JP2000250548A - 楽音制御装置 - Google Patents

楽音制御装置

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JP2000250548A
JP2000250548A JP11047444A JP4744499A JP2000250548A JP 2000250548 A JP2000250548 A JP 2000250548A JP 11047444 A JP11047444 A JP 11047444A JP 4744499 A JP4744499 A JP 4744499A JP 2000250548 A JP2000250548 A JP 2000250548A
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JP11047444A
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Nariyuki Nagatsuma
成之 永妻
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押鍵状態に応じて楽音を制御し、楽音の表現
力を向上させる。 【解決手段】 カバーフィルム4の下面に印刷された鍵
盤部5の鍵5aに対応する箇所が指19で押圧される
と、その押圧位置およびその押圧面積をカバーフィルム
4の下面に設けられたタッチパネル7で検出し、この検
出された押圧面積に基づいてCPUが楽音制御信号であ
るベロシティを発生し、このベロシティ値に基づいて押
圧位置に対応する音高の楽音を制御するので、指19に
よる押圧面積に応じて楽音を制御することができ、これ
により楽音の表現力を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、楽音を奏でる電
子鍵盤楽器やゲーム機などの電子機器に用いられる楽音
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、楽音を奏でる電子楽器である電子
鍵盤楽器においては、複数の鍵を印刷した鍵盤シートの
下面に平面形状のタッチスイッチを各鍵に対応させて設
け、各鍵に対応する箇所を押圧することにより、タッチ
スイッチにより押鍵された位置を検出し、その検出信号
に基づいて押鍵された鍵に対応する音高の楽音を放音す
る簡易型の電子鍵盤楽器が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の電子鍵盤楽器
では、各鍵に対応する箇所が押圧されたときに、その押
圧された位置をタッチスイッチで検出し、その検出信号
に基づいて押鍵された鍵に対応する音高の楽音を放音す
る構成であるから、タッチスイッチにより押鍵された位
置しか検出することができず、このためベロシティ(音
量)などの楽音制御ができず、楽音の表現力に乏しいと
いう問題があった。
【0004】この発明の課題は、押鍵状態に応じて楽音
を制御し、楽音の表現力を向上させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の鍵が印刷された鍵盤部と、この鍵盤部の前記鍵と
対応する箇所が押圧されたときに、その押圧位置および
その押圧面積を検出する検出手段と、この検出手段で検
出された前記押圧面積に基づいて楽音制御信号を発生
し、この楽音制御信号により前記押圧位置に応じた音高
の楽音を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
る。この発明によれば、鍵盤部の鍵に対応する箇所が押
圧されると、その押圧された箇所の押圧位置と押圧面積
とを検出手段が検出し、この検出された押圧面積に基づ
いて制御手段が楽音制御信号を発生し、この楽音制御信
号により押圧位置に応じた音高の楽音を制御するので、
押圧された鍵の音高の楽音を押圧面積に応じて制御する
ことができ、これにより楽音の表現力を向上させること
ができる。
【0006】請求項2記載の発明は、複数の鍵が印刷さ
れた鍵盤部と、この鍵盤部の前記鍵と対応する箇所が前
記鍵に沿って指などの操作子で移動されたときに、その
移動時における初期位置から移動終了位置を検出する検
出手段と、この検出手段で検出された前記初期位置と前
記移動終了位置とに基づいて楽音制御信号を発生し、こ
の楽音制御信号により前記移動操作された鍵に対応する
音高の楽音を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
する。この発明によれば、鍵盤部の鍵に対応する箇所が
鍵に沿って指などの操作子で移動されると、その移動時
