JP2000248413A - 衣服の原型を用いたダーツ処理作図方法 - Google Patents

衣服の原型を用いたダーツ処理作図方法

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JP2000248413A
JP2000248413A JP11055407A JP5540799A JP2000248413A JP 2000248413 A JP2000248413 A JP 2000248413A JP 11055407 A JP11055407 A JP 11055407A JP 5540799 A JP5540799 A JP 5540799A JP 2000248413 A JP2000248413 A JP 2000248413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣服のワンサイズ(例えば、JIS規格の9
号サイズ等)の許容範囲の中でより多数の人に適合でき
る原型の形状を数値化して作図し、原型を作成する作図
方法等を提供すること。 【解決手段】 年齢層による体型の相違を矩形がもつ立
体の数値として求め、この数値に基づいて各原型の輪郭
を定めることにより少なくとも3種類の体型別原型を設
けるとともに、各年齢層の体型における人体前面及び背
面の凹凸の度合いに基づき、各体型毎に必要な円がもつ
立体のダーツまたはユルミの量を高年齢層の体型に対応
した原型程大きくなるように数値化してこのダーツまた
はユルミの量を各原型上に表し、低年齢層の体型別原型
を平面衣服用の衣服種類別原型として用い、高年齢層の
体型別原型程凹凸の度合いの大きい立体衣服用の衣服種
類別原型として用いる衣服の原型作図方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規の種々のデザ
インから衣服の型紙を作る際の元型になる原型作図方
法、該原型を用いたダーツ処理作図方法、並びにそのダ
ーツ処理作図方法を用いて衣服(型紙)を作図する製図
設計作図方法に関する。本発明は、また、衣服を大量生
産するために用いられる既製服の作図を容易に行うため
に、作図作業におけるロジックをコンピュータに搭載し
てコンピュータ上で作図を行う作図方法及び係る作図方
法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録
したコンピュータ読取可能な記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
原型の作図においては、個人の計測値に対し、胸囲寸法
を基にしてその他の部分の寸法を算出して、個々の体型
に沿った前身頃及び後身頃の原型を作図する胸度式作図
法が服飾関係の学校、教育機関等において広く普及して
いる(文化出版局編の「被服構成学理論編」参照)。
【0003】そして、従来は、係る方法で予め作成した
1種類のみの原型から、カットソー(Tシャツ等のニッ
ト類)、軽衣料(ブラウス等の普段着)、重衣料(ジャ
ケット等の外出着)等のあらゆる種類の衣服(型紙)を
作図するようにしている。その場合、衣服の作図工程に
おいて、原型の輪郭に略忠実に衣服の各パーツの外枠シ
ルエット線を描いた場合、後の縫製工程において、実際
に作ろうとする衣服の種類に応じて、外枠シルエット線
を大幅に補正する必要がある。
【0004】このように、従来は、作図後の縫製工程に
おいて、手感覚の補正技術が要求されるため、一人の作
業者による一貫した手作業の縫製が必要となり、作業工
程があいまいに運ばれる傾向があった。従って、既製服
を大量生産するアパレル産業において対応しようとする
と、種々のデザインから生産用の工業パターン(型紙)
を作成するまでの作業に多くの時間と労力を要する問題
があった。
【0005】また、上記の胸度式作図法による原型によ
って作図した型紙を用いて衣服を縫製する場合、人体の
凹凸(胸部や背中の曲線等)に密着した立体的なカーブ
の強い衣服となる傾向があり、縫製作業自体に困難が伴
うとともに、縫製後、実際に着用した場合に窮屈で着心
地が悪くなりがちである。従って、係る問題を回避する
ためにも、型紙の作図後の外枠シルエット線等の補正ま
たは縫製時の補正が必要となるものであった。
【0006】さらに、従来の洋裁製図の作図プロセス
は、あいまいに作業工程が運ばれがちであったため、係
る作図プロセスをそのままコンピュータ上で実行させる
ことが困難なものであった。従って、現状では、過去に
できた多くのデザインの型紙をバッチ処理してコンピュ
ータに記憶させ、新規に作ろうとするデザインに類似し
た型紙を呼び出して、身頃、袖、衿等、それぞれのパー
ツを一部修正することによりコンピュータ上での作図を
行っている。しかし、新規に作ろうとするデザインに類
似した型紙が常にコンピュータ上に存在するとは限ら
ず、仮に存在しても多数の型紙から上記類似した型紙を
選択する作業に手間が掛かる等の問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決して、既製服のワンサイズ、例えば、JIS規格の9
号サイズから11号サイズへ移行するピッチ間隔幅の許
容範囲の中でより多数の人に適合できる原型の形状を数
値化して作図する方法、この原型を用いて衣服を作図す
る際に衣服の各部にダーツ量を適切に配分することので
きるダーツ処理作図方法、及びこのダーツ処理作図方法
を用いて各種デザインの衣服を作図する衣服の製図設計
作図方法を提供することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、上記原型を用いたダ
ーツ処理作図方法や衣服の製図設計作図方法を数値化
し、新規の種々の衣服の外枠シルエット線、内部デザイ
ン線等を数値化することにより、コンピュータを用いて
対話形式で衣服の作図を行うことであり、係る作図方法
の数値化手順をアプリケーションソフトとしてプログラ
ム化して記録した記録媒体を提供することである。
【0009】そのため、本発明の請求項1の衣服の原型
作図方法は、衣服の型紙の元型になる原型の作図方法で
あって、年齢層による体型の相違を矩形が有する立体線
の数値として求め、この数値に基づいて各原型の輪郭を
定めることにより少なくとも3種類の体型別原型を設け
るとともに、各年齢層の体型における人体の前面及び背
面の凹凸の度合いに基づき、各体型毎に必要な円が有す
る立体のダーツまたはユルミの量を高年齢層の体型に対
応した原型程大きくなるように数値化してこのダーツま
たはユルミの量を各原型上に表し、低年齢層の体型別原
型を人体の前面及び背面における凹凸の度合いの小さい
平面衣服用の衣服種類別原型として用い、高年齢層の体
型別原型程上記凹凸の度合いの大きい立体衣服用の衣服
種類別原型として用いることを特徴としている。
【0010】すなわち、衣服の作図に必要な要因として
は、人体体型、デザイン、素材、縫製の4つを考慮する
必要がある。これらの中で、原型の作成の過程におい
て、数値化しなければならず、また数値化して表すこと
のできる要因は、人体体型とデザインである。そこで、
本発明では、上記人体体型とデザインの2つの要因を数
値化し、さらにその数値が実際に素材を縫製する縫製工
場等の現場において、縫製を行いやすくかつ縫製後にユ
ーザが着用した場合に着心地がよい数値となるように数
値化し、そのプロセスを体系化することを考えた。
【0011】その場合、成人女子の体型を、年齢層によ
って、10代のジュニア体型、20代及び30代のミス
体型、40代及び50代のミセス体型の3種類に大別し
た。そして、JIS規格等における各体型(年齢層別)
のデータを参照した際に、年齢層が高くなる程、上半身
の前屈みの度合いが大きくなり、従って、人体を側方か
ら見た場合の人体前面(胸部等)及び背面(背中の曲線
等)の凹凸の度合いが若年層では小さくて略平面的であ
るのに対し、上記人体前面及び背面の凹凸の度合いが年
齢層が高くなる程大きくなって立体的要素が増す点を考
慮して、年齢層別、つまり、体型別に原型の輪郭を数値
化し、各々輪郭の異なる3種類の体型別原型を作成し
た。
【0012】ここで、請求項1中の「矩形が有する立体
線の数値」における「矩形」とは、上記原型の輪郭が基
本的に矩形状であることを意味している。一方、原型中
の肩線、襟ぐり線、袖ぐり線等は上記矩形状の基本輪郭
(外枠)から内方へずれた斜線状または曲線状となる
が、これら肩線、襟ぐり線、袖ぐり線等を表す斜線また
は曲線を立体線と呼ぶ。そして、「矩形が有する立体線
の数値」とは、これらの立体線が具体的にどのような形
状となるかを表す数値を意味する。
【0013】また、本発明者は、衣服の種類をカットソ
ー(Tシャツ等のニット類)、軽衣料(ブラウス等の普
段着)及び重衣料(ジャケット等の外出着)の3種類に
大別した場合に、上記年齢層別の3つの体型の人体前面
及び背面の凹凸の度合いが、上記3種類の衣服の凹凸の
度合いに各々類似し、対応していることを見い出した。
すなわち、カットソーは、人体前面及び背面の凹凸が少
なく、立体的要素の小さい衣料であるから、上記ジュニ
ア体型に類似、対応している。一方、軽衣料はカットソ
ーに比べてやや立体的要素の大きいデザインの衣料であ
るから、上記ミス体型に類似、対応しており、重衣料は
立体的要素が最も大きいデザインの衣料であるから、上
記ミセス体型に類似、対応している。
【0014】そのため、上記3種類の原型のうち、ジュ
ニア体型用の原型はカットソーを作図する場合の衣服種
類別原型として好適に用いることができ、ミス体型用の
