JP2000250207A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JP2000250207A
JP2000250207A JP5284599A JP5284599A JP2000250207A JP 2000250207 A JP2000250207 A JP 2000250207A JP 5284599 A JP5284599 A JP 5284599A JP 5284599 A JP5284599 A JP 5284599A JP 2000250207 A JP2000250207 A JP 2000250207A
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JP
Japan
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group
acid
photosensitive composition
water
compound
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JP5284599A
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English (en)
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Kazuto Kunida
一人 國田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポジ型感光性組成物、特にヒートモード記録
用の平版印刷用材料用の材料を提供する。 【解決手段】 少なくとも、一般式(1)で表されるジ
アゾ化合物及び水不溶性、且つアルカリ水可溶性の高分
子を含有するポジ型感光性組成物。 【化1】 〔一般式(1)中、Xは酸素原子又はN−Rを示し、R
はPh−NH−Rの解離性のpKaが14以下となる有
機基を示し、Qは有機基を示し、Pは有機連結基を示
し、Q及びPが連結して脂肪環又は芳香環を形成しても
よい。ZA 及びZBは一般式(1)の構造におけるジア
ゾニオ基の分解により発生する中間体と分子内環化でき
る有機基を示し、kは0又は1を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広くは赤外線波長
域に感応性を有するポジ型感光性組成物に関し、特に、
コンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを用い
て直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なポジ
型平版印刷用版材やリソグラフィ用フォトレジストに好
適なポジ型感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目ざまし
く、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放
射する固体レーザおよび半導体レーザ(以下、「赤外線
レーザ」という場合がある。)は、高出力かつ小型のも
のが容易に入手できるようになった。これらの赤外線レ
ーザは、コンピュータ等のデジタルデータにより直接印
刷版を製版する際の記録光源として非常に有用である。
従って、このような赤外線記録光源に対し、感応性の高
い画像記録材料、特に、ヒートモードレーザ用の画像記
録材料に使用できる材料への要望が近年高まっている。
【0003】特開平7−285275号公報には、キノ
ンジアジドやジアゾニウム塩を用いるヒートモードレー
ザ用記録材料が開示されているが、感度、現像ラチチュ
ードが十分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒー
トモードレーザに対し高感度で、かつ現像ラチチュード
に優れ、保存安定性に優れたポジ型感光性組成物を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的は、少なくと
も、下記一般式(1)で表されるジアゾ化合物及び水不
溶性、且つアルカリ水可溶性の高分子を含有するポジ型
感光性組成物により達成される。
【0006】
【化2】
【0007】〔一般式(1)中、Xは酸素原子又はN−
Rを示し、RはPh−NH−Rの解離性のpKaが14
以下となる有機基を示し、Qは有機基を示し、Pは有機
連結基を示し、Q及びPが連結して脂肪環又は芳香環を
形成してもよい。ZA 及びZBは一般式(1)の構造に
おけるジアゾニオ基の分解により発生する中間体と分子
内環化できる有機基を示し、kは0又は1を示す。〕す
なわち、分解前は高分子の溶解阻止作用を有するジアゾ
化合物が分解による環化のため酸が発生し阻止作用が消
失することによる。
【0008】本発明のポジ型感光性組成物は赤外線吸収
剤をさらに含有することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポジ型感光性組成
物について詳細に説明する。 [(A)一般式(1)で表されるジアゾ化合物]一般式
(1)中、P、Qは好ましくは芳香環であり、さらに好
ましくはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環で
ある。Rは好ましくは、−SO2 1 、−COR2 であ
り、R1 は炭化水素基、R2 は電子吸引性置換基(ハロ
ゲン、スルホン基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基)を有する炭化水素基である。
【0010】ZA 、ZB は好ましくはY1 −OH、Y2
−SH、Y3 −NH−Y4 −R3 であり、Y1 〜Y4
単結合又は化3の2価の連結基であり、R3 は水素原子
又は炭化水素基である。
【0011】
【化3】
【0012】一般式(1)で表されるジアゾ化合物とし
ては、以下のものを挙げることができる。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】
【化18】
【0028】
【化19】
【0029】
【化20】
【0030】
【化21】
【0031】これらのジアゾ化合物の一般的な合成を以
下のスキームで示す。(スキーム1) 対応するアミン
のジアゾ化を経由する方法
【0032】
【化22】
【0033】(スキーム2) 対応するオキシムのFo
rster反応による方法
【0034】
【化23】
【0035】(スキーム3) 対応するケトンのBam
ford−Stevens反応による方法
【0036】
【化24】
【0037】この中で最も一般的で汎用性があるのはス
キーム1の方法である。
【0038】以上の方法は「The Chemistr
y of functionalgroups−The
Chemistry of diazonium a
nd diazo groups PART1 and
PART2」SAULPATAI著、JOHN WI
LEY & SINS発行1978年の専門書の中の特
に14、15、17章に詳細に記載されている。 [(B)水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高分子]
本発明のポジ型感光性組成物では、バインダーポリマー
として、(B)水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高
分子(アルカリ水可溶性高分子)、即ち、高分子中の主
鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、
これらの共重合体またはこれらの混合物を用いる。従っ
て、本発明のポジ型感光性組成物はアルカリ性の現像液
で現像可能なものである。
【0039】中でも、下記(1)〜(6)に挙げる酸性
基を高分子の主鎖および/または側鎖中に有するもの
が、アルカリ性現像液に対する溶解性の点、溶解抑制能
発現の点で好ましい。
【0040】(1)フェノール基(−Ar−OH) (2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R) (3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド
基」という。)〔−SO2 NHCOR、−SO2 NHS
2 R、−CONHSO2 R〕 (4)カルボン酸基(−CO2 H) (5)スルホン酸基(−SO3 H) (6)リン酸基(−OPO3 2 ) 上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよ
い2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有して
いてもよい炭化水素基を表す。
【0041】上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を
有するアルカリ水可溶性高分子の中でも、(1)フェノ
ール基、(2)スルホンアミド基および(3)活性イミ
ド基を有するアルカリ水可溶性高分子が好ましく、特
に、(1)フェノール基または(2)スルホンアミド基
を有するアルカリ水可溶性高分子が、アルカリ性現像液
に対する溶解性、現像ラチチュード、膜強度を十分に確
保する点から最も好ましい。
【0042】上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を
有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、以下
のものを挙げることができる。
【0043】(1)フェノール基を有するアルカリ水可
溶性高分子としては、例えば、フェノールとホルムアル
デヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドと
の縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデ
ヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p
−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)とホルム
アルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂、およびピ
ロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができ
る。さらに、フェノール基を側鎖に有する化合物を共重
合させた共重合体を挙げることもできる。或いは、フェ
ノール基を側鎖に有する化合物を共重合させた共重合体
を用いることもできる。
【0044】フェノール基を有する化合物としては、フ
ェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、また
はヒドロキシスチレン等が挙げられる。
【0045】具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニ
ル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)
アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アク
リルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリル
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルア
ミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒド
ロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニル
アクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒド
ロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレ
ン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレ
ート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリ
レート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタク
リレート等が挙げられる。
【0046】高分子の重量平均分子量は5.0×102
〜2.0×104 で、数平均分子量が2.0×102
1.0×104 のものが、画像形成性の点で好ましい。
また、これらの高分子を単独で用いるのみならず、2種
類以上を組み合わせて使用してもよい。組み合わせる場
合には、米国特許第4123279号明細書に記載され
ているような、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体や、オクチルフェノールとホルムアルデ
ヒドとの縮重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基
を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドと
の縮重合体を併用してもよい。
【0047】(2)スルホンアミド基を有するアルカリ
水可溶性高分子としては、例えば、スルホンアミド基を
有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分と
して構成される重合体を挙げることができる。上記のよ
うな化合物としては、窒素原子に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和
基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物が挙げら
れる。
【0048】中でも、アクリロイル基、アリル基、また
はビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホ
ニル基または置換スルホニルイミノ基と、を分子内に有
する低分子化合物が好ましく、例えば、下記一般式
(2)〜(6)で示される化合物が挙げられる。
【0049】
【化25】
【0050】〔式中、X1 、X2 は、それぞれ独立に−
O−または−NR27−を表す。R21、R24は、それぞれ
独立に水素原子または−CH3 を表す。R22、R25、R
29、R32及びR36は、それぞれ独立に置換基を有してい
てもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキ
レン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。R
23、R27及びR33は、それぞれ独立に水素原子、置換基
を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
また、R26、R37は、それぞれ独立に置換基を有してい
てもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基を表す。R28、R30及び
34は、それぞれ独立に水素原子または−CH3 を表
す。R31、R35は、それぞれ独立に単結合、または置換
基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、
シクロアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
基を表す。Y5 、Y6 は、それぞれ独立に単結合、また
は−CO−を表す。〕一般式(2)〜(6)で表される
化合物のうち、本発明のポジ型感光性組成物では、特
に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N
−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルア
ミド等を好適に使用することができる。
【0051】(3)活性イミド基を有するアルカリ水可
溶性高分子としては、例えば、活性イミド基を有する化
合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成
される重合体を挙げることができる。上記のような化合
物としては、下記構造式で表される活性イミド基と、重
合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する
化合物を挙げることができる。
【0052】
【化26】
【0053】具体的には、N−(p−トルエンスルホニ
ル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニ
ル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0054】(4)カルボン酸基を有するアルカリ水可
溶性高分子としては、例えば、カルボン酸基と、重合可
能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合
物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体
を挙げることができる。
【0055】(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶
性高分子としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能
な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物
に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を
挙げることができる。
【0056】(6)リン酸基を有するアルカリ水可溶性
高分子としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽
和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来
する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げる
ことができる。
【0057】上記アルカリ水可溶性高分子のうち、特
に、前記フェノール性化合物中の特定の官能基−X−Y
−Zとの間で強い水素結合性の相互作用を得ることがで
きる点から、(1)フェノール性水酸基を有するアルカ
リ水可溶性高分子であることが特に好ましい。
【0058】本発明のポジ型感光性組成物に用いるアル
カリ水可溶性高分子を構成する、前記(1)〜(6)よ
り選ばれる酸性基を有する最小構成単位は、特に1種類
のみである必要はなく、同一の酸性基を有する最小構成
単位を2種以上、または異なる酸性基を有する最小構成
単位を2種以上共重合させたものを用いることもでき
る。
【0059】共重合の方法としては、従来知られてい
る、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共
重合法等を用いることができる。
【0060】前記共重合体は、共重合させる(1)〜
(6)より選ばれる酸性基を有する化合物が共重合体中
に10モル%以上含まれているものが好ましく、20モ
ル%以上含まれているものがより好ましい。10モル%
未満であると、十分な現像ラチチュードを向上させるこ
とができない傾向がある。
【0061】本発明では、化合物を共重合して共重合体
を形成する場合、その化合物として、前記(1)〜
(6)の酸性基を含まない他の化合物を用いることもで
きる。(1)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物の
例としては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物
を挙げることができる。
【0062】(m1)例えば、2−ヒドロキシエチルア
クリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート
等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およ
びメタクリル酸エステル類。
【0063】(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチ
ル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート等のアルキルアクリレート。
【0064】(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレー
ト、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート。
【0065】(m4)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフ
ェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアク
リルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミ
ド。
【0066】(m5)エチルビニルエーテル、2−クロ
ロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル
等のビニルエーテル類。
【0067】(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステル類。
【0068】(m7)スチレン、α−メチルスチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン
類。
【0069】(m8)メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン等のビニルケトン類。
【0070】(m9)エチレン、プロピレン、イソブチ
レン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
【0071】(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等。
【0072】(m11)マレイミド、N−アクリロイル
アクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−
プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベン
ゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0073】(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無
水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0074】本発明のポジ型感光性組成物に用いるアル
カリ水可溶性高分子としては、単独重合体、共重合体に
係わらず、重量平均分子量が1.0×103 〜2.0×
10 5 で、数平均分子量が5.0×102 〜1.0×1
5 の範囲にあるものが感度および現像ラチチュードの
点で好ましく。また、多分散度(重量平均分子量/数平
均分子量)が1.1〜10のものが好ましい。
【0075】本発明において共重合体を用いる場合、そ
の主鎖および/または側鎖を構成する、前記(1)〜
(6)より選ばれる酸性基を有する化合物に由来する最
小構成単位と、主鎖の一部および/または側鎖を構成す