における初期位置から移動終了位置を検出手段が検出
し、この検出された初期位置と移動終了位置とに基づい
て制御手段が楽音制御信号を発生し、この楽音制御信号
により移動操作された鍵に対応する音高の楽音を制御す
るので、移動操作された鍵に対応する音高の楽音を指な
どの操作子による移動状態に応じて制御することがで
き、これにより楽音の表現力を向上させることができ
る。
【0007】この場合、請求項3に記載のごとく、制御
手段が、移動時に検出手段で検出された初期位置と移動
終了位置とに基づいて移動速度を算出し、この移動速度
に応じて楽音制御信号を発生する構成であれば、指など
の操作子による移動速度に応じて楽音を制御することが
できる。また、請求項4に記載のごとく、制御手段が、
移動時に検出手段で検出された初期位置と移動終了位置
とに基づいて移動速度および移動方向を算出し、これら
移動速度および移動方向に応じて楽音制御信号を発生す
る構成であれば、指などの操作子による移動速度とその
移動方向とに応じて楽音を制御することができ、より一
層、良好に楽音を制御することができる。また、請求項
5に記載のごとく、鍵盤部が可撓性を有するフィルムか
らなり、検出手段が鍵盤部の下面に設けられてX−Y座
標を検出する可撓性を有するタッチパネルであれば、折
り畳んだり丸めたりすることができ、これによりコンパ
クトに収納したり携帯したりすることができ、便利で使
い勝手が良い。さらに、請求項6に記載のごとく、タッ
チパネルの下面に弾性部材が配置されていれば、指など
の操作子による押圧操作または移動操作のときに、鍵盤
部およびタッチパネルが撓んで弾性部材が弾性変形する
ことにより、押鍵ストロークを有する鍵タッチ感を得る
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、図1〜図
6を参照して、この発明の楽音制御装置を電子鍵盤楽器
に適用した第1実施形態について説明する。図1は電子
鍵盤楽器の平面図であり、図2はそのシート部材の拡大
断面図である。この電子鍵盤楽器は、図1に示すよう
に、シート部材1と本体装置2とを備え、これらが接続
ケーブル3により電気的に接続された構成になってい
る。シート部材1は、図1および図2に示すように、ア
クリルなどの可撓性を有する透明な合成樹脂からなるカ
バーフィルム4に鍵盤部5と操作部6とを印刷し、この
カバーフィルム4の下面にタッチパネル7を配置し、こ
のタッチパネル7の下面に弾性部材8を配置した構成に
なっている。この場合、鍵盤部5は白鍵と黒鍵とからな
る複数の鍵5aがカバーフィルム4の下面に印刷されて
おり、操作部6はモード選択キー、音色選択キー、リズ
ム選択キーなどの各種キーがフィルム4の下面に印刷さ
れている。本体装置2は、鍵盤部5および操作部6で入
力された各入力データや各処理データを表示する表示部
9、楽音を放音するスピーカ10、および電源スイッチ
11を備えている。
【0009】ところで、シート部材1のタッチパネル7
は、図2に示すように、可撓性を有する上側フィルム基
板12と可撓性を有する下側フィルム基板13とを備え
ている。上側フィルム基板12の下面には、帯状の上側
電極14が図1のX軸方向(図2では左右方向)に多数
配列されて形成されている。下側フィルム基板13の上
面には、上側電極14と直交する帯状の下側電極15が
図1のY軸方向(図2では紙面の表裏方向)に多数配列
されて形成されている。これら上下のフィルム基板1
2、13間には、異方性導電層16が設けられている。
この異方性導電層16は、流動性を有する絶縁剤17中
に導電粒子18を混入したものであり、上下のフィルム
基板12、13が押圧されたときに、導電粒子18を介
して上下に対向する電極14、15が導通することによ
り、厚み方向のみに導電性を呈し、面方向には絶縁性を
呈するように構成されている。
【0010】このタッチパネル7は、図3に示すよう
に、指19によりカバーフィルム4を介して押圧される
と、上側フィルム基板12が撓んで下側フィルム基板1
3に接近し、押圧された箇所の上下の各電極14、15
が異方性導電層16を介して導通することにより、押圧
された位置をX−Y座標として検出し、これにより鍵盤
部5の押圧された鍵5aの位置、つまり押圧された鍵5
aに対応する音高を検出するとともに、操作部6の押圧
されたキーの位置、つまり押圧されたキーの種類を検出
する。また、このタッチパネル7は、指19によりカバ
ーフィルム4を介して押圧された際、その押圧面積に応
じて異方性導電層16による上下の電極14、15間の
電気抵抗値が変化する。すなわち、押圧面積が広いと導
電粒子18による上下の電極14、15の導通面積が大
きくなり、異方性導電層16による電気抵抗値が低くな