原型は軽衣料を作図する場合の衣服種類別原型として好
適に用いることができ、ミセス体型用の原型は重衣料を
作図する場合の衣服種類別原型として好適に用いること
ができる。
【0015】なお、以上では、3種類の体型別原型、従
って、3種類の衣服種類別原型を設ける場合を説明した
が、上記ジュニア体型、ミス体型、ミセス体型或いはカ
ットソー、軽衣料、重衣料なる区分は、説明の便宜上設
けた一例であって、体型別原型、換言すれば、衣服種類
別原型は4種類以上としてもよい。
【0016】また、以上では、女性向けの衣服について
説明したが、男性向けの衣服についても、同様の考え方
で年齢層別に少なくとも3種類程度の原型を作成し、こ
れらを衣服種類別原型として使用することができる。但
し、男性と女性では、人体前面及び背面における凹凸の
度合い(特に、胸部の膨らみの度合い)が異なるので、
原型の輪郭を数値化する場合の数値も当然異なることに
なる。また、子供服については、年齢層別の原型という
考え方はなじまないが、年齢層による体型別原型は衣服
種類別原型を得るための便法であるから、複数の衣服種
類別原型を設けることは上記した成人向けの衣服の場合
と同様に行える。
【0017】次に、本発明では、衣服の設計に際して、
予め、人体の膨らみ部に対応したダーツまたはユルミの
量を設定することにより、衣服に所定のダーツまたはユ
ルミを持たせるようにする。ここで、ダーツとは、例え
ば、胸部の膨らみ等に対応するために、予め衣服の素材
(生地)にゆとり(余剰部分)を持たせておき、このゆ
とり部分の素材をつまんで縫い合わせることにより、胸
部等に対応する衣服の一部に略円錐状の膨らみを持たせ
て立体化したものである。
【0018】一方、衣服の素材に寸法上のゆとりを持た
せるのみで、つまんで縫い合わせることを行わない場合
は、ユルミとなり、このユルミも、実際に着用した際に
胸部等の膨らみで衣服が窮屈にならないように緩やかに
立体化させて対処するためのものである。なお、上記膨
らみ部は原型上に「円」として表すことができる。従っ
て、上記膨らみ部に対応したダーツまたはユルミは、
「円が有する立体のダーツまたはユルミ」と表現するこ
とができる。
【0019】ダーツとユルミは、つまんで縫い合わせる
作業を行うか否かが異なるのみであり、衣服の種類に応
じて、予め一定のダーツまたはユルミの量を定めておけ
ば、それをダーツとして用いるか、ユルミとして用いる
かは、衣服の設計時に任意に選択できる。
【0020】そして、本発明では、上記ダーツまたはユ
ルミの量も年齢層による体型別に数値化し、人体の前屈
みの度合いが大きくなる高年齢層の体型別原型程(従っ
て、上記衣服種類別原型としてみると、カットソー、軽
衣料、重衣料の順に)ダーツまたはユルミの量が大きく
なるようにした。これは、例えば、胸部の膨らみを例に
取ると、低年齢層と高年齢層とでは、仮に胸囲寸法が同
一であっても、高年齢層程、胸部の筋肉の付き方が多く
なる傾向があるので、同一号数(例えば、JIS9号サ
イズ)であっても、高年齢層程、ダーツまたはユルミの
量を大きくする必要があるためである。なお、この点
は、肩甲骨等の他の膨らみ部についても同じ傾向があ
る。
【0021】ダーツまたはユルミは人体の膨らみに対応
して設けるものであることから、上記扇形の中心は、人
体の膨らみの中央位置に合致させることが重要である。
例えば、前身頃の原型では胸部の中央位置を前身頃用の
ダーツ量を表す扇形の中心とし、後身頃の原型では、人
体背面における主たる突出部位である肩甲骨の中央位置
を後身頃用のダーツ量を表す扇形の中心とすることが重
要である。
【0022】請求項2の衣服のダーツ処理作図方法は、
請求項1記載の各原型上に、上記円が有する立体のダー
ツまたはユルミの量、つまり、人体の膨らみ部に対応し
たダーツまたはユルミの量に応じた中心角を有する扇形
として表し、この扇形を回転させながら一または複数箇
所へダーツまたはユルミを合計角度値が上記中心角と等
しくなるように配分することを特徴としている。
【0023】例えば、衣服の前身頃用のダーツまたはユ
ルミの量は、前身頃の原型上に、その胸部の中央位置を
中心とする扇形として表される。そして、上記胸部の中
央位置を中心としてこの扇形を360°の範囲内で適宜
回転させることにより、アームホール、ウェスト、ショ
ルダー等の前身頃上の所望の位置にダーツまたはユルミ
を扇形状に配分することができる。このダーツまたはユ
ルミの配分は、デザインに応じて予め定められたダーツ
またはユルミの量の全量を1箇所に配分してもよく、ま
た、他のデザインに応じてダーツまたはユルミの量を表
す扇形を2つ以上の扇形に分割して、アームホール、ウ
ェスト等の2箇所以上にダーツまたはユルミを配分する
こともできる(但し、この場合、2つ以上の扇形の中心
角の合計値を元の扇形の中心角と一致させる)。
【0024】請求項3の衣服の製図設計作図方法は、請
求項1記載の原型を用いて請求項2記載のダーツ処理作
図方法によりダーツまたはユルミを配分し、これらのダ
ーツまたはユルミを参照しながら上記原型により外枠シ
ルエット線を描くとともに上記ダーツまたはユルミを参
照しながら内部デザイン線を描くことを特徴とするもの
である。
【0025】すなわち、設計しようとする衣服の外枠シ
ルエット線は、主として原型の輪郭に基づいて描くもの
であるが、ダーツまたはユルミの配分位置近傍(例え
ば、アームホールにダーツまたはユルミを配分した場
合、アームホール近傍)においては、配分したダーツま
たはユルミに基づいて外枠シルエット線を適宜修正する
ものである。また、ダーツを配分した場合等には、外枠
シルエット線以外に縫い合わせ位置等を示す内部デザイ
ン線を描く必要があるが、係る内部デザイン線もダーツ
等の配分との関係を考慮して描くようにする。
【0026】請求項4の記録媒体は、請求項1記載の原
型を用いて請求項2又は3記載の方法をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ
読取可能な記録媒体である。
【0027】すなわち、請求項1の原型の輪郭を数値化
してコンピュータに記憶させておき、請求項2のダーツ
処理作図方法または請求項3の衣服の製図設計作図方法
をコンピュータ上で実行させ、このコンピュータに接続
された表示画面上に上記原型や設計しようとする衣服の
各パーツ(前身頃、後身頃等)の輪郭等を表示させるこ
とも可能である。このように、請求項1の原型を用い
て、請求項2または3の方法をコンピュータに実行させ
るためのプログラムを記録した記録媒体(例えば、CD
−ROM、DVD−ROM、フロッピーディスク等)を
製造、販売等する行為は、当然に本発明の範囲に含まれ
るものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、衣服の生産に
必要な要因として、人体体型、衣服のデザイン、衣服の
素材、縫製の4つがあげられる。そして、人体体型に基
づいて作成される各パーツ(前身頃、後身頃等)毎の原
型と、生産しようとする衣服のデザインとに基づいて、
縫製に用いる型紙を作るための第1次デザイン製図設計
が行われ、この製図を適宜修正することにより、実際の
縫製に使用する第2次生産用型紙が作成される。そし
て、この型紙に基づいて素材から前身頃、後身頃等の各
パーツが裁断され、縫製される。
【0029】ところで、衣服の生産に必要な上記4つの
要因のうち、数値として表さねばならず、また、表すこ
とのできる要因は、人体体型とデザインである。衣服の
デザインは、図2に示すように、外部シルエット線と内
部デザイン線とからなり、この内、主として外部シルエ
ット線を描くために上記原型が使用される。そして、こ
の原型は人体体型を模した立体模型を数値化することに
より作成されるが、以下で述べるように、本発明では、
人体体型を年齢層別にジュニア体型、ミス体型、ミセス
体型の3つに分類し、各体型別の3種類の原型を作成し
た。なお、各体型別の原型は、後述のように、アイテム
(衣服種類)別の原型(図2のカットソー向け原型等)
として、使用されることになる。
【0030】一方、本発明では、以下で述べるように、
衣服の縫製をしやすくし、かつ素材(生地)にゆとりを
持たせて着用時の着心地をよくするため、後述のよう
に、衣服の設計時にダーツまたはユルミを設けるもので
あるが、内部デザイン線はこのダーツまたはユルミを考
慮して決定されることになる。なお、ダーツまたはユル
ミの量は、各アイテム別の原型毎に異なることになる。
【0031】以下、本発明における原型の作成手順を説
明する。本発明では、ワンサイズ(例えば、JIS規格
の9号サイズ)の許容範囲の中で一人でも多くの人の体
型に適合する原型を作成するため、「JIS.L.40
05−1985.9AR」(いわゆる、9号サイズ)の
基本身体寸法の外枠形状を数値化した本発明者による特
許第2668105号(特開平7−18509号)を基
準に、体型区分サイズを、大別して10代のジュニア体
型、20代及び30代のミス体型、40代及び50代の
ミセス体型の3種類の体型に区分し、年齢層による体型
の相違を矩形(原型の外枠を示す基本形状)が有する立
体線(肩線、襟ぐり線、袖ぐり線等)の数値として求
め、この数値に基づいて3種類の体型別原型を作成し
た。
【0032】すなわち、各体型別の身体の数値データ
(立体線の数値)を得るために、JIS規格に基づいた
各体型別の9ARボディー(人体の立体模型)に直接ト
ワール布を当て、立体裁断した前身頃及び後身頃のトワ
ール布を展開する。ここで、この展開したトワール布の
