JP2000249521A - 缶蓋のスコア残厚測定方法および装置 - Google Patents

缶蓋のスコア残厚測定方法および装置

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JP2000249521A
JP2000249521A JP11054878A JP5487899A JP2000249521A JP 2000249521 A JP2000249521 A JP 2000249521A JP 11054878 A JP11054878 A JP 11054878A JP 5487899 A JP5487899 A JP 5487899A JP 2000249521 A JP2000249521 A JP 2000249521A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 受光部を設ける必要がなく、測定対象となる
缶蓋のスコア溝の深さや形状に関係なく、多くの缶蓋の
スコア残厚を正確に且つ効率良く迅速に測定することが
できるようにする。 【解決手段】 頂端が微小な平面2aに形成された接触
子2に対して、一定距離で焦点を結ぶように光を照射す
る照明手段(顕微鏡ユニット3に付設)を、軸線方向に
移動可能なように設置することで、表面に破断可能なス
コア溝25が刻設されている缶蓋20について、先ず、
缶蓋20をセットしていない状態で、接触子2の頂端の
平面2aに照射光の焦点が合う位置まで照明手段(顕微
鏡ユニット3)を移動させて、その位置を原点として設
定してから、次いで、缶蓋20をセットした状態で、ス
コア溝25の底面に照射光の焦点が合う位置まで照明手
段(顕微鏡ユニット3)を移動させて、その移動距離d
をスコア残厚として示すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イージーオープン
缶の天板側端壁として缶胴に巻締固着される開口容易缶
蓋について、缶蓋の表面に破断可能に刻設されているス
コア溝の残厚を測定するための方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イージーオープン缶の天板側端壁として
缶胴に巻締固着される缶蓋、すなわち、缶蓋の表面に破
断可能なスコア溝が刻設され、缶蓋に付設されたタブの
操作によりスコア溝を破断して開缶するようにした開口
容易缶蓋については、飲料缶詰では缶蓋の一部を注出口
として部分的に開口するタイプが、また、各種の固体食
品やゼリー,プリン等のような広い開口部を必要とする
食品の缶詰では缶蓋のパネル部を略全面的に切除する全
面開口タイプが、何れも従来から一般的に使用されてい
る。
【0003】また、全面開口タイプの開口容易缶蓋で
は、缶蓋開口時に除去される部分(開口片)の鋭い破断
端に触れて消費者が負傷しないように、パネル部を断面
S字状に折り畳んで三重に重ねた重層部を、缶蓋のパネ
ル部の開口片となる部分の縁部に沿って環状に形成する
と共に、開口片を規定する環状のスコア線を重層部の最
上層に刻設したような構造が従来から公知となっている
(例えば、特開昭48−98989号公報,特開昭49
−73285号公報,特開昭49−118589号公報
等参照)。
【0004】そのような開口容易缶蓋では、何れのタイ
プのものであっても、缶蓋の表面に刻設されるスコア溝
については、その部分での強度が搬送時の衝撃等によっ
て破断しない程度に強く、また、開缶時のタブを引き上
げた場合には容易に破断する程度に弱いことが必要であ
って、そのためには、缶蓋の板厚(内外面塗膜込み)か
らスコア溝の深さを差し引いたスコア残厚が予め設計上
定められた範囲内に入っていることを確認しておくこと
が必要となる。
【0005】そこで、製造された缶蓋を適当な間隔で抜
き取ったサンプルについて、従来の板厚を測定する装置
にかけてそれぞれの缶蓋のスコア残厚を測定するという
ことが従来から行なわれているが、そのようなスコア残
厚の測定では、缶蓋の抜き取りやその後の測定を手作業
で行なうことにより、作業能率が悪いだけでなく、缶蓋
のスコア溝の底面に測定針を突き当てるという作業を手
作業で行う場合、測定針の先端部をスコア溝の底面に正
