JP2000245481A - 脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用 - Google Patents
脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用Info
- Publication number
- JP2000245481A JP2000245481A JP11059368A JP5936899A JP2000245481A JP 2000245481 A JP2000245481 A JP 2000245481A JP 11059368 A JP11059368 A JP 11059368A JP 5936899 A JP5936899 A JP 5936899A JP 2000245481 A JP2000245481 A JP 2000245481A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- amino acid
- dna
- seq
- acid sequence
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来存在しなかった簡便に細胞に組込み可能な
エネルギー生成系の遺伝子をクローニングし、目的の細
胞に組込みエネルギー(ATP)を生成させることを課
題とする 【解決手段】アミノ酸または有機酸の脱炭酸反応に共役
したエネルギー生成系に関わる複数の蛋白質をコードす
る遺伝子を共発現可能に導入された真核または原核細胞
を作製し、該細胞に該アミノ酸または有機酸を添加して
エネルギー生成を誘発することを含む、細胞においてエ
ネルギーを生成する方法、この方法に使用することがで
きるアスパラギン酸脱炭酸酵素/アスパラギン酸輸送体
蛋白質をコードする遺伝子、ならびにアスパラギン酸脱
炭酸酵素及びアスパラギン酸輸送体蛋白質。
エネルギー生成系の遺伝子をクローニングし、目的の細
胞に組込みエネルギー(ATP)を生成させることを課
題とする 【解決手段】アミノ酸または有機酸の脱炭酸反応に共役
したエネルギー生成系に関わる複数の蛋白質をコードす
る遺伝子を共発現可能に導入された真核または原核細胞
を作製し、該細胞に該アミノ酸または有機酸を添加して
エネルギー生成を誘発することを含む、細胞においてエ
ネルギーを生成する方法、この方法に使用することがで
きるアスパラギン酸脱炭酸酵素/アスパラギン酸輸送体
蛋白質をコードする遺伝子、ならびにアスパラギン酸脱
炭酸酵素及びアスパラギン酸輸送体蛋白質。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱炭酸共役エネル
ギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、
及びそれらの使用に関する。具体的には、本発明は、ア
スパラギン酸脱炭酸酵素及びアスパラギン酸輸送体、該
蛋白質をコードする遺伝子、該遺伝子を含むベクター、
該ベクターを含む形質転換体、ならびに該遺伝子または
該蛋白質を用いて細胞においてエネルギーを生成する方
法に関する。
ギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、
及びそれらの使用に関する。具体的には、本発明は、ア
スパラギン酸脱炭酸酵素及びアスパラギン酸輸送体、該
蛋白質をコードする遺伝子、該遺伝子を含むベクター、
該ベクターを含む形質転換体、ならびに該遺伝子または
該蛋白質を用いて細胞においてエネルギーを生成する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便に、細胞へ組み込み可能なエ
ネルギー生成系については知られておらず、細胞が本来
有しているエネルギー生成系によって、一次及び二次代
謝産物の生産を賄ってきたのが現状である。物質生産を
行なっている細胞は、細胞に対する負荷が大きく、一般
にエネルギーが欠乏した状態にあるため、効率的に物質
生産を行なうためにはエネルギーの補給が必要である。
しかしながら、外因的にエネルギー生成系を細胞に組み
込まれた例はない。
ネルギー生成系については知られておらず、細胞が本来
有しているエネルギー生成系によって、一次及び二次代
謝産物の生産を賄ってきたのが現状である。物質生産を
行なっている細胞は、細胞に対する負荷が大きく、一般
にエネルギーが欠乏した状態にあるため、効率的に物質
生産を行なうためにはエネルギーの補給が必要である。
しかしながら、外因的にエネルギー生成系を細胞に組み
込まれた例はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
存在しなかった簡便に細胞に組み込み可能なエネルギー
生成系の遺伝子をクローニングし、目的の細胞に組み込
み、必要時にエネルギー、例えば、ATPを生成させるこ
とである。生産されたエネルギー(ATP)は、細胞が増
殖あるいは物質生産に利用できるという利点を有する。
存在しなかった簡便に細胞に組み込み可能なエネルギー
生成系の遺伝子をクローニングし、目的の細胞に組み込
み、必要時にエネルギー、例えば、ATPを生成させるこ
とである。生産されたエネルギー(ATP)は、細胞が増
殖あるいは物質生産に利用できるという利点を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
種々検討した結果、テトラジェノコッカス(Tetragenoco
ccus)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ
(halophila)〔ハロフィルス(halophilus)〕の菌体中に
そのようなエネルギー生成にかかわる反応としてアスパ
ラギン酸:アラニン変換反応を見出し、また、テトラジ
