JP2000245788A - 医療用注射針の溶解処理装置および溶解処理方法 - Google Patents

医療用注射針の溶解処理装置および溶解処理方法

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JP2000245788A
JP2000245788A JP11055616A JP5561699A JP2000245788A JP 2000245788 A JP2000245788 A JP 2000245788A JP 11055616 A JP11055616 A JP 11055616A JP 5561699 A JP5561699 A JP 5561699A JP 2000245788 A JP2000245788 A JP 2000245788A
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container
needle
heating
injection needle
melting
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JP11055616A
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Kenji Mitsutake
憲治 光武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、医療用注射針を完全に溶解し、かつ
安全に廃棄処分できる医療用注射針の溶解処理装置と溶
解処理方法を提供する。 【解決手段】口金部aがプラスチック材で、針本体bが
ステンレス材の使用済み医療用注射針Tを受け入れるプ
ラスチック材からなる廃棄用容器2と、この廃棄用容器
を収容する耐熱温度が約500℃以上である金属材から
なる加熱用容器3と、この加熱用容器を高周波誘導加熱
して廃棄用容器と針口金部を溶解する第1の高周波発振
コイル13と、溶解したプラスチック材を容器外へ排出
する切欠き12と、溶解せずに残った針本体を受け入れ
る耐熱温度が約1600℃以上の高温用るつぼ20と、
この高温用るつぼ内の針本体を高周波誘導加熱して溶解
する第2の高周波発振コイル22とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用された医療用
注射針を廃棄処分するにあたって、注射針を完全溶解し
て処理する医療用注射針の溶解処理装置と溶解処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】病院などの医療関係機関では、多くの種
類の医療用機械と医療用器具が用いられているが、なか
でも一度使用されたあとは廃棄しなければならない、消
耗品として扱われる医療用器具がある。このような消耗
品である医療用器具として、たとえばガーゼや包帯類な
どの他に、注射針がある。
【0003】使用したガーゼや包帯類は、医療関係機関
に配置される焼却炉に投入すれば容易に焼却できるの
で、廃棄処分に手間がかからない。ところが、上記注射
針は、全体がステンレス材から作られるものや、シリン
ジ本体に接続される口金部がプラスチック材であり、針
本体はステンレス材からなるものなど、焼却炉で焼却す
ることができない素材からなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】廃棄すべき医療器具の
うち、特に、感染症廃棄物(血液などが付着したもの)
は原則として、施設内の焼却施設で焼却処分し、あるい
は溶解設備で溶解し、あるいは減菌装置で減菌もしくは
B型肝炎ウイルスに有効な薬剤もしくは加熱による方法
で消毒するよう定められている。
【0005】しかしながら、医療用注射針に対しては、
従来、上述のいずれの手段を用いても完全な状態で廃棄
するには至らない。すなわち、注射針を焼却することは
できず、有効な溶解設備は開発されていない。また、減
菌や消毒をなしても針の形態はそのまま残っており、埋
立て処分をなすと作業者に危険がともなう。
【0006】本発明は、上記事情にもとづいてなされた
ものであり、その目的とするところは、医療用注射針を
完全に溶解し、かつ安全に廃棄処分できる医療用注射針
の溶解処理装置と溶解処理方法を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するため本発明の医療用注射針の溶解処理装置は、
請求項1として、医療用注射針を収容する耐熱容器と、
