JP2000251676A - 電子放出素子製造用金属含有水溶液、該金属含有水溶液を用いた電子放出素子、電子源、画像形成装置、及びこれらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子製造用金属含有水溶液、該金属含有水溶液を用いた電子放出素子、電子源、画像形成装置、及びこれらの製造方法

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JP2000251676A
JP2000251676A JP4813399A JP4813399A JP2000251676A JP 2000251676 A JP2000251676 A JP 2000251676A JP 4813399 A JP4813399 A JP 4813399A JP 4813399 A JP4813399 A JP 4813399A JP 2000251676 A JP2000251676 A JP 2000251676A
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Takashi Iwaki
孝志 岩城
Tatsu Kobayashi
辰 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積の基板上に複数の電子放出素子を簡便
な工程で製造する。 【解決手段】 絶縁性基板1上に、素子電極2,3を形
成し、該素子電極2,3間に、金属キレート錯体、水溶
性高分子、水溶性多価アルコール、水溶性一価アルコー
ル、アミノアルコールからなる金属含有水溶液の液滴3
2をインクジェット方式により付与して薄膜33とし、
該薄膜を乾燥し、焼成することにより導電性膜4を形成
し、電子放出部5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出素子製造用
の金属含有水溶液、特にインクジェット方式を用いた電
子放出素子の製造方法に適した金属含有水溶液に関し、
さらには、金属含有水溶液を用いた電子放出素子、電子
源、画像形成装置、及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(以下「FE型」という)、金属/絶縁層/金属型
(以下「MIM型」という)や表面伝導型電子放出素子
等がある。
【0003】FE型の例としてはW.P.Dyke&
W.W.Dolan,“Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics,8,89(1956)或いはC.A.Sp
indt,“PHYSICALProperties
of thin−film fleld emissi
on cathodes with molybden
um cones”,J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等に開示されたものが知られ
ている。
【0004】MIM型の例としてはC.A.Mead,
“Operation of Tunnel−Emis
sion Devices”,J.Apply.Phy
s.,32,646(1961)等に開示されたものが
知られている。
【0005】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Pys.,10,1290(1965)等
に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinso
n等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜による
もの[G.Dittmer,“Thin SolidF
ilms”,9,317(1972)]、In23/S
nO2薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad,“IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久他,真空,第26巻,第1号,
22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.Hartwellの素子構成を図
14に模式的に示す。同図において1は絶縁性基板であ
る。4は導電性膜で、H型形状のパターンに、スパッタ
で形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形
成される。尚、図中の素子電極間隔Lは、0.5〜1m
m、W’は0.1mmで設定されている。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性膜4に予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理を施し、電子放出部5を
形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミング
とは前記導電性膜4両端に直流電圧或いは非常にゆっく
りとした昇電圧、例えば1V/min程度を印加通電
し、導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成す
ることである。尚、電子放出部5は導電性膜4の一部に
亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行われる。前
記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子
は、導電性膜4に電圧を印加し、素子に電流を流すこと
により、上述電子放出部5より電子を放出せしめるもの
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記導電性膜を形成す
る方法としては、金属化合物を水に溶解してなる金属含
有水溶液を基板に塗布し、さらにこれを加熱焼成する方
法が挙げられるが、ここで用いられる金属含有水溶液
は、基板上の所定の位置に所定のパターンで塗布されて
塗膜を形成できることが望ましい。また、金属含有水溶
液の塗布方法としては、該金属含有水溶液を液滴で基板
に付与する方法が挙げられるが、従来、この方法におい
て、金属含有水溶液の液滴が、液滴を付与する工程中に
或いは液滴を付与してから次の工程に移行する間に金属
化合物の結晶が析出するなどして、導電性膜が著しく不
均一化し、均質な素子が形成できないといった不都合が
生じる場合があった。
【0010】水に溶解する金属化合物としては、カルボ
ン酸金属−アルコールアミン錯体(特開平8−2772
94号公報)等溶解性に優れた化合物がある。しかしな
がら、この化合物を加熱焼成した際には若干量の有機残
留物が残るために焼成工程に充分な時間をかけるか、焼
成温度を高めに設定する必要があった。
【0011】さらに有機金属化合物を液滴の状態で電極
間に付与する方法としては、ピエゾ素子により有機金属
化合物の溶液に物理的な衝撃を与えて液滴を作り出し付
与する方法、またはヒーターを用いて有機金属化合物の
溶液を急激に発泡させて液滴を作り出し付与する方法
(以下、バブルジェット法と記す)などが挙げられる。
バブルジェット法を用いて液滴を発生させる際にはヒー
ター面上にコゲが発生する可能性がある。コゲを発生さ
せないためには、溶液中に含まれる化合物の熱分解温度
がヒーターの表面温度より高いことが望まれる。また、
分解した場合でも分解生成物が水に可溶である場合にも
コゲは発生しなくなる。
【0012】本発明の目的は、上述した技術的課題を解
決し、水溶性で高温分解性である、或いは、分解後でも
分解生成物が水に溶けやすいもしくは堆積しにくい有機
金属化合物を用い、液滴付与の際に結晶析出等の起こら
ない、金属含有水溶液を提供し、該金属含有水溶液を用
いた簡便な工程で安価な電子放出素子の製造方法を提供
することにあり、さらには、該製造方法により、安価に
電子放出素子、電子源、画像形成装置を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出素子製
造用金属含有水溶液は、金属キレート錯体、水溶性高分
子、水溶性多価アルコール、水溶性一価アルコール及び
アミノアルコールからなることを特徴とする。
【0014】また本発明の電子放出素子の製造方法は、
基板上に一対の素子電極を形成する工程と、該基板上に
上記本発明の金属含有水溶液を付与して該素子電極のそ
れぞれに接する薄膜を形成する工程と、加熱焼成によっ
て該薄膜を導電性膜とする工程と、該導電性膜に電子放
出部を形成する工程と、を少なくとも有することを特徴
とする。
【0015】さらに、本発明は、上記本発明の電子放出
素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする電
子放出素子、該電子放出素子を複数個並列に配置し結線
してなる素子行を少なくとも1行以上有し、各素子を駆
動するための配線が梯子状配置されていることを特徴と
する電子源、該電子源と、画像形成部材、及び情報信号
により各素子から放出される電子線を制御する制御電極
を有することを特徴とする画像形成装置、上記本発明の
電子放出素子を複数個配列してなる素子行を少なくとも
1行以上有し、該素子を駆動するための配線がマトリク
ス配置されていることを特徴とする電子源、該電子源
と、画像形成部材とを有することを特徴とする画像形成
装置、さらには、上記本発明の電子放出素子の製造方法
で同一基板上に複数の電子放出素子を形成してなること
を特徴とする電子源の製造方法、該電子源の製造方法で
得られた電子源を、該電子源から放出される電子線を制
御する制御電極と、該電子源からの電子線の照射により
画像を形成する画像形成部材と組み合わせることを特徴
とする画像形成装置の製造方法、上記本発明の電子源の
製造方法で得られた電子源を、該電子源からの電子線の
照射により画像を形成する画像形成部材と組み合わせる
ことを特徴とする画像形成装置の製造方法、をそれぞれ
提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の金属含有水溶液は、金属
キレート錯体を用いることにより、水に対する溶解性も
良好で長期にわたり保存可能な安定性を有し、また金属
キレート錯体の分解温度が高温であるため、バブルジェ
ット法等を用いて液滴を発生させる際にはヒーター面上
にコゲの発生を抑制でき、分解に要する温度範囲も比較
的狭く、焼成工程における残留物も短時間で除去できる
特徴を有する。また、金属キレート錯体を含み、水溶性
高分子、水溶性多価アルコール、水溶性一価アルコール
及びアルコールアミンからなる水溶液は、基板に塗布し
焼成して導電性膜を得る場合に、基板上の所定の位置に
所定のパターンで塗布されて塗膜を形成することがで
き、液滴を付与する工程中に或いは液滴を付与してから
次の工程に移行する間に金属化合物の析出等の不都合も
起こらず、均質な素子を形成することができる。
【0017】本発明で使用する金属キレート錯体とし
て、下記(1)式で表される金属−ジアミン系錯体また
はその水和物が好ましく用いられる。
【0018】 (R1COO)nM[(R2)(R3)N−R4−R5 −N(R6)(R7)]m (1) [但し、R1は水素原子、または炭素原子数1〜4のア
ルキル基、R2、R3、R6、R7は水素原子、または炭素
原子数1〜2のアルキル基を表わし、R2とR6或いはR
3とR7とは結合していてもよい。R4−R5は−(C
2p−C(R8)(R9)−(CH2q−、或いは、R
4、R5単独で結合して環状基であってもよい。(R2
(R3)N−R4またはR5−N(R6)(R7)は環状に
結合されていてもよい。また、(R2)(R3)N−R4
−R5またはR4−R5−N(R6)(R7)は環状に結合
されていてもよい。R8、R9は水素原子、水酸基、また
は炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。n、mは1
〜4の整数、pは0または1、qは0〜4の整数を示
し、Mは金属を表す。]
【0019】上記金属−ジアミン系錯体はジアミン系の
二座配位子を金属に配位させた化合物であり、この金属
キレート錯体は水溶性で、分解温度も高温で分解に要す
る温度範囲が狭く焼成工程において残留物を短時間で除
去できる。
【0020】上記(1)式で表される金属キレート錯体
においては、好ましくは、下記の錯体が挙げられる。
【0021】R4−R5が−(CH2p−C(R8
(R9)−(CH2q−(但し、R8、R9は水素原子、
水酸基、または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わ
す。pは0または1、qは0〜4の整数を示す)であ
る。
【0022】−R4−R5−が、1,2−フェニレン、
1,2−シクロヘキシレン、2,3−ナフチレン、1,
8−ナフチレン、1−メチレン−2−フェニレンのいず
れか。
【0023】(R2)(R3)N−R4またはR5−N(R
6)(R7)が2−ピリジルである。
【0024】(R2)(R3)N−R4−R5またはR4
5−N(R6)(R7)が1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン−8−イルである。
【0025】−R4−R5−が、−CH2−CH2−であ
る。
【0026】特に、R2、R3、R6、R7が全て水素原子
であるエチレンジアミンをジアミン配位子とした金属キ
レート錯体は、熱分解温度、溶解性などの点からも、ま
た原料が安価である点からも好ましい。
【0027】本発明に用いられる金属キレート錯体に含
まれる金属元素としては、白金、パラジウム、ルテニウ
ム、などの白金族元素、金、銀、銅、クロム、タンタ
ル、鉄、タングステン、鉛、亜鉛、スズ等を用いる。特
に白金族元素、とりわけパラジウムが好適に用いられ
る。
【0028】本発明の金属含有水溶液における金属濃度
範囲は、用いる金属キレート錯体の種類によって最適な
範囲が多少異なるが、一般には0.1重量%以上、2.