確に落とし込むのに熟練技術を必要とし、測定者毎の誤
差が大きいものになるため、測定精度のバラツキが大き
なものになるという問題がある。
【0006】また、開口容易缶蓋では、通常、缶蓋の材
料としてアルミ合金が使用され、スコア溝は最小幅が4
0μm程度の細い溝とされていることから、スコア溝の
底面に測定針を突き当てるためには、測定針の先端部を
溝幅よりも小さく直径20μm程度とする必要があり、
しかも、スコア溝の底面を傷つけないためには測定針の
先端部をあまり硬質にはできない。そのため、測定針の
先端部が細く柔らかいことで早期に摩耗してしまい、そ
の太さがスコア溝の幅より大きくなって正確な測定を行
えなくなるので、測定針の交換もしくは研磨を頻繁に行
わなければならないという問題もある。
【0007】これに対して、光(スリット光やビーム
光)をスコア溝とその周囲に照射することで、その反射
光に基づいてスコア残厚を測定するような方法が従来か
ら公知となっており(例えば、特開平4−122808
号公報,特開平8−136232号公報等参照)、その
ような光(スリット光やビーム光)を用いて非接触の状
態でスコア残厚を測定する方法によれば、上記のような
測定針によるスコア残厚測定の場合の問題を解消するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来公知の光による缶蓋のスコア残厚測定方法につい
ては、何れも、缶蓋に照射光(スリット光又はビーム
光)を投光してその反射光によりスコア残厚の測定を行
なうことから、投光部(投光器)と受光部(受光器)が
それぞれ必要となり、また、各缶蓋毎にそれぞれ缶蓋の
パネル部の板厚とスコア溝の深さを測定する(即ち、そ
れぞれの缶蓋毎にスコア溝の底面とその周辺のパネル部
表面とにそれぞれ投光してその反射光を検知する)こと
から、多くの缶蓋のスコア残厚測定を効率良く且つ迅速
に行なうことができない。
【0009】また、投光部と受光部が視差(切断角)を
もって配置され、所定の角度で投光した光の反射光によ
り被検査物の表面の凹凸を検査するような光切断法を利
用したものであることから、スコア溝の深さや形状によ
っては、投光した光の反射光がスコア溝の内側壁に干渉
して、スコア溝の断面形状を正確に測定できないという
ような問題を生じることがある。
【0010】すなわち、光切断法については、一般的
に、非接触で三次元形状を計測するのに使用され、スリ
ットを通した光を被検査物の表面にレンズを通して45
°の角度で投影し、その反射光により被検査物の表面の
凹凸が線で詳細に描き出されるのを見ることで、被検査
物の表面の状態を調べることができるものであるが、注
意点としては、投光部と受光部が視差(切断角)をもっ
て配置されるので、被検査物の表面の溝等の深い部分に
ついては、その周囲がオーバーハングとなって計測でき
ない不可視領域を生じる場合があって、上記のような缶
蓋のスコア残厚の測定における問題はその典型的な一例
である。
【0011】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、光により非接触の状態
で缶蓋のスコア残厚を測定するに際して、反射光によら
ず照射光の投光だけでスコア残厚を測定できるようにす
ることで、反射光のための受光部を設ける必要がなく、
また、測定対象となる缶蓋のスコア溝の深さや形状に関
係なく、多くの缶蓋のスコア残厚を正確に且つ効率良く
迅速に測定することができるようにすることを課題とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、頂端が微小な平面に形成された
接触子に対して、一定距離で焦点を結ぶように光を照射
する照明手段を、接触子の頂端の平面と垂直な線を軸線
として軸線方向に移動可能なように設置することで、表
面に破断可能なスコア溝が刻設されている缶蓋につい
て、先ず、缶蓋をセットしていない状態で、接触子の頂
端の平面に照射光の焦点が合う位置まで照明手段を移動
させて、その位置を原点として設定してから、次いで、
スコア溝の底面に対応する缶蓋の裏面に接触子の頂端を
接触させるように缶蓋をセットした状態で、スコア溝の
底面に照射光の焦点が合う位置まで照明手段を移動させ
