JP2000251732A - 画像形成装置の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

画像形成装置の製造方法及びその製造装置

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JP2000251732A
JP2000251732A JP11051651A JP5165199A JP2000251732A JP 2000251732 A JP2000251732 A JP 2000251732A JP 11051651 A JP11051651 A JP 11051651A JP 5165199 A JP5165199 A JP 5165199A JP 2000251732 A JP2000251732 A JP 2000251732A
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heated
manufacturing
fusing
image forming
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Masaru Kamio
優 神尾
Isaaki Kawade
一佐哲 河出
Masataka Yamashita
眞孝 山下
Yasue Sato
安栄 佐藤
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気管の加熱部分が排気管の内部に引き込ま
れないように封着する画像形成装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 排気管の一部を電気的に加熱して、軟化
させる第1の工程と、前記排気管の加熱部分を引き伸ば
し、該加熱部分の外径を縮小させる第2の工程と、前記
縮小した部位を融着する第3の工程と、前記融着した部
位を切断する第4の工程と、前記切断した部位を、前記
電気的な加熱を少なくして徐々に冷却する第5の工程と
を有する画像形成装置の製造方法であって、前記第3の
工程は、前記縮小した部位に機械的な外力を加えること
によって融着する工程とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の製
造方法及び製造装置に関し、特に、排気管の加熱部分が
排気管の内部に引き込まれないようにチップオフする画
像形成装置の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自発光型平板状画像表示装置に
は、プラズマディスプレイ、EL表示装置、電子線を用
いた平板画像表示装置がある。これらについては現在大
型化、高精細化の要求が増大し、ますます自発光型平板
状画像表示装置のニーズが高まりつつある。
【0003】電子線を用いた自発光型平板状画像表示装
置を構成するには、たとえば、フェースプレート、リア
プレート及び外枠に挟まれた真空外囲器内に電子ビーム
を発生する電子源である表面伝導型電子放出素子を配
し、表面伝導型電子放出素子から出力される電子ビーム
を加速して、蛍光体に照射することによって蛍光体を発
光させ画像表示する薄型の画像表示装置がある(特開平
2−299136号公報)。
【0004】図11は、表面伝導型電子放出素子を用い
た平板状画像表示装置の断面図である。図11におい
て、901はソーダガラス等の絶縁材で構成されるリア
プレート、902は表面伝導型電子放出素子、903は
表面伝導型電子放出素子902に電気信号を供給するた
めの配線であり、外部駆動回路(図示せず)に接続され
ている。904はソーダガラスからなるフェースプレー
ト、910は画像に影響を及ぼさない領域(たとえば、
画像表示領域の外側)に設置されたゲッタ、911は排
気管である。
【0005】フェースプレート904の内側表面には、
Al薄膜のメタルバック906で覆われた蛍光体905
を塗布してある。907はフリットガラス、908は外
枠である。フェースプレート904とリアプレート90
1とを外枠908を挟んでフリットガラス907を用い
て封着し真空気密可能な外囲器を形成する。
【0006】まず、排気管911に接続した真空ポンプ
(図示せず)によって、外囲器内を真空排気する。排気
管911は、できるだけ速く外囲器内を真空排気するた
め、内径ができるだけ大きい方がよい。表面伝導型電子
放出素子902に通電し、フォーミングを行い、加熱脱
ガス、ゲッタ910をフラッシュ後、排気管911のチ
ップオフを行う。
【0007】さらに、外部駆動回路(図示せず)によっ
て、表面伝導型電子放出素子902の素子電極に画像表
示信号である電気信号を供給すると、電子放出部100
5より電子がビーム状に放出され、蛍光体905、メタ
ルバック906に印加された高電圧(1〜10kV)に
よって蛍光体905に衝突しそれを発光させ、画像を表
示させる。
【0008】図12は、表面伝導型電子放出素子902
の概略図である。図12において、1002,1003
は一定の間隔(2μm程度)を隔て設置された電極、1
004は有機Pd(CCP4230奥野製薬株式会社
製)を塗布して形成した導電性薄膜、1005は電子放
出部である。電子放出部1005は、フォーミングと呼
ばれる通電処理によって形成する。
【0009】ここで、フォーミングとは、素子電極10
02,1003間に電圧を印加通電し、局所的に導電性
薄膜1004を破壊、変形もしくは変質させ、電気的に
高抵抗な状態にの電子放出部1005を形成することで
ある。なお、電子放出部1005は、導電性薄膜100
4の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が
行われる場合もある。
【0010】このほか、表面伝導型電子放出素子902
の導電性薄膜1004としてSnO 2 膜を用いたもの、
Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“Thin Solid Films",
9,317(1972)]、In2 3 /SnO2 薄膜によるもの
[M.Hartwell and G.Fonstad:“IEEE Trans.ED Conf.",5
19(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告
されている。
【0011】なお、電子源として使用されるものとして
表面伝導型電子放出素子のほか、加熱カソードを用いた
熱電子源、電界放出型電子放出素子(W.P.Dyke&W.W.Dola
n,“Field emission",Advance in Electron Physics,8,
89(1956)や、C.A.Spindt,“Physical properties of th
in-film field emission cathodes with molybdenumcon
