JP2000251317A - 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法 - Google Patents

可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法

Info

Publication number
JP2000251317A
JP2000251317A JP11049052A JP4905299A JP2000251317A JP 2000251317 A JP2000251317 A JP 2000251317A JP 11049052 A JP11049052 A JP 11049052A JP 4905299 A JP4905299 A JP 4905299A JP 2000251317 A JP2000251317 A JP 2000251317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
transparent
interface
refractive index
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11049052A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yoshirou Futamura
恵朗 二村
Nobuyuki Tamaoki
信之 玉置
Hiroo Matsuda
宏雄 松田
Yoshie Kida
吉重 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Okamura Oil Mill Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Okamura Oil Mill Ltd
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Okamura Oil Mill Ltd, Ricoh Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP11049052A priority Critical patent/JP2000251317A/ja
Publication of JP2000251317A publication Critical patent/JP2000251317A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コレステリック液晶系材料を用いた感熱可逆
記録媒体において、白色度が向上した感熱可逆記録媒
体、さらに詳しくはコレステリック液晶液晶系材料を用
いて形成された記録層で散乱した光を利用して白色度が
向上した感熱可逆記録媒体および該感熱可逆記録媒体を
使用した可逆的記録方法の提供。 【解決手段】 コレステリック液晶化合物または該化合
物を含む混合物からなる感熱記録材料で構成され、その
一部あるいは全部の領域を、加熱手段により等方相ある
いは高温のコレステリック液晶相を示す温度まで到達さ
せた後、次に該記録材料をガラス転移温度以下、あるい
は常温まで冷却することにより白色表示状態を呈するこ
とのできる感熱記録層と光吸収層、および該感熱記録層
と光吸収層の間に1つ以上の透明層を有し、かつ前記透
明層の少なくとも一つ以上が、前記感熱記録層あるいは
他の透明層よりも低屈折率の透明材料で構成される透明
層であることを特徴とする可逆記録媒体および該可逆記
録媒体を使用した記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱可逆記録媒体、
さらに詳しくは加熱および冷却により、可逆書き換えが
可能な可逆記録媒体および該可逆記録媒体を使用した可
逆的書き換え方法に関する。
【0002】
【従来技術】分子量が2000以下で、ガラス転移温度
が35℃以上のコレステリック液晶化合物または該化合
物を含む材料からなる記録材料は、コレステリック液晶
相状態より急冷することにより、コレステリック液晶相
状態の反射色を常温で長時間保存でき、また、再加熱し
て液晶相状態に戻せば繰り返し書き込むことができる記
録媒体が知られている(N.Tamaoki、A.V.
Parenov、A.Masaki、H.Matsud
a、Adv.Mater.1997.9.1102−1
104)。前記記録材料は、書き換え可能なフルカラー
記録や、多値記録メディアへの応用が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の記録材料は、前
述のように書き換え可能なフルカラー記録や、多値記録
