JP2016173271A - 穴検査装置および穴検査方法 - Google Patents

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Jiyunjirou Katou
純次郎 加藤
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Abstract

【課題】、穴(特にネジ穴)の良不良を精度よく判定して、誤判定を減らすことができる穴検査装置および穴検査方法を提供する。
【解決手段】穴検査装置は、レーザー発振器11と、ハーフミラー12と、プローブ支柱2と、プローブ支柱先端のミラー14と、ミラー14とハーフミラー12とを結ぶレーザー光の光軸Lの延長線上に設けられた受光素子13と、レーザー光の光軸Lから離れた位置に配設されたイメージセンサ15とを備える。穴内部の検査対象箇所Tへのレーザー光照射に応答して、当該検査対象箇所Tから受光素子13に帰還する光の強度を解析することにより、穴の良不良が一次判定される。また、イメージセンサ15上に結像した検査対象箇所Tの画像の位置に基づいて、当該検査対象箇所の凹凸状況が計測される。一次判定の結果と凹凸状況の計測結果とを照合することで、穴の良不良の誤判定を見つける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ネジ穴等の穴を検査するための穴検査装置および穴検査方法に関する。特に、鋳造品に形成されたネジ穴の内部における表面欠陥の有無を検査するための装置および方法に関する。
鋳造品にあっては、溶湯の凝固速度の差等に起因して事後的に鋳巣(例えば引け巣)が製品表面に現れることがある。時には、鋳造品に仕上げ加工を施した後に鋳巣が顕在化することもある。それ故、仕上げ加工後であっても鋳物製品の品質検査は欠かせない。製品を検査する際、製品の外観については目視で比較的容易に検査することができるが、製品に形成された穴の内部のように奥まったところの目視検査は難しく、とりわけネジ穴の検査には、かなりの熟練を必要とする。一製品あたりのネジ穴の数が多くなると、それに応じてネジ穴検査のための所要時間も長くなり、生産性が悪化する。このような事情から、ネジ穴の検査を効率化するための検査装置や検査方法が種々提案されている。
特許文献1は、ネジ穴の内部に検査ヘッドを挿入することなく、ネジ穴の内部表面欠陥を検査する手法を開示する。具体的には、対物レンズとして視野角の大きい広角レンズを用いてネジ穴の外からネジ穴内部を撮影し、その撮影した画像を画像処理してネジ穴内部における欠陥の有無を判定している。
特許文献2は、その図1に示すように、ネジ穴の内部にプローブ115を挿入し、プローブ115の先端に設けられた投光素子116からネジ穴の内周面に向けてレーザー光を照射すると共に、ネジ穴内周面からの反射光をプローブ115先端の受光素子117で受光して、ネジ穴の内部形状の良否を検査する手法を開示する。なお、文献2では、受光素子117で受光した輝度のデータに基づき、点群角度α及び点群間隔β(文献2の図6参照)を演算し、点群角度α及び点群間隔βがそれぞれ、予め取得された有効点群角度範囲及び有効点群間隔範囲に収まっているか否かに基づいて、ネジ穴の内部形状の良否を判定している。
特開2011−89826号公報 特開2009−14347号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の検査手法にも少なからず難点がある。
特許文献1のように広角レンズを用いることでネジ穴内に検査ヘッドを挿入する必要を無くした場合、広角レンズはネジ穴の開口部から所定距離だけ離して配置されることになるため(文献1の要約)、広角レンズでは捉えることのできない死角が生じやすく、死角に隠れた欠陥を検出することができない。
