JP4167605B2 - 電力増幅器 - Google Patents

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本発明は、無線信号の本来の波形から包絡線成分を分離した波形を用いて、当該無線信号を再生する包絡線再生型の電力増幅器に関するものである。
近年、EER(Envelope Elimination and Reconstruction)式などの包絡線再生型の電力増幅器に関する提案が数多くなされている(例えば、非特許文献1参照)。
2003年電子情報通信学会総合大会 B−5−181 「EER式パワーアンプを用いた携帯端末送信系の検討(1)」
上述の包絡線再生型の電力増幅器は、出力レベルのダイナミックレンジが狭い装置に用いられる場合には、良好な利得と高効率化を達成できるという利点がある。しかし、その反面、振幅と位相の合成誤差が特性劣化に大きく影響するため、基地局装置のように出力レベルのダイナミックレンジが広い装置に用いられる場合には、特に、小電力の信号を増幅する場合における当該信号の生成時に量子化誤差が発生し、信号純度が劣化しやすいという問題点があった。
本発明の目的は、出力レベルのダイナミックレンジが広く、かつ、小電力時における信号純度の劣化を防止することができる包絡線再生型の電力増幅器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の包絡線再生方式の電力増幅器は、非線形増幅器と、入力信号の電圧に応じて出力電圧を可変し、可変した出力電圧を前記非線形増幅器に印加するDC/DCコンバータと、が配置され、当該非線形増幅器により無線信号の増幅が行われる第1の増幅経路と、線形増幅器が配置され、当該線形増幅器により無線信号の増幅が行われる第2の増幅経路と、チャネル出力型のD/Aコンバータと、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号を前記D/Aコンバータから前記第2の増幅経路の前記線形増幅器に出力するためのデータと、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号から振幅包絡線変調成分を分離した無線信号を前記D/Aコンバータから前記第1の増幅経路の前記DC/DCコンバータに出力するためのデータと、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号から周波数変調成分および位相変調成分を分離した無線信号を前記D/Aコンバータから前記第1の増幅経路の前記非線形増幅器に出力するためのデータを、前記D/Aコンバータに出力する演算処理手段と、前記第1の増幅経路にて増幅された無線信号と前記第2の増幅経路にて増幅された無線信号とをベクトル合成する合成手段と、前記合成手段にてベクトル合成された無線信号を外部に出力する出力手段とを有し、前記出力手段から外部に出力される無線信号は、前記無線信号の振幅値が第1の所定値よりも小さい場合、前記第2の増幅経路にて増幅された無線信号となることを特徴とするものである。
この構成によれば、無線信号の振幅値が第1の所定値よりも小さな小電力領域の範囲内にある場合は、信号純度の良い線形増幅器により無線信号を増幅するため、信号純度の維持を図ることが可能となる。また、無線信号の振幅値が第2の所定値よりも大きな大電力領域の範囲内にある場合は、効率の良い飽和型の非線形増幅器により無線信号を増幅するため、電力増幅器を高効率に運用することが可能となる。それにより、出力レベルのダイナミックレンジを広くすることが可能になるとともに、小電力時における信号純度の劣化を防止することが可能となる。
この構成によれば、電力領域に応じた増幅経路の切り替えを、演算処理手段での無線信号の変調処理による振幅制御と、合成手段での無線信号のベクトル合成とを用いて行うため、無瞬断に切り替えを行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、無線信号の振幅値が第1の所定値よりも小さな小電力領域の範囲内にある場合、A級増幅器に代表される信号純度の良い線形増幅器により無線信号を増幅するため、無線信号の純度を維持し、安定した品質を保つことができるということである。
第2の効果は、無線信号の振幅値が第2の所定値よりも大きな大電力領域の範囲内にある場合、AB級増幅器、B級増幅器、C級増幅器に代表される効率の良い飽和型の非線形増幅器により無線信号を増幅するため、高効率運用を行うことができるということである。
