JP2000252272A - 成膜装置及び方法 - Google Patents

成膜装置及び方法

Info

Publication number
JP2000252272A
JP2000252272A JP11056156A JP5615699A JP2000252272A JP 2000252272 A JP2000252272 A JP 2000252272A JP 11056156 A JP11056156 A JP 11056156A JP 5615699 A JP5615699 A JP 5615699A JP 2000252272 A JP2000252272 A JP 2000252272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
film forming
temperature
film
material gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11056156A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoaki Kogure
直明 小榑
Akira Fukunaga
明 福永
Kuniaki Horie
邦明 堀江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP11056156A priority Critical patent/JP2000252272A/ja
Publication of JP2000252272A publication Critical patent/JP2000252272A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料ガスの搬送流路内での付着物の生成を防
止しつつ広い温度制御範囲を確保して安定に成膜室に原
料ガスを供給することができる成膜装置及び方法を提供
する。 【解決手段】 原料ガス搬送流路96a,96b,10
2から供給される原料ガスを酸化ガスとともにガス噴射
ヘッド20から気密な成膜室10に載置された基板Wに
向けて噴射し、基板上に成膜を行う成膜装置において、
前記原料ガス搬送流路を構成する構成部材70a,70
b,62,92の少なくとも一部に表面の不動態化処理
が施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜装置に関し、
特に、チタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘電体
又は強誘電体薄膜を形成するために使用される成膜装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業における集積回路の集
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。かかるDRAMの製造のためには、
小さな面積で大容量が得られるキャパシタ素子が必要で
ある。このような大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜
として、比誘電率が10以下であるシリコン酸化膜やシ
リコン窒化膜に替えて、比誘電率が20程度である五酸
化タンタル(Ta)薄膜、あるいは比誘電率が3
00程度であるチタン酸バリウム(BaTiO)、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO)又はチタン酸バ
リウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視
されている。また、さらに比誘電率が高いPZT、PL
ZT、Y1等の強誘電体の薄膜材料も有望視されてい
る。
【0003】ところで、このような素材の成膜を行う方
法として、化学気相成長法(CVD)が有望とされてい
る。図3は、この種のチタン酸バリウム/ストロンチウ
ム等の高誘電体又は強誘電体薄膜を形成するための成膜
装置の全体構成を示す図であり、液体原料を気化させる
気化器(ガス発生装置)110の下流側に原料ガス搬送
流路112を介して密閉可能な成膜室114が設けら
れ、さらにその下流側の排気流路118に真空ポンプ1
16が配置されている。成膜室114には、酸素等の酸
化ガスを供給する酸化ガス配管120が接続されてい
る。
【0004】このような構成の成膜装置により、基板W
を基板保持・加熱台124上に載置し、基板Wを所定温
度に維持しつつガス噴射ヘッド128のノズル穴126
から原料ガスと酸化ガスとの混合ガスを基板Wに向けて
噴射して、基板Wの表面に薄膜を成長させる。この場
合、原料ガスを成膜室内の被成膜基板に向けて安定的に
供給する必要がある。原料ガスは、常温で固体のBa