また、特許文献2の技術では、投光素子116から照射したレーザー光が、ネジ穴内周面(検査対象)で反射して戻ってくる光の輝度値の点情報に基づいて画像の処理及び解析を行っている。このため、ネジ穴加工時に生じた穴表層のムシレ(ムシレとは、ささくれ、バリの類のこと)に影響されてレーザー光が散乱することがあり、この不規則なレーザー光散乱の結果、現実には内部表面欠陥が存在しないにもかかわらず、内部表面欠陥が存在する場合と似かよった輝度パターンを生み出すことがあり、このことがしばしば誤検出を生じさせていた。つまり、内部表面欠陥の有無を精度よく判定するには、十分であるとは言い難い点があった。
本発明の目的は、穴(特にネジ穴)の良不良を精度よく判定して、誤判定を減らすことができる穴検査装置および穴検査方法を提供することにある。
本発明の穴検査装置は、
レーザー光源としてのレーザー発振器と、
前記レーザー発振器からのレーザー光を入反射可能な位置に設けられたハーフミラーと、
前記ハーフミラーによって反射されるレーザー光の光軸と平行に配設されたプローブ支柱と、
前記プローブ支柱の先端位置に設けられると共に、前記ハーフミラーからのレーザー光を穴内部の検査対象箇所に向けて照射可能なミラーと、
前記ミラーと前記ハーフミラーとを結ぶレーザー光の光軸の延長線上に設けられた受光素子とを備え、
前記レーザー光照射に応答して、前記穴内部の検査対象箇所から前記ミラー及びハーフミラーを経由して前記受光素子に帰還する光の強度を解析することにより、穴の良不良を検査する穴検査装置であって、
当該穴検査装置は、前記ミラーと前記ハーフミラーとを結ぶレーザー光の光軸から離れた位置に配設されたイメージセンサを更に備え、当該イメージセンサは、前記レーザー光照射の際に前記検査対象箇所で散乱した光を前記ミラー経由で受け入れて撮像し、
前記イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づいて、当該検査対象箇所における凹凸状況を計測可能としたことを特徴とする穴検査装置である。
なお、前記イメージセンサが、一次元又は二次元のCCDイメージセンサであることは好ましい。
本発明の穴検査方法は、上記の穴検査装置を用いた穴検査方法であって、
プローブ支柱の先端を検査対象穴の内部に挿入配置すると共に、レーザー発振器からのレーザー光をハーフミラー及びプローブ支柱先端のミラーを経由して穴内部の検査対象箇所に照射すること、
前記レーザー光照射に応答して、穴内部の検査対象箇所からミラー及びハーフミラーを経由して受光素子に帰還する光の強度を解析することにより、穴の良不良を一次判定すること、
前記レーザー光照射の際に検査対象箇所で散乱した光を前記プローブ支柱先端のミラー経由でイメージセンサに受け入れ、該イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づいて、当該検査対象箇所における凹凸状況を計測すること、並びに、
前記イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づく検査対象箇所の凹凸状況の計測結果を参照することにより、前記受光素子に帰還する光の強度解析に基づく穴の良不良の一次判定が、誤判定でないか否かを二次判定すること、
を特徴とする穴検査方法である。
本発明の穴検査装置および穴検査方法によれば、検査対象穴内部の検査対象箇所へのレーザー光照射に応答して受光素子に帰還する光の強度を解析することによる穴の良不良判定と、イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づく当該検査対象箇所における凹凸状況の計測結果とを併用することにより、穴(特にネジ穴)の良不良を精度よく判定して、誤判定を減らすことが可能になる。