外形形状は、人体体型の輪郭に沿ったカーブの強い形状
となって、そのままでは、縫製がしにくく、かつ縫製後
に着用した際に窮屈で機能性に欠ける問題がある。
【0033】そのため、JIS規格の基本身体寸法と体
型区分サイズの9ARの数値を分析し、参考人体寸法に
おけるくびつけ根囲38cm、腕つけ根囲37cm、胸
囲82cm、背肩幅39cm等の数値を参考に、成人女
性における10代から50代までの胸囲寸法の許容範囲
のゆとりを、10代のジュニア体型で8cm、20代及
び30代のミス体型で12cm、40代及び50代のミ
セス体型で16cmと定め、このゆとり寸法を胸囲寸法
に加えた。
【0034】このようにして作成した体型別原型を図3
乃至図5に示す。図3はジュニア体型の原型、図4はミ
ス体型の原型、図5はミセス体型の原型を示している。
そして、各原型の右半部は前身頃の右半部を表す一方、
各原型の左半部は後身頃の右半部を表している。ここで
は、前身頃部分と後身頃部分が一つの原型として一体に
設けられているが、前身頃部分と後身頃部分が別個の原
型として作成されていてもよい。
【0035】なお、各原型中の前身頃部分及び後身頃部
分は、各々上半身の周囲の1/4の範囲に該当するた
め、各原型中の前身頃部分及び後身頃部分の左右幅は、
上記ゆとりと胸囲寸法を加えた値の1/4の値とした。
さらに、人体の背面側の運動量が多いことを考慮して、
運動量の前後差0.5cmを付し、従って、前身頃の左
右幅は、上記値から0.5cmを減算した値とし、後身
頃の左右幅は上記値に0.5cmを加算した値とした。
【0036】図3乃至図5の原型は、立体裁断で得られ
たトワール布の外形形状を、前後の各袖ぐり線LG及び
EG、肩線KL及びBE、衿ぐり線KM及びBC(立体
線)の曲線形状に反映させながら、前身頃部分及び後身
頃部分を上記算出方法で得られた左右幅とし、前後の各
中心線MT及びCD、脇線GH等は直線状として形成し
た。なお、各原型の前身頃部分の下端部には台形TSR
Hで表される前下がり部分が設けられるが、これについ
ては後述する。
【0037】図6は成人女性の身体(立体模型)を側方
から見た図であり、図中の点線Iはジュニア体型を、実
線IIはミス体型を、一点鎖線III はミセス体型を示して
いる。図6から明らかなように、年齢層が高くなる程、
一般に人は前屈みの姿勢となり、背面は湾曲してゆく。
図3乃至図5における各原型の輪郭の相違は、主とし
て、年齢層による前屈みの度合いの相違、つまり、人体
の前面及び背面の凹凸の度合いの相違に基づく立体線の
数値の相違から生じている。すなわち、図3乃至図5の
原型は、各年齢層別の立体模型が有する立体線の数値の
相違を反映しながら作成されているので、各々輪郭、寸
法が異なるのである。
【0038】図3乃至図5の各原型中に寸法を数値〔単
位はcm〕で表したように、上記矩形が有する立体の数値
の相違に基づいて、各原型の輪郭の相違が顕著に表れる
のは、後天幅(AB間寸法:例えば、図3の原型では
7.5cm)が年齢層が高くなる程大きくなるのに対し、
前天幅(JK間寸法)は年齢層が高くなる程小さくなる
こと、前後の各ネックポイントK、Bの上下方向のずれ
の値が年齢層が高くなるにつれて顕著に大きくなるこ
と、背丈(CD間寸法)が年齢層が高くなるに伴って大
きくなること等である。これらに基づいて、袖ぐり線L
G及びEG、肩線KL及びBE、衿ぐり線KM及びBC
(立体線)の位置及び形状が図3乃至図5の各原型毎に
異なることになる。
【0039】なお、図3乃至図5中に示した寸法は、J
IS規格の9号サイズの衣服を設計するための原型用の
寸法であり、他の号数の衣服を設計するための原型にお
いては、これらの寸法が異なることになるが、各号数毎
に上記と同様の手順で予め年齢層別の3種類ずつの原型
の形状、寸法を定めておけばよい。
【0040】ところで、衣服のアイテム(衣服種類)を
カットソー、軽衣料、重衣料の3種類に分類した場合、
前述のように、各アイテムの衣服は上記した年齢層別の
3種類の体型に類似した特徴を有している。すなわち、
図7中(a)に示すように、ジュニア体型は、前かがみ
の度合いが小さく、従って、身体の前面及び背面におけ
る凹凸の度合いが最も少ないため、カットソー(Tシャ
ツ等のニット類)が好適にフィットする体型である。
【0041】また、図7中(b)に示すように、ミス体
型は、ジュニア体型に比べてやや前かがみ気味の体型で
あるため、身体の前面及び背面の凹凸の度合いがやや大
きな体型であり、軽衣料(ブラウス等の普段着)が好適
にフィットする体型であると言える。さらに、同図
(c)に示すように、ミセス体型は最も前かがみの度合
いが大きく、従って、身体の前面及び背面における凹凸
の度合いが最も大きい体型であるため、重衣料(ジャケ
ット等の外出着)が好適にフィットする体型であると言
える。
【0042】本発明では、係る相関関係に着目し、図3
のジュニア体型の原型をカットソー向け原型、図4のミ
ス体型の原型を軽衣料向け原型、図5のミセス体型の原
型を重衣料向け原型として使用する。このように、ワン
サイズ(例えば、JIS規格の9号サイズ)であって
も、アイテム別に異なる原型を使用して型紙の作成を行
えるので、各アイテム毎に異なる衣服の外枠シルエット
線を個々の原型を用いて適切に描くことができるように
なる。
【0043】次に、ダーツまたはユルミについて説明す
る。前述のように、人体の立体模型から採取した数値の
みで原型を作成し、これに基づいて衣服の設計を行った
場合、衣服のカーブが強くなり過ぎ、縫製が困難で着心
地も悪くなるため、本発明では、衣服の設計時にダーツ
またはユルミを与え、このダーツまたはユルミの量(以
下、代表的にダーツ量という)を体型別の3種類の原型
につき各々異なる値として設定した。
【0044】上記ダーツ量は、図3乃至図5の原型にお
いて、各原型の右半部の前身頃部分では、本来の前ウェ
ストラインHTから下方へ延長される台形TSRHの上
下幅α(前下がり)により決定される。一方、各原型の
左半部の後身頃部分では、肩甲骨の中央位置Oを一端と
して後袖ぐり線側に延びる2つの直線と後袖ぐり線との
交点をX、Yとすると、OXYは大略扇形をなすが、後
身頃のダーツ量Wはこの扇形OXYにおける2点XY間
の間隔βで与えられる。
【0045】なお、上記台形TSRHは、前中心線MT
を本来の前ウェストラインの下方へ所定寸法だけ延長
し、前中心線MTの延長下端Sから本来の前ウェストラ
インHTと平行な横線を引くとともに、前身頃における
胸部の中央位置Pから垂直下方へ延長した線と上記横線
との交点Rと前ウェストラインHTと前脇線GH(=後
脇線)の交点Hとを接続する斜線を引くことにより、与
えられる。なお、台形TSRHが付加されることによ
り、前ウェストラインはHRSとなる。
【0046】そして、本発明では、台形TSRHの上下
幅である前下がりαの値を、年齢層の高い体型の原型程
大きくする(例えば、図4のミス体型の原型では前下が
りα=3.0cm)。また、扇形OXYにおけるXY間の
間隔βも、年齢層の高い体型の原型程大きくする(例え
ば、図4の原型では間隔β=1.5cm)。このように、
高年齢層の体型に応じた原型程、ダーツ量が大きくなる
ように設定する。
【0047】なお、図3乃至図5に示した前下がりα及
び間隔βの数値は、JIS規格の9号サイズ用の値であ
るが、同一号数であっても体型に応じてα及びβの数値
は変化する。これは、前述したように、低年齢層と高年
齢層とでは、号数(例えば、9号サイズ)が同一でも、
膨らみ部(胸部や肩甲骨)の筋肉の付き方が高年齢層程
多くなる傾向があり、それに対応して、高年齢層程、ダ
ーツまたはユルミの量を大きくする必要があるためであ
る。また、他の号数については、これらα及びβの数値
が変化することは言うまでもないが、いずれの号数につ
いても、高年齢層の体型に対応した原型程α及びβの数
値が大きくなる。
【0048】次に、上記原型を用いた衣服の設計手順を
説明する。衣服を設計するための作図に際して、前身頃
及び後身頃の外枠シルエット線は、基本的には図3乃至
図5の原型の輪郭を用いて描くようにする。例えば、ブ
ラウス等の軽衣料を設計する場合、図4の軽衣料向け
(ミス体型)の原型を使用し、設計しようとするブラウ
ス等の外枠シルエット線を描く。
【0049】その場合、このブラウス等にダーツまたは
ユルミを与える必要があるが、ダーツまたはユルミの配
分は以下のようにして行う。図8において、前述のよう
に、衣服の前身頃に配分するダーツ量は前下がりαによ
り決定され、後身頃に配分するダーツ量は扇形OXYに
おける2点XYの間隔βにより決定される。
【0050】本発明において、実際の前身頃のダーツ量
の配分は、前身頃における胸部の中央位置Pを中心とし
て、前ウェストラインHRSと前脇線GHとの交点Hを
通る円弧P1を描き、台形TSRHの辺SRの延長線と
の交点をUとして、扇形PHUの中心角でダーツ量を決
定するものとする。
【0051】すなわち、点Pを中心として扇形PHUを
360°の範囲で適宜回転させながら、前身頃上の所望
の位置にダーツまたはユルミを配分する。例えば、図9
では、扇形PHUを扇形PH”U”の位置に回転させた
状態を示しているが、この場合、扇形PH”U”の中心
角はθ1であり、扇形PHUの中心角と等しい。なお、
扇形PHUの中心角θ1は、前下がりαが大きくなる程
大きくなり、その意味でダーツまたはユルミの量は前下
がりαにより決定されることになる。
【0052】後身頃のダーツ量も、前記肩甲骨の中央位
