JP2006266994A - 溶接部の検査方法および検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワークに形成されたスポット溶接部の数と位置を精度良く検査することができる検査装置を提供する。
【解決手段】 溶接部12を検査するための検査装置10は、ロボットアーム21に設けられたレーザセンサ22と、レーザセンサ22をワーク11の表面に沿って移動させる制御部23と、判定部24と、表示装置25などを備えている。判定部24は、レーザセンサ22をワーク11に対して等速度で移動させている間に、レーザセンサ22からワーク表面11aに向けてレーザビームを照射し、その反射光に基いてレーザセンサ22からワーク11までの距離を検出する。こうして検出された波形を微分化することにより、レーザセンサ22からワーク11までの距離の変化量を求める。そしてこの変化量がしきい値を越えたとき、レーザビームが照射された個所にスポット溶接部12が存在したと判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】 溶接部12を検査するための検査装置10は、ロボットアーム21に設けられたレーザセンサ22と、レーザセンサ22をワーク11の表面に沿って移動させる制御部23と、判定部24と、表示装置25などを備えている。判定部24は、レーザセンサ22をワーク11に対して等速度で移動させている間に、レーザセンサ22からワーク表面11aに向けてレーザビームを照射し、その反射光に基いてレーザセンサ22からワーク11までの距離を検出する。こうして検出された波形を微分化することにより、レーザセンサ22からワーク11までの距離の変化量を求める。そしてこの変化量がしきい値を越えたとき、レーザビームが照射された個所にスポット溶接部12が存在したと判断する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば自動車等の車体を構成するワークのスポット溶接部を検査するための溶接部の検査方法と検査装置に関する。
自動車の車体等を組立てるためにスポット溶接が多用されている。スポット溶接は溶接ロボットによって行われることが通例であるが、スポット溶接が正しく行われたか否かをチェックする必要がある。スポット溶接部の溶接品質自体は、溶接装置の定電流タイマー盤などの採用によって保証できる。しかしスポット溶接部の位置を定電流タイマー盤によってチェックすることはできない。
スポット溶接部の位置を確認するために、例えば作業員が定期的に目視と簡単な治具等によって、スポット溶接部をチェックすることが行われている。しかしながら人手に頼る検査は熟練を要するだけでなく個人差があり、また、スポット溶接部の一部を見落とすおそれもあるなど、信頼性に改善の余地がある。
例えば特開平9−29457号公報(特許文献1)に記載されているように、スポット溶接部の数を検査するためのカウント手段を備えた打点監視装置が提案されている。あるいは特開2000−207007号公報(特許文献2)に記載されているロボット特定システムのように、溶接ラインのサーバに各製品ごとの全溶接部の座標データを保管し、溶接不良が発見されたときに、製品座標と車種等のデータに基いて、溶接不良を行ったロボットを特定できるようなシステムも提案されている。
特開平9−29457号公報
特開2000−207007号公報
特許文献1に記載されている従来の検査装置は、溶接部の数のみをカウントするため、個々の溶接部の位置が適切であるか否かの判断ができないという問題があった。また、スポット溶接のやり直し(2度打ち)をした場合に、カウント数と実際に溶接がなされた数との整合がとれなくなるため、そのような場合に正確な検査結果を期待できない。特許文献2には、溶接不良を行ったロボットを特定できるシステムについて記載されているが、溶接部の位置と数を正しく検出できるような手段は記載されていない。
溶接部の位置と数を検査するために、ワークの表面を画像処理装置によって検査する方法や、光電センサ,近接センサ等のセンサを用いて走査する検査装置も検討されている。しかし画像処理装置はコストが高い割には検査精度が低いという問題がある。またセンサを用いる検査装置は、コストは比較的安いが精度が低く、実用に適さないという問題がある。