ェノコッカス・ハロフィラのある株がアスパラギン酸:
アラニン変換能を示すことを見出した。
種々検討した結果、テトラジェノコッカス(Tetragenoco
ccus)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ
(halophila)〔ハロフィルス(halophilus)〕の菌体中に
そのようなエネルギー生成にかかわる反応としてアスパ
ラギン酸:アラニン変換反応を見出し、また、テトラジ
ェノコッカス・ハロフィラのある株がアスパラギン酸:
アラニン変換能を示すことを見出した。
【0005】さらに、その反応を触媒する酵素をコード
する遺伝子が、プラスミド上に存在することを見出し、
また、さらにその形質がプラスミドに起因することを確
認し、そのプラスミドより該遺伝子のクローニングに成
功した。また、クローニングを通して、アスパラギン
酸:アラニン変換反応が、アスパラギン酸脱炭酸酵素及
びアスパラギン酸輸送体から構成されていることを見出
した。
する遺伝子が、プラスミド上に存在することを見出し、
また、さらにその形質がプラスミドに起因することを確
認し、そのプラスミドより該遺伝子のクローニングに成
功した。また、クローニングを通して、アスパラギン
酸:アラニン変換反応が、アスパラギン酸脱炭酸酵素及
びアスパラギン酸輸送体から構成されていることを見出
した。
【0006】さらに、本発明者等は、それら二つの酵素
をコードする遺伝子を単離し、発現用ベクターに組み込
み、エネルギーレベルを上昇させたい対象細胞に形質転
換し、それら二つの酵素をコードする遺伝子を発現させ
ることに成功した。また、本発明者等は、そのプラスミ
ドを大腸菌ベクターにクローニングし、塩基配列を決定
した結果、アスパラギン酸:アラニン変換に関わると推
定される遺伝子を見出し、大腸菌において発現ベクター
を用いて発現した結果、アスパラギン酸:アラニン変換
能を確認した。上記の知見に基づき本発明を完成した。
をコードする遺伝子を単離し、発現用ベクターに組み込
み、エネルギーレベルを上昇させたい対象細胞に形質転
換し、それら二つの酵素をコードする遺伝子を発現させ
ることに成功した。また、本発明者等は、そのプラスミ
ドを大腸菌ベクターにクローニングし、塩基配列を決定
した結果、アスパラギン酸:アラニン変換に関わると推
定される遺伝子を見出し、大腸菌において発現ベクター
を用いて発現した結果、アスパラギン酸:アラニン変換
能を確認した。上記の知見に基づき本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、以下のものからなる。 (1) 以下の(a)または(b)のアスパラギン酸脱炭酸酵素。 (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質
【0008】(2) 以下の(a)または(b)の蛋白質をコード
するアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質
するアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質
【0009】(3) 以下の(a)または(b)のDNAからなる
アスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA (b)配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸脱炭酸酵素活性を有する蛋白質をコ
ードするDNA
アスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA (b)配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸脱炭酸酵素活性を有する蛋白質をコ
ードするDNA
【0010】(4) 上記(2)または(3)のアスパラギン酸脱
炭酸酵素遺伝子をベクターDNAに挿入してなることを
特徴とする組み換え体DNA。 (5) 上記(4)の組み換え体DNAを含む形質転換体。 (6) 上記(5)の形質転換体を培地に培養し、培養物から
アスパラギン酸脱炭酸酵素を採取することを特徴とする
アスパラギン酸脱炭酸酵素の製造法。
炭酸酵素遺伝子をベクターDNAに挿入してなることを
特徴とする組み換え体DNA。 (5) 上記(4)の組み換え体DNAを含む形質転換体。 (6) 上記(5)の形質転換体を培地に培養し、培養物から
アスパラギン酸脱炭酸酵素を採取することを特徴とする
アスパラギン酸脱炭酸酵素の製造法。
【0011】(7) 以下の(a)または(b)のアスパラギン酸
輸送体。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質
輸送体。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質
【0012】(8) 以下の(a)または(b)の蛋白質をコード
するアスパラギン酸輸送体遺伝子。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質
するアスパラギン酸輸送体遺伝子。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質
【0013】(9) 以下の(a)または(b)のDNAからなる
アスパラギン酸輸送体遺伝子。 (a)配列番号4に示される塩基配列からなるDNA (b)配列番号4に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸輸送体活性を有する蛋白質をコード
するDNA
アスパラギン酸輸送体遺伝子。 (a)配列番号4に示される塩基配列からなるDNA (b)配列番号4に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸輸送体活性を有する蛋白質をコード