(DPM)、Sr(DPM)などを溶解し、さらに
気化特性を安定化させるためにテトラヒドロフラン(T
HF)などの有機溶剤を混合した液体原料を気化器で加
熱して気化させることによって生成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発明者の実
機での観察によれば、Y1系の強誘電体を成膜する時、
ガス噴射ヘッド内部の原料ガスの搬送流路を構成する部
材の原料ガスと酸化ガスとの合流部の手前の周壁面に黒
い粉末体の付着物が発生する。このような付着物は剥離
しやすく、下流側の成膜室に同伴されると成膜室内の基
板に付着してパーティクル源となる。また、成膜室内に
送られる原料の量や組成が変化して、成膜の速度や組成
の制御が困難になってしまうという問題があった。
【0006】これは、原料ガス流路を構成する金属部材
の一部が露出し、これを触媒として原料ガス中の成分の
反応が進行するためと考えられる。特に、ステンレス鋼
にはFe,Niという遷移金属(VIII)たる元素を大量
に含んでおり、このFe,Niは触媒活性が非常に高い
ため、周囲の化学反応を促進する作用が著しく強くな
り、原料ガスの分解及び表面への吸着反応を強力に推進
することになる。そして、原料ガスが分解して堆積物と
なった場合、これは通常、種々の酸化物または炭酸塩を
主たる構成要素とする可能性が大きく、金属酸化物触媒
の作用等でこの分解堆積の現象は連続して生じて、徐々
に成長することになる。
【0007】本発明は、上記の課題に鑑みて為されたも
ので、原料ガスの搬送流路内での付着物の生成を防止し
つつ広い温度制御範囲を確保して安定に成膜室に供給で
きる成膜装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、原料ガス搬送流路から供給される原料ガスを酸化ガ
スとともにガス噴射ヘッドから気密な成膜室に載置され
た基板に向けて噴射し、基板上に成膜を行う成膜装置に
おいて、前記原料ガス搬送流路を構成する構成部材の少
なくとも一部に表面の不動態化処理が施されていること
を特徴とする成膜装置である。
【0009】不動態化処理の方法としては、硝酸その
他の強力な酸化剤を含む処理液に浸漬する方法、酸素
または清浄な空気中における低温加熱による方法、酸
化剤を含む溶液中における陽極分極による方法、等が挙
げられる。この不動態化処理を施すことによって得られ
る緻密な不動態皮膜は、耐食性に優れているばかりでな
く、触媒活性の高い母材の露出を阻止して、原料分解生
成物の生成及びその堆積を防止する機能を果たす。
【0010】請求項2に記載の発明は、原料ガス搬送流
路から供給される原料ガスを酸化ガスとともにガス噴射
ヘッドから気密な成膜室に載置された基板に向けて噴射
し、基板上に成膜を行う成膜方法において、成膜工程の
開始前に前記原料ガス搬送流路を構成する構成部材の少
なくとも一部を高温の酸化ガス雰囲気に曝して表面不動
態化処理を行なうことを特徴とする成膜方法である。こ
れにより、稼動中、あるいはメンテナンス時に不動態皮
膜が剥離して欠損が生じたとしても、高温の酸化ガス雰
囲気中で不動態皮膜が形成されて欠損が自己修復され
る。
【0011】この方法としては、装置に加熱手段を設
け、酸化ガス(酸素、N2O、オゾン、HO等)を流
すか又は封じ込める方法、加熱した酸化ガスを装置内
に流す方法、上記2つの方法を併用した方法等があ
る。
【0012】の方法では、装置自体が高温になるた
め、装置の耐熱温度以上に温度を上昇させることは困難
であるが、装置内にホットプレート等が設置してある場
合においては、ホットプレートを加熱した状態で酸化ガ
スを流すことによって、ホットプレートの制限温度まで
の高温の処理が可能となる。の方法では、ガスの注入
口、ガスの流し方等を工夫して、部材の表面に高温の酸
化ガスを噴射することによって、装置自体の過熱を防ぎ
つつ部材の表面処理を短時間で行うことができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記構成部材の
母材が、ステンレス鋼、アルミニウム、又はニッケル又
はそれらの合金であることを特徴とする請求項1に記載
の成膜装置又は請求項2に記載の成膜方法である。
【0014】請求項4に記載の発明は、各搬送流路がオ
ーステナイト系ステンレス鋼からなり、かつ前記酸化ガ
ス雰囲気の温度が、各搬送流路構成部材の溶体化処理温
度以下または鋭敏化処理温度以下であることを特徴とす
る請求項3に記載の成膜装置又は成膜方法である。この
ような条件下においては、200℃以上であることが必
要であると思われる。
【0015】溶体化処理温度まで上昇させる手段として
は、酸化ガスの温度をその温度以上まで上昇させて流す
ことによって対応することができる。また、ガスの流入
を停止すれば速やかに装置を冷却でき、部材の表面だけ