しかもワークの表面は常に平らであるとは限らない。例えば、水平面に対して傾いているワークをセンサによって水平方向に走査する場合のように、センサからワークまでの距離が変化することが考えられる。その場合、センサからワークまでの距離の変化分に応じてセンサの出力も変化するため、溶接部の有無を判断するためのしきい値を設定できないという問題があった。
従って本発明の目的は、作業員の目視や治具に頼ることなくスポット溶接部の適否を精度良く検査することができる検査方法と検査装置を提供することにある。
本発明の検査方法は、ワークに形成されたスポット溶接部をロボットアームに設けたレーザセンサを用いて検査する検査方法であって、前記ロボットアームによって前記レーザセンサを前記ワークの表面に沿う方向に一定速度で移動させる等速移動工程と、前記等速移動工程中に前記レーザセンサからレーザビームを前記ワークの表面に向けて照射し、その反射光に基いて前記レーザセンサから前記ワークまでの距離を検出する走査工程と、前記走査工程によって検出された前記距離に関する波形を微分化することにより前記レーザセンサから前記ワークの表面までの距離の変化量を求め、該変化量がしきい値を越えたとき前記レーザビームが照射された個所にスポット溶接部が存在したと判断する判定工程とを具備している。
本発明の検査方法の一つの形態では、前記走査工程は、前記スポット溶接部が正常な位置に存在すべき領域を走査する第1の走査工程と、前記スポット溶接部が存在すべきでない領域を走査する第2の走査工程とを含み、前記判定工程は、前記第1の走査工程において前記スポット溶接部が検出され、かつ、前記第2の走査工程において前記スポット溶接部が検出されなかったときのみ、該スポット溶接部が正常な位置に存在したと判断する。
本発明の検査装置は、ロボットアームに設けられたレーザセンサと、前記レーザセンサを前記ワークの表面に沿って移動させかつ前記スポット溶接部を含む走査領域では前記レーザセンサを等速度で移動させるロボット制御手段と、前記走査領域において前記レーザセンサから前記ワークの表面に向けてレーザビームを照射し、その反射光に基いて前記レーザセンサから前記ワークまでの距離を検出し、この検出された波形を微分化することにより前記レーザセンサから前記ワークの表面までの距離の変化量を求め、該変化量がしきい値を越えたとき前記レーザビームが照射された個所にスポット溶接部が存在したと判断する判定手段とを具備している。
前記判定手段は、例えば、前記微分化された波形の一部にしきい値を越える第1のピーク部と第2のピーク部が検出されたとき、これら第1および第2のピーク部間にスポット溶接部が存在していると判断するロジックのプログラムを備えている。
前記判定手段は、例えば、スポット溶接部が存在すべき走査領域において前記しきい値を越える波形が検出されたとき合格を表す信号を表示装置に出力し、スポット溶接部が存在すべき走査領域において前記しきい値を越える波形が検出されなかったとき不合格を示す信号を表示装置に出力するように構成されている。
本発明の検査装置の好ましい形態では、前記ロボット制御手段は、前記スポット溶接部を含む走査領域の走査開始点と走査終了点を設定可能なロボットティーチング手段を備えている。
本発明の検査方法によれば、ワークの走査領域が傾いていても平らな場合と同様に溶接部を正確に検出することができる。本発明の検査装置によれば、ロボットによって溶接部の自動検査を正確に行うことができるため、作業員の熟練度に左右されず、溶接部の見落としなどの検査ミスを生じるおそれがなく、多数の溶接部も労力を要することなく検査することができる。
以下に本発明の一実施形態に係る溶接部の検査方法と検査装置について、図1〜図9を参照して説明する。
図1は検査装置10を示している。この検査装置10は、ワーク11に形成されているスポット溶接部12(以下、単に溶接部12と称する)を検査するものである。図2は、この検査装置10によって溶接部12を検査する際の検査方法を示すフローチャートである。
図1は検査装置10を示している。この検査装置10は、ワーク11に形成されているスポット溶接部12(以下、単に溶接部12と称する)を検査するものである。図2は、この検査装置10によって溶接部12を検査する際の検査方法を示すフローチャートである。
