JP2006093873A - Eer変調増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波増幅器の電源制御によって振幅変調を行うとき、変調歪みを抑制すること。
【解決手段】 入力された高周波信号はポーラ変調部102で振幅信号と位相変調信号とに分離され、振幅信号は振幅増幅部104で増幅されて終段高周波増幅器107の電源端子に入力される。位相変調信号は前置高周波増幅器105と終段高周波増幅器107で増幅及び振幅変調が行われて変調増幅信号が出力される。このとき、終段高周波増幅器107は、方向性結合器106、遅延線108、振幅調整器109、移相器110、及び方向性結合器111からなるフィードフォワード回路113を用いてフィードフォワード制御を行い、振幅変調によって生じた変調増幅信号の特性劣化の改善を行う。つまり、終段高周波増幅器107に入力される位相変調信号の一部と終段高周波増幅器107から出力される漏洩信号とを同振幅・逆位相で加算して変調歪み成分を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波信号を位相成分及び振幅成分に分離して効率のよい変調増幅を行うEER変調増幅装置に関する。
従来より、無線通信機などにおいては、高効率な変調増幅性能を有するEER(Envelope Elimination and Restoration:包絡線除去及び復元)変調増幅装置を用いた増幅方式が利用されている。このEER変調増幅装置は、BクラスまたはEクラスの飽和増幅器を用いて高周波信号の増幅を行い、さらに、飽和増幅器における最終段増幅部の電源端子に振幅信号を入力することにより振幅変調を行っている。したがって、このEER変調増幅装置は、本来の高周波増幅器による線形増幅機能に変調機能が付加された複合機能を有している(例えば、特許文献1参照)。尚、高周波増幅器による線形増幅は、歪補償回路による歪補償によって容易に実現することができる(例えば、特許文献2参照)。
図6は、従来から用いられているEER変調増幅装置の基本的な回路構成図である。このEER変調増幅装置は、ベースバンド入力端子401から入力された高周波信号を振幅成分と位相成分とに分離するポーラ変調部402と、振幅成分に分離された振幅信号を遅延させるためのインダクタンスなどの遅延線403と、振幅信号を増幅する振幅増幅部404と、位相成分に分離された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)をプレ増幅する前置高周波増幅器405と、前置高周波増幅器405から出力された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)を最終段で増幅すると共に振幅増幅部404から出力された振幅信号の振幅変調を行う終段高周波増幅器406とを備えた構成となっている。
このように構成されたEER変調増幅装置において、ベースバンド入力端子401より入力された高周波信号は、ポーラ変調部402で振幅信号と一定振幅の高周波位相変調信号(RF位相変調信号)とに分離されて出力される。そして、ポーラ変調部402より出力された振幅信号は、遅延線403によって所定の信号遅延が行われた後に振幅増幅部404によって振幅増幅され、増幅された振幅信号は終段高周波増幅器406の電源端子に入力される。一方、ポーラ変調部402から出力された一定振幅の高周波位相変調信号(RF位相変調信号)は、前置高周波増幅器405でプレ増幅されて終段高周波増幅器406へ入力される。
ここで、終段高周波増幅器406の電源端子に振幅信号が入力されることによって、終段高周波増幅器406は、ポーラ変調部402から入力された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の増幅と同時に振幅変調を行って変調増幅信号を出力端子407から出力する。このようにしてEER変調増幅装置(RF位相変調信号)は高効率な変調合成を行うことができる。つまり、一定振幅の高周波位相変調信号(RF位相変調信号)は、BクラスまたはEクラスの高周波飽和増幅器を用いることによって極めて高効率な信号増幅を行うことが可能となる。このとき、振幅増幅部404は、PWM制御などによって極めて高効率に振幅信号の増幅を行うが、ここで行われるPWM制御については周知の技術であるのでその説明は省略する。
ところで、終段高周波増幅器406は、高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の増幅機能と電源制御による振幅変調の機能とを有しているため、広いダイナミックレンジで線形性の優れた振幅変調性能を得ることは極めて難しく、通常の使用状態では変調増幅信号に変調歪みなどが発生しやすい。特に、移動体通信の基地局増幅装置などでは、隣接チャネルの漏洩電力の仕様が厳しくなっているため、変調歪みによる隣接チャネルへのノイズを抑圧することは極めて重要な課題となっているので、このような変調歪みの発生は極力抑える必要がある。