置Oを中心として、扇形OXYを360°の範囲で適宜
回転させながら所望の位置にダーツまたはユルミとして
配分するのであるが、この場合も、扇形OXYの中心
角、つまり、2辺OX及びOYの成す角度θ2を基準と
して配分してゆく。中心角θ2は、2点XY間の間隔β
が大きくなる程大きくなるので、後身頃のダーツまたは
ユルミの量は間隔βにより決定されることになる。
【0053】実際の原型には、前身頃部分に前記胸部の
中央位置Pを中心に原型に対して回転自在な円形の回転
板Z1を取り付ける一方、後身頃部分に前記肩甲骨の中
央位置Oを中心に原型に対して回転自在な円形の回転板
Z2を取り付けておく。この場合、原型及び回転板Z
1、Z2は合成樹脂や紙等の材料で作成し、両者を不図
示のピンやリベット等で回転自在に接続する。また、回
転板Z1上には、上記辺PHと辺PUとの間の角度θ1
を中心角とする扇形PH’U’を描く一方、回転板Z2
上には、上記辺OXと辺OYとが成す角度θ2を中心角
とする扇形OX’Y’を描いておく。この場合、ダーツ
またはユルミは、回転板Z1、Z2を360°の範囲内
で回転させ、扇形PH’U’または扇形OX’Y’を円
周上の任意の方向へ向けることにより配分できるので、
上記ダーツまたはユルミを「円が有する立体のダーツま
たはユルミ」と呼ぶ。
【0054】図10に扇形PHUまたは扇形OXYをP
点またはO点を中心に回転させることにより、原型輪郭
線に放縦する種々のダーツカットの位置にダーツまたは
ユルミを配分するデザイン線の様子を示す。例えば、シ
ョルダーカットとは、ショルダーの位置にダーツまたは
ユルミを配分したもの、アームホールカットとは、アー
ムホールの位置にダーツまたはユルミを配分したもの、
ゴージーカットとは首の位置にダーツまたはユルミを配
分したものである。
【0055】図11(a)乃至(f)に種々の位置にダ
ーツを配分して衣服を設計した後、実際に縫製した状態
を、前身頃側から示す。ここで、ダーツとは、例えば、
図11(a)のウェストカットであれば、図13中
(a)において、前身頃のウェストにダーツ量の全量を
扇形PR’R(中心角θ1)として配分した後、辺P
R’と辺PRとが重なるようにつまんで縫い合わせたも
のである。
【0056】また、ダーツについては、図12(a)乃
至(d)に示すように、種々の装飾効果を加えることに
より、ダーツギャザー、ダーツタック、図示しないイセ
等に変形させることができる。例えば、図12(a)の
ウェストダーツギャザーであれば、原型に扇形PR’R
のダーツを取り、辺PR’の点線の位置に任意の数値の
ギャザー分を展開してR’がR”となるようにし、長く
なったギャザー分を折り畳んで縮めてPR’とし、この
辺PR’を辺PRと縫い合わせると、ウェストダーツギ
ャザーとなる。また、図12(c)のショルダーダーツ
タックは、ショルダーカットの位置に、ダーツ処理を2
箇所に分割して行ったものである。
【0057】以上のように、ダーツまたはユルミを種々
の位置へ配分することにより、種々のデザインの衣服を
提供することができる。従って、同一サイズの範囲内で
あっても、個々のユーザ毎に異なる体型に合わせて、各
ユーザの体型に適合しやすい種々のデザインの衣服の製
図を描くことが可能となる。
【0058】以下、まず、前身頃側の各ダーツカットの
基本配分処理を具体例を挙げながら説明する。図13中
(a)のウェストダーツまたはウェストユルミは、図8
の原型の前身頃部分の外枠形状と同一のものであって最
も基本となる配分例である。すなわち、原型の前身頃部
分の外枠形状は、ウェストにダーツまたはユルミの全量
を配分した場合の前身頃の形状と一致するように定めら
れており、従って、ウェストにダーツまたはユルミの全
量を配分する場合、原型の外枠形状をそのまま利用して
前身頃の外枠形状を描くことができる。一方、ウェスト
以外にダーツまたはユルミを配分する場合、図13
(a)を基に同図(b)〜(f)のようにダーツまたは
ユルミが展開され、これに伴って、前身頃の外枠形状自
体が原型の外枠形状とは異なる形状に修正されるが、こ
れについては、以下に説明する。
【0059】また、ウェストにダーツまたはユルミを配
分する場合、図13(a)に示すように、通常、胸部の
中央位置である点Pの真下の扇形PRR’の位置にダー
ツまたはユルミが配分されることになる。この場合、辺
PRと辺PR’間の角は、図8における扇形PHUの中
心角θ1と等しくなることは言うまでもない。
【0060】次に、ウェストに配分したダーツ量の全量
をダーツとして用いる場合、縫製時に辺PR’と辺PR
とが重なるように縫い合わせればよい。このように縫製
時にダーツ処理を行った場合、非着用状態においても、
前身頃が点Pを中心として部分的な円錐状を成し、胸部
の膨らみに対応した凹凸形状をなすことになる。従っ
て、実際に着用した場合は、胸部の膨らみにより密着し
た凹凸形状をなすことになる。
【0061】一方、例えば、上記扇形PR’Rで与えら
れるダーツ量の全量をユルミとして用いる場合は、縫製
時に辺PR’と辺PRとの縫合せを行わなくてよい。こ
の場合、非着用時では前身頃には凹凸が形成されず、着
用時には、胸部の膨らみに応じて、ダーツの場合よりも
緩やかな凹凸が前身頃に形成されることになる。なお、
中心角θ1で表されるダーツ量の一部、例えば、ダーツ
量の1/2をダーツとして用い、残りの一部、例えば、
残りの1/2をユルミとして用いることもでき、その場
合、例えば、θ1の1/2の角度範囲をつまんで縫い合
わせればよい。
【0062】次に、ウェストカット以外のカット位置に
ダーツまたはユルミを配分する前身頃が設計される手順
を図14を用いて説明する。図14中(a)において、
基本型である図8のθ1で表されるダーツ量をアームホ
ール(図13(b)参照)に配分する操作手順として、
袖ぐり線LG間に所望の点Qを設定することにより、辺
PQを定める。そして、回転板Z1上の扇形PH’U’
の辺PH’の延長線上に点Hが、辺PU’の延長線上に
点Uが位置している状態から、回転板Z1を停止させな
がら、原型を反時計方向へ回転させて、原型の点Hが回
転板における扇形PH’U’の辺PU’の延長線上に来
るようにする。
【0063】これにより、面PQGHR(実線)が面
PQ’G’UR’(一点鎖線)に移動し、図14
(a)と同角θ1のダーツまたはユルミがアームホール
に配分された図14(b)に示す前身頃ができる。この
場合、図14(b)の前身頃では、ウェストラインが点
SからRを経て点Uに至るまで直線状となり、この直線
SU(X’軸)は直線TH(X軸)よりαだけ下方へず
れていることが分かる。なお、図14(b)の前身頃を
手書きで作図する場合は、原型の回転前に点SからM、
K、L、Qの範囲を原型の輪郭に沿って描き、原型の回
転後に点Q’からG’、U、Sの範囲を描くことにより
作図できる。
【0064】また、コンピュータ上で作図する場合、図
14(b)のような前身頃の形状が演算により求められ
る。そして、後述するが、コンピュータ上で衣服の設計
を行う場合、図14(b)の前身頃をアームホールカッ
ト用の前身頃の型として、予めコンピュータに記憶させ
ておくことができる。これにより、アームホールカット
の衣服を設計する度に一々前身頃の形状を演算する必要
がなくなる。
【0065】同様にして、図13中(c)のサイドカッ
トを図15により説明する。基本型である図8のθ1を
サイドカットに配分する操作手順として、脇線GH間に
所望の点Qを定めることにより辺PQを決定する。そし
て、回転板Z1上の扇形PH’U’の辺PH’の延長線
上に点Hが、辺PU’の延長線上に点Uが位置している
状態から、回転板Z1を停止させながら、原型を反時計
方向へ回転させて、原型の点Hが回転板における扇形P
H’U’の辺PU’の延長線上に来るようにする。これ
により、面PQHR(実線)が面PQ’UR’(一点
鎖線)に移動し、図15(a)と同角θ1のダーツま
たはユルミがサイドに配分された図15(b)の前身頃
ができる。コンピュータを用いて設計する場合、これを
サイドカット用の前身頃の型として記憶させておく。
【0066】同様にして、図13(d)(e)(f)に
おいても、それぞれのダーツカットの位置に所望の点Q
を設定し、原型を角度θ1だけ反時計方向へ回転させ
て、各ダーツカットの位置に角θ1のダーツまたはユル
ミが配分された前身頃が作図される。コンピュータ上で
衣服の設計を行う場合、図13(a)〜(f)の6つの
前身頃の形状を基本型として記憶させておけばよい。な
お、各ダーツカットの位置にダーツを配分するかユルミ
を配分するかにより、前身頃の基本型は12種類と考え
ることができる。
【0067】次に、前身頃の2箇所以上の位置にダーツ
量を配分する場合の設計の手順を図16により説明す
る。例えば、基本型である図8のθ1をアームホールと
ウェストに配分する手順として、まず、アームホールの
位置に所望の点Qを設定し、辺PQを定める。
【0068】次に、円弧HUを3等分し、その2/3、
つまり、原型の点HがH’の位置に来るまで原型を反時
計方向へ回転させると、面PQGHRは面PQ’G’
H’R’に移動し、アームホールに中心角がθ1×2/
3と扇形PQQ’で表されるダーツができる。残りの1
/3のダーツは、図16(b)のように、原則通り、点
Pの真下の位置にウェストダーツPRR”として移動さ
れる。
【0069】なお、アームホールにダーツまたはユルミ
の量の2/3を与えることにより、前身頃の輪郭はG’
H’Rの部分で原型とは異なる外枠形状に変化するが、
ウェストに残りの1/3のダーツまたはユルミを与える