て、その移動距離をスコア残厚として示すようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0013】上記のような缶蓋のスコア残厚測定方法に
よれば、反射光の受光部のようなものを設ける必要な
く、照明手段による照射光の投光だけで容易にスコア残
厚を測定することができ、しかも、照明手段の原点位置
を一度設定しておけば、その後は、各缶蓋のスコア溝に
照射光の焦点を合わすだけで、多くの缶蓋のスコア残厚
を効率良く且つ迅速に測定することができると共に、ス
コア溝の底面に対して垂直方向から投光した照射光の焦
点によってスコア残厚を測定することから、スコア溝の
深さや形状に関係なくスコア残厚を正確に測定すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の缶蓋のスコア残厚
測定方法および装置の実施形態について、図面に基づい
て詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明のスコア残厚測定方法を実
施するための装置の一例について、装置の全体を概略的
に示すものである。そのようなスコア残厚測定装置につ
いて、図2(A)は、缶蓋をセットする前に照射光の焦
点を接触子の頂端に合わせてスケールを原点(ゼロ点)
校正した状態を示し、図2(B)は、缶蓋をセットして
から照射光の焦点をスコア溝の底面に合わせてスコア残
厚を測定した状態を示すものである。また、図3(A)
(B)は、図2(A)(B)に示したそれぞれの状態の
要部を部分的に拡大して示すものである。
【0016】本実施形態のスコア残厚測定装置1では、
上部が先細りに尖った形状の接触子2と、顕微鏡ユニッ
ト3とが、前後・左右方向に移動可能なテーブル4の上
にそれぞれ設置されており、接触子2に対して缶蓋を位
置決めしてセットするための缶蓋位置決め用テーブル5
が、テーブル4の側方で上下・左右方向に移動可能なよ
うに設置されている。
【0017】接触子2は、上部が缶蓋位置決め用テーブ
ル5の方に近づくように軸線を傾けた状態で、固定用治
具6によりテーブル4上の定位置に固定されており、図
3(A)に示すように、軸線を傾けた状態で固定される
接触子2の頂端には、最大幅が50μm程度の微小な平
面(水平面)2aが形成されている。
【0018】顕微鏡ユニット3は、CCDカメラ8を接
眼レンズの部分に着設した顕微鏡7に対して、その対物
レンズの側から下方に照射光を投光するための同軸照明
装置9を一体化したものであって、接眼レンズと対物レ
ンズのそれぞれの中心を通る顕微鏡7の軸線が、接触子
2の頂端の平面に対して垂直方向となるように、接触子
2の上方で上下方向に移動可能に設置されている。
【0019】すなわち、顕微鏡ユニット3は、その移動
方向が接触子2の頂端の平面に対して垂直方向となるよ
うに、粗動用と微動用とがそれぞれ別になっている粗動
/微動用ハンドル10により上下方向に任意に移動可能
なようにテーブル4上の定位置に設置されており、粗動
/微動用ハンドル10の回動により上下動する顕微鏡ユ
ニット3の移動量を得るために、スケール装置(リニア
ゲージ)11が顕微鏡ユニット3の一部として設けられ
ている。
【0020】顕微鏡ユニット3の同軸照明装置9は、ハ
ロゲンランプを使用した高輝度冷光照明によるものであ
って、照明ランプ(ハロゲンランプ)の光を、各反射板
9a,9bを介して、顕微鏡7の下端から一定の距離
(顕微鏡のピントの合う位置)で照射光が焦点を結ぶよ
うに、顕微鏡7の対物レンズを通して光を接触子2の方
向に向けて照射するように構成されている。
【0021】なお、本実施形態では、一般に画像処理を
利用した非接触での位置計測や距離計測に使用されるタ
ーゲットマーク方式が、同軸照明装置9の内部に組み込
まれており、具体的には、ターゲットマークを現わすた
めのスリットを設けた半透明のフィルタ板9cが同軸照
明装置9の内部に組み込まれていて、それにより、同軸
照明装置9からの照射光の焦点が合う位置でターゲット
マークが現われるように構成されている。また、接触子
2の頂端の平面2aとスコア溝25の底面が平行でない
場合には、ターゲットマークの線の太さが違って(均一
