JP2000252682A - 電磁波遮蔽膜付き基板 - Google Patents
電磁波遮蔽膜付き基板Info
- Publication number
- JP2000252682A JP2000252682A JP11049323A JP4932399A JP2000252682A JP 2000252682 A JP2000252682 A JP 2000252682A JP 11049323 A JP11049323 A JP 11049323A JP 4932399 A JP4932399 A JP 4932399A JP 2000252682 A JP2000252682 A JP 2000252682A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- transparent
- thickness
- substrate
- electromagnetic wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
0dB以上(1GHz)の高電磁波遮蔽性能を有する耐
湿性に優れた電磁波遮蔽膜付き基板を得ること。 【解決手段】透明基板上に、透明基板/透明酸化物層お
よび/透明窒化物よりなる第1層/Agよりなる第2層
/ZnAlの金属バリアー層よりなる第3層/透明酸化
物層および/透明窒化物よりなる第4層/Agよりなる
第5層/ZnAlの金属バリアー層よりなる第6層/透
明酸化物層および/透明窒化物よりなる第7層からなる
被膜を順次所定膜厚みで積層すること。
Description
を室内に入れない、或いは発生する電磁波を外部に出さ
ないようにする電磁波遮蔽膜付き基板に関する。
いて、建物内でOA機器などの電子機器、高周波機器な
どが発生する電磁波を外部に出さず、外部の自動車、電
車などの乗り物、各種の無線機器、高圧線などから到来
する電磁波を建物内に入れないことで、建物内のフロア
を電波に対して独立した空間にすることが、近年求めら
れるようになってきた。
床などを電磁波遮蔽構造とするとともに、窓などの開口
部にも電磁波遮蔽部材を使用して、ビル全体或いは特定
のフロアを電磁遮蔽構造にする必要がある。
スとして、ガラス上にITO膜やSnO2膜等の導電性
膜を被覆するものがあるが、電磁波の遮蔽性能を30d
B以上とするには該膜の表面シート抵抗を2.3Ω/□
以下の低抵抗とする必要があり、そのためには膜厚を約
1,000nm以上に厚くする必要がある。しかしなが
ら、そのように膜厚を厚くすると可視光線透過率が非常
に低くなるとともに、ニュートラルな色調を得ることは
困難であるという欠点がある。
報、特公平8−324436号公報には、抵抗値が低い
Low−Eの膜としてAg層を2層にし、透明酸化物と
交互に積層したものが一般に知られている。しかし、こ
れらの構成のものは比較的高い可視光線透過率で低い抵
抗値のガラスを得ることは可能であるが、前記のように
2.3Ω/□以下の低抵抗のものを得るためには、2層
の各々のAg層の膜厚を15nm以上の膜厚にする必要
がある。このようにすると可視光線透過率が低くなり外
の景色がほとんど見えなくなったり、反射色調が赤紫色
等の非常に濃い色となってしまい外観の品質上、一般的
なビルの外層や住宅向けには使用に耐えられないものと
なる欠点がある。また、従来の銀層を有するものは、耐
湿性に劣るため取り扱いに充分な注意をしないと斑点状
の欠陥が発生する恐れがあった。
課題に鑑みてなしたものであって、高可視光線透過率で
耐湿性に優れ且つ反射色調に違和感のない30dB以上
(1GHz)の高電磁波遮蔽性能を有する電磁波遮蔽膜