る。逆に、押圧面積が狭いと導電粒子18による上下の
電極14、15の導通面積が小さくなり、異方性導電層
16による電気抵抗値が高くなる。
【0011】このようなタッチパネル7の下面に配置さ
れた弾性部材8は、ある程度の厚みを有するゴムシート
からなり、カバーフィルム4を介してタッチパネル7が
押圧された際、その押圧された箇所に対応する部分が押
圧力に応じて弾性変形し、これにより押圧力に応じた鍵
ストロークSを付与する。この場合、弾性部材8は、タ
ッチパネル7の下面全体に対応する1枚のシートで構成
されていても良いが、鍵盤部5の各鍵5aおよび操作部
6の各種キーごとにそれぞれ独立した状態で分割形成さ
れていることが望ましい。
【0012】次に、この電子鍵盤楽器の回路構成につい
て、図4を参照して説明する。本体装置2内に設けられ
たCPU20は、ROM21にストアされたプログラム
に従って電子鍵盤楽器のシステム全体の動作を制御する
中央演算処理装置であり、各入力データや各処理データ
をRAM22に記憶する。このCPU20には、その入
出力周辺デバイスである本体装置2の音源部23および
表示部9が接続されているほか、シート部材1の鍵盤部
5および操作部6に対応するタッチパネル7が接続され
ている。このCPU20は、一定の周期による走査を行
い、操作部6の各種キーの操作状態をタッチパネル7か
ら取り込むほか、鍵盤部5の各鍵5aに対する押圧状態
をタッチパネル7から取り込む。また、このCPU20
は、操作部6および鍵盤部5に対応するタッチパネル7
から取り込んだ入力データや各処理データを表示部9に
表示させ、鍵盤部5の各鍵5aの押圧操作に応じてタッ
チパネル7で検出された検出信号に基づいて音源部23
に発音指令を与える。音源部23は、CPU20からの
発音指令に基づいて楽音データを発生し、この楽音デー
タに基づいてスピーカ10から楽音を放音させる。
【0013】この場合、鍵盤部5に対応するタッチパネ
ル7は、鍵盤部5の鍵5aに対応する箇所が指19で押
圧されると、その押圧位置をX−Y座標として検出する
とともに、その押圧面積を電気抵抗値として検出する。
すなわち、押圧位置は、押圧された箇所の上下の各電極
14、15が異方性導電層16を介して導通することに
より、その導通箇所の各電極14、15によりタッチパ
ネル7のX−Y座標のX軸座標として検出される。ま
た、押圧面積は、タッチパネル7の押圧された面積に応
じて異方性導電層16による上下の電極14、15間の
電気抵抗値が変化することにより、上下の電極14、1
5間の電気抵抗値として検出される。例えば、指19に
よる押圧面積が図5(a)に斜線で示すように広いとき
には、異方性導電層16による電気抵抗値が低くなり、
これにより低い電気抵抗値として検出される。また、指
19による押圧面積が図5(b)に斜線で示すように狭
いときには、異方性導電層16による電気抵抗値が高く
なり、これにより高い電気抵抗値として検出される。
【0014】このようなタッチパネル7の検出特性は、
図6(a)に示すように、押圧面積が広いと電気抵抗値
が低いA点に位置し、押圧面積が狭いと電気抵抗値が高
いB点に位置することになり、押圧面積に対する電気抵
抗値が反比例し、A点およびB点を通る双曲線Qを描
く。また、CPU20は、鍵盤部5に対応するタッチパ
ネル7により検出された電気抵抗値に応じて、ベロシテ
ィ(音量)の楽音制御信号を発生する。すなわち、CP
U20は、図6(b)に示すように、タッチパネル7で
検出された電気抵抗値が低いとベロシティ値を大きく
し、逆に電気抵抗値が高いとベロシティ値を小さくし、
その変化量が比例的に変化する直線的な特性を描くよう
に変換し、この変換されたベロシティ値に基づいて放音
される楽音を制御する。
【0015】このような電子鍵盤楽器では、操作部6の
各キーを操作して、モードや音色、リズムなどを選択指
定し、この指定された入力データを表示部9に表示し、
この状態で鍵盤部5の各鍵5aに対応する箇所を指19
で押圧して演奏を行う。このとき、鍵盤部5の各鍵5a
に対応する箇所が指19で押圧されると、図3に示すよ
うに、カバーフィルム4を介してタッチパネル7の上側
フィルム基板12が撓んで下側フィルム基板13に接近
し、押圧された箇所の上下の各電極14、15が異方性
導電層16により導通し、これにより押圧された位置が
タッチパネル7のX−Y座標のX軸座標として検出さ
れ、鍵盤部5の押圧された鍵5aの位置、つまり押圧さ
れた鍵5aに対応する音高が検出される。
【0016】これと同時に、指19により押圧された箇
所の押圧面積に応じて異方性導電層16による上下の電
極14、15間の電気抵抗値が変化し、その電気抵抗値
に応じてCPU20がベロシティ値を算出する。すなわ