ことによっては、前身頃の外枠形状は変化しない。ま
た、図16(b)の扇形PQQ’と扇形PRR”の中心
角の合計値は図16(a)の扇形PHUの中心角θ1と
等しくなる。
【0070】同様にして、前身頃の3箇所にダーツ量を
配分する場合の設計手順を図17により説明する。同図
(a)において、例えば、扇形PHUの中心角θ1で表
されるダーツ量をネック、アームホール、サイドに1/
3ずつ配分する場合、まず、衿ぐり線MK間の所望の点
g、袖ぐり線LG間の所望の点h及び脇線GH間の所望
の点iを定める。
【0071】次に、円弧HU、つまり、中心角θ1を3
等分し、回転板Z1を停止させた状態で原型を中心角θ
1の1/3だけ回転させると、ネックにダーツまたはユ
ルミが扇形Pgg’として与えられ、かつ、gKL間が
g’K’L’に移動する。続いて、原型をさらに中心角
θ1の1/3だけ回転させると、袖ぐり線上の点hが
h’に移動し、アームホールにダーツまたはユルミが扇
形Phh’として与えられる。最後に原型を中心角θ1
の残りの1/3だけ回転させると、脇線上の点iがi’
に移動し、サイドにダーツまたはユルミが扇形Pii’
として与えられる。
【0072】この結果、前身頃の外枠形状は、図17
(b)に示すようにSMg間は回転前の原型の輪郭で与
えられ、g’K’L’h間は第1回目の回転後の原型の
輪郭(同図(a)中点線)で与えられ、h’G’i間
は第2回目の回転後の原型の輪郭同図(a)中一点鎖線
)で与えられ、i’UR間は最後の回転後の原型の輪
郭同図(a)中二点鎖線)で与えられる。上記のよう
にしてできた図17(b)のネック、アームホール及び
サイドに配分されたダーツまたはユルミの量の合計角度
値は、同図(a)のθ1と等しくなる。
【0073】このようにして同様の手順によりできたダ
ーツ処理の組合せ例として、前身頃の2箇所にダーツま
たはユルミを配分する場合の配分位置の組合せが66通
りとなり、図26に示した。また、前身頃の3箇所にダ
ーツまたはユルミを配分する配分位置の組合せは、図2
7のように55通りとなり、2箇所または3箇所に配分
する配分位置の組合せは合計121通りとなる。
【0074】上記以外にも、前身頃の3箇所以上のダー
ツ量を配分することも可能であり、上記と同様の手順で
所望のダーツカットの位置にダーツ量配分の基準となる
点を設定し、円弧HU、つまり、扇形PHUの中心角θ
1をダーツ量を配分する箇所の数に合わせて分割し、原
型をダーツ量配分位置で中心角θ1を配分箇所の数で除
した角度だけ回転移動させると、所望の箇所にダーツま
たはユルミが配分される。
【0075】このようにして、図8の原型ではウェスト
に配分されているダーツまたはユルミを、任意の組合せ
で各種の位置に配分することができ、言い換えれば、ダ
ーツまたはユルミを各種位置に配分した新規のデザイン
の衣服を設計することができる。上述のように、ダーツ
とユルミは、縫い合わせるか否かにより、ダーツになる
かユルミになるかが決定されるのであるが、このユルミ
がアームホールに少量でも配分されていると、袖ぐりの
カーブが緩やかになり、着心地がよく、また縫製がしや
すくなる。
【0076】このことを図18により説明すると、同図
(a)に示すように、原型では扇形PHUで示されるダ
ーツ量が原始的にウェストに配分されている。この状態
では、胸部の中央位置である点PのY座標y0と袖ぐり
線の下端である点GのY座標y1との差が大きく、胸部
近傍に高く、狭いカーブ、つまり、強いカーブが形成さ
れるため、縫製後に衣服を実際に着用した際に着心地が
窮屈になりがらである。これに対し、図18(b)に示
すように、扇形PHUの中心角θ1の2/3をアームホ
ールに配分し、残りの1/3をウェストに配分した場
合、袖ぐり線の下端点G’が上記点Gに比べて下方へ移
動し、そのY座標y2が点PのY座標y0と近い値にな
り、かつ点G’が点Gに比べて外側へ移動するため、縫
製後に実際に着用した場合、胸部近傍に低く、広いカー
ブ、つまり緩やかなカーブが形成されることになる。
【0077】次に、後身頃のダーツ配分の設計手順を説
明する。図19中(a)は後身頃のアームホールにダー
ツまたはユルミを配分したものであり、この場合、扇形
OXYの中心角θ2は、図8の原型の後身頃部分におけ
る扇形OXYの中心角θ2と同量である。すなわち、原
型の後身頃部分は、アームホールにダーツ量の全量を配
分した状態とされているので、アームホールにダーツま
たはユルミを配分する場合、原型の外枠形状をそのまま
用いて後身頃の外枠形状を描くことができる。以下、後
身頃のアームホール以外の箇所にダーツ量を配分する場
合を説明する。
【0078】例えば、図19中(b)は後身頃のネック
にダーツ量の全量を配分する場合であり、図20により
配分処理の手順を説明する。同図(a)において、衿ぐ
りCB間に所望の基準点Qを設定することにより辺OQ
を設け、回転板Z2を固定状態として後身頃の原型を時
計方向を角度θ2だけ回転させる。これにより、辺OQ
がPQ’に移動する結果、図20中(a)の面OQBE
X(実線)が面OQ’B’E’Y(一点鎖線)に移
動し、衿ぐりの位置に扇形OQQ’が形成される。従っ
て、原型ではアームホールに配分されていたダーツ量が
アームホール(扇形OQQ’の位置)に移動し、それに
伴って、袖ぐり線E’G(図20中(b)参照)が元の
袖ぐり線EGより2点XYの間隔β分だけ短くなる。
【0079】図19中(c)は後身頃のショルダーにダ
ーツ量を配分した例である。この場合の配分処理手順は
具体的に図示しないが、図20中(a)において、肩線
BE上に任意の基準点を設け、回転板Z2を固定状態で
後身頃の原型を角度θ2だけ時計方向へ回転させればよ
い。
【0080】次に、後身頃の2箇所にダーツ量を配分す
る場合を説明する。図21に示すのは、ダーツ量の1/
2をネックに配分し、残りの1/2をアームホールに配
分する場合の例である。扇形OXYの中心角θ2を2等
分し、衿ぐりCB間に所望の基準点Qを設定して辺OQ
を設け、回転板Z2を固定状態として原型を時計方向へ
中心角θ2の1/2だけ回転させる。これにより、辺O
QがOQ’に移動する結果、面OQBEX(実線)が
面OQ’B’E’X’(一点鎖線)に移動し、衿ぐり
の位置に中心角がθ2×1/2の扇形OQQ’が形成さ
れる。
【0081】従って、原型ではアームホールに配分され
ていたダーツ量の1/2がアームホール(扇形OQQ’
の位置)に移動し、残りの1/2はアームホールに残っ
ており、中心角の合計角度値は原型の中心角θ2と等し
くなる。また、伴って、袖ぐり線EG上の点XがX’に
移動するので、袖ぐり線E’G(図21中(b)参照)
が元の袖ぐり線EGより間隔βの1/2だけ短くなる。
【0082】後身頃の3箇所以上にダーツ量を配分する
場合も、上記と同様の手順で行えばよい。このような手
順でできたダーツ処理の組合せ例として、後身頃の2箇
所にダーツまたはユルミを配分する組合せは、図28に
示すように15通りとなる。また、後身頃の3箇所にダ
ーツまたはユルミを配分する組合せは、図29に示すよ
うに10通りとなり、後身頃の2箇所または3箇所にダ
ーツまたはユルミを配分する組合せは合計25通りとな
る。
【0083】以上のように、本発明では、回転板Z1、
Z2を適宜回転させながら、扇形PH’U’または扇形
OX’Y’の中心角θ1またはθ2で表されるダーツ量
を前身頃または後身頃の1または複数箇所に適宜に配分
してゆくことができ、係る配分処理方法は、人体体型の
内部デザイン線を描ける最も重要なダーツ処理方法とな
る。
【0084】このように中心角θ1、θ2を目安にする
ことにより、衣服のいずれの位置にダーツ量を配分する
場合でも、ダーツ量を略一定とすることができるととも
に、種々の位置にダーツ量を配分することにより、個々
のユーザ毎に異なる体型に合致した種々のデザインの衣
服を提供することができる。
【0085】図13及び図19に示したように、前身頃
及び後身頃の各原型の外枠シルエット線を定め、それぞ
れの所定の位置においてダーツ処理を行った後、この原
型を用いて描いた外枠シルエット線を、実際に設計しよ
うとする衣服のデザインに合わせて適宜修正し、また、
所望により、内部デザイン線を追加したりして実際の前
身頃及び後身頃のデザイン(型紙の形状)が完成する。
また、袖等の製図は、必要により別途作図する。その場
合、前身頃及び後身頃等の作図は上記原型を用いて手書
きで行ってもよく、また、コンピュータの画面上で行っ
てもよい。コンピュータの画面上で作図する場合、外枠
シルエット線の修正等は、例えば、コンピュータに所望
の数値を入力したり、画面上で線を描くこと等により行
える。
【0086】次に、上記した衣服の作図をパーソナルコ
ンピュータ(以下、パソコンという)等の各種コンピュ
ータを用いて行う場合の手順を説明する。図22はパソ
コンを用いて衣服を設計する手順を示すフローチャート
であり、図23は図22のS1〜S10の工程をより具
体的に表した説明図、図24は図22のS1、S2及び
S11a〜S14a乃至S11d〜S14dの工程をよ
り具体的に表した説明図である。
【0087】図22のフローチャートにおいて、まず、
ステップS1では、本発明者による前記特許第2668
105号(特開平7─18509号公報)に係る身体の
体型を模した定規1がパソコンに付属した表示装置上に
表示される(図25中画面参照)。
【0088】すなわち、図25中画面に表示される定
規1は、例えば、JIS規格の成人女子衣料の基本身体
寸法の、身体の前面側及び背面側に所定の縮尺で目盛り