第3の効果は、無線信号の振幅値が小電力領域または大電力領域のいずれの範囲内にある場合にも、電力領域に応じた最適な方式で無線信号を増幅するため、出力レベルのダイナミックレンジを広くすることができるということである。
第4の効果は、電力領域に応じた増幅経路の切り替えを、演算処理手段での無線信号の変調処理による振幅制御と、合成手段での無線信号のベクトル合成とを用いて行うため、無瞬断に切り替えを行うことができるということである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態による電力増幅器の構成を示す。
図1を参照すると、本実施形態による電力増幅器は、演算処理部11と、D/Aコンバータ12と、フィルタ13〜15と、位相調整器21,22と、DC/DCコンバータ30と、トランジスタ41,42と、合成器50と、出力端子60とを有している。このうち、演算処理部11、D/Aコンバータ12、およびフィルタ13〜15は、トランジスタ41,42によって増幅される無線信号の波形を生成する波形生成部10を構成している。
演算処理部11は、高集積化された集積回路であり、外部から無線信号の直交変調に用いられる同相信号Iおよび直交信号Qが入力され、同相信号Iおよび直交信号Qの直交変調を行う。そして、演算処理部11は、変調処理が施された複数チャネル(本実施形態では3チャネル)の無線信号をD/Aコンバータ12にて生成させるため、これらの無線信号に各々対応するデータをD/Aコンバータ12に出力する。
D/Aコンバータ12は、複数チャネル出力型(本実施形態では3チャネル)のD/Aコンバータであり、演算処理部11から出力された3チャネルのデータを各々量子化して、変調が施された無線アナログ信号を生成する。この3チャネルの無線信号は、量子化時に発生する高調波成分を除去して変調信号に必要な帯域制限を行うフィルタ13,14,15を各々通して、D/Aコンバータ12から経路A,B,Cに出力される。なお、経路Aはトランジスタ42の増幅経路である第2の増幅経路に相当し、経路B,Cはトランジスタ41の増幅経路である第1の増幅経路に相当する。
ここで、演算処理部11は、振幅変調・周波数変調・位相変調が施された本来得られる理想の無線信号を、D/Aコンバータ12から経路Aに出力させる。ただし、理想の無線信号の電力領域が大電力領域(無線信号の振幅値が基準となる第2所定値よりも大きい領域)にある場合には、その無線信号の振幅を一定値に制限した上で経路Aに出力する。経路Aの無線信号は、位相調整器22を経由してトランジスタ42に入力され、トランジスタ42にて増幅される。
また、演算処理部11は、本来得られる理想の無線信号から周波数/位相変調成分のみを分離した無線信号、すなわち、周波数変調・位相変調のみが施された定振幅無線信号を、D/Aコンバータ12から経路Cに出力させる。経路Cの無線信号は、位相調整器21を経由してトランジスタ41に入力され、トランジスタ41にて増幅される。
また、演算処理部11は、本来得られる理想の無線信号から振幅包絡線成分のみを分離した無線信号、すなわち、包絡線成分の振幅変調のみが施された無線信号を、D/Aコンバータ12から経路Bに出力させる。経路Bの無線信号は、DC/DCコンバータ30に入力される。
合成器50は、トランジスタ41,42で各々増幅された無線信号のベクトル合成を行う合成器であり、例えば、ウィルキンソン型の合成器にて構成することができる。
位相調整器21,22は、フィルタ14から経路Cに出力された無線信号、フィルタ15から経路Aに出力された無線信号を各々遅延させて、両無線信号が合成器50に入力される際の位相を合わせるための調整器である。この調整は、合成器50による無線信号のベクトル合成によって最大の振幅が得られることに寄与する。
トランジスタ41は、比較的大電力の無線信号を増幅する大電力増幅トランジスタであり、AB級増幅器、B級増幅器、C級増幅器などに代表される飽和型の非線形増幅器である。
トランジスタ42は、比較的小電力の無線信号を増幅する小電力増幅トランジスタであり、A級増幅器に代表される線形増幅器である。
DC/DCコンバータ30は、経路Bの無線信号を入力し、その無線信号の入力電圧に応じて出力電圧を可変し、可変した出力電圧を電源電圧としてトランジスタ41に印加する電源である。この電圧制御、いわゆる電源電圧変調制御を行うことにより、本来、経路Cの定振幅無線信号の増幅を行うトランジスタ41の利得が変化する。
したがって、経路Cの周波数変調・位相変調のみが施された定振幅無線信号は、トランジスタ41によって、振幅が増幅された上で、さらに振幅変調されるため、振幅変調・周波数変調・位相変調が施された無線信号に変換されることになる。これらの動作は、A級振幅器が行う線形増幅と等価の動作となるため、本実施形態では、飽和型増幅器であるトランジスタ41による高効率化と線形増幅との両立を図ることが可能となる。