具体的には、受光素子に帰還する光の強度解析による穴の良不良の一次判定結果と、イメージセンサ上に結像した画像位置の解析に基づく検査対象箇所の凹凸状況の計測結果とが互いに整合する場合には、誤判定の可能性は低いと二次判定することができる。他方、受光素子に帰還する光の強度解析による穴の良不良の一次判定結果と、イメージセンサ上に結像した画像位置の解析に基づく検査対象箇所の凹凸状況の計測結果とが互いに整合しない場合には、誤判定の可能性が高いと二次判定することができる。例えば、受光素子に帰還する光の強度解析による穴の良不良の一次判定が「不良」という結果であったとしても、イメージセンサ上に結像した画像位置の解析に基づく検査対象箇所における凹凸状況の計測結果が「鋳巣による不自然な凹み無し」というものである場合には、受光素子に帰還する光の強度が、穴の表層に生じたムシレ等の影響を受けている可能性があると推定され、受光素子への帰還光に基づく「不良」の判定が誤判定であると二次判定することが可能になる。このようにして誤判定を排除ないし低減することが可能になる。
参考例に係る穴検査装置の概要(正面視及び側面視)を示す概略図。 実施例に係る穴検査装置の概要(正面視及び側面視)を示す概略図。 穴内部の検査対象箇所の凹凸状況の計測に関する原理説明のための斜視図。 図3の原理説明図と等価な三角測量の状況を描いた参考図。
以下では、先ず本発明の出発点となる在来型の穴検査装置を「参考例」として説明し、その後に本発明の好ましい実施形態である穴検査装置を「実施例」として説明する。
[参考例]
図1は、参考例に係る穴検査装置の概要を示す。この穴検査装置は、各種の光学的・電気的デバイスを内部に保持するための本体ケース1と、その本体ケース1の底部から垂直下方に延びるプローブ支柱2と、本体ケース1の上部に設けられたモータ3とを備えている。
モータ3は、プローブ支柱2の中心軸線を回動中心として、本体ケース1及びそれに一体化されたプローブ支柱2を360°回転させることができる。尚、モータ3の上にはスリップリング4が設けられており、このスリップリング4は、本体ケース1内に収められた各種の光学的・電気的デバイス(11,12,13)と、本体ケース1の外にある電気的構成(具体的には電源回路5、並びに、制御及び演算処理装置6)との間の電気的な接続を、本体ケース1がモータ3によって回転されるときも含めて常に維持するための公知のコネクタである。なお、電源回路5は、各種デバイスに電力を供給するための回路構成である。制御及び演算処理装置6は、この穴検査装置の機械的又は電気的な駆動状況を制御すると共に、各種デバイスから受け取った信号に基づいてデータの演算処理を行い、穴の良不良を判定する回路構成である。
また、この穴検査装置は、本体ケース1、プローブ支柱2、モータ3およびスリップリング4を一体的にまとめて垂直方向(鉛直方向)に上下動させるための上下位置調節機構(図示略)を備えている。この上下位置調節機構の働きにより、プローブ支柱2の先端部(図1では下端部)を検査対象穴Hに挿入し又は検査対象穴Hから離脱させることができると共に、穴の深さ方向(図1では垂直方向)におけるプローブ支柱2の先端部の高さ位置を調節することができる。
本体ケース1内には、光学的・電気的デバイスとして、レーザー発振器11、ハーフミラー12および受光素子13が設けられている。また、プローブ支柱2の先端部(図1では下端部)には、通常タイプ(ハーフミラーではないタイプ)のミラー14が設けられている。
レーザー発振器11は、レーザー光を発生するレーザー光源であり、そのレーザー光はハーフミラー12に向けて発射される。
ハーフミラー12は、レーザー発振器11からのレーザー光を入反射可能な位置(図1ではレーザー発振器11とほぼ同じ高さ位置)に設けられている。レーザー発振器11からのレーザー光はハーフミラー12によって反射(又は屈折)され、プローブ支柱先端のミラー14に向けられる。つまりプローブ支柱2は、その長手軸がハーフミラー12とミラー14とを結ぶレーザー光の光軸Lと平行になるように配設されている。また、ハーフミラー12は、ミラー14から該ハーフミラー12に向けて帰還する光を透過させ、その透過光が受光素子13に到達するのを許容する。