ワーク11の一例は、車体の一部を構成するパネル部材である。ワーク11の複数箇所に溶接部12が形成されている。溶接部12は、ワーク11の表面11aと対面する方向から見て略円形をなしている。溶接部12の直径D(図3に示す)は、例えば5〜6mm前後である。溶接部12は、ワーク11の表面11aから少し窪んだ形状となっている。窪みの深さdは、例えば0.2mm〜0.3mm程度である。
検査装置10は、ロボットアーム21を備えたロボット20と、ロボットアーム21の先端に装備されたレーザセンサ22と、ロボット制御手段として機能する制御部23と、判定手段として機能する判定部24と、報知手段として機能する表示装置25などを備えている。ロボット20の近傍に設けられた保持機構(図示せず)によって、ワーク11が所定位置に固定される。
ロボットアーム21は、周知の産業用ロボットと同様に、第1アーム21aと第2アーム21bと第3アーム21cなどを含んでいる。これらのアーム21a,21b,21cは、図示しないアクチュエータによって駆動される。第3アーム21cの先端部にレーザセンサ22が設けられている。ロボットアーム21は制御部23によって移動方向と移動速度が制御され、レーザセンサ22をワーク11の表面11aに沿う方向に移動させることができるようになっている。
距離センサとして機能するレーザセンサ22は、ワーク11に向けてレーザビームを照射し、その反射光に基いて、レーザセンサ22からワーク11までの距離を検出する。レーザセンサ22の測定距離の一例は80±15mm、分解能3μmであるが、これ以外の仕様であってもかまわない。
制御部23は、ロボットアーム21を制御するためのロボット制御装置30と、ロボット制御装置30に接続されたシーケンサ31と、ロボット制御装置30に接続されたティーチング装置32などを含んでいる。ロボット制御装置30は、例えば汎用コンピュータにロボット制御用のソフトウェアをインストールしたもので構成されている。ティーチング装置32は、下記走査領域Sの開始点と終了点を指定するためのティーチング手段として機能する。
制御部23に表示装置25が接続されている。この表示装置25には、溶接部12の検査結果が合格のとき点灯する正常ランプ41と、検査結果が不合格のとき点灯する異常ランプ42と、リセットスイッチ43などが設けられている。なお、この表示装置25に、検査結果が不合格のときに警報音を発する警報器が設けられていてもよい。
制御部23はインタロック機能を有している。このインタロック機能は、溶接部12の検査結果が不合格のときロボットアーム21の動作を停止させるとともに、表示装置25の異常ランプ42を点灯させる。
ティーチング装置32によって、それぞれの溶接部12に応じた走査開始点S1と走査終了点S2(図4に示す)を入力できるようになっている。すなわち、作業者がティーチング装置32によって各溶接部12ごとに走査開始点S1と走査終了点S2を入力することにより、入力された位置が制御部23のメモリに座標データとして記録される。この座標データに基いて、レーザセンサ22による走査領域Sが決定される。
判定部24は、レーザセンサ22からの出力に基いて、溶接部12が合格か不合格かを判定する機能を有している。判定部24の一例は、レーザセンサ22に接続されたセンサアンプ50と、センサアンプ50に接続されたコントローラ51などを有している。センサアンプ50は、レーザセンサ22の出力に基いて、レーザセンサ22からワーク11までの距離Hに関する検出波形W1(図5に一例を示す)を得る機能を有している。
コントローラ51は、前記検出波形W1に微分処理を行うことによって、処理波形W2(図6に一例を示す)を得るものであり、微分処理のためのハイパスフィルタを有している。またこのコントローラ51は、処理波形W2がしきい値を越えたか否かを判断し、しきい値を越えた位置に溶接部12が存在したと判断するロジックを有している。
レーザセンサ22の移動速度が10mm/s程度、あるいはそれ以下であると、溶接部12の深さdが小さい場合に検出波形W1を微分化する効果が薄れ、処理波形W2に溶接部12によるピークが表れにくくなる。このためレーザセンサ22の移動速度を20mm/sとし、カットオフ周波数を例えば1Hzとすることが好ましい。この場合のしきい値は、例えば±35mVに設定するとよい。
