JP2000247628A - 膨脹パーライトの製造方法及び装置 - Google Patents

膨脹パーライトの製造方法及び装置

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Hideo Komine
秀夫 小峰
Toshimichi Kodama
利道 児玉
Masatoshi Ezaki
正敏 江崎
Masahiko Yamamoto
正彦 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膨脹パーライトを製造する方法を提供するこ
とを目的とする。また、熱効率に優れた外熱式回転炉を
提供することを目的とする。 【解決手段】 真珠岩、松脂岩を原料とする精石を焼成
し、膨脹パーライトを製造する工程において、精石の結
合水量を2〜5%とする第1工程(予熱)と、続いて、
精石を1050〜1300℃で5〜50秒焼成する第2
工程(膨脹)からなる膨脹パーライトの製造方法。ま
た、第2工程(膨脹)において、外熱式回転炉の回転筒
の傾斜角度を6〜25度の範囲で調整し、また回転数を
10〜100rpmの範囲で調整することにより、精石
の滞留時間を5〜50秒とすることを特徴とする前記記
載の膨脹パーライトの製造方法である。また、外熱式回
転炉の回転筒の材質を耐熱鋼鋳造品としたことを特徴と
する膨脹パーライトの製造装置である。また、外熱式回
転炉の回転筒の材質をニッケル、クロム、タングステン
からなる耐熱鋼鋳造品としたことを特徴とする膨脹パー
ライトの製造装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膨脹パーライトの製造
方法及び装置に関し、詳しくは農園芸向け土壌改良剤、
固液分離向け濾過助剤、建材ボード向け軽量骨材、モル
タル向け軽量骨材、保温保冷向け断熱材等に用いられる
膨脹パーライトの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、黒曜岩、真珠岩、松脂岩を原料
とし、これを粗砕した後、ふるい分けと必要により粉砕
の操作を組合わせて粒度を調整した粒子を焼成炉にて焼
成して、膨脹パーライト等を製造している。ところで、
結合水量で区分すると黒曜岩は2%以下、真珠岩は2〜
5%、松脂岩は5%以上となり、焼成条件を勘案する
と、真珠岩と松脂岩は同類に扱えるが、黒曜岩は異質の
ものである。また、上記焼成炉においては、熱源と原料
との接触方式により、内熱(直接)式と外熱(間接)式
に大別される。特公昭58−44952は内熱式の固定
炉に関するものである。この方式では、火炎中に原料を
入れ直火で急速加熱する。この場合、高い膨脹倍率と熱
効率の良さから工業的に多用されているが、原料が火炎
と直接接触するため、原料の爆裂などにより製品の歩留
まりが低下する傾向がある。即ち、急熱のショックで粉
化が起こり、膨脹パーライト中に多量の微粉が含まれ
る。例えば、ほぼ水平に設置した横型内熱式回転炉の場
合、炉体はステンレス鋼からなる内筒、中筒及び外筒の
3重筒で構成し、外側の2筒を予熱の程度で使い分け、
内筒を膨脹に使用する。中筒あるいは外筒の後方から原
料を供給し、筒内壁に取り付けたスパイラルによって原
料は炉の回転に伴い順次移動し炉の前方に至る。
【0003】この間、内筒からの伝導伝熱と輻射伝熱に
より400℃程度に加熱されかつ結合水量は2.5〜
3.5%程度となり次の膨脹工程に都合のよい前処理を
受ける。中筒あるいは外筒の前方に至った原料は、ロー
タリーリフターでかき上げられ焼成バーナーを備えた内
筒に入り、油あるいはガスバーナーの燃焼火炎の最高温
度部に落下し急速加熱により膨脹し燃焼ガスと共に炉外
に排出され、膨脹パーライトをサイクロンで回収する。
結合水量をあらかじめ2.5〜3.5%に調整した精石
であっても燃焼火炎の最高温度部に落下し急速加熱する
この焼成方式においては、精石の一部が爆裂し微粉の発
生は防ぎきれない。この焼成方式は、膨脹パーライトを
多量に熱効率良く焼成するのには適しているが、膨脹過