ち、指19による押圧面積が図5(a)に斜線で示すよ
うに広いときには、高いベロシティ値を算出し、指19
による押圧面積が図5(b)に斜線で示すように狭いと
きには、低いベロシティ値を算出する。このようにし
て、タッチパネル7により検出された押圧面積に応じ
て、CPU20が楽音制御信号であるベロシティ値を発
生し、音源部23に発音指令を与える。音源部23は、
タッチパネル7により検出された押圧位置に対応する音
高の楽音を押圧面積に応じたベロシティ値に基づいて制
御し、これにより楽音データを発生し、この楽音データ
に基づいてスピーカ10から楽音を放音させる。
【0017】このように、この電子鍵盤楽器によれば、
鍵盤部5の鍵5aに対応する箇所が指19で押圧される
と、その押圧位置およびその押圧面積をタッチパネル7
で検出し、この検出された押圧面積に基づいてCPU2
0が楽音制御信号であるベロシティを発生し、このベロ
シティ値に基づいて押圧位置に対応する音高の楽音を制
御するので、指19による押圧面積に応じて楽音を制御
することができ、これにより楽音の表現力を向上させる
ことができる。また、この電子鍵盤楽器では、鍵盤部5
および操作部6が可撓性を有するカバーフィルム4の下
面に印刷され、その下面に可撓性を有するタッチパネル
7が配置され、その下面に弾性部材8が配置された構成
であるから、シート部材1を折り畳んだり丸めたりする
ことができ、これによりコンパクトに収納したり携帯し
たりすることができ、便利で使い勝手が良い。しかも、
タッチパネル7の下面に弾性部材8が配置されているの
で、鍵盤部5を指19で押圧したときに、鍵盤部5のカ
バーフィルム4およびタッチパネル7が撓んで弾性部材
8が弾性変形することにより、押鍵ストロークSを有す
る鍵タッチ感を得ることができる。
【0018】[第2実施形態]次に、図7〜図9を参照
して、この発明の楽音制御装置を電子鍵盤楽器に適用し
た第2実施形態について説明する。なお、図1〜図6に
示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、
その説明は省略する。この電子鍵盤楽器は、鍵盤部5の
鍵5aに対応する箇所を鍵5aに沿って指19で摺動さ
せることにより、その摺動時における初期位置から移動
終了位置をタッチパネル7で検出し、その検出データに
基づいてCPU20がベロシティの楽音制御信号を発生
し、この楽音制御信号により摺動された鍵5aに対応す
る音高の楽音を制御するように構成されており、これ以
外は第1実施形態と同じ構成になっている。
【0019】すなわち、タッチパネル7は、第1実施形
態と同じ構成で、鍵盤部5の鍵5aに対応する箇所が鍵
5aに沿って指19で摺動されると、その箇所のカバー
フィルム4を介して上側フィルム基板12が撓んで下側
フィルム基板13に接近することにより、摺動された箇
所の上下の各電極14、15が異方性導電層16を介し
て順次導通するが、図7(a)に示すように、指19が
鍵5aに沿って摺動することにより、X−Y座標のX軸
座標が変化しないため、図7(b)に示すように、摺動
された鍵5aに対応する位置XaをX−Y座標のX軸座
標として検出し、これにより摺動された鍵5aに対応す
る音高を検出する。また、このタッチパネル7は、図7
(a)に示すように、鍵5aに対応する箇所を鍵5aに
沿って指19で摺動する際、図7(a)に実線で示す鍵
5aの手前側(下側)の位置から図7(a)に2点鎖線
で示す鍵5aの後側(上側)の位置に向けて移動させる
と、指19が移動した箇所の上下の各電極14、15が
異方性導電層16を介して順次導通することにより、図
7(b)に示すように、鍵5aの手前側の初期位置Y1
と鍵5aの後側の移動終了位置Y2とをX−Y座標のY
軸座標としてそれぞれ検出する。
【0020】CPU20は、タッチパネル7で検出され
た検出データに基づいて、指19の移動状態である摺動
速度(移動速度)およびその摺動方向(移動方向)を算
出し、これら摺動速度および摺動方向に基づいて楽音制
御信号であるベロシティ(音量)を発生する。すなわ
ち、CPU20は、タッチパネル7で検出した初期位置
Y1と移動終了位置Y2とのY軸座標の差(Y2−Y
1)により移動距離dを算出するとともに、初期位置Y
1から移動終了位置Y2までの経過時間tをカウント
し、そのカウントした経過時間tにより摺動速度v(=
d/t)を算出し、この摺動速度vに基づいてベロシテ
ィを算出する。この場合、指19を初期位置Y1から移
動させないときは、摺動速度vが0になり、このときの
ベロシティを基準ベロシティ値B0とする。このような
ベロシティの特性は、図8に示すように、摺動速度vが
速くなるに従ってベロシティ値が基準ベロシティ値B0