メディアの記録材料として有望な特徴をもつものではあ
るが、可視波長全域を均一に反射させるためには、極め
て小さな3原色(赤、青、緑)を反射するドットを均一
に記録しなければならないと言う問題があった。この問
題は、画像形成の際に、紙のように下地を白色とする場
合に特に重要である。本発明は、コレステリック液晶系
材料を用いた感熱可逆記録媒体において、白色度が向上
した感熱可逆記録媒体、さらに詳しくはコレステリック
液晶液晶系材料を用いて形成された記録層で散乱した光
を利用して白色度が向上した感熱可逆記録媒体および該
感熱可逆記録媒体を使用した可逆的記録方法に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの特徴は、
前記課題を解決するために、コレステリック液晶化合物
または該化合物を含む混合物からなる感熱記録材料で構
成され、その一部あるいは全部の領域を、加熱手段によ
り等方相あるいは高温のコレステリック液晶相を示す温
度まで到達させた後、次に該記録材料をガラス転移温度
以下、あるいは常温まで冷却することにより白色表示状
態を呈することのできる感熱記録層と光吸収層、および
および該感熱記録層と光吸収層の間に透明層を有し、か
つ前記透明層の少なくとも一つ以上が、前記感熱記録層
あるいは他の透明層よりも低屈折率の透明材料で構成さ
れる透明層であることを特徴とする可逆記録媒体を提供
したことにある。
【0005】本発明の別の特徴は、コレステリック液晶
化合物または該化合物を含む混合物からなる感熱記録材
料で構成され、その一部あるいは全部の領域を、加熱手
段により等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温
度まで到達させた後、次に前記の記録材料を冷却してコ
レステリックガラス相にして、該コレステリック反射色
を固定させた後、該記録材料を再び加熱し少なくともそ
の一部を結晶化させることにより白色表示状態を呈する
ことのできる感熱記録層と光吸収層、および該感熱記録
層と光吸収層の間に一つ以上の透明層を有し、かつ前記
透明層の少なくとも一つ以上が、前記感熱記録層あるい
は他の透明層よりも低屈折率の透明材料で構成される透
明層であることを特徴とする可逆記録媒体を提供したこ
とにある。
【0006】本発明の可逆記録媒体においては、前記の
ように白色表示状態の記録層が、可視波長全域に均一な
反射光を得るために、コレステリック反射色による加法
混色ではなく、該記録材料の光散乱を利用するものであ
ることを特徴とする。前記記録材料の光散乱を利用した
白色表示は、記録層中に光の屈折率変化が生じる界面を
ランダムに多数形成し、光散乱により行うことが出来
る。この光散乱は、コレステリック液晶化合物の結晶状
態の光散乱性およびガラス相の微少なランダムドメイン
を利用したものが挙げられる。
【0007】本発明で使用するコレステリック液晶化合
物は、ガラス転移温度以上でコレステリック液晶相を示
し、さらにそれ以上の温度で等方相を示し、また前記の
ような光散乱を利用する白色表示による記録が可能でな
ものであれば特にその種類は限定されないが、室温で安
定に記録を保存するために、ガラス転移点が30℃以上
のものが好ましい。また、本発明で使用するコレステリ
ック液晶化合物は、高温でのコレステリック液晶相を常
温まで急冷すると、前記コレステリック液晶相の螺旋状
分子配列を保持したガラス状固体になり、螺旋状ピッチ
に依存した選択反射色が観測されるものとすることがで
きる。
【0008】前記のような特性を有するコレステリック
液晶化合物としては、例えば下記式(I)および(II)
に示すものが挙げられる。
【化3】 (式中、n=5、6、7、R=H、CH
【0009】
【化4】 (式中、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10) 前式(I)および(II)で示される液晶記録材料として
用いるコレステリック液晶化合物は、その分子量が20
00以下で、ガラス転移温度が30℃以上で、ガラス転
移温度以上でコレステリック液晶相を示し、さらにそれ
以上の温度で等方相を示すものである。特に前式(II)
のnが8である下式(III)で示されるコレステリック
液晶(Dicholesteryl 10,12−Do
cosadiynedioate:以下C8DY8Cと
言う)が固定化されたコレステリックピッチ反射色によ
る安定性が高いので好ましい。
【0010】
【化5】 本発明で使用するコレステリック液晶化合物は、前式
(I)および(II)で示される液晶記録材料を混合して
用いても良いし、また前式(I)および(II)の記録材
料もそれぞれ複数種類を混合したものであっても良い。