そこで、変調増幅信号に変調歪みを発生させないような対策として、ベースバンド信号でのディジタル信号処理によって変調歪みを補償する技術が提案されている。この技術は、高周波増幅器の歪み発生要因である非線形特性を歪補償テーブルとしてベースバンド部にあらかじめ備えておき、高周波増幅器の出力信号が線形特性となるように、歪補償テーブルを参照してベースバンド信号に歪補正処理を施すものである(例えば,特許文献3参照)。
特許第3207153号公報 特公平7−87303号公報 特開2002−223171号公報
しかしながら、図6に示すようなEER変調増幅装置における終段高周波増幅器は、振幅変調に対する基本的なダイナミックレンジを有していないので、上記の特許文献3に提案されているような変調歪み補償の方法では、出力される変調増幅信号に対して充分に変調歪みの補正が行われない。そのため、無線通信機などに好んで利用されるEER変調増幅装置であるにもかかわらず、変調歪みによる隣接チャネルへのノイズを抑制することができないので、移動体通信などの基地局増幅装置として利用する場合の使い勝手が極めて悪い。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高周波増幅器の電源制御によって振幅変調を行うとき、広いダイナミックレンジで線形性が得られて変調歪みを抑制できるようなEER変調増幅装置を提供することを目的とする。
本発明のEER変調増幅装置は、ポーラ変調部が入力された高周波信号から位相変調信号と振幅信号とを分離し、高周波増幅器が振幅信号に基づいて自己の電源電圧を制御されることにより、その高周波増幅器から所望の変調増幅信号を出力するEER変調増幅装置であって、高周波増幅器へ入力される位相変調信号の一部とその高周波増幅器の出力側に現われた漏洩信号とを同振幅かつ逆位相で加算するフィードフォワード回路を具備する構成を採る。
また、本発明のEER変調増幅装置においては、前記ポーラ変調部は振幅検出器とI/Q直交変調器とによって構成され、かつ、前記フィードフォワード回路は第1のフィードフォワード回路と第2のフィードフォワード回路とによる構成を採っている。そして、第1のフィードフォワード回路は、I/Q直交変調器から出力される位相変調信号の一部と高周波増幅器から出力される漏洩信号とを、第1の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算し、出力される変調増幅信号より変調歪み成分のみを検出し、第2のフィードフォワード回路は、第1のフィードフォワード回路で検出された変調歪み成分を、第2の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算することによって変調歪み成分を除去するようにした構成を採っている。
また、本発明のEER変調増幅装置においては、前記ポーラ変調部は振幅検出器とI/Q直交変調器とによって構成され、かつ、前記フィードフォワード回路は第1のフィードフォワード回路と第2のフィードフォワード回路とによる構成を採っている。そして、第1のフィードフォワード回路は、I/Q直交変調器から出力される位相変調信号の一部と歪み検出用変調増幅器から出力される漏洩信号とを第1の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算して、歪み検出用変調増幅器から出力される変調増幅信号から変調歪み成分を検出し、第2のフィードフォワード回路は、第1のフィードフォワード回路で検出された変調歪み成分を、第2の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算することによって変調歪み成分を除去するような構成を採っている。
請求項1に記載の発明によれば、高周波増幅器の入出力間にフィードフォワード回路を設けることにより、その高周波増幅器の入出力間のアイソレーションが改善され、充分なダイナミックレンジの振幅変調において変調歪みが除去されるので、変調特性の極めて優れた変調増幅信号を出力するEER変調増幅装置を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、EER変調増幅装置の入出力間に2つのフィードフォワード回路を設けることにより、高周波増幅器の電源制御によって振幅変調を行っても広いダイナミックレンジで極めて高精度な線形性が得られるために、出力される変調増幅信号の変調歪みをほぼ完全に抑制することができる。これによって、隣接チャネルの漏洩電力仕様が厳しい無線通信機器、基地局装置、あるいは移動体通信機器の増幅装置として利用しても、隣接チャネルへノイズ障害を及ぼすおそれはなくなるので、極めて使い勝手のよいEER変調増幅装置を実現することができる。したがって、増幅効率が高く、かつ隣接チャネルへ漏洩電力が流れないような優れた変調増幅装置を構築することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1のフィードフォワード回路で変調歪みを検出するとき、別に設けた歪み検出用変調増幅器を変調増幅器としている。このため、終段の高周波増幅器より以降で遅延線を削除することができる。これによって、出力ラインに遅延線がない分だけの信号伝送ロスを低減することができるので、増幅効率の性能をさらに向上させることが可能となる。