この耐熱容器内の医療用針を高周波誘導加熱して溶解す
る高周波誘導加熱手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】上記課題を解決し目的を達成するため本発
明の医療用注射針の溶解処理装置は、請求項2として、
シリンジ本体に接続される口金部がプラスチック材であ
り、この口金部から突出する針本体がステンレス材から
なる医療用注射針を対象とする溶解処理装置であって、
溶解すべき医療用注射針を収容するプラスチック材から
なる廃棄用容器と、この廃棄用容器を収容する、耐熱温
度が約500℃以上である金属材からなる加熱用容器
と、この加熱用容器を高周波誘導加熱し、廃棄用容器お
よび医療用注射針の口金部を溶解する第1の高周波誘導
加熱手段と、上記加熱用容器に設けられ、上記第1の高
周波誘導加熱手段によって溶解したプラスチック材を容
器外へ排出する排出手段と、上記加熱用容器内に溶解せ
ずに残った針本体を受け入れる、耐熱温度が約1600
℃以上の高温用るつぼと、この高温用るつぼ内の針本体
を高周波誘導加熱して溶解する第2の高周波誘導加熱手
段とを具備したことを特徴とする。
【0009】請求項3として、請求項2記載の医療用注
射針の溶解処理装置において上記加熱用容器に設けられ
る溶解プラスチック材の排出手段は、加熱用容器の底部
に設けられ針本体が挿通しない程度の小孔群であること
を特徴とする。
【0010】請求項4として、請求項2および請求項3
のいずれかに記載の医療用注射針の溶解処理装置におい
て上記加熱用容器の底面部は開閉自在であり、開放する
ことにより溶解せずに残った針本体を一括して上記高温
用るつぼへ投入可能であることを特徴とする。
【0011】上記課題を解決し目的を達成するため本発
明の医療用注射針の溶解処理方法は、請求項5として、
シリンジ本体に接続される口金部がプラスチック材であ
り、この口金部から突出する針本体がステンレス材から
なる医療用注射針を対象とする溶解処理方法であって、
プラスチック材を加熱して溶解する第1の溶解工程と、
この第1の溶解工程において溶解せずに残ったステンレ
ス材を高周波誘導加熱により溶解する第2の溶解工程と
からなることを特徴とする。
【0012】上記課題を解決し目的を達成するため本発
明の医療用注射針の溶解処理方法は、請求項6として、
シリンジ本体に接続される口金部がプラスチック材であ
り、この口金部から突出する針本体がステンレス材から
なる医療用注射針を対象とする溶解処理方法であって、
溶解すべき医療用注射針をプラスチック材からなる廃棄
用容器へ投入する第1の工程と、この廃棄用容器を耐熱
温度が約500℃以上である金属材からなる加熱用容器
へ収容する第2の工程と、この加熱用容器を高周波誘導
加熱して、内部のプラスチック材からなる廃棄用容器お
よび医療用注射針の口金部を溶解し、かつその溶解物を
順次容器外へ排出する第3の工程と、上記加熱用容器内
に残った針本体を耐熱温度が約1600℃以上の高温用
るつぼへ投入する第4の工程と、この高温用るつぼ内の
針本体を高周波誘導加熱して溶解する第5の工程とから
なることを特徴とする。
【0013】このような課題を解決する手段を備えるこ
とにより、医療用注射針を完全に溶解し、かつ安全に廃
棄処分できる。プラスチック材とステンレス材とからな
る注射針においては、各部材ごとに分別して溶解する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1に、溶解すべき医療用注射
針Tをシリンジ本体Cから分離した状態で示し、これら
の組み合わせで注射器が構成される。
【0015】上記医療用注射針Tは、シリンジ本体Cに
接続される口金部aと、この口金部aから突出する針本
体bからなる。上記口金部aはプラスチック材からな
り、針本体bはステンレス材からなっていて、互いに特
殊な接着剤を用いて取付け固定される。
【0016】図2に、医療用注射針の溶解処理装置の構
成を示す。この溶解処理装置は、装置本体1と、廃棄用
容器2とから構成されていて、装置本体1は病院などの
医療関係機関内の所定の場所に配置されるものであり、
内部に廃棄用容器2を除く全ての構成部品が収容され
る。
【0017】上記廃棄用容器2は、本来、医療(診察・
手術)現場に備えられるのだが、後述するように装置本
体1内において医療用注射針Tとともに溶解してしまう
ので、予め複数個準備しておく必要がある。
【0018】上記装置本体1は、後述する移動機構に支
持された加熱用容器3を収容し、かつ装置本体1上面に