程で精石の一部が爆裂し微粉が発生するという問題があ
る。発生した微粉は、網ふるいや空気分級で分離除去で
きるが、膨脹パーライトの収率が低下する。
【0004】一方、特開昭50−98909号は外熱式
の回転炉に関するものである。これは、回転筒の表面を
火炎や電熱で加熱し、回転筒裏面からの放熱で原料を間
接的に焼成するものである。穏やかな焼成となることか
ら原料の爆裂が少なく安定した粒度の膨脹粒子が得られ
る。しかし、生産性は内熱式と比較して劣るため工業的
な使用例は少ない。そこで、外熱式であっても、内熱式
相当の生産性を得るために、回転筒の温度を1000℃
を超えた温度に保持する必要がある。たとえば、特開昭
50−98909号には黒曜岩の0.3〜1.2mmの
精石を300℃で2分間予熱し、900℃で6分間焼成
して膨脹パーライトを得る焼成温度パターンが示されて
いる。
【0005】また、特公昭55−8750号には傾斜角
度3度に設置されたステンレス鋼からなる横型外熱式回
転筒の外周近傍にバーナーを配置し、筒内を890℃に
加熱し、均等な高温部を炉長内全体に確保している。回
転筒に入った0.29〜0.9mmの精石は、筒の傾斜
角度3度と回転数5rpmによって決まる滞留時間の
後、出口側に移行する。この間に回転筒内面からの伝導
伝熱と輻射伝熱で焼成される。更に、特開昭62−41
779号において、黒曜岩の100〜150μmあるい
は1〜40μmの精石を昇温速度20℃/秒で950℃
まで昇温し、その温度に20〜30秒滞留させることに
よる膨脹パーライトの焼成方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記で説明
したように高温部が900℃前後で滞留時間が長いこと
を特徴とする黒曜岩の外熱式回転炉による焼成方法を、
真珠岩、松脂岩を原料とする精石に適用しても軽い膨脹
パーライトを得ることができない。即ち、黒曜岩の結合
水量は、真珠岩、松脂岩と比較して少なく、この結合水
を気化して膨脹パーライトを得るためには長時間を必要
とする。これに対して、真珠岩、松脂岩の結合水は昇温
過程で気化するため、従来の焼成方法では膨脹が不充分
となる。また、従来用いられた外熱式回転炉では、生産
性を高めるため燃焼加熱室の温度を高め、伝熱量を増加
させる必要があるが、ステンレス鋼で最も耐熱性のある
SUS310Sを用いたとしても熔接カ所の割れや、熱
膨脹による変形を避けるため、焼成温度に制約があっ
た。
【0007】従って、焼成時に原料である真珠岩や松脂
岩からなる精石の爆裂が少なく、かつ軽量な膨脹パーラ
イトを効率良く製造する方法を提供することを目的とす
る。また、熱効率に優れた外熱式回転炉を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、真珠
岩、松脂岩を原料とする精石を焼成し、膨脹パーライト
を製造する工程において、精石を予熱して、精石の結合
水量を2〜5%とする第1工程(予熱)と、続いて、精
石を1050〜1300℃で5〜50秒焼成する第2工
程(膨脹)からなることを特徴とする膨脹パーライトの
製造方法である。また、本発明は、第2工程(膨脹)に
おいて、外熱式回転炉の回転筒の傾斜角度を6〜25度
の範囲で調整し、また回転数を10〜100rpmの範
囲で調整することにより、精石の滞留時間を5〜50秒
とすることを特徴とする前記記載の膨脹パーライトの製
造方法である。また、本発明は、外熱式回転炉の回転筒
の材質を耐熱鋼鋳造品としたことを特徴とする膨脹パー
ライトの製造装置である。また、本発明は、外熱式回転
炉の回転筒の材質をニッケル、クロム、タングステンか
らなる耐熱鋼鋳造品としたことを特徴とする膨脹パーラ
イトの製造装置である。
【0009】第2工程(膨脹)での焼成時間を5〜50
秒と短くしたのは、精石の急速加熱を確保し、軽量な膨
脹パーライトを得ることにある。また、回転筒内壁に精
石等が居付き、溶け固まることを防止することにある。
焼成時間が50秒以上になると、精石等の転動によっ
て、精石等自身が回転筒内壁に居付こうとする精石を掻