0重量%以下の範囲が適量である。金属濃度が低すぎる
場合、基板に所望の量の金属を付与するために多量の前
記溶液の液滴の付与が必要になり、その結果液滴付与に
要する時間が長くなるのみならず、基板上に大きな液溜
りを生じてしまい、所望の位置のみに金属を付与する目
的が達成できなくなる。逆に、前記水溶液中の金属濃度
が高すぎると、基板に付与された液滴が後の工程で乾燥
或いは焼成される際に著しく不均一化し、その結果とし
て電子放出部の導電性膜が不均一になり易く、電子放出
素子の特性を悪化させる。
【0029】本発明の金属含有水溶液に用いられる水溶
性高分子としては、部分エステル化ポリビニルアルコー
ルが好ましい。ここで言う部分エステル化ポリビニルア
ルコールとは、ビニルアルコール単位とビニルエステル
単位とを含んでいる高分子のことである。例えば、「完
全」加水分解ポリビニルアルコールを各種アシル化剤、
即ち無水酢酸等のカルボン酸無水物や塩化アシル化剤、
即ち無水酢酸等のカルボン酸無水物や塩化アセチル等の
ハロゲン化アシルにより部分的にエステル化して得られ
る高分子は部分エステル化ポリビニルアルコールであ
る。また通常のポリビニルアルコールの製造工程即ちポ
リ酢酸ビニルの加水分解によるポリビニルアルコールの
製造において、ポリ酢酸ビニルの加水分解を反応途中で
停止し完全に加水分解せずに得られるいわゆる部分加水
分解ポリビニルアルコールもまた部分エステル化ポリビ
ニルアルコールにあたる。入手の容易性とコストの面か
らは、この部分加水分解ポリビニルアルコールが本発明
に使用する部分エステル化ポリビニルアルコールとして
最も有用である。
【0030】前記エステルを形成するアシル基として
は、すでに述べたアセチル基の他、プロピオニル基、ブ
チロイル基、ステアロイル基等の脂肪族カルボン酸由来
のアシル基が利用可能である。
【0031】前記の部分エステル化ポリビニルアルコー
ルの程度は重要である。例えば通常入手できるいわゆる
「完全」加水分解ポリビニルアルコール即ちアセチル基
が99%程度除去されたポリ酢酸ビニル加水分解物は塗
膜安定化効果がほとんど認められない。また、逆に、ポ
リ酢酸ビニルそのもののように完全にエステル化された
ポリビニルアルコールでは水ヘの溶解性が低いために使
用できない。実際に使用可能な部分エステル化ポリビニ
ルアルコールのエステル化率は5モル%以上25モル%
以下の範囲であり、特に、8モル%以上22モル%以下
の範囲において最も有効である。尚ここで言うエステル
化率とは、高分子の全ビニルアルコールの繰り返し単位
数に対する結合したアシル基の割合のことで、これは元
素分析や赤外線吸収分析などの手段で定量することがで
きる。
【0032】前記の部分エステル化ポリビニルアルコー
ルの重合度は400以上2000以下を用いるべきであ
る。この範囲未満においては塗膜が安定に形成されがた
い。またこの範囲を超えると溶液粘度が高くなり、塗布
工程において使用に問題を生じたり塗膜が厚くなる傾向
がある。適当な厚さの導電性膜の形成には重合度450
以上1200以下の部分エステル化ポリビニルアルコー
ルの使用が最も良好である。
【0033】本発明の金属含有水溶液における前記部分
エステル化ポリビニルアルコールの濃度は0.01重量
%以上0.5重量%以下が適当である。この濃度範囲よ
り高い場合は金属含有水溶液の粘度の上昇により塗布工
程に問題が生じたり、加熱焼成の際に高分子成分の分解
消失が完全に進まず、電子放出部に有機成分が残留する
結果になる場合がある。
【0034】本発明の金属含有水溶液は、水溶性多価ア
ルコールを含有する。ここで言う多価アルコールとは分
子内に複数のアルコール性水酸基を有する化合物のこと
である。特に炭素数が2〜4の常温において液体の多価
アルコール、具体的にはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、3−メトキ
シ−1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール等が本
発明に使用する多価アルコールとして有用である。
【0035】前記多価アルコールは本発明の金属含有水
溶液中に5重量%以下、特に0.2重量%〜3重量%の
範囲で含有させることが望ましい。これより高濃度では
基板に塗布した金属含有水溶液の乾燥が遅くなり好まし
くない。
【0036】さらに、本発明の金属含有水溶液は、水溶
性一価アルコールを含有する。使用できる水溶性一価ア
ルコールは炭素原子数1〜4の常温で液体の水溶性一価
アルコールで、具体的には、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール
等を挙げることができる。
【0037】本発明において、水溶性一価アルコールは
金属含有水溶液中に40重量%以下となるように加える
ことが好ましい。40重量%を超えて水溶性一価アルコ
ールを用いると、前記の金属キレート錯体の溶解性を低
下せしめたり、基板に部分的に塗布した場合に該基板上
で塗膜が広がってしまい所望の領域に限って塗膜を形成
することが困難になる場合がある。望ましくは、5重量
%〜35重量%の範囲である。
【0038】本発明の金属含有水溶液は、さらにアルコ
ールアミンを含有する。本発明において用いられるアル
コールアミンは特に限定されるものではないが、炭素原
子を3個〜5個含む化合物が好適である。具体的には、
アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオ
ール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、1−アミ
ノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノー
ル、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブ
タノール、アミノペンタノール及びその異性体などが挙
げられる。これらのアミノアルコールの中でもトリスヒ
ドロキシメチルアミノメタンが好ましい。
【0039】本発明の金属含有水溶液は、絶縁性基板上
に塗布して塗膜とした後、乾燥加熱焼成することにより
有機成分が分解消失して導電性膜が基板上に形成され
る。金属含有水溶液の塗布手段としては、ディッピン
グ、スピン塗布、スプレー塗布等の従来公知の液体塗布
手段を用いることができる。前述した部分エステル化ポ
リビニルアルコール、水溶性多価アルコール、水溶性一
価アルコール、アルコールアミンを含有した金属含有水
溶液は塗布する基板の材質や塗布手段にほとんど依存す
ることなく容易に均質な塗膜を形成することができ均質
な導電性膜とすることができる。
【0040】通常、電子放出素子を作製する目的におい
て、導電性膜は基板上の所定の位置に所定の形状として
形成する必要がある。そのような導電性膜の部分的形成
の方法としては、導電性膜を一旦基板上に形成した後に
不要な塗膜部分を除去してから加熱焼成して所定位置に
のみ導電性膜を形成する方法、或いは、基板上の所定の
位置のみに前記の金属含有水溶液を塗布して加熱焼成す
ることにより所定位置にのみ導電性膜を形成する方法を
用いることができる。
【0041】前記の基板上の所定位置のみに金属含有水
溶液を塗布する工程は、マスクを介してディッピング、
スピン塗布、スプレー塗布等の従来公知の液体塗布手段
を用いて行う工程であってもよいが、マスクを用いるこ
となく基板上の所定の位置にのみ前記金属含有水溶液の
液滴を付与する工程であってもよい。
【0042】また、金属含有水溶液の液滴を基板に付与
する手段は、液滴を形成し付与することが可能ならば、
任意の方法でよいが、特に微小な液滴を効率良く適度な
精度で発生付与でき制御性も良好なインクジェット方式
が好ましく、この方式にはピエゾ素子等のメカニカルな
衝撃により液滴を発生付与するものや、微小ヒーター等
で液を加熱し突沸により液滴を発生付与するバブルジェ
ット方式などがあるが、いずれの方式でも十ng程度〜
数十μg程度までの微小液滴を再現性良く発生し基板に
付与することができる。
【0043】前記液滴付与工程においては基板上の同一
位置に液滴を必ずしも一回付与するのみに限る必要はな
く、液滴を複数回付与して所望量の金属含有水溶液を基
板上に与えてもよい。液滴を基板上に独立した状態に付
与するならば一般には基板上に円形かそれに近い形状の
小塗膜となる。しかし、基板上の付与位置を前記の円形
の直径より小さい距離だけ離れた位置にずらして複数の
液滴を付与することにより、連続した任意の形状の大き
な塗膜を形成することも可能である。
【0044】基板に付与された金属含有水溶液は乾燥、
焼成工程を経て導電性無機膜とすることにより、基板上
に電子放出のための導電性膜を形成する。
【0045】乾燥工程は通常用いられる自然乾燥、送風
乾燥、熱乾燥等を用いればよい。焼成工程は通常用いら
れる加熱手段を用いればよい。乾燥工程と焼成工程とは
必ずしも区別された別工程として行う必要はなく、連続
してまたは同時に行ってもかまわない。
【0046】次に、本発明の金属含有水溶液を用いて作
製される、本発明の電子放出素子の構成を、好ましい一
実施形態を挙げて説明する。図1は、当該実施形態の電
子放出素子の構成を示す模式図であり、同図中(a)は
平面図、(b)は断面図である。1は基板、2,3は素
子電極、4は導電性膜、5は電子放出部である。
【0047】本発明に用いられる基板1としては、石英
ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板
ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSi
2を積層したガラス基板及びアルミナ等のセラミック
ス及びSi基板等を用いることができる。
【0048】また、対向する素子電極2,3の材料とし
ては、一般的な導体材料を用いることができる。これは
例えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、A
l、Cu、Pd等の金属或いは合金及びPd、Ag、A
u、RuO2、Pd−Ag等の金属或いは金属酸化物と
ガラス等から構成される印刷導体、In23−SnO2
等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等
から適宜選択することができる。素子電極間隔L、素子
電極長さW、導電性膜4の形状等は、応用される形態等
を考慮して設計される。素子電極間隔Lは、数千Å〜数
百μmの範囲とすることができ、素子電極間に印加する
電圧等を考慮して好ましくは数μm〜数十μmの範囲と
することができる。素子電極長さWは、電極の抵抗値、
電子放出特性を考慮して、数μm〜数百μmの範囲とす
ることができる。素子電極2,3の膜厚dは、数百Å〜
数μmの範囲とすることができる。
【0049】尚、図1に示した構成だけでなく、基板1
上に、導電性膜4、対向する素子電極2,3の順に積層
した構成とすることもできる。
【0050】導電性膜4の膜厚は、素子電極2,3への
ステップカバレージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後
述するフォーミング条件等を考慮して適宜設定される
が、通常は、数Å〜数千Åの範囲とするのが好ましく、
より好ましくは10Å〜500Åの範囲とするのが良
い。その抵抗値は、Rsが102〜107Ω/□の値であ
る。尚Rsは、厚さがt、幅がwで長さがlの薄膜の長
さ方向に測定した抵抗Rを、R=Rs(l/w)とおい
たときに現れる値である。本明細書において、フォーミ
ング処理については、通電処理を例に挙げて説明する
が、フォーミング処理はこれに限られるものではなく、
膜に亀裂を生じさせて高抵抗状態を形成する処理を包含
するものである。
【0051】導電性膜4は、前記したように、本発明の
金属含有水溶液を用いて形成されるため、白金、パラジ
ウム、ルテニウム、などの白金族元素、金、銀、銅、ク
ロム、タンタル、鉄、タングステン、鉛、亜鉛、スズ等
の金属や、PdOなどこれらの酸化物、炭化物などで構
成される。
【0052】電子放出部5は、導電性膜4の一部に形成
された高抵抗の亀裂により構成され、導電性膜4の膜
厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等の手法
等に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、数
Å〜数百Åの範囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合
もある。この導電性微粒子は、導電性膜4を構成する材
料の元素の一部、或いは全ての元素を含有するものとな
る。電子放出部5及びその近傍の導電性膜4には、炭素
及び炭素化合物を有することもできる。
【0053】本発明の電子放出素子の製造方法としては
様々な方法があるが、その一例として図1の電子放出素
子の好ましい製造工程を図3に模式的に示し、説明す
る。尚、図3においても、図1に示した部位と同じ部位
には図1に付した符号と同一の符号を付して説明を省略
する。
【0054】1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤等を
用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等により
素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー技
術を用いて基板1上に素子電極2,3を形成する(図3
(a))。
【0055】2)素子電極2,3を設けた基板1に、イ
ンクジェット方式により金属含有水溶液の液滴32を付
与し、該金属含有水溶液の薄膜33を形成する(図3
(b))。尚、図中の31はインクジェットヘッドのノ
ズルである。
【0056】本発明で利用されるインクジェット方式と
しては、バブルジェット法またはピエゾジェット法のい
ずれもが、基板上の導電性膜が形成されるべき位置に液
滴を付着させることができ、好ましく用いられる。図2
にこれらの方法で使用されるインクジェットのヘッドの
構成例を示す。図2(a)は単発ヘッド、図2(b)は
単発ヘッドを並列に配置し、液滴の吐出及び基板への付
着に要する時間を短縮しようとするものであり、ノズル
数は特に限定されない。図中、21はヘッド本体、22
はヒーター或いはピエゾ素子、23はインク流路、24
はノズル、25はインク供給管、26はインク溜めであ
る。
【0057】本発明においては、金属含有水溶液の薄膜
33を乾燥、焼成して導電性無機膜とすることにより、
基板上に電子放出のための導電性膜4を形成する(図3
(c))。乾燥工程は通常用いられる自然乾燥、送風乾
燥、熱乾燥等を用いればよい。焼成工程は通常用いられ
る加熱手段を用いればよい。乾燥工程と焼成工程とは必
ずしも区別された別工程として行う必要はなく、連続し
て同時に行ってもかまわない。
【0058】また、ここでは、金属含有水溶液の塗布
(液滴付与)法を挙げて説明したが、導電性膜4の形成
法はこれに限られるものではなく、ディッピング法や、
スピンナー法等を用いることもできる。
【0059】3)続いて、フォーミング工程を施す。こ
のフォーミング工程の方法の一例として通電処理による
方法を説明する。素子電極2,3間に不図示の電源を用
いて通電を行うと、導電性膜4の部位に、構造の変化し
た電子放出部5が形成される(図3(d))。通電フォ
ーミングによれば導電性膜4に局所的に破壊、変形もし
くは変質等の構造の変化した部位が形成される。該部位
が電子放出部5を構成する。通電フォーミングの電圧波
形の例を図4に示す。
【0060】本発明において、フォーミングに用いる電
圧波形は、パルス波形が好ましい。これにはパルス波高
値を定電圧としたパルスを連続的に印加する図4(a)
に示した手法と、パルス波高値を増加させながら電圧パ
ルスを印加する図4(b)に示した手法がある。
【0061】図4(a)におけるT1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μsec
〜10msec、T2は、10μsec〜100mse
cの範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォーミ
ング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の形
態に応じて適宜選択される。このような条件の下、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は三
角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の波形
を採用することができる。
【0062】図4(b)におけるT1及びT2は、図4
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度ずつ、増加させることができる。
【0063】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程