蓋体4が開閉自在に取付けられる収容部5と、上記加熱
用容器3を受け入れてプラスチック材を溶解処理するプ
ラスチック材溶解部6と、このプラスチック材溶解部6
で溶解せずに残ったステンレス材を溶解するステンレス
材溶解部7および、各溶解部6,7に電気的に接続され
る高周波発振部8とから構成される。
【0019】上記プラスチック材溶解部6の下方部位に
は、溶解プラスチック材受け容器9が装置本体1に挿脱
自在に配置される。上記ステンレス材溶解部7の下方部
位には、溶解ステンレス材受け容器10が装置本体1に
挿脱自在に配置される。
【0020】また、装置本体1の上面部には操作盤11
が設けられていて、これには電源ボタンや、処理スター
トボタンなどのボタン類と、各受け容器9,10が満杯
になったことを表示する表示灯ほかが備えられる。
【0021】作業者が蓋体4を開放して廃棄用容器2を
収容部5に収容し、蓋体4を閉成してから操作盤11の
処理スタートボタンを押せば、全て自動的に医療用注射
針Tを完全溶解処理することを基本としている。
【0022】図3に、上記廃棄用容器2を示す。この廃
棄用容器2はプラスチック材から作られていて、たとえ
ば外径φ60mm、高さ80mm程度の上蓋2a付き容
器である。一度使用したあとの医療用注射針Tを、その
都度、上蓋2aを開放して容器2内に投入する。上記寸
法から、約250本の注射針を収容できる。
【0023】図4(A)(B)に、上記加熱用容器3を
示す。この加熱用容器3は、たとえばステンレス材から
なり、上端に鍔部3aが一体成形される開口部を備え、
内径φ70mm、高さ85mm程度の有底筒体である。
すなわち、この加熱用容器3の内部に上記廃棄用容器2
を収容できるよう設計されている。
【0024】特に、加熱用容器3の底面部3bはヒンジ
を介して底面開口を開閉自在に設けられる。そして、加
熱用容器3下部には排出手段としての小孔群12が設け
られる。ここでの小孔群12は、底面開口部の周縁に沿
って所定間隔を存して設けられる複数の切欠きからな
る。
【0025】これら切欠き12の幅および高さ寸法は、
底面部3bが底面開口部を閉塞した状態で医療用注射針
Tのうちで最細の針本体bが通過しない程度の径に設定
される。すなわち、最細径の注射針によっても閉塞され
ない程度の切欠きである。
【0026】なお、加熱用容器3の素材はステンレス材
に限定されない。要は、高周波誘導加熱作用により発熱
する素材(金属材)であって、プラスチック材の溶解に
ともなって発生する排ガスを2次焼成する温度(約50
0℃)に耐える耐熱性があればよい。
【0027】図5(A)と図6(A)は、加熱用容器3
が収容部5に位置する状態を示し、図5(B)と図6
(B)は加熱用容器3がプラスチック材溶解部6に位置
する状態を示し、図5(C)と図6(C)は加熱用容器
3がステンレス材溶解部7に位置する状態を示す。
【0028】加熱用容器3の外周面には断熱材12を介
して第1の高周波誘導加熱体である第1の高周波発振コ
イル13が巻装されている。この第1の高周波発振コイ
ル13は、上記高周波発振部8と電気的に接続される。
【0029】上記移動機構15は、断熱材12と第1の
高周波発振コイル13ごと加熱用容器3を支持し、かつ
これらを収容部5からプラスチック材溶解部6を介して
ステンレス材溶解部7に移動するようになっている。
【0030】そして、収容部5からプラスチック材溶解
部6を介してステンレス材溶解部7の直前部位に亘り、
かつ加熱用容器3の移動軌跡に沿って、この底面部3b
に接するレール16が設けられる。
【0031】このレール16によって、加熱用容器3が
収容部5とプラスチック材溶解部6およびステンレス材
溶解部7の直前部位に移動した状態で加熱用容器底面部
3bに接触してこれを閉成させる。ただし、レール16
はステンレス材溶解部7には設けられていないから、こ
こに加熱用容器3が移動すると底面部3bは自重で開放
することとなる。
【0032】上記プラスチック材溶解部6には、加熱用
容器3の上方部位に対向してアフターバーナ17が設け
られ、かつ下方部位に対向して上記溶解プラスチック材
受け容器9が配置される。
【0033】上記アフターバーナ17は、たとえば電気
炉からなっていて、加熱用容器3に対向する下面部が開
口され、上面部には排気筒18が接続される。この排気
筒18の先端部は装置本体1の側面部に設けられる図示
しない孔部に接続される。
【0034】排気筒18の中途部には、冷却水を散水す
るノズルを備えた冷却塔19が設けられる。すなわち、