プローブ支柱先端のミラー14は、正面視が略長方形状の小型鏡であり、側面視では、垂直方向及び水平方向のいずれに対しても傾斜した状態で配設されている。このため、ミラー14は、ハーフミラー12から垂直に降り下ったレーザー光を反射し、その反射光を検査対象穴Hの内部の検査対象面に向けて照射することができる。このミラー14はまた、穴内部の検査対象面を映し出すことができる、つまり穴内部の検査対象面から戻ってきた光をいくつかの方向に反射することができる。
受光素子13は、ミラー14とハーフミラー12とを結ぶレーザー光の光軸Lの延長線上に設けられている。換言すれば、ミラー14、ハーフミラー12および受光素子13は、同一の光軸Lに沿って直列配置されている。
受光素子13は、前記レーザー光照射に応答して、穴内部の検査対象面からミラー14及びハーフミラー12を経由して帰還する光を受け入れ、その光の強度に応じた電気信号に光電変換する。すなわち、検査対象面ではその面性状(例えば面の粗さ)等に応じてレーザー光が散乱するところ、この光散乱の程度は、受光素子13に帰還(入射)する光の強度ないし濃淡として反映される。そして受光素子13は、この帰還光をその光強度に応じて光電変換すると共に、256階調(8ビット相当)で表現される数値データ信号を生成する。例えば、発射したレーザー光の光量100に対して受光素子13への帰還光が全く無い(光量ゼロ)ならば、検査対象面の明るさ(輝度)を「黒」、即ち数値データ「0」で表現する。他方、発射したレーザー光の光量100に対して受光素子13への帰還光の光量が100ならば、検査対象面の明るさ(輝度)を「白」、即ち数値データ「255」で表現する。受光素子13への帰還光が黒と白の間の輝度(グレースケール)にある場合には、そのグレースケールの程度に応じて「1」から「254」のいずれかの数値を割り当てる。このようにして、レーザー光が照射された検査対象面の特定箇所(一点)における明るさ(輝度)を電気信号として数値化する。
図1の穴検査装置による検査対象穴H(例えばネジ穴)の検査に際しては、制御及び演算処理装置6は、概ね以下のような手順で穴検査装置を制御し、検査対象穴Hの内周面全体の輝度データを収集する。即ち、検査対象穴Hの中心軸線にプローブ支柱2の中心軸線を整合させた状態で、プローブ支柱先端のミラー14を、例えば検査対象穴Hの上端縁側の開口の中心に配置する。その配置位置にて、レーザー発振器11からレーザー光を発射しながら、モータ3により本体ケース1およびプローブ支柱2を360°回転させる。こうして、検査対象穴Hの上端縁に位置する内周面の1周分についての輝度データを収集する。1周分の輝度データの収集を完了したら、プローブ支柱2を1ピッチ(例えば0.1mm)だけ下動させる。そして、その1ピッチ下がった深さ位置でプローブ支柱2を360°回転させて当該深さ位置での1周分の輝度データを収集する。このような360°回転及び1ピッチ下動の操作を繰り返すことで、検査対象穴Hの全ての深さ位置(即ち穴開口の上端縁から下端縁まで)にわたる穴の内周面全体についての輝度データを収集する。
こうして得られた検査対象穴Hの内周面全体についての輝度データを解析プログラムで解析し、輝度データの数値が不自然に(つまり許容される測定誤差以上に)バラつきや乱れを生じている箇所が無いか否かを判定する。仮に、穴の内周面上の特定の座標付近において輝度データの不自然なバラつきや乱れが観察される場合には、当該特定の座標付近に内部表面欠陥(例えば鋳巣の影響でできた凹み、引け巣)が存在する可能性が高くなり、当該穴については「不良」と判定することができる。なお、本段落で説明したような判定手法は概ね公知である。