es",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等)、金属/絶縁層/
金属型電子放出素子(C.A.Mead“The tunnel-emission a
mplifier",J.Appl.Phys.,32,646(1961)等)が知られてい
る。
【0012】また、従来、自発光型平板状画像表示装置
の排気管のチップオフ法として、特開平7−57637
号公報に、電気ヒータ加熱によって外径9mm、内径7
mmの低熱膨張率の硬質ガラス製の薄肉排気管を封止し
た画像表示装置の製造方法が開示されている。
【0013】図13は、上記公報に掲載されている製造
方法を実現する製造装置を示す図である。図13におい
て、4は偏平容器、11は排気管(チップ管)、11a
は偏平容器4に対する連結側端部、11bは排気系25
との連結側端部、20は支持台、21は保持具、22は
ヒータ、23は加熱手段、24は真空ポンプ、25は排
気系、26は電源である。この製造装置を用いたチップ
オフ工程は以下のように行う。
【0014】電源26によって、加熱手段23のヒータ
22を通電し、支持部材20上に保持具21によって保
持された偏平容器4に取り付けられた排気管11の封着
部11aを、管軸方向に関してその全周を局部的に加熱
する。このとき、真空ポンプ24及び排気系25によっ
て偏平容器4内を真空に引いている。
【0015】その後、封止部11aが負圧によって偏平
に収縮し、支持台20もしくは排気系25を排気管11
の管軸方向に相対的に移動させ排気管11をその端部1
1a、11bを互いに引き離す方向に引き伸ばし、加熱
部分が5〜10mm程度に引き伸ばす。つぎに除冷し、
ヤスリなど偏平した部分を切断していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の画像形
成装置の製造方法は、硬質ガラス製の排気管を封止する
ためのものである。したがって、薄肉の軟質ガラス製の
排気管を封止する場合に、従来の技術を用いると、以下
の問題が発生する。
【0017】図14(A)〜(F)は、従来技術によっ
て排気管(チップ管)11の加熱部分を管軸方向に引き
伸ばす場合の排気管の形状変化を示す図である。排気管
が軟質ガラス製である場合には、加熱手段で排気管を加
熱しながら、排気管の加熱部分を管軸方向に引き伸ばす
とき、排気管の加熱部分がつぶれる。
【0018】そして、完全に排気管が封止される前に、
加熱部分が排気管に向って引き込まれ、排気管の内側に
肉薄な凸部分が発生する。これは、軟質ガラスが硬質ガ
ラスに比べ温度に対して軟化率が高いためである。
【0019】また、加熱部分が排気管の内部に引き込ま
れるのを防ぐため、加熱部分の加熱温度を低くし、ガラ
スの粘度を大きくすると、排気管が加熱部分で完全に封
止されず、切断時に封着部が真空リークを起こす。さら
に、最悪の場合には、排気管の封止部の厚みが薄くなっ
て、その部分が大気圧に耐えられずに、破局的な真空リ
ークを起こす場合もある。
【0020】また、最悪の事態にまで至らなくても、排
気管の封着部の厚みが薄くなると、その部分は非常に弱
くなり、肉溜りも発生しやすい。さらに、冷却時やチッ
プオフ後の温度変化によって、排気管にクラックが発生
する場合がある。
【0021】そこで、本発明は、排気管の加熱部分が排
気管の内部に引き込まれないようにチップオフする画像
形成装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、排気管の一部を電気的に加熱して、軟
化させる第1の工程と、前記排気管の加熱部分を引き伸
ばし、該加熱部分の外径を縮小させる第2の工程と、前
記縮小した部位を融着する第3の工程と、前記融着した
部位を切断する第4の工程と、前記切断した部位を徐々
に冷却する第5の工程とを有する画像形成装置の製造方
法であって、前記第3の工程は、前記縮小した部位に機
械的な外力を加えることによって融着する工程としてい
る。
【0023】また、本発明の画像形成装置の製造装置
は、排気管の一部を軟化させる電気的な加熱手段と、前
記排気管の加熱部分を引き伸ばす引き伸ばし手段と、前
記引き伸ばしした部位を融着する機械手段と、前記融着
した部位を切断する切断手段とを備えている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0025】図1は、表面伝導型電子放出素子を電子源
として用いた平板型画像表示装置の断面図である。図1
において、201はリアプレート、202は透明なガラ
ス基板であるフェースプレート、203はフェースプレ
ート202の内側に塗布された蛍光体、204は蛍光体
203の表面に施されたメタルバック、205は外枠、
206はフリットガラス、207はゲッタ、101は排
気管である。
【0026】リアプレート201には、ソーダガラス、
ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、SiO2 を表面に形成
したガラス基板、又はアルミナ等のセラミックス基板等
の絶縁性基板が用いられる。フェースプレート202に
は、透明なソーダ石灰ガラス等のガラス基板が用いられ
る。
【0027】蛍光体203は、モノクロームの場合は単
一の蛍光体のみを用いればよいが、カラー画像を表示す
る場合、赤、緑、青の三原色を発光する蛍光体とブラッ
クストライプあるいは、ブラックマトリックス(図示せ
ず)とを用いてこれらを境界にして、画素を形成する必
要がある。
【0028】蛍光体203の製造方法には、蛍光体スラ
リーを用いたフォトリソグラフィ法、あるいは印刷法が
あり、所望の大きさの画素にパターニングし、それぞれ
の色の蛍光体を形成する。さらに、高分子膜のフィルミ
ングによりAl等の金属薄膜を成膜し、作成したメタル
バック204を蛍光体203の表面に塗布する。
【0029】メタルバック204は、高電圧を印加する
ための電極(図示せず)と接続されている。なお、フェ
ースプレート202には、さらに導電性を高めるため蛍
光体203とフェースプレート202の間に透明導電薄
膜とを設けてもよい。
【0030】ここで、メタルバック204を設ける目的
は、蛍光体203のうち内面側への光をフェースプレー
ト202側へ鏡面反射することにより輝度を向上するこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突による
ダメージから蛍光体203を保護するなどのためであ
る。
【0031】外枠205の材質は、フェースプレート2
02又はリアプレート201と同材質、あるいはそれら
とほぼ同程度の熱膨張率をもつガラス、セラミックス又
は金属などを使用する。さらに、外枠205にはゲッタ
207を設置する。そして、フリットガラス206をフ
ェースプレート202及びリアプレート201と外枠2