付き基板について鋭意検討した結果、Ag層を15nm
以上に厚くしても特定の膜構成で且つ銀層の直上層に亜
鉛金属にAl金属を含有させたZnAl合金からなる金
属バリアー層を特定の厚さ設けることにより高電磁波遮
蔽性能を有する高品質の電磁波遮蔽膜付き基板が得られ
ることを見出した。
基板/透明酸化物層および/または透明窒化物層よりな
る第1層/Ag層よりなる第2層/ZnAlの金属バリ
ヤー層よりなる第3層/透明酸化物層および/または透
明窒化物層よりなる第4層/Ag層よりなる第5層/Z
nAlの金属バリヤー層よりなる第6層/透明酸化物層お
よび/または透明窒化物よりなる第7層からなる被膜が
順次積層され、第1層目の膜厚が26〜36nm,第2
層及び第5層の膜厚がそれぞれ15nm〜50nm、第
3層及び第6層の膜厚がそれぞれ1.5nm以下、第4
層の膜厚が80〜100nm、第7層の膜厚が23〜4
0nmからなることを特徴とする電磁波遮蔽膜付き基板
に関する。
3Ω/□以下、可視光線透過率が30〜80%、被膜の
被覆されていない透明基板面の反射色調はLa*b*表示
において、−20<a*<−5、−40<b*<10の範
囲である無彩色からやや青緑色の色調を呈することこと
が好ましい。
明金属酸化物層および/または透明金属窒化物層は、Z
nO2,ZnAlO2、SnO2、TiO2、Al2N3、S
i2N3のうちから選択された少なくとも1種からなるこ
とが好ましい。
は、Alを1〜10原子%含むZnAl合金であること
が好ましく、さらに、第2層および第5層のAg層の膜
厚が20nm以上で、1GHZにおける電磁波遮蔽性能
が40dB以上であることが好適である。
は、透明基板/透明酸化物層および/または透明窒化物
層よりなる第1層/Ag層よりなる第2層/ZnAlの
金属バリヤー層よりなる第3層/透明酸化物層および/
または透明窒化物層よりなる第4層/Ag層よりなる第
5層/ZnAlの金属バリヤー層よりなる第6層/透明酸
化物層および/または透明窒化物よりなる第7層からな
る被膜が順次積層され、第1層目の膜厚が26〜36n
m,第2層及び第5層の膜厚がそれぞれ15nm〜50
nm、第3層及び第6層の膜厚がそれぞれ1.5nm以
下、第4層の膜厚が80〜100nm、第7層の膜厚が
23〜40nmからなる。
化物層よりなる第1層、第4層および第7層は、ZnO
2,ZnAlO2、SnO2、TiO2等の透明酸化物、A
l2N3、Si2N3等の透明窒化物の内から選択された少
なくとも1種からなることが好ましい。なお、第1層の
膜厚を26〜36nm,第4層の膜厚を80〜100n
m、7層の膜厚を23〜40nmの範囲にそれぞれする
ことにより、目的とする色調および光学特性を得ること
ができる。
よび/またはTiO2層よりなる非晶質の被膜は、化学
的にも機械的にも強く、且つ非晶質のルーズな構造のた
めガラスとの密着力も強く、内部応力も発生しにくい。
従ってガラスの直上に被覆する第1層被膜はSnO2層
及び/又はTiO2層が望ましい。ガラスとの密着力を
高め、アルカリイオンの影響を断つための第1層のSn
O2層および/またはTiO2層の厚みは少なくとも5n
mが必要である。
層は特にAgとの密着力が劣り、SnO2層、TiO2層
/Ag層界面での剥離が起こりやすい。又、SnO2は
そのイオン化傾向から分かるように酸素との結合が弱
く、被膜内の酸素の化学的ポテンシャルが高いため、A
g層に酸素が拡散しやすく電気抵抗が上り、高電磁波遮
蔽を達成し難い。
O2層よりなる層はAg層と接触させないことが好まし
い。なお、SnO2層および/またはTiO2層には化学
的、機械的特性を向上し、またガラスとの密着力も強く
する非晶質の被膜成分としての元素が含まれても良い。
