JP2000248200A - 滑水性皮膜の形成方法 - Google Patents

滑水性皮膜の形成方法

Info

Publication number
JP2000248200A
JP2000248200A JP5210699A JP5210699A JP2000248200A JP 2000248200 A JP2000248200 A JP 2000248200A JP 5210699 A JP5210699 A JP 5210699A JP 5210699 A JP5210699 A JP 5210699A JP 2000248200 A JP2000248200 A JP 2000248200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
meth
film
acrylate
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5210699A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Yamamoto
真人 山本
Teiji Katayama
禎二 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP5210699A priority Critical patent/JP2000248200A/ja
Publication of JP2000248200A publication Critical patent/JP2000248200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑水性皮膜の新規な形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 基材に、(a)式 【化9】 式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、R2
は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水
素原子又はメチル基を表わし、mは6〜300の数であ
る、及び/又は式 【化10】 式中、R4及びR7は同一又は異なって水素原子又はメチ
ル基を表わし、R5及びR6は同一又は異なって炭素数1
〜6の二価の炭化水素基を表わし、nは6〜300の数
である、で示されるシロキサンマクロモノマー1〜40
重量%、及び(b)1分子中に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物60〜99重量%か
ら成る組成物(A)を塗布し、活性エネルギー線を照射
することにより硬化せしめることを特徴とする滑水性皮
膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、滑水性皮膜の新規
な形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来から、物体表面を濡れ
にくくする、すなわち、物体表面に撥水性を付与するた
めに、物体表面を例えばシリコン系化合物又は樹脂、フ
ッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの疎水性材料で
被覆することが行なわれている。このようにして表面疎
水化処理が施された物体表面に水が付着すると、水は弾
かれて球状の水滴となり、大きい水滴は自重により落下
するが、小さい水滴は物体表面に強く付着したままであ
り、付着表面を垂直に傾けても落下しないという現象が
しばしばみられる。このような場合には、付着水滴を拭
き取るなどの機械的方法で強制的に除去しない限り、水
滴のない乾いた表面を得ることができない。
【0003】そのため、物体表面の疎水性をできるだけ
高くして水との接触角を増加させることによって、付着
水滴をできるだけ球体に近づけて物体表面から転がり落
とすための高疎水性材料の開発研究が種々行なわれてい
る。さらに、表面粗面化やせん毛状突起を表面に形成す
る物理的な方法も検討されている。しかしながら、水と
の接触角を大きくするためにこれまでに提案されている
材料は硬度や強度などの機械的性質が劣っていたり、特
殊な物質でその生産が困難である等の問題がある。ま
た、表面粗面化やせん毛状突起の形成のような物理的方
法では、物体表面を一度擦ればその効果が薄れるなどの
問題がある。
【0004】従って、物体表面に撥水性を付与すると同
時に、付着水滴を物体表面から容易に滑落除去すること
ができ、更に滑水持続性を有する被覆材料の開発が強く
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、物体表面に撥水性を付与すると同時
に、付着水滴を物体表面から容易に滑落除去することが
でき、更に滑水持続性を有する被覆材料を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決し、物体表面に撥水性を付与すると同時に、
付着水滴を物体表面から容易に滑落除去することがで
き、更に滑水持続性を有する材料を開発すべく鋭意検討
を重ねてきた。
【0007】その結果、特定のシロキサンマクロモノマ
ーと1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル
基を有する化合物から成る組成物に、活性エネルギー線
を照射することにより硬化せしめた皮膜が上記の目的に
合致するものであることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】かくして、本発明によれば、基材に、
(a)式
【0009】
【化3】
【0010】式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基
を表わし、R2は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表
わし、R3は水素原子又はメチル基を表わし、mは6〜
300の数である、及び/又は式
【0011】
【化4】
【0012】式中、R4及びR7は同一又は異なって水素
原子又はメチル基を表わし、R5及びR6は同一又は異な
って炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、nは6
〜300の数である、で示されるシロキサンマクロモノ
マー1〜40重量%、及び(b)1分子中に少なくとも
2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物60〜9
9重量%から成る組成物(A)を塗布し、活性エネルギ
ー線を照射することにより硬化せしめることを特徴とす
