号に相当する
信号を歪みキャンセルループ20の誤差増幅器23に印
可しないようにする機能、換言すれば、主増幅器14に
おける増幅に伴って発生された歪み成分を表す信号のみ
を歪みキャンセルループ20の誤差増幅器23に印可す
る機能を有する。
【0032】次に、歪みキャンセルループ20は、第2
ベクトル調整器22、誤差増幅器23、第4方向性結合
器24、第2遅延手段25及び第3方向性結合器26か
ら構成されている。以下では、第2方向性結合器から第
2ベクトル調整器22及び誤差増幅器23を経由して第
3方向性結合器26へ至る経路を「第3経路」という。
また、第1方向性結合器15から第2遅延手段25を経
由して第3方向性結合器26へ至る経路を「第4経路」
という。
【0033】第2ベクトル調整器22は、第2制御回路
80からの信号に応答して、第2方向性結合器17から
の歪み成分を表す信号の振幅及び位相を調整する。具体
的には、第2ベクトル調整器22は、第4経路に対する
第3経路の伝達関数を調整することにより、第3方向性
結合器26に入力される2つの信号の振幅が等しく位相
が逆になるように制御する。
【0034】この第2ベクトル調整器22からの信号
は、誤差増幅器23に供給される。誤差増幅器23は、
第2ベクトル調整器22からの信号を増幅し、第3方向
性結合器26に供給される。
【0035】第2遅延手段25は、主増幅器14からの
出力信号を適当な時間だけ遅延させ、第3方向性結合器
26に供給する。第3方向性結合器26は、第2遅延手
段25からの信号と誤差増幅器23からの信号とを合成
し、出力端子21に出力する。
【0036】ここで、上記第2ベクトル調整器22によ
って、第2遅延手段25からの信号に含まれる歪み成分
の振幅が誤差増幅器23からの信号で表される歪み成分
の振幅に等しく、且つこれら両信号の位相が逆になるよ
うに制御されているので、第3方向性結合器26の出力
端にて、第1方向性結合器15からの信号に含まれる歪
み成分と誤差増幅器23からの信号に含まれる歪み成分
とが打ち消し合う。その結果、第3方向性結合器26
は、入力端子11に入力された入力信号を主増幅器14
で増幅した信号(主信号)のみを出力するので、出力端
子21からは主増幅器14で発生された歪みが除去され
た信号が出力信号として出力される。
【0037】以上のように、歪みキャンセルループ20
は、主増幅器14での増幅作用に起因して発生された歪
み成分が出力端子21に現れないようにする機能、換言
すれば、主増幅器14で増幅された主信号のみを出力端
子21から出力する機能を有する。
【0038】第5方向性結合器60は、第2遅延手段2
5からの歪み補償が行われた信号の一部を取り出し、第
2誤差検出器40及び同期信号検出器50に供給する。
【0039】同期信号検出器50は、検波器51と比較
器52とから構成されている。検波器51は、第5方向
性結合器60からの信号を検波して比較器52に供給す
る。比較器52は、検波器51からの信号を所定値と比
較することにより、該信号が映像同期信号であるかどう
かを検出する。そして、映像同期信号であることが検出
されると、該映像同期信号に同期したサンプリング制御
信号を生成し、第1誤差検出器30及び第2誤差検出器
40に供給する。
【0040】第4方向性結合器24は、誤差増幅器23
からの信号の一部を取り出し、第1誤差検出器30に供
給する。
【0041】第1誤差検出器30は、本発明の誤差検出
手段の一部を構成する。この第1誤差検出器30は、広
帯域な検波器31とサンプルアンドホールド回路(S/
H)32から構成されている。検波器31は、第4方向
性結合器24からの信号を検波し、サンプルアンドホー
ルド回路32に供給する。
【0042】サンプルアンドホールド回路32は、同期
信号検出器50からのサンプリング制御信号に応答して
検波器31からの信号(誤差電圧)をサンプリングす
る。従って、出力端子21から映像同期信号が送出され
ている間は、検波器31からの信号(誤差電圧)がサン
プリングされ、映像同期信号以外の信号が送出されてい
る間は、先にサンプリングされた誤差電圧が保持され
る。これにより、誤差増幅器23から出力される信号の
大きさが検出されることになる。このサンプルアンドホ
ールド回路32からの信号は第1制御回路70に供給さ
れる。
【0043】第1制御回路70は、本発明の制御手段の
一部を構成する。この第1制御回路70は、サンプルア
ンドホールド回路32からの信号に基づいて、第1誤差
検出器30で検出される誤差電圧が最小になるように、
第1ベクトル調整器13の伝達関数を制御する。これに
より、第1ベクトル調整器13における通過損失・移相
量が自動制御される。その結果、第2方向性結合器17
から歪み成分を表す信号のみが出力されるようにキャリ
アキャンセルループ10を制御することができる。ま
た、映像同期信号は伝送内容に依存しないので、この方
法により安定な制御が実現可能である。また、映像同期
信号の周期は短いので、高速な制御が可能である。