を溶体化処理することが可能でかつ厚い酸化皮膜を作る
ことも可能である。
【0016】一方、溶体化温度に達しないか、或いは達
しても冷却に時間がかかってしまうような場合は、逆に
部材が粒界腐食を生じやすい組織に変質、劣化してしま
うおそれが大きいので、鋭敏化温度以下での対応をとれ
ばよい。鋭敏化温度以下での処理であれば、部材が粒界
腐食を生じやすい組織に変質することがなく、かつ十分
な厚さの酸化皮膜を作ることが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。この成膜装置は、気密
な成膜室10を構成する容器本体12と、容器底部14
の中央に開口する筒状部16内を昇降可能な基板保持台
(サセプタ)18と、容器本体12の頂部に取り付けら
れたガス噴射ヘッド(シャワーヘッド)20とを備えて
いる。
【0018】これら容器本体12、容器底部14及び筒
状部16とガス噴射ヘッド20には、オイルのような熱
媒体を流通させる熱媒体流路22,24,26,28
a,28cが形成され、これらの流路は外部配管30を
介して、ポンプ等の送油手段32、及びヒータ等の加熱
手段34からなる熱媒体ユニット36に流通している。
また、必要箇所を冷却するために冷却水循環ユニットが
設けられている(図示せず)。容器底部14には、生成
ガスを排気する排気孔38が開口し、これは図示しない
真空ポンプに連結している。
【0019】サセプタ18は支持軸40を介して成膜室
10の下方に配置された昇降装置42に連結され、これ
により筒状部16の中を昇降する。筒状部16の所定高
さには、搬送用のロボット44を有するロボット室46
に向かう位置に基板搬送口48が開口しており、これは
ベローズ(通路)50を介してロボット室46のゲート
52に接続されている。この基板搬送口48にはパージ
ガス供給口54が開口している。サセプタ18には基板
Wを加熱するためのヒータ56が設けられ、所定位置に
取り付けられた基板温度センサの検出値に基づいて該ヒ
ータ56への電力を調整して基板温度を一定に維持する
ようにしている。
【0020】ガス噴射ヘッド20は、成膜対象の基板W
に対向して配置されるノズル盤60と背板62及び周壁
64によってほぼ円盤状のガス混合空間66を形成する
噴射ヘッド本体68と、前記背板62側から前記噴射ヘ
ッド本体68に接続されて前記ガス混合空間66に原料
ガスと酸化ガスを供給するガス供給配管70とを備えて
いる。ガス供給配管70は同軸の多重管であり、中心に
はノズル盤面に達する熱電対(温度センサ)72が挿入
されている。
【0021】ノズル盤60は、基板Wよりやや大きい径
に設定され、上側に延びる前記周壁64と一体に形成さ
れており、これによりノズル盤60の上側に凹所を形成
している。ノズル盤60には、多数のジェットノズル形
状のガス噴射孔74を有するノズル要素76が装着さ
れ、前記熱媒体流路28aが各ノズル要素76を取り囲
むように形成されている。28b,28b’は、各々の
熱媒体のノズル盤60への出入り口である。
【0022】ノズル盤60の上側には、多数のガス分散
孔78を有する分散板80が配置され、ノズル盤60と
の間にガス分散空間82が形成されている。分散板80
の縁部には上下に延びる筒状壁84が形成されて、上下
にガス混合空間を形成している。ガス分散孔78は、ノ
ズル盤60のガス噴射孔74と互い違いになるように配
置されている。分散板80の筒状壁84の上端に接する
ように背板62が装着され、背板62の中央には、同軸
の多重管である上記ガス供給配管70が挿入されてい
る。
【0023】周壁64の内面、背板62の上面、ガス供
給配管70の外面を覆うように外被86が設けられ、こ
れと周壁64の間にはシールリング88が配されて内部
を密閉している。この外被86と背板62の上面及びガ
ス供給配管70の外面の間には、熱媒体流路28cが形
成されており、ガス供給配管70と分配板92,94と
を加熱している。
【0024】背板62と分散板80の間の空間には、上
下2枚の分配板92,94が装着されて、上側の分配板
92と背板62との間に原料ガスの搬送流路96aが、
両分配板92,94間に酸化ガスの搬送流路98aがそ
れぞれ形成されている。この原料ガスの搬送流路96a
は、ガス供給配管70の外管70aと内管70bとの間
に形成された原料ガスの搬送流路96bに、酸化ガスの
搬送流路98aは、内管70bの内部に形成された酸化
ガスの搬送流路98bにそれぞれ連通するようになって
いる。
【0025】分配板92,94の外周と分散板80の筒
状壁84の間には環状の第1混合空間66aが形成さ
れ、下側の分配板94と分散板80の間には円盤状の第
2混合空間66bが形成され、これらの第1混合空間6
6aと第2混合空間66bがガス混合空間66を構成し
ている。この例では、筒状壁84の内面が分散板80に