するDNA
【0014】(10)上記(8)または(9)のアスパラギン酸輸
送体遺伝子をベクターDNAに挿入し てなることを特徴とする組み換え体DNA。 (11)上記(10)の組み換え体DNAを含む形質転換体。 (12)上記(11)の形質転換体を培地に培養し、培養物から
アスパラギン酸輸送体を採取することを特徴とするアス
パラギン酸輸送体の製造法。 (13)上記(2)または(3)のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝
子と上記(8)または(9)のアスパラギン酸輸送体遺伝子と
がプロモーターの存在下に共発現可能に含むベクター。 (14)上記(13)のベクターによって形質転換された真核ま
たは原核細胞。
送体遺伝子をベクターDNAに挿入し てなることを特徴とする組み換え体DNA。 (11)上記(10)の組み換え体DNAを含む形質転換体。 (12)上記(11)の形質転換体を培地に培養し、培養物から
アスパラギン酸輸送体を採取することを特徴とするアス
パラギン酸輸送体の製造法。 (13)上記(2)または(3)のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝
子と上記(8)または(9)のアスパラギン酸輸送体遺伝子と
がプロモーターの存在下に共発現可能に含むベクター。 (14)上記(13)のベクターによって形質転換された真核ま
たは原核細胞。
【0015】(15)アミノ酸または有機酸の脱炭酸反応に
共役したエネルギー生成系に関わる複数の蛋白質をコー
ドする遺伝子が共発現可能に導入された真核または原核
細胞を作製し、該細胞に該アミノ酸または有機酸を添加
してエネルギー生成を誘発することを含む、細胞におい
てエネルギーを生成する方法。 (16)上記(15)において、前記遺伝子が、上記(2)または
(3)のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子及び上記(8)また
は(9)のアスパラギン酸輸送体遺伝子であることを特徴
とする方法。 (17)上記(15)において、前記細胞が、上記(14)の真核ま
たは原核細胞であることを特徴とする方法。
共役したエネルギー生成系に関わる複数の蛋白質をコー
ドする遺伝子が共発現可能に導入された真核または原核
細胞を作製し、該細胞に該アミノ酸または有機酸を添加
してエネルギー生成を誘発することを含む、細胞におい
てエネルギーを生成する方法。 (16)上記(15)において、前記遺伝子が、上記(2)または
(3)のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子及び上記(8)また
は(9)のアスパラギン酸輸送体遺伝子であることを特徴
とする方法。 (17)上記(15)において、前記細胞が、上記(14)の真核ま
たは原核細胞であることを特徴とする方法。
【0016】以下は、本明細書で使用される用語の定義
である。本明細書中で使用される「ストリンジェントな
条件」とは、本発明の遺伝子が、DNAの塩基レベルに
おいて相同性70%以上、好ましくは80%以上、より
好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以
上の任意のDNAとハイブリダイゼーション可能な条件
を意味する。一般にハイブリダイゼーションは、温度、
イオン強度、プローブの長さなどによって影響を受ける
ことが知られており、通常より高い温度、より低いイオ
ン強度は高ストリンジェントな条件を付与する。好まし
くはハイブリダイゼーション温度は、融解温度Tmより
も約15〜約25℃低い温度を使用する。また、たとえ
ば0.1〜0.2×SSC/0.1%SDSなどの溶液条件を使用
することができる。ハイブリダイゼーションは、高スト
リンジェント条件でのハイブリダイゼーション及び高ス
トリンジェント条件での洗浄、あるいは、低ストリンジ
ェントまたは中ストリンジェント条件でのハイブリダイ
ゼーション及び高ストリンジェント条件での洗浄によっ
て行ない得る。ハイブリダイゼーション条件について
は、たとえばF. Ausbel等, Short Protocols InMolecul
ar Biology, Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.
(1995)に記載されており参照可能である。
である。本明細書中で使用される「ストリンジェントな
条件」とは、本発明の遺伝子が、DNAの塩基レベルに
おいて相同性70%以上、好ましくは80%以上、より
好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以
上の任意のDNAとハイブリダイゼーション可能な条件
を意味する。一般にハイブリダイゼーションは、温度、
イオン強度、プローブの長さなどによって影響を受ける
ことが知られており、通常より高い温度、より低いイオ
ン強度は高ストリンジェントな条件を付与する。好まし
くはハイブリダイゼーション温度は、融解温度Tmより
も約15〜約25℃低い温度を使用する。また、たとえ
ば0.1〜0.2×SSC/0.1%SDSなどの溶液条件を使用
することができる。ハイブリダイゼーションは、高スト
リンジェント条件でのハイブリダイゼーション及び高ス
トリンジェント条件での洗浄、あるいは、低ストリンジ
ェントまたは中ストリンジェント条件でのハイブリダイ
ゼーション及び高ストリンジェント条件での洗浄によっ
て行ない得る。ハイブリダイゼーション条件について
は、たとえばF. Ausbel等, Short Protocols InMolecul
ar Biology, Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.