又酸素との高い結合力によって層内の酸素のポテンシャ
ルが低いため、Ag層内に酸素が拡散しにくい。従って
Ag層直下の層はZnO2層が望ましい。その下のSn
O2層からの酸素の拡散を防ぎ、Ag層との強い密着力
を得るためのZnO2層の厚みは少なくとも3nmは必
要である。なお、ZnO2層にはAg層との密着力を低
下せず、Ag層内に酸素が拡散しにくくするような被膜
の成分としての公知の元素が含まれても良い。
の化学ポテンシャルはできる限り低く保つことが肝要
で、ZnO2成膜時の雰囲気は酸素と共にできるだけ多
くのアルゴンを添加するのが望ましい。望ましいアルゴ
ンの添加率は設備によって異なるが、概ね10〜30%
である。この値は酸素雰囲気から徐々にアルゴンを添加
していき、ターゲットに掛かる電圧が急に上がるか、電
流が急に下がる現象を観測し、そこからアルゴンを若干
減らすことで決められる。
ガスの拡散を防ぐ効果があり、また太陽光線に含まれる
紫外線を吸収する働きがあるが化学的耐久性が低いた
め、第7層の上層にZnO2層を用いる場合には、さら
にその上層に非晶質酸化物であるSnO2層および/ま
たはTiO2層を設けるのが望ましい。該SnO2層およ
び/またはTiO2層の膜厚は1nm以上が好ましい。
は、電磁波遮蔽性、可視光線透過率および反射色調に影
響し、30dB以上の高電磁波遮蔽性を得るためには1
5nm以上の膜厚が必要であり、高可視光線透過率、と
りわけ70%以上を確保し、且つ赤い反射光を避けるた
めには60nm以下とすることが好ましい。
ことにより、該膜の表面シート抵抗は、2Ω/□以下の
低抵抗となり、電磁遮蔽性能も40dB以上が得られる
ので、さらに高電磁遮蔽性能が必要な窓には、Ag層の
膜厚を20nm以上の膜構成とすることが特に好まし
い。また、Ag層はAgを主成分としAgにAu、C
u、Pt、Ir等の元素が含まれても良い。
層の金属バリアー層は、Ag層と酸化物層および/また
は窒化物層の両方に高い密着性をもつAlを1〜10原
子%含むZnAl合金層が望ましい。なお、ここでいう
金属バリアー層とは、Ag層の直上に第4層および/ま
たは第7層の金属バリアー層を成膜した直後は全厚が合
金層であるが、次いで、例えば、該合金層の上層に第4
層あるいは第7層の酸化物層等を成膜する時、酸化性雰
囲気(例えば酸素80%、アルゴン20%)で成膜する
ため、該合金層の上層部の一部が酸化物に変換される。
この上層部が酸化された酸化物層と残った合金層を含め
て金属バリアー層と呼ぶ。すなわち、金属バリアー層の
膜厚とは、最初にZnAl合金層を成膜した時の膜厚を
示す。
いは第7層の酸化物層を成膜する際に、その酸化性雰囲
気の影響が下部のAg層に及ばないように成膜中のAg
層を保護することと、或いは窒化物の場合にはAg層が
酸化されないように該金属バリアー層を介在させて該A
g層が酸化されるのを保護するためのものである。さら
に、成膜後に大気中の水分が膜中に入りこみAgを酸化
させるのを防ぎ、Ag層の耐湿性を向上する作用も併せ
て有している。この金属バリアー層としては、前記のよ
うにZnAl合金が好ましく、特にAlを1.0〜1
0.0原子%含むZnAl合金は、酸素との結合力が高
く、最も効果的にAg層中に拡散してきた酸素その他の
腐食性イオンをトラップするので特に好ましい。
果が長続きすることは当然であるが、厚すぎると可視光
線透過率を下げてしまう。しかし次に酸化物を成膜する
際、該金属バリアー層の一部は酸化されるので、その酸
化前の最初の金属層の厚みは例えば8nm以下とし、前
記のようにその一部が酸化され残った金属バリアー層が
1.5nm以下とすれば高い透過率が得られる。