05とが接する部分に塗布し、リアプレート201、外
枠205、フェースプレート202を接触させる。
【0032】また、リアプレート201には、穴(図示
せず)が設けられており、そこに、リアプレート201
とほぼ同程度の熱膨張係数をもつガラス製の排気管10
1を設置し、その接続部にもフリットガラス206を塗
布し、電気炉などで加熱し封着する。
【0033】なお、カラー表示の画像表示装置の場合は
表面伝導型電子放出素子300と蛍光体203の画素
(図示せず)とを一対一に対応させるため、フェースプ
レート202とリアプレート201との位置合わせを行
い封着する。
【0034】以上の工程により、リアプレート201、
外枠205、フェースプレート202で囲まれる空間は
真空気密可能な外囲器が形成される。
【0035】上述のように作成された外囲器を形成した
後に、排気管101に後述する電気的な加熱手段を取り
付ける。ここで電気的な加熱手段として、白金線、ニク
ロム線、カンタル線などの線材で作成した空芯コイルヒ
ータを用いることができる。さらに、その周囲に断熱部
材を設置した中空状の炉等が適応可能である。要する
に、排気管101の一部を排気管101の周方向に均一
な温度分布で外周部より通電により加熱できれば、特に
その構成は問わない。
【0036】電気的な加熱手段として空芯コイルヒータ
を用いた場合には、空芯コイルの中央部に排気管101
を片寄らないように入れ、排気管101の外周部から空
芯コイルヒータのコイルの内側までの距離が等しくなる
ように電気的な加熱手段である空芯コイルヒータを設置
する。
【0037】排気管101の端部には、図示しない真空
排気系につながった図示しないアダプタを接続し、真空
排気系によって真空外囲器内を10-3Pa程度以下の圧
力まで真空排気する。さらに、前述の通電フォーミン
グ、すなわち素子電極305,306にフォーミング用
電気信号を印加し通電処理を行い、活性化工程を行う。
【0038】つぎに、真空外囲器内を図示しない外部真
空ポンプによって真空排気しながら、真空容器全体を加
熱脱ガスする。つぎにゲッタ207を外部より高周波加
熱し、Baを主成分とするゲッタ207を加熱フラッシ
ュする。
【0039】図2は、リアプレート201上に設置され
た表面伝導型電子放出素子の上面図である。図2におい
て、300は複数ある内の一つの表面伝導型電子放出素
子、302は上配線、301は下配線、303は上配線
302と下配線301とを電気的に絶縁する層間絶縁
膜、304は配線パッドである。
【0040】まず、表面伝導型電子放出素子300の配
列、及び表面伝導型電子放出素子に画像表示用の電気
(電力)信号を供給する配線について説明する。配線の
例として、それぞれ上配線302及び下配線301の2
つの配線を直交した単純マトリクス配線を用いる。
【0041】後述するように、表面伝導型電子放出素子
300を構成している素子電極に、配線パッド304を
通して上配線302を接続する。また、下配線301は
直接電気的に接続する。上配線302、配線パッド30
4及び下配線301は、スクリーン印刷法、オフセット
印刷法などの印刷法によって複数作成する。
【0042】使用する導電性ペーストは、Ag,Au,
Pd,Pt等の貴金属、Cu,Ni等の卑金属の単独、
ないしはこれらを任意に組み合わせた金属を含み、印刷
機で配線パターンを印刷した後に、500℃以上の温度
で焼成する。形成された上下印刷配線などの厚さは、数
μm〜数100μm程度である。
【0043】さらに、少なくとも上配線302と下配線
301とが重なるところには、ガラスペーストを印刷、
焼成(500℃以上)して、厚さ数μm〜数100μm
程度の層間絶縁膜303を挟み、電気的に絶縁する。上
配線302の端部は、図示しない走査駆動手段と電気的
に接続する。走査駆動手段は、表面伝導型電子放出素子
300を走査する画像表示信号である走査信号を印加す
るものである。
【0044】一方、下配線301の端部は、図示しない
変調駆動手段と電気的に接続する。変調駆動手段は、表
面伝導型電子放出素子300を変調するための画像表示
信号である変調信号を印加するものである。
【0045】図3は、表面伝導型電子放出素子300の
上面図及び平面図である。305,306は素子電極、
307は導電性薄膜、308は電子放出部である。な
お、他の部材は、図1,図2と同一の符号を付してい
る。
【0046】表面伝導型電子放出素子300の素子電極
305,306の材料としては、一般に導電体が用いら
れる。たとえば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,
Ti,Al,Cu,Pd等の金属あるいは合金、及びP
d,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属あるい
は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In
2 3 −SnO2 等の透明導電体及び、ポリシリコンな
どの半導体材料等から適宜選択される。
【0047】素子電極305,306は、真空蒸着法、
スパッタ法、化学気相堆積法等によって素子電極材料を
成膜し、フォトリソグラフィ技術(エッチング、リフト
オフなどの加工技術も含む。)によって所望の形状に加
工して作成する。このほかに、印刷法によっても作成可
能である。要するに、素子電極材料の形状を所望の形状
に形成できればよく、特に製法は問わない。
【0048】素子電極305と306との間隔Lは、好
ましくは数100nm〜数100μmである。再現性を
よく作成するためのより好ましい素子電極間隔Lは、数
μm〜数10μmである。素子電極長さWは、素子電極
の抵抗値によっても異なるが、電子放出特性から数μm
〜数100μmであり、又素子電極305,306の膜
厚は数10nm〜数μmが好ましい。
【0049】なお、表面伝導型電子放出素子300の構
成は、図3に示したものだけでなく、リアプレート20
1上に導電性薄膜307、素子電極305,306の電
極の順に形成した構成にしてもよい。導電性薄膜307
は、良好な電子放出特性を得るために、微粒子で構成さ
れた微粒子膜が特に好ましい。
【0050】微粒子膜の膜厚は、素子電極305,30
6へのステップカバレージ、素子電極305,306間
の抵抗値及び後述する通電フォーミング条件などによっ
て適宜設定される。好ましくは、0.1nm〜数100
nmである。特に好ましくは1nm〜50nmである。
そのシート抵抗値は、102 〜107 Ω/□である。
【0051】また、導電性薄膜307を構成する材料
は、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,C
u,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金