(1995)に記載されており参照可能である。
【0017】さらに本明細書中で使用される「形質転換」
とは、異種遺伝子が原核または真核細胞中に導入される
ことを意味し、そのようにして導入された細胞を形質転
換体という。異種遺伝子は単独にかまたは適切なベクタ
ー(プラスミド、ファージ、ウイルスなど)DNAに挿
入された形態で標的細胞中に導入される。導入方法とし
てはたとえば、マイクロインジェクション、塩化カルシ
ウム法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーショ
ン、リポフェクション法、スフェロプラスト法、プロト
プラスト法、遺伝子銃、アグロバクテリウム法などの慣
用法を使用できる。
とは、異種遺伝子が原核または真核細胞中に導入される
ことを意味し、そのようにして導入された細胞を形質転
換体という。異種遺伝子は単独にかまたは適切なベクタ
ー(プラスミド、ファージ、ウイルスなど)DNAに挿
入された形態で標的細胞中に導入される。導入方法とし
てはたとえば、マイクロインジェクション、塩化カルシ
ウム法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーショ
ン、リポフェクション法、スフェロプラスト法、プロト
プラスト法、遺伝子銃、アグロバクテリウム法などの慣
用法を使用できる。
【0018】ベクターは自律的複製可能なものまたは相
同組み換え可能なもののいずれも使用できる。ベクター
は、異種遺伝子の転写/発現を作動可能とするプロモー
ターを含んでおり、必要に応じてエンハンサー、リボソ
ーム結合配列、転写終結配列等の配列を含み得る。細菌
類の発現ベクターとしては、たとえばpGEX(ファルマシ
ア社製)、pGEMEX-1(プロメガ社製)、pQEシリーズ
(キアゲン社製)、pBluescriptII SK+(ストラタジー
ン社製)、pSTV28(宝酒造社製)などがある。プロモー
ターの例は、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプ
ロモーター、PRプロモーターである。
同組み換え可能なもののいずれも使用できる。ベクター
は、異種遺伝子の転写/発現を作動可能とするプロモー
ターを含んでおり、必要に応じてエンハンサー、リボソ
ーム結合配列、転写終結配列等の配列を含み得る。細菌
類の発現ベクターとしては、たとえばpGEX(ファルマシ
ア社製)、pGEMEX-1(プロメガ社製)、pQEシリーズ
(キアゲン社製)、pBluescriptII SK+(ストラタジー
ン社製)、pSTV28(宝酒造社製)などがある。プロモー
ターの例は、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプ
ロモーター、PRプロモーターである。
【0019】酵母類の発現ベクターとしては、たとえば
Yep13 (ATCC37115)、Yep24 (ATCC37051)、pHS19、pXT
1、pBPV(ストラタジーン社製)などがある。プロモー
ターの例は、PHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーター等である。昆虫細胞の発現ベクターとして
は、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(インビトロジェ
ン社製)が例示される。
Yep13 (ATCC37115)、Yep24 (ATCC37051)、pHS19、pXT
1、pBPV(ストラタジーン社製)などがある。プロモー
ターの例は、PHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーター等である。昆虫細胞の発現ベクターとして
は、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(インビトロジェ
ン社製)が例示される。
【0020】植物細胞の発現ベクターとしては、たとえ
ばTiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクターを
例示できる。プロモーターの例は、カリフラワーモザイ
クウイルスの35Sプロモーター、イネアクチン1プロ
モーター等である。動物細胞の発現ベクターとしては、
たとえばpcDNAI、pcDM8(フナコシ社)pcDNAI/Amp、pRE
P4(インビトロジェン社製)、pAGE210、pAMo、pAMoA等
が挙げられる。プロモーターとしては、SV40初期プ
ロモーター、メタロチオネインプロモーター、レトロウ
イルスプロモーター、ヒートショックプロモーター等が
例示される。
ばTiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクターを
例示できる。プロモーターの例は、カリフラワーモザイ