ス、プラスチック等を用いることが出来、例えばガラス
基板としては、自動車用ならびに建築用ガラス等に通常
用いられている普通板ガラス、所謂フロート板ガラスな
どであり、クリアをはじめグリ−ン、ブロンズ等各種着
色ガラスや各種機能性ガラス、強化ガラスやそれに類す
るガラス、合せガラスのほか複層ガラス等、さらに平板
あるいは曲げ板等各種板ガラス製品として使用できるこ
とは言うまでもない。また、ガラスは透明プラスチック
板等との積層体であってもよい。なお、ガラスの組成
は、ソーダ石灰ガラス、アルミノシリケートガラス等で
あるが、これらに限定されないことは、言うまでもな
い。
表面シート抵抗値が2.3Ω/□以下、可視光線透過率
が30〜80%と高透過率から低透過率まで自在に制御
でき、また、色調についてはLa*b*表示において、−
20<a*<−5、−40<b*<10の範囲である無彩
色からやや青緑色の色調を呈するので、目視で見た場合
に違和感のない落ち着いた感じの色調となる。また、電
磁波遮蔽性能(1GHZ)については、30dBが可能
であり、用途によって40dB以上のさらに高性能のも
のも自由に選択出来る。
る。なお、成膜はDCマグネトロンスパッタリング法に
より行った。ただし本発明は係る実施例に限定されるも
のではない。
ロートガラス上に、下記順序で被膜を形成した。スパッ
タ装置は、カソードに予めSn、Zn(3台)、Ag、
ZnAl(Al含有率4原子%)の各金属ターゲットを
取り付けたのち、成膜前の圧力が5×10-5Torrとな
るまで真空チャンバー内の排気を充分に行った。本方法
は、真空チャンバー内のターゲットの下方に搬送ロール
が設置され、そのロール上をガラス板が往復動する時に
電力が印加されたターゲットより所定の金属層あるいは
金属酸化物層がガラス板上に成膜されるようになってい
る。
化性雰囲気(O2:Ar=8:2)に保持し、Snター
ゲットにより第1層の1層目としてのSnO2層を8.
8nm成膜した後、 1層目と同条件でZnターゲット
により第1層の2層目のZnO2層を23.1nm成膜
した。次に2パス目として雰囲気をAr100%の不活
性雰囲気に保持し、Agターゲットにより第2層として
のAg層を16.5nm、ZnAlターゲットにより第
3層のZnAl合金層(いわゆる金属バリアー層)を
0.8nm成膜した。3パス目として成膜室の雰囲気を
再び酸化性雰囲気(O2:Ar=8:2)に保持し、第
4層の酸化物層を形成した。第4層の1層目としてのZ
nAlO2層を3.6nm、2層目としてのSnO2層を
6.9nm、3層目としてのZnO2層を17.9nm
を順次成膜した。、さらに4パス目として3パス目と同
じ雰囲気で3層目の追加としてのZnO2層を17.8
nm、4層目としてのSnO2層を13.8nm成膜し
た後、さらに5パス目として5層目としてのZnO2層
を35.7nm成膜した。さらに6パス目として雰囲気
をAr100%の不活性雰囲気に保持し、Agターゲッ
トにより第5層としてのAg層を16.5nm、ZnA
lターゲットにより第6層のZnAl合金層(いわゆる
金属バリアー層)を0.8nm成膜した。次に7パス目
として成膜室の雰囲気を再び酸化性雰囲気(O2:Ar
=8:2)に保持し、第7層の1層目としてのZnAl
O2層を2.9nm、2層目としてのSnO2層を5.5
nm、3層目としてのZnO2層を18.7nm、8パ
ス目として4層目としてのSnO2層を1.7nm順次
成膜し、ガラスを成膜室より排出した。
層(金属バリアー層)の上層に酸化性雰囲気で第4層お
よび第7層を成膜するとき、第3層および第6層のZn
Al合金層は酸化されていた。また、第1層、第4層お
よび第7層の酸化物層の膜厚は、合計でそれぞれ31.