る滑水性皮膜の形成方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の滑水性皮膜の形成
方法について更に詳細に説明する。
【0014】本発明に用いる基材としては特に制限され
ず、例えば、ガラス(例えば、車輛のフロントガラス、
ウインドウガラス、窓ガラス、カガミなど)、金属(例
えば、自動車、車輛、アルミフィン、道路標識板、マイ
クロウエーブアンテナ、大型水導管パイプ、信号機な
ど)、プラスチック(施設園芸ハウス展張用フィルム又
はシート、人口臓器、便器、洗面器など)、無機材(便
器、浴槽、瓦など)、木材等を挙げることができる。
【0015】本発明に用いる組成物(A)は、シロキサ
ンマクロモノマー(a)と1分子中に少なくとも2個の
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b)とを必須
成分として含有するものである。
【0016】シロキサンマクロモノマー(a) 本発明において使用されるシロキサンマクロモノマー
(a)は、架橋塗膜表面に滑水性を付与するものであ
り、下記式
【0017】
【化5】
【0018】及び/又は下記式
【0019】
【化6】
【0020】で示されるものであり、ここで、R1は炭
素数1〜10のアルキル基を表わし、R2は炭素数1〜
6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水素原子又はメ
チル基を表わし、R4及びR7は同一又は異なって水素原
子又はメチル基を表わし、R5及びR6は同一又は異なっ
て炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、また、m
及びnはジメチルシロキサン単位の平均重合度を意味
し、ともに6〜300、好ましくは6〜100の範囲内
の数である。
【0021】シロキサンマクロモノマー(a)は、一般
に300〜30,000、好ましくは500〜20,0
00の範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0022】1分子中に少なくとも2個の(メタ)アク
リロイル基を有する化合物(b) 本発明において使用される1分子中に少なくとも2個の
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b)として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート等を挙
げることができる。
【0023】組成物(A)におけるシロキサンマクロモ
ノマー(a)と1分子中に少なくとも2個の(メタ)ア
クリロイル基を有する化合物(b)の割合は、シロキサ
ンマクロモノマー(a)が1〜40重量%、好ましくは
2〜10重量%、1分子中に少なくとも2個の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物(b)が60〜99重量
%、好ましくは90〜98重量%が適当である。
【0024】本発明の組成物(A)は、必要により、そ
の他の不飽和モノマーを含有することができる。該不飽
和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カル
ボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシ
ペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有
不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸
またはメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキ
ルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテ
ルポリオールと(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボ
ン酸とのモノエステル;ヒドロキシアルキルビニルエー
テル、アリルアルコール、(メタ)アクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル、(ポリ)アルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等とラクトン類(例えば、ε
−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオール
と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水
酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;α,β−不
飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル化学社
製)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ
化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと
酢酸、プロピオン酸、p−t−ブチル安息香酸、脂肪酸
類のような一塩基酸との付加物;無水マレイン酸や無水
イタコン酸のごとき酸無水基含有不飽和化合物と、エチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコールなどのグリコール類とのモノエステル化
物またはジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエー
テルのごときヒドロキシアルキルビニルエーテル類、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トのような塩素を含んだ水酸基含有単量体、アリルアル
コ−ル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル(n−,i−,t−)、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステ
アリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸
メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又は
メタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエ
ステル;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリアセトオキシシラン、β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有モノマー;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、
イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、
ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の
鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロア
ルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、ト
リビニルフェニルエーテル等のアリールビニルエーテル
類;ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテ
ル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジル
エーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、乳酸ビニル、酪
酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカ
プロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、ベオバモノマ−(シェル化学社製)等のビニルエス
テル;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニ
ル等のプロペニルエステル;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、塩化ビニル等のオレフィン系化合物;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロル
スチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル
(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性
アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロ
リドン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマ
ー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性
ニトリル;グリシジル(メタ)アクリレート,アリルグ
リシジルエーテル等の重合性グリシジル化合物;ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート、ペ
ンタエリスリト−ルジアリルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル等のアリルモノマー;パーフルオロブチルエ
チル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエ
チル(メタ)アクリレ−ト、パーフルオロオクチルエチ
ル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。
【0025】本発明の組成物(A)には、必要によりさ
らに、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料、
界面活性剤、その他通常塗料に用いられるそれ自体既知
の添加剤等を添加することもできる。
【0026】前記基材への本発明の組成物(A)の塗布
は、例えば、バーコート塗装、スプレー塗装、ハケ塗
り、ローラー塗装、ロールコート塗装、浸漬塗装、カー
テンフローコーター塗装などのそれ自体既知の方法で行
なうことができる。また、塗布された皮膜の厚さは、被
塗物の用途等に応じて変えることができるが、一般的に
は、硬化後の膜厚で1〜100μm、特に2〜50μm
程度が好適である。
【0027】本発明においては、上記の塗布された組成
物(A)は、電子線および紫外線などの活性エネルギー
線を照射することによって硬化せしめることができる。
紫外線照射によって硬化させる場合には、該樹脂に光重
合開始剤をあらかじめ添加しておく必要がある。光重合
開始剤としては、紫外線の照射により励起されてラジカ
ルを発生させるタイプの通常の光重合開始剤が用いら
れ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
n−ブチルエーテル、α−ヒドロキシイソブチルフェノ
ン、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサント
ン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェ
ニルジスルフィド、2−ニトロフルオレン、2−メチル
−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリ
ノプロパン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン1、2,4,
6−トリチオフォスフィルオキサイド、ジエチルチオキ
サントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独
でもしくは2種以上を混合して使用でき、その配合量は
上記組成物(A)量を基準にして0.1〜10重量%の
範囲が好ましい。
【0028】また、これらの光重合開始剤による光重合
反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤
と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤としては、
例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2
−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系;トリフ
ェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオ
ジグリコール等のチオエーテル系の光増感促進剤等が挙
げられる。これらの光増感促進剤はそれぞれ単独でもし
くは2種以上を混合して使用でき、その配合量は上記組
成物(A)量を基準にして0.1〜10重量%の範囲が
好ましい。
【0029】一方、電子線照射を用いる場合には、上記
組成物(A)に上記の如き光重合開始剤や光増感促進剤
を配合する必要はない。
【0030】電子線の照射により上記組成物(A)を硬
化させる場合の電子線発生源としては、コッククロフト
型、コッククロフトワルトン型、バン・デ・グラーフ
型、共振変圧器型、変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイ
ナミトロン型、リニアフィラメント型および高周波型な
どの電子線発生装置を用いることができる。その際の電
子線の照射条件は、本発明の方法によって得られる滑水
性皮膜の形状、厚さ等により異なるが、一般には1〜2
0メガラッドの範囲内の線量が適している。
【0031】また、紫外線照射源としては、水銀ラン
プ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライド
ランプ、太陽光などを用いることができる。紫外線の照
射条件は特に制限されないが、150〜450nmの範
囲内の紫外線を含む光線を空気中もしくは不活性ガス雰
囲気下で、数秒間以上照射することが好ましい。特に、
空気中で照射する場合は、高圧水銀灯を用いることが好
ましい。
【0032】このようにして本発明の方法により形成さ
れる皮膜の表面は滑水性に優れており、例えば、従来の
フッ素化エチレン系樹脂で被覆した物体表面は水滴化し
た水の接触角は約108度であり、10μLの水滴を付
着させた皮膜を90度に傾けても水滴は停止したままで
あって自重によって落下しないが、本発明の方法によっ
て形成された皮膜は、水滴の接触角が約100度であ
り、該皮膜に付着させた10μLの水滴は、皮膜を水平
面から40度以内の角度で傾けただけで自重によって滑
り始めて落下するという優れた滑水性を示す。
【0033】また、本発明の方法により形成された皮膜
は、脱イオン水をしみこませたネル布で30往復ラビン
グを行なった後でも、10μLの水を滴下したときに塗
膜表面を水平面から40度以内の角度で傾斜させただけ
で自重によって滑り始めて落下するという優れた滑水持
続性を示す。
【0034】本発明の方法によって生成する硬化皮膜
は、特に、ガラス(例えば、車輛のフロントガラス、ウ
インドウガラス、窓ガラス、カガミなど)、金属(例え
ば、自動車、車輛、アルミフィン、道路標識板、マイク
ロウエーブアンテナ、大型水導管パイプ、信号機な
ど)、プラスチック(施設園芸ハウス展張用フィルム又
はシート、人口臓器、便器、洗面器など)、無機材(便
器、浴槽、瓦など)、木材等の基材の表面に適用するの
に有用である。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、物体表面に撥水
性を付与すると同時に、付着水滴を物体表面から容易に
滑落除去することができ、更に滑水持続性を有する被覆
材料を提供することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。以下、単に「部」および「%」とあるのは、そ
れぞれ「重量部」、「重量%」を意味する。
【0037】実施例1 トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機
(株)社製)95部と「サイラプレーンFM−072
1」(注1)5部を混合して撹拌し、被覆用組成物を得
た。該組成物を#10番のバーコーターを用いてブリキ
板上に塗布し、「エレクトロカーテンCB250/32
/180L」(岩崎電気(株)製品)により9メガラッ
ドの電子線を照射することにより硬化皮膜を得た。
【0038】(注1)「サイラプレーンFM−072
1」:チッソ(株)社製、メタクリル基含有シロキサン
マクロモノマー、商品名、分子量約5,000、構造式
【0039】
【化7】
【0040】実施例2 トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機
(株)社製)95部と「サイラプレーンFM−772
1」(注2)5部を混合して撹拌し、被覆用組成物を得
た。該組成物を#10番のバーコーターを用いてブリキ
板上に塗布し、「エレクトロカーテンCB250/32
/180L」(岩崎電気(株)製品)により9メガラッ
ドの電子線を照射することにより硬化皮膜を得た。
【0041】(注2)「サイラプレーンFM−772
1」:チッソ(株)社製、メタクリル基含有シロキサン
マクロモノマー、商品名、分子量約5,000、構造式
【0042】
【化8】
【0043】比較例1 トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機
(株)社製)を#10番のバーコーターを用いてブリキ
板上に塗布し、「エレクトロカーテンCB250/32
/180L」(岩崎電気(株)製品)により9メガラッ
ドの電子線を照射することにより硬化皮膜を得た。
【0044】上記実施例1〜2及び比較例1で得た硬化
皮膜について性能試験を行なった。結果を表1に示す。
表1における試験方法は以下の通りである。
【0045】初期水接触角:協和界面科学(株)社製の
CA−X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲
気下に、約10μLの脱イオン水をマイクロシリンジを
用いて皮膜の上に滴下して、皮膜と水滴端部の接線とか
らなる角度を液滴の滴下から1分以内に測定した。
【0046】初期水滑落角:硬化皮膜を室温で1時間放
置後、協和界面科学(株)社製のCA−X型接触角計を
用い、23℃、65%RHの雰囲気下に、約10μLの
脱イオン水をマイクロシリンジを用いて皮膜の上に滴下
し、ブリキ板をゆっくりと傾けてゆき、水滴が滑りを開
始する角度を滑落角とした。
【0047】ネル水拭き後水滑落角:硬化皮膜を室温で
1時間放置後、脱イオン水をしみこませたネル布で30
往復ラビングを行なった後、協和界面科学(株)社製の
CA−X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲
気下に、約10μLの脱イオン水をマイクロシリンジを
用いて皮膜の上に滴下し、ブリキ板をゆっくりと傾けて
ゆき、水滴が滑りを開始する角度を滑落角とした。
【0048】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG141 CH051 CH061 CH121 CL002 DL032 FA012 FA032 FA042 FA062 FA082 FA092 FA112 FA202 FA212 KA03 NA09 PA17 PB02 PB05 PB07 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、(a)式 【化1】 式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、R2
    は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水
    素原子又はメチル基を表わし、mは6〜300の数であ
    る、及び/又は式 【化2】 式中、R4及びR7は同一又は異なって水素原子又はメチ