【0011】前記等方相または高温のコレステリック液
晶相を得るため、あるいは再結晶化で使用する加熱手段
は、特にその種類は制限されるものではないが、必要と
する加熱速度に応じて、適宜、適当な加熱手段および加
熱条件を選択できる。該加熱手段としては、例えばホッ
トプレート、レーザー光、サーマルへッドなどを使用す
ることが出来る。ただし、加熱手段これらに限定される
ものではない。
【0012】前記冷却手段も、特にその種類は制限され
るものではないが、必要とする冷却速度に応じて、適
宜、適当な冷却手段および条件を選択できるが、冷却手
段としては、例えば水冷、空冷、金属板、ガラス板等な
どを使用することが出来る。ただし、冷却手段はこれら
に限定されるものではない。
【0013】本発明の可逆記録媒体の別の特徴は、感熱
記録層と光吸収層との間に透明材料からなる一つ以上の
透明層を設け、該透明層中に屈折率が低い低屈折率層を
存在させることで、光吸収層を有しているにもかかわら
ず、良好な白色表示が可能となり、コレステリック反射
色や光吸収層の色を示す部分と白色表示部のコントラス
トを向上させた点にある。前記透明層としては、感熱記
録層層の支持体として透明材料を用いた場合には、感熱
記録層の支持体を利用しても良い。
【0014】前記記録媒体の構成を図1に基づいて説明
する。図1の透明層は高屈折率の支持層(3)と低屈折
率の低屈折率層(4)の2層で構成されているが、透明
層の構成はこの2層の構成には限定されない。
【0015】低屈折率層としては、水(屈折率1.3
3)、空気(屈折率1.00)などが好ましい。低屈折
率層がコントラスト向上に寄与する理由は、高屈折率層
から低屈折率層へ光が入射する時におこる全反射がコン
トラストを向上させる主な原因であり、この全反射が起
きる角度域か広ければ広いほどコントラストが向上す
る。
【0016】図2に示したように、感熱記録層のコレス
テリック反射色を示す部分では、選択反射されなかった
入射光はコレステリック液晶層(22)の界面でわずか
な部分反射しか起きす、ほとんどが透明支持層(23)
を通って光吸収層で吸収されるため、選択反射された色
のみが観察される。
【0017】図3に示したように、入射光がコレステリ
ック感熱記録層(白濁部)(32)の内部で散乱し、そ
のうち界面に対してある臨界角度よりも斜めの方向に当
たった光が全反射する。透明支持層(33)に入射でき
た光も、次の低屈折率層(34)と界面に対して臨界角
度よりも斜めの方向に当たった光が全反射する。この二
段目の全反射が加わることによって白濁状態の白さが強
調される。
【0018】前記の全反射は、高屈折率物質と低屈折率
物質との界面において光が高屈折率物質側から入射した
ときに起る現象であり、このときの臨界角度θcは2つ
の物質の屈折率の比で次式のように決まる。
【数1】θc=sin−1(n2/n1) ここでたとえば、支持層(高屈折率物質)としてPES
フィルムの屈折率を1.60とし、低屈折率物質には空
気層を適用して屈折率1.0とすると、臨界角度θcは
約39°となるので、39°〜90°の広い範囲で全反
射が起る。空気以外の低屈折率物質を使用した場合は、
最小でも屈折率1.3程度なので、臨界角度は52°と
なり、やはり52°〜90°の範囲で全反射が起り、空
気層ほどではないにしてもコントラストが向上する。
【0019】本発明の他の構成では、この全反射する角
度域を広げるかわりに、図4(a)および4(b)のよ
うにコレステリック感熱記録層(42)から光吸収層
(47)の間にあり、かつ感熱記録層(42)に近い屈
折率の異なる層、すなわち低屈折率層1(44)、高屈
折率層(45)間の界面(以下、第1の界面とも言
う。)の少なくとも1部を感熱記録層の表面に対して傾
斜させて、感熱記録層の側からくる光の角度を変更する
ことによって、もうひとつ別の界面に於ける全反射の角
度域のなかに光を入射し易くすることが可能である。
【0020】図4(a)および4(b)では、透明材料
からなる層は、支持層、低屈折率層1(44)、高屈折
率層(45)、低屈折率層2(46)、光吸収層(4
7)から構成されているが、これに限定されない。例え
ば、図5のように、低屈折率層1の代わりに、前記の高
屈折率層よりも更に屈折率が大きい高層折率層2(5
4)を設けて、傾斜角度を調整することで同様な効果が
得られる。すなわち、屈折率の差を利用した反射方法の
効率をさらに向上させたものであり、屈折率差のある界
面を感熱記録層の表面に対して傾斜させて感熱記録層の
散乱源からくる散乱光の角度を変更し、高屈折率層と低
屈折率層の界面における全反射の角度域に光を入り易く
することによりコントラスト向上を可能にしている。