図1の穴検査装置を用いた穴検査方法は、言うなれば、検査対象面にレーザー光を照射し、検査対象箇所の面性状に応じた反射光の輝度変化ないし輝度分布のみに基づいて内部表面欠陥の有無を判定するものである。しかしながら、このような穴検査装置及び方法では、とりわけ、ネジ加工により形成されたネジ穴の内部表面欠陥を正確に検出できない場合がある。例えば、鋳物製品に対しネジ加工を施してネジ穴を形成する際、しばしばネジ穴表層にムシレ(ムシレとは、ささくれ、バリの類)が生じることがある。かかるムシレは、レーザー光を予期せぬ方向に散乱させるため、ネジ穴の内周面全体の輝度データを解析したときに、単にムシレがあるに過ぎない箇所でも、鋳巣等の内部表面欠陥が存在する箇所と誤判定(誤検出)することがある。このような誤判定を回避するための工夫が本発明であり、その具体例が図2である。
[実施例]
図2は、本発明の実施例に係る穴検査装置の概要を示す。図2の穴検査装置は、図1の穴検査装置の構成要素の全てを具備した上で、イメージセンサ15を更に追加的に備えてなるものである。なお、このイメージセンサ15も、スリップリング4を介して電源回路5並びに制御及び演算処理装置6と電気的に接続されている。
図2に示すように、イメージセンサ15は、ハーフミラー12とミラー14とを結ぶレーザー光の光軸Lから離れた位置(図2正面視で右横方向にずれた位置)に配設されている。このイメージセンサ15は、レーザー発振器11から発射されたレーザー光を検査対象穴Hの検査対象箇所T(図3参照)に照射した際に、その検査対象箇所Tで散乱した光をミラー14経由で受け入れて当該検査対象箇所を撮像する撮像デバイスである。故にイメージセンサ15は、好ましくは一次元又は二次元のCCDイメージセンサである。なお、CCDはCharge-Coupled Deviceの略記号である。レーザー光の光軸Lから離れた位置に配置されたイメージセンサ15を用いることで、ハーフミラー12あるいはミラー14から検査対象箇所Tまでの距離を三角測量の原理に基づいて計測すること、ひいては当該検査対象箇所Tにおける意図しない凹部又は凸部の有無を検知することが可能になる。そうしたことが可能になる原理を図3及び図4を参照して説明する。
図3は、検査対象穴Hの内周面の検査対象箇所Tに鋳巣(図3では引け巣として描かれている)が無い場合と、鋳巣が有る場合とで、イメージセンサ15上への結像の仕方が異なる様子を模式的に示す。即ち、検査対象箇所Tに鋳巣が無い場合には、ミラー14から検査対象箇所Tまでの距離は、検査対象穴Hの半径Rにほぼ一致する。ハーフミラー12及びミラー14を経て検査対象箇所Tに照射されたレーザー光はそこで散乱した後、その散乱光の一部がミラー14を経由してイメージセンサ15に入射し、イメージセンサ15上の特定の座標x1に結像する。イメージセンサ15上での結像位置x1は、レーザー光の入反射に係る光路長Rを反映したものとみなすことができる。
これに対し、検査対象箇所Tに鋳巣が有る場合には、ミラー14から検査対象箇所Tまでの距離は、(R+d)とみなし得る。ここで、Rは検査対象穴Hの半径、dは鋳巣が無い場合の本来の穴内周位置から見た鋳巣の深さである。ハーフミラー12及びミラー14を経て検査対象箇所Tに照射されたレーザー光はそこで散乱した後、その散乱光の一部がミラー14を経由してイメージセンサ15に入射し、イメージセンサ15上の特定の座標x2に結像する。イメージセンサ15上での結像位置x2は、レーザー光の入反射に係る光路長(R+d)を反映したものである。
つまり、座標x2と座標x1との座標差Δx=x2−x1は、鋳巣が有る場合のミラー14から検査対象箇所Tまでの距離(R+d)と、鋳巣が無い場合のミラー14から検査対象箇所Tまでの距離Rとの差分(即ち、鋳巣の深さd)を反映したものとなる。従って、イメージセンサ15上に上記Δxに相当する結像位置のズレが生じているか否かを観測すれば、各検査対象箇所における鋳巣の有無を判定することが可能になる。例えば、無視できない大きさのΔxが計測された場合(つまりΔx>0)、その検査対象箇所Tには「鋳巣による不自然な凹み」が存在することが暗示される。そして、Δxの大きさから鋳巣の深さdを定量することが可能になる。