属、PbO,SnO2 ,In2 3 ,PbO,Sb2
3 等の酸化物、HfB2 ,ZrB2,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,ZrC,H
fC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,Zr
N,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボ
ンなどがあげられる。
【0052】なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
を指しており、微粒子の直径は0.1nm〜数100n
mである。好ましくは、1nm〜20nmである。
【0053】導電性薄膜307は、素子電極305,3
06を設けたフェースプレート201に、有機金属溶液
を塗布して乾燥させることにより有機金属薄膜を形成し
て作成する。ここで、有機金属溶液とは、導電性薄膜3
07を形成する金属を主元素とする有機金属化合物の溶
液である。
【0054】その後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、
リフトオフ、エッチング等によりパターニングし、導電
性薄膜307を形成する。なお、上記の説明は、有機金
属溶液の塗布法により導電性薄膜307を形成する場合
の説明をしたが、これに限るものでなく真空蒸着法、ス
パッタ法、化学気相堆積法、分散塗布法、ディッピング
法、スピンナー法等によって、形成してもよい。
【0055】電子放出部308は、導電性薄膜307の
一部に形成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミン
グ等により形成される。通電フォーミングは素子電極3
05,306間に図示しない電極により通電を行い、導
電性薄膜307を局所的に破壊、変形もしくは変質さ
せ、構造を変化形成させるものである。
【0056】通電時の電圧波形は、特にパルス波形が好
ましく、パルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印
加する場合とパルス波高値を増加させながら、電圧パル
スを印加する場合とがある。
【0057】まず、パルス波高値を一定電圧とした場合
について説明する。パルス波は三角波を用いる。パルス
幅は数μsec〜10msec、パルス間隔は数μse
c〜100msec、波高値(通電フォーミング時のピ
ーク電圧)は表面伝導型電子放出素子300の形態に応
じて適宜選択する。
【0058】そして、適当な真空度、たとえば、6.6
-3Pa(10-5Torr)程度以下の真空雰囲気下
で、数秒〜数10分印加する。なお、素子電極305,
306間に印加する電圧波形は三角波に限定することは
ない。したがって、矩形波など所望の波形を用いてもよ
い。
【0059】つぎに、徐々に波高値を増加させながら、
電圧パルスを印加する場合について説明する。パルス波
は三角波を用いる。波高値(通電フォーミング時のピー
ク電圧)は、たとえば、0.1Vステップ程度づつ増加
させる。そして、適当な真空雰囲気下で印加する。な
お、素子電極305,306間に印加する電圧波形は三
角波に限定するものではない。したがって、矩形波など
所望の波形を用いてもよい。
【0060】また、この場合の通電フォーミング処理
は、パルス間のある時間、導電性薄膜307を局所的に
破壊、変形しない程度の電圧、たとえば、0.1V程度
の電圧を印加し、素子電流を測定し、抵抗値を求める。
たとえば、1MΩ以上の抵抗を示したときに通電フォー
ミングを終了としてもよい。
【0061】通電フォーミングが終了した素子に、活性
化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化工程と
は、たとえば、10-2〜10-3Pa程度の真空度で、通
電フォーミング同様、真空中に存在する有機物質に起因
する炭素、及び炭素化合物を導電性薄膜上に堆積させ素
子電流(素子電極305,306間に流れる電流)、放
出電流(電子放出部308より放出される電子電流)を
著しく変化させる処理である。
【0062】活性化工程は、素子電流と放出電流とを測
定しながら、たとえば、放出電流が飽和した時点で終了
する。印加する電圧パルスは、動作駆動電圧で行うこと
が好ましい。形成された亀裂内に、0.1nm〜数10
nmの粒径の導電性微粒子を有することもある。導電性
微粒子は導電性薄膜307を構成する物質の少なくとも
一部の元素を含んでいる。
【0063】電子放出部308及びその近傍の導電性薄
膜307は、炭素及び炭素化合物を有することもある。
なお、表面伝導型電子放出素子300は、リアプレート
201の面上に平面状に形成した平面型のほか、リアプ
レート201に垂直な面上に形成した垂直型でもよく、
さらには、熱カソードを用いた熱電子源、電界放出型電
子放出素子等、要するに電子を放出する素子であれば特
に制限されない。
【0064】図4は、本実施形態の画像表示装置の製造
工程を示す図である。図4において、100は平板型画
像表示装置、101は排気管、102は電気的な加熱手
段、103は加熱手段102に電流を供給する電源、1
04は排気管101を引き伸ばす引き伸ばし機構、10
5は排気管101を真空排気系(図示せず)に接続する
アダプタ、106は排気管101に振動109を与える
振動発生装置、108はガスバーナ107にガスを供給
するガス源を有するガス供給装置である。
【0065】つぎに、排気管101のチップオフ工程に
ついて説明する。
【0066】まず、第1の工程を行う。図4(a)に示
すように、電極103から電気的な加熱手段102へ電
流を流し、排気管101の一部を加熱し、ガラス製の排
気管101を軟化させる。排気管101は大気圧がかか
っているため、やがて、加熱された排気管101の加熱
部分の付近は収縮して径が小さくなる。
【0067】つぎに、第2の工程を行う。図4(b)に
示すように、引き伸ばし機構104によって、アダプタ
105を引き上げ、排気管101の加熱部分を引き伸ば
し、その径をさらに小さくする。このとき、引き伸ばす
速度、電気的加熱手段102に流す電流を調節しなが
ら、軟化した部分が排気管101内部に引き込まれるの
を防止する。
【0068】なお、引き伸ばす方向は特に問わないが、
排気管101の加熱はそれの周囲から行うので、対流に
よる加熱の効果が大きい。そのため、排気管101は軸
方向を鉛直方向にし、上下に引き伸ばすのが好ましい。
【0069】つぎに、第3の工程を行う。図4(c)に
示すように、アダプタ105の上部に設けられた機械的
な外力発生装置である振動発生装置106により、排気
管101に対して振動109を加えて排気管101を融
着する。このとき、電気的加熱手段102に流れる電流