が設けられたものであり、イメージデザイン画に対し
て、着丈、ズボン丈、スカート丈等の数値を正確に得る
ために用いられる。例えば、上記画面上でデザインの
着丈の目測の長さの数値を得たい場合、目測の長さの両
端の2点を順次タッチ(またはマウスによるクリック)
することにより、その2点間の距離が測定され、必要に
より、画面上に数値が表示される。この数値は画面上
での寸法ではなく、実寸大の身体上の、デザインの着
丈、スカート丈等の数値として与えられる。
【0089】次に、図22のステップS2において、予
めインストールしたプログラムに従ってパソコンの画面
上に自動的に表示されるメッセージ(質問)に対し、
「YES」または「NO」で答え、必要により、所望の
数値(着丈、身幅等)を入力する。このメッセージによ
る質問内容は、例えば、設計しようとする衣服のアイテ
ムが前記カットソー、軽衣料、重衣料のいずれであるか
否か、先に進むか否か、入力した数値を確定するか否か
等であり、パソコンを用いて衣服の設計を行う設計者
が、これらのパソコンからの質問に回答する対話形式で
作業を進めてゆく。
【0090】この場合、図23中のステップS2におい
て、前記3種類の原型の内から、例えば、重衣料向け原
型を選択すると、図22のステップS3において、この
重衣料向け原型がパソコンの画面上に表示される(図2
5の画面)。この画面には図示していないが、この
時、原型3と重なるように画面の定規1を表示するよ
うにしてもよく、定規1を消去して原型3のみを表示す
ることもできる。
【0091】次に、図22中のステップS4において、
パソコンからのメッセージにより、例えば、ダーツ処理
の組合せのモジュールの選択を行うか否かが質問され、
これに対して設計者は「YES」または「NO」で回答
する。「YES」と回答した場合、例えば、前身頃につ
いては、図26及び図27に示した合計121通りの組
合せが順次パソコンの画面上に表示され、これらの組合
せの中から設計者が所望の組合せを選択する。また、後
身頃についても、図28及び図29に示した25通りの
組合せが順次パソコンの画面上に表示され、これらの中
から所望の組合せを選択する。これらの選択は、例え
ば、図3中のステップS4において、前身頃、後身頃の
それぞれについて、所望の2箇所または3箇所のダーツ
またはユルミの配分位置を順次選択することにより行う
こともできる。
【0092】これにより、図22中のステップS5にお
いて、選択した組合せによるダーツまたはユルミの配分
済の前身頃4及び後身頃5の図面がパソコンの画面上に
表示される(図25の画面)。ここでは、図26乃至
図29の各組合せに対応して、前述した手順で予め作成
された前身頃4及び後身頃5の図面(ダーツまたはユル
ミ配分済のもの)をモジュールと呼ぶ。図25の画面
の例においては、前身頃4ではアームホールユルミ4a
とネックダーツ4bが、後身頃ではアームホールダーツ
及びアームホールユルミ5aが選択されている。そし
て、画面では、前身頃4及び後身頃5の図形が、ダー
ツ処理が施されると同時に図22のステップS2で入力
した着丈、身幅等の数値が反映された外枠形状として表
示される。
【0093】本発明でパソコンを用いて衣服の設計を行
う場合、原型の各種の位置の組合せでダーツまたはユル
ミ処理を施した状態の図面であるモジュール(図13に
示したようなもの)を予め数値化してパソコンに記憶さ
せておき(ここでは、前身頃については121通りのモ
ジュール)、例えば、図26及び図27に示すような、
ダーツまたはユルミの組合せをパソコンの表示装置の画
面にアイコンとして表示させて、所望の組合せを選択す
るのみで、原型にダーツまたはユルミ処理を施した状態
の前身頃4(図25中画面)が上記表示装置に表示さ
れるようにしている。
【0094】すなわち、ここで、設計しようとしている
図30の例では、同図中右側の表から明らかなように、
前身頃では、アームホールユルミとネックダーツを選択
しているので、図26の組合せ中からこれらアームホー
ルユルミとネックダーツの組合せを選択すると、図25
中画面には、画面の原型の前身頃部分にアームホー
ルユルミ4aとネックダーツ4bとが施された状態の形
状を有する前身頃4が表示される。
【0095】本発明では、後身頃についても、原型に前
記25通りのダーツまたはユルミ処理を施した状態の図
面を数値化してモジュールとしてパソコンに記憶させて
おき、例えば、図30中の表のように、後身頃にアーム
ホールユルミを与える場合、図26中からアームホール
ダーツとアームホールユルミの組合せを選択すると、図
23の画面には、画面の原型3の後身頃部分にアー
ムホールダーツまたはアームホールユルミ5aが施され
た状態の形状を有する後身頃5が表示される。
【0096】前述のように、ダーツとユルミは縫製時に
縫合せを行うか否かが相違するのみであるから、アーム
ホールユルミのみを施す場合でも、アームホールダーツ
とアームホールユルミの組合せを選択すればよい。な
お、上記では、前身頃または後身頃のダーツまたはユル
ミの組合せとして、ダーツまたはユルミを2種類または
3種類組み合わせる場合を説明したが、ダーツまたはユ
ルミを4種類以上最大6種類程度まで組み合わせること
も可能であり、その場合、組合せの数は、上記した前身
頃の121通り、後身頃の25通りよりもさらに多くな
る。但し、パソコンを利用すれば、各組合せについて、
図25中画面のようなダーツまたはユルミの配分済の
前身頃及び後身頃のモジュールを多数記憶させておくこ
とは容易である。
【0097】次に、図22のステップS6において、パ
ソコンからのメッセージ、例えば、前述したカットソ
ー、軽衣料、重衣料という衣服のアイテムを一層具体化
した、ブラウス、ジャケット、コート等の細分類からの
選択を行うか否かの質問に対して設計者が「YES」ま
たは「NO」で回答し、「YES」の場合、具体的な衣
服の種類、例えば、ジャケットを選択する(図23中の
ステップS6a参照)。続いて、パソコンからのメッセ
ージで、シェイプシルエット、ストレートシルエット、
Aラインシルエットのいずれを選択するかが質問される
ので(同図中ステップS6b)、所望のシルエット、例
えば、シェイプシルエットを選択するとともに、必要に
より、数値を入力する。
【0098】図32中(b)に示すように、ストレート
シルエットは脇線が直線となるシルエットであり、3種
類のシルエット中の基本である。このストレートシルエ
ットを基本として、衣服のウェスト近傍が身体にぴった
りフィットしているか、大幅な余裕を持たせているかに
より、図32中(a)のシェイプシルエットまたは同図
中(c)のAラインシルエットとなる。
【0099】すなわち、シェイプシルエットとは、スト
レートシルエットを基本に、ウェスト近傍において、ダ
ーツを任意の数値として付加したり、または脇線を任意
の数値として削ることにより、外枠シルエット線が身
体、特にウェスト近傍にぴったりフィットするようにし
たものである。一方、Aラインシルエットとは、図33
中(a)のストレートシルエットを基本に、アームホー
ル等のダーツ7をたたみ、そのダーツ量を外枠シルエッ
ト線に反映させながら図33中(b)のように切開き線
8を基準として切り開いて同図中(c)のように展開し
てゆく。
【0100】上記したように、具体的な衣服の種類とシ
ルエット、例えば、ジャケットとシェイプシルエットと
を選択すると、図22のステップS7において、シェイ
プシルエットのジャケット用にアレンジされた前身頃4
及び後身頃5の図形がパソコンの画面に表示される(図
25の画面参照)。すなわち、図25中画面のダー
ツ処理済の前身頃4及び後身頃5(ダーツ処理済のモジ
ュール)を基本として、各種衣服のアイテム(ジャケッ
ト、コート)別及び上記3種類の各シルエット別にそれ
ぞれ前身頃4及び後身頃5の図面(アイテム・シルエッ
ト別のモジュール)が予め準備されてパソコンに記憶さ
れており、上述のように、アイテム(例えば、ジャケッ
ト)とシルエット(例えば、シェイプシルエット)を指
定するのみで、該当するモジュールが呼び出される。
【0101】ここでは、設計しようとするジャケットが
シェイプシルエットのものであるので、画面のモジュ
ールでは、前身頃4及び後身頃5にウェストダーツ4c
及び5bが追加されている。次に、図22中ステップS
8において、パソコンからのメッセージ(質問)に対
し、「YES」または「NO」で回答し、かつ、必要に
より、数値を入力する。図23に示すように、このステ
ップS8では、前記メッセージに答えながら応用デザイ
ンを行い、画面のモジュールに対して外枠シルエット
線の修正、内部デザイン線の追加等することにより、
画面に示すような完成図面(図22のステップS9参
照)とすることができる。
【0102】次に、応用デザインについて具体的に説明
すると、設計しようとする図30のジャケット2はシェ
イプシルエットであるため、前記画面で表示されたモ
ジュールに対して、前脇線を4dのように、後脇線を5
cのように削って補正する。肩線については、図30中
の表における肩幅“41cm”の値を参考に、肩幅の1
/2の値、すなわち、20.5cmを入力すると、この
肩幅に基づいて画面の肩幅が適宜修正され、画面の
肩線が描かれる。
【0103】また、衿ぐり線等は、画面の衿ぐり線等
がそのまま用いられて、画面の衿ぐり線等となる。な
お、衿ぐりにおけるダーツ4bは、応用デザインで衿4
を設計してゆくための重要な案内線となる。袖6は、図
24中のステップS11a〜S14aにおいて図示しな
い衿原型を用いて別個に設計してゆく。このようにし