【0021】しかし、現実的にはガラスやプラスチック
の屈折率は1.4から1.6程度の範囲に限られてお
り、高層折率の材料を選択して図5のような構成にする
ことは、比較的困難である。そして、低屈折率の材料と
しては、空気などが容易に使用出来ることから、実用的
には図4(a)または(b)のような構成が好ましい。
【0022】ただ、図4(a)では一度底面(第2の界
面S)で全反射した光は横の壁に当るか、あるいは第
1の界面Sにもう一度当る。このとき、第1の界面上
の材料の屈折率によっては、再度全反射をおこして、こ
のままでは可逆性感熱材料の層のところには戻れない場
合がある。
【0023】そこで、図4(b)のように、この傾斜を
1つではなく、互いに向きあって感熱記録層の側で交わ
るように調製した傾斜面の対で構成することによって、
全反射した光を効率良く元の感熱記録層に戻すことが可
能になる。すなわち、いわゆる三角プリズムを用いた全
反射を使うことにより、散乱で斜めに入射した光のみを
選択的に反射することが可能になる。逆に、互いに向き
あった傾斜面が光吸収層の側で交わるような構成では、
全ての光が全反射してしまい、コレステリック反射色や
光吸収層の色を観察できなくなる。
【0024】これらのプリズム形状の条件として、傾斜
面はその全体の面積の約50%以上が感熱記録層の表面
に対して、20°〜50°までの傾斜であることが望ま
しい。プリズム形状の最適値に関して、図5及び図6に
基づいて説明する。図6のように感熱記録層側から、透
明支持体層61(屈折率1.6)と空気層62(屈折率
1.0)との界面S、空気層62とプリズム層63
(屈折率1.6)との界面S、プリズム層63と空気
層64との界面Sがある場合を考える。感熱記録層や
光吸収層は図示していない。この場合、界面Sでの臨
界角度θcは39°となる。
【0025】透明支持層61とプリズム層63の傾斜面
との角度をθ1、界面Sへの入射角度がθc以上とな
るための界面Sへの最小入射角度をθ2とする。この
場合のθ1の変化に対するθ2の変化を図7に示す。θ
1の増加と共にθ2は減少する。θ2が小さくなるほど
界面Sで全反射出来る光の割合が多くなり白色度は向
上するが、コレステリック反射色が観察できる視野角が
狭くなり、見にくくなるという不具合も生じる。この場
合はθ2が20°から30°の間が、白色度の向上とコ
レステリック反射色の視野角のバランスが優れていると
判断した。したがって、図7よりθ1は20°から50
°の範囲が好ましい。θ1がこの範囲より小さいと、プ
リズムシートによる散乱光増加効果が十分でなく、ま
た、この範囲より大きいと、散乱光は増加するが、コレ
ステリック反射色が観察できる視野角が狭くなってしま
う。傾斜面の面積が50%未満の場合は、傾斜面による
全反射光の増大効果が小さくなり、好ましくない。
【0026】また、この様なプリズムを図8(a)の様
にして周期的に配置された形状にすることにより、単に
低屈折率物質と高屈折率物質の層を重ねあわせた場合よ
りもはるかに効率良く、均一に光を反射させることが可
能になる。また、傾斜面は特に平面でなくても良いの
で、例えば図8(b)に示した様なカマボコ状の凸部が
並んだ形状も考えられる。これらの形状の材料はそれぞ
れプリズムシートおよびレンチキュラーレンズシートと
いう名称で市販されているので、これらの材料をもとに
してコントラスト向上の簡単な実験を行なうことかでき
る。その他の形状としては、断面が波形のものも有効で
ある。
【0027】以下、本発明の実施例を示す。
【0028】実施例1 透明支持層として厚さ75μmのポリエーテルサルフォ
ン(PES)フィルム、透明表面層として厚さ25μm
のPESフィルムを用いた。両フィルムの間に結晶状態
のコレステリック液晶(C8DY8C)を挟んで加熱熔
融した状態で均一に加圧することで、厚さ約40μmの
感熱記録層を形成した。更に、表面に黒色塗料の光吸収
層を塗布したPESフィルムの支持基板層を用意し、透
明支持層面と黒色塗料面が接するように試料周囲を貼り
合わせた。感熱記録層と黒色塗料面の間にはPES層
(屈折率1.6)と空気層(屈折率1.0)を挟んだ状
態になる。
【0029】上記の六層構造からなる感熱記録媒体をホ
ットプレート上で120℃まで加熱した後、110℃ま
で一旦冷却し、青色のコレステリック反射色を示したと
ころで、室温の水に浸すことにより急冷を行い、青色を
固定した。その後、再びホットプレートで100度まで
昇温したところ、C8DY8Cが結晶化し、微結晶の光
散乱による白色表示を得ることが出来た。反射感度計で
感熱記録材料の白色表示部の光学濃度を測定した結果、
OD=0.57であった。また、同様な感熱記録媒体で
C8DY8Cが透明な状態では黒色表示が得られ、光学