る、(1)〜(6)の酸性基を含まない他の最小構成単
位と、の配合重量比は、現像ラチチュードの観点から、
50:50〜5:95の範囲にあるものが好ましく、4
0:60〜10:90の範囲にあるものがより好まし
い。
【0076】前記アルカリ水可溶性高分子は、それぞれ
1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を組み合わ
せて使用してもよく、ポジ型感光性組成物の全固形分
中、30〜99重量%の範囲で用いるのが好ましく、4
0〜95重量%の範囲で用いるのがより好ましいが、更
には50〜90重量%の範囲で用いることが特に好まし
い。
【0077】アルカリ水可溶性高分子の上記使用量が3
0重量%未満である場合には、記録層の耐久性が悪化す
る傾向にあり、また、99重量%を越える場合には、感
度、耐久性が低下する傾向があるため好ましくない。
【0078】次に、ノボラック樹脂について説明する。
【0079】本発明において、好適に用いられるノボラ
ック樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデ
ヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒド
との縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの
縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p
−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)とホルム
アルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂、および、
ピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることがで
きる。或いは、フェノール基を側鎖に有するモノマーを
共重合させた共重合体を用いることもできる。
【0080】本発明で使用されるアルカリ水可溶性高分
子の合成の際に用いることができる溶媒としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノー
ル、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メト
キシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、
酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホ
キシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は
2種以上混合して用いることができる。 [(C)赤外線吸収剤]本発明において、赤外線吸収剤
としては種々の顔料もしくは染料を用いることができ
る。
【0081】顔料としては、市販の顔料及びカラーイン
デックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔
料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」
(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」
(CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が
利用できる。
【0082】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、
ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性ア
ゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ
顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、
ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、
アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍
光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0083】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤
を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップ
リング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を
顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面
処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。
【0084】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを越えると感光層の均
一性の点で好ましくない。
【0085】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年刊)に記載されている。
【0086】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシ
アニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メ
チン染料、スクワリリウム色素、金属チオレート錯体等
の染料が挙げられる。
【0087】本発明において、これらの顔料、もしくは
染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するもの
が、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用
に適する点で特に好ましい。
【0088】そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸
収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられ
る。また、赤外光、 もしくは近赤外光を吸収する染料と
しては例えば特開昭58−125246号、特開昭59
−84356号、特開昭59−202829号、特開昭
60−78787号等に記載されているシアニン染料、
特開昭58−173696号、特開昭58−18169
0号、特開昭58−194595号等に記載されている
メチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58
−224793号、特開昭59−48187号、特開昭
59−73996号、特開昭60−52940号、特開
昭60−63744号等に記載されているナフトキノン
染料、特開昭58−112792号等に記載されている
スクワリリウム色素、英国特許434,875号記載の
シアニン染料等を挙げることができる。
【0089】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号(米国特許第4,327,169号)記載
のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−1810
51号、 同58−220143号、同59−41363
号、同59−84248号、同59−84249号、同
59−146063号、同59−146061号に記載
されているピリリウム系化合物、特開昭59−2161
46号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,4
75号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公
平5−13514号、同5−19702号公報に開示さ
れているピリリウム化合物、Epolight III−1
78、Epolight III−130、Epoligh
t III−125等は特に好ましく用いられる。
【0090】また、染料の特に好ましい別の例として、
米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、
(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げるこ
とができる。
【0091】これらの染料又は顔料の感光性組成物全固
形分に対する添加量は、0.01〜50重量%が好まし
く、更には0.1〜10重量%が好ましい。また、染料
の場合、特に好ましくは0.5〜10重量%であり、顔
料の場合、特に好ましくは1.0〜10重量%の範囲で
感光性組成物中に添加することができる。顔料又は染料
の添加量が、0.01重量%未満であると感度が低くな
り、また、50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れ
が発生する。
【0092】これらの染料または顔料は、他の成分と同
一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加し
てもよい。また、上記の染料または顔料の中でも、赤外
光、もしくは近赤外光を吸収するものが特に好ましい。
また、染料および顔料は、2種以上併用してもよい。 [その他の成分]本発明のポジ型感光性組成物には、種
々の添加剤を添加することができる。例えば、オニウム
塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル
化合物等は熱分解性物質として作用するので、このよう
な物質を添加すると、画像部の現像液への溶解阻止性を
向上させることができるので好ましい。
【0093】上記オニウム塩としては、ジアゾニウム
塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム
塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩
等を挙げることができる。本発明において用いられるオ
ニウム塩として好適なものとしては、例えば、S.I.
Schlesinger,Photogr.Sci.E
ng.,18,387(1974)、T.S.Bal
et al,Polymer,21,423(198
0)、または、特開平5−158230号公報に記載の
ジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同
4,069,056号、または特開平3−140140
号公報に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker
et al,Macromolecules,17,
2468(1984)、C.S.Wen et al,
Teh,Proc.Conf.Rad.Curing
ASIA,p478 Tokyo,Oct(198
8)、米国特許第4,069,055号、または同4,
069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.C
rivello et al,Macromorecu
les,10(6),1307(1977)、Che
m.& Eng.News,Nov.28,p31(1
988)、欧州特許第104,143号、米国特許第3
39,049号、同第410,201号、特開平2−1
50848号公報、または特開平2−296514号公
報に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello
et al,Polymer J.17,73(19
85)、J.V.Crivello et al.J.