【0044】第2誤差検出器40は、本発明の誤差検出
手段の他の一部を構成する。この第2誤差検出器40に
は、第5方向性結合器60からの信号が入力される。第
2誤差検出器40は、帯域通過ろ波器41、検波器42
及びサンプルアンドホールド回路(S/H)43から構
成されている。帯域通過ろ波器41は、第5方向性結合
器60からの信号に含まれる主信号の通過を阻止し歪み
信号だけ通過させる。この帯域通過ろ波器41を通過し
た信号は検波器42に供給される。検波器42は、帯域
通過ろ波器41からの信号を検波し、サンプルアンドホ
ールド回路43に供給する。
【0045】サンプルアンドホールド回路43は、同期
信号検出器50からのサンプリング制御信号に応答して
検波器42からの信号をサンプリングする。従って、出
力端子21から映像同期信号が送出されている間は、検
波器42からの信号がサンプリングされ、映像同期信号
以外の信号が送出されている間は、先にサンプリングさ
れた誤差電圧が保持される。
【0046】これにより、第3方向性結合器26によっ
て歪み補償が行われた信号に含まれる歪み成分の大きさ
が検出されることになる。なお、歪み補償が完璧に行わ
れれば、この歪み成分は存在しない。このサンプルアン
ドホールド回路32からの信号は第2制御回路80に供
給される。
【0047】第2制御回路80は、本発明の制御手段の
他の一部を構成する。この第2制御回路80は、サンプ
ルアンドホールド回路43からの信号に基づいて、第2
誤差検出器40で検出される誤差電圧が最小になるよう
に、第2ベクトル調整器22の伝達関数を制御する。こ
れにより、第2ベクトル調整器22における通過損失・
移相量が自動制御されることになる。その結果、第3方
向性結合器26から、歪み成分が除去された主信号のみ
が出力されるように歪みキャンセルループ20を制御す
ることができる。
【0048】次に、本発明の他の実施の形態2に係るフ
ィードフォワード増幅器を、図2を参照しながら説明す
る。この実施の形態2に係るフィードフォワード増幅器
は、同期信号検出器50に入力される信号が上述した実
施の形態1に係るフィードフォワード増幅器と異なる。
【0049】即ち、実施の形態1に係るフィードフォワ
ード増幅器では、歪みキャンセルループ20で歪み補償
された後の信号が入力されるが、この実施の形態2に係
るフィードフォワード増幅器では、入力端子11からの
入力信号が入力される。その他の構成は上述した実施の
形態1に係るフィードフォワード増幅器と同じである。
【0050】また、この実施の形態2に係るフィードフ
ォワード増幅器の同期信号検出器50から出力されるサ
ンプリング制御信号は、実施の形態1に係るフィードフ
ォワード増幅器の同期信号検出器50から出力されるサ
ンプリング制御信号全く同じである。従って、この実施
の形態2に係るフィードフォワード増幅器の動作も、上
述した実施の形態1に係るフィードフォワード増幅器の
動作と同じである。
【0051】以上のように、本発明の実施の形態1及び
2に係るフィードフォワード増幅器では、増幅すべき信
号に映像同期信号を含んでいるというテレビジョン放送
信号の特徴を利用して自動制御するようにしているの
で、自動制御のためだけに用いる特別なパイロット信号
を用いなくてもフィードフォワード増幅器の自動制御が
可能になる。
【0052】その結果、従来自動制御に必要であったパ
イロット信号を発生する発振器が不要になり、製造コス
トが少ないフィードフォワード増幅器を製造できる。ま
た、自動制御に異常が生じた場合でも、スプリアス輻射
の可能性が少ないフィードフォワード増幅器を製造でき
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
映像同期信号を用いて種々の要因に基づく増幅特性の変
化を自動的に補償することのできるフィードフォワード
増幅器及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るフィードフォワー
ド増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係るフィードフォワー
ド増幅器の構成を示すブロック図である。
【図3】実際のテレビジョン放送に用いられているテレ
ビジョン放送信号を一般的な電力増幅器で増幅した信号
のスペクトラムの波形を示す。
【図4】相互変調歪みを有するテレビジョン放送信号の
特性を示す図である。
【図5】映像信号と映像変調信号(被変調波形)の波形
例を示す図である。