濃度はOD=1.74であった。したがって、白黒コン
トラスト比は3.0が得られた。
【0030】比較例1 実施例1と同様に感熱記録層を形成した。更に、透明支
持層の裏面に黒色塗料の光吸収層を直接塗布した。感熱
記録層と黒色塗料面の間にはPES層(屈折率1.6)
のみを挟んだ状態になる。上記の四層構造からなる感熱
記録媒体をホットプレート上で120℃まで加熱した
後、110℃まで一旦冷却し、青色のコレステック反射
色を示したところで、室温の水に浸すことにより急冷を
行い、青色を固定した。その後、再びホットプレートで
100℃まで昇温したところ、C8DY8Cが結晶化し
たが、光学濃度はOD=1.36となり白色表示を得ら
れなかった。したがって、白黒コントラスト比は1.3
しか得られなかった。
【0031】実施例2 実施例1と同様に感熱記録層を形成した。厚さ300μ
mのプリズムシートの凸部が感熱記録層側を向くよう
に、黒色塗料の光吸収層を塗布したPESフィルムの支
持基板層で挟んで貼りあわせて感熱記録媒体を得た。プ
リズムシートの材質はポリカーボネート(屈折率1.
6)で、項点の角度は90°、頂点間のピッチが50μ
mで周期的に連続したものを用いた。プリズムシートと
透明支持層の接着性を向上させるため、プリズムの頂点
部にエポキシ系接着剤を適量塗布して張り合わせた。エ
ポキシ系接着剤の屈折率は、ほぼ1.6で同じなので、
接着剤が付着している部分では、透明支持層と接着剤と
プリズム層が光学的にも一体化していると考えられる。
本実施例では、接着剤が付着していない部分の面積、す
なわち、傾斜面が残っている比率は45%で、プリズム
の周期性が崩れている部分も生じていた。また、透明支
持層とプリズム層の傾斜面との角度はθ=30°とな
る。プリスム層の上下の空間には空気層が存在してい
る。
【0032】上記の構造からなる感熱記録媒体をホット
プレート上で120℃まで加熱した後、110℃まで一
旦冷却し、青色のコレステリック反射色を示したところ
で、室温の水に浸すことにより急冷を行い、青色を固定
した。その後、再びホットプレートで100℃まで昇温
したところ、C8DY8Cが結晶化し、微結晶の光散乱
による良好な白色表示を得ることか出来た。反射濃度計
で感熱記録材料の白色表示部の光学濃度を測定した結果
OD=0.48であった。また、同様な感熱記録媒体で
C8DY8Cが透明な状態では黒色表示が得られ、光学
濃度はOD=1.80であった。したがって、白黒コン
トラスト比は3.8に向上した。
【0033】実施例3 実施例1と同様に感熱記録層を形成した。厚さ300μ
mのプリズムシートの凸部が感熱記録層側を向くよう
に、黒色塗料の光吸収層を塗布したPESフィルムの支
持基板層で挟み、周辺部のみを貼りあわせて感熱記録媒
体を得た。プリズムシートは実施例2と同じものを使用
した。本実施例では、傾斜面の比率は100%で周期性
があり、透明支持層とプリズム層の傾斜面との角度はθ
=30°となる。
【0034】上記の八層構造からなる感熱記録媒体をホ
ットプレート上で120℃まで加熱した後、110℃ま
で一旦冷却し、青色のコレステリック反射色を示したと
ころで、室温の水に浸すことにより急冷を行い、青色を
固定した。その後、再びホットプレートで100℃まで
昇温したところ、C8DY8Cが結晶化し、微結晶の光
散乱による更に良好な白色表示を得ることが出来た。反
射濃度計で感熱記録材料の白色表示部の光学濃度を測定
した結果OD=0.37であった。また、同様な感熱記
録媒体でC8DY8Cが透明な状態では黒色表示が得ら
れ、光学濃度はOD=1.87であった。したがって、
白黒コントラスト比は5.0に向上した。
【0035】次に、感熱記録媒体をホットプレート上で
120℃まで加熱した後、95℃まで一旦冷却し、緑色
のコレステック反射色を示したところで、室温の水に浸
すことにより急冷を行い、緑色を固定した。感熱記録媒
体表面の垂線に対して約25°以内の観察範囲では、実
用上問題無く緑色が観察された。それ以上の範囲では、
選択反射色の短波長シフトではなく、正反射光のような
白色の反射色に見えた。
【0036】比較例2 実施例1と同様に感熱記録層を形成した。厚さ300μ
mのプリズムシートの凸部が感熱記録層側を向くよう
に、黒色塗料の光吸収層を塗布したPESフィルムの支
持基板層で挟み、周辺部のみを貼りあわせて感熱記録媒
体を得た。プリズムシートの材質はポリカーボネート
(屈折率1.6)で、頂点の角度が60°、頂点間のピ
ッチが30μmで周期的に連続したものを用いた。本例
では、傾斜面の比率は100%で、透明支持層とプリズ
ム層の傾斜面との角度はθ1=60°となる。
【0037】上記の八層構造からなる感熱記録媒体をホ