Org.Chem.,43,3055(1978)、
W.R.Watt et al,J.Polymer
Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,
1789(1984)、J.V.Crivello e
t al,Polymer Bull.,14,279
(1985)、J.V.Crivello et a
l,Macromorecules,14(5),11
41(1981)、J.V.Crivello et
al,J.Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧
州特許第370,693号、同233,567号、同2
97,443号、同297,442号、米国特許第4,
933,377号、同3,902,114号、同41
0,201号、同339,049号、同4,760,0
13号、同4,734,444号、同2,833,82
7号、独国特許第2,904,626号、同3,60
4,580号、または同3,604,581号に記載の
スルホニウム塩、J.V.Crivello et a
l,Macromorecules,10(6),13
07(1977)、またはJ.V.Crivello
et al,J.Polymer Sci.,Poly
merChem.Ed.,17,1047(1979)
に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et a
l,Teh,Proc.Conf.Rad.Curin
g ASIA,p478 Tokyo,Oct(198
8)に記載のアルソニウム塩等が挙げられる。
【0094】上記オニウム塩の対イオンとしては、四フ
ッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタ
レンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン
酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン
酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼ
ンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フ
ルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼン
スルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げるこ
とができる。
【0095】これらの中でも、特に、六フッ化リン酸、
トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメ
チルベンゼンスルホン酸のようなアルキル芳香族スルホ
ン酸が好適である。
【0096】オニウム塩の添加量は、好ましくは1〜5
0重量%、更に好ましくは5〜30重量%、特に好まし
くは10〜30重量%である。
【0097】また、可視光域に大きな吸収を持つ染料を
画像の着色剤として使用することができる。好適な染料
として、油溶性染料と塩基性染料を挙げることができ
る。
【0098】具体的には、オイルイエロー#101、オ
イルイエロー#103、オイルピンク#312、オイル
グリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#6
03、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイ
ルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)
製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレッ
ト(CI42555)、メチルバイオレット(CI42
535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI1
45170B)、マラカイトグリーン(CI4200
0)、メチレンブルー(CI52015)、アイゼンス
ピロンブルーC−RH(保土ヶ谷化学(株)製)等、及
び特開昭62−293247号に記載されている染料を
挙げることができる。
【0099】これらの染料を添加すると、画像形成後の
画像部と非画像部の区別が明瞭になるため、添加する方
が好ましい。尚、添加量は、感光性組成物全固形分に対
し、0.01〜10重量%の範囲が好ましい。
【0100】また、更に感度を向上させる目的で、環状
酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加することも
できる。環状酸無水物としては、米国特許第4,11
5,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル
酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロ
ル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
【0101】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシト
リフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒド
ロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニ
ルメタンなどが挙げられる。
【0102】有機酸類としては、特開昭60−8894
2号、特開平2−96755号公報などに記載されてい
る、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、
ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類な
どがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、
エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン
酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジ
メトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリ
ン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げら
れる。
【0103】上記の環状酸無水物、フェノール類および
有機酸類の印刷版材料中に占める割合は、0.05〜2
0重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量
%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0104】また、本発明の感光性組成物には、現像条
件に対する処理の安定性を向上させるため、特開昭62
−251740号や特開平3−208514号に記載さ
れているような非イオン界面活性剤、特開昭59−12
1044号、特開平4−13149号に記載されている
ような両性界面活性剤を添加することができる。非イオ
ン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステア
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリ
オレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0105】両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。
【0106】上記非イオン界面活性剤および両性界面活
性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15
重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%で
ある。
【0107】本発明のポジ型感光性組成物中には、露光
による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、
画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
【0108】焼き出し剤としては、露光による加熱によ
って酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得
る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。
具体的には、特開昭50−36209号、同53−81
28号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジア
ジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の
組合せや、特開昭53−36223号、同54−747
28号、同60−3626号、同61−143748
号、同61−151644号および同63−58440
号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩
形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかる
トリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物
とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に
優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0109】また、エポキシ化合物、ビニルエーテル化
合物、特願平7−18120号公報記載のヒドロキシメ
チル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール化
合物、および、特願平9−328937号公報等に記載
のアルカリ溶解抑制作用を有する架橋性化合物等を添加
すると、保存安定性の点で好ましい。
【0110】更に、本発明のポジ型感光性組成物中に
は、必要に応じて塗膜に柔軟性等を付与するために可塑
剤を添加することもできる。例えば、ブチルフタリル、
ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル
酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、
フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
ブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロ
フルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマ
ーおよびポリマー等を好適に用いることができる。
【0111】また、本発明のポジ型感光性組成物中に
は、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開
昭62−170950号公報に記載されているようなフ
ッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添
加量は、全感光性組成物の0.01〜1重量%さらに好
ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0112】本発明のポジ型感光性組成物は、以下の感
光性組成物の一般的製造方法により製造することができ
る。
【0113】感光性組成物は、通常、上記各成分を溶媒
に溶かして適当な支持体上に塗布することにより製造す
る。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライ
ド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、
2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プ
ロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳
酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−
ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができる
がこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独
あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加
剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量
%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布
量(固形分)は、用途によって異なるが、感光性印刷版
として用いられる場合は、一般的に0.5〜5.0g/
2 が好ましい。
【0114】塗布する方法としては種々の方法を用いる
ことができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗
布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げるこ
とができる。塗布量が少なくなるにつれて見かけの感度
は大になるが、感光膜の被膜特性は低下する。この塗布
層は、感光性組成物において感光層となる。
【0115】支持体としては、寸度的に安定な板状物で
あり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートさ
れた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅
等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしく
は蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等を挙
げることができる。
【0116】本発明で使用する支持体としては、ポリエ
ステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中
でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム
板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミ
ニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元
素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート
もしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。ア
ルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マ
ンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、
ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量
は高々10重量%以下である。本発明において特に好適
なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純
粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、
僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発
明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定され
るものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウ
ム板を適宜に利用することができる。
【0117】本発明で用いられるアルミニウム板の厚み
はおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.