排ガスはアフターバーナ17で2次焼成され、冷却塔1
9で冷却水の散水を受け、全ての有害成分が除去される
ようになっている。
【0035】上記ステンレス材溶解部7は、加熱用容器
3の下方部位に対向して配置される高温用るつぼ20
と、この高温用るつぼ20の周面を断熱材21を介して
巻装される高周波発振コイル22と、これら高温用るつ
ぼ20と断熱材21および第2の高周波発振コイル22
を一体に支持する支持機構23とを備えている。上記高
温用るつぼ20の下方部位には、上記溶解ステンレス材
受け容器10が配置されている。
【0036】上記高温用るつぼ20は、上面が開口して
いて、約1600℃以上の高温に耐えられる素材で成形
される。たとえばC/Cるつぼや、新素材としてのSi
−C/Cるつぼがある。この内部に、口金部aが溶解し
たあとの約2500本の針本体bを収容可能な寸法形状
をなす。
【0037】上記第2の高周波発振コイル22は、上記
高周波発振部8と電気的に接続されていて、金属材から
なる針本体bを約1600℃に高周波誘導加熱するよう
になっている。
【0038】上記支持機構23は、高温用るつぼ20を
断熱材21および第2の高周波発振コイル22ごと18
0°回動自在に支持する。すなわち、高温用るつぼ20
の開口部を上面側と下面側に変化させることが可能であ
る。
【0039】このようにして構成される医療用注射針T
の溶解処理装置であるが、基本的には高温るつぼのごと
き耐熱容器と、この耐熱容器内の医療用針を高周波誘導
加熱して溶解する高周波誘導加熱手段を備えていればよ
い。
【0040】ただし、図1に示すように、シリンジ本体
Cに接続される口金部aがプラスチック材であり、この
口金部aから突出する針本体bがステンレス材からなる
医療用注射針Tを対象として部材別に分別溶解処理する
には、図2に示す処理装置が最適である。
【0041】実際の溶解処理工程は、以下に述べるよう
になる。第1の工程として、一度使用した医療用注射針
Tは、ただちにその医療現場に配置した廃棄用容器2の
上蓋2aを開放して内部へ投入する。廃棄用容器2には
約250本の注射針を投入できる。
【0042】第2の工程として、満杯になったら廃棄用
容器2を装置本体1の配置場所に運び、この蓋体4を開
放して収容部5へ収容する。そして、蓋体4を閉成して
から操作盤11の処理スタートボタンを押す。この間に
も新たな使用済み注射針が出たら、別に用意した廃棄用
容器2へ投入すればよい。
【0043】装置本体1内において、上記廃棄用容器2
は収容部5に位置する加熱用容器3内に収容されること
になる。処理スタートボタンが押されると移動機構15
が作動を開始し、加熱用容器3を収容部5から出してプ
ラスチック材溶解部6に移動し停止する。
【0044】第3の工程として、高周波発振部8が第1
の高周波発振コイル13を発振して、金属材からなる加
熱用容器3および注射針Tの針本体bを高周波誘導加熱
する。廃棄用容器2および針口金部aがプラスチック材
からなるところから、加熱用容器3と針本体bから高熱
を受けて燃焼し溶解する。
【0045】溶解したプラスチック材azは加熱用容器
2の底部に溜まり、ここに設けられる切欠き12から漏
出して溶解プラスチック材受け容器9に溜まる。この容
器9に溶解プラスチック材azが満杯になったところで
操作盤11に表示され、かつ所定時間が経過して冷却し
たあと報知がある。そこで、溶解運転の停止中に装置本
体1から受け容器9を引き出して、たとえばリサイクル
処理にまわす。
【0046】また、プラスチック材の溶解にともなって
発生する排ガスは、アフターバーナ17に導かれて2次
焼成され、かつ冷却塔19において冷却水によって無害
化される。
【0047】アフターバーナ17内は約800℃以上に
なっていて、それ自体で排ガスの無害化を得るが、大量
の排ガスが発生した場合には処理できないので、第1の
高周波発振コイル13側で加熱用容器3を時間をかけて
(約10分程度)、約500℃まで加熱上昇させること
によりプラスチック材の完全燃焼をなす。
【0048】このことから、加熱用容器3を構成する素
材は、ステンレス材に限定されることはなく、約500
℃以上の耐熱性を有し、かつ高周波誘導加熱する特性が
あればよい。
【0049】第4の工程として、プラスチック材の溶解
が終了したあとの加熱用容器3をステンレス材溶解部7
へ移動する。ここでは、加熱用容器3の底面部3bを支
持するレール16がないので、底面部3bは自動的に開
放され上記加熱用容器3内に残った針本体bが高温用る
つぼ20へ投入される。