一方、経路Aの振幅変調・周波数変調・位相変調が施された無線信号は、トランジスタ42によって振幅が増幅される。
トランジスタ41によって増幅される源信号となる経路Cの無線信号は、比較的小電力(振幅小)領域では、D/Aコンバータ12による量子化誤差が大きいために、所定の純度が得られにくい。そこで、本実施形態では、演算処理部11によって理想の無線信号から振幅包絡線変調成分を分離して振幅制御を行った波形を経路Bの無線信号とすることで、無線信号が小電力領域(無線信号の振幅値が基準となる第1所定値よりも小さい領域。以下同じ)にある場合は、経路Bの無線信号の振幅値を抑圧し、トランジスタ41の振幅変調動作を停止する。このことにより、トランジスタ41による無線信号の振幅増幅動作自体が停止されることになる。そのため、無線信号が小電力領域にある場合は、出力端子60から外部出力される無線信号は、結果的にトランジスタ42の増幅経路のみによって増幅された信号となる。トランジスタ42はA級増幅を行うため、経路Aの振幅変調・周波数変調・位相変調が施された無線信号を忠実に増幅する。それにより、無線信号の純度を損なうこと無く運用することができる。
一方、トランジスタ42によって増幅される源信号となる経路Aの無線信号は、トランジスタ42によって忠実に増幅されるため、比較的大電力(振幅大)領域では、ダイナミックレンジが不足する。そこで、本実施形態では、無線信号の電力領域が振幅上限値に近づくような大電力領域(無線信号の振幅値が基準となる第2所定値よりも大きい領域。以下同じ)にある場合、演算処理部11によって経路Aの無線信号の振幅値を徐々に一定に制限する。このことにより、トランジスタ42の出力は徐々に制限されることになるため、無線信号が大電力領域にある場合は、出力端子60から外部出力される無線信号は、結果的にトランジスタ41の増幅経路のみによって増幅された信号となる。
すなわち、トランジスタ41,42の出力は、無線信号の電力領域に応じて動作が異なる。トランジスタ41は、無線信号が大電力領域にある場合は、本来得られる理想の無線信号に対して線形増幅と等価の動作を行った増幅信号を出力するが、小電力領域にある場合は増幅動作を停止する。一方、トランジスタ42は、無線信号が小電力領域にある場合は、理想の無線信号に対して線形増幅を行った増幅信号を出力するが、大電力領域にある場合は、理想の無線信号の振幅を制限した波形を出力する。トランジスタ41,42で各々増幅された無線信号は、合成器50によりベクトル合成される。
したがって、無線信号が大電力領域で用いられる場合は、出力端子60から外部出力される増幅信号は、トランジスタ41の増幅経路による増幅信号が支配的となるため、高効率の電力増幅を行うことができる。一方、無線信号が小電力領域で用いられる場合は、出力端子60から外部出力される増幅信号は、トランジスタ42の増幅経路による増幅信号が支配的となるため、信号純度の高い電力増幅を行うことができる。
それにより、本実施形態による電力増幅器は、ダイナミックレンジが広く、かつ、信号純度の安定した電力増幅を行うことができる。また、電力領域に応じた増幅経路の切り替えを、演算処理部11での変調処理による振幅制御と、合成器50でのベクトル合成とによって行うため、無線信号が瞬断されること無く増幅経路を切り替えることができる。
以下に、図1に示した電力増幅器の動作について、図2〜図4を参照して詳細に説明する。
演算処理部11は、外部から入力された同相信号Iおよび直交信号Qの直交変調を行い、D/Aコンバータ12にて直交変調されたアナログ無線信号を生成するためのデータを演算して出力し、D/Aコンバータ12は、このデータを量子化して無線信号を得る。このとき得られた無線信号の変調波形を図2(a)に示す。なお、図2(a)の波形は、無線信号が小電力領域で用いられる場合における、本来得られる理想の変調波形を示している。さらに、演算処理部11は、図2(a)の変調波形から振幅包絡線変調成分を分離した変調波形と、周波数/位相変調成分を分離した変調波形とをD/Aコンバータ12にて生成するためのデータも各々演算して出力し、D/Aコンバータ12は、これらのデータを各々量子化して無線信号を得る。このとき得られた、振幅包絡線変調成分のみを含む無線信号の変調波形を図2(b)に、周波数/位相変調成分のみを含む定振幅の無線信号の変調波形を図2(c)に示す。図2(a)〜(c)の無線信号は、フィルタ13〜15を通して、経路A〜Cに各々出力される。ただし、経路Bには、図2(b)の波形のプラス側もしくはマイナス側のいずれかの波形が出力されることになる。