向かうに従い内側に向く傾斜面84aとなっており、原
料ガスの搬送流路96aと酸化ガスの搬送流路98a内
を流れた両ガスを混合し反転させて第2混合空間66b
にスムースに導くようになっている。なお、背板62は
熱媒体流路28cにより所定の温度に維持されているの
で、分配板92,94の温度も原料ガスの凝縮や分解が
起きない温度に維持される。
【0026】このガス噴射ヘッド20においては、ガス
発生装置としての気化器100の下流側に接続された原
料ガス搬送流路102にガス供給配管70の原料ガスの
搬送流路96bが連通し、酸化ガス搬送流路104にガ
ス供給配管70の酸化ガスの搬送流路98bが連通して
いる。また、原料ガス搬送流路102と酸化ガス搬送流
路104の内部には、開閉弁106a,106bが設置
されている。
【0027】ここで、原料ガスの搬送流路96a,96
bを構成する搬送流路構成部材であるガス供給配管70
の外管70aと内管70b、及び背板62と上側の分配
板92は、例えば、18−8ステンレス鋼製で、これら
の各部材に不動態化処理が施され、表面に緻密な不動態
皮膜が形成されている。この不動態化処理は、装置の組
立て前に、これらの部材を硝酸その他の強力な酸化剤を
含む処理液に浸漬させることによって行われる。なお、
酸素または清浄な空気中における低温加熱や、酸化剤を
含む溶液中における陽極分極によって行うこともでき
る。
【0028】このように構成された成膜装置の作用を説
明する。気化器100で生成された原料ガスと図示しな
い供給源から供給される酸化ガスは、ガス供給配管70
にそれぞれ導入される。原料ガスは、例えば、Ba(D
PM)、Sr(DPM)及びTi(i−OC
等の有機金属化合物を溶剤に溶解したものが
混合されて気化され、Ar等のキャリアガスに随伴させ
られたものであり、酸化ガスは、例えば、O,N
O,HO等の酸素含有ガス、あるいはオゾン
(O)を含むガスを指す。
【0029】原料ガスは、ガス供給配管70の外管70
aと内管70bとの間の搬送流路96bと、背板62と
上側の分配板92との間の搬送流路96aを通過して環
状の第1混合空間66aに噴射され、傾斜面84aに当
たって偏向して円盤状の第2混合空間66bの中央に向
けて流入する。一方、原料ガスは、ガス供給配管70の
内管70b内の搬送流路98bと、両分配板92,94
間の搬送流路98aを通過して環状の第1混合空間66
aに噴射され、傾斜面84aに当たって偏向して円盤状
の第2混合空間66bの中央に向けて流入する。原料ガ
スと酸化ガスは、この過程で拡散・混合される。
【0030】この時、原料ガスの搬送流路96a,96
bを構成するガス供給配管70の外管70aと内管70
b、及び背板62と上側の分配板92は、不動態化処理
が施されて表面に緻密な不動態皮膜が形成されているた
め、金属の活性な表面が露出しておらず、原料ガス中の
成分が金属表面を触媒として反応することが防止され
る。従って、このような反応の生成物が付着し堆積する
ことが防止される。
【0031】一方、第2混合空間66bでは、混合ガス
は周囲から流入して中心に向かい、その過程で分散板8
0のガス分散孔78から順次ガス分散空間82に流入す
る。そして、このガス分散空間82に流入した混合ガス
は、各ノズル要素76のガス噴射孔74から下方に向け
て均一に噴射される。
【0032】上記において、熱媒体は熱媒体ユニット3
6から外部配管30を介してノズル盤60、周壁64、
及び外被86と背板62の間の熱媒体流路28に供給さ
れており、これにより各部を所定温度に維持している。
【0033】装置の修理や点検等の後の装置の立上げ時
においては、原料ガスの搬送流路96a,96bに沿っ
て高温の酸化ガスを流すことによって、予め不動態化処
理を施した各部材の原料ガスとの接触面を高温酸化ガス
雰囲気に曝すことにより、不動態皮膜修復処理を行な
う。しかる後、原料ガスの搬送流路96a,96bに沿
って原料ガスを流して成膜処理を行う。これにより、装
置組立て時や成膜供用中に不動態皮膜が剥離して欠損が
生じたとしても、金属は高温の酸化ガス雰囲気中で酸化
して酸化物を生成するという自己補修作用によって欠損
が自己修復される。
【0034】なお、不動態修復処理は、成膜装置に加熱
手段を設け、装置全体を加熱した状態で、原料ガスの搬
送流路96a,96bに沿って酸化ガスを流すか、また
は封じ込めることで、不動態化処理を施した各部材の原
料ガスとの接触面を高温酸化ガス雰囲気に曝すことによ
って行っても良い。この場合、装置自体が高温になるた
め、装置の耐熱温度以上に温度を上昇させることは困難
であるが、装置内にホットプレート等が設置してある場
合においては、ホットプレートを加熱した状態で酸化ガ
スを流すことによって、ホットプレートの制限温度まで
の高温の処理が可能となる。