15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜
0.3mmである。
【0118】アルミニウム板は粗面化して用いるが、粗
面化するに先立ち、所望により表面の圧延油を除去する
ための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水
溶液などによる脱脂処理を行うこともできる。
【0119】アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および
化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いること
ができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸ま
たは硝酸電解液中で交流または直流により行う方法があ
る。また、特開昭54−63902号公報に開示されて
いるように両者を組み合わせた方法も利用することがで
きる。
【0120】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処
理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高め
るために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽
極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮
膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には
硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸あるいはそれらの混
酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類
によって適宜決められる。
【0121】陽極酸化の処理条件は、用いる電解質によ
り種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電
解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、
電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解
時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化
被膜の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分
であったり、感光性組成物の非画像部に傷が付き易くな
って、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる
「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0122】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用
される親水化処理としては、米国特許第2,714,0
66号、同第3,181,461号、第3,280,7
34号および第3,902,734号に開示されている
ようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウ
ム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケ
イ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、または電解
処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示
されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第
3,276,868号、同第4,153,461号、同
第4,689,272号に開示されているようなポリビ
ニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0123】支持体と感光層との間には、必要に応じ
て、下塗層を設けることもできる。下塗層成分としては
種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチ
ルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミ
ノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸
類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチ
ルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン
酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸
などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニル
リン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセ
ロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェ
ニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホ
スフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホス
フィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、
およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ
基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上
混合して用いてもよい。
【0124】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。水またはメタノール、エタノール、メチ
ルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶
剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム
板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノー
ル、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤も
しくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させ
た溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着
させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層
を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合
物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法
で塗布できる。また、後者の方法では、溶液の濃度は
0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%
であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜5
0℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは
2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、
トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質
や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の
範囲に調整することもできる。また、感光性組成物の調
子再現性改良のために黄色染料を添加することもでき
る。
【0125】有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/
2 が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2
ある。上記の被覆量が2mg/m2 よりも少ないと十分
な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2 より
大きくても同様である。
【0126】製造された感光性組成物は、通常、像露
光、現像処理を施され、画像を形成する。像露光に用い
られる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、
カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、
X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、
i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レ
ーザービーム)も使用される。レーザービームとしては
ヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプ
トンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrF
エキシマレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等が
挙げられる。本発明においては、近赤外から赤外領域に
発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レ
ーザが特に好ましい。
【0127】用いる現像液および補充液としては、従来
より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例え
ば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニ
ウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ
塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用い
られる。
【0128】これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以
上を組み合わせて用いられる。
【0129】これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現
像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸
塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化
珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 O(Mはアルカ
リ金属を表す。)の比率と濃度によって現像性の調節が
可能となるためであり、例えば、特開昭54−6200
4号公報、特公昭57−7427号公報に記載されてい
るようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0130】更に、自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量の感光性組成物を処理で
きることが知られている。本発明においてもこの補充方
式が好ましく適用される。現像液および補充液には、現
像性の促進や抑制、現像カスの分散および感光性組成物
の画像部の親インキ性を高める目的で、必要に応じて種
々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面
活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系
および両性界面活性剤が挙げられる。更に現像液および
補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム
塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡
剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
【0131】上記現像液および補充液を用いて現像処理
された感光性組成物は水洗水、界面活性剤等を含有する
リンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液
で後処理される。本発明の感光性組成物を印刷版として
使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組
み合わせて用いることができる。
【0132】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。本発明における感光性組成物も、この自
動現像機にて処理を施すことができるものである。この
自動現像機は一般に現像部と後処理部からなり、印刷版
を搬送する装置と各処理液槽およびスプレー装置からな
り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながらポンプで汲
み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像
処理するものである。また、最近は処理液が満たされた
処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸
漬搬送させて処理する方法も知られている。このような
自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に
応じて補充液を補充しながら処理することができる。ま
た、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨
て処理方式も適用できる。
【0133】画像露光、現像、水洗および/またはリン
スおよび/またはガム引きを施された後、感光性組成物
上に不必要な画像部(例えば、原画フィルムのフィルム
エッジ跡など)がある場合は、その不必要な画像部を消
去する処置をとることもできる。消去方法としては、例
えば、特公平2−13293号公報に記載されているよ
うな消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時
間放置した後に水洗する方法が好ましいが、特開平59
−174842号公報に記載されているようなオプティ
カルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照
射したのち現像する方法も利用できる。
【0134】以上の処理を施された感光性組成物は、所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができる。耐刷力を向上させる目的で、バーニン
グ処理を施してもよい。感光性組成物をバーニング処理
する場合には、該バーニング処理前に、特公昭61−2
518号、同55−28062号、特開昭62−318
59号、同61−159655号の各公報に記載されて
いるような整面液で処理することが好ましい。その方法
としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿に
て、感光性組成物上に塗布するか、整面液を満たしたバ
ット中に感光性組成物を浸漬して塗布する方法や、自動
コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した
後にスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗
布量を均一にするとより好ましい。整面液の塗布量は一
般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当であ
る。
【0135】整面液が塗布された感光性組成物を乾燥し
た後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイ
ルム(株)より販売されているバーニングプロセッサ
ー:「BP−1300」)などで高温に加熱してもよ
い。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。
【0136】バーニング処理された感光性組成物は、必
要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行われ
ている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合
物等を含有する整面液が使用された場合には、ガム引き
などのいわゆる不感脂化処理を省略することもできる。
【0137】この様な処理によって得られた感光性組成
物はオフセット印刷機等に組込まれ、用紙等の印刷に用
いられる。
【0138】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに制限されない。 <合成例1 化合物A−1の合成>
【0139】
【化27】
【0140】2リットルのビーカに化合物A−1−x
(東京化成品)0.2モル及び水800mlを入れ、氷
水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合物にN
aNO 2 0.24モルを入れ得られた混合物を攪拌した
後、H2 SO4 0.5モルを水200mlで希釈した溶
液を液温を10℃以下に保ちつつゆっくりと混合物に滴
下したところ、結晶が析出した。析出した結晶を1日放
置した後、濾過した。湿った状態の結晶46gが得られ
た。IR等によりこの結晶が化合物A−1−yであるこ
とを確認した。
【0141】次に、2リットルの三つ口フラスコに46
gの化合物A−1−y及び水500mlを入れ、続いて
NaOH0.8モルを入れた。次いで、得られた溶液に
Na 2 2 4 0.8モルを少しずつ加えたところ、赤
色の溶液から黄白色の沈殿物が生じた。この三つ口フラ
スコにアルカリトラップをつけ、濃塩酸200mlを滴
下し、溶液のpHを4にしたところ、粉末状の結晶が析
出した。析出した粉末を濾過して、湿った状態の結晶6
0gを得た。IR等によりこの結晶が化合物A−1−z
であることを確認した。
【0142】次に、1リットルのビーカーに60gの化
合物A−1−z、水500ml及びCuSO4 0.02
モルを入れて氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。
続いて、この混合物にNaNO2 0.4モルを水100
mlに溶かした溶液を液温を10℃以下に保ちつつ少し
ずつ滴下したところ、直ちにケーキ状の黄灰色結晶が浮
いた。混合物を1時間攪拌後、結晶を濾過し、アセトン
で洗浄した。湿った結晶24gが得られた。IR等によ
り得られた結晶が化合物A−1−αであることを確認し
た。
【0143】次に1リットルの三つ口フラスコにClS
3 H1.0モル及びSOCl2 0.5モルを入れ、氷
水浴で冷却しながら上記化合物A−1−αの粉末を三つ
口フラスコ内に少しずつ入れた。前記フラスコにアルカ
リトラップを付けて、発生するガスを除去した。24g
の粉末を入れて30分後、溶液は濃赤色の濃厚溶液にな
った。この溶液を室温で1日放置した後、発生するガス
を除去しながら1リットルの氷に少しずつ投入した。得
られた溶液を1時間攪拌した後、黄色粉末が析出した。
この結晶を濾過し、アセトンで洗浄した。結晶の乾燥後
の重量は11.8gであった。IR等によりこの結晶が
化合物A−1−βであることを確認した。ここまでの全
収率は22.0%であった。
【0144】100mlのナス型フラスコに化合物A−
1−β0.02モル及びジメチルアセトアミド50ml
を入れ、氷水浴で冷却しながらアンモニア水0.04モ
ルを混合物に少しずつ滴下したところ、直ちに褐色の沈
殿物が生じた。混合物を1時間攪拌した後、結晶を濾過
し、水及びアセトンで念入りに洗浄した。黄色の粉末状
結晶の乾燥後の重量は1.5gであった。IR等により
得られた結晶が化合物A−1であることを確認した。A
−1−βからの収率は32%であった。
【0145】以上のようにして得た化合物A−1の物性
データを以下に列挙する。1 HNMR(DMSO−d6 、300MHz) δ 7.40ppm(brs、2H、SO2 NH2 )、
7.51ppm(d、1H、J=8.7Hz、ArH
(7))、7、72ppm(dd、1H、J=7.1
、7.1Hz、ArH(5))、7.86ppm
(d、1H、J=8.7Hz 、ArH(8))、7.