9nm、95.7nm、28.8nmであった。膜構成
と各膜の膜厚を、表1に示す。なお、表1にはZnO2
層、SnO2層、ZnAlO2層を簡略化のためZnO、
SnO、ZnAlOで示した。
し、その値は予め100nm前後の厚さに電力E0、搬
送速度V0で成膜した被膜を部分的にエッチングによっ
て除去し、その段差を触針式表面粗さ計で測定して厚み
D0を求め、実施例におけるカソード電力E、搬送速度
をVとして、D=D0×E/E0×V0/Vの式に従って求
めた。
(%)、被膜の被覆していない側のガラス面の反射率
(%)、ガラス面の反射色調a*値、b*値(La*b*
表示法による)、ガラス面の目視による色調(目視角
度;真正面および45°方向)、膜表面のシート抵抗値
(Ω/□)、電磁遮蔽性能値(1GHZ)および耐湿性
を表2に、また反射色調の色度座標を図1に示す。
×の各記号は下記の内容を示す。
mm以上の欠陥なし ×:2週間経過後 径=0.5mm以上の欠陥有り また、図1の色度座標における、図内の〜は下記サ
ンプルNoを示す。
3、;比較例1、;比較例2,;比較例3,;
比較例4、;比較例5
計により、また反射色調は、photal(型式;MC
−850A(コントロール),MCPD100(スペク
トロマルチチャンネル),UV−VIS(フォトディテ
クター)、大塚エレクトロニクス製)により、また抵抗
値は、4探針プローブ抵抗計(エプソン社製)により、
電磁波遮蔽性能は、米国軍用規格MIL−std285
に準じる、また耐湿性は温度30度 湿度90%の恒温
槽に保管(環境試験機 タバイエタック 製品名 ビル
トイン Hシリーズ 型式 TBL−3HWOGAC)
によりそれぞれ測定した。
に、可視光線透過率は約75%と高く、ガラス面の反射
色調も緑色から青緑色の落ち着いた色調であり、電磁波
遮蔽性能も35dB以上と高性能のものが得られた。さ
らに、耐湿性も良好であった。
せず、その他は表1に示すような膜厚になるように実施
例1と同様に成膜した。なお、第1層、第4層および第
7層の酸化物層の膜厚は、合計でそれぞれ33.4n
m、85.8nm、35.7nmであった。
高く、ガラス面の反射色調も青緑色から青色の落ち着い
た色調であり、電磁波遮蔽性能も41dBと高性能のも
のが得られた。さらに、耐湿性も良好であった。なお、
表2の耐湿性の欄の◎印は耐湿性の良好のものであり、
△印は長期耐湿性に劣り好ましくなく、×印は全く耐湿
性に劣るものを示す。
せず、その他は表1に示すような膜厚になるように実施
例1と同様に成膜した。なお、第1層、第4層および第
7層の酸化物層の膜厚は、合計でそれぞれ34.8n
m、91.1nm、35.4nmであった。
やや透視性を抑えたものであり、ガラス面の反射色調も
青緑色から青色の落ち着いた色調であり、電磁波遮蔽性
能も43dBと高性能のものが得られた。さらに、耐湿
性も良好であった。
金属ターゲットを取り付けた。先ず1パス目として、成
膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=8:2)に
保持し、第1層としてのZnO2層を38.0nm成膜
した。次に2パス目として雰囲気をAr100%の不活
性雰囲気に保持し、次いでAg層を16.6nm、第3
層のZn層を1.7nm成膜した。3パス目として成膜
室の雰囲気を再び酸化性雰囲気(O2:Ar=8:2)
に保持し、次にZnO2層を70nm成膜し、さらに4
パス目として2パス目と同じ雰囲気で、第5層のAg層
を16.6nm、第6層のZn層を1.7nm成膜し、
5パス目として3パス目と同じ雰囲気でZnO2層を3
2.5nm成膜ガラスしたのち、成膜室より排出した。
高透過率であり、電磁波遮蔽性能も36dBと高性能の
ものが得られたが、ガラス面の反射色調が赤から橙色と
違和感のある色調であり、好ましいものではなかった。
さらに、耐湿性も2週間経過後膜の白濁のピンホール欠
陥がみられ、好ましくなかった。
ー層としてのZnの代わりに、Tiターゲットを用いて
Tiの金属バリアー層を成膜した。なお、各膜の膜厚は
表1に示す通りである。
高透過率であり、電磁波遮蔽性能も37dBと高性能の
ものが得られたが、比較例1と同様にガラス面の反射色
調が赤から橙色と違和感のある色調であり、好ましいも
のではなかった。さらに、耐湿性も2週間経過後膜の白
濁のピンホール欠陥がみられ、好ましくなかった。
成膜した。
高透過率であり、電磁波遮蔽性能も30dBものが得ら
れたが、ガラス面の反射色調が白から赤紫色と違和感の
ある色調であり、好ましいものではなかった。さらに、
耐湿性も2週間経過後膜の白濁のピンホール欠陥がみら
れ、好ましくなかった。
nAの各金属ターゲットを取り付けた。先ず1パス目と
して、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=
8:2)に保持し、第1層としてのZnO2層を38.