【0035】この酸化ガス雰囲気の温度は、各搬送流路
構成部材の溶体化処理温度以下または鋭敏化処理温度以
下で、200℃以上である。溶体化処理温度まで上昇さ
せる手段としては、酸化ガスの温度をその温度以上まで
上昇させて流すことによって対応できる。また、酸化ガ
スを停止することによって速やかに装置を冷却でき、部
材の表面のみを溶体化処理することが可能でかつ厚い酸
化皮膜を作ることも可能である。
【0036】なお、溶体化温度に達しないか、或いは達
しても冷却に時間がかかってしまうような場合は、逆に
部材が粒界腐食を生じやすい組織に変質・劣化するおそ
れが大きいので、鋭敏化温度以下での対応をとればよ
い。鋭敏化温度以下での処理であれば、部材が粒界腐食
を生じやすい組織に変質することがなく、かつ十分な厚
さの酸化皮膜を作ることが可能である。
【0037】この作業は、装置立上げ時や分解洗浄後の
再立上げだけでなく、所定回数の成膜処理を行った後に
定期的に行っても良い。これにより、成膜処理に伴って
不動態皮膜が剥離又は損耗して欠損が生じても、この欠
損が自己修復される。
【0038】この例では、原料ガス搬送流路102を構
成する配管及び該配管内に配置される開閉弁106a等
の各機器にも不動態化処理が施され、これにより、気化
器100で発生した原料ガスがガス噴射ヘッド20に供
給される過程で、原料ガスによる付着物が生成されるこ
とが防止されている。
【0039】なお、ガス噴射ヘッドを構成する他の構成
部品に不動態化処理を施しても良く、また、18−8ス
テンレス鋼の代わりに、他のステンレス系やアルミ合金
系、更にはニッケル合金系材料を使用しても良い。ま
た、上記の実施の形態にあっては、原料ガス供給原とし
て、液体原料の流路を加熱する形式の気化器を使用した
例を示しているが、液体原料にヘリウムガス等によるバ
ブリングを施して原料ガスを発生させるバブリングタイ
プのものでもよく、さらに、本来気体であるような原料
ガスを貯蔵するボンベであっても適用できることは言う
までもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原料ガスを広い温度制御範囲でその搬送流路内での付着
物の生成を防止しつつ安定して成膜室に供給することが
でき、それにより、高・強誘電体等の比較的不安定な原
料ガスを用いる成膜を、安定的にかつ品質良く行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の成膜装置の概略を示す断
面図である。
【図2】図1のガス噴射ヘッドの拡大断面図である。
【図3】成膜装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
10 成膜室 20 ガス噴射ヘッド 60 ノズル盤 62 背板 66 ガス混合空間 68 噴射ヘッド本体 70 ガス供給配管 70a 外管 70b 内管 74 ガス噴射孔 80 分散板 82 ガス分散空間 92,94 分配板 96a,96b 原料ガスの搬送流路 98a,98b 酸化ガスの搬送流路 100 気化器(ガス発生装置) 102 原料ガス搬送流路 104 酸化ガス搬送流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 邦明 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4K030 AA11 AA14 AA16 BA42 BA48 EA01 EA05 KA46 KA47 LA15 5F045 AB40 AC07 AC11 AC15 BB15 DC63 DP03 EC02 EC08 EE05 EF05 EF11 EK10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガス搬送流路から供給される原料ガ
    スを酸化ガスとともにガス噴射ヘッドから気密な成膜室
    に載置された基板に向けて噴射し、基板上に成膜を行う
    成膜装置において、 前記原料ガス搬送流路を構成する構成部材の少なくとも
    一部に表面の不動態化処理が施されていることを特徴と
    する成膜装置。
  2. 【請求項2】 原料ガス搬送流路から供給される原料ガ
    スを酸化ガスとともにガス噴射ヘッドから気密な成膜室
    に載置された基板に向けて噴射し、基板上に成膜を行う
    成膜方法において、 成膜工程の開始前に前記原料ガス搬送流路を構成する構
    成部材の少なくとも一部を高温の酸化ガス雰囲気に曝し
    て表面不動態化処理を行なうことを特徴とする成膜方
    法。
  3. 【請求項3】 前記構成部材の母材が、ステンレス鋼、
    アルミニウム、又はニッケル又はそれらの合金であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の成膜装置又は請求項2