なお、図3では、レーザー光の入反射経路の途中に反射鏡としてのミラー14が介在しているため、図3の測定手法が三角測量の原理に従うものであることが一見してわかりづらい。このため、光学的経路に関して図3と等価な関係にあり且つそれを単純化した図4を参考図として掲載する。図4の参考図は、ハーフミラー12と検査対象箇所Tとの間の反射鏡(14)を無くし、ハーフミラー12からのレーザー光が真下に直進した先に検査対象箇所Tが存在する場合を描いている。この三角測量モデルによれば、ハーフミラー12から検査対象箇所Tまでの距離(光路長)は、鋳巣が無い場合に比べて鋳巣が有る場合の方が距離dだけ遠くなる。図4によれば、検査対象箇所Tでの入射レーザー光の反射角θが同じであっても、距離dだけ光路長が長くなれば、イメージセンサ15上での結像位置がΔxだけずれることが容易に理解されるであろう。図4の三角測量モデルにおいて、光路の途中に反射鏡(14)を介在させて光路を折り曲げているに過ぎないのが、図3であると言える。
このように本実施例によれば、ハーフミラー12とミラー14とを結ぶレーザー光の光軸Lから横方向に離れた位置に配置されたイメージセンサ15を用いることで、ハーフミラー12あるいはミラー14から検査対象箇所Tまでの距離を三角測量の原理に基づいて計測すること、ひいては鋳巣の深さdを算出することができる。そして、イメージセンサ15での計測結果を有効利用すれば、上述したようなムシレに起因する誤判定を極力防止(又は低減)することが可能になる。
以下、図2の穴検査装置を用いて、鋳物製品に形成された検査対象穴Hを検査する際の具体的手順を説明する。
先ず、例えばネジ穴等の検査対象穴Hの中心軸線と、穴検査装置のプローブ支柱2の中心軸線とを上下に整合させ、その上でプローブ支柱2の先端を検査対象穴Hの内部に挿入配置する。そして、穴内部の個々の検査対象箇所Tに対して、レーザー発振器11からのレーザー光をハーフミラー12及びプローブ支柱先端のミラー14を経由して照射する。かかるレーザー光照射は、検査対象穴Hの全ての深さ位置で一周ごとに、つまりは穴Hの内周面全体にわたって行われる。
各検査対象箇所Tへのレーザー光照射に応答して、それぞれの検査対象箇所Tからミラー14及びハーフミラー12を経由して受光素子13に光が帰還する。参考例で説明したように、受光素子13への帰還光を光電変換すると共に、検査対象穴Hの内周面全体の輝度データを収集し、その輝度の分布状況を解析プログラムで解析することにより、検査対象穴Hの内周面の特定の位置又は座標において、内部表面欠陥の存在可能性を一次判定することができる。
また、受光素子13での検出と並行して、各検査対象箇所Tへのレーザー光照射の際に検査対象箇所Tで散乱した光をプローブ支柱先端のミラー14経由でイメージセンサ15に受け入れ、該イメージセンサ15上に結像した画像の位置に基づいて、それぞれの検査対象箇所Tにおける凹凸状況を計測しておく。具体的には、鋳巣が無い場合に想定される結像の座標x1に対して結像位置のズレΔxが観察されるか否かを、それぞれの検査対象箇所Tごとに計測しておく。
検査対象穴Hの内周面全体に対するレーザー光照射が終わった後の、収集した輝度データに基づく内部表面欠陥の存在可能性の一次判定において、検査対象穴Hの内周面の特定の位置又は座標において「内部表面欠陥あり」という判定が出たと仮定する。その場合には、欠陥ありとされた当該位置又は座標における結像位置のズレ(Δx)の計測結果と照らし合わせて二次判定を行う。
即ち、当該位置又は座標において、無視できない大きさのΔxが計測されている場合(つまりΔx>0)、イメージセンサ15は鋳巣が存在する可能性を検知していることになる。これは、受光素子13で収集した輝度データに基づく一次判定の結果と符合する。従って、その一次判定の結果は、信頼性が高いと最終判定することができる。
他方、当該位置又は座標において、無視できる程度の大きさのΔxしか計測されていない場合(つまりΔx=0)、イメージセンサ15は鋳巣存在の可能性を検知していないことになる。これは、受光素子13で収集した輝度データに基づく一次判定の結果と符合しないことになる。従ってこの場合には、その一次判定の結果が、ムシレ等の影響による誤判定である可能性が高いと最終判定することができる。