0nm成膜した。次に2パス目として雰囲気をAr10
0%の不活性雰囲気に保持し、次いでAg層を17.0
nm、第3層のZnAl層を1.0nm成膜した。3パ
ス目として成膜室の雰囲気を再び酸化性雰囲気(O2:
Ar=8:2)に保持し、第4層の1層目としてのZn
AlO2層を3.6nm、2層目としてのZnO2層を6
1.4nmを順次成膜し、さらに4パス目として2パス
目と同じ雰囲気で、第5層のAg層を17.0nm、第
6層のZnAl層を1.0nm成膜し、5パス目として
3パス目と同じ雰囲気でZnAlO2層を3.6nm、
次いでZnO2層を28.4nmを順次成膜したのち、
成膜室より排出した。なお、第4層および第7層の酸化
物層の膜厚は、合計でそれぞれ69.0nm、34.0
nmであった。
高透過率であり、電磁波遮蔽性能も36dBと高性能の
ものが得られたが、比較例1と同様にガラス面の反射色
調が赤から橙色と違和感のある色調であり、好ましいも
のではなかった。さらに、耐湿性も2週間経過後膜の白
濁のピンホール欠陥がみられ、好ましくなかった。
膜厚になるようにそれぞれ成膜した。
高透過率であり、電磁波遮蔽性能も36dBと高性能の
ものが得られたが、比較例3と同様にガラス面の反射色
調が白から紫色と違和感のある色調であり、好ましいも
のではなかった。さらに、耐湿性も2週間経過後膜の白
濁のピンホール欠陥がみられ、好ましくなかった。
である違和感のない30dB以上(1GHz)の高電磁
波遮蔽性能を有し、さらに可視光線透過率が80%以下
から30%まで自在に得られる耐湿性の優れた高品質・
高性能の電磁波遮蔽膜付き基板が容易に得られる効果を
有する。
Claims (5)
- 【請求項1】透明基板上に、透明基板/透明酸化物層お
よび/または透明窒化物層よりなる第1層/Ag層より
なる第2層/ZnAlの金属バリヤー層よりなる第3層
/透明酸化物層および/または透明窒化物層よりなる第
4層/Ag層よりなる第5層/ZnAlの金属バリヤー
層よりなる第6層/透明酸化物層および/または透明窒
化物よりなる第7層からなる被膜が順次積層され、第1
層目の膜厚が26〜36nm,第2層および第5層の膜
厚がそれぞれ15nm〜50nm、第3層および第6層
の膜厚がそれぞれ1.5nm以下、第4層の膜厚が80
〜100nm、第7層の膜厚が23〜40nmからなる
ことを特徴とする電磁波遮蔽膜付き基板。 - 【請求項2】前記被膜の表面シート抵抗値が2.3Ω/
□以下、前記膜付き基板の可視光線透過率が30〜80
%、被膜の被覆されていない透明基板面の反射色調はL
a*b*表示において−20<a*<−5、−40<b*<
10の範囲である無彩色からやや青緑色の色調を呈する
ことを特徴とする請求項1記載の電磁波遮蔽膜付き基
板。 - 【請求項3】第1層、第4層および第7層の透明金属酸
化物層および/または透明金属窒化物層は、ZnO2,
ZnAlO2、SnO2、TiO2、Al2N3、Si2N3
のうちから選択された少なくとも1種からなることを特
徴とする請求項1乃至2記載の電磁波遮蔽膜付き基板。 - 【請求項4】ZnAlの金属バリアー層は、Alを1〜
10原子%含むZnAl合金であることを特徴とする請
求項1乃至3記載の電磁波遮蔽膜付き基板。 - 【請求項5】第2層および第5層のAg層の膜厚がそれ
ぞれ20nm以上で、1GHZにおける電磁波遮蔽性能
が40dB以上であることを特徴とする請求項1乃至4
記載の電磁波遮蔽膜付き基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04932399A JP3549761B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁波遮蔽膜付き基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04932399A JP3549761B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁波遮蔽膜付き基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000252682A true JP2000252682A (ja) | 2000-09-14 |
JP3549761B2 JP3549761B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=12827781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04932399A Expired - Lifetime JP3549761B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁波遮蔽膜付き基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3549761B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002308650A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-23 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 防火ガラス物品 |
JP2002368482A (ja) * | 2001-06-11 | 2002-12-20 | Gunze Ltd | 電磁波シ−ルド用部材とその製造方法 |
WO2003037056A1 (fr) * | 2001-10-26 | 2003-05-01 | Central Glass Company, Limited | Substrat dote d'un film de protection electromagnetique |
JP2007505810A (ja) * | 2003-09-17 | 2007-03-15 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
JP2007191384A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-08-02 | Central Glass Co Ltd | 低放射ガラス |
JP2008027941A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
JP2008072013A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