98ppm(dd、1H、J=1.4、7.1Hz、
ArH(6))、8.28ppm(dd、1H、J=
1.4、7.1Hz、ArH(4))
【0146】
【化28】
【0147】IRスペクトル(KBr透過法)
【0148】
【化29】
【0149】UVスペクトル(DMSO溶液) λmax 411nm 融点(分解点) 172℃分解 <合成例2 化合物A−3の合成>
【0150】
【化30】
【0151】1リットルのビーカに化合物A−1−z
0.1モル、ジメチルアセトアミド500ml及びトリ
エチルアミン0.3モルを入れ、氷水浴で冷却しながら
混合物にアセチルクロライド0.3モルを少しずつ加え
た。
【0152】得られた混合物を室温で1日放置した後、
混合物に水500mlを加えたところ、結晶が析出し
た。得られた結晶を濾過した。結晶の乾燥後の重量は3
0gであった。IR等によりこの結晶が化合物A−3−
xであることを確認した。
【0153】次に1リットルの三つ口フラスコにClS
3 H0.5モル及びSOCl2 0.25モルを入れ、
氷水浴で冷却しながら上記化合物A−3−xの粉末を発
生するガスを除去しながら混合物に少しずつ入れた。得
られた混合物を1日攪拌した後、この混合物を発生する
ガスを除去しながら氷200mlに少しずつ投入した。
得られた混合物を油浴で加熱して80℃にし、80℃で
3時間攪拌した後室温に戻し、CuSO4 0.01モル
を入れた。混合物を氷水浴で冷却し且つ攪拌しながらN
aNO2 0.2モルを水50mlに溶かした溶液を液温
を10℃以下に保ちつつ少しずつ滴下したところ、黄色
結晶が析出した。混合物を1時間攪拌した後、結晶を濾
過し、アセトンで洗浄した。結晶の乾燥後の重量は10
gであった。IR等によりこの結晶が化合物A−3−z
であることを確認した。
【0154】500mlのビーカーに、化合物A−3−
z0.02モル、2,4−キシレノール0.02モル及
びジメチルアセトアミド300mlを入れ、氷水浴で冷
却しながら混合物を攪拌した。続いてトリエチルアミン
0.02モルをこの混合物にゆっくりと滴下した。得ら
れた混合物を3時間攪拌した後、アンモニア水0.02
モルを入れた。得られた混合物を室温で1日放置した
後、水300mlを加え、析出した結晶を濾過した。こ
の粗結晶をアセトン300mlに溶かし、不溶物(主に
ジ−SO2 NH2 )を除去した。続いて溶液を氷水浴で
冷却し攪拌しながら再結晶化し、主にジエステル体を除
去した。得られた黄色の結晶を濾過し、酢酸エチルで洗
浄した。得られた結晶の乾燥後の重量は3.0gであっ
た。1 HNMR及びIRによりこの結晶が化合物A−3
であることを確認した。 <合成例3 化合物A−10の合成>
【0155】
【化31】
【0156】1リットルの三つ口フラスコに化合物A−
3−x0.1モル、CS2 300ml及びAlCl
3 0.3モルを入れ、混合物を氷水浴で冷却し攪拌しな
がらアセチルクロライド0.1モルを滴下した。得られ
た混合物を室温でさらに1日攪拌下後、氷水500ml
を少しずつ加えて攪拌した。次いで、このフラスコを油
浴で加熱して80℃にし、80℃で3時間攪拌した後、
氷水浴で冷却した。次いで、混合物にCUSO4 0.0
1モルを添加し、NaNO2 0.2モルを水50mlに
溶かした溶液を液温を10℃以下に保ちつつ少しずつ滴
下したところ、黄色結晶が析出した。この混合物を1時
間攪拌した後、結晶を濾過し、水洗し、アセトンで洗浄
した。得られた結晶の乾燥後の重量は12gであった。
IR等によりこの結晶が化合物A−10−yであること
を確認した。
【0157】次に、1リットルの三つ口フラスコにCl
SO3 H1.0モル及びSOCl20.5モルを入れ、
氷水浴で冷却しながら得られた混合物に上記化合物A−
10−yの粉末を少しずつ入れた。得られた混合物を3
0分間攪拌した後、室温で1日放置した。次いで、氷1
リットルにこの混合物を少しずつ投入し、1時間攪拌
後、黄色粉末が析出した。この結晶を濾過し、アセトン
で洗浄した。結晶の乾燥後の重量は8.0gであった。
IR等によりこの結晶が化合物A−10−zであること
を確認した。
【0158】次に500mlのビーカーに化合物A−1
0−z0.02モル及びジメチルアセトアミド300m
lを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。次
いでアンモニア水0.02モルを得られた混合物に入れ
た。得られた混合物を室温で1日放置した後、水300
mlを加え、析出した結晶を濾過した。この粗結晶をア
セトン300mlで洗浄した。得られた結晶の乾燥後の
重量は4.0gであった。1 HNMR及びIRによりこ
の結晶が化合物A−10であることを確認した。 <合成例4 化合物B−3の合成>
【0159】
【化32】
【0160】2リットルの三つ口フラスコにB−3−x
(アルドリッチ化学社製)0.2モル、水500ml及
びNaOH0.4モルを入れ、Na2 2 4 0.4モ
ルを少しずつ加えた。得られた溶液を2時間攪拌した
後、濃塩酸100mlを滴下し、溶液のpHを4にし
た。さらに溶液を氷水浴で冷却し、CuSO4 0.02
モルを入れNaNO2 0.4モルを水100mlに溶か
した溶液を少しずつ滴下した。得られた混合物を1日氷
冷し、析出した黄色結晶を濾過した。得られた結晶の乾
燥後の重量は20gであった。IR等によりこの結晶が
化合物B−3−zであることを確認した。
【0161】次に、1リットルの三つ口フラスコにCl
SO3 H2.0モル及びSOCl21.0モルを入れ、
氷水浴で冷却しながら混合物に上記化合物B−3−z
モルを少しずつ入れた。得られた反応液を30分間攪
拌した後、室温で1日放置した。次いで、この反応液を
氷1リットルに少しずつ投入した。得られた溶液を1時
間攪拌した後、黄色粉末状結晶が析出した。得られた結
晶を濾過し、アセトンで洗浄した。得られた結晶の乾燥
後の重量は15gであった。IR等によりこの結晶が化
合物B−3−αであることを確認した。
【0162】次に、500mlのビーカーに化合物B−
3−α0.02モル、2,4−キシレノール0.02モ
ル及びジメチルアセトアミド300mlを入れ、氷水浴
で冷却しながら混合物を攪拌した。続いて、得られた溶
液にトリエチルアミン0.02モルをゆっくりと滴下し
た。得られた反応液を3時間攪拌した後、アンモニア水
0.02モルを入れた。得られた溶液を1日放置した
後、水300mlを加え、析出した結晶を濾過した。こ
の粗結晶をアセトン300mlに溶かし、SiO 2 カラ
ムにより(酢酸エチルで展開)分離し、黄色の粉末状の
結晶を得た。1 HNMR及びIRによりこの結晶が化合
物B−3であることを確認した。以上の方法と同様にし
て上述の化合物例に示すものを合成した。
【0163】<水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高
分子の合成> (共重合体Pの合成)攪拌機、冷却管及び滴下ロートを
備えた500ml三ツ口フラスコにメタクリル酸31.
0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.1g
(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを入
れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合