本発明のEER変調増幅装置は、高周波増幅器にフィードフォワード回路を付加することによって変調増幅信号の変調歪みを補正している。ここで用いられるフィードフォワード回路は、キャパシタンスCと相互インダクタンスMによって構成されていて信号を2つ系統に分けるための方向性結合器、インダクタンスからなる遅延線、高周波増幅器の入出力信号間の振幅調整を行うための可変抵抗などによる振幅調整器、及び高周波増幅器の入出力信号間の位相シフトを行う移相器などによる高周波回路によって構成されている。このように構成されたフィードフォワード回路によって、終段増幅器に入力される位相変調信号とその終段増幅器の出力側に現われる漏洩信号とを同振幅かつ逆位相で加算することによって漏洩信号をキャンセルし、結果として、出力される変調増幅信号に含まれる変調歪みを除去している。以下、本発明のEER変調増幅装置について好適な実施の形態の幾つかを説明するが、重複する説明は可能な限り省略する。但し、説明の関係上で理解を容易にする部分については必要に応じて重複する説明も行う。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1におけるEER変調増幅装置の回路構成図である。このEER変調増幅装置は、ベースバンド入力端子101から入力された高周波のベースバンド信号(以下、高周波信号という)を振幅成分と位相成分とに分離するポーラ変調部102と、高周波信号から分離された振幅信号を遅延させるためのインダクタンスなどの遅延線103と、高周波信号から分離され遅延して入力された振幅信号を増幅する振幅増幅部104と、位相成分に分離された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)をプレ増幅する前置高周波増幅器105と、前置高周波増幅器105から出力された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)を最終段で増幅すると共に振幅増幅部104から出力された振幅信号に基づいて振幅変調を行う終段高周波増幅器107と、終段高周波増幅器107における入出力間のアイソレーション改善を行うためのフィードフォワード回路113とを備えて構成されている。
また、フィードフォワード回路113は、前置高周波増幅器105から出力された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の一部を取り出す方向性結合器106と、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)を終段高周波増幅器107の出力漏洩信号の位相に合わせるように遅延させる遅延線108と、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の振幅と終段高周波増幅器107の出力側の漏洩信号の振幅とを一致させるための振幅調整器109と、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の位相を終段高周波増幅器107の出力漏洩信号の位相にシフトさせるための移相器110と、終段高周波増幅器107の出力漏洩信号を取り出し、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の一部と前記漏洩信号とを同振幅かつ逆位相で加算して変調歪み成分を除去する方向性結合器111とを備えて構成されている。
次に、図1に示す実施の形態1のEER変調増幅装置の動作について説明する。ベースバンド入力端子101より入力された高周波信号は、ポーラ変調部102で振幅信号と一定振幅の高周波位相変調信号(RF位相変調信号)とに分離されて出力される。そして、ポーラ変調部102より出力された振幅信号は、遅延線103によって所定の信号遅延が行われた後に振幅増幅部104によって増幅され、増幅された振幅信号は終段高周波増幅器107の電源端子に入力される。
一方、ポーラ変調部102から出力された一定振幅の高周波位相変調信号(RF位相変調信号)は、前置高周波増幅器105でプレ増幅された後、方向結合器106を介して終段高周波増幅器107へ入力される。このとき、振幅増幅部104からの振幅信号が終段高周波増幅器107の電源端子へ入力されることによって、終段高周波増幅器107は、ポーラ変調部102から入力された高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の増幅と同時に振幅変調を行って高効率な変調増幅信号を出力端子112へ出力する。