【符号の説明】 10 キャリアキャンセルループ 11 入力端子 12 分配器 14 主増幅器 15 第1方向性結合器 16 第1遅延手段 17 第2方向性結合器 20 歪みキャンセルループ 21 出力端子 23 誤差増幅器 24 第4方向性結合器 25 第2遅延手段 26 第3方向性結合器 30 第1誤差検出器 31、42、51 検波器 32、43 サンプルアンドホールド回路 40 第2誤差検出器 41 帯域通過ろ波器 50 同期信号検出器 52 比較器 60 第5方向性結合器 70 第1制御回路 80 第2制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA27 FA08 GN02 GN05 GN07 HN03 HN08 HN10 KA15 KA19 KA55 MA14 SA14 TA01 TA03 TA06 5K072 AA04 BB03 BB04 BB14 BB27 DD16 DD17 EE18 FF06 FF11 GG09 GG22 GG25 GG27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を増幅する主増幅器からの信号に
    含まれる歪み成分を抽出し、該抽出された歪み成分を増
    幅して前記主増幅器の出力に再び注入することにより歪
    み成分を相殺し、以て歪み成分が除去された出力信号を
    生成するフィードフォワード増幅器であって、 前記入力信号又は前記出力信号に含まれる同期信号を検
    出する同期信号検出器と、 該同期信号検出器で同期信号が検出されている間に当該
    フィードフォワード増幅器の内部信号に含まれる歪み成
    分の大きさを検出する誤差検出手段と、 該誤差検出手段における検出結果に基づき前記出力信号
    に含まれる歪み成分が除去されるように制御する制御手
    段、とを備えたフィードフォワード増幅器。
  2. 【請求項2】入力信号を増幅する主増幅器からの信号に
    含まれる歪み成分を抽出する歪み抽出手段と、該歪み抽
    出手段で抽出された歪み成分を副増幅器で増幅して前記
    主増幅器の出力に再び注入することにより歪み成分を相
    殺して歪みが除去された出力信号を生成する歪み除去手
    段、とを有するフィードフォワード増幅器であって、 前記入力信号又は前記出力信号に含まれる同期信号を検
    出する同期信号検出器と、 該同期信号検出器で同期信号が検出されている間に前記
    歪み抽出手段及び前記歪み除去手段の内部信号に含まれ
    る歪み成分の大きさを検出する誤差検出手段と、 該誤差検出手段における検出結果に基づき前記出力信号
    に含まれる歪み成分の大きさが最小になるように制御す
    る制御手段、とを備えたフィードフォワード増幅器。
  3. 【請求項3】前記誤差検出手段は、 前記同期信号検出器で同期信号が検出されている間に前
    記副増幅器からの信号の大きさを検出する第1誤差検出
    器と、 前記同期信号検出器で同期信号が検出されている間に前
    記出力信号中の歪み成分の大きさを検出する第2誤差検
    出器、とを備え、 前記制御回路は、 前記第1誤差検出器の検出結果が最小になるように前記
    歪み抽出手段を制御する第1制御回路と、 前記第2誤差検出器の検出結果が最小になるように前記
    歪み除去手段を制御する第2制御回路、とを備えた請求
    項2に記載のフィードフォワード増幅器。
  4. 【請求項4】前記入力信号はテレビジョン放送信号であ
    り、前記同期信号検出器は、該テレビジョン放送信号に
    含まれる映像信号中の映像同期信号を検出する請求項1
    乃至3の何れか1項に記載のフィードフォワード増幅
    器。
  5. 【請求項5】入力信号を増幅する主増幅器からの信号に
    含まれる歪み成分を抽出し、該抽出された歪み成分を副
    増幅器で増幅して前記主増幅器の出力に再び注入するこ
    とにより歪み成分を相殺して歪みが除去された出力信号
    を生成するフィードフォワード増幅器の制御方法であっ
    て、 前記入力信号又は前記出力信号から同期信号を検出する
    第1ステップと、 該同期信号が検出されている間に前記フィードフォワー
    ド増幅器の内部信号に含まれる歪み成分の大きさを検出
    する第2ステップと、 該検出結果に基づき前記出力信号に含まれる歪み成分の
    大きさが最小になるように制御する第3ステップ、とを
    備えたフィードフォワード増幅器の制御方法。
  6. 【請求項6】前記第2ステップは、 前記同期信号が検出されている間に前記副増幅器からの
    信号の大きさを検出する第4ステップと、 前記同期信号が検出されている間に前記出力信号の大き
    さを検出する第5ステップ、とを備え、 前記第3ステップは、 前記第4ステップでの検出結果が最小になるように制御
    するステップと、 前記第5ステップでの検出結果が最小になるように制御
    するステップ、とを備えた請求項5に記載のフィードフ
    ォワード増幅器の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100484507B1 (ko) * 2002-08-29 2005-04-20 학교법인 포항공과대학교 피드포워드 증폭기 및 피드포워드 증폭기의 성능 개선 방법

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