    ル基を表わし、R5及びR6は同一又は異なって炭素数1
    〜6の二価の炭化水素基を表わし、nは6〜300の数
    である、で示されるシロキサンマクロモノマー1〜40
    重量%、及び(b)1分子中に少なくとも2個の(メ
    タ)アクリロイル基を有する化合物60〜99重量%か
    ら成る組成物(A)を塗布し、活性エネルギー線を照射
    することにより硬化せしめることを特徴とする滑水性皮
    膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記皮膜表面は、10μLの水を滴下し
    たときに塗膜表面を水平面から40度以内で傾斜させる
    と水が滑落する性質を有する請求項1記載の滑水性皮膜
    の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記皮膜表面は、脱イオン水をしみこま
    せたネル布で30往復ラビングを行なった後でも、10
    μLの水を滴下したときに塗膜表面を水平面から40度
    以内で傾斜させると水が滑落する性質を有する請求項1
    記載の滑水性皮膜の形成方法。
JP5210699A 1999-03-01 1999-03-01 滑水性皮膜の形成方法 Pending JP2000248200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5210699A JP2000248200A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 滑水性皮膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5210699A JP2000248200A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 滑水性皮膜の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000248200A true JP2000248200A (ja) 2000-09-12

Family

ID=12905618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5210699A Pending JP2000248200A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 滑水性皮膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000248200A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1277851A1 (de) * 2001-07-16 2003-01-22 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Beschichtung passivierter metallischer Oberflächen von Bauteilen sowie derart beschichtetes Bauteil

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1277851A1 (de) * 2001-07-16 2003-01-22 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Beschichtung passivierter metallischer Oberflächen von Bauteilen sowie derart beschichtetes Bauteil
EP1642652A1 (de) * 2001-07-16 2006-04-05 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Beschichtung passivierter Chromoberflächen von Bauteilen sowie derart beschichtetes Bauteil

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6281061B2 (ja) 塗料組成物、その硬化膜及びその硬化膜を備える塗装物品
WO1995021220A1 (fr) Composition de revetement de surface et moulage derive
TWI755519B (zh) 被膜用組成物、被膜用組成物之製造方法、塗裝物品、及硬化被膜之形成方法
TW201233743A (en) Curable composition for coating comprising fluorine-containing highly branched polymer
JP2009227809A (ja) 親水性組成物及び親水性処理部材
JPH1081839A (ja) 紫外線硬化性の被覆用組成物
JP3848434B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
TW201435013A (zh) 含有含矽之高分枝狀聚合物之硬化性組成物
JP2006052283A (ja) オルガノポリシロキサン水分散体の製造方法
AU2003233301A1 (en) Coatings, methods for producing the same, and the use thereof
JP2000239601A (ja) 滑水性表面を形成し得るポリマー組成物
JPH0450243A (ja) 被覆物品
JP2001288216A5 (ja)
CN111433293B (zh) 涂料组合物及亲水性构件
JP2001151830A (ja) 光硬化性シリコーンブロックアクリル共重合体、共重合体組成物、およびその塗膜、塗膜付き基材、並びに該共重合体の製造方法
JP2004263144A (ja) 皮脂汚れ防止性の被覆用組成物および該組成物の硬化物層が形成された被覆成形品
WO2005000981A1 (ja) コーティング剤組成物
JPH11343321A (ja) 滑水性表面を形成し得るポリマー組成物
JP2000248200A (ja) 滑水性皮膜の形成方法
JP2021063198A (ja) コーティング剤、樹脂部材及びその製造方法
JP3819245B2 (ja) 被覆用硬化性組成物、被覆物品、および自動車用外板
JP3952586B2 (ja) 透明被覆成形品およびその製造方法
JP2002293969A (ja) 生活汚染物質易除去性プラスチック部材
JP3072193B2 (ja) 被覆用組成物及び表面被覆物品
JP2000007995A (ja) 被覆用組成物