KR100895759B1 (ko) * | 2002-08-08 | 2009-04-30 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | Ag계 합금으로 이루어진 광반사막을 구비한 액정표시 소자 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP04932399A patent/JP3549761B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002308650A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-23 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 防火ガラス物品 |
JP4547657B2 (ja) * | 2001-04-04 | 2010-09-22 | 日本電気硝子株式会社 | 防火ガラス物品 |
JP2002368482A (ja) * | 2001-06-11 | 2002-12-20 | Gunze Ltd | 電磁波シ−ルド用部材とその製造方法 |
WO2003037056A1 (fr) * | 2001-10-26 | 2003-05-01 | Central Glass Company, Limited | Substrat dote d'un film de protection electromagnetique |
KR100895759B1 (ko) * | 2002-08-08 | 2009-04-30 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | Ag계 합금으로 이루어진 광반사막을 구비한 액정표시 소자 |
JP2007505810A (ja) * | 2003-09-17 | 2007-03-15 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
JP4800947B2 (ja) * | 2003-09-17 | 2011-10-26 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
JP2007191384A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-08-02 | Central Glass Co Ltd | 低放射ガラス |
JP2008027941A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
JP2008072013A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3549761B2 (ja) | 2004-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3902676B2 (ja) | 日光及び/又は赤外線に作用する薄い皮膜の積層を備えた透明な基材 | |
EP0908421B1 (en) | High light transmission, low-e sputter-coated layer systems and insulated glass units made therefrom | |
JP3998738B2 (ja) | 半透明の材料からなる平板ならびにその製造方法 | |
RU2431621C2 (ru) | Лист стекла, несущий многослойное покрытие | |
CN101830643B (zh) | 一种双银镀膜玻璃及其制造方法 | |
CA1279535C (en) | Coated glass article as a new article of manufacture | |
KR101027610B1 (ko) | 전자파 차폐 적층체 및 이를 이용한 디스플레이 장치 | |
JP4114429B2 (ja) | 積層体および構造体 | |
WO2002004376A1 (fr) | Element photocatalytique | |
JP4013329B2 (ja) | 積層体および窓用ガラス積層体 | |
WO1991002102A1 (en) | Film based on silicon dioxide and production thereof | |
JP3053668B2 (ja) | 熱線遮断膜 | |
TW200300109A (en) | Substrate with electromagnetic shield film | |
EP3514583B1 (en) | Sunlight shielding member | |
JP3549761B2 (ja) | 電磁波遮蔽膜付き基板 | |
WO2011001983A1 (ja) | 導電性積層体およびプラズマディスプレイ用保護板 | |
JPH11157881A (ja) | 低放射ガラス積層体 | |
JP2003133787A (ja) | 電磁波シールド膜付き基板 | |
CN115140949B (zh) | 一种低反射率低透过率low-e镀膜玻璃及制作方法 | |
JP2018002564A (ja) | グレー色調低放射ガラス | |
JP3924849B2 (ja) | 透明導電フィルムおよびそれを用いた電磁波シールドフィルター | |
JP2004128220A (ja) | 電磁波シールド膜付き基板 | |
JPS63239043A (ja) | 赤外反射物品 | |
JPH0640746A (ja) | 自動車用窓ガラス | |
JP2007197237A (ja) | 低放射複層ガラス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040420 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040421 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080430 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120430 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120430 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430 Year of fee payment: 10 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |