JP2000247882A - 間歇性跛行治療薬 - Google Patents

間歇性跛行治療薬

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JP2000247882A JP11050150A JP5015099A JP2000247882A JP 2000247882 A JP2000247882 A JP 2000247882A JP 11050150 A JP11050150 A JP 11050150A JP 5015099 A JP5015099 A JP 5015099A JP 2000247882 A JP2000247882 A JP 2000247882A
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高士 小見山
Hideaki Kihara
秀晃 木原
Takeshi Hirose
健 広瀬
Hiroshi Shigematsu
宏 重松
Ryota Yoshimoto
良太 吉元
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 間歇性跛行の治療に有用な、安全性の高い薬
剤を提供すること。 【解決手段】 1−ホルミル−N−(2−(4−(5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)
−1−ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミド
又はその類縁体又はこれらの薬学的に許容される塩を有
効成分とする間歇性跛行治療薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は間歇性跛行治療薬に
関し、更に詳しくは特に閉塞性動脈硬化症又は閉塞性血
管炎等の末梢循環障害に基づく間歇性跛行の治療薬に関
する。
【従来の技術】間歇性跛行とは、一定距離の歩行運動で
起こる下肢筋肉の倦怠感や痛みにより歩行の持続が困難
となるが、数分間の休止で症状が緩和し再度歩行が可能
となりこれが繰り返される状態をいう。その原因の一つ
として、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、大動脈
炎症候群、ベーチェット病、膠原病等の血管性の疾患に
より惹起される末梢動脈閉塞症があげられる。これらの
末梢循環障害により、筋運動時に必要な血液量が相対的
に減少(組織酸素飽和度が低下)し、乳酸などの代謝産
物が蓄積して知覚神経末端が刺激され、痛みにより歩行
の継続が困難になると考えられている。
【0002】間歇性跛行の治療薬として、赤血球変形能
改善作用を有するペントキシフィリンや、抗血小板薬、
血管拡張薬であるシロスタゾール(71回、米国心臓学
会1998、演題番号58)等が用いられているが、十
分満足いくものとはいえなかった。その原因として、薬
剤の評価方法、診断方法及び薬剤の効力に課題があるこ
とが挙げられる。従来の評価方法は、患者の主観的訴え
に基づいた歩行距離の長短で行われているが、これは客
観性や再現性に乏しい欠点がある。また診断方法とし
て、ドプラ法を用いた足関節部の血圧と上腕部の血圧の
比を測定する方法があるが、この値は安静時の値であ
り、運動時に起こる間歇性跛行の症状を診断する方法と
しては不充分であった。一方、間歇性跛行の患者を用い
た検討において、近年臨床の現場で間歇性跛行の薬効評
価及び重症度評価に用いられているオキシヘモグロビン
回復時間と組織酸素飽和度の回復時間とが極めて良い相
関があることが示されている(小見山高士ら Therapeu
tic Research, vol.17 ,No.4, 213-215, 1996)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、間歇性跛行
の治療に有用な、安全性の高い薬剤を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、臨床にお
ける間歇性跛行の病態像に非常に近い動物モデルを作成
するとともに評価方法及び評価装置の改良を実施し、こ
れを用いて鋭意研究を重ねた結果、特開平8−3135
号公報に記載のセロトニン拮抗薬または抗血小板薬とし
て知られる特定のピペリジン誘導体が、これまで知られ
ている間歇性跛行治療薬に比べてきわめて高い効果を示