ットプレート上で120℃まで加熱した後、110℃ま
で一旦冷却し、青色のコレステリック反射色を示したと
ころで、室温の水に浸すことにより急冷を行い、青色を
固定した。その後、再びホットプレート上で100℃ま
で昇温したところ、C8DY8Cが結晶し、微結晶の光
散乱による更に良好な白色表示を得ることが出来た。反
射濃度計で感熱記録材料の白色表示部の光学濃度を測定
した結果、OD=0.35であった。また、同様な感熱
記録媒体でCC8DY8Cが透明な状態では黒色表示が
得られ、光学濃度はOOD=1.88であった。したが
って、白黒コントラスト比は5.4に向上した。
【0038】次に、感熱記録媒体をホットプレート上で
120℃まで加熱した後、95℃まで一旦冷却し、緑色
のコレステリック反射色を示したところで、室温の水に
浸すことにより急冷を行い、緑色を固定した。感熱記録
媒体表面の垂線に対して約15°以外の観察範囲では、
正反射光のような白色の反射色に見えてしまう。これ
は、反射色が観察できる視野角が狭く、実用上好ましく
ない。
【0039】
【効果】1.請求項1〜4 感熱記録層で光散乱させた場合の白色度を向上させた可
逆記録媒体が提供れた。 2.請求項5 感熱記録層で光散乱させた光を有効に利用し、 3.請求項6 感熱記録層で光散乱させた光を確実に第2の界面に於け
る全反射の角度域に光を入射させることか出来るので、
より白色度を向上させた可逆記録媒体が提供された。 4.請求項7 第2の界面で全反射した光を確実に感熱記録層中に戻
し、散乱光の光量を増加させることか出来るので、より
白色度を向上させた可逆記録媒体が提供された。 5.請求項8 散乱光の有効利用よる白色度の向上と、最低限の全反射
範囲による視野角の維持を両立することが出来る可逆記
録媒体が提供された。 6.請求項9 第1の界面は周期性をもつ形状であるので、記録面全体
に均一な白色表示を得ることができる。 7.請求項10 感熱記録層で光散乱させた場合の白色度を向上させた可
逆記録方法が提供れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体の1構成例である。
【図2】本発明の記録媒体の他の構成例である。
【図3】本発明の記録媒体の他の構成例である。
【図4】(a)界面が感熱記録層の表面に対して傾斜し
ているもの。 (b)界面の傾斜面の延長が、感熱記録層側で交わって
いるもの。
【図5】本発明の記録媒体の他の構成例である。
【図6】本発明の記録媒体の他の構成例である。
【図7】反射濃度計で感熱記録材料の白色表示部の化学
濃度(OD)を示す図である。
【図8】周期性を持つ第1の界面の形状を示す図であ
る。 (a) プリズム状のもの (b) 断面がカマボコ状のもの (c) 断面が波状のもの
【符号の説明】
1 表面層 2 コレステリック液晶層 3 支持層(透明) 4 低屈折率層 5 光吸収層 6 媒体基板 21 表面層 22 コレステリック液晶層 23 支持層(透明) 24 低屈折率層 25 光吸収層 31 表面層 32 コレステリック液晶層 33 支持層(透明) 34 低屈折率層 35 光吸収層 42 コレステリック液晶層 43 支持層(透明) 44 低屈折率層1 45 高屈折率層 46 低屈折率層2 47 光吸収層 52 コレステリック液晶層 53 支持層(透明) 54 高屈折率層2 55 高屈折率層1 56 低屈折率層 57 光吸収層 61 透明支持体層 62 空気層 63 プリズム層 64 空気層 n 屈折率 S 透明支持体層61(屈折率1.6)と空気層(屈
折率1.0)との界面 S 空気層62とプリズム層63(屈折率1.6)と
の界面 S プリズム層63と空気層64との界面 θ1 透明支持層61とプリズム層63の傾斜面との角
度 θc 界面Sへの入射角度
フロントページの続き (71)出願人 000006747 株式会社リコー 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 (71)出願人 391010471 岡村製油株式会社 大阪府柏原市河原町4番5号 (74)上記4名の代理人 100094466 弁理士 友松 英爾 (外1名) (72)発明者 杉本 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 二村 恵朗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 玉置 信之 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 松田 宏雄 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 木田 吉重 大阪府柏原市河原町4番5号 岡村製油株 式会社内 Fターム(参考) 2H111 HA07 HA23 HA34 HA35 5D029 JA04 JB16 JC09 NA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステリック液晶化合物または該化合