を調節し、引き伸ばされた加熱部分が排気管の中に引き
込まれないようにする。
【0070】なお、上記の説明は、排気管101を融着
する外力発生手段として振動を用いた場合の説明である
が、このほか、排気管101の軸方向に回転する手段、
排気管101の軸に垂直な成分をもつ荷重を加える手段
等が適宜用いることができる。要するに、第2の工程で
排気管101の引き伸ばした最収束部を融着できる手段
であれば、特にその種類は問わない。
【0071】つぎに、第4の工程を行う。図4(d)に
示すように、第4の工程では排気管101の切断を行
う。予め最良の炎状態になったガスバーナ107の炎の
先端を、封止部分に当てると同時に、引き伸ばし機構1
04によってさらに封止部分を引き伸ばし切断する。こ
のとき、電気的加熱手段102に流れる電流を調節し、
引き伸ばされた封止部が排気管101の中に引き込まれ
ないようにする。
【0072】なお、ここでは加熱手段としてガスバーナ
107を用いたが、このほか、収束した赤外線ランプ
光、レーザ光によって加熱することもできる。また、ヤ
スリ等を使い、引き伸ばした封止部分より他の位置に傷
を入れ、機械的に切断したり、ダイヤモンドカッタ等で
切断してもよい。
【0073】つぎに、第5の工程を行う。第4の工程の
後に、図4(e)に示すように、電気的加熱手段102
によって再度通電した部分を、500℃程度で数10秒
間加熱する。その後、徐々に電流を減らして除冷する。
このようにして、チップオフは完了する。
【0074】上述したように作成した画像表示装置にお
いて、上配線302に接続された走査駆動手段(図示せ
ず)と、下配線301に接続された変調駆動手段(図示
せず)とに、画像信号である走査信号と変調信号とを各
々入力する。
【0075】すると、それらの差電圧として表面伝導型
電子放出素子300に駆動電圧すなわち電気信号が印加
され、導電性薄膜307に電流が流れる。そして、電子
放出部308から電気信号に従った電子が、電子ビーム
となって放出され、メタルバック204、蛍光体203
に印加された高電圧(1〜10kV)によって加速さ
れ、蛍光体203に衝突する。それによって、蛍光体2
03を発光させ、画像を表示する。
【0076】電子源として、表面伝導型電子放出素子の
ほか、電界放出型電子放出素子を用いたものや、単純マ
トリクス型のほか、電子源から出た電子ビームを制御電
極(グリッド電極配線)を用いて制御して画像を表示す
る画像表示装置においても、本実施形態の画像表示装置
の製造方法を応用することができる。
【0077】要するに、たとえば、電子源などを備えな
い画像形成装置のように、ガラス製の排気管を用い、真
空を必要とする装置であれば、本実施形態に示した製造
方法及び製造装置は応用できる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明
する。 〔実施例1〕図1〜図6を用いて、本実施例について説
明する。
【0079】リアプレート201には、大きさ240m
m×320mmのソーダガラスを用いた。リアプレート
201には、穴径Φ9.5mmの配管用の穴を開けた。
フェースプレート202には、大きさ190mm×27
0mmのソーダガラスを用いた。
【0080】リアプレート201に備える電子源である
表面伝導型電子放出素子300の素子電極305,30
6は、Ptを蒸着法によって成膜し、フォトリソグラフ
ィ技術(エッチング、リフトオフ法などの加工技術を含
む。)によって加工した。そして、膜厚100nm、電
極間隔L=2μm、素子電極長さW=300μmの形状
に加工した。
【0081】導電性薄膜307は、有機金属溶液である
有機パラジウム(奥野製薬(株)製、CCP−423
0)含有溶液を塗布した後、300℃で10分間の加熱
処理をして、パラジウムを主成分とする微粒子(平均粒
径8nm)からなる微粒子膜を形成した。そして、フォ
トリソグラフィ技術(エッチング、リフトオフなどの加
工技術を含む。)によって加工し、200×100μm
の形状とした。
【0082】上配線302(100本)は、幅500μ
m、厚さ12μm、下配線301(200本)配線パッ
ド304(20000個)は、幅300μm、厚さは8
μmとした。これらは、それぞれAgペーストインキを
印刷、焼成し形成した。層間絶縁膜303は、ガラスペ
ーストを印刷、焼成(焼成温度550℃)し、厚さは2
0μmとした。
【0083】一方、フェースプレート202に備える蛍
光体203には、グリーンの蛍光体(化成オプトニクス
(株)製、P22GN4)を用いた。メタルバック20
4には、厚さ200nmのAlを用いて高分子フィルミ
ングで作成した。蛍光体203をフェースプレート20
2に塗布し、さらにメタルバック204を塗布した。
【0084】外枠205の形状は、厚さ6mm、外形1
50mm×230mm、幅10mm、とした。材質はソ
ーダガラスを用い、Baゲッタ207を取り付けた。フ
ェースプレート202及びリアプレート201と外枠2
05とが接する部分に塗布するフリットガラス206に
は、日本電気硝子(株)製のLS−7105を用いた。
そして、外枠205をリアプレート201とフェースプ
レート202とで挟み、これらを450℃、20分間加
熱して固定した。
【0085】なお、この時同時に、リアプレート201
の排気用穴よりも内径の大きい(外径12mm、内径1
0mm)ソーダガラス製のガラス排気管101を同一の
フリットガラスを用い外囲器を排気できるように封着固
定した。
【0086】上述のように作成した外囲器及び排気管1
01を、電気的加熱手段102に設置し、排気管101
を通して、排気台(図示せず)に固定した。
【0087】ここで、図5は、本実施例で使用した電気
的加熱手段102を示す図である。図5において、40
0は空芯コイルヒータである。空芯コイルヒータ400
は、線材として、外径Φ1.8mmのカンタル線を用い
た。また、コイル内径ΦD=15mm、コイル長S=1
0mmとした。
【0088】アダプタ105には、排気管101をOリ
ング(図示せず)を介して接続した。アダプタ105に
は、ウォームギヤとモータとによって上下できる機構を
備えた引き伸ばし機構104を接続した。さらに、アダ
プタ105には、内部に振動モータを内蔵した振動発生
装置106を接続した。
【0089】上記のようにセッティングした外囲器の内
部を、排気管101を通して外部の真空排気系(図示せ
ず)により、圧力が1.33×10-3Pa以下まで真空
排気した。フォーミングは、三角波形(底辺1mse
c、周期10msec、波高値5V)の電圧パルスを6
0秒間印加して、電子放出部308を形成した。そし
て、さらに活性化を行った。そして、真空外囲器全体を
250℃で8時間、加熱脱ガスした。
【0090】つぎに、図4(a)〜図4(e)に示した
ように、排気管101のチップオフ工程を行った。具体