でなく)現われるように構成されている。
【0022】そのように顕微鏡7にCCDカメラ8と同
軸照明装置9とスケール装置11を一体的にユニット化
した顕微鏡ユニット3に対して、CCDカメラ8のため
の電源12や、同軸照明装置9のための照明用電源13
や、CCDカメラ8により撮った映像を画面に表示する
ためのモニタ用ディスプレイ14や、スケール装置11
により得られた顕微鏡の移動量を数字で表示するための
スケール表示器15が、それぞれケーブルを介して顕微
鏡ユニット3のそれぞれの部分と接続された状態で、適
宜の場所に設置されている。
【0023】上記のようなスコア残厚測定装置による本
発明のスコア残厚測定装置の一実施形態について以下に
説明する。
【0024】本実施形態では、スコア残厚測定の対象と
なる缶蓋20は、安全構造を備えた全面開口タイプの開
口容易缶蓋であって、図4(A)に示すように、アルミ
ニウム合金の薄板をプレス成形することでパネル部21
の外周にフランジ部22を一体成形した本体に対して、
開口操作用のタブ23がパネル部21にリベット部分2
4で一体的に固着されており、フランジ部22に沿った
パネル部21の周辺部分に、全体としては開口片(缶蓋
開口時に破断除去される部分)を規定するような環状
(無端状)となるように、スコア溝25と重層部26が
それぞれ形成されている。
【0025】すなわち、図4(B)に示すように、缶蓋
20の表面側に破断可能なスコア溝25が刻設されてい
ると共に、缶蓋20の裏面側に、破断されたスコア溝2
5の鋭い破断端に触れて消費者が負傷しないように、パ
ネル部21の金属板を断面S字状に折り畳んで三重に重
ねた重層部26が形成されており、この重層部26は、
缶蓋周辺側(フランジ部22の側)に続く側が最上層2
6aとなり、缶蓋中央側に続く側が最下層26cとなっ
ていて、重層部26の最上層26aの上面側にスコア溝
25が刻設されている。
【0026】そのような開口容易缶蓋20のスコア残厚
(スコア溝25の底面での板厚)について、既に説明し
たようなスコア残厚測定装置により測定する場合、先
ず、図2(A)および図3(A)に示すように、缶蓋2
0をセットしていない状態で、顕微鏡ユニット3の同軸
照明装置9からの光を接触子2の頂端に向けて照射し
て、CCDカメラ8により撮った顕微鏡7の視野の映像
をモニタ用ディスプレイ14で見ながら、その画面にタ
ーゲットマークが現れる位置まで、粗動/微動用ハンド
ル10により顕微鏡ユニット3を上下方向に移動させ
て、照射光の焦点を接触子2の頂端(平面2a)に合わ
せた時点で、顕微鏡ユニット3のスケール装置(リニア
ゲージ)11の計測結果を表示しているスケール表示器
15の表示をゼロにリセットして、原点(ゼロ点)校正
を行なう。
【0027】次いで、図2(B)および図3(B)に示
すように、缶蓋位置決め用テーブル5に載置された缶蓋
20を、接触子2の頂端(平面2a)がスコア溝25の
底面の裏側に位置するようにセットしてから、CCDカ
メラ8により撮った顕微鏡7の視野の映像をモニタ用デ
ィスプレイ14で見ながら、その画面にターゲットマー
クが現れる位置まで、粗動/微動用ハンドル10により
顕微鏡ユニット3を上下方向に移動させ、また、接触子
2の頂端の平面2aとスコア溝25の底面が平行になる
ようターゲットマークの線の太さが均一となるようにテ
ーブル5を上下・左右方向に移動させて、照射光の焦点
をスコア溝25の底面に合わせた時点で、スケール表示
器15に表示された数値をスコア残厚として読み取る。
すなわち、図3に示す上下方向の移動量dがスコア残厚
であり、これが数字でスケール表示器15に表示され
る。
【0028】なお、本実施形態に示したような開口片の
安全性のためにパネル部21に重層部26を形成した缶
蓋20の場合には、缶蓋20を載せたテーブル5を、先
ず、缶蓋20の端部が接触子2の上に載るように適当な
高さに移動させてから、次いで、接触子2を固定したテ
ーブル4に近づけるように移動させると、図3(B)に
示すように、缶蓋20の裏面側で接触子2の先端部が重
層部26の側面(パネル折曲部)に当接することで、接
触子2の頂端の平面2aがスコア溝25の底面の裏側に
位置するように自動的に缶蓋20が位置決めされること