き落とす自浄作用が薄れてくる。一方、焼成時間が5秒
以下だと精石に働く遠心力が強くなり回転筒内壁に抑え
つけられて、移動しなくなり、居付きを生じる。また、
回転部の機械的耐久性にも問題が生じてくる。
【0010】第1工程(予熱)では必要に応じて精石が
有する結合水量を調整する。精石が有する結合水量を調
整する目的は、1個の精石を1個の軽量な膨脹パーライ
トにするための前処理にある。精石が有する結合水量を
軽量かつ爆裂を防ぐに好ましい量に、目安として5%以
下に調整する。好ましい結合水の量は、横型内熱式回転
炉の場合よりも多目となる。真珠岩あるいは松脂岩は、
種類あるいは産地によって結合水量が異なるが、5%以
下に調整すれば第2工程(膨脹)はほぼ同様に扱える。
火山ガラスに含まれる結合水の離脱は、特定の温度に限
定されるものでなく、温度と時間で決まる。従って、第
1工程(予熱)の温度と時間は、結合水量が5%以下と
なる条件として選べば良い。通常は、雰囲気温度300
〜600℃で数分である。結合水量が多い精石、特に松
脂岩の場合、高温で長時間となる。結合水量が少ない精
石の場合は第1工程(予熱)を省略しても良い。これは
第2工程(膨脹)の初期条件が第1工程(予熱)類似で
あることによる。
【0011】第1工程(予熱)の更なる目的は熱回収に
ある。即ち、第2工程(膨脹)の燃焼排ガスあるいは膨
脹パーライトが持ち出す熱及び炉体からの放熱を利用し
て精石を昇温する。しかし、ここで精石を昇温しすぎて
結合水量を減らしすぎると、第2工程(膨脹)の温度を
高く設定しなければ軽量化できなくなる。第1工程(予
熱)で調整した結合水量は、温度が低下しても元に戻ら
ないことから、第1工程(予熱)と第2工程(膨脹)は
時間的に不連続であっても、爆裂防止の効果は得られ
る。ただし、熱効率は低下する。また、第1工程(予
熱)と第2工程(膨脹)は1本の回転筒に最適な温度分
布を与え実施することもできるが、所要時間に大差があ
ることから別の回転筒にする方が良い。
【0012】第2工程(膨脹)では、精石を外面が10
50〜1300℃の燃焼加熱室内にある回転筒の内面を
5〜50秒で転動通過させる。 1.精石の粒度 精石の粒度は、網ふるいで調整することから、使用した
網ふるいの目開きの最小と最大をもって表示できる。本
発明に適用できる精石粒度は、平均粒子径0.2mm以
上である。0.2mm末満の精石を転動通過させること
は難しい。 2.精石の粒度と滞留時間との関係 ここで滞留時間とは、燃焼加熱室内にある回転筒を精石
が通過する時間である。粒度の粗い精石は、1個の粒子
の熱容量が大きく、比表面積が小さいので、滞留時間を
長くする必要がある。例えば、平均粒子径が1.76m
mの精石は、平均粒子径が0.62mmの精石に対して
2倍の滞留時間を必要とする。粒度の粗い精石は、焼成
温度を高くすることも一つの方法である。
【0013】3.滞留時間の制御 本発明において、滞留時間の制御は軽量な膨脹パーライ
トを得る上で最も重要な要素である。即ち、滞留時間を
制御することにより、精石中の結合水の離脱と精石の軟
化のバランスをとり最も膨脹に適した条件とすることが
できる。なお、滞留時間の制御は回転筒の傾斜角度(5
〜25度)と周速度(0.5〜2m/秒)で行う。な
お、周速度は次式で定義する。 V=π×D×N ここで、V:周速度(m/秒)、π:円周率、D:回転
筒の内径、N:回転筒の回転数(回/秒)である。例え
ば、D(回転筒の内径)が300mmで長さが2mの場
合、傾斜角度11度、周速度0.6m/秒とすると、滞
留時間は8秒となる。この時、精石は回転筒内で転動し
回転筒壁面から各精石粒が均等に加熱され、均一な膨脹
パーライトとなる。
【0014】4.結合水量の試験方法 精石は、予め105℃で乾燥し、付着水分を除去する。
次に、磁製るつぼに精石を入れ加熱前の重さ(A)を測
定し、950℃の電気炉中で10分間程度焼成し冷却
し、焼成後の重さ(B)を測定する。結合水量は、次式
で算出する。 結合水量(%)=(A−B)/A×100 なお、この試験は、重さの変化量を確認するもの、即