的には、まず、空芯コイルヒータ400のコイル部分の
内側と排気管101の外周部との距離が一様になるよう
に、空芯コイルヒータ400の位置を調整した。
【0091】電気的な加熱手段102である空芯コイル
ヒータ400に、電源103となる定電流直流電源を接
続し、28Aの電流を1分30秒流すことによって加熱
し、第1の工程を行った。
【0092】つぎに、引き伸ばし機構104のモータを
始動させ、アダプタ105を引き上げ、排気管101の
加熱部分を引き伸ばして、最収縮部の最大径を5mm程
度にした。第2の工程時では、空芯コイルヒータ400
に出力する電流は10A以下にした。
【0093】つぎに、振動発生装置106には、振動モ
ータを用い、排気管101に振動109を与えた(第3
の工程)。さらに、ガス供給装置108には、ブタンガ
ス供給装置を用い、ガスバーナ107により排気管10
1を溶断した(第4の工程)。なお、第3の工程時及び
第4の工程時には、空芯コイルヒータ400に電流を流
さなかった。
【0094】つぎに、空芯コイルヒータ400に23A
の電流を40秒間出力した。つづいて、18Aで1分間
流し、1秒間に0.6Aのレートで電流を減少させ除冷
した(第5の工程)。
【0095】本実施例の製造工程によって排気管をチッ
プオフした場合には、振動109によって排気管101
を融着して封止できるため、従来の電気ヒータのみでチ
ップオフする場合に比べ、切断時のリークの発生が無く
なると同時に、加熱された排気管101のどの部分でも
内部に引き込まれることなく、肉溜りやクラックも発生
せず、チップオフ工程の歩留まりが向上した。
【0096】図6は、空芯コイルヒータ400及び耐熱
レンガ401を示す図である。空芯コイルヒータ400
の周囲を耐熱レンガ401で囲った。耐熱レンガ401
は、肉厚Tを10mmとした。耐熱レンガ401による
炉を形成した電気的加熱手段102でも、上記と同様の
工程で画像表示装置を形成することができ、上記と同様
の効果が得られた。
【0097】さらに、電源103から電気的加熱手段1
02に流す電流は、耐熱レンガ401の熱伝導率が小さ
いため、耐熱レンガのない場合に比べ約80%で済み、
コスト軽減を図ることもできた。しかし、排気管101
の最収縮部の状態が封止工程中には観察しにくかった。
【0098】実験などの結果、良好に画像表示装置を製
造するための空芯コイルヒータ400の条件は、排気管
101の外径に対して、ΦDは2〜4mmの範囲で大き
く、Sは排気管101の外径の±40%であった。排気
管101の径を変えて、上記の製造工程を行ったとこ
ろ、この条件で、良好にチップオフできた。空芯コイル
ヒータ400の周囲を耐熱レンガ401で囲い、炉を形
成した場合にも、同一の範囲で良好にチップオフでき
た。
【0099】上述の製造工程によって、排気管101を
封止した画像表示装置を用い、図示しない下配線及び上
配線に、それぞれ変調駆動手段及び走査駆動手段を接続
して、画像表示信号を電子源である表面伝導型電子放出
素子に供給し、同時に蛍光体203とメタルバック20
4とに5kV印加し、画像表示することによって、装置
を動作した。
【0100】そして、本実施例の製造方法によって画像
表示装置が製造できることを確認した。なお、本実施例
の製造方法によって作成した画像形成装置の歩留まり率
は、90%であった。
【0101】〔実施例2〕図7は、機械手段によって排
気管101をねじって排気管101を封止する工程を示
す図である。この工程は、実施例1では、第3の工程に
該当する。本実施例では、排気管101をチップオフす
る手段として機械手段を使用した。機械手段には、モー
タによる回転機構を有する回転装置501を用いた。な
お、他の部材のうち、図4(c)と同一の部材には、図
4(c)と同一の符号を付している。
【0102】まず、実施例1と同様に、画像表示装置の
外囲器を制作し、実施例1と同様に第2の工程まで行っ
た。つぎに、回転装置501によって、排気管101を
回転方向502に45度回転させた。これは、実施例1
の第3の工程に該当する。つぎに、携帯型のダイヤモン
ドカッタで封止した部分を切断した。その後、実施例1
と同様に第4の工程及び第5の工程を行った。
【0103】実施例1と同様に、従来の電気ヒータのみ
でチップオフしたときに比べて、回転によって排気管1
01を融着することができるため、切断時のリークの発
生が無くなると同時に、加熱された排気管101のどの
部分であっても、排気管101の内部に引き込まれるこ
とがない。そのため、肉溜りは発生せず、クラックも発
生せず、チップオフ工程の歩留まりが向上した。
【0104】〔実施例3〕図8は、排気管101を横方
向に押す機械手段である荷重付与装置600を示す図で
ある。本実施例では、排気管101をチップオフする手
段として、荷重付与装置600によって、排気管101
に横方向の荷重を加えることで排気管101を封止し
た。
【0105】図8において、601は駆動モータ、60
2は駆動軸、603はスプリングである。駆動軸602
の先端についているスプリング603の先端がアダプタ
105を(図4)押すように装置内に設置した。
【0106】本実施例では、まず、実施例1と同様に画
像表示装置の外囲器を制作した。そして、実施例1にい
う第1の工程及び第2の工程を行った。その後、駆動モ
ータ601により駆動軸602を前後に駆動させた。つ
ぎに、携帯型のダイヤモンドカッタで第3の工程で融着
した部分を切断し、実施例1にいう第4の工程及び第5
の工程を行った。
【0107】実施例1と同様に、従来の電気ヒータのみ
でチップオフしたときに比べて、横方向に荷重を加える
ことによって排気管101を融着することができた。そ
のため、切断時のリークの発生が無くなると同時に、加
熱された排気管101のどの部分でも排気管101の内
部に引き込まれることがなかった。したがって、肉溜り
は発生せず、クラックも発生せず、チップオフ工程の歩
留まりが向上した。
【0108】〔実施例4〕図9は、本実施例の製造装置
を示す図である。図9において、701は歪み検出器、
702は放射温度計、703a,703bは光学的に排
気管101の外径及び内径を測定する測長器、704は
制御装置である。制御装置704は、歪み検出器701
及び放射温度計702、測長器703a,703bから
の情報を基に電源103及び引き伸ばし機構104、振
動発生装置106を制御するための装置である。
【0109】なお、その他の引用符号は、図4(a)な
どに付した部材と同一の符号をもつ部材が同じものであ
ることを示す。また、本実施例では、電子放出素子に、
図10に示す電界放出型電子放出素子を多数用いた。
【0110】図10は、本実施例で用いた電界放出型電
子放出素子801の構造を示す図である。図10におい
て、802は負電極、803は正電極であり、805は
その先端を鋭角にした電子を放出させる電子放出部、8