から次第に高くなり、その変化量が比例的に変化する直
線Tを描く。
【0021】また、CPU20は、鍵5aに対応する箇
所を鍵5aに沿って指19で摺動する際、図7(a)に
示すように、指19を鍵5aの手前側(下側)から鍵5
aの後側(上側)に向けて移動させたときに、鍵5aの
手前側の初期位置Y1と鍵5aの後側の移動終了位置Y
2とのY軸座標の差(Y2−Y1)を正(>0)として
算出し、逆に図7(a)において指19を鍵5aの後側
(上側)から鍵5aの手前側(下側)に向けて移動させ
たときに、鍵5aの後側の初期位置Y2と鍵5aの手前
側の移動終了位置Y1とのY軸座標の差(Y1−Y2)
を負(<0)として算出し、これらY軸座標の差が正で
あるか負であるかを判断することにより、指19の摺動
方向を算出し、この摺動方向に基づいて楽音制御信号で
あるベロシティを補正する。この補正したベロシティの
特性は、図9に示すように、摺動方向が正(>0)の場
合、摺動速度vが速くなるに従ってベロシティ値が基準
ベロシティ値B0から次第に高くなる直線T1を描き、
逆に摺動方向が負(<0)の場合、摺動速度vが速くな
るに従ってベロシティ値が基準ベロシティ値B0から次
第に低くなる直線T2を描く。
【0022】このような電子鍵盤楽器では、鍵盤部5の
各鍵5aに対応する箇所を指19で摺動させて演奏を行
うと、摺動された箇所に対応するタッチパネル7により
摺動位置XaがX−Y座標のX軸座標として検出され、
鍵盤部5の摺動された鍵5aの位置、つまり摺動された
鍵5aに対応する音高が検出される。これと同時に、指
19により摺動された箇所の初期位置(例えば、鍵5a
の手前側の位置Y1)がX−Y座標のY軸座標として検
出された後、移動終了位置(例えば、鍵5aの後側の位
置Y2)がX−Y座標のY軸座標として検出され、この
タッチパネル7で検出された初期位置Y1と移動終了位
置Y2とのY軸座標の差(Y2−Y1)によりCPU2
0が移動距離dを算出するとともに、初期位置Y1から
移動終了位置Y2までの経過時間tにより摺動速度v
(=d/t)を算出する。また、このときには、タッチ
パネル7で検出された初期位置Y1と移動終了位置Y2
とのY軸座標の差が正であるか負であるかにより、指1
9の摺動方向を判断する。すなわち、Y軸座標の差が正
(>0)であれば、指19が鍵5aの手前側から後側に
向けて移動したと判断し、Y軸座標の差が負(<0)で
あれば、鍵5aの後側から手前側に向けて移動したと判
断する。
【0023】このようにして、摺動速度vと摺動方向と
が得られると、これら摺動速度vと摺動方向とに基づい
てベロシティを算出し、このベロシティに応じて摺動さ
れた鍵5aに対応する音高の楽音を制御して音源部23
で楽音データを発生し、この楽音データに基づいてスピ
ーカ10から楽音を放音させる。このとき、例えば、指
19を鍵5aの手前側から後側に向けて摺動させたとき
には、Y軸座標の差が正(>0)と判断され、基準ベロ
シティ値B0よりも高い値のベロシティ値が摺動速度v
に応じて算出され、これによりベロシティの大きい楽音
を放音する。また、指19を鍵5aの後側から手前側に
向けて摺動させたときには、Y軸座標の差が負(<0)
と判断され、基準ベロシティ値B0よりも低いベロシテ
ィ値が摺動速度vに応じて算出され、これによりベロシ
ティの小さい楽音を放音する。
【0024】このように、この電子鍵盤楽器によれば、
鍵盤部5の鍵5aに対応する箇所が鍵5aに沿って指1
9で摺動されると、その摺動時における初期位置と移動
終了位置とをタッチパネル7で検出し、この検出された
摺動時の初期位置と移動終了位置とに基づいてCPU2
0が摺動速度vと摺動方向を算出し、この算出された摺
動速度vと摺動方向とに基づいて楽音制御信号であるベ
ロシティを発生し、このベロシティ値に基づいて摺動さ
れた鍵5aに対応する音高の楽音を制御するので、摺動
された鍵5aに対応する音高の楽音を指19による摺動
状態に応じて制御することができ、これにより楽音の表
現力を向上させることができる。
【0025】[第3実施形態]次に、図10〜図12を
参照して、この発明の楽音制御装置を電子鍵盤楽器に適
用した第3実施形態について説明する。この場合にも、
図1〜図6に示された第1実施形態と同一部分には同一
符号を付し、その説明は省略する。この電子鍵盤楽器
は、シート部材30に液晶表示パネル31が設けられ、
これに伴って回路構成が第1実施形態と若干異なってお
り、これら以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になって
いる。すなわち、このシート部材30は、図10および
図11に示すように、アクリルなどの可撓性を有する透