物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を約
1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、
氷水浴を取り去り、室温下で30分間混合物を攪拌し
た。
【0164】この反応混合物に、p−アミノベンゼンス
ルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、湯浴
にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応
終了後、得られた混合物を水1リットル中にこの水を攪
拌しながら投入し、30分間得られた混合物を攪拌し
た。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水
500mlを加えてスラリーにした後、このスラリーを
ろ過し、得られた固体を乾燥することによりN−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固
体が得られた(収量46.9g)。
【0165】次に、攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備
えた100ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノス
ルホニルフェニル)メタクリルアミド5.04g(0.
0210モル)、メタクリル酸エチル2.05g(0.
0180モル)、アクリロニトリル1.11g(0.0
21モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを
入れ、湯浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌し
た。この混合物にラジカル重合開始剤として、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品
名:「V−65」、和光純薬(株)製)0.15gを加
え65℃に保ちながら窒素気流下2時間混合物を攪拌し
た。この反応混合物にさらにN−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)メタクリルアミド5.04g、メタクリル
酸エチル2.05g、アクリロニトリル1.11g、
N,N−ジメチルアセトアミド20g及び上記「V−6
5」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートによ
り滴下した。滴下終了後、得られた混合物をさらに65
℃で2時間攪拌した。反応終了後、メタノール40gを
混合物に加え冷却し、得られた混合物を水2リットル中
にこの水を攪拌しながら投入し、30分間混合物を攪拌
した後、析出物をろ過により取り出して乾燥し、白色固
体の共重合体P15gを得た。
【0166】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により、この共重合体Pの重量平均分子量(ポリスチレ
ン標準)を測定したところ、5.3×104 であった。 (実施例1〜17及び比較例1〜13)以下の組成の感
光液1を調製した。
【0167】 <感光液1の組成> ・下記表1の化合物 ・・・0.25g ・赤外線吸収剤(IR−1) ・・・0.20g ・m,p−クレゾールノボラック ・・・1.0 g (m/p比=6/4、重量平均分子量3500、 未反応クレゾール0.5重量%含有) ・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを ・・・0.02g 1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 ・フッ素系界面活性剤 ・・・0.05g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) ・γ−ブチロラクトン ・・・3.0 g ・メチルエチルケトン ・・・8.0 g ・1−メトキシ−2−プロパノール ・・・7.0 g
【0168】
【化33】
【0169】
【表1】
【0170】以下の方法により製造された支持体に、感
光液1を塗布量が1.8g/m2 になるよう塗布し、平
版印刷版を得た。これを、実施例1〜17及び比較例1
〜13とした。
【0171】<支持体の作製>厚み0.3mmのアルミ
ニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄
して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパ
ミス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく
洗浄した。このアルミニウム板を45℃の25%水酸化
ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、
水洗後、さらに20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗し
た。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m
2 であった。次に、このアルミニウム板を7%硫酸を電
解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流
陽極酸化被膜を設けた後、水洗、乾燥し、さらに下記下
塗り液を塗布し、塗膜を90℃で1分間乾燥した。乾燥
後の塗膜の塗布量は10mg/m2 であった。
【0172】 <下塗り液の組成> ・β−アラニン ・・・ 0.50g ・メタノール ・・・95 g ・水 ・・・ 5.0 g (比較例14)前記感光液1の調製において、ジアゾ化
合物を添加しない他は、実施例1と同様にして平版印刷
版を製造し、これを比較例14とした。 (実施例18〜27及び比較例15〜23)下記組成の
感光液2を調製した。
【0173】 <感光液2の組成> ・下記表2の化合物 ・・・0.25g ・赤外線吸収剤(IR−2 ・・・0.20g ・上記方法により合成した共重合体P ・・・0.5 g ・m−クレゾールノボラック(重量平均分子量6000)・・・0.5 g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを ・・・0.02g 1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 ・フッ素系界面活性剤 ・・・0.05g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) ・γ−ブチロラクトン ・・・3.0 g ・メチルエチルケトン ・・・8.0 g ・1−メトキシ−2−プロパノール ・・・7.0 g
【0174】
【化34】
【0175】
【表2】
【0176】実施例1と同様な方法にて製造された支持
体に、感光液2を塗布量が1.8g/m2 になるよう塗
布し、平版印刷版を得た。これを実施例18〜27及び
比較例15〜23とした。 (比較例24)前記感光液2の調製において、ジアゾ化
合物を添加しない他は、実施例18と同様にして平版印
刷版を製造し、これを比較例24とした。
【0177】
【化35】
【0178】