判定部24は、検出された溶接部12の数をカウントする手段と、検出された溶接部12が正常な位置にあったか否かを判別する手段とを有していてもよい。その場合には、検出された溶接部12の数が予め設定されている数と一致し、かつ、検出された全ての溶接部12が正常な位置にあったときに、合格を表す信号を表示装置25に出力し、そうでないときに不合格を示す信号を表示装置25に出力するとよい。
以下に、前記検査装置10を用いて溶接部12を検査する検査方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図3に示すワーク11の一例は、レーザセンサ22の走査方向Xと平行ではなく傾いている。例えば水平面に沿う線分Nに対して角度θで傾斜している。この例では、レーザセンサ22が走査方向Xに移動すると、レーザセンサ22からワーク表面11aまでの距離Hが次第に小さくなる。傾斜角度θが±4°を越えると、溶接部12を誤検出する可能性が大きくなるため、傾斜角度θは±4°以下であることが望まれる。
図2に示すステップS11において、ロボットアーム21によってレーザセンサ22を走査領域Sの手前の位置A(図4に示す)に移動させる。走査領域Sの開始点S1および終了点S2は、ティーチング装置32によって予め制御部23に設定されている。
図4に示すように、レーザセンサ22の移動速度は、走査領域Sの手前の位置Aから始まる加速領域V1と、走査領域Sをカバーする等速領域V2と、走査領域Sを通過した後の位置Bに至るまでの減速領域V3とに変化する。等速領域V2ではレーザセンサ22が一定の速度(例えば20mm/s)で移動する。等速領域V2は本発明で言う等速移動工程に相当する。
ステップS12では、等速領域V2において、ロボットアーム21によってレーザセンサ22を一定速度で移動させながら、レーザセンサ22からのレーザビーム26をワーク表面11aに照射し、その反射光を受光することにより溶接部12の走査を行う。つまり走査開始点S1にてワーク表面11aまでの距離測定を開始し、溶接部12を過ぎた走査終了点S2にて距離測定を終了する。これが本発明で言う走査工程である。レーザセンサ22の出力はセンサアンプ50に入力される。
ステップS13において、センサアンプ50の出力電圧に基いて距離データに関する検出波形を得る。図5は検出波形W1の一例を示している。図3に示す例ではワーク11が傾いているため、図5の横軸の時間の経過とともに、レーザセンサ22からワーク表面11aまでの距離が小さくなってゆく。このため検出波形W1は、時間の経過とともに電圧が下がる波形となる。
このようにレーザセンサ22からワーク表面11aまでの距離Hと経過時間に基いて、ワーク表面11aの凹凸が検出されるため、検出波形W1の途中に溶接部12によるピーク部P0が現れる。しかしこの検出波形W1は、ワーク11が傾斜していることにより、時間の経過とともに電圧値が変化し続けるため、溶接部12の有無を判定できるようなしきい値を定めることができない。
このため本実施形態では、ステップS14において、コントローラ51のハイパスフィルタによって検出波形W1に微分処理を行う。検出波形W1を微分化することにより、経過時間に対してワーク表面11aまでの距離の変化量を示す処理波形W2(図6に示す)が得られる。
こうして微分化し整形された処理波形W2であれば、溶接部12の有無を判断する基準となるしきい値±SHを設定することが可能である。溶接部12が所定の位置に存在していれば、処理波形W2の一部に、溶接部12の周縁部に対応した第1のピーク部P1と第2のピーク部P2が現れる。溶接部12が所定の位置に存在していなければ、しきい値±SHを越えるようなピークは現れない。なお図6に示す処理波形W2の例では、ピーク部P1の手前とピーク部P2の後で波形が少し右上がりとなっているが、これはハイパスフィルタの応答遅れ成分によるものであり、溶接部12の検出に悪影響を及ぼさない程度である。
判定工程であるステップS15において、処理波形W2がしきい値±SHを越えたか否かが判断される。この判断を行うために、判定部24に判定プログラムが組込まれている。判定プログラムは、処理波形W2の第1のピーク部P1が第1のしきい値+SHを越え、かつ、第2のピーク部P2が第2のしきい値−SHを越えたときに、これらピーク部P1,P2間にスポット溶接部12が存在していると判断する。