明な合成樹脂からなるカバーフィルム4に鍵盤部5と操
作部6とを印刷し、このカバーフィルム4の下面にタッ
チパネル7を配置し、このタッチパネル7の下面に弾性
部材8を配置したほか、操作部6のほぼ中央部分に対応
する箇所のタッチパネル7に開口部を設け、この開口部
内に液晶表示パネル31を設けて表示部を形成した構成
になっている。
【0026】液晶表示パネル31は、図11に示すよう
に、上下一対の透明基板32、33の対向面に透明電極
(図示せず)を形成し、これら一対の透明基板32、3
3間に液晶34をシール材35により封入し、その下側
の透明基板33の下面に反射層36を設けた構成になっ
ている。この場合、液晶表示パネル31は、透明基板3
2、33として、ガラス基板を用いても良いが、透明な
合成樹脂からなるフィルム基板を用いることにより、可
撓性を有する屈曲可能な構造であることが望ましい。ま
た、この電子鍵盤楽器の回路構成は、図12に示すよう
に、本体装置1側にCPU20、ROM21、RAM2
2、音源部23、およびスピーカ10を備え、シート部
材30側に鍵盤部5と操作部6とに対応するタッチパネ
ル7、および液晶表示パネル31からなる表示部37を
備えた構成になっている。この場合、RAM22には、
予め、楽譜などの演奏情報が記憶されており、この記憶
された演奏情報はCPU20により表示部37に表示さ
れる。なお、タッチパネル7は、第1実施形態と同様、
指19による押圧位置および押圧面積を検出する。CP
U20は、タッチパネル7で検出された押圧面積に応じ
てベロシティの楽音制御信号を発生し、このベロシティ
の楽音制御信号に基づいて押圧位置に対応する音高の楽
音を制御する。
【0027】このような電子鍵盤楽器では、第1実施形
態と同様、鍵盤部5の鍵5aに対応する箇所が指19で
押圧された際、その押圧位置およびその押圧面積をタッ
チパネル7で検出し、この検出された押圧面積に基づい
てCPU20が楽音制御信号であるベロシティを発生
し、このベロシティ値に基づいて押圧位置に対応する音
高の楽音を制御するので、指19による押圧面積に応じ
て楽音を制御することができ、これにより楽音の表現力
を向上させることができるほか、特に、操作部6のほぼ
中央部分に対応する箇所に液晶表示パネル31を設けた
ので、RAM22に記憶された楽譜などの演奏情報を液
晶表示パネル31の表示部37に表示させることがで
き、この表示部37に表示された演奏情報を見ながら鍵
盤部5の鍵5aを押鍵操作することができ、これにより
良好に演奏することができる。
【0028】なお、上記第3実施形態では、表示部37
として、下側の透明基板33の下面に反射層36を設け
た反射型の液晶表示パネル31を用いた場合について述
べたが、これに限らず、例えば、反射層36を設けない
透過型の液晶表示パネルを用い、この液晶表示パネルの
下側にバックライト装置を配置した構成でも良い。ま
た、上記第3実施形態では、タッチパネル7により押圧
位置および押圧面積を検出し、この検出された押圧面積
に応じてCPU20がベロシティの楽音制御信号を発生
し、このベロシティの楽音制御信号に基づいて押圧位置
に対応する音高の楽音を制御するようにしたが、これに
限らず、例えば、第2実施形態と同様、指19による鍵
盤部5の摺動状態をタッチパネル7により検出し、この
検出データに基づいてCPU20が摺動速度および摺動
方向を算出し、これら摺動速度および摺動方向に基づい
てベロシティの楽音制御信号を発生し、このベロシティ
の楽音制御信号に応じて摺動された鍵5aに対応する音
高の楽音を制御するようにしても良い。
【0029】さらに、上記第2実施形態および第3実施
形態の変形例では、検出手段として、タッチパネル7を
用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば、
図13または図14にそれぞれ示す第1、第2変形例よ
うな検出手段を用いても良い。すなわち、図13に示さ
れた第1変形例の検出手段は、鍵盤部5の各鍵5aに対
応する箇所のカバーフィルム4の表面に複数の電極40
を所定間隔で各鍵5aの長手方向に沿って配列形成した
構成になっている。この検出手段では、指19に導電性
サックや導電性リングなどの導電性部材41を装着し、
この状態で鍵5aに沿って摺動させて複数の電極40を
順次導通させることにより、その摺動時における指19
の初期位置と移動終了位置を検出する。このような検出
手段を備えた電子鍵盤楽器においても、第2実施形態と
同様、検出手段により検出された摺動時の初期位置と移
動終了位置とに基づいてCPU20が摺動速度と摺動方
向を算出し、この算出された摺動速度と摺動方向とに基
づいて楽音制御信号であるベロシティを発生し、このベ