【化36】
【0179】
【化37】
【0180】
【化38】
【0181】上記のように作製した実施例1〜27、お
よび比較例1〜24の各平版印刷版について、下記の基
準に基づき性能評価を行った。
【0182】<感度および現像ラチチュードの評価>実
施例1〜10および比較例1〜2の平版印刷版を、下記
表3〜6に示すように、波長840nmの半導体レー
ザ、または波長1064nmのYAGレーザを用いて露
光した。どちらのレーザを用いるかについては、含まれ
る赤外線吸収染料の吸収波長に応じて適宜選択した。露
光後、富士写真フイルム(株)製現像液DP−4、リン
ス液FR−3(1:7)を仕込んだ自動現像機(「PS
プロセッサー900VR」,富士写真フイルム(株)
製)を用いて現像した。現像液DP−4は、1:6で希
釈したものと1:12で希釈したものの二水準を用意し
た。
【0183】上記DP−4の1:6で希釈した現像液に
て得られた非画像部の線幅を測定し、その線幅に相当す
るレーザーの照射エネルギーを求め、感度の指標(mJ
/cm2 )とした。この測定値(mJ/cm2 )が小さ
いほど、平版印刷版の感度が高いことを示す。
【0184】次に、標準である1:6で希釈した現像液
と、より希薄な1:12で希釈した現像液にて得られた
非画像部の線幅を測定し、その線幅に相当するレーザー
の照射エネルギーを求め、両者の感度の差を現像ラチチ
ュードの指標とした。その差が小さいほど現像ラチチュ
ードが良好であり、20mJ/cm2 以下であれば、実
用可能なレベルである。
【0185】<保存安定性の評価>実施例1〜10の平
版印刷版を温度60℃、湿度45%RHの環境下で3日
間保存し、その後、前記と同様の方法でレーザ露光およ
び現像を行い、同様に感度を求め、前記の結果と比較し
その差を求め、保存安定性の指標とした。感度の変動
は、20mJ/cm2 以下であれば、保存安定性は良好
であり、実用可能なレベルである。
【0186】表3〜6に評価結果を示す。
【0187】
【表3】
【0188】
【表4】
【0189】
【表5】
【0190】
【表6】
【0191】上記結果から、実施例1〜27の平版印刷
版は比較例1〜24の平版印刷版に比べ、赤外線レーザ
に対する感度が高く、また、前記2水準の現像液を用い
たときのそれぞれの感度の差が格段に小さく、十分に実
用可能な現像ラチチュードを有することが分かる。
【0192】更に、実施例1〜27の平版印刷版は全て
において、比較例1〜24の平版印刷版に比べ、保存前
後における感度変動が極めて小さく、保存安定性に優
れ、十分に実用可能なレベルを満足している。 (実施例28〜32及び比較例25〜30)以下の組成
の感光液3を調製した。 <感光液3の組成> ・下記表7の化合物 ・・・0.3 g ・m,p−クレゾールノボラック ・・・1.0 g (m/p比=7/3、重量平均分子量5000) ・ポリ−p−ヒドロキシスチレン ・・・0.1 g (重量平均分子量20000) ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを ・・・0.02g 1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 ・フッ素系界面活性剤 ・・・0.05g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) ・メタノール ・・・3.0 g ・メチルエチルケトン ・・・8.0 g ・1−メトキシ−2−プロパノール ・・・7.0 g
【0193】
【表7】
【0194】実施例1と同様な方法にて製造された支持
体に感光液3を塗布量1.8g/m 2 になるように塗布
し、実施例28〜32及び比較例25〜30の平版印刷
版を得た。
【0195】上記のように作製した実施例28〜32及
び比較例25〜30の各平版印刷版について、下記の基
準に基づき性能評価を行った。結果を表8に示す。 <感度及び乾燥耐性の評価>各平版印刷版の感光層上に
濃度差0.15のグレースケールを密着させ、2kWの
高圧水銀灯で50cmの距離から2分間露光を行った。
露光した印刷版を上述のDP−4の1:8水希釈液に2
5℃、30秒つけて現像した。この時に得られるグレー
スケールのクリア段数を読み、感度とした。段数が多い
程高感度である。
【0196】また、次に未露光の印刷版を60℃で24
時間真空乾燥したものを用意し、上記と同様に水銀灯で
露光し、現像した。この時に得られるグレースケールの
クリア段数を読み、上記乾燥していないもののクリア段
数との差を、乾燥耐性の指標とした。この段数の差は1
段以下が実用上好ましい。
【0197】
【表8】
【0198】表8の結果より明らかに実施例の平版印刷
版には乾燥状態で特に高感度を維持する能力があるこ
と、換言すれば、水分の乏しいヒートモードによる記録
用に優れることがわかる。
【0199】
【発明の効果】本発明のポジ型感光性組成物は、ヒート
モードレーザに対し高感度で、かつ現像ラチチュードに
優れ、しかも長期での保存安定性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA04 AB03 AC01 AC08 AD03 BE00 CB14 CB15 CB17 CB29 CB52 CC20 FA03 FA17 2H096 AA07 AA08 AA30 BA09 BA16 BA20 EA02 EA04 GA08 2H114 AA06 AA23 BA01 DA34 FA15 FA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、下記一般式(1)で表され
    るジアゾ化合物及び水不溶性、且つアルカリ水可溶性の
    高分子を含有するポジ型感光性組成物。 【化1】 〔一般式(1)中、Xは酸素原子又はN−Rを示し、R
    はPh−NH−Rの解離性のpKaが14以下となる有
    機基を示し、Qは有機基を示し、Pは有機連結基を示
    し、Q及びPが連結して脂肪環又は芳香環を形成しても
    よい。ZA 及びZBは一般式(1)の構造におけるジア
    ゾニオ基の分解により発生する中間体と分子内環化でき
    る有機基を示し、kは0又は1を示す。〕
  2. 【請求項2】 赤外線吸収剤をさらに含有する請求項1
    に記載のポジ型感光性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019174793A (ja) * 2018-03-26 2019-10-10 Jsr株式会社 感放射線性組成物および1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸誘導体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019174793A (ja) * 2018-03-26 2019-10-10 Jsr株式会社 感放射線性組成物および1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸誘導体
CN110361932A (zh) * 2018-03-26 2019-10-22 Jsr株式会社 感放射线性组合物和1,2-萘醌-2-二叠氮磺酸衍生物

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