ここで、各々の無線信号は、振幅出力タイミングと位相出力タイミングが、電力増幅器の端部で同期していることが必要である。
飽和型増幅器であるトランジスタ41は、図2(c)の定振幅無線信号を電力増幅するが、同時にDC/DCコンバータ30から出力された電源電圧による利得制御を受けるため、電力増幅した無線信号の波形に対してさらに振幅変調を施す。
図3に、DC/DCコンバータ30の入力電圧V1と出力電圧V2の関係、およびDC/DCコンバータ30の出力電圧V2とトランジスタ41の出力電力Pの関係を示す。
DC/DCコンバータ30は、経路Bの無線信号が入力されると、その無線信号の入力電圧V1(図1参照)に応じて出力電圧V2(図1参照)を可変し、トランジスタ41は、DC/DCコンバータ30から印加された出力電圧V2により利得制御を受けて、図2(c)の無線信号を電力増幅した上でさらに振幅変調を施し、出力電力P(図1参照)の無線信号を出力する。すなわち、本実施形態では、図2(c)の無線信号の増幅信号の振幅を、図2(b)の無線信号を用いて変調することで、図2(a)の無線信号の増幅信号と同等の振幅を実現している。
しかしながら、基地局装置のように出力レベルのダイナミックレンジが広い場合には、DC/DCコンバータ30にて制御が行われる大電力の電力領域だけではダイナミックレンジが不足するため、小電力領域にも対応する必要がある。しかし、小電力領域では、D/Aコンバータ12の量子化誤差が増大し、無線信号の純度が劣化するという問題がある。そこで、本実施形態では、小電力領域では、通常は線形増幅を行うトランジスタ42により増幅された無線信号を合成して信号劣化を補うことにより上記の問題を解決している。
図4に、図1に示した電力増幅器の内部での増幅前後の無線信号の振幅値の関係を示す。なお、図4において、カーブ401〜403の振幅値はデシベル(dB)表現で示されている。
カーブ401は、横軸を図2(c)の波形の振幅値、縦軸をトランジスタ41の出力波形の振幅値としたカーブである。演算処理部11は、無線信号の振幅値が電力領域502の範囲内にある場合には、無線信号の振幅値が小さくなるに従って、経路Bの無線信号(図2(b))の振幅値を急激に小さくすることにより、トランジスタ41の利得を急激に小さくしている。このように、無線信号が電力領域502の範囲内にある場合には、図2(c)の波形を増幅したトランジスタ41の出力は急激に小さくなり、さらに、電力領域501の範囲内になると、トランジスタ41の出力は無視できるほど充分に小さくなっている。そのため、無線信号が小電力領域(図4では電力領域501)にある場合には、トランジスタ41の増幅経路が遮断される。
カーブ402は、横軸を図2(a)の波形(後述の振幅制御が行われる前の理想の変調波形)の振幅値、縦軸をトランジスタ42の出力波形の振幅値としたカーブである。演算処理部11は、無線信号の振幅値が電力領域501の範囲内にある場合には、理想の変調波形である図2(a)の波形を経路Aの無線信号とする。しかし、無線信号の振幅値が電力領域502の範囲内にある場合には、無線信号の振幅値が大きくなるに従って、図2(a)の波形の振幅値を徐々に制限し、さらに、電力領域503の範囲内になると、図2(a)の波形の振幅値をほぼ一定にしている。そのため、無線信号が大電力領域(図4では電力領域503)にある場合には、トランジスタ42の出力が一定に制限されるため、トランジスタ42の増幅経路による増幅信号は一定に制限される。
カーブ403は、横軸を図2(a)の波形(後述の振幅制御が行われる前の理想の変調波形)の振幅値、縦軸をトランジスタ41,42の出力をベクトル合成した合成器50の出力波形の振幅値としたカーブである。無線信号が大電力領域である電力領域503の範囲内にある場合には、カーブ402で示されるトランジスタ42の出力振幅は飽和状態にあるため、トランジスタ42の出力は無視することができ、合成器50の出力は、カーブ401で示されるトランジスタ41による増幅信号の振幅値が支配的となる。また、無線信号が小電力領域である電力領域501の範囲内にある場合には、カーブ401で示されるトランジスタ41による増幅信号の出力は充分に小さいために無視することができ、合成器50の出力は、カーブ402で示されるトランジスタ42による増幅信号の振幅値が支配的となる。また、無線信号が、小電力領域、大電力領域のいずれにも属さない電力領域502の範囲内にある場合には、合成器50の出力は、カーブ401,402で各々示されるトランジスタ41,42による増幅信号をベクトル合成した値、すなわち増幅信号の電力の和となる。この電力領域502の範囲内においては、演算処理部11は、カーブ403の線形性を維持するように、D/Aコンバータ12から出力される無線信号の波形制御を行う。したがって、カーブ403の入出力特性は、図4に示すように線形性が維持される。