    に記載の成膜方法。
  4. 【請求項4】 各搬送流路がオーステナイト系ステンレ
    ス鋼からなり、かつ前記酸化ガス雰囲気の温度が、各搬
    送流路構成部材の溶体化処理温度以下または鋭敏化処理
    温度以下であることを特徴とする請求項3に記載の成膜
    装置又は成膜方法。
JP11056156A 1999-03-03 1999-03-03 成膜装置及び方法 Pending JP2000252272A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11056156A JP2000252272A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 成膜装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11056156A JP2000252272A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 成膜装置及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000252272A true JP2000252272A (ja) 2000-09-14

Family

ID=13019241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11056156A Pending JP2000252272A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 成膜装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000252272A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3823591B2 (ja) Cvd原料用気化装置およびこれを用いたcvd装置
US8404603B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device and substrate processing system
JP3567070B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
US8663735B2 (en) In situ generation of RuO4 for ALD of Ru and Ru related materials
JP4472008B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP3390517B2 (ja) 液体原料用cvd装置
US6416584B1 (en) Apparatus for forming a film on a substrate
US5044314A (en) Semiconductor wafer processing apparatus
US20130023062A1 (en) Thin film manufacturing apparatus, thin film manufacturing method and method for manufacturing semiconductor device
JP4399206B2 (ja) 薄膜製造装置
US20060070575A1 (en) Solution-vaporization type CVD apparatus
JP2010267925A (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JPH036224B2 (ja)
JP2000345345A (ja) Cvd装置およびcvd装置用気化装置
JPWO2002058141A1 (ja) 気化器及びそれを用いた各種装置並びに気化方法
JP2000144432A (ja) ガス噴射ヘッド
TWI428987B (zh) Film Forming Method and Memory Media of Titanium (Ti) Membrane
CN114277357A (zh) 气化系统、基板处理装置以及半导体装置的制造方法
TW201350620A (zh) 噴嘴單元及使用該噴嘴單元的基板處理設備
JP2005228972A (ja) 成膜方法および成膜装置
JP2001064777A (ja) ガス噴射ヘッド
JP2000252272A (ja) 成膜装置及び方法
JP2002222805A (ja) 基板処理装置
JP2000192241A (ja) 薄膜堆積装置及び薄膜堆積装置の運用方法
JP4421119B2 (ja) 半導体装置の製造方法