ここで、終段高周波増幅器107は、上記のようにして高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の増幅及び変調を行うときに、振幅信号を用いた電源制御によって振幅変調を行っているので、終段高周波増幅器107から出力される変調増幅信号の特性が劣化してしまう。そこで、本発明では、方向性結合器106、遅延線108、振幅調整器109、移相器110、及び方向性結合器111からなるフィードフォワード回路113を用いて終段高周波増幅器107のフィードフォワード制御を行うことにより、振幅変調によって生成された変調増幅信号の特性劣化の改善を行っている。
以下、終段高周波増幅器107で行われる振幅変調特性の改善方法について、高周波信号の出力特性図を参照しながら詳しく説明する。図2は、フィードフォワード制御を行わないときとフィードフォワード制御を行ったときの、高周波増幅器による電源電圧と高周波信号の出力レベルとの関係を示す特性図である。図2において、横軸は電源電圧(VDS)、縦軸は高周波信号の出力レベル(P−out)を示している。尚、図2の特性図はFETによってB級増幅器を構成した場合の電源電圧(VDS)対高周波信号の出力レベル(P−out)の特性を示している。
図2の破線で示すように、フィードフォワード制御を行わないとき(つまり、FFなしのとき)は、高周波増幅器は、ある電源電圧(VDS)以上では電源電圧(VDS)に比例して高周波信号の出力レベル(P−out)は上昇しているが(つまり、VDSとP−outはリニアな比例関係にあるが)、ある電源電圧(VDS)以下では電源電圧(VDS)が変化しても高周波信号の出力レベル(P−out)が変わらない。すなわち、通常の高周波増幅器は図2の破線で示すような特性を持っている。この原因は、高周波増幅器における入出力間のアイソレーションに起因するものであって、入力信号の一部が出力側に漏れることによって発生するものである。
一方、本発明のEER変調増幅装置においては、図1に示すように終段高周波増幅器107の入出力間にフィードフォワード回路113を設けることにより、図2における実線のFFありの場合(つまり、フィードフォワード制御を行ったとき)の特性に示すように、電源電圧(VDS)をほぼゼロボルトから上昇させた場合はそれに比例して高周波信号の出力レベル(P−out)をリニアに上昇させることができる。つまり、終段高周波増幅器107による入力信号(高周波位相変調信号)の漏れ分をフィードフォワード回路113によって補償するようにフィードフォワード制御することにより、図2における実線のFFありの場合に示すように、電源電圧(VDS)の全ての変動範囲において電源電圧(VDS)と高周波信号の出力レベル(P−out)の関係をリニアな比例関係にすることができる。
すなわち、終段高周波増幅器107の入出力間のアイソレーションに起因して生じる高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の出力側への漏れの対策として、フィードフォワード回路113を用いて、終段高周波増幅器107へ入力される高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の一部の信号(A信号と云う)を方向性結合器106によって取り出す。さらに、終段高周波増幅器107の出力側における高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の漏洩信号(B信号と云う)を方向性結合器111によって取り出す。そして、方向性結合器106によって取り出されたA信号と方向性結合器111によって取り出されたB信号とを、方向性結合器111が同振幅かつ逆位相にして加算する。これによって、B信号、すなわち、終段高周波増幅器107へ入力される高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の漏洩信号はキャンセルされるので、終段高周波増幅器107の入出力間のアイソレーションに起因する変調増幅信号の特性劣化が改善され、図2の実線で示すようなリニアな電源電圧(VDS)と高周波信号の出力レベル(P−out)の特性が得られる。
ここで、フィードフォワード回路113に用いられる遅延線108は、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)を遅延させて出力側の漏洩信号の位相に合わせるためのものである。また、振幅調整器109は、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の振幅を出力側の漏洩信号の振幅に合わせるためのものである。さらに、移相器110は、方向性結合器106が取り出した高周波位相変調信号(RF位相変調信号)の位相を出力側の漏洩信号の位相にシフトさせるためのものである。