    物を含む混合物からなる感熱記録材料で構成され、その
    一部あるいは全部の領域を、加熱手段により等方相ある
    いは高温のコレステリック液晶相を示す温度まで到達さ
    せた後、次に該記録材料をガラス転移温度以下、あるい
    は常温まで冷却することにより白色表示状態を呈するこ
    とのできる感熱記録層と光吸収層、および該感熱記録層
    と光吸収層の間に1つ以上の透明層を有し、かつ前記透
    明層の少なくとも一つ以上が、前記感熱記録層あるいは
    他の透明層よりも低屈折率の透明材料で構成される透明
    層であることを特徴とする可逆記録媒体。
  2. 【請求項2】 コレステリック液晶化合物または該化合
    物を含む混合物からなる感熱記録材料で構成され、その
    一部あるいは全部の領域を、加熱手段により等方相ある
    いは高温のコレステリック液晶相を示す温度まで到達さ
    せた後、次に前記の記録材料を冷却してコレステリック
    ガラス相にして、該コレステリック反射色を固定させた
    後、前記の記録材料を再び加熱して少なくともその一部
    を結晶化させることにより白色表示状態を呈することの
    できる感熱記録層と光吸収層、および該感熱記録層と光
    吸収層の間に1つ以上の透明層を有し、かつ前記透明層
    の少なくとも一つ以上が、前記感熱記録層あるいは他の
    透明層よりも低屈折率の透明材料で構成される透明層で
    あることを特徴とする可逆記録媒体。
  3. 【請求項3】 感熱記録層を構成するコレステリック液
    晶化合物が、分子量が2000以下で、ガラス転移温度
    が30℃以上のコレステリック液晶化合物である請求項
    1〜2のいずれかに記載の可逆記録媒体。
  4. 【請求項4】 コレステリック液晶化合物が、下記式
    (I)で示される少なくとも1種の化合物および/また
    は(II)で示される少なくとも1種の化合物である請求
    項1〜3のいずれかに記載の可逆記録媒体。 【化1】 (式中、n=5、6、7、R=H、CH) 【化2】 (式中、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10)
  5. 【請求項5】 透明材料の層は、層間の1つの界面を挟
    んでその隣接している層と異なった屈折率を有し、感熱
    記録層と光吸収層の間のいずれかにある層間の界面(以
    下、第1の界面ともいう。)の少なくとも1部が感熱記
    録層の表面に対して傾斜していて、前記第1の界面より
    も光吸収層側にある界面(以下、第2の界面ともい
    う。)に感熱記録層側から入射する光の角度を第1の界
    面の傾斜部分により変更し、第2の界面における全反射
    の角度に入射させる請求項1〜4のいずれかに記載の可
    逆記録媒体。
  6. 【請求項6】 第1の界面を挟んで隣接する2種類の透
    明材料のうち、表面側の透明材料の屈折率が、他の側の
    透明材料の屈折率よりも小さく、かつ光吸収層に近い屈
    折率の異なる層間の第2の界面が、該界面を挟んで隣接
    する2種類の透明材料のうち、表面側の透明材料の屈折
    率が、他の側の透明材料または光反射層より屈折率が大
    きい請求項5記載の可逆記録媒体。
  7. 【請求項7】 界面の傾斜面の延長が、感熱記録層の側
    で交わる請求項5〜6のいずれかに記載の可逆記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 第1の界面において、界面の総面積の少
    なくとも50%以上が、感熱記録層の表面に対して傾き
    を持っている請求項5〜7のいずれかに記載の可逆記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 第1の界面が周期性を有する形状のもの
    である請求項5〜8のいずれかに記載の可逆記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の可逆
    記録媒体を使用した可逆記録方法。