度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができ
る。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子電
流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示し
た時、通電フォーミングを終了させる。
【0064】4)フォーミングを終えた素子には活性化
工程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。活性化工程と
は、この工程により、素子電流If、放出電流Ieが、著
しく変化する工程である。
【0065】活性化工程は、例えば、有機物質のガスを
含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パル
スの印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲
気は例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用い
て真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有機
ガスを利用して形成することができる他、イオンポンプ
などにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質
のガスを導入することによっても得られる。この時の好
ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真空容
器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため場合
に応じ適宜設定される。適当な有機物質としては、アル
カン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族
炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、
アミン類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の有機
酸類等を挙げることができ、具体的には、メタン、エタ
ン、プロパンなどCn2n+2で表される飽和炭化水素、
エチレン、プロピレンなどCn2n等の組成式で表され
る不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、
エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルア
ミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用
できる。この処理により、雰囲気中に存在する有機物質
から、炭素或いは炭素化合物が素子上に堆積し、素子電
流Ifと放出電流Ieが、著しく変化するようになる。
【0066】活性化工程の終了判定は、素子電流If
放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。尚パルス幅、
パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
【0067】炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファ
イト(いわゆるHOPG、PG、GCを包含する、HO
PGはほぼ完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶
粒が200Å程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは
結晶粒が20Å程度になり結晶構造の乱れがさらに大き
くなったものを指す。)、非晶質カーボン(アモルファ
スカーボン及び、アモルファスカーボンと前記グラファ
イトの微結晶の混合物を指す。)であり、その膜厚は、
500Å以下の範囲とするのが好ましく、300Å以下
の範囲とすることがより好ましい。
【0068】5)このような工程を経て得られた電子放
出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程
は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空
容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイ
ルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用
しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープ
ションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げる
ことができる。
【0069】前記活性化の工程で、排気装置として油拡
散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生する
オイル成分に由来する有機ガスを用いた場合は、この成
分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の有
機成分の分圧は、上記の炭素及び炭素化合物がほぼ新た
に堆積しない分圧で1×10-6Pa以下が好ましく、さ
らには1×10-8Pa以下が特に好ましい。さらに真空
容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、
真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子
を排気しやすくするのが好ましい。この時できるだけ高
温で、長時間処理するのが望ましいが、真空容器の大き
さや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜
選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力低く
することが必要で、1×10-5Pa以下が好ましく、さ
らに1×10-6Pa以下が特に好ましい。
【0070】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することができる。
【0071】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素或いは炭素化合物の堆積を抑制でき、結
果として素子電流If、放出電流Ieが安定する。
【0072】上述した工程を経て得られた本発明の電子
放出素子の基本特性について図5、図6を参照しながら
説明する。
【0073】図5は、真空処理装置の一例を示す模式図
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
をも兼ね備えている。図5においても、図1に示した部
位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付し
ている。図5において、55は真空容器であり、56は
排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素子が
配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する基板
であり、2及び3は素子電極、4は導電性膜、5は電子
放出部である。51は電子放出素子に素子電圧Vfを印
加するための電源、50は素子電極2,3間の導電性膜
4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、54
は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉
するためのアノード電極である。53はアノード電極5
4に電圧を印加するための高圧電源、52は素子の電子
放出部5より放出される放出電流Ieを測定するための
電流計である。一例として、アノード電極の電圧を1k
V〜10kVの範囲とし、アノード電極と電子放出素子
との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定を行うこ
とができる。
【0074】真空容器55内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系とさらに、イオンポン
プ等からなる超高真空装置系とにより構成されている。
ここに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体
は、不図示のヒーターにより加熱できる。従って、この
真空処理装置を用いると、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。
【0075】図6は、図5に示した真空処理装置を用い
て測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧Vf
の関係を模式的に示した図である。図6においては、放
出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任
意単位で示している。尚、縦・横軸ともリニアスケール
である。
【0076】図6からも明らかなように、本発明の電子
放出素子は、放出電流Ieに関して対する三つの特徴的
性質を有する。
【0077】即ち、(i)本素子はある電圧(しきい値
電圧と呼ぶ、図6中のVth)以上の素子電圧を印加する
と急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth
以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つま
り、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持
った非線形素子である。
【0078】(ii)放出電流Ieが素子電圧Vfに単調
増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御で
きる。
【0079】(iii)アノード電極54に捕捉される
放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。
即ち、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電
圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0080】以上の説明より理解されるように、本発明
の電子放出素子は、入力信号に応じて、電子放出特性を
容易に制御できることになる。この性質を利用すると複
数の電子放出素子を配して構成した電子源、画像形成装
置等、多方面への応用が可能となる。
【0081】図6においては、素子電流Ifが素子電圧
fに対して単調増加する(以下、「MI特性」とい
う。)例を示した。素子電流Ifが素子電圧Vfに対して
電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特性」とい
う。)を示す場合もある(不図示)。これら特性は、前
述の工程を制御することで制御できる。
【0082】次に、本発明の電子放出素子を複数個基板
上に配列してなる、本発明の電子源、及び該電子源を用
いて構成される画像形成装置について説明する。電子放
出素子の配列については、種々のものが採用できる。
【0083】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動する梯子状配置のものがある。これとは別
に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個
配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一
方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された
複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共
通に接続するものが挙げられる。このようなものはいわ
ゆる単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配
置について以下に詳述する。
【0084】本発明の電子放出素子については、前述し
た通り(i)〜(iii)の特性がある。即ち、本発明
の電子放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以上で
は、対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高
値と幅で制御できる。一方、しきい値電圧以下では、殆
ど放出されない。この特性によれば、多数の電子放出素
子を配置した場合においても、個々の素子に、パルス状
電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、電子放出素
子を選択して電子放出量を制御できる。
【0085】以下、この原理に基づき、本発明の電子放
出素子を複数個配して得られる電子源について、図7を
用いて説明する。図7において、71は電子源基板、7
2はX方向配線、73はY方向配線であり、74は電子
放出素子、75は結線である。
【0086】m本のX方向配線72は、Dx1,Dx2,…
xmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用
いて形成された導電性金属等で構成することができる。
配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計される。Y方向配線
73は、Dy1,Dy2,…Dynのn本の配線よりなり、X
方向配線72と同様に形成される。これらm本のX方向
配線72とn本のY方向配線73との間には、不図示の
層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離して
いる(m、nは、共に正の整数)。
【0087】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向
配線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得る
ように、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向
配線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として
引き出されている。
【0088】電子放出素子74を構成する一対の電極
(不図示)は、m本のX方向配線72とn本のY方向配
線73と導電性金属等からなる結線75によって電気的
に接続されている。
【0089】配線72と配線73を構成する材料、結線
75を構成する材料、及び一対の素子電極を構成する材
料はその構成元素の一部或いは全部が同一であっても、
またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例えば前
述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極を構
成する材料と配線材料が同一である場合には、素子電極
に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0090】X方向配線72には、X方向に配列した電
子放出素子74の行を選択するための走査信号を印加す
る不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方
向配線73には、Y方向に配列した電子放出素子74の
各列を入力信号に応じて変調するための、不図示の変調
信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加され
る駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信
号の差電圧として供給される。
【0091】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて個別の素子を選択し、独立に駆動可能とする
ことができる。
【0092】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図8〜10を用
いて説明する。図8は、画像形成装置の表示パネルの一
例を示す模式図であり、図9は、図8の画像形成装置に
使用される蛍光膜の模式図である。図10はNTSC方
式のテレビ信号に応じて表示を行なうための駆動回路の
一例を示すブロック図である。
【0093】図8において、71は電子放出素子を複数
配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリ
アプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84
とメタルバック85等が形成されたフェースプレートで
ある。82は支持枠であり、該支持枠82には、リアプ
レート81、フェースプレート86がフリットガラス等
を用いて接続されている。88は外囲器であり、例えば
大気中或いは、窒素中で、400〜500℃の温度範囲
で10分以上焼成することで、封着して構成される。
【0094】74は電子放出素子に相当する。72、7
3は、電子放出素子の一対の素子電極と接続されたX方
向配線及びY方向配線である。尚、各素子の導電性膜は
便宜上省略する。
【0095】外囲器88は上述の如く、フェースープレ
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に電子源基板71の強度を補
強する目的で設けられるため、基板71自体で十分な強
度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要とするこ
とができる。即ち、基板71に直接支持枠82を封着
し、フェースプレート86、支持枠82及び基板71で
外囲器88を構成しても良い。一方、フェースープレー
ト86、リアプレート81間に、スペーサーとよばれる
不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して
十分な強度をもつ外囲器88を構成することもできる。
【0096】図9は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光
膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成す
ることができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配
列によりブラックストライプ或いはブラックマトリクス
などと呼ばれる黒色導電材91と蛍光体92とから構成
することができる。ブラックストライプ、ブラックマト
リクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる
三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くする
ことで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84にお
ける外光反射によるコントラストの低下を抑制すること
にある。ブラックストライプの材料としては、通常用い
られている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があ
り、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができ
る。
【0097】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバ
ック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、
蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート8
6側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させるこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によ
るダメージから蛍光体を保護すること等である。メタル
バックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化
処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、
その後Alを真空蒸着等で堆積させることで作製でき
る。またフェースプレート86には、さらに蛍光膜84
の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電極
(不図示)を設けてもよい。
【0098】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0099】図8に示した画像形成装置は、例えば以下
のようにして製造される。
【0100】外囲器88は、前述の安定化工程と同様
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により不図示の
排気管を通じて排気し、10-5Pa程度の真空度の有機
物質の十分少ない雰囲気にした後、封止がなされる。外
囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲッター
処理を行なうこともできる。これは、外囲器88の封止
を行う直前或いは封止後に、抵抗加熱或いは高周波加熱
等を用いた加熱により、外囲器88内の所定の位置(不
図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成す
る処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、
該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×10-3〜1×
10-5Paの真空度を維持するものである。ここで、電
子放出素子のフォーミング処理以降の工程は、適宜設定
できる。
【0101】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成
例について、図10を用いて説明する。図10におい
て、101は画像表示パネル、102は走査回路、10
3は制御回路、104はシフトレジスタである。105
はラインメモリ、106は同期信号分離回路、107は
変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0102】表示パネル101は、端子Dx1〜Dxm、端
子Dy1〜Dyn、及び高圧端子87を介して外部の電気回
路と接続されている。端子Dx1〜Dxmには、表示パネル
内に設けられている電子源、即ち、m行×n列の行列状
にマトリクス配線された電子放出素子群を一行(n素
子)ずつ順次駆動するための走査信号が印加される。
【0103】端子Dy1〜Dynには、前記走査信号により
選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電子ビー
ムを制御するための変調信号が印加される。高圧端子8
7には、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流電
圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出される
電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを
付与するための加速電圧である。
【0104】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1〜Smで模式的に示している)ある。各スイッチ
ング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V
(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネ
ル101の端子Dx1〜Dxmと電気的に接続される。S1
〜Smの各スイッチング素子は、制御回路103が出力
する制御信号Tscanに基づいて動作するものであり、例
えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせるこ
とにより構成することができる。
【0105】直流電圧源Vxは、本例の場合には電子放
出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき、走査
されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しき
い値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定
されている。
【0106】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信
号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基づい
て、各部に対してTscan及びTsft及びTmryの各制御信
号を発生する。
【0107】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数
分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信
号分離回路106により分離された同期信号は、垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離
された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力され
る。
【0108】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ10
4のシフトクロックであると言うこともできる。)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1
dnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ104
より出力される。
【0109】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記億するための記億装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1〜Idnの内容を記億する。記億された内容
は、Id'1〜Id'nとして出力され、変調信号発生器10
7に入力される。
【0110】変調信号発生器107は、画像データI
d'1〜Id'nの各々に応じて電子放出素子の各々を適切に
駆動変調するための信号源であり、その出力信号は、端
子Dy1〜Dynを通じて表示パネル101内の電子放出素
子に印加される。
【0111】前述したように、本発明の電子放出素子は
放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。即
ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth
以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電子
放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧
の変化に応じて放出電流も変化する。このことから、本
素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出
しきい値以下の電圧を印加しても電子放出は生じない
が、電子放出しきい値以上の電圧を印加する場合には電
子ビームが出力される。その際、パルスの波高値Vm
変化させる事により出力電子ビームの強度を制御するこ
とが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させるこ
とにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御する
事が可能である。
【0112】従って、入力信号に応じて電子放出素子を
変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方
式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0113】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0114】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記億
が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0115】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには106の出力部にA/D変
換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ10
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換
回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パ
ルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例
えば高速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する
計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの
出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた
回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス
幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0116】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで電
圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0117】このような構成をとり得る本発明の画像表
示装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dx1
〜Dxm、Dy1〜Dynを介して電圧を印加することによ
り、電子放出が生ずる。高圧端子87を介してメタルバ
ック85、或いは透明電極(不図示)に高圧を印加し、
電子ビームを加速する。加速された電子は、蛍光膜84
に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0118】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基
づいて種々の変形が可能である。入力信号については、
NTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるも
のではなく、PAL、SECAM方式など他、これより
も、多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE
方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0119】次に、梯子型配置の電子源、及び該電子源
を用いて構成される画像形成装置について図11、図1
2を用いて説明する。
【0120】図11は、梯子型配置の電子源の一例を示
す模式図である。図11において、110は電子源基
板、111は電子放出素子である。112はD1〜D10
からなる、電子放出素子111を接続するための共通配
線である。電子放出素子111は、基板110上に、X
方向に並列に複数個配されている(これを素子行と呼
ぶ)。この素子行が複数個配されて、電子源を構成して
いる。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加すること
で、各素子行を独立に駆動させることができる。即ち、
電子ビームを放出させたい素子行には電子放出しきい値
以上の電圧を、電子ビームを放出しない素子行には電子
放出しきい値以下の電圧を印加する。各素子行間の共通
配線D2〜D9は、例えばD2、D3を同一配線とすること
もできる。
【0121】図12は、梯子型配置の電子源を備えた画
像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図であ
る。120はグリッド電極、121は電子が通過するた
め空孔、122はD1,D2,…Dmよりなる容器外端子
である。123はグリッド電極120と接続された
1,G2,…Gnからなる容器外端子、110は各素子
行間の共通配線を同一配線とした電子源である。図12
においては、図8、図11に示した部位と同じ部位に
は、これらの図に付したのと同一の符号を付している。
尚、各素子の導電性膜は便宜上省略する。ここに示した
画像形成装置と図8に示した単純マトリクス配置の画像
形成装置との大きな違いは、電子源基板110とフェー
スプレート86の間にグリッド電極120を備えている
か否かである。
【0122】グリッド電極120は、電子放出素子から
放出された電子ビームを変調するためのものであり、梯