クウイルスの35Sプロモーター、イネアクチン1プロ
モーター等である。動物細胞の発現ベクターとしては、
たとえばpcDNAI、pcDM8(フナコシ社)pcDNAI/Amp、pRE
P4(インビトロジェン社製)、pAGE210、pAMo、pAMoA等
が挙げられる。プロモーターとしては、SV40初期プ
ロモーター、メタロチオネインプロモーター、レトロウ
イルスプロモーター、ヒートショックプロモーター等が
例示される。
【0021】本明細書中で使用される「原核または真核
細胞」とは、細菌、菌類(酵母を含む)、昆虫細胞、植
物細胞、動物細胞等、本発明の目的で使用できる任意の
ものである。たとえば、エシェリヒア属、バチルス属、
シュードモナス属、ブレビバクテリウム属等の細菌類、
サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、ピチア
属、トリコスポロン属など酵母類、Spodopterafrugiper
daの卵巣細胞、カイコ卵巣由来細胞(Bombyxmori N4)
などの昆虫細胞、双子葉、単子葉植物細胞、ヒト胎児腎
臓細胞、ヒト白血病細胞、CHO細胞等の動物細胞が挙
げられる。本明細書中で使用される「エネルギー生成
系」は、アミノ酸または有機酸の酵素的脱炭酸反応を介
して生体膜に形成されるプロトンの電気化学的勾配(pm
f)をF1Fo−ATPアーゼにてATPに変換する系を
指す。
細胞」とは、細菌、菌類(酵母を含む)、昆虫細胞、植
物細胞、動物細胞等、本発明の目的で使用できる任意の
ものである。たとえば、エシェリヒア属、バチルス属、
シュードモナス属、ブレビバクテリウム属等の細菌類、
サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、ピチア
属、トリコスポロン属など酵母類、Spodopterafrugiper
daの卵巣細胞、カイコ卵巣由来細胞(Bombyxmori N4)
などの昆虫細胞、双子葉、単子葉植物細胞、ヒト胎児腎
臓細胞、ヒト白血病細胞、CHO細胞等の動物細胞が挙
げられる。本明細書中で使用される「エネルギー生成
系」は、アミノ酸または有機酸の酵素的脱炭酸反応を介
して生体膜に形成されるプロトンの電気化学的勾配(pm
f)をF1Fo−ATPアーゼにてATPに変換する系を
指す。
【0022】本明細書中で使用される「アスパラギン酸
輸送体」とは、細胞膜に存在して膜外液中のアスパラギ
ン酸を膜内部に輸送する蛋白質である。したがってその
ような輸送能をアスパラギン酸輸送体活性という。この
蛋白質をコードする遺伝子をベクターに組み込んで細胞
に移入した場合であっても、その発現蛋白質は細胞膜に
自ずから移動し定着することができる。本明細書中で使
用される「共発現可能に」とは、2つの異なる蛋白質を
コードする遺伝子が、同じかまたは異なるプロモーター
に作動可能に結合されており同時に発現され得る状態を
意味する。
輸送体」とは、細胞膜に存在して膜外液中のアスパラギ
ン酸を膜内部に輸送する蛋白質である。したがってその
ような輸送能をアスパラギン酸輸送体活性という。この
蛋白質をコードする遺伝子をベクターに組み込んで細胞
に移入した場合であっても、その発現蛋白質は細胞膜に
自ずから移動し定着することができる。本明細書中で使
用される「共発現可能に」とは、2つの異なる蛋白質を
コードする遺伝子が、同じかまたは異なるプロモーター
に作動可能に結合されており同時に発現され得る状態を
意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一態様において、本発明は、アミノ酸または有
機酸の脱炭酸反応に共役したエネルギー生成系に関わる
複数の蛋白質をコードする遺伝子が共発現可能に導入さ
れた真核または原核細胞を作製し、該細胞に該アミノ酸
または有機酸を添加してエネルギー生成を誘発すること
を含む、細胞においてエネルギーを生成する方法を提供
する。
本発明の一態様において、本発明は、アミノ酸または有
機酸の脱炭酸反応に共役したエネルギー生成系に関わる
複数の蛋白質をコードする遺伝子が共発現可能に導入さ
れた真核または原核細胞を作製し、該細胞に該アミノ酸
または有機酸を添加してエネルギー生成を誘発すること
を含む、細胞においてエネルギーを生成する方法を提供
する。
【0024】本発明のエネルギー生成系で使用可能なア
ミノ酸の例は非限定的にアスパラギン酸、グルタミン
酸、リジン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン
などであり、一方有機酸の例は非限定的にクエン酸、リ
ンゴ酸、シュウ酸などであり、さらにこのようなアミノ
酸または有機酸の脱炭酸反応を行ない得るすべての酵素
類をコードする遺伝子(cDNA、ゲノムDNAなど)
が本発明で使用できる。脱炭酸酵素としてたとえばアス