JP11049052A 1999-02-25 1999-02-25 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法 Pending JP2000251317A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049052A JP2000251317A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049052A JP2000251317A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000251317A true JP2000251317A (ja) 2000-09-14

Family

ID=12820319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11049052A Pending JP2000251317A (ja) 1999-02-25 1999-02-25 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000251317A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234200A (ja) * 2001-02-13 2002-08-20 Ricoh Co Ltd 画像情報処理方法、画像記録媒体処理装置及びそのための可逆性カラー画像記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234200A (ja) * 2001-02-13 2002-08-20 Ricoh Co Ltd 画像情報処理方法、画像記録媒体処理装置及びそのための可逆性カラー画像記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4405993A (en) Liquid crystal disc memory system
JPH07111788B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH01149238A (ja) 光学的情報記録媒体
US4787713A (en) Transparent laser-addressed liquid crystal light modulator cell
US4005929A (en) Reflective imaging member
JP2000251317A (ja) 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法
US4578684A (en) Optical recording and information elements
WO2023057760A1 (en) Display device and projection device
US20070025192A1 (en) Optical recording medium
US4828366A (en) Laser-addressable liquid crystal cell having mark positioning layer
JP2001164250A (ja) 可逆記録材料
KR960019151A (ko) 다층 광 기록 매체 및 제조방법
JPH0477968B2 (ja)
JPH0255762B2 (ja)
JP4076686B2 (ja) 可逆記録媒体、および該可逆記録媒体を使用した記録方法
JP2663843B2 (ja) 光学情報記録媒体
JP2000079767A (ja) 可逆性感熱記録媒体
EP1496508A1 (en) Optical recording medium
JP2001184722A (ja) 相変化光ディスク
JPH03107824A (ja) 光書込型液晶ライトバルブ
US20020041345A1 (en) Novel liquid crystal composition, reversible thermal recording medium using the same, and recording method for the recording medium
TWI253521B (en) Optic structure of high brightness reflective type liquid crystal display
JP2002025115A (ja) 光学的情報記録用媒体
JP3082380B2 (ja) 書き換え可能な光情報記録媒体
JP5700533B2 (ja) 超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080129