子型配置の素子行と直交して設けられたストライプ状の
電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応して
1個ずつ円形の空孔121が設けられている。グリッド
の形状や設置位置は図12に示したものに限定されるも
のではない。例えば、空孔としてメッシュ状に多数の通
過口を設けることもでき、グリッドを電子放出素子の周
囲や近傍に設けることもできる。
【0123】容器外端子122及びグリッド容器外端子
123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0124】本例の画像形成装置では、素子行を1列ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
【0125】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0126】図13は、例えばテレビジョン放送をはじ
めとする種々の画像情報源より提供される画像情報を表
示できるように構成した本発明の画像形成装置の一例を
示す図である。
【0127】図中、1700はディスプレイパネル、1
701はディスプレイパネルの駆動回路、1702はデ
ィスプレイコントローラ、1703はマルチプレクサ、
1704はデコーダ、1705は入出力インタフェース
回路、1706はCPU、1707は画像生成回路、1
708〜1710は画像メモリインタフェース回路、1
711は画像入力インターフェース回路、1712及び
1713はTV信号受信回路、1714は入力部であ
る。
【0128】尚、本画像形成装置は、例えばテレビジョ
ン信号のように、映像情報と音声情報の両方を含む信号
を受信する場合には当然映像の表示と同時に音声を再生
するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声
情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路や
スピーカー等については説明を省略する。
【0129】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0130】先ず、TV信号受信回路1713は、例え
ば電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝送
されるTV信号を受信するための回路である。受信する
TV信号の方式は特に限られるものではなく、例えばN
TSC方式、PAL方式、SECAM方式等、いずれの
方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線よ
りなるTV信号、例えばMUSE方式をはじめとするい
わゆる高品位TV信号は、大面積化や大画素数化に適し
た前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適な信
号源である。
【0131】上記TV信号受信回路1713で受信され
たTV信号は、デコーダ1704に出力される。
【0132】また、TV信号受信回路1712は、例え
ば同軸ケーブルや光ファイバ等のような有線伝送系を用
いて伝送されるTV信号を受信するための回路である。
前記TV信号受信回路1713と同様に、受信するTV
信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で
受信されたTV信号もデコーダ1704に出力される。
【0133】画像入力インターフェース回路1711
は、例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの
画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための
回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ1704に出
力される。
【0134】画像メモリインターフェース回路1710
は、ビデオテープレコーダ(以下「VTR」と称する)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ1704に出力される。
【0135】画像メモリインターフェース回路1709
は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込
むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ17
04に出力される。
【0136】画像メモリインターフェース回路1708
は、静止画ディスクのように、静止画像データを記憶し
ている装置から画像信号を取り込むための回路で、取り
込まれた静止画像データはデコーダ1704に入力され
る。
【0137】入出力インターフェース回路1705は、
本画像表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータ
ネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続
するための回路である。画像データや文字・図形情報の
入出力や、場合によっては本画像形成装置の備えるCP
U1706と外部との間で制御信号や数値データの入出
力などを行なうことも可能である。
【0138】画像生成回路1707は、前記入出力イン
ターフェース回路1705を介して外部から入力される
画像データや文字・図形情報や、或いはCPU1706
より出力される画像データや文字・図形情報に基づき、
表示用画像データを生成するための回路である。本回路
の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積
するための書き換え可能メモリや、文字コードに対応す
る画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリ
や、画像処理を行なうためのプロセッサ等をはじめとし
て、画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0139】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ1704に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路1705を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンタに出力すること
も可能である。
【0140】CPU1706は、主として本画像表示装
置の動作制御や、表示画像の生成や選択、編集に関わる
作業を行なう。
【0141】例えば、マルチプレクサ1703に制御信
号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を
適宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示す
る画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ1
702に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や走
査方法(例えばインターレースかノンインターレース
か)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制
御する。また、前記画像生成回路1707に対して画像
データや文字・図形情報を直接出力したり、或いは前記
入出力インターフェース回路1705を介して外部のコ
ンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・
図形情報を入力する。
【0142】尚、CPU1706は、これ以外の目的の
作業にも関わるものであっても良い。例えば、パーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を
生成したり処理する機能に直接関わっても良い。或いは
前述したように、入出力インターフェース回路1705
を介して外部のコンピュータネットワークと接続し、例
えば数値計算等の作業を外部機器として共同して行なっ
ても良い。
【0143】入力部1714は、前記CPU1706に
使用者が命令やプログラム、或いはデータなどを入力す
るためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、
ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認識装置
等の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0144】デコーダ1704は、前記1707〜17
13より入力される種々の画像信号を3原色信号、また
は輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路で
ある。尚、図中に点線で示すように、デコーダ1704
は内部に画像メモリを備えていることが望ましい。これ
は、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するの
際に画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱うた
めである。また、画像メモリを備えることにより、静止
画像の表示が容易になる。或いは前記画像生成回路17
07及びCPU1706と共同して、画像の間引き、補
完、拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が
容易になるという利点が得られる。
【0145】マルチプレクサ1703は、前記CPU1
706より入力される制御信号に基づき、表示画像を適
宜選択するものである。即ち、マルチプレクサ1703
はデコーダ1704から入力される逆変換された画像信
号の内から所望の画像信号を選択して駆動回路1701
に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信
号を切り換えて選択することにより、いわゆる多画面テ
レビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によっ
て異なる画像を表示することも可能である。
【0146】ディスプレイパネルコントローラ1702
は、前記CPU1706より入力される制御信号に基づ
き、駆動回路1701の動作を制御するための回路であ
る。
【0147】ディスプレイパネルの基本的な動作に関わ
るものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源
(不図示)の動作シーケンスを制御するための信号を駆
動回路1701に対して出力する。ディスプレイパネル
の駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数
や走査方法(例えばインターレースかノンインターレー
スか)を制御するための信号を駆動回路1701に対し
て出力する。また、場合によっては、表示画像の輝度や
コントラストや色調やシャープネスといった画質の調整
に関わる制御信号を駆動回路1701に対して出力する
場合もある。
【0148】駆動回路1701は、ディスプレイパネル
1700に印加する駆動信号を発生するための回路であ
り、前記マルチプレクサ1703から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ1702よ
り入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0149】以上、各部の機能を説明したが、図13に
例示した構成により、本画像形成装置においては、多様
な画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパ
ネル1700に表示することが可能である。即ち、テレ
ビジョン放送をはじめとする各種の画像信号は、デコー
ダ1704において逆変換された後、マルチプレクサ1
703において適宜選択され、駆動回路1701に入力
される。一方、ディスプレイコントローラ1702は、
表示する画像信号に応じて駆動回路1701の動作を制
御するための制御信号を発生する。駆動回路1701
は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプレイパ
ネル1700に駆動信号を印加する。これにより、ディ
スプレイパネル1700において画像が表示される。こ
れらの一連の動作は、CPU1706により統括的に制
御される。
【0150】本画像形成装置においては、前記デコーダ
1704に内蔵する画像メモリや、画像生成回路170
7及び情報の中から選択したものを表示するだけでな
く、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回
転、移動、エッジ強調、間引き、補完、色変換、画像の
縦横比変換等をはじめとする画像処理や、合成、消去、
接続、入れ替え、嵌め込み等をはじめとする画像編集を
行なうことも可能である。また、上記画像処理や画像編
集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうた
めの専用回路を設けても良い。
【0151】従って、本画像形成装置は、テレビジョン
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び
動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、
ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲー
ム器などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業
用或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0152】尚、図13は、電子放出素子を電子ビーム
源とする表示パネルを用いた画像形成装置とする場合の
構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像形成装置が
これのみに限定されるものでないことは言うまでもな
い。
【0153】例えば、図13の構成要素の内、使用目的
上必要のない機能に関わる回路は省いてもさしつかえな
い。また、これとは逆に、使用目的によってはさらに構
成要素を追加しても良い。例えば、本画像表示装置をテ
レビ電話機として応用する場合には、テレビカメラ、音
声マイク、照明器、モデムを含む送受信回路等を構成要
素に追加するのが好適である。
【0154】本画像形成装置においては、電子放出素子
を電子源としているので、ディスプレイパネルの薄型化
が容易なため、画像形成装置の奥行きを小さくすること
ができる。それに加えて、電子放出素子を電子ビーム源
とする表示パネルは大画面化が容易で輝度が高く、視野
角特性にも優れるため、画像形成装置は、臨場感にあふ
れ、迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能
である。
【0155】
【実施例】[合成例1]200mlのナス型フラスコに
0.5gの酢酸パラジウムと50mlのイソプロピルア
ルコール(IPA)を入れ、フラスコを水冷しつつ0.
33gのエチレンジアミンを10mlのIPAに溶解し
た溶液を徐々に加えた。溶媒をエバポレータにより除
き、少量のIPAを加え加熱溶解させた。溶液を熱時ろ
過して冷却し、酢酸パラジウム−エチレンジアミン錯体
を再結晶させた。空気中でのTG測定の結果、酢酸パラ
ジウム−エチレンジアミン錯体の分解温度は205〜2
70℃であった。
【0156】[合成例2]200mlのナス型フラスコ
に0.5gの酢酸銅と50mlのイソプロピルアルコー
ル(IPA)を入れ、フラスコを水冷しつつ0.40g
のエチレンジアミンを10mlのIPAに溶解した溶液
を徐々に加えた。溶媒をエバポレータにより除き、少量
のIPAを加え加熱溶解させた。溶液を熱時ろ過して冷
却し、酢酸銅−エチレンジアミン錯体を再結晶させた。
空気中でのTG測定の結果、酢酸銅−エチレンジアミン
錯体の分解温度は196〜255℃であった。
【0157】[合成例3]200mlのナス型フラスコ
に0.5gの酢酸亜鉛水和物と50mlのイソプロピル
アルコール(IPA)を入れ、フラスコを水冷しつつ
0.30gのエチレンジアミンを10mlのIPAに溶
解した溶液を徐々に加えた。溶媒をエバポレータにより
除き、少量のIPAを加え加熱溶解させた。溶液を熱時
ろ過して冷却し、酢酸亜鉛−エチレンジアミン錯体を再
結晶させた。空気中でのTG測定の結果、酢酸亜鉛−エ
チレンジアミン錯体の分解温度は140〜208℃であ
った。
【0158】[合成例4]200mlのナス型フラスコ
に0.5gの酢酸ロジウムと50mlのイソプロピルア
ルコール(IPA)を入れ、フラスコを水冷しつつ0.