図3は、高周波増幅器から出力される変調増幅信号のスペクトラムを示す特性図であり、横軸に周波数(Freq)を示し、縦軸に高周波信号の出力レベル(P−out)を示している。フィードフォワード制御を行わないとき(つまり、FFなしのとき)は、図3の破線で示すように、変調増幅信号のスペクトラムは広い周波数範囲に広がっていて変調増幅信号の周波数特性はよくない。一方、図1に示すようなフィードフォワード回路113を用いることによって、図3の実線に示すように、変調増幅信号のスペクトラムは特定の周波数帯域で急峻になっていて(つまり、高いQ値を示していて)変調増幅信号の周波数特性がかなり改善されている。
<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2におけるEER変調増幅装置の回路構成図である。このEER変調増幅装置は、ベースバンド入力端子201からの高周波信号を入力して高周波の振幅変調及び位相変調を有した変調信号を出力する直交変調器202と、ベースバンド入力端子201からの高周波信号を入力してベースバンド信号の振幅信号を出力する振幅検波器203と、振幅検波器203から出力された振幅信号を遅延させるためのインダクタンスなどの遅延線204と、遅延して入力された振幅信号を増幅する振幅増幅部205と、直交変調器202から出力された変調信号をプレ増幅する前置高周波増幅器207と、前置高周波増幅器207から出力された変調信号を最終段で増幅すると共に振幅増幅部205から出力された振幅信号に基づいて振幅変調を行う終段高周波増幅器208と、前置高周波増幅器207及び終段高周波増幅器208の入出力間のアイソレーションの改善を行うための第1のフィードフォワード歪み検出部219(第1のフィードフォワード回路)と、出力ラインにおけるアイソレーションの改善を行うための第2のフィードフォワード歪み除去部220(第2のフィードフォワード回路)とを備えて構成されている。
また、第1のフィードフォワード歪み検出部219は、入力側の方向性結合器206、出力側の方向性結合器209(第1の方向性結合器)、振幅調整器210、移相器211、及び遅延線212を備えて構成されている。さらに、第2のフィードフォワード歪み除去部220は、入力側の方向性結合器209、遅延線213、出力側の方向性結合器214(第2の方向性結合器)、振幅調整器215、移相器216、及び線形高周波増幅器217を備えて構成されている。尚、方向性結合器209は、第1のフィードフォワード歪み検出部219と第2のフィードフォワード歪み除去部220とで共有されている。
次に、図4に示す実施の形態2のEER変調増幅装置の動作について説明する。ベースバンド入力端子201から入力された高周波信号は、振幅検波器203よりベースバンド信号の振幅信号として出力される。さらに、ベースバンド入力端子201から入力された高周波信号は、直交変調器202より高周波の振幅変調及び位相変調を有した変調信号として出力される。振幅検波器203から出力された振幅信号は、遅延線204と振幅増幅部205を介して終段高周波増幅器208の電源端子に入力される。
一方、直交変調器202より出力された高周波の変調信号は、方向性結合器206を介して前置高周波増幅器207から終段高周波増幅器208へ入力されるが、高周波増幅器は飽和増幅器であるために変調信号の振幅変調成分が除去され、位相変調成分のみが増幅されることになる。したがって、前置高周波増幅器207でプレ増幅された位相変調信号は、終段高周波増幅器208によって振幅変調が行われるが、終段高周波増幅器208の振幅変調性能に限界がある場合は充分な変調特性が得られない。
そこで、実施の形態2では、第1のフィードフォワード歪み検出部219と第2のフィードフォワード歪み除去部220の2つのフィードフォワード回路を備えることによって変調歪みの補正を行っている。つまり、第1のフィードフォワード歪み検出部219は、方向性結合器206、振幅調整器210、移相器211、遅延線212、方向性結合器209によって構成されるフィードフォワード回路によって、前置高周波増幅器207と終段高周波増幅器208で生じた変調歪みの補正を行う。言い換えれば、第1のフィードフォワード歪み検出部219の入力信号は直交変調部202の出力の振幅変調及び位相変調を有した変調信号であるので、この入力側の変調信号と終段高周波増幅器208の出力側の特性劣化した変調信号(漏洩信号)とを、方向性結合器209によって同振幅かつ逆位相で加算することにより、終段高周波増幅器208の出力側の変調信号より変調歪み成分のみが検出される。
さらに、第2のフィードフォワード歪み除去部220は、方向性結合器209、遅延線213、振幅調整器215、移相器216、線形高周波増幅器217、方向性結合器214で構成されたフィードフォワード回路になっているので、第1のフィードフォワード歪み検出部219で検出された終段高周波増幅器208の出力の変調歪み成分と出力ラインの漏洩信号とを、方向性結合器214によって同振幅かつ逆位相で加算することにより、出力ラインで生じた歪み成分を除去することができる。このようにして、出力端子218から変調歪みの補正された変調増幅信号を出力することができる。