て、図25中画面の前身頃4、後身頃5及び袖6の製
図が完成する。
【0104】また、応用デザインにおいては、前記した
以外にも、画面の外枠シルエット線の修正、内部デザ
イン線の追加を行ったり、“前”、“後ろ”、“袖”等
の文字を入力したり、寸法線や寸法を入力する等の作業
を、パソコンからのメッセージ(質問)に対して回答し
ながら対話形式で進めることができる。図22中ステッ
プS10では、必要により、完成した製図をプリンタ、
プロッタ等により印刷出力する。
【0105】身頃以外に衿、袖、スカート、パンツ等を
設計する際には、図22のS11a乃至S11dで各々
の原型を選択すると、図示しないが、予めパソコンに記
憶されているこれらの原型が表示装置上に表示される。
その場合、図24のS11aに示すように、衿原型はス
テンカラー用のものとシャツカラー用のものがあり、い
ずれかを選択する。また、S11cに示すように、スカ
ートの原型はタイトスカート用のものとフレアースカー
ト用のものがあり、いずれかを選択する。
【0106】続いて、図22のS12a乃至S12d
で、必要によりメッセージや数値を入力した後、S13
a乃至S13dで応用デザイン(図23参照)、つま
り、上記原型に基づく図形を適宜修正し、衿、袖等の製
図が完成する。ステップS14a乃至S14dでは、前
述と同様に、必要により、完成した製図をプリンタ、プ
ロッタ等により印刷出力する。
【0107】以上のように、パソコンを用いて衣服の作
図を行った場合、原型のみでなく、任意の組合せ(図2
6乃至図29参照)で1または複数箇所にダーツまたは
ユルミ処理を行った状態の前身頃4及び後身頃5等の輪
郭を予めパソコンに記憶させておき、ダーツまたはユル
ミの組合せを指定するのみで、ダーツまたはユルミの配
分処理済の図形(図25中画面等)を表示装置に表示
させることができるので、ダーツまたはユルミの配分処
理の手間が不要となる。
【0108】勿論、手作業で衣服の設計を行う場合も、
前記画面の前身頃4及び後身頃5に相当するようなパ
ターンをダーツまたはユルミの各組合せ毎に準備してお
くことも可能であるが、その場合は、このようなパター
ンを多数(例えば、前身頃について前記121通り)保
管しておくのが煩雑であるとともに、所定のパターンを
選択する作業も煩わしいものであるが、パソコンを利用
すれば、所望のモジュールが直ちに表示装置に表示され
るので、係る不具合はない。
【0109】また、図23中S7a及びS7bに示すよ
うに、カットソー、軽衣料、重衣料という分類よりさら
に詳細なブラウス、ジャケット等の衣服種類を準備する
とともに、新規のあらゆるデザインに対して3種類の外
枠シルエット、すなわちシェイプ、ストレート、Aライ
ンを選択できるようにしたので、所望の衣服種類及び外
枠シルエットを選択した上で、さらに肩幅等の数値を所
望により入力して応用デザインを行うことにより、各種
の衣服種類及び体型に応じた適切なデザインの設計が行
えるようになる。
【0110】
【発明の効果】本発明の請求項1のコンピュータによる
衣服の原型作図方法は、年齢層による体型(例えば、ジ
ュニア体型、ミス体型、ミセス体型)別に複数の原型を
作成し、この体型別原型を衣服種類別原型として用いる
ようにしたので、各種衣服種類別の外枠シルエット線の
作図を各々異なる原型を用いて的確に行うことができ、
縫製時における補正の必要をなくすか大幅に少なくする
ことができる。
【0111】また、各体型毎に必要なダーツまたはユル
ミの量を高年齢層の体型に応じた原型程大きくなるよう
に数値化し、このダーツまたはユルミの量を各原型上に
表すようにしたので、係るダーツまたはユルミを配分す
ることにより、衣服の各パーツの曲線が緩やかなものと
なって縫製が容易であるとともに、着用時に着心地のよ
い衣服とすることができる。
【0112】本発明の請求項2の衣服のダーツ処理作図
方法は、ダーツまたはユルミの量を所定の中心角を有す
る扇形として表すとともに、この扇形を360°の範囲
内で適宜回転させながら、上記中心角を基準として任意
の位置に配分するようにしたので、同一サイズの衣服で
あっても、ダーツまたはユルミの配分位置の異なる多数
のデザインの衣服を提供することができるので、個々の
ユーザは自らの体型に最も適合したデザインの衣服を選
択できるようになる。その場合、上記扇形の中心角によ
りダーツまたはユルミの量を定めるようにしたので、い
ずれの位置に配分する場合もダーツまたはユルミの総量
を略一定とすることができるとともに、回転自在な扇形
を用いることによってこのようなダーツまたはユルミの
量の調整を容易に行える利点がある。
【0113】請求項3の衣服の製図設計作図方法は、上
記請求項2の方法で配分したダーツまたはユルミを参照
しながら、最終的な衣服の外枠シルエット線または内部
デザイン線を描くようにしたので、上記ダーツまたはユ
ルミを考慮して縫製しやすく着やすい衣服にできるとと
もに、上記原型自体の外枠シルエット線を適宜修正した
り、適宜内部デザイン線を追加する等により、所望のデ
ザインの衣服を設計することができる。
【0114】請求項4の記録媒体は、請求項1記載の原
型を用いて請求項2又は3記載の方法をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録したものであるか
ら、係る記録媒体のプログラムをコンピュータにインス
トールすることにより、上記ダーツ処理作図方法または
衣服の製図設計作図方法をコンピュータ上で実行させる
ことができ、その場合、原型の輪郭の各種位置にダーツ
またはユルミを配分した状態の多数の図面をコンピュー
タに記憶させておいて、所望の組合せでダーツまたはユ
ルミを配分した図面を呼び出すのみで、ダーツまたはユ
ルミの配分済の図面を得ることができるので、ダーツ処
理及びそれに続く衣服の作図処理が極めて迅速に行える
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】衣服の設計に必要な要素及び各要素から衣服を
設計する手順を示す説明図。
【図2】人体体型及びデザインと本発明の各種原型との
相関関係を示す説明図。
【図3】本発明に係るカットソー向け原型を示す説明
図。
【図4】本発明に係る軽衣料向け原型を示す説明図。
【図5】本発明に係る重衣料向け原型を示す説明図。
【図6】ジュニア体型、ミス体型及びミセス体型を側方
から見た状態を示す説明図。
【図7】各種体型と衣服の種類との相関関係を示す説明
図。
【図8】原型上に与えられるダーツ量を示す説明図。
【図9】原型と同型のウェストダーツまたはユルミを示
す説明図。
【図10】上記原型上の回転板を回転させることにより
各種位置にダーツまたはユルミを配分する様子を示す説
明図。
【図11】各々異なる位置にダーツまたはユルミを配分
した衣服を例示する説明図。
【図12】ダーツに装飾効果を加えた衣服を示す説明
図。
【図13】前身頃の各種位置に本発明の方法によりダー
ツまたはユルミを配分した状態を示す説明図。
【図14】前身頃のアームホールにダーツまたはユルミ
を配分する様子を示す説明図。
【図15】前身頃のサイドにダーツまたはユルミを配分
する様子を示す説明図。
【図16】前身頃のアームホールとウェストにダーツま
たはユルミの一部を配分様子を示す説明図。
【図17】前身頃のネックとアームホールとサイドにダ
ーツを配分する様子を示す説明図。
【図18】前身頃のウェストダーツまたはユルミをアー
ムホールとウェストに配分する流れの様子を示す説明
図。
【図19】後身頃の各種位置にダーツまたはユルミを配
分した状態を示す説明図。
【図20】後身頃のネックにダーツまたはユルミを配分
する様子を示す説明図。
【図21】後身頃のネックとアームホールにダーツまた
はユルミを配分する様子を示す説明図。
【図22】本発明方法をパソコンを用いて実行する場合
の手順を示すフローチャート。
【図23】上記フローチャート中の身頃の設計部分を詳
細に示す説明図。
【図24】上記フローチャート中の身頃以外のパーツま
たは衣服の設計部分を詳細に示す説明図。
【図25】上記パソコンを用いてジャケットの設計を行
う場合に順次表示装置上に表示される画面の一例を示す
説明図。
【図26】前身頃の2箇所にダーツまたはユルミを配分
する場合の配分位置の組合せを示す説明図。
【図27】前身頃の3箇所にダーツまたはユルミを配分
する場合の配分位置の組合せを示す説明図。
【図28】後身頃の2箇所にダーツまたはユルミを配分
する場合の配分位置の組合せを示す説明図。
【図29】後身頃の3箇所にダーツまたはユルミを配分
する場合の配分位置の組合せを示す説明図。
【図30】上記パソコンを用いて設計しようとするジャ
ケットの絵型及びダーツまたはユルミの配分位置並びに
各種寸法を示す説明図。
【図31】上記パソコンを用いて設計したジャケットの
仕上がり状態を示す説明図。
【図32】設計しようとする絵型の種々の外部シルエッ
トの状態を示す説明図。
【図33】ストレートシルエットをAラインシルエット
に変形する様子を示す説明図。
【符号の説明】
3 原型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月8日(1999.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】このことを図18により説明すると、同図
(a)に示すように、原型では扇形PHUで示されるダ
ーツ量が原始的にウェストに配分されている。この状態
では、胸部の中央位置である点PのY座標y0と袖ぐり