26gのエチレンジアミンを10mlのIPAに溶解し
た溶液を徐々に加えた。溶媒をエバポレータにより除
き、少量のIPAを加え加熱溶解させた。溶液を熱時ろ
過して冷却し、酢酸ロジウム−エチレンジアミン錯体を
再結晶させた。空気中でのTG測定の結果、酢酸ロジウ
ム−エチレンジアミン錯体の分解温度は212〜287
℃であった。
【0159】[合成例5]酢酸パラジウム0.5gにイ
ソプロピルアルコール20mlを加えて撹拌し、プロピ
レンジアミン0.4gを添加し、室温で4時間撹拌し
た。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に留去
した。残査にアセトンを加えて結晶化させ、ろ取した。
この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取し
た。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(プロピレン
ジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結果、酢酸パ
ラジウム−ビス(プロピレンジアミン)錯体の分解温度
は212〜348℃であった。
【0160】[合成例6]酢酸パラジウム1.0gにイ
ソプロピルアルコール35mlを加えて撹拌し、2−メ
チル−1,2−プロパンジアミン1.0gを添加し、室
温で4時間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ
液を減圧下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌
後、ろ取した。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌
し、再びろ取した。この操作を繰り返し、結晶をアセト
ンで充分に洗い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス
(2−メチル−1,2−プロパンジアミン)を得た。空
気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス(2−
メチル−1,2−プロパンジアミン)錯体の分解温度は
262〜297℃であった。
【0161】[合成例7]酢酸パラジウム1.0gにイ
ソプロピルアルコール35mlを加えて撹拌し、1,2
−シクロヘキサンジアミン1.5gを添加し、室温で4
時間撹拌した。反応後、不溶物をろ過した。この結晶に
アセトンを加えてよく撹拌し、ろ取した。さらにアセト
ンを加えてよく撹拌し、再びろ取した。この操作を繰り
返し、結晶をアセトンで充分に洗い、真空乾燥して、酢
酸パラジウム−ビス(1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)を得た。空気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウ
ム−ビス(1,2−シクロヘキサンジアミン)錯体の分
解温度は262〜283℃であった。
【0162】[合成例8]酢酸パラジウム0.5gにイ
ソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、o−フ
ェニレンジアミン0.51gを添加し、室温で4時間撹
拌した。反応後、不溶物をろ過した。この結晶にアセト
ンを加えてよく撹拌し、ろ取した。さらにアセトンを加
えてよく撹拌し、再びろ取した。この操作を繰り返し、
結晶をアセトンで充分に洗い、真空乾燥して、酢酸パラ
ジウム−ビス(o−フェニレンジアミン)を得た。空気
中でのTG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス(o−フ
ェニレンジアミン)錯体の分解温度は196〜286℃
であった。
【0163】[合成例9]酢酸パラジウム0.5gにイ
ソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、トリメ
チレンジアミン0.4gを添加し、室温で4時間撹拌し
た。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に留去
した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取した。この結
晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取した。この
操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗い、真空乾
燥して、酢酸パラジウム−ビス(トリメチレンジアミ
ン)を得た。空気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウ
ム−ビス(トリメチレンジアミン)錯体の分解温度は2
07〜274℃であった。
【0164】[合成例10]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、ペン
タン−1,3−ジアミン0.6gを添加し、室温で4時
間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧
下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(ペンタン−
1,3−ジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結
果、酢酸パラジウム−ビス(ペンタン−1,3−ジアミ
ン)錯体の分解温度は191〜243℃であった。
【0165】[合成例11]酢酸パラジウム2.0gに
エチルアルコール55mlを加えて撹拌し、2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジアミン2.4gを添加し、
室温で4.5時間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過
し、ろ液を減圧下に留去した。残査にアセトンを加え、
撹拌後ろ取した。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌
し、再びろ取した。この操作を繰り返し、結晶をアセト
ンで充分に洗い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス
(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン)を得
た。空気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス
(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン)錯体
の分解温度は232〜234℃であった。
【0166】[合成例12]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、1,
4−ブタンジアミン0.5gを添加し、室温で4.5時
間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧
下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(1,4−ブ
タンジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結果、酢
酸パラジウム−ビス(1,4−ブタンジアミン)錯体の
分解温度は201〜267℃であった。
【0167】[合成例13]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、N−
メチルエチレンジアミン0.43gを添加し、室温で5
時間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減
圧下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(N−メチル
エチレンジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結
果、酢酸パラジウム−ビス(N−メチルエチレンジアミ
ン)錯体の分解温度は195〜261℃であった。
【0168】[合成例14]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、N,
N’−ジメチルエチレンジアミン0.5gを添加し、室
温で5時間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ
液を減圧下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後
ろ取した。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再
びろ取した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充
分に洗い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(N,
N’−ジメチルエチレンジアミン)を得た。空気中での
TG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス(N,N’−ジ
メチルエチレンジアミン)錯体の分解温度は192〜2
72℃であった。
【0169】[合成例15]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール32mlを加えて撹拌し、2,
3−ナフチレンジアミン0.8gを添加し、室温で6時
間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧
下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(2,3−ナ
フチレンジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結
果、酢酸パラジウム−ビス(2,3−ナフチレンジアミ
ン)錯体の分解温度は179〜321℃であった。
【0170】[合成例16]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール38mlを加えて撹拌し、1,
8−ナフチレンジアミン0.8gを添加し、室温で6時
間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧
下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(1,8−ナ
フチレンジアミン)を得た。空気中でのTG測定の結
果、酢酸パラジウム−ビス(1,8−ナフチレンジアミ
ン)錯体の分解温度は222〜345℃であった。
【0171】[合成例17]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール38mlを加えて撹拌し、2,
2’−ビピリジル0.8gを添加し、室温で6時間撹拌
した。反応後、不溶物をろ過した。この結晶にアセトン
を加えてよく撹拌し、ろ取した。さらにアセトンを加え
てよく撹拌し、再びろ取した。この操作を繰り返し、結
晶をアセトンで充分に洗い、真空乾燥して、酢酸パラジ
ウム−(2,2’−ビピリジル)を得た。空気中でのT
G測定の結果、酢酸パラジウム−(2,2’−ビピリジ
ル)錯体の分解温度は245〜357℃であった。
【0172】[合成例18]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、8−
アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン0.8
gを添加し、室温で4時間撹拌した。反応後、不溶物を
ろ過した。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、ろ
取した。さらにアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(8−アミノ
−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン)を得た。空
気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス(8−
アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン)錯体
の分解温度は177〜285℃であった。
【0173】[合成例19]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、ホモ
ピペラジン0.5gを添加し、室温で3時間撹拌した。
反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に留去し
た。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取した。この結晶
にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取した。この操
作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗い、真空乾燥
して、酢酸パラジウム−ビス(ホモピペラジン)を得
た。空気中でのTG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス
(ホモピペラジン)錯体の分解温度は220〜285℃
であった。
【0174】[合成例20]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、ピペ
ラジン0.43gを添加し、室温で4時間撹拌した。反
応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に留去した。
残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取した。この結晶にア
セトンを加えてよく撹拌し、再びろ取した。この操作を
繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗い、真空乾燥し
て、酢酸パラジウム−(ピペラジン)を得た。空気中で
のTG測定の結果、酢酸パラジウム−(ピペラジン)錯
体の分解温度は211〜267℃であった。
【0175】[合成例21]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール30mlを加えて撹拌し、2−
ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン0.5gを添加
し、室温で5時間撹拌した。反応後、不溶物をろ過し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、ろ取し
た。さらにアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取し
た。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(2−ヒドロ
キシ−1,3−プロパンジアミン)を得た。空気中での
TG測定の結果、酢酸パラジウム−ビス(2−ヒドロキ
シ−1,3−プロパンジアミン)錯体の分解温度は21
2〜377℃であった。
【0176】[合成例22]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、2−
アミノベンジルアミン0.6gを添加し、室温で2.5
時間撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減
圧下に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取し
た。この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取
した。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(2−アミノ
ベンジルアミン)を得た。空気中でのTG測定の結果、
酢酸パラジウム−ビス(2−アミノベンジルアミン)錯
体の分解温度は235〜296℃であった。
【0177】[合成例23]酢酸パラジウム0.5gに
イソプロピルアルコール25mlを加えて撹拌し、2−
アミノメチルピリジン0.6gを添加し、室温で4時間
撹拌した。反応後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下
に留去した。残査にアセトンを加え、撹拌後ろ取した。
この結晶にアセトンを加えてよく撹拌し、再びろ取し
た。この操作を繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗
い、真空乾燥して、酢酸パラジウム−ビス(2−アミノ
メチルピリジン)を得た。空気中でのTG測定の結果、
酢酸パラジウム−ビス(2−アミノメチルピリジン)錯
体の分解温度は177〜268℃であった。
【0178】[比較合成例1]酢酸パラジウムにエタノ
ールアミンが四配位している酢酸パラジウム−テトラキ
ス(エタノールアミン)錯体の空気中でのTGによる分
解温度はおよそ133〜315℃である。本発明に使用
する金属含有水溶液中の金属キレート錯体のほうが分解
開始温度が高めであり、分解に要する温度範囲も狭めで
ある。
【0179】[比較合成例2]酢酸パラジウム−テトラ
キス(エタノールアミン)錯体を22mgをサンプルビ
ンに量り、水を加えて1gとしサンプルビンの蓋を閉め
た。また酢酸パラジウム−ビス(エチレンジアミン)錯
体16.2mgをサンプルビンに量り、水を加えて1g
としサンプルビンの蓋を閉めた。ともにPd濃度0.5
%とした。次いで、約100℃の浴中に両サンプルビン
を蓋の下まで入れて観察したところ、酢酸パラジウム−
テトラキス(エタノールアミン)錯体水溶液は約30分
でPdの析出が見られたが、酢酸パラジウム−ビス(エ
チレンジアミン)錯体水溶液は5時間後でも変化がなか
った。
【0180】以上のように酢酸パラジウム−ビス(エチ
レンジアミン)錯体は約100℃の水溶液中でも安定性
を示した。
【0181】[実施例1]本実施例の電子放出素子とし
て図1に示す構成の電子放出素子を図3の工程に沿って
作製した。
【0182】基板1として石英基板を用い、これを有機
溶剤により充分に洗浄後、該基板1面上に、白金からな
る素子電極2,3を5組形成した。この時、素子電極間
隔Lは10μmとし、素子電極の幅Wを500μm、そ
の厚さを100nmとした。
【0183】0.5gの酢酸パラジウム−エチレンジア
ミン錯体、0.05gの86%ケン化ポリビニルアルコ
ール(平均重合度500)、15gのイソプロピルアル
コール、1gのエチレングリコール、0.1gのトリス
ヒドロキシメチルアミノメタンを採り、水を加えて全量
を100gとし、パラジウム含有水溶液を得た。
【0184】このパラジウム含有水溶液をポアサイズ
0.25μmのメンブランフィルターでろ過し、キヤノ
ン(株)製のバブルジェットヘッドBC−01に充填し
(ヘッド部分の構造模式図を図2に示した)、所定のヘ
ッド内ヒーターに外部より20Vの直流電圧を7μse
c印加して、前記の石英基板の素子電極2,3のギャッ
プ部分に上記パラジウム含有水溶液を吐出した。ヘッド
と基板の位置を保持したままさらに5回吐出を繰り返し
た。液滴はほぼ円形でその直径は約110μmとなっ
た。
【0185】この基板を2時間風乾してから、大気雰囲
気300℃のオーブン中で10分加熱して前記パラジウ
ム化合物を基板上で分解堆積させたところ、酸化パラジ
ウムからなる導電性膜が生成した。結晶の析出もなく均
一な酸化パラジウム膜が生成していた。
【0186】次に、素子電極間に電圧を印加し、上酸化
パラジウム膜に通電処理(フォーミング処理)すること
により作製した。フォーミング処理の電圧波形は図4
(a)に示す波形を用い、T1を1msec、T2を10
msecとし、三角波の波高値(フォーミング時のピー
ク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は約1×10-4
Paの真空雰囲気下で60秒間行った。得られた導電性
膜間のシート抵抗値のバラツキは10%であった。
【0187】以上のようにして作製された素子につい
て、その電子放出特性の測定を図5に示した測定評価装
置を用いて行った。尚、本例では、アノード電極と電子
放出素子間の距離を4mm、アノード電極の電位を1k
V、電子放出特性測定時の真空装置内の圧力を1×10
-4Paとした。
【0188】その結果、図6に示したような電流−電圧
特性が得られた。5組の素子は平均して、素子電圧7.