【0050】そのあと、移動機構15が逆転して加熱用
容器3をステンレス材溶解部7からプラスチック材溶解
部6を介して収容部5へ戻す。したがって、加熱用容器
3内に新たな廃棄用容器2の収容が可能となる。
【0051】ただし、第3の工程と第4の工程をなして
いる間に、新たな廃棄用容器2を運び込み蓋体4を開放
しようとしても、図示しないロック機構が作動して蓋体
4の開放はできない。併せて、操作盤11には、「処理
中」の表示があり、作業者に報知する。
【0052】第1の工程から第4の工程までを10回繰
り返して、口金部aが溶解したあとの約2500本の針
本体bを高温用るつぼ20に収容する。当然、操作盤1
1には回数が表示されており、その都度異なる作業者が
扱っても回数の確認が容易にできる。
【0053】10回目において、第4の工程の終了のあ
と第5の工程が行われる。すなわち、高周波発振部8は
第2の高周波発振コイル22を作用させて高温るつぼ2
0内の針本体bを高周波誘導加熱する。
【0054】針本体bは1600℃程度に高温化し、や
がて溶解する。約10分程度加熱することにより、全て
の針本体bは完全に溶解する。そのあと、加熱を停止し
て自然冷却すると、一旦溶解したステンレス材は固形化
する。
【0055】高温るつぼ20を支持する支持機構23を
駆動して、高温用るつぼ20を180°反転し、るつぼ
内の固形化したステンレス材bzをステンレス材受け容
器10へ投入する。ここでも満杯になったら表示があ
り、かつ所定時間が経過して冷却したあと報知があるの
で、装置本体1から引き出して適宜な処理をなす。
【0056】このようにして、医療用注射針Tをプラス
チック材とステンレス材とに分別して完全溶解処理をな
すので、それぞれの溶解部材のリサイクルが容易に行え
ることになり、ランニングコストの低減に寄与する。
【0057】使用済み注射針Tを受け入れる廃棄用容器
2は、医療現場に配置できるので、投入処分に手間がか
からず、安全である。しかも、廃棄用容器2に注射針T
を満杯に投入してもさほどの重量もなく、これを容易に
装置本体1へ運べ、このとき上蓋2a付きなので安全で
ある。
【0058】廃棄用容器2を装置本体1内に収容して処
理スタートボタンを押せば、自動的に、かつ完全に注射
針Tを溶解処理するので手間がかからない。各溶解部材
受け容器9,10を装置本体1から引き出せば分別した
溶解部材を取出すことができる。
【0059】プラスチック材の溶解にともなって発生す
る排ガスを無害化処理するので、周辺の環境に神経を使
う必要がない。高温用るつぼ20の耐久性を得るため
に、10個分の廃棄用容器2に収容する針本体bを一括
して処理するようにした。
【0060】なお、このような医療用注射針の溶解処理
装置における第2の実施の形態として、装置本体を完全
密閉構造となすとともに、配管を介して真空ポンプと連
通する。もしくは、配管を介して不活性ガス供給源と連
通する構成としてもよい。
【0061】この場合、粉塵ろ過フィルタが必要である
とともに冷却水の冷却能力を大にしなければならない
が、プラスチック材溶解部6に備えていたアフターバー
ナ17と、排気筒18および洗浄塔19が不要となる。
【0062】先に説明した第2の工程から第5の工程は
全て装置本体内で行われるところから、この実施の形態
では同工程を真空条件下、もしくは不活性ガス充満状態
下で行われる。
【0063】いずれにしても、無酸素環境で行われるこ
ととなり、プラスチック材溶解部6において排ガスの発
生が無く、ステンレス材溶解部7に備えられる高温用る
つぼ(カーボン)20が酸化されないので、この耐久性
が格段に良くなる。
【0064】また第3の実施の形態として、ステンレス
材溶解部7のみを密閉構造となし、配管を介して真空ポ
ンプと連通する。もしくは、配管を介して不活性ガス供
給源と連通する。
【0065】したがって、第5の工程の高周波誘導加熱
作用を真空条件下、もしくは不活性ガス充満状態下で行
うこととなり、高温用るつぼ20の酸化が防止され、こ
の耐久性が格段に良くなる。
【0066】なお、上記各実施の形態において、移動機
構15は断熱材12と第1の高周波発振コイル13ごと
加熱用容器3を移動するようにしたが、これに限定され
るものではなく、移動機構15は加熱用容器3のみを収
容部5から各溶解部6,7に移動し、断熱材12と第1
の高周波発振コイル13はプラスチック材溶解部6に配
置固定してもよい。
【0067】なお、上記各実施の形態において、支持機
構23は断熱材21と第2の高周波発振コイル22ごと