ち、灼熱減量を求める方法であり、減量の原因が水であ
ることの確認は出来ないが、通常天然ガラスの灼熱減量
が水によるとみなされていることから、本発明において
も上記減量が結合水によるものとする。 5.膨張パーライトの単位容積質量及び粒度分布の測定
方法 膨張パーライトの単位容積質量及び粒度分布は、JIS
A 5007「パーライト」に基づく試験方法で測定
する。
【0015】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づき、詳細
に説明する。 実施例1 第1工程の予熱炉は、内径216mm、長さ4000m
mのステンレス鋼SUS304からなる固定内筒と、該
固定内筒と同心円状に展開する内径318mm、長さ3
000mmのステンレス鋼SUS304からなる回転外
筒で構成される。固定内筒と回転外筒は共に傾斜角度3
度で上端を高く、下端を低く据え、回転外筒はその外部
を保温する。固定内筒の下端近傍にバーナーを取り付
け、火炎を固定内筒内に送り込み、上端から排気し固定
内筒を通じて回転外筒を加熱する。精石は、回転外筒の
上端近傍に設けた定量フィーダーを通じて回転外筒内に
供給し、下端で予熱精石を得、第2工程の外熱式回転炉
に供給する。予熱炉の温度表示は、固定内筒内でバーナ
ーからおよそ1mの点に先端を有する熱電対による。予
熱精石の結合水量は、回転外筒下端でおよそ300ml
の予熱精石を採取し素早く冷却し、これを試料として前
記の結合水量の試験方法にもとづき求める。なお、本発
明の予熱は、外熱式、内熱式を問わない。精石の結合水
量の調整と昇温が加熱によって行えれば良い。
【0016】第2工程の外熱式回転炉は、燃焼加熱室と
これを長さ方向に貫通する回転筒で構成し、回転筒は内
径200mm又は300mm、長さ3200mm、耐熱
鋳鋼を円筒状に鋳造したもので、回転数を5rpmから
100rpmまで調整できる。周速度は内径200mm
の時、0.052〜1.05m/s、内径300mmの
時、0.078〜1.57m/sとなる。燃焼加熱室
は、回転筒を覆う内径800mm、長さ2000mmの
外部を保温した固定筒と回転筒を加熱するLPGバーナ
ーを5台有し、燃焼加熱室内に設置した熱電対で温度を
測定する。回転筒と燃焼加熱室は、上端を高く下端を低
く据え、一括して傾斜角度を水平から20度まで調整で
きる。回転筒の上端に第一工程の予熱炉で予熱した精石
を受け入れ、傾斜角度と回転数で決まる滞留時間をもっ
て下端から膨張パーライトとして排出する。原料として
使用した精石は、真珠岩を粒度調整したものであって、
粒度分布、平均粒子径、結合水量を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】第一工程の予熱炉を650℃に設定し、精
石記号SRの精石を1時間当たり210Kgの割合で回
転外筒上端に供給した。回転外筒下端で採取した予熱精
石は、温度331℃で結合水量3.7%であった。回転
外筒を出た精石を第二工程の外熱式回転炉の回転内筒上
端に順次受け入れ、下端で膨張パーライトを採取した。
その品質分析結果等を表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】燃焼加熱室の設定温度は、1200℃と
し、回転筒の傾斜角度11度、内径300mm、回転数
45rpm(周速度換算0.71m/s)で、回転筒内
の滞留時間は12秒とした。
【0021】比較例1 実施例1と同一条件で予熱した精石を、引き続き内熱式
回転炉で焼成した。内熱式回転炉は、回転筒の上端に回
転筒内に向けたバーナーと精石の供給口があり、バーナ
ー火炎中に精石を注ぎ込み、急速加熱する焼成方式であ
る。燃焼排気と膨張パーライトは回転筒の下端に至り、
サイクロンまで空気輸送し、燃焼排気と膨張パーライト
とを分離する。得られた膨張パーライトの品質は、表2
に示す。
【0022】実施例2 第一工程の予熱炉を400℃に設定し、精石記号CBの
精石を1時間当たり10Kgの割合で回転外筒上端に供
給した。回転外筒下端で採取した予熱精石は、温度24