ロシティ値に基づいて摺動された鍵5aに対応する音高
の楽音を制御することにより、摺動された鍵5aに対応
する音高の楽音を指19による摺動状態に応じて制御す
ることができ、これにより楽音の表現力を向上させるこ
とができる。
【0030】また、図14に示された第2変形例の検出
手段は、鍵盤部5の各鍵5aに対応させてそれぞれスラ
イドスイッチ42を設けた構成になっている。この場
合、各スライドスイッチ42は、各鍵5aに対応する箇
所のカバーフィルム4の下面にそれぞれ配置され、その
各操作片43が各鍵5aに対応する箇所のカバーフィル
ム4に設けられた各スリット44を通して上方に突出
し、この状態で各操作片43を鍵5aの長手方向に沿っ
てスライドさせることにより、そのスライド時における
初期位置と移動終了位置とを検出する。このような検出
手段を備えた電子鍵盤楽器においても、スライドスイッ
チ42により検出された初期位置と移動終了位置とに基
づいてCPU20で移動速度と移動方向を算出し、この
算出された移動速度と移動方向とに基づいて楽音制御信
号であるベロシティを発生し、このベロシティ値に基づ
いてスライドされた鍵5aに対応する音高の楽音を制御
することにより、スライドされた鍵5aに対応する音高
の楽音をそのスライド状態に応じて制御することがで
き、これにより楽音の表現力を向上させることができ
る。
【0031】なお、図14に示された第2変形例では、
操作片43が任意の位置に停止するように構成されてい
るが、これに限らず、コイルばねなどのばね部材のばね
力により操作片43が常に所定位置に復帰するように構
成しても良い。この場合には、スライド時に初期位置と
移動終了位置とを検出し、この検出データに基づいて移
動速度のみを算出することにより、楽音制御信号である
ベロシティを発生し、このベロシティ値に基づいてスラ
イドされた鍵5aに対応する音高の楽音を制御すること
ができる。また、上記各実施形態およびその各変形例で
は、検出手段で検出した検出データに基づいてCPU2
0が楽音制御としてベロシティを制御する場合について
述べたが、これに限らず、楽音制御として、ビブラート
やトレモロなどの変調効果を付与するモジュレーショ
ン、または楽音の音高を連続的に変化させるピッチベン
ドを制御するようにしても良い。さらに、上記各実施形
態およびその各変形例では、鍵盤部5を指19で操作す
る電子鍵盤楽器について述べたが、これに限らず、例え
ば、鍵盤部を有するシート部材を床に配置して足で鍵盤
部を操作するゲームタイプの電子楽器にも適用すること
ができるほか、鍵盤部に相当する入力部を有して楽音を
奏でるものであれば、ゲーム機などの電子機器にも適用
することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、鍵盤部の鍵に対応する箇所が押圧される
と、その押圧された箇所の押圧位置と押圧面積とを検出
手段が検出し、この検出された押圧面積に基づいて制御
手段が楽音制御信号を発生し、この楽音制御信号により
押圧位置に応じた音高の楽音を制御するので、押圧され
た鍵の音高の楽音を押圧面積に応じて制御することがで
き、これにより楽音の表現力を向上させることができ
る。また、請求項2記載の発明によれば、鍵盤部の鍵に
対応する箇所が鍵に沿って指などの操作子で移動される
と、その移動時における初期位置から移動終了位置を検
出手段が検出し、この検出された初期位置と移動終了位
置とに基づいて制御手段が楽音制御信号を発生し、この
楽音制御信号により移動操作された鍵に対応する音高の
楽音を制御するので、移動操作された鍵に対応する音高
の楽音を指などの操作子による移動状態に応じて制御す
ることができ、これにより楽音の表現力を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の楽音制御装置を適用した電子鍵盤楽
器の第1実施形態を示した外観平面図。
【図2】図1のシート部材の要部を拡大した断面図。
【図3】図2のシート部材を指で押圧した状態を示した
断面図。
【図4】図1の電子鍵盤楽器の回路構成を示したブロッ
ク図。
【図5】図1の鍵盤部の鍵に対応する箇所を指で押圧し
た状態を示し、(a)は指による押圧面積が広い状態を
示した概略平面図、(b)は指による押圧面積が狭い状
態を示した概略平面図。
【図6】(a)は指による押圧面積に対するタッチパネ
ルの電気抵抗値の特性を示した図、(b)はその電気抵
抗値に対するベロシティの変換特性を示した図。
【図7】この発明の楽音制御装置を適用した電子鍵盤楽
器の第2実施形態における指の摺動状態を検出する原理
を示し、(a)は鍵盤部の鍵に対応する箇所における指
の摺動状態を示した図、(b)はその状態におけるタッ