高温用るつぼ20を180°回動可能としたが、これに
限定されるものではなく、支持機構23は高温用るつぼ
20のみを180°回動可能とし、断熱材21と第2の
高周波発振コイル22はステンレス材溶解部7に配置固
定してもよい。
【0068】図8に示すように、プラスチック材溶解部
6におけるアフターバーナ17Aは、熱源を高周波発振
コイルとして高周波誘導加熱作用を行ってもよい。
【0069】加熱用容器3内でプラスチック材が溶解
し、同時に発生する排ガスは高温化してアフターバーナ
17Aに導かれて2次焼成される。さらに、高温化した
排ガスは冷却器19Aに導かれて冷却され、粉塵脱臭フ
ィルタ30に導かれてアフタバーナ17Aで焼成されな
かった排ガス粒子分が除去され、完全に無害化して外部
へ排出される。
【0070】上記冷却器19Aは、筒体内にコイル状に
巻回されたパイプが収容されてなり、筒内に冷却水が導
かれ、コイル状パイプ内に導かれる高温化した排ガスと
熱交換する。
【0071】このような構成であれば、冷却水の蒸発が
ごく少なく抑制でき、ランニングコストの低減を得られ
る。しかも、冷却水が排ガスによって汚されることがな
く、フィルタなどの設備が不要となる。
【0072】図9に示すような、冷却水循環系統を備え
るとよい。高周波発振部8と、プラスチック材溶解部6
における第1の高周波発振コイルと、ステンレス材溶解
部7における第2の高周波発振コイルとを配管で連通す
る。さらに、これら発振コイルから図8で説明した冷却
器19Aに配管を介して連通する。冷却器19Aと、先
に説明した高周波発振部8との間には、タンク40と、
循環ポンプ41と、ラジエタ42が順次配管を介して設
けられる。
【0073】タンク40内の冷却水は、循環ポンプ41
によって吸出されてラジエタ42に導かれ放熱する。低
温化した冷却水は高周波発振部8に導かれて、ここを冷
却する。さらに、第1,第2の高周波発振コイルとその
周囲を冷却し、アフターバーナにおいて冷却器19Aの
コイル状パイプを介して排ガスを冷却する。
【0074】このようにして、溶解処理装置の発熱部を
すべて冷却水で冷却する水冷構造であるから、冷却効率
が高く、しかも完全密閉であるから冷却水の蒸発がほと
んどなく、さらなるランニングコストの低減を得られ
る。
【0075】そして、この冷却水循環系統の一部に異常
な水圧がかかったら、図示しない圧力センサがこれを検
知して警報を発するとともに装置の運転を停止する。た
だちに水圧上昇の原因を調査して、しかるべき対処をな
す必要がある。
【0076】また、ラジエタと高周波発振部との間に図
示しない水温センサを備えて、所定温度(たとえば40
℃)を越えたことを検知したら、警報を発するとともに
高周波発振部8の作用を停止して温度の低下を待つ。
【0077】また、上記廃棄用容器2と加熱用容器3の
形状は円筒状に限定されるものではなく、立方体あるい
は直方体であってもよく、廃棄用容器2と高温用るつぼ
20における注射針Tと針本体bの収容容量も要求され
る仕様に基づいて適宜変更されることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、医
療用注射針を完全に溶解でき、安全に廃棄処分できる医
療用注射針の溶解処理装置と溶解処理方法を提供でき
る。
【0079】また本発明によれば、口金部がプラスチッ
ク材で針本体がステンレス材からなる医療用注射針であ
れば、プラスチック材とステンレス材とを分別して完全
溶解でき、各材に対する最適な処理が可能となるなどの
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理対象となる医療用注射針をシリン
ジ本体から分離して示す図。
【図2】本発明の一実施の形態を示す、医療用注射針の
溶解処理装置における装置本体の概略構成図。
【図3】同実施の形態を示す、溶解反り装置を構成する
廃棄用容器の図。
【図4】同実施の形態を示す、加熱用容器の互いに状態
の異なる斜視図。
【図5】同実施の形態を示す、第2の工程から第4の工
程を順に説明する図。
【図6】同実施の形態を示す、第2の工程から第4の工
程を順に説明する平面図。
【図7】同実施の形態を示す、第5の工程を順に説明す
る図。
【図8】他の実施の形態を示す、プラスチック材溶解部
の排ガス処理構成図。
【図9】同実施の形態を示す、冷却水系統図。
【符号の説明】