04は素子絶縁層である。このような構成において正電
極803と負電極802とに、正電極803が高電位に
なるように電圧を印加すると、電子放出部805に電界
が集中し、トンネル効果によって電子放出部から電子が
放出された。
【0111】本実施例では、排気管101の加熱部の軟
化状態を歪み検出器701及び放射温度計702、測長
器703a,703bによってモニタし、それによって
得られる情報を基に、それぞれの部材を制御装置704
によって制御しながら、排気管101をチップオフする
製造方法及びその製造装置について説明する。まず、本
実施例の画像表示装置の製造方法について説明する。
【0112】リアプレート201は実施例1と同一のも
のを用い、電界放出型電子放出素子801をリアプレー
ト201上に作成した。負電極802、正電極803と
して厚さ0.3μmのPtを用い、電子放出部805の
先端角は45度、1画素に対応する電子源には100個
の電子放出部805をもち、素子絶縁層804として厚
さ1μmのSiO2 を用いた。
【0113】Pt,SiO2 は、スパッタ法によって堆
積させ、加工はフォトリソグラフィ技術(エッチング、
リフトオフ法などの加工技術も含む。)によって行っ
た。つぎに、正電極803の一部が下配線301と電気
的に接触するように、実施例1と同様の方法で、同一の
構造、部材の上配線302、配線パッド304を形成し
た。
【0114】また、負電極802の一部が配線パッド3
04と下配線の一部とに電気的に接触するように、実施
例1と同様の方法で、同一の構造、下配線301、配線
パッド304を形成した。その後の製造工程は250
℃、8時間の加熱脱ガスまでは実施例1と同様に行い、
フェースプレート202、排気管101、外枠205、
フリットガラス206、ゲッタ207等の部材は実施例
1と同一のものを使用した。
【0115】つづいて、図9に示す製造装置によって、
図10に示す電界放出型電子放出素子801を多数用い
た画像表示装置を以下のように製造した。なお、チップ
オフ工程には、図9に示した装置を用い、引き伸ばし機
構104、電気的な加熱手段102、機械手段には、制
御装置704によって制御できるシステムを有する振動
発生装置106を使用した。
【0116】チップオフ工程は以下のように行った。ま
ず、実施例1にいう第1の工程を行った。そして、電源
103によって空芯コイルに電流を出力し、放射温度計
702で排気管101の加熱部分の温度をモニタした。
この温度を制御装置704にフィードバックすることに
よって、電源103から出力する電流値を制御して、排
気管101の加熱部分の温度上昇速度がほぼ一様になる
ようにした。
【0117】加熱開始から約70秒後、まず歪み検出器
701の値が増加から減少に変わった。また、放射温度
計702も600℃程度の温度を示した。さらに、測長
器703a,703bも、排気管101の径が数%減少
することを示した。
【0118】比べ歪み検出器701の値が、加熱前より
30%程度減少したとき、あるいは放射温度計702温
度が650℃程度になったとき、排気管101の加熱部
分の径が70%程度になったとき、制御装置704より
電源103から電流の出力を止め、空芯コイルヒータ4
00に流れる電流を遮断した。そして、引き伸ばし機構
104のモータを制御して、アダプタ105を引き上
げ、排気管101を引き伸ばし最収縮部の最大径が5m
m程度になるまで引き伸ばした。このようにして、実施
例1にいう第2の工程を行った。
【0119】それから15秒程度経過するか、放射温度
計702で測定した温度が350℃程度になった頃、制
御装置704より制御信号を振動発生装置106に出力
して、排気管101を振動させ、最収縮部を融着した。
このとき、振動時間は5〜10秒程度、あるいは歪み検
出器701の値が一旦上昇し、その後そこから減少し
て、振動前より歪み検出器701の値が30%減少する
までとした。そして、実施例1にいう第3の工程を行っ
た。
【0120】つづいて、実施例1にいう第4工程を行っ
た。第3工程開始と同時に、制御装置704から制御信
号をガスバーナ107(図4(d))に出力した。ガス
バーナ107を点火し最適な炎の状態にし、第3工程に
引き続いて排気管101の封止部分にガスバーナ107
の炎を当てた。制御装置704により、引き伸ばし機構
104のモータを制御して、アダプタ105を引き上
げ、排気管101の加熱部分を引き伸ばし排気管を溶断
した。最後に実施例1にいう第5の工程を行った。
【0121】本実施例では、各製造工程で排気管101
の状態をモニタして、排気管101の形状などを確認し
ながら、各製造工程を行った。また、各製造工程が終了
したことが判断でき、実施例1以上に歩留まりが向上
し、歩留まり率は、98%であった。なお、本実施例で
は、排気管101の歪み及び温度、外径をモニタした
が、これらのモニタ値の単独あるいは、組み合わせでも
同様の効果が得られた。
【0122】
【発明の効果】本発明によると、排気管の一部を電気的
に加熱することによって軟化させた後に、排気管の加熱
部分を引き伸ばし、加熱部分の外径を縮小させ、縮小し
た部位を機械的な外力を加えることによって融着し、そ
の部位を切断し、切断した部位を電気的な加熱を少なく
して徐々に冷却する。
【0123】したがって、排気管の内側に肉薄で凸な部
分が発生せず、肉溜りも発生せず、冷却時やチップオフ
後あるいは、画像表示中の温度変化によって排気管にク
ラックが発生しない。
【0124】また、排気管を加熱した場合に、加熱部分
の軟化状態を判断し、排気管が所望の軟化状態となった
後に、排気管の加熱部分を引き伸ばし、加熱部分の外径
を縮小させ、縮小した部位を機械的な外力を加えること
によって融着する。
【0125】したがって、上記の製造工程を機械化する
ことができる。そのため、画像形成装置の製造数量の増
加を図ることができる。また、画像形成装置の製造工程
を最適な条件で行えるため、画像形成装置の歩留まりが
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって作成したチップオフ
前の画像表示装置の断面図である。
【図2】図1の画像表示装置のリアプレート上の構成図
である。
【図3】図2の表面伝導型電子放出素子の上面図及び平
面図である。
【図4】本発明の画像表示装置の製造工程でチップオフ
の工程進行状況の概略を説明する図である。
【図5】空芯コイルヒータの断面図である。
【図6】図5の空芯コイルヒータの断面図である。
【図7】実施例2の画像形成装置の製造装置の断面図で
ある。
【図8】画像形成装置の製造装置の機械手段の概略図で
ある。
【図9】実施例4の画像形成装置の製造装置の断面図で
ある。
【図10】電界放出型電子放出素子の概略構造図であ
る。
【図11】従来技術の画像表示装置の断面の一部を示し
た断面図である。