となる。
【0029】上記のような本実施形態の缶蓋のスコア残
厚測定方法および装置によれば、反射光の受光部のよう
なものを設ける必要なく、同軸照明装置9による照射光
の投光だけでスコア残厚を測定することができると共
に、スケール装置(リニアゲージ)11によるスケール
表示器15の表示をゼロにリセットすることで、原点
(ゼロ点)の校正を最初に一度だけ行なっておけば、そ
の後は、測定する各缶蓋のスコア溝に同軸照明装置9の
照射光の焦点を合わすだけで、それぞれの缶蓋のスコア
残厚を容易に測定することができるため、多数の缶蓋の
スコア残厚測定を効率良く且つ迅速に行うことができ
る。
【0030】また、同軸照明装置9による照射光をスコ
ア溝の底面に対して垂直方向から投光して焦点を合わす
ことでスコア残厚を測定するため、スコア溝の深さや形
状が異なったとしても、スコア溝の位置がずれていなけ
れば、常にスコア溝の底面に照射光の焦点を合わすこと
ができて、スコア溝の深さや形状に関係なく様々な缶蓋
のスコア残厚を正確に測定することができる。
【0031】また、本実施形態では、反射光を利用した
スコア残厚測定とは異なり、CCDカメラ8とモニタ用
ディスプレイ14を用いたりして、顕微鏡7の視野に入
ったスコア溝の底面の実像を見るため、目視検査により
近く、スコア残厚の測定と同時に、スコア溝の底面の状
態をも観察することができて、製品の品質をより確実に
保証することができる。
【0032】また、本実施形態では、同軸照明装置9に
対してターゲットマーク方式を組み込むことにより、同
軸照明装置9からの照射光の焦点が合うとモニタ用ディ
スプレイ14の画面にターゲットマークが現れるように
して、照射光の焦点が合ったことを認識し易くしている
ことで、多数の缶蓋についてのより一層高速な処理が可
能となり、また、測定者毎の測定誤差を少なくすること
ができて測定値の信頼性を高めることができる。
【0033】さらに、本実施形態では、開口片の安全性
のためにパネル部21に重層部26を形成した全面開口
タイプの缶蓋20について、そのスコア残厚を測定して
いるが、特にそのような缶蓋20のスコア残厚を測定す
る場合には、スコア残厚の測定と同時に、更に、スコア
溝25に対する重層部26の張出量の目視確認による良
否判定を行なうことができるという独特の効果を奏する
こととなる。
【0034】すなわち、スコア溝25に対する重層部2
6の張出量が正常なときには、図5(A)に示すよう
に、スコア溝25の底面がモニタ画面の中央(或いはモ
ニタ画面の範囲内)に現れるが、スコア溝25に対する
重層部26の張出量が正常値の範囲から外れている場合
には、図5(B)或いは図5(C)に示すように、スコ
ア溝25の底面がモニタ画面の端部に部分的に現れた
り、モニタ画面の端部から完全に外れる(顕微鏡のCC
Dカメラの視野外となる)こととなり、それによって重
層部26の張出量の良否を容易に判定することができ
る。
【0035】なお、図5(B)に示すように、スコア溝
25の底面がモニタ画面の一方(左側)の端部に外れ
て、スコア溝25に対する重層部26の張出量が小さい
場合には、缶本体側に残った破断縁と開口片の重層部2
6とは接触することなく、缶蓋の開口という点では問題
はないが、開口片の破断縁が重層部26よりも半径方向
外側へ張り出すことから、破断除去される開口片の安全
性に問題がある(設計上よりも安全性が劣る)ものと判
定される。
【0036】一方、図5(C)に示すように、スコア溝
25の底面がモニタ画面の他方(右側)の端部に外れ
て、スコア溝25に対する重層部26の張出量が大きい
場合には、開口片の安全性には問題はない(安全性はよ
り大きい)が、初期破断した開口片を引き上げて除去す
る際に、缶本体側に残った破断縁と開口片の重層部26
とが接触することから、結果的には、開口片を破断除去
するときの抵抗が大きく開缶が困難となることで不適正
なものと判定される。
【0037】以上、本発明の缶蓋のスコア残厚測定方法
および装置について一実施形態により説明したが、本発
明は、上記のような実施形態にのみ限定されるものでは
なく、例えば、測定の対象となる缶蓋については、上記
の実施形態に示したような開口片の安全性を備えた全面