溶接部12が存在すべき走査領域Sにおいて、しきい値±SHを越える波形が検出されたとき「合格」と判断され、ステップS16に進み、表示装置25の正常ランプ41を点灯させる。溶接部12が存在すべき走査領域Sにおいて、しきい値±SHを越える波形が検出されなかったときには「不合格」と判断される。
「不合格」の場合には、ステップS17に進み、ロボットアーム21をインタロック制御させる。このインタロック制御では、ロボットアーム21を停止させるとともに、ステップS18に進み、表示装置25の異常ランプ42を点灯させ異常を作業者に報知する。異常ランプ42が点灯したら、作業者は直ちに異常の原因を探り、対応策を講じる。そののちリセットスイッチ43を押すことにより、ロボットアーム21のインタロック制御を解除することができる。
以上説明したステップS11からステップ15までの一連の工程を、全ての溶接部12ごとに行うことにより、溶接部12の位置と数が正しいか否かを正確にかつ能率良く判断することができる。しかも本実施形態の検査装置10によれば、図3に示すようにレーザセンサ22の走査方向Xに対して傾斜したワーク11を検査する場合においても、ワーク11が平らな場合(θ=0)と同様に、溶接部12の有無と溶接部12の位置を自動で能率良く検査することができる。
以下に、走査領域Sを変更する場合について説明する。
走査領域Sの変更はティーチング装置32の入力情報を入れ替えることにより可能である。例えば図7に示すように、溶接部12の近くにワーク11の縁11bが存在すると、走査領域Sにワーク11の縁11bが含まれてしまう可能性がある。その場合、実際には溶接部12が存在していなくても、ワーク11の縁11bの段差を溶接部であると誤検出し、コントローラ51が「合格」の判断をしてしまうおそれがある。
走査領域Sの変更はティーチング装置32の入力情報を入れ替えることにより可能である。例えば図7に示すように、溶接部12の近くにワーク11の縁11bが存在すると、走査領域Sにワーク11の縁11bが含まれてしまう可能性がある。その場合、実際には溶接部12が存在していなくても、ワーク11の縁11bの段差を溶接部であると誤検出し、コントローラ51が「合格」の判断をしてしまうおそれがある。
このような誤った判断を防止するために、図8に示すように走査領域Sが変更される。具体的には、ティーチング装置32によって走査開始点S1と走査終了点S2を入力する際に、走査領域Sを狭めることで対応できる。図7に示す例では、走査領域Sの長さは例えば40mm以下であったが、図8に示す例では走査領域Sを例えば20mmと短くすることにより、走査しないマスク領域を設定し、ワーク11の縁11bの影響を排除することができる。
次に、溶接部12の位置をさらに正確に判定するための走査方法について説明する。
図9中の実線L1は位置が適切な溶接部12を示している。これに対し2点鎖線L2で示す溶接部12は、その一部にワーク11の縁11bがかかっているため、位置が不適切である。この不適切な位置にある溶接部12の合否を1回の走査で判断すると、「合格」と判定されてしまうことがある。
図9中の実線L1は位置が適切な溶接部12を示している。これに対し2点鎖線L2で示す溶接部12は、その一部にワーク11の縁11bがかかっているため、位置が不適切である。この不適切な位置にある溶接部12の合否を1回の走査で判断すると、「合格」と判定されてしまうことがある。
不適切な位置にある溶接部12を「不合格」と判断するために、第1の走査工程と第2の走査工程を行うとよい。第1の走査工程では、溶接部12が正常な位置に存在すべき領域を、図9に示す第1の走査ラインC1に沿って走査する。第2の走査工程では、溶接部12が存在すべきでない領域を第2の走査ラインC2に沿って走査する。
第1の走査工程後、第2の走査工程に移る際に、ロボットアーム21によって、レーザセンサ22の位置を走査方向と直交する方向(ワーク11の縁11bに近付ける方向)に移動させる。この位置で、第2の走査ラインC2に沿って走査を行う。すなわち第2の走査では、溶接部12とワーク11の縁11bとの間が走査される。