すことを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち本発明は、一般式(1)で表されるピペリジン誘導体
またはその塩を有効成分として含有する間歇性行治療薬
である。
【0004】
【化2】
【0005】(式中、nは2または3の整数を示し、Y
は水素原子またはハロゲン原子を示し、Xはホルミル
基、アセチル基または水素原子を示す。) なお、本願発明の化合物は、間歇性跛行が末梢循環傷害
に基づくものである場合、さらには該末梢循環傷害が、
閉塞性動脈硬化症に基づくものである場合に特に有効で
ある。また、本願発明の一般式(1)における化合物の
内、nが2であり、Yが水素原子であり、Xがホルミル
基である化合物が特に有効である。
【0006】
【発明の実施の形態】本願発明の一般式(1)で表され
るピペリジン誘導体は、公知の化合物であり、例えば特
開平8−3135号公報記載の方法等によって製造する
ことができる。一例を示せば、一般式(1)に包含され
る、本願発明化合物において特に有用な下記式(2)で
示される1−ホルミル−N−(2−(4−(5H−ジベ
ンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−
ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミドは、ジ
−t−ブチルジカーボネートと2−アミノエチルブロマ
イド臭化水素酸塩とを炭酸水素ナトリウムの存在下に反
応させ、N−t−ブトキシカルボニル−2−ブロモエチ
ルアミンを得る。次にこの化合物と4−(5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジ
ンをトリエチルアミン等の塩基存在下に縮合し、4−
(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリ
デン)−1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エ
チル)ピペリジンを得る。さらに得られた化合物を、4
M塩酸/ジオキサンなどによるt−ブトキシカルボニル
基を除去した化合物と1−ホルミルイソニペコチン酸を
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカル
ボジイミド等の縮合剤を用いて縮合することにより目的
の化合物を得ることができる。
【0007】
【化3】
【0008】このような製造方法により得られた化合物
は、フリー体またはその塩として単離生成される。単離
生成は、抽出、濃縮、留去、特開平9−176119号
公報に記載されているような結晶化、各種クロマトグラ
フィー等によって行なうことができる。また本願発明の
ピペリジン誘導体の薬学的に許容される塩としては、例
えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、
蟻酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、マンデル酸、クエン
酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、タンニ
ン酸、リンゴ酸、トシル酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸などの有機酸との酸付加塩を挙げることが
できる。
【0009】本願発明のピペリジン誘導体またはその薬
学的に許容される塩を間歇性跛行の治療薬として用いる
場合、その剤形としては錠剤、散剤、丸剤、顆粒剤、糖
衣剤、乳化剤、カプセル剤、溶液剤、注射剤、坐剤等が
あげられる。これらの製剤は、通常の製剤化で用いられ
る坦体や賦形剤、その他の製剤助剤を用いて常法に従っ
て製造することができる。使用する場合の投与経路は、
経口、非経口のいずれであってもよく、投与量は患者の
年齢、体重、状態および投与法によって異なるが、成人
への一日当りの投与量としては、通常、経口投与の場合
で0.01〜500mg、好ましくは0.1〜50mg
であり、非経口投与の場合で1μg〜100mg、好ま
しくは0.01〜10mgである。なお、本願発明の化
合物を間歇性跛行の治療剤として用いる場合、特に経口
投与を行うことにより、本剤を有効に用いることができ
る。
【0010】
【実施例】参考例1 ウサギ間歇性跛行モデルの作成 雄性 New Zealand White Rabbit に1%コレステロール
含RC4(オリエンタル酵母)食を4週間(100g/day/
匹)負荷した群(高コレステロール食群:8匹)と通常
RC4食(オリエンタル酵母)を負荷した群(通常食
群:6匹)を、ケタミン+キシラジン麻酔下、仰臥位に
て鼠蹊部を切開した後、右大腿動脈を露出し、Fogarty
のバルーンカテーテルを7cm挿入し、右腸骨動脈内で直
径5mmに膨張させたまま引き抜くバルーン障害を3回施
行した後、右大腿動脈を結紮した。手術3日後にケタミ
ン+キシラジン麻酔下、仰臥位にて両側の臀部及び下肢
後面を切開した。両ひ腹筋内側部に直接近赤外分光装置
のプロープを装着し、運動負荷として、両側の座骨神経
を1Hz、2分間の電気刺激を加えた。
【0011】運動負荷後安静状態にて、運動中に低下し
た組織酸素飽和度が、回復する過程を全波長型近赤外分
光装置を用いて測定し、両足の組織酸素飽和度の回復時
間を求めた。全波長型近赤外分光装置として、両側のひ
腹筋の組織酸素飽和度をほぼ同時に測定できるように改
良した全波長型近赤外分光装置(MCPD-2000,大塚電
子)を用い、近赤外光の送受後間距離は5mmとした。回
復時間は、運動負荷終了後の組織酸素飽和度(運動後最
小組織酸素飽和度)と運動回復後の組織酸素飽和度(運
動後最大組織酸素飽和度)の中間値である1/2回復組
織酸素飽和度(1/2StO2 )を求めた後、運動負荷終了時
から1/2StO2 に達するまでの時間とした。障害足の組織
酸素飽和度の回復過程と、健常足の組織酸素飽和度の回
復過程の典型例を図1に示す。高コレステロール食群に
おけるバルーン障害及び結紮した右足(障害足)および
無処置の左足(健常足)の、それぞれの回復時間の結
果、並びに通常食群におけるバルーン障害及び結紮した
足(障害足)の回復時間の結果を表1に示す。
【0012】
【表1】 表1 グループ 例数(匹) 組織酸素飽和度の 回復時間(分) 通常食群 障害足 6 1.9 ± 0.55 高コレステロール食群 障害足 8 3.8 ± 0.46 高コレステロール食群 健常足 8 0.26± 0.06
【0013】表1からも明らかなように、上記記載のモ
デルは高コレステロール食群、通常食群ともに障害足の
組織酸素飽和度の回復時間が、健常足の回復時間に比べ
明らかに長くなっていることから、本モデルにおいても
この評価方法を用いることにより組織内の酸素動態を定
量的且つ客観的に測定できることがわる。さらに、高コ
レステロール食群と通常食群の障害足の回復時間を比較
すると、高コレステロール食群の回復時間が明らかに延
長されることがわかった。これは、高コレステロール食
負荷に伴う動脈硬化が原因となり、循環不全が起こり回
復時間が通常食群に比べより延長したものと考えられ
る。よって、高コレステロール食を負荷したモデルは臨
床における間歇性跛行をより反映した客観的動物モデル
と考え、以下の薬剤の評価において高コレステロール食
群のモデルを用いた。
【0014】実施例1 参考例1と同様にして雄性New Zealand White Rabbit
に1%コレステロール含RC4(オリエンタル酵母
(株))食を4週間(100g/day/ 匹)負荷した後、血漿
中総コレステロール値が等しくなるように2群に分け、
前記モデルと同じ処置を行った。手術翌日から近赤外分
光測定日まで、式(2)で示される1−ホルミル−N−
(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイソ
ニペコチン酸アミドを3 mg/kg となるよう水に溶解し
て、1日1回経口投与した。対照群には蒸留水を1日1
回経口投与した。手術3日後に、近赤外分光装置で運動
後の組織酸素飽和度の回復時間を測定した。結果を表2
に示す。
【0015】
【表2】 表2 グループ 例数(匹) 組織酸素飽和度の 回復時間(分) 対照群 8 3.8 ± 0.46 式(2)の化合物 9 2.0 ± 0.40 (3mg/kg) 比較例1 式(2)で示される化合物の代わりにペントキシフィリ
ンを300 mg/kg を用い、実施例1と同様にして測定を行
った。結果を表3に示す。
【0016】
【表3】 表3 グループ 例数(匹) 組織酸素飽和度の 回復時間(分) 対照群 6 3.8 ± 1.28 ペントキシフィリン 8 7.1 ± 1.65 (300 mg/kg)
【0017】比較例2 式(2)で示される化合物の代わりにシロスタゾール10
0mg/kgを用い、実施例2と同様にして測定を行った。結
果を表4に示す。