開口タイプの缶蓋に限らず、パネル部の表面にスコア溝
が刻設されたその他の開口容易缶蓋に対しても適用可能
なものである。
【0038】また、測定方法や装置についても、例え
ば、一定距離で焦点を結ぶように光を照射する照明手段
に対してターゲットマーク方式を組み込むことなく実施
することも可能であり、顕微鏡の視野をCCDカメラに
よりモニタ用ディスプレイに画像として表示させること
なく実施することも可能であり、照射光の焦点が合うの
を、顕微鏡を通して目視するのではなく、何らかの視覚
センサにより検知させることによって実施することも可
能である等、適宜変更可能なものであることはいうまで
もない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したような本発明の缶蓋のスコ
ア残厚測定方法および装置によれば、反射光の受光部の
ようなものを設ける必要なく、照明手段による照射光だ
けで効率良く容易にスコア残厚を測定することができ、
しかも、照明手段の原点位置を一度設定しておけば、そ
の後は、各缶蓋のスコア溝に照射光の焦点を合わすだけ
で、多くの缶蓋のスコア残厚を迅速に測定することがで
きると共に、スコア溝の底面に対して垂直方向から投光
した照射光の焦点によってスコア残厚を測定することか
ら、スコア溝の深さや形状に関係なくスコア残厚を正確
に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶蓋のスコア残厚測定方法を実施する
ための装置の一実施形態について、その全体を概略的に
示す正面説明図。
【図2】図1に示したスコア残厚測定装置について、
(A)缶蓋をセットする前に照射光の焦点を接触子の頂
端に合わせてスケールを原点(ゼロ点)校正した状態、
および(B)缶蓋をセットしてから照射光の焦点をスコ
ア溝の底面に合わせてスコア残厚を測定した状態をそれ
ぞれ示す正面説明図。
【図3】図1に示したスコア残厚測定装置について、
(A)缶蓋をセットする前に照射光の焦点を接触子の頂
端に合わせる状態、および(B)缶蓋をセットしてから
照射光の焦点をスコア溝の底面に合わせる状態をそれぞ
れ示す要部拡大説明図。
【図4】本発明の缶蓋のスコア残厚測定方法の実施対象
の一つである開口片の安全性の備えた全面開口タイプの
缶蓋について、(A)缶蓋の全体を示す断面図、および
(B)缶蓋の一部を拡大して示す断面図。
【図5】図1に示したスコア残厚測定装置により、開口
片の安全性を備えた全面開口タイプの缶蓋について、ス
コア残厚の測定と同時に、スコア溝に対する重層部の張
出量の良否判定を行なう場合について、(A)張出量が
正常な場合、(B)張出量が小さい場合、(C)張出量
が大きい場合のそれぞれを、測定状態とモニタ画面によ
り示す説明図。
【符号の説明】
1 缶蓋のスコア残厚測定装置 2 接触子 3 顕微鏡ユニット 5 缶蓋位置決め装置 7 顕微鏡 8 CCDカメラ 9 同軸照明装置(照明手段) 9c フィルタ板(ターゲットマークを現わす手
段) 10 粗動/微動用ハンドル 11 スケール装置(スケール手段) 14 モニタ用ディスプレイ 15 スケール表示器(スケール手段) 20 缶蓋 25 スコア溝 26 重層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA30 CC00 DD06 DD12 DD19 FF04 FF26 GG02 HH04 HH13 JJ03 JJ26 LL04 LL12 LL30 MM24 PP24 QQ25 SS13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂端が微小な平面に形成された接触子に
    対して、一定距離で焦点を結ぶように光を照射する照明
    手段を、接触子の頂端の平面と垂直な線を軸線として軸
    線方向に移動可能なように設置することで、表面に破断
    可能なスコア溝が刻設された缶蓋について、先ず、缶蓋
    をセットしていない状態で、接触子の頂端の平面に照射
    光の焦点が合う位置まで照明手段を移動させて、その位
    置を原点として設定してから、次いで、スコア溝の底面
    に対応する缶蓋の裏面に接触子の頂端を接触させるよう