チパネルのX−Y座標の座標位置を示した図。
【図8】図7の指の摺動速度に対するベロシティの変換
特性を示した図。
【図9】図8の摺動速度に対するベロシティの変換特性
を指の摺動方向に基づいて補正した変換特性を示した
図。
【図10】この発明の楽音制御装置を適用した電子鍵盤
楽器の第3実施形態を示した外観平面図。
【図11】図10のA−A矢視における拡大断面図。
【図12】図10の電子鍵盤楽器の回路構成を示したブ
ロック図。
【図13】この発明の楽音制御装置を適用した電子鍵盤
楽器における検出手段の第1変形例を示した要部の拡大
平面図。
【図14】この発明の楽音制御装置を適用した電子鍵盤
楽器における検出手段の第2変形例を示した要部の拡大
断面図。
【符号の説明】
1、30 シート部材 4 カバーフィルム 5 鍵盤部 5a 鍵 7 タッチパネル 8 弾性部材 10 スピーカ 19 指 20 CPU 21 ROM 22 RAM 23 音源部 40 複数の電極 42 スライドスイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の鍵が印刷された鍵盤部と、 この鍵盤部の前記鍵と対応する箇所が押圧されたとき
    に、その押圧位置およびその押圧面積を検出する検出手
    段と、 この検出手段で検出された前記押圧面積に基づいて楽音
    制御信号を発生し、この楽音制御信号により前記検出手
    段で検出された前記押圧位置に応じた音高の楽音を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする楽音制御装
    置。
  2. 【請求項2】複数の鍵が印刷された鍵盤部と、 この鍵盤部の前記鍵と対応する箇所が前記鍵に沿って指
    などの操作子で移動されたときに、その移動時における
    初期位置から移動終了位置を検出する検出手段と、 この検出手段で検出された前記初期位置と前記移動終了
    位置とに基づいて楽音制御信号を発生し、この楽音制御
    信号により前記移動操作された鍵に対応する音高の楽音
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする楽音制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記移動時に前記検出手
    段で検出された前記初期位置と前記移動終了位置とに基
    づいて移動速度を算出し、この移動速度に応じて前記楽
    音制御信号を発生することを特徴とする請求項2記載の
    楽音制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記移動時に前記検出手
    段で検出された前記初期位置と前記移動終了位置とに基
    づいて移動速度および移動方向を算出し、これら移動速
    度および移動方向に応じて前記楽音制御信号を発生する
    ことを特徴とする請求項2記載の楽音制御装置。
  5. 【請求項5】前記鍵盤部は可撓性を有するフィルムから
    なり、前記検出手段は前記鍵盤部の下面に設けられてX
    −Y座標を検出する可撓性を有するタッチパネルである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の楽音制
    御装置。
  6. 【請求項6】前記タッチパネルの下面には、弾性部材が
    配置されていることを特徴とする請求項5記載の楽音制
    御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008216715A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Casio Comput Co Ltd 楽音制御装置および楽音制御処理のプログラム
JP2009098483A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Yamaha Corp 鍵盤装置
JP2009139690A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子鍵盤楽器
JP2009157058A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Brother Ind Ltd 電子楽器、カラオケ用楽器採点システム
JP2009169175A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子楽器

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