<実施の形態3>
図5は、本発明の実施の形態3におけるEER変調増幅装置の回路構成図である。このEER変調増幅装置は、ベースバンド入力端子301からの高周波信号を入力して高周波の振幅変調及び位相変調を有した変調信号を出力する直交変調器302と、ベースバンド入力端子301からの高周波信号を入力してベースバンド信号の振幅信号を出力する振幅検波器303と、振幅検波器303から出力された振幅信号を遅延させるためのインダクタンスなどの遅延線304と、遅延して入力された振幅信号を増幅する振幅増幅部305と、直交変調器302から出力された変調信号を前段で増幅する例えばB級の前段高周波増幅器307と、前段高周波増幅器307で増幅された変調信号を中段で増幅する例えばB級の中段高周波増幅器308と、中段高周波増幅器308で増幅された変調信号を最終段で増幅すると共に振幅増幅部305から出力された振幅信号に基づいて振幅変調を行う例えばB級の終段高周波増幅器309と、前段高周波増幅器307、中段高周波増幅器308及び終段高周波増幅器309の入出力間のアイソレーション改善を行うための第1のフィードフォワード歪み検出部321(第1のフィードフォワード回路)と、出力ラインにおけるアイソレーション改善を行うための第2のフィードフォワード歪み除去部322(第2のフィードフォワード回路)とを備えて構成されている。
また、第1のフィードフォワード歪み検出部321は、方向性結合器306、歪み検出用変調増幅器310、振幅調整器311、移相器312、遅延線313、及び方向性結合器314(第1の方向性結合器)を備えて構成されている。さらに、第2のフィードフォワード歪み除去部322は、方向性結合器314、遅延線315、振幅調整器316、移相器317、線形高周波増幅器318、及び方向性結合器319(第2の方向性結合器)を備えて構成されている。尚、方向性結合器314は、第1のフィードフォワード歪み検出部321と第2のフィードフォワード歪み除去部322とで共有されている。
次に、図5に示す実施の形態3のEER変調増幅装置の動作について説明する。ベースバンド入力端子301から入力された高周波信号は、振幅検波器303よりベースバンド信号の振幅信号を出力する。一方、直交変調器302は高周波信号の振幅変調及び位相変調を有した変調信号を出力する。
振幅検波器303から出力された振幅信号は、遅延線304及び振幅増幅部305を介して終段高周波増幅器309の電源端子に入力される。一方、直交変調器302から出力された高周波の変調信号は、方向性結合器306を介して前段高周波増幅器307、中段高周波増幅器308、及び終段高周波増幅器309によって増幅を行うが、高周波増幅器は飽和増幅器であるために、変調信号の振幅変調成分が除去されて、位相成分の変調信号(つまり、位相変調信号)のみが増幅される。このようにして増幅された位相変調信号は終段高周波増幅器309によって振幅変調が行われるが、終段高周波増幅器309の振幅変調性能に限界がある場合は充分な変調特性が得られない。
そこで、実施の形態3では、第1のフィードフォワード歪み検出部321と第2のフィードフォワード歪み除去部322の2つのフィードフォワード回路を備えることによって変調歪みの補正を行っている。つまり、第1のフィードフォワード歪み検出部321は、方向性結合器306、歪み検出用変調増幅器310、振幅調整器311、移相器312、遅延線313、及び方向性結合器314で構成されるフィードフォワード回路によって前段高周波増幅器307で生じた変調歪みの補正を行っている。言い換えれば、直交変調器302の出力の振幅変調及び位相変調を有した変調信号と歪み検出用変調増幅器310から出力される変調特性の劣化した信号とを取り出し、方向性結合器314によって同振幅かつ逆位相にして加算することにより、歪み検出用変調増幅器310の出力の変調信号より変調歪み成分のみを検出する。
一方、第2のフィードフォワード歪み除去部322は、方向性結合器314、遅延線315、振幅調整器316、移相器317、線形高周波増幅器318、及び方向性結合器319で構成されるフィードフォワード回路により、第1のフィードフォワード歪み検出部321で検出した歪み検出用変調増幅器310の出力の変調歪み成分と中段高周波増幅器308及び終段高周波増幅器309で生じた変調歪み成分とを取り出し、方向性結合器319によって同振幅かつ逆位相で加算することにより、終段高周波増幅器309より出力される変調増幅信号の歪み成分を除去している。
すなわち、図5に示す実施の形態3と図4に示す実施の形態2を比較すると、実施の形態2の場合は、第1のフィードフォワード歪み検出部219で歪み検出を行うとき、終段高周波増幅器208を変調増幅器としている。一方、実施の形態3の場合は、第1のフィードフォワード歪み検出部321で歪み検出を行うとき、別に設けた歪み検出用変調増幅器310を変調増幅器としている。したがって、実施の形態3の利点は、終段高周波増幅器309以降で遅延線を削除することができる点にある。これによって、遅延線がない分だけ伝送ロスを低減することができるので、増幅効率の性能をさらに向上させることができる。但し、歪み検出用増幅器310は低出力動作として電力消費への影響が少ないレベルとし、かつ終段高周波増幅器309の変調性能と極めて近い特性にする必要がある。