    に缶蓋をセットした状態で、スコア溝の底面に照射光の
    焦点が合う位置まで照明手段を移動させて、その移動距
    離をスコア残厚として示すようにしたことを特徴とする
    缶蓋のスコア残厚測定方法。
  2. 【請求項2】 接触子の頂端の平面と垂直な線を軸線と
    して軸線方向に移動可能に設置された顕微鏡に対して、
    一定距離で焦点を結ぶように光を照射する照明手段を、
    同軸照明となるように一体的にユニット化することで、
    先ず、缶蓋をセットしていない状態で、顕微鏡の視野を
    見ながら接触子の頂端の平面に照射光の焦点が合う位置
    まで顕微鏡ユニットを移動させて、顕微鏡ユニットの移
    動距離を示すためのスケール手段にその位置を原点とし
    て設定してから、次いで、スコア溝の底面に対応する缶
    蓋の裏面に接触子の頂端を接触させるように缶蓋をセッ
    トした状態で、顕微鏡の視野を見ながらスコア溝の底面
    に照射光の焦点が合う位置まで顕微鏡ユニットを移動さ
    せて、その移動距離をスケール手段によりスコア残厚と
    して示すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    缶蓋のスコア残厚測定方法。
  3. 【請求項3】 照明手段による照射光の焦点が合う位置
    でターゲットマークが現れるようにしたことを特徴とす
    る請求項2に記載の缶蓋のスコア残厚測定方法。
  4. 【請求項4】 顕微鏡の視野をCCDカメラを通してモ
    ニタ用ディスプレイに画像として表示させ、顕微鏡ユニ
    ットに付設されたスケール装置を介して顕微鏡ユニット
    の移動量をスケール表示器に数字で表示させるようにし
    たことを特徴とする請求項2又は3に記載の缶蓋のスコ
    ア残厚測定方法。
  5. 【請求項5】 スコア残厚測定の対象となる缶蓋が、缶
    蓋開口時に破断除去される開口片の縁部に沿って環状
    に、パネル部をS字状に折り畳んで三重に重ねた重層部
    が形成されている、安全構造を備えた全面開口タイプの
    開口容易缶蓋であることを特徴とする請求項1乃至4に
    記載の缶蓋のスコア残厚測定方法。
  6. 【請求項6】 接眼レンズの部分にCCDカメラを着設
    した顕微鏡と、顕微鏡と同軸的に一定距離で焦点を結ぶ
    ように光を照射する同軸照明装置と、顕微鏡の移動距離
    を得るためのスケール装置とを一体的にユニット化した
    顕微鏡ユニットが、頂端が微小な平面に形成された接触
    子に対して、接触子の頂端の平面と垂直な線を軸線とし
    て粗動/微動用ハンドルにより軸線方向に移動可能なよ
    うに設置されていると共に、顕微鏡ユニットのCCDカ
    メラで撮った顕微鏡の視野を画像として表示するための
    モニタ用ディスプレイと、缶蓋を接触子に対して位置決
    めしてセットするための缶蓋位置決め装置と、スケール
    装置により得られた顕微鏡ユニットの移動距離をスコア
    残厚として表示するためのスケール表示器とがそれぞれ
    設けられていることを特徴とする缶蓋のスコア残厚測定
    装置。
  7. 【請求項7】 同軸照明装置に対して、照射光の焦点が
    合う位置でターゲットマークを現わすような手段が組み
    込まれていることを特徴とする請求項6に記載の缶蓋の
    スコア残厚測定装置。
  8. 【請求項8】 缶蓋開口時に破断除去される開口片の縁
    部に沿って環状に、パネル部をS字状に折り畳んで三重
    に重ねた重層部が形成されている、安全性を備えた全面
    開口タイプの開口容易缶蓋に対して、接触子の頂端の平
    面が缶蓋の裏面に接触し、且つ、缶蓋の重層部のパネル
    折曲部分に接触子が接触するように、接触子の頂端の平
    面や缶蓋の蓋面に対して接触子の軸線が斜め方向となる
    ように設置されていることを特徴とする請求項6又は7
    に記載の缶蓋のスコア残厚測定装置。
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