【表4】 表4 グループ 例数(匹) 組織酸素飽和度の 回復時間(分) 対照群 6 2.8 ± 0.97 シロスタゾール 6 3.5 ± 0.52 (100 mg/kg)
【0018】表2、3、4に示したように、本発明の薬
剤は、高コレステロール食負荷ウサギの障害足における
障害3日後の運動後の組織酸素飽和度の回復時間を有意
に短縮し、下肢筋肉内の酸素動態の改善が見られた。こ
れに対し、間歇性跛行の治療薬として用いられているペ
ントキシフィリンは、300 mg/kg の用量においても回復
時間の短縮を示さなかった。またペントキシフィリンに
比べ優れた治療効果を示しているシロスタゾールも100
mg/kg の用量においては、ペントキシフィリンに比べ回
復時間を短縮しているものの回復時間の短縮を示さなか
った。また、いづれの動物も下肢の虚血壊死は見られな
かった。この実験結果から、臨床の間歇性跛行を反映し
た本動物モデルにおいて本発明の薬剤は、運動後の下肢
筋肉内の酸素動態を改善し、間歇性跛行の治療作用を有
することが明らかになった。
【0019】参考例2 ラット間歇性跛行モデルの作成 コルシコらのモデル(Corcico N. Cardiovasc. Drugs T
her. 7:241-251(1993))を改良して雄性SDラットを、
ラットトッレドミル(夏目製作所)上で速度10m/min
で走行させ、3分ごとに5m/min ずつ段階的に走行速度
を上げ、ラットが走行不能となるまでの時間(最大走行
時間)を測定し、各個体の走行能力を測定した。翌日こ
れらのラットをペントバルビタールで麻酔し、左右の大
腿動脈に3. 5mg/ml のラウリン酸ナトリウム溶液(SIG
MA;0.5% グルコース水溶液に溶解)を100μl/legを
注入し、間歇性跛行を誘発した。ラウリン酸注入後1
日、3日、7日、14日、21日に同上の方法で最大走
行時間を測定した。結果を表5に示す。
【0020】
【表5】 表5 測定日 例数 最大歩行時間(秒) ラウリン酸投与前 5 1122 ±83 ラウリン酸投与後1日 5 416 ±67 ラウリン酸投与後3日 5 581 ±156 ラウリン酸投与後7日 5 726 ±103 ラウリン酸投与後14日 3 806 ±95 ラウリン酸投与後21日 3 968 ±58
【0021】表5から明らかなように、ラウリン酸注入
後はラウリン酸中入前の走行能力に比べ明らかに最大走
行時間すなわち、最大歩行距離が低下していることがわ
かる。これは内皮傷害に基づく血栓形成等により末梢循
環不全が誘発されるもので、組織像が臨床における閉塞
性血栓血管炎によく似ていることと、最大歩行距離が有
意に減少していることから、より臨床における間歇性跛
行を客観的に反映したものと考えられる。本モデル作成
において6 mg/mlのラウリン酸溶液を100μl/leg大
腿動脈に注入した場合、注入1週間後に下肢に壊死及び
脱落が起こってしまうことから、本モデルは間歇性跛行
を再現する有用なモデルということができる。なお、ラ
ウリン酸注入後の最大歩行時間すなわち最大歩行距離は
注入後1日後に最も短く、経時的に改善するものの、注
入21日後においても完全には改善しなかった。また注
入1日後においては、下肢の虚血壊死はほとんど見られ
ず、足の脱力が認められ、この脱力も徐々に改善した
【0022】実施例2 雄性SDラット(15匹)につて参考例2と同様にして
ラット間歇性跛行モデルを作成した。ラウリン酸注入の
翌日に各個体の最大走行時間を測定し、走行能力がほぼ
同等になるように3群に分けた。薬剤投与群には、ラウ
リン酸注入翌日から21日後まで、式(2)で表される
化合物の塩酸塩を3 mg/kgを、また比較例としてペント
キシフィリン(SIGMA)を60 mg/kgとなるよう、それぞ
れ蒸留水に溶解して1日1回経口投与した。対照群に
は、蒸留水を1日1回経口投与した。ラウリン酸溶液注
入後3日、7日、14日、21日後に最大走行時間を測
定し、ラウリン酸注入の翌日の最大歩行時間に対する回
復率をラウリン酸溶液注入翌日の最大歩行時間を100
としたときの割合で求めた。また、ラットの下肢の病変
も同時に観察した。評価は下肢病変を0:正常。足の5
本の指すべてが大きく開く、1:足が上を向くが、足の
指が開かない、2:足が下を向く、3:3本以上のつめ
に壊死がおきる、4:3本以上の指に壊死がおきる、
5:3本以上の指が脱落する、という6段階のグレード
に分類し、これらのスコアーで示した。結果を表6、7
に示す。
【0023】