5V程度から急激に放出電流Ieが増加し、素子電圧1
6Vでは素子電流Ifが2.4mA、放出電流Ieが1.
0μAであり、電子放出効率η=Ie/Ifは0.042
%であった。
【0189】また、アノード電極54の替わりに、前述
した蛍光膜とメタルバックを有するフェースプレートを
真空装置内に配置した。こうして電子源からの電子放出
を試みたところ蛍光膜の一部が発光し、素子電流If
応じて発光の強さが変化した。こうして本素子が発光表
示素子として機能することがわかった。
【0190】以上説明した実施例中、電子放出部を形成
する際に、素子の電極間に三角波パルスを印加してフォ
ーミング処理を行っているが、素子の電極間に印加する
波形は三角波に限定することはなく、矩形波など所望の
波形を用いてもよく、その波高値及びパルス幅・パルス
間隔等についても上述の値に限ることなく、電子放出部
が良好に形成されれば所望の値を選択することができ
る。
【0191】[比較例1]酢酸パラジウム−モノエタノ
ールアミン錯体を使用した以外は、実施例1と同様に5
組の電子放出素子を作製した。その際、大気雰囲気下、
錯体を基板上で分解堆積させ、酸化パラジウムからなる
微粒子膜を生成するのに350℃のオーブン中で15分
間加熱する必要があった。300℃で10分間の加熱で
は完全には酸化パラジウム微粒子膜とはならず、有機成
分が残留していることが熱天秤測定により観測された。
導電性膜間のシート抵抗値のバラツキは20%であっ
た。さらに実施例1と同様に電子放出効率を測定したと
ころ、0.03%であった。
【0192】[実施例2〜4]合成例2〜4で合成した
錯体を用いて実施例1と同様にして各実施例についてそ
れぞれ5組の電子放出素子を作製した。作製条件、電子
放出効率及びシート抵抗値のバラツキを表1に示す。
尚、導電性膜を光学顕微鏡で観察したところ、結晶の析
出もなく均一な膜が生成していた。
【0193】
【表1】
【0194】さらに実施例1と同様のフォーミング及び
活性化工程を経て電子放出素子を作製した。素子の作製
後、素子電圧14〜18Vにおいて電子放出現象が確認
できた。
【0195】[実施例5〜17]以下に示した金属キレ
ート錯体を使用した金属含有水溶液を調製し、これらを
実施例1と同様にしてバブルジェット方式により、各実
施例の水溶液をそれぞれ5組の素子電極の各ギャップ部
分に吐出した。各実施例の基板を2%水素を含むヘリウ
ム雰囲気下で15分間400℃で熱処理し、金属化合物
を熱分解して導電性膜を形成した。導電性膜を光学顕微
鏡で観察したところ、結晶の析出もなく均一膜であっ
た。
【0196】さらに実施例1と同様のフォーミング及び
活性化工程を経て電子放出素子を作製した。素子の作製
後、素子電圧14〜18Vにおいて電子放出現象が確認
できた。いずれの場合もシート抵抗値のバラツキは15
%以下であった。
【0197】 実施例5 (CH3COO)2Cu(H2NCH2CH2NH22 0.44g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 5.0g エチレングリコール 1.0g 2−アミノ−1−ブタノール 0.5g 水 93.01g
【0198】 実施例6 (CH3COO)2Zn(H2NCH2CH2NH22 0.44g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 5.0g エチレングリコール 1.0g アミノメチルプロパンジオール 0.5g 水 93.01g
【0199】 実施例7 (CH3COO)2Rh(H2NCH2CH2NH22 0.5g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 25.0g エチレングリコール 1.0g トリスヒドロキシメチルアミノアルコール 0.5g 水 73.01g
【0200】 実施例8 (CH3COO)2Fe(H2NCH2CH2NH23 0.51g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 5.0g エチレングリコール 3.0g トリスヒドロキシメチルアミノアルコール 0.5g 水 92.94g
【0201】 実施例9 (C49COO)2Pd(H2NCH2CH2NH23 0.62g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 35.0g エチレングリコール 1.0g トリスヒドロキシメチルアミノアルコール 5.0g 水 58.33g
【0202】 実施例10 (C49COO)2Pd(H2NCH2CH2NH23 0.62g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 15.0g エチレングリコール 3.0g トリスヒドロキシメチルアミノアルコール 0.5g 水 80.83g
【0203】 実施例11 (CH3COO)2Pd〔H2NCH2CH(CH3)NH22 0.60g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度450) 0.05g イソプロピルアルコール 25.0g エチレングリコール 1.0g アミノメチルプロパンジオール 0.5g 水 72.85g
【0204】 実施例12 (C37COO)2Zn(H2N−Cy−NH22 0.8g 92%ケン化ポリビニルアルコール(重合度600) 0.05g イソプロピルアルコール 20.0g エチレングリコール 0.2g アミノメチルプロパノール 0.5g 水 78.45g
【0205】 実施例13 (C37COO)2Sn(H2NCH2CH2CH2NH22 0.6g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度1200) 0.05g イソプロピルアルコール 20.0g エチレングリコール 1.0g 3−アミノ−1−プロパノール 0.5g 水 77.85g
【0206】 実施例14 (C37COO)2Cu(CH3NHCH2CH2NHCH32 0.8g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.5g イソプロピルアルコール 20.0g エチレングリコール 1.0g トリスヒドロキシメチルアミノメタン 1.0g 水 76.7g
【0207】 実施例15 (C49COO)2Fe(H2NCH2C(CH32CH2NH22 0.9g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.01g イソプロピルアルコール 15.0g エチレングリコール 1.0g トリスヒドロキシメチルアミノメタン 2.0g 水 81.09g
【0208】 実施例16 (CH3COO)2Cr((CH3)NHCH2CH2NH23 1.0g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 15.0g エチレングリコール 2.0g トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5g 水 81.45g
【0209】 実施例17 (HCOO)2Cu((CH3)NHCH2CH2NH23 0.6g 78%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 20.0g エチレングリコール 1.0g トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5g 水 77.85g (Cyはシクロヘキシレン基をあらわす)
【0210】[比較例2〜4]以下に示す組成のパラジ
ウム含有水溶液を調製し、実施例1のパラジウム含有水
溶液の代わりに用いて、実施例1と同様の条件で各水溶
液をそれぞれ5組の素子電極部分に塗布した。さらに実
施例1と同様のフォーミング及び活性化工程を経て電子
放出素子を作製した。素子作製後、素子電圧14〜18
Vにおいて電子放出現象が確認できた。いずれの場合も
シート抵抗値のバラツキは20〜25%であった。シー
ト抵抗値のバラツキはアルコールアミン錯体も金属キレ
ート錯体も25%以下とバラツキは小さめであったが、
金属キレート錯体の方がさらにバラツキが小さかった。
【0211】 比較例2 (C25COO)2Zn(H2NCH2CH2OH)4 0.8g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 5.0g エチレングリコール 1.0g アミノメチルプロパンジオール 0.5g 水 93.45g
【0212】 比較例3 (CH3COO)2Cu(H2NCH2CH2OH)4 1.1g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 5.0g エチレングリコール 1.0g 2−アミノ−1−ブタノール 0.5g 水 92.25g
【0213】 比較例4 (C49COO)2Pd(H2NCH2CH2OH)4 3.0g 86%ケン化ポリビニルアルコール(重合度500) 0.05g イソプロピルアルコール 25.0g エチレングリコール 1.0g 2−アミノ−1−ブタノール 0.5g 水 70.45g
【0214】[実施例18]16行×16列の256個
の素子電極とマトリクス状配線とを形成した基板(図7
参照)の各対向電極に対して、それぞれ実施例1と同様
にして、金属キレート錯体を含む金属含有水溶液をバブ
ルジェット方式のインクジェット装置により付与し、焼
成した後、フォーミング処理を行い電子源基板とした。
【0215】この電子源基板にリアプレート、支持枠、
フェースプレートを接続し、真空封止して図8の概念図
に従う画像形成装置を作製した。端子Dx1〜Dx16と瑞
子Dy1〜Dy16を通じて各素子に時分割で所定電圧を印
加し、高圧端子(図7の87)を通じてメタルバックに
高電圧を印加することによって、任意のマトリクス画像
パターンを表示することができた。
【0216】
【発明の効果】本発明の電子放出素子製造用金属含有水
溶液は溶液が長期にわたり保存安定性を有し、基板上に
塗布した際に基板濡れが良好で金属化合物の析出等が発
生せず、塗膜の厚さが均一となる。よって、この金属含
有水溶液を用いることにより、厚さの均一な導電性膜を
形成することができ、均一な電子放出特性を示す電子放
出素子を複数個、簡便な工程で、歩留まりよく製造する
事ができる。その結果、表示特性が安定し、輝度むら等
の少ない高品位の画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一実施形態である平面
型の表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式図ある。
【図2】本発明の電子放出素子の製造方法に用いられる
インクジェットヘッドの構成の一例を示す模式図であ
る。
【図3】図1の電子放出素子の作製方法の一例を示す模
式図である。
【図4】本発明の電子放出素子の電子放出部を形成する
ためのフォーミング電圧波形を示す図である。
【図5】本発明の電子放出素子の電子放出特性の測定に
用いる測定評価装置の概略図である。
【図6】本発明の電子放出素子の放出電流Ie、素子電
流Ifと素子電圧Vfの関係の一例を示すグラフである。
【図7】本発明の電子源の一実施形態の単純マトリクス
配置の電子源を示す概略的構成図である。
【図8】単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明の
画像形成装置の一実施形態に用いる表示パネルの概略的