本発明によるEER変調増幅装置は、変調性能や隣接チャネルの漏洩電力等の仕様要求が厳しい通信装置に対して高効率な特性を実現できる。したがって、移動体通信における基地局装置や端末機器のみならず、地上波ディジタルのテレビ送信機や高速な無線データ通信装置などの増幅器にも適用することができる。
本発明の実施の形態1におけるEER変調増幅装置の回路構成図 フィードフォワード制御を行わないときと行ったときの、高周波増幅器による電源電圧と高周波信号の出力レベルとの関係を示す特性図 高周波増幅器から出力される変調増幅信号のスペクトラムを示す特性図 本発明の実施の形態2におけるEER変調増幅装置の回路構成図 本発明の実施の形態3におけるEER変調増幅装置の回路構成図 従来から用いられているEER変調増幅装置の基本的な回路構成図
符号の説明
101、201、301 ベースバンド入力端子
102 ポーラ変調部
103、108、204、212、213、304、313、315 遅延線
104、205、305 振幅増幅部
105、207 前置高周波増幅器
106、111、206、209、214、306、314、319 方向性結合器
107、208、309 終段高周波増幅器
109、210、215、311、316 振幅調整器
110、211、216、312、317 移相器
112、218、320 出力端子
113 フィードフォワード回路
202、302 直交変調器
203、303 振幅検波器
217、318 線形高周波増幅器
219、321 第1のフィードフォワード歪み検出部
220、322 第2のフィードフォワード歪み除去部
307 前段高周波増幅器
308 中段高周波増幅器
310 歪み検出用変調増幅器

Claims (3)

  1. ポーラ変調部が入力された高周波信号から位相変調信号と振幅信号とを分離し、高周波増幅器が前記振幅信号に基づいて自己の電源電圧を制御されることにより、その高周波増幅器から所望の変調増幅信号を出力するEER変調増幅装置であって、
    前記高周波増幅器へ入力される前記位相変調信号の一部とその高周波増幅器の出力側に現われた漏洩信号とを同振幅かつ逆位相で加算するフィードフォワード回路を備えたことを特徴とするEER変調増幅装置。
  2. 前記ポーラ変調部は振幅検出器とI/Q直交変調器とによって構成され、かつ、前記フィードフォワード回路は第1のフィードフォワード回路と第2のフィードフォワード回路とによって構成され、
    前記第1のフィードフォワード回路は、前記I/Q直交変調器から出力される位相変調信号の一部と前記高周波増幅器から出力される漏洩信号とを、第1の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算し、出力される変調増幅信号より変調歪み成分のみを検出し、
    前記第2のフィードフォワード回路は、前記第1のフィードフォワード回路で検出された前記変調歪み成分を、第2の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算することによって前記変調歪み成分を除去することを特徴とする請求項1に記載のEER変調増幅装置。
  3. 前記ポーラ変調部は振幅検出器とI/Q直交変調器とによって構成され、かつ、前記フィードフォワード回路は第1のフィードフォワード回路と第2のフィードフォワード回路とによって構成され、
    前記第1のフィードフォワード回路は、前記I/Q直交変調器から出力される位相変調信号の一部と歪み検出用変調増幅器から出力される漏洩信号とを、第1の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算し、前記歪み検出用変調増幅器から出力される変調増幅信号から変調歪み成分を検出し、
    前記第2のフィードフォワード回路は、前記第1のフィードフォワード回路で検出された前記変調歪み成分を、第2の方向性結合器によって同振幅かつ逆位相で加算することによって前記変調歪み成分を除去することを特徴とする請求項1に記載のEER変調増幅装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011517215A (ja) * 2008-04-02 2011-05-26 ハリス コーポレイション 無線パワー・アンプのフィードフォワード線形化
CN102420631A (zh) * 2011-11-04 2012-04-18 中兴通讯股份有限公司 功率放大装置、多模射频收发装置和多模终端

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