0℃で結合水量4.5%であった。回転外筒を出た精石
を第二工程の外熱式回転炉の回転筒上端に順次受け入
れ、下端で膨張パーライトを採取した。その品質分析結
果等を表3に示した。
【0023】
【表3】
【0024】燃焼加熱室の設定温度は、1100℃と
し、回転筒の傾斜角度11度、内径200mm、回転数
52rpm(周速度換算0.54m/s)で、回転筒内
の滞留時間は16秒とした。実施例1の外熱式回転炉に
対して、比較例1は内熱式回転炉である。実施例1に対
して、比較例1の膨脹パーライトは通過容量%が多い。
即ち、細かいものである。外熱式回転炉は精石に直接火
炎が触れないために精石の爆裂が少なく、微粒子の少な
い膨脹パーライトを得ることが出来る。
【0025】比較例2 実施例2と同一の予熱炉及び外熱式回転炉を使用し、第
二工程の外熱式回転炉の滞留時間のみ変更して焼成し
た。即ち、回転筒の傾斜角度11度、回転数5rpm
(周速度換算0.05m/s)で、回転筒内の滞留時間
は84秒とした。採取した膨脹パーライトの品質分析結
果を表3に示した。実施例2における第二工程の外熱式
回転炉での回転筒内の滞留時間は16秒で、膨脹パーラ
イトの単位容積質量0.150kg/lに対し、比較例
2における回転筒内の滞留時間は84秒で、膨脹パーラ
イトの単位容積質量0.233kg/lと重いものにな
った。比較例2は、回転筒内の精石の移動が緩慢なた
め、昇温時に結合水の離脱と真珠岩の軟化のバランスが
とれず、膨張が不十分となり単位容積質量が重くなって
いる。第二工程の外熱式回転炉の回転筒の温度が同一の
設定であっても、精石の滞留時間を長くする即ち、昇温
が緩やかであると、得られる膨脹パーライトの単位容積
質量が重いものとなる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
焼成時に原料である真珠岩や松脂岩からなる精石の爆裂
が少なく、かつ軽量な膨脹パーライトを製造できる。ま
た、熱効率に優れた外熱式回転炉及び膨脹粒子の製造方
法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 正彦 東京都品川区大崎1丁目11番1号 三井金 属鉱業株式会社パーライト事業部内 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA04 BB01 4G073 BD11 CM01 CP01 FB31 FB32 FD24 UB06 UB40 UB43 UB45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真珠岩、松脂岩を原料とする精石を外熱
    式回転炉にて焼成し、膨脹パーライトを製造する工程に
    おいて、精石の結合水量を2〜5%とする第1工程(予
    熱)と、続いて精石を1050〜1300℃で5〜50
    秒焼成する第2工程(膨脹)からなることを特徴とする
    膨脹パーライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 第2工程(膨脹)において、外熱式回転
    炉の回転筒の傾斜角度を6〜25度の範囲で調整し、ま
    た回転数を10〜100rpmの範囲で調整することに
    より、精石の滞留時間を5〜50秒とすることを特徴と
    する請求項1記載の膨脹パーライトの製造方法。
  3. 【請求項3】 外熱式回転炉の回転筒の材質を耐熱鋼鋳
    造品としたことを特徴とする膨脹パーライトの製造装
    置。
  4. 【請求項4】 外熱式回転炉の回転筒の材質をニッケ
    ル、クロム、タングステンからなる耐熱鋼鋳造品とした
    ことを特徴とする膨脹パーライトの製造装置。
JP11086619A 1999-02-23 1999-02-23 膨脹パーライトの製造方法及び装置 Pending JP2000247628A (ja)

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