【図12】表面伝導型電子放出素子の概略図である。
【図13】従来技術のチップオフ工程を行う装置の概略
図である。
【図14】図13のチップオフ工程によって得られる排
気管の形状変化を示す図である。
【符号の説明】
100 平板型画像表示装置 101,11 排気管 102,23 電気的な加熱手段 103,26 電源 104 引き伸ばし機構 105 アダプタ 106 振動発生装置 107 ガスバーナ 108 ガス供給装置 109 振動 201,901 リアプレート 202,904 フェースプレート 203,905 蛍光体 204 メタルバック 205 外枠 206 フリットガラス 207 ゲッタ 208 表面伝導型電子放出素子(電子源) 301 下配線 302 上配線 303 層間絶縁膜 304 配線パッド 305,306,1003,1004 素子電極 307,1004 導電性薄膜 308,1005 電子放出部 400 空芯コイルヒータ 401 耐熱レンガ 501 回転装置 502 回転方向 600 荷重付与装置 601 駆動用モータ 602 駆動軸 603 スプリング 604 進行方向 701 歪み検出器 702 放射温度計 703a,703b 測長器 704 制御装置 801 電界放出型電子放出素子 802 負電極 803 正電極 804 絶縁層 805 電子放出部
フロントページの続き (72)発明者 山下 眞孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 安栄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 5C094 AA42 AA43 AA46 BA32 BA34 CA19 GB01 JA01 JA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気管の一部を電気的に加熱して、軟化
    させる第1の工程と、前記排気管の加熱部分を引き伸ば
    し、該加熱部分の外径を縮小させる第2の工程と、前記
    縮小した部位を融着する第3の工程と、前記融着した部
    位を切断する第4の工程と、前記切断した部位を徐々に
    冷却する第5の工程とを有する画像形成装置の製造方法
    であって、 前記第3の工程は、前記縮小した部位に機械的な外力を
    加えることによって融着する工程であることを特徴とす
    る画像形成装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程は、前記排気管に振動を
    与えることによって融着する工程であることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第3の工程は、前記排気管をその軸
    を中心に回転することによって融着する工程であること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程は、前記排気管の軸に垂
    直な荷重を加えることで融着する工程であることを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程で排気管の軟化状態を判
    断し、前記排気管が所望の軟化状態となった後に、前記
    第2の工程及び前記第3の工程を行うことを特徴とする
    請求項1に記載の画像形成装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記軟化状態は、前記加熱部分の温度
    と、前記加熱部分の外径の大きさと、前記加熱部分の歪
    みとを検出し、検出した各々の条件又はそれらの条件の
    組み合わせによって判断することを特徴とする請求項5
    に記載の画像形成装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 排気管の一部を軟化させる電気的な加熱
    手段と、前記排気管の加熱部分を引き伸ばす引き伸ばし
    手段と、前記引き伸ばしした部位を融着する機械手段
    と、前記融着した部位を切断する切断手段とを備えるこ
    とを特徴とする画像形成装置の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記電気的な加熱手段は、前記切断した
    部位を除々に冷却する手段であることを特徴とする請求
    項7に記載の画像形成装置の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱手段は、カンタル線を用いた空
    芯コイルであることを特徴とする請求項7に記載の画像
    形成装置の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記空芯コイルは、前記排気管の外径
    より2mm〜6mm大きい内径であって、且つ、前記排
    気管の外径の±40%の長さであることを特徴とする請
    求項9に記載の画像形成装置の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記機械手段は、前記排気管を振動す
    る振動装置であることを特徴とする請求項7に記載の画
    像形成装置の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記機械手段は、前記排気管の引き伸
    ばしした部位を回転する回転装置であることを特徴とす
    る請求項7に記載の画像形成装置の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記機械手段は、前記排気管の引き伸
    ばしした部位に荷重を付与する荷重付与手段であること
    を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置の製造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記加熱手段によって前記排気管を加
    熱したときに生じる該排気管の加熱部分の歪みを検出す
    る歪み検出手段と、前記加熱部分の温度を検出する温度
    検出手段と、前記加熱部分の外径の長さを検出する測長
    手段とを備えることを特徴とする請求項7に記載の画像
    形成装置の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007043159A1 (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Chugai Ro Co., Ltd. プラズマディスプレイパネル等のパネル製造システム

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