このように、受光素子13で収集した輝度データに基づく一次判定と、イメージセンサ15による計測結果とを組み合わせて二次判定することにより、誤判定を極力回避して、検査対象穴Hの内部表面欠陥有無の判定精度を向上させることができる。
2 プローブ支柱
11 レーザー発振器(レーザー光源)
12 ハーフミラー
13 受光素子
14 ミラー
15 イメージセンサ
H 検査対象穴
L レーザー光の光軸
T 検査対象箇所

Claims (3)

  1. レーザー光源としてのレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器からのレーザー光を入反射可能な位置に設けられたハーフミラーと、
    前記ハーフミラーによって反射されるレーザー光の光軸と平行に配設されたプローブ支柱と、
    前記プローブ支柱の先端位置に設けられると共に、前記ハーフミラーからのレーザー光を穴内部の検査対象箇所に向けて照射可能なミラーと、
    前記ミラーと前記ハーフミラーとを結ぶレーザー光の光軸の延長線上に設けられた受光素子とを備え、
    前記レーザー光照射に応答して、前記穴内部の検査対象箇所から前記ミラー及びハーフミラーを経由して前記受光素子に帰還する光の強度を解析することにより、穴の良不良を検査する穴検査装置であって、
    当該穴検査装置は、前記ミラーと前記ハーフミラーとを結ぶレーザー光の光軸から離れた位置に配設されたイメージセンサを更に備え、当該イメージセンサは、前記レーザー光照射の際に前記検査対象箇所で散乱した光を前記ミラー経由で受け入れて撮像し、
    前記イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づいて、当該検査対象箇所における凹凸状況を計測可能としたことを特徴とする穴検査装置。
  2. 前記イメージセンサは、一次元又は二次元のCCDイメージセンサであることを特徴とする請求項1に記載の穴検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の穴検査装置を用いた穴検査方法であって、
    プローブ支柱の先端を検査対象穴の内部に挿入配置すると共に、レーザー発振器からのレーザー光をハーフミラー及びプローブ支柱先端のミラーを経由して穴内部の検査対象箇所に照射すること、
    前記レーザー光照射に応答して、穴内部の検査対象箇所からミラー及びハーフミラーを経由して受光素子に帰還する光の強度を解析することにより、穴の良不良を一次判定すること、
    前記レーザー光照射の際に検査対象箇所で散乱した光を前記プローブ支柱先端のミラー経由でイメージセンサに受け入れ、該イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づいて、当該検査対象箇所における凹凸状況を計測すること、並びに、
    前記イメージセンサ上に結像した画像の位置に基づく検査対象箇所の凹凸状況の計測結果を参照することにより、前記受光素子に帰還する光の強度解析に基づく穴の良不良の一次判定が、誤判定でないか否かを二次判定すること、
    を特徴とする穴検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113588685A (zh) * 2021-07-26 2021-11-02 江苏金润汽车传动科技有限公司 一种检测阀芯孔缺陷大小的方法、系统
CN113588685B (zh) * 2021-07-26 2024-04-26 江苏金润汽车传动科技有限公司 一种检测阀芯孔缺陷大小的方法、系统

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