なお、本実施形態においては、経路B,Cを伝達された無線信号に対し、DC/DCコンバータ30およびトランジスタ41によって、A級振幅器による線形増幅と等価の動作を実現しているが、本発明はこれに限定されず、増幅領域が異なる線形増幅器を並列接続し、その後段に合成器を設けた構成とし、各々の線形増幅器で経路B,Cを伝達された無線信号を増幅し、その後段に合成器で増幅信号を合成することもできる。この構成の場合、フィルタ13、DC/DCコンバータ30は省略することが可能である。
本発明の一実施形態による電力増幅器の構成を示す図である。 図1に示した波形生成部10にて生成された無線信号の変調波形の一例を示す図であり、(a)は経路Aに伝達される無線信号、(b)は経路Bに伝達される無線信号、(c)は経路Cに伝達される無線信号である。 図1に示したDC/DCコンバータ30の入力電圧V1と出力電圧V2の関係、およびDC/DCコンバータ30の出力電圧V2とトランジスタ41の出力電力Pの関係を示す。 図1に示した電力増幅器の内部での増幅前後の無線信号の振幅値の関係を示す図である。
符号の説明
10 波形生成部
11 演算処理部
12 D/Aコンバータ
13〜15 フィルタ
21,22 位相調整器
30 DC/DCコンバータ
41,42 トランジスタ
50 合成器
60 出力端子

Claims (5)

  1. 包絡線再生方式の電力増幅器において、
    非線形増幅器と、入力信号の電圧に応じて出力電圧を可変し、可変した出力電圧を前記非線形増幅器に印加するDC/DCコンバータと、が配置され、当該非線形増幅器により無線信号の増幅が行われる第1の増幅経路と、
    線形増幅器が配置され、当該線形増幅器により無線信号の増幅が行われる第2の増幅経路と、
    チャネル出力型のD/Aコンバータと、
    振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号を前記D/Aコンバータから前記第2の増幅経路の前記線形増幅器に出力するためのデータと、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号から振幅包絡線変調成分を分離した無線信号を前記D/Aコンバータから前記第1の増幅経路の前記DC/DCコンバータに出力するためのデータと、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号から周波数変調成分および位相変調成分を分離した無線信号を前記D/Aコンバータから前記第1の増幅経路の前記非線形増幅器に出力するためのデータを、前記D/Aコンバータに出力する演算処理手段と、
    前記第1の増幅経路にて増幅された無線信号と前記第2の増幅経路にて増幅された無線信号とをベクトル合成する合成手段と、
    前記合成手段にてベクトル合成された無線信号を外部に出力する出力手段とを有し、
    前記出力手段から外部に出力される無線信号は、前記無線信号の振幅値が第1の所定値よりも小さい場合、前記第2の増幅経路にて増幅された無線信号となる、電力増幅器。
  2. 前記演算処理手段は、振幅変調、周波数変調および位相変調が施された無線信号を、当該無線信号の振幅値が前記第2の所定値よりも大きい場合は一定に制限した上で、前記D/Aコンバータから前記第2の増幅経路の前記線形増幅器に出力するためのデータを、前記D/Aコンバータに出力し、
    前記出力手段から外部に出力される無線信号は、前記無線信号の振幅値が第2の所定値よりも大きい場合、前記第1の増幅経路にて増幅された無線信号となる、請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 前記演算処理手段は、前記無線信号の振幅値が前記第1の所定値以上で前記第2の所定値以下である場合は、前記合成手段にてベクトル合成された波形の線形性を維持するような無線信号を前記D/Aコンバータから出力するためのデータを、前記D/Aコンバータに出力する、請求項またはに記載の電力増幅器。
  4. 前記非線形増幅器は、AB級増幅器、B級増幅器、またはC級増幅器のいずれかである、請求項1からのいずれか1項に記載の電力増幅器。
  5. 前記線形増幅器は、A級増幅器である、請求項1からのいずれか1項に記載の電力増幅器。
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