線の下端である点GのY座標y1との差が大きく、胸部
近傍に高く、狭いカーブ、つまり、強いカーブが形成さ
れるため、縫製後に衣服を実際に着用した際に着心地が
窮屈になりがちである。これに対し、図18(b)に示
すように、扇形PHUの中心角θ1の2/3をアームホ
ールに配分し、残りの1/3をウェストに配分した場
合、袖ぐり線の下端点G’が上記点Gに比べて下方へ移
動し、そのY座標y2が点PのY座標y0と近い値にな
り、かつ点G’が点Gに比べて外側へ移動するため、縫
製後に実際に着用した場合、胸部近傍に低く、広いカー
ブ、つまり緩やかなカーブが形成されることになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】例えば、図19中(b)は後身頃のネック
にダーツ量の全量を配分する場合であり、図20により
配分処理の手順を説明する。同図(a)において、衿ぐ
りCB間に所望の基準点Qを設定することにより辺OQ
を設け、回転板Z2を固定状態として後身頃の原型を時
計方向を角度θ2だけ回転させる。これにより、辺OQ
OQ’に移動する結果、図20中(a)の面OQBE
X(実線)が面OQ’B’E’Y(一点鎖線)に移
動し、衿ぐりの位置に扇形OQQ’が形成される。従っ
て、原型ではアームホールに配分されていたダーツ量が
アームホール(扇形OQQ’の位置)に移動し、それに
伴って、袖ぐり線E’G(図20中(b)参照)が元の
袖ぐり線EGより2点XYの間隔β分だけ短くなる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月28日(2000.1.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 衣服の原型を用いたダーツ処理作図方
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規の種々のデザ
インから衣服の型紙を作る際の元型になる原型を作図し
た後、該原型を用いてダーツ処理済の衣服を作図するダ
ーツ処理作図方法に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決して、既製服のワンサイズ、例えば、JIS規格の9
号サイズから11号サイズへ移行するピッチ間隔幅の許
容範囲の中でより多数の人に適合できる原型の形状を数
値化して作図した後、この原型を用いて衣服を作図する
際に衣服の各部にダーツ量を適切に配分することのでき
るダーツ処理作図方法を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】そのため、本発明の請求項1の衣服の原型
を用いたダーツ処理作図方法は、衣服の型紙の元型にな
る原型を複数種類準備しておき、選択したいずれかの原
型を用いてダーツ処理済の衣服を作図するダーツ処理作
図方法であって、年齢層による体型の相違に基づいて少
なくとも高年齢層の体型別原型程前後のネックポイント
間の上下方向のずれ及び背丈が大きくなるように各原型
の輪郭を定めることにより少なくとも3種類の体型別原
型を設け、各年齢層の体型における人体の前面及び背面
の凹凸の度合いに基づき、各体型毎に必要なダーツまた
はユルミの量を高年齢層の体型に対応した原型程中心角
が大きくなる扇形として表しておき、低年齢層の体型別
原型を人体の前面及び背面における凹凸の度合いの小さ
い平面衣服用の衣服種類別原型として用い、高年齢層の
体型別原型程上記凹凸の度合いの大きい立体衣服用の衣
服種類別原型として用いるようにし、設計すべき衣服の
種類に応じて上記いずれかの体型別原型を選択し、上記
扇形を回転させながら複数箇所へダーツまたはユルミを
合計角度値が上記中心角と等しくなるように配分しなが
ら上記体型別原型を用いて衣服の作図をするようにした
ことを特徴としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】ここで、本明細書中で「矩形が有する立体
線の数値」なる表現を用いることがあるが、この場合の
「矩形」とは、上記原型の輪郭が基本的に矩形状である
ことを意味している。一方、原型中の肩線、襟ぐり線、
袖ぐり線等は上記矩形状の基本輪郭(外枠)から内方へ
ずれた斜線状または曲線状となるが、これら肩線、襟ぐ
り線、袖ぐり線等を表す斜線または曲線を立体線と呼
ぶ。そして、「矩形が有する立体線の数値」とは、これ
らの立体線が具体的にどのような形状となるかを表す数
値を意味する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】なお、請求項1の原型の輪郭を数値化して
コンピュータに記憶させておき、上記ダーツ処理作図方
法をコンピュータ上で実行させ、このコンピュータに接
続された表示画面上に上記原型や設計しようとする衣服
の各パーツ(前身頃、後身頃等)の輪郭等を表示させる
ことも可能である。このように、請求項1の原型を用い
て、上記ダーツ処理作図方法をコンピュータに実行させ
るためのプログラムを記録した記録媒体(例えば、CD
−ROM、DVD−ROM、フロッピーディスク等)を
製造、販売等する行為は、当然に本発明の範囲に含まれ
るものである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】
【発明の効果】本発明の請求項1の衣服の原型を用いた
ダーツ処理作図方法は、年齢層による体型(例えば、ジ
ュニア体型、ミス体型、ミセス体型)別に複数の原型を
作成し、この体型別原型を衣服種類別原型として用いる
ようにしたので、各種衣服種類別の外枠シルエット線の
作図を各々異なる原型を用いて的確に行うことができ、
縫製時における補正の必要をなくすか大幅に少なくする
ことができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正内容】
【0112】上記ダーツ処理作図方法は、ダ−ツまたは
ユルミの量を所定の中心角を有する扇形として表すとと
もに、この扇形を360゜の範囲内で適宜回転させなが
ら、上記中心角を基準として複数の位置へ配分するよう
にしたので、同一サイズの衣服であっても、ダーツまた
はユルミの配分位置の異なる多数のデザインの衣服を提
供することができるので、個々のユーザは自らの体型に
最も適合したデザインの衣服を選択できるようになる。
その場合、上記扇形の中心角によりダーツまたはユルミ
の量を定めるようにしたので、いずれの位置に配分する
場合もダーツまたはユルミの総量を略一定とすることが
できるとともに、回転自在な扇形を用いることによって
このようなダーツまたはユルミの量の調整を容易に行え
る利点がある。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】削除
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】削除

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣服の型紙の元型になる原型の作図方法
    であって、 年齢層による体型の相違を矩形が有する立体線の数値と
    して求め、この数値に基づいて各原型の輪郭を定めるこ
    とにより少なくとも3種類の体型別原型を設けるととも
    に、 各年齢層の体型における人体の前面及び背面の凹凸の度
    合いに基づき、各体型毎に必要な円が有する立体のダー
    ツまたはユルミの量を高年齢層の体型に対応した原型程
    大きくなるように数値化してこのダーツまたはユルミの
    量を各原型上に表し、 低年齢層の体型別原型を人体の前面及び背面における凹
    凸の度合いの小さい平面衣服用の衣服種類別原型として
    用い、高年齢層の体型別原型程上記凹凸の度合いの大き
    い立体衣服用の衣服種類別原型として用いることを特徴
    とする衣服の原型作図方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の各原型上に、上記円が有
    する立体のダーツまたはユルミの量に応じた中心角を有
    する扇形として表し、この扇形を回転させながら一また
    は複数箇所へダーツまたはユルミを合計角度値が上記中
    心角と等しくなるように配分することを特徴とする衣服
    のダーツ処理作図方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の原型を用いて請求項2記
    載のダーツ処理方法によりダーツまたはユルミを配分
    し、これらのダーツまたはユルミを参照しながら上記原
    型により外枠シルエット線を描くとともに上記ダーツま
    たはユルミを参照しながら内部デザイン線を描くことを
    特徴とする衣服の製図設計作図方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の原型を用いて請求項2又
    は3記載の方法をコンピュータに実行させるためのプロ
    グラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
JP11055407A 1999-03-03 1999-03-03 衣服の原型を用いたダーツ処理作図方法 Expired - Fee Related JP3062622B1 (ja)

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