【表6】 表6 ラウリン酸投与後の最大歩行時間の経時的変化 グループ 例数(匹) 1日後 3日後 7日後 対照群 5 100 132±18 177±18 式(2)の化合物 5 100 189±10 256±7 (3mg/kg/day) ペントキシフィリン 5 100 178±22 189±19 (60 mg/kg/day)
【表7】 表6(続き) ラウリン酸投与後の最大歩行時間の経時的変化 グループ 14日後 21日後 対照群 198±25 215±34 式(2)の化合物 252±24 317±40 (3mg/kg/day) ペントキシフィリン 211±64 249±13 (60 mg/kg/day)
【0024】
【表8】 表7 下肢病変スコアーの経時的変化 1日後 3日後 7日後 14日後 21日後 対照群 4.0 3.8 3.8 3.8 3.4 ペントキシフィリン 4.0 3.7 3.7 3.3 2.5 (60 mg/kg/day) 式(2)の化合物 4.0 3.2 2.2 1.7 1.5 (3mg/kg/day)
【0025】表6に示した通り、本願発明の薬剤である
式(2)で表されるピペリジン誘導体の塩酸塩を3 mg/
kg投与した群は対照群に比べ、ラウリン酸注入後減少し
た最大歩行時間を注入7日後において有意に増加させ
た。一方、ペントキシフィリンを投与した群は、60 m
g/kgの用量においても増加傾向を示したものの、その作
用は有意ではなかった。また、表7に示したように下肢
の病変においても、本願発明の薬剤である式(2)で表
されるピペリジン誘導体の塩酸塩を3 mg/kg投与した群
は対照群に比べ改善作用を示した。一方、ペントキシフ
ィリンを投与した群は、改善効果を示したものの、その
作用は十分ではなかった。この実験結果から、本願発明
に係るピペリジン誘導体の塩酸塩を有効成分とする薬剤
は、下肢の病変を改善し、最大歩行時間すなわち最大歩
行距離を改善し、間歇性跛行の治療作用を有することが
明らかになった。さらにこれまで、効果が不十分ながら
も臨床において間歇性跛行の治療薬として使用されてい
るペントキシフィリンは最大歩行時間の増加傾向を示し
たものの、その作用に比べ本願発明の薬剤は優位に改善
効果を示すことより、臨床においてもより効果が期待で
きることが明らかになった。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るピペリジン誘導体の塩酸塩
を有効成分とする薬剤は、間歇性跛行、及びその病因と
考えられる動脈硬化の進展(コレステロールの内腔への
蓄積、血栓形成)等に伴う閉塞性動脈硬化症、閉塞性血
栓血管炎などの末梢循環障害において、間歇性跛行の治
療及び予防効果を有することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】運動負荷後の組織酸素飽和度の回復時間の求め
方を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重松 宏 東京都調布市人間町3−15−6 (72)発明者 吉元 良太 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社医薬研究所内 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BC16 GA07 MA01 MA04 NA14 ZA36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるピペリジン
    誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とす
    る間歇性跛行治療薬。 【化1】 (式中、nは2または3の整数を示し、Yは水素原子ま
    たはハロゲン原子を示し、Xはホルミル基、アセチル基
    または水素原子を示す。)
  2. 【請求項2】 間歇性跛行が末梢循環傷害に基づくもの
    である請求項1記載の間歇性跛行治療薬。
  3. 【請求項3】 末梢循環傷害が、閉塞性動脈硬化症に基
    づくものであることを特徴とする、請求項2記載の間歇
    性跛行治療薬。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、nが2であり、
    Yが水素原子であり、Xがホルミル基である請求項1乃
    至3記載の間歇性跛行治療薬。
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