構成図である。
【図9】図8に示した表示パネルにおける蛍光膜を示す
図である。
【図10】図8に示した表示パネルを駆動する駆動回路
の一例を示す図である。
【図11】本発明の電子源の一実施形態の梯子状配置の
電子源を示す概略的構成図である。
【図12】梯子状配置の電子源を用いた本発明の画像形
成装置の一実施形態に用いる表示パネルの概略的構成図
である。
【図13】本発明の画像形成装置の一例を示すブロック
図である。
【図14】従来の平面型表面伝導型電子放出素子を示す
概略的構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性膜 5 電子放出部 21 ヘッド本体 22 ヒーターまたはピエゾ素子 23 インク流路 24 ノズル 25 インク供給管 26 インク溜め 31 ノズル 32 液滴 33 薄膜 50 電流計 51 電源 52 電流計 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 共通配線 120 グリッド電極 121 空孔 122,123 容器外端子 1700 ディスプレイパネル 1701 駆動回路 1702 ディスプレイコントローラ 1703 マルチプレクサ 1704 デコーダ 1705 入出力インターフェース回路 1706 CPU 1707 画像生成回路 1708〜1710 画像メモリインターフェース回路 1711 画像入力インターフェース回路 1712,1713 TV信号受信回路 1714 入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 3/06 C07F 3/06 15/00 15/00 C B Fターム(参考) 4H048 AA05 AB92 VA20 VA30 VA56 VA66 VB30 4H050 AA03 AB76 AB78 AB91 AB92 WB13 WB14 WB21 5C031 DD09 DD19 5C036 EF01 EF06 EG02 EG12

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属キレート錯体、水溶性高分子、水溶
    性多価アルコール、水溶性一価アルコール及びアミノア
    ルコールからなることを特徴とする電子放出素子製造用
    金属含有水溶液。
  2. 【請求項2】 前記金属キレート錯体が下記(1)式で
    表される金属−ジアミン系錯体またはその水和物である
    請求項1記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。 (R1COO)nM[(R2)(R3)N−R4−R5 −N(R6)(R7)]m (1) [但し、R1は水素原子、または炭素原子数1〜4のア
    ルキル基、R2、R3、R6、R7は水素原子、または炭素
    原子数1〜2のアルキル基を表わし、R2とR6或いはR
    3とR7とは結合していてもよい。R4−R5は−(C
    2p−C(R8)(R9)−(CH2q−、或いは、R
    4、R5単独で結合して環状基であってもよい。(R2
    (R3)N−R4またはR5−N(R6)(R7)は環状に
    結合されていてもよい。また、(R2)(R3)N−R4
    −R5またはR4−R5−N(R6)(R7)は環状に結合
    されていてもよい。R8、R9は水素原子、水酸基、また
    は炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。n、mは1
    〜4の整数、pは0または1、qは0〜4の整数を示
    し、Mは金属を表す。]
  3. 【請求項3】 前記金属キレート錯体の金属が白金族元
    素である請求項1または2記載の電子放出素子製造用金
    属含有水溶液。
  4. 【請求項4】 前記金属キレート錯体の金属がパラジウ
    ムである請求項1〜3のいずれかに記載の電子放出素子
    製造用金属含有水溶液。
  5. 【請求項5】 前記(1)式で表わされる金属キレート
    錯体において、−R4−R5−が−CH2−CH2−である
    請求項2〜4のいずれかに記載の電子放出素子製造用金
    属含有水溶液。
  6. 【請求項6】 前記(1)式で表わされる金属キレート
    錯体において、−R4−R5−が−(CH2p−C
    (R8)(R9)−(CH2q−である請求項2〜4のい
    ずれかに記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。
  7. 【請求項7】 前記(1)式で表わされる金属キレート
    錯体において、−R4−R5−が1,2−フェニレン、
    1,2−シクロヘキシレン、2,3−ナフチレン、1,
    8−ナフチレン、1−メチレン−2−フェニレンのいず
    れかである請求項2〜4のいずれかに記載の電子放出素
    子製造用金属含有水溶液。
  8. 【請求項8】 前記(1)式で表される金属キレート錯
    体において、(R2)(R3)N−R4またはR5−N(R
    6)(R7)が2−ピリジルである請求項2〜4のいずれ
    かに記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。
  9. 【請求項9】 前記(1)式で表される金属キレート錯
    体において、(R2)(R3)N−R4−R5またはR4
    5−N(R6)(R7)が1,2,3,4−テトラヒド
    ロキノリン−8−イルである請求項2〜4のいずれかに
    記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。
  10. 【請求項10】 金属含有量が0.1重量%〜2重量%
    である請求項1〜9のいずれかに記載の電子放出素子製
    造用金属含有水溶液。
  11. 【請求項11】 前記水溶性高分子が部分エステル化ポ
    リビニルアルコールである請求項1〜10のいずれかに
    記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。
  12. 【請求項12】 前記水溶性多価アルコールが炭素数2
    〜4の常温で液体の多価アルコールである請求項1〜1
    1のいずれかに記載の電子放出素子製造用金属含有水溶
    液。
  13. 【請求項13】 前記水溶性多価アルコールがエチレン
    グリコール、プロピレングリコール、グリセリンのうち
    のいずれかである請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子放出素子製造用金属含有水溶液。
  14. 【請求項14】 前記水溶性一価アルコールが炭素数1
    〜4の常温で液体の一価アルコールである請求項1〜1
    3のいずれかに記載の電子放出素子製造用金属含有水溶
    液。
  15. 【請求項15】 前記水溶性一価アルコールがメタノー
    ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
    ル、2−ブタノールのうちのいずれかである請求項1〜
    14のいずれかに記載の電子放出素子製造用金属含有水
    溶液。
  16. 【請求項16】 前記アミノアルコールが炭素原子を3
    〜5個含む請求項1〜15のいずれかに記載の電子放出
    素子製造用金属含有水溶液。
  17. 【請求項17】 前記アミノアルコールがトリスヒドロ
    キシメチルアミノメタンである請求項1〜16のいずれ
    かに記載の電子放出素子製造用金属含有水溶液。
  18. 【請求項18】 基板上に一対の素子電極を形成する工
    程と、該基板上に請求項1〜17のいずれかに記載の電
    子放出素子製造用金属含有水溶液を付与して該素子電極
    のそれぞれに接する薄膜を形成する工程と、加熱焼成に
    よって該薄膜を導電性膜とする工程と、該導電性膜に電
    子放出部を形成する工程と、を少なくとも有することを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記の金属含有水溶液を基板に付与す
    る工程が、該金属含有水溶液の液滴を基板に付与する工
    程である請求項18項記載の電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記の金属含有水溶液の液滴付与手段
    がインクジェット方式である請求項19記載の電子放出
    素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記インクジェット方式がバブルジェ
    ット方式である請求項20記載の電子放出素子の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項18〜21のいずれかの電子放
    出素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする
    電子放出素子。
  23. 【請求項23】 上記素子電極が同一面上に配置された
    平面型の素子である請求項22記載の電子放出素子。
  24. 【請求項24】 上記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子である請求項22または23に記載の電子放出
    素子。
  25. 【請求項25】 請求項22〜24のいずれかに記載の
    電子放出素子を複数個並列に配置し結線してなる素子行
    を少なくとも1行以上有し、各素子を駆動するための配
    線が梯子状配置されていることを特徴とする電子源。
  26. 【請求項26】 請求項22〜24いずれかに記載の電
    子放出素子を複数個配列してなる素子行を少なくとも1
    行以上有し、該素子を駆動するための配線がマトリクス
    配置されていることを特徴とする電子源。
  27. 【請求項27】 請求項25記載の電子源と、画像形成
    部材、及び情報信号により各素子から放出される電子線
    を制御する制御電極を有することを特徴とする画像形成
    装置。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の電子源と、画像形成
    部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
  29. 【請求項29】 請求項18〜21のいずれかに記載の
    電子放出素子の製造方法で同一基板上に複数の電子放出
    素子を形成してなることを特徴とする電子源の製造方
    法。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の製造方法で得られた
    電子源を、該電子源から放出される電子線を制御する制
    御電極と、該電子源からの電子線の照射により画像を形
    成する画像形成部材と組み合わせることを特徴とする画
    像形成装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項29記載の製造方法で得られた
    電子源を、該電子源からの電子線の照射により画像を形
    成する画像形成部材と組み合わせることを特徴とする画
    像形成装置の製造方法。
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