a…口金部、 b…針本体、 T…医療用注射針、 2…廃棄用容器、 3…加熱用容器、 13…第1の高周波発振コイル、 8…高周波発振部、 12…切欠き、 20…高温用るつぼ、 22…第2の高周波発振コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K059 AB00 AB04 AB15 AD10 AD15 CD44 CD52 CD80 4C058 AA12 BB02 CC04 4C066 AA07 BB01 CC01 DD08 FF05 LL30 4C341 LL13 LL24 4K046 AA01 BA01 BA10 CA01 CB05 CD02 CE04 DA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療用注射針を収容する耐熱容器と、 この耐熱容器内の医療用針を高周波誘導加熱して溶解す
    る高周波誘導加熱手段と、を具備したことを特徴とする
    医療用注射針の溶解処理装置。
  2. 【請求項2】シリンジ本体に接続される口金部がプラス
    チック材であり、この口金部から突出する針本体がステ
    ンレス材からなる医療用注射針を対象とする溶解処理装
    置であって、 溶解すべき医療用注射針を収容するプラスチック材から
    なる廃棄用容器と、 この廃棄用容器を収容する、耐熱温度が約500℃以上
    である金属材からなる加熱用容器と、 この加熱用容器を高周波誘導加熱し、廃棄用容器および
    医療用注射針の口金部を溶解する第1の高周波誘導加熱
    手段と、 上記加熱用容器に設けられ、上記第1の高周波誘導加熱
    手段によって溶解したプラスチック材を容器外へ排出す
    る排出手段と、 上記加熱用容器内に溶解せずに残った針本体を受け入れ
    る、耐熱温度が約1600℃以上の高温用るつぼと、 この高温用るつぼ内の針本体を高周波誘導加熱して溶解
    する第2の高周波誘導加熱手段と、を具備したことを特
    徴とする医療用注射針の溶解処理装置。
  3. 【請求項3】上記加熱用容器に設けられる溶解プラスチ
    ック材の排出手段は、加熱用容器の底部に設けられ針本
    体が挿通しない程度の径の小孔群であることを特徴とす
    る請求項2記載の医療用注射針の溶解処理装置。
  4. 【請求項4】上記加熱用容器の底面部は開閉自在であ
    り、開放することにより溶解せずに残った針本体を一括
    して上記高温用るつぼへ投入可能であることを特徴とす
    る請求項2および請求項3のいずれかに記載の医療用注
    射針の溶解処理装置。
  5. 【請求項5】シリンジ本体に接続される口金部がプラス
    チック材であり、この口金部から突出する針本体がステ
    ンレス材からなる医療用注射針を対象とする溶解処理方
    法であって、 プラスチック材を加熱して溶解する第1の溶解工程と、 この第1の溶解工程において溶解せずに残ったステンレ
    ス材を高周波誘導加熱により溶解する第2の溶解工程
    と、からなることを特徴とする医療用注射針の溶解処理
    方法。
  6. 【請求項6】シリンジ本体に接続される口金部がプラス
    チック材であり、この口金部から突出する針本体がステ
    ンレス材からなる医療用注射針を対象とする溶解処理方
    法であって、 溶解すべき医療用注射針をプラスチック材からなる廃棄
    用容器へ投入する第1の工程と、 この廃棄用容器を耐熱温度が約500℃以上である金属
    材からなる加熱用容器へ収容する第2の工程と、 この加熱用容器を高周波誘導加熱して、内部のプラスチ
    ック材からなる廃棄用容器および医療用注射針の口金部
    を溶解し、かつその溶解物を順次容器外へ排出する第3
    の工程と、 上記加熱用容器内に残った針本体を耐熱温度が約160
    0℃以上の高温用るつぼへ投入する第4の工程と、 この高温用るつぼ内の針本体を高周波誘導加熱して溶解
    する第5の工程と、からなることを特徴とする医療用注
    射針の溶解処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109764370A (zh) * 2018-12-27 2019-05-17 广东美的厨房电器制造有限公司 一种烹饪设备、烹饪设备的控制方法及存储介质
CN114812171A (zh) * 2022-04-16 2022-07-29 鹰潭市钲旺科技有限公司 一种有色金属冶炼用加料车

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