前記第1および第2の走査工程では、それぞれ図2に示すステップS11〜S15と同様の処理が行われ、溶接部12の有無が検出される。第1の走査工程においてスポット溶接部12が検出され、かつ、第2の走査工程において溶接部12が検出されなかったときのみ、溶接部12が正常な位置に存在したと判断する。第2の走査工程において溶接部12が検出されたときには、溶接部12の位置が異常であると判断する。第1の走査工程と第2の走査工程のいずれも溶接部12が検出されなかったときには、溶接部12が存在しないと判断する。このように一つの溶接部12に関して、第1の走査工程と第2の走査工程を行うことにより、溶接部12の合否をさらに正確に判定することが可能である。
10…溶接部の検査装置
11…ワーク
12…溶接部
21…ロボットアーム
22…レーザセンサ
23…制御部(ロボット制御手段)
24…判定部
25…表示装置
32…ティーチング装置
11…ワーク
12…溶接部
21…ロボットアーム
22…レーザセンサ
23…制御部(ロボット制御手段)
24…判定部
25…表示装置
32…ティーチング装置
Claims (6)
- ワークに形成されたスポット溶接部をロボットアームに設けたレーザセンサを用いて検査する検査方法であって、
前記ロボットアームによって前記レーザセンサを前記ワークの表面に沿う方向に一定速度で移動させる等速移動工程と、
前記等速移動工程中に前記レーザセンサからレーザビームを前記ワークの表面に向けて照射し、その反射光に基いて前記レーザセンサから前記ワークまでの距離を検出する走査工程と、
前記走査工程によって検出された前記距離に関する波形を微分化することにより前記レーザセンサから前記ワークの表面までの距離の変化量を求め、該変化量がしきい値を越えたとき前記レーザビームが照射された個所にスポット溶接部が存在したと判断する判定工程と、
を具備したことを特徴とする溶接部の検査方法。 - 前記走査工程は、
前記スポット溶接部が正常な位置に存在すべき領域を走査する第1の走査工程と、
前記スポット溶接部が存在すべきでない領域を走査する第2の走査工程とを含み、
前記判定工程は、
前記第1の走査工程において前記スポット溶接部が検出され、かつ、前記第2の走査工程において前記スポット溶接部が検出されなかったときのみ、該スポット溶接部が正常な位置に存在したと判断することを特徴とする請求項1に記載の溶接部の検査方法。 - ワークに形成されたスポット溶接部を検査するための検査装置であって、
ロボットアームに設けられたレーザセンサと、
前記レーザセンサを前記ワークの表面に沿って移動させかつ前記スポット溶接部を含む走査領域では前記レーザセンサを等速度で移動させるロボット制御手段と、
前記走査領域において前記レーザセンサから前記ワークの表面に向けてレーザビームを照射し、その反射光に基いて前記レーザセンサから前記ワークまでの距離を検出し、この検出された波形を微分化することにより前記レーザセンサから前記ワークの表面までの距離の変化量を求め、該変化量がしきい値を越えたとき前記レーザビームが照射された個所にスポット溶接部が存在したと判断する判定手段と、
を具備したことを特徴とする溶接部の検査装置。 - 前記判定手段は、前記微分化された波形の一部にしきい値を越える第1のピーク部と第2のピーク部が検出されたとき、これら第1および第2のピーク部間にスポット溶接部が存在していると判断する手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の溶接部の検査装置。
- 前記判定手段は、スポット溶接部が存在すべき走査領域において前記しきい値を越える波形が検出されたとき合格を表す信号を表示装置に出力し、スポット溶接部が存在すべき走査領域において前記しきい値を越える波形が検出されなかったとき不合格を示す信号を表示装置に出力することを特徴とする請求項3に記載の溶接部の検査装置。
- 前記ロボット制御手段は、前記スポット溶接部を含む走査領域の走査開始点と走査終了点を設定可能なロボットティーチング手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の溶接部の検査装置。
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