パラギン酸脱炭酸酵素、グルタミン酸脱炭酸酵素、リジ
ン脱炭酸酵素、フェニルアラニン脱炭酸酵素、チロシン
脱炭酸酵素、ヒスチジン脱炭酸酵素などのアミノ酸脱炭
酸酵素類、あるいはクエン酸リアーゼ・オギザロ酢酸脱
炭酸酵素・乳酸脱水素酵素複合系(C. Marty-Teysset
等, J. Biol.Chem. 270:25370-25376, 1995)、マロラ
クティック酵素(リンゴ酸脱水素酵素・乳酸脱水素酵素
複合系)、シュウ酸脱炭酸酵素などの脱炭酸酵素類を例
示できる。アスパラギン酸脱炭酸酵素の場合、アスパラ
ギン酸はβ位カルボキシル基の脱炭酸によってアラニン
に変換される。同様に、グルタミン酸、リジン、フェニ
ルアラニン、チロシン、ヒスチジンはそれぞれ、γ−ア
ミノ酪酸、カダベリン、フェニルエチルアミン、チラミ
ン、ヒスタミンに変換される。また、リンゴ酸、シュウ
酸はそれぞれ乳酸、ギ酸に変換される。
ミノ酸の例は非限定的にアスパラギン酸、グルタミン
酸、リジン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン
などであり、一方有機酸の例は非限定的にクエン酸、リ
ンゴ酸、シュウ酸などであり、さらにこのようなアミノ
酸または有機酸の脱炭酸反応を行ない得るすべての酵素
類をコードする遺伝子(cDNA、ゲノムDNAなど)
が本発明で使用できる。脱炭酸酵素としてたとえばアス
パラギン酸脱炭酸酵素、グルタミン酸脱炭酸酵素、リジ
ン脱炭酸酵素、フェニルアラニン脱炭酸酵素、チロシン
脱炭酸酵素、ヒスチジン脱炭酸酵素などのアミノ酸脱炭
酸酵素類、あるいはクエン酸リアーゼ・オギザロ酢酸脱
炭酸酵素・乳酸脱水素酵素複合系(C. Marty-Teysset
等, J. Biol.Chem. 270:25370-25376, 1995)、マロラ
クティック酵素(リンゴ酸脱水素酵素・乳酸脱水素酵素
複合系)、シュウ酸脱炭酸酵素などの脱炭酸酵素類を例
示できる。アスパラギン酸脱炭酸酵素の場合、アスパラ
ギン酸はβ位カルボキシル基の脱炭酸によってアラニン
に変換される。同様に、グルタミン酸、リジン、フェニ
ルアラニン、チロシン、ヒスチジンはそれぞれ、γ−ア
ミノ酪酸、カダベリン、フェニルエチルアミン、チラミ
ン、ヒスタミンに変換される。また、リンゴ酸、シュウ
酸はそれぞれ乳酸、ギ酸に変換される。
【0025】本発明のエネルギー生成系に関わる別の蛋
白質は、細胞外の上記アミノ酸または有機酸を細胞内に
輸送する膜蛋白質(すなわち、輸送体蛋白質)である。
アミノ酸輸送系または有機酸輸送系に関わる該膜蛋白質
はたとえばP.C. Maloney等,J. Exp. Biol. 196:471-48
2, 1994等の文献に記載されている。本発明の好適実施
態様においては、アスパラギン酸輸送体が使用される。
白質は、細胞外の上記アミノ酸または有機酸を細胞内に
輸送する膜蛋白質(すなわち、輸送体蛋白質)である。
アミノ酸輸送系または有機酸輸送系に関わる該膜蛋白質
はたとえばP.C. Maloney等,J. Exp. Biol. 196:471-48
2, 1994等の文献に記載されている。本発明の好適実施
態様においては、アスパラギン酸輸送体が使用される。
【0026】脱炭酸酵素及び輸送体蛋白質をコードする
遺伝子は、該遺伝子の配列が公知である場合、その配列
に基いてプライマーを作製しポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)に用いて、別途調製または購入された生物細胞、
組織由来のcDNAライブラリーもしくはゲノムライブ
ラリーから目的の遺伝子を増幅し、精製することによっ
て得ることができるし、あるいは、該遺伝子の配列が明
らかでない場合、先ず対応の蛋白質を精製してその部分
配列を決定し、その配列に基き放射性標識プローブを作
り、これを用いてcDNAライブラリーもしくはゲノム
ライブラリーから目的の遺伝子を含むクローンをスクリ
ーニングし、必要に応じて再クローン化することによっ
て該遺伝子を得ることができる。遺伝子クローニング及
びスクリーニングの手法については、たとえばJ. Sambr
ook等, Molecular Cloning, second edition, Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, 1989に記載される方法
を使用することができる。
遺伝子は、該遺伝子の配列が公知である場合、その配列
に基いてプライマーを作製しポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)に用いて、別途調製または購入された生物細胞、
組織由来のcDNAライブラリーもしくはゲノムライブ
ラリーから目的の遺伝子を増幅し、精製することによっ
て得ることができるし、あるいは、該遺伝子の配列が明
らかでない場合、先ず対応の蛋白質を精製してその部分
配列を決定し、その配列に基き放射性標識プローブを作
り、これを用いてcDNAライブラリーもしくはゲノム
ライブラリーから目的の遺伝子を含むクローンをスクリ
ーニングし、必要に応じて再クローン化することによっ
て該遺伝子を得ることができる。遺伝子クローニング及
びスクリーニングの手法については、たとえばJ. Sambr
ook等, Molecular Cloning, second edition, Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, 1989に記載される方法
を使用することができる。
【0027】本発明では、アミノ酸または有機酸を脱炭
酸する酵素をコードする遺伝子及び、該アミノ酸または
有機酸を細胞内に輸送する膜蛋白質をコードする遺伝子
を共発現可能にプロモーター配列に連結した組み換えベ
クターを作製し、原核または真核細胞内に導入すること
によって、脱炭酸共役エネルギー生成系が組み込まれた
細胞を得ることができる。これらの遺伝子は、共発現が
可能であるならば、同一のベクターに組み込まれてもよ
いし、または、異なるベクターに組み込まれてバイナリ
ーベクターとして使用されてもよい。ベクターの例は上
記のもの以外にpTrc99A(アマシャム・ファルマシアバ
イオテク社製)である。また、細胞の例は上記のもの以
外に大腸菌XL-1blue Kahr(ストラタジーン社製)であ
る。
酸する酵素をコードする遺伝子及び、該アミノ酸または
有機酸を細胞内に輸送する膜蛋白質をコードする遺伝子
を共発現可能にプロモーター配列に連結した組み換えベ
クターを作製し、原核または真核細胞内に導入すること
によって、脱炭酸共役エネルギー生成系が組み込まれた
細胞を得ることができる。これらの遺伝子は、共発現が
可能であるならば、同一のベクターに組み込まれてもよ
いし、または、異なるベクターに組み込まれてバイナリ
ーベクターとして使用されてもよい。ベクターの例は上
記のもの以外にpTrc99A(アマシャム・ファルマシアバ
イオテク社製)である。また、細胞の例は上記のもの以
外に大腸菌XL-1blue Kahr(ストラタジーン社製)であ
る。
【0028】該遺伝子が一旦細胞内で共発現されると、
輸送体蛋白質は細胞膜に移動し定着する。細胞外液にア
ミノ酸または有機酸を存在させるときには、該酸が輸送
体蛋白質の仲介により細胞内に輸送され、同時発現産物
の脱炭酸酵素の作用によって該酸の脱炭酸が生じ、この
脱炭酸産物の細胞外への排出に伴って生体膜に生じるpm
fはF1Fo−ATPアーゼを駆動しATPを合成する。
該ATPアーゼは、通常、細胞が本来もつものを利用す
ることができる。
輸送体蛋白質は細胞膜に移動し定着する。細胞外液にア
ミノ酸または有機酸を存在させるときには、該酸が輸送
体蛋白質の仲介により細胞内に輸送され、同時発現産物
の脱炭酸酵素の作用によって該酸の脱炭酸が生じ、この
脱炭酸産物の細胞外への排出に伴って生体膜に生じるpm
fはF1Fo−ATPアーゼを駆動しATPを合成する。
該ATPアーゼは、通常、細胞が本来もつものを利用す
ることができる。
【0029】本方法においては、脱炭酸酵素のために補
酵素(NAD+、NADP+またはピリドキサールリン酸
など)を要するが、これらは細胞から本来供給されるも
のを利用できる。本発明の好適実施態様において、アス
パラギン酸脱炭酸酵素/アスパラギン酸輸送体(アスパ
ラギン酸:アラニン変換活性)に基く脱炭酸共役エネル
ギー生成系を作製することができる。以下では該エネル
ギー生成系を例示してさらに具体的に本発明を説明す
る。なお、この特定例で使用される方法、物質及びそこ
に示される文献等はいずれも他の脱炭酸共役エネルギー
生成系の作製にも全体的にまたは部分的に適用し得る。
酵素(NAD+、NADP+またはピリドキサールリン酸
など)を要するが、これらは細胞から本来供給されるも
のを利用できる。本発明の好適実施態様において、アス
パラギン酸脱炭酸酵素/アスパラギン酸輸送体(アスパ
ラギン酸:アラニン変換活性)に基く脱炭酸共役エネル
ギー生成系を作製することができる。以下では該エネル
ギー生成系を例示してさらに具体的に本発明を説明す
る。なお、この特定例で使用される方法、物質及びそこ
に示される文献等はいずれも他の脱炭酸共役エネルギー
生成系の作製にも全体的にまたは部分的に適用し得る。
【0030】アスパラギン酸脱炭酸酵素及び/またはア
スパラギン酸輸送体(アスパラギン酸:アラニン変換活
性)を有するドナー微生物としては、テトラジェノコッ
カス属に属し、アスパラギン酸脱炭酸酵素及び/または
アスパラギン酸輸送体(アスパラギン酸:アラニン変換
酵素)を生産するものであれば如何なるものでもよい。
例えば、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)〔ペ
ディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(halophil
a)〔ハロフィルス(halophilus)〕A-2(FERM-P 5427)(特
公昭60−4708号公報)等が挙げられる。この微生物は、
例えば特開平5-49440号公報記載の培地及び培養法を用
いて培養することができる。この培養微生物を例えば1
0,000rpmで10分間遠心分離してテトラジェノコッカス
(Tetragenococcus)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕
・ハロフィラ(halophila)〔ハロフィルス(halophilu
s)〕A-2の菌体を得ることができる。
スパラギン酸輸送体(アスパラギン酸:アラニン変換活
性)を有するドナー微生物としては、テトラジェノコッ
カス属に属し、アスパラギン酸脱炭酸酵素及び/または
アスパラギン酸輸送体(アスパラギン酸:アラニン変換
酵素)を生産するものであれば如何なるものでもよい。
例えば、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)〔ペ
ディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(halophil
a)〔ハロフィルス(halophilus)〕A-2(FERM-P 5427)(特
公昭60−4708号公報)等が挙げられる。この微生物は、
例えば特開平5-49440号公報記載の培地及び培養法を用
いて培養することができる。この培養微生物を例えば1
0,000rpmで10分間遠心分離してテトラジェノコッカス
(Tetragenococcus)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕
・ハロフィラ(halophila)〔ハロフィルス(halophilu
s)〕A-2の菌体を得ることができる。
【0031】この菌体より、公知の方法〔例えば、D.
G. Anderson, and L. L. McKay, Simple and rapid met
hod for isolating large plasmid DNA from lactic st
reptococci. Appl. Environ. Microbiol., 46:549-552
(1983)〕によりプラスミドDNAを得る。次いで、こ
のプラスミドDNAに、例えば、制限酵素Sal I(宝酒
造社製)を、温度30℃以上、好ましくは、37℃、酵素濃
度1〜10ユニット/mlで10分〜20時間作用させて
消化し、約11kb及び12kbのDNA断片を得る。この
DNA断片をカレント・プロトコルズ・イン・モレキュ
ラー・バイオロジー(Current Protocols In Molecular
Biology)第1巻、第2号記載の方法等により0.7%寒天
平板で電気泳動を行なって、11kb断片をQuiagen (キ
アゲン)社製QuiaquickGel Extraction Kit(キアクイッ
クゲル抽出キット)により寒天平板より回収し、精製す
る。
G. Anderson, and L. L. McKay, Simple and rapid met
hod for isolating large plasmid DNA from lactic st
reptococci. Appl. Environ. Microbiol., 46:549-552
(1983)〕によりプラスミドDNAを得る。次いで、こ
のプラスミドDNAに、例えば、制限酵素Sal I(宝酒
造社製)を、温度30℃以上、好ましくは、37℃、酵素濃
度1〜10ユニット/mlで10分〜20時間作用させて
消化し、約11kb及び12kbのDNA断片を得る。この
DNA断片をカレント・プロトコルズ・イン・モレキュ
ラー・バイオロジー(Current Protocols In Molecular
Biology)第1巻、第2号記載の方法等により0.7%寒天
平板で電気泳動を行なって、11kb断片をQuiagen (キ
アゲン)社製QuiaquickGel Extraction Kit(キアクイッ
クゲル抽出キット)により寒天平板より回収し、精製す
る。
【0032】一方、本発明において用いることのできる
ベクターとしては、如何なるものでもよく、例えば、プ
ラスミドベクター、ファージベクター等が挙げられ、そ
れらの好ましい例としては、pBluescript II KS-ベクタ
ーDNA(Stratagene社製)等が挙げられる。そして、
例えば、pBluescript II KS-ベクターDNAをSal I
(宝酒造製)にて温度37℃、酵素濃度5〜100ユニッ
ト/mlで1時間以上、好ましくは1〜3時間消化し、切
断されたベクター断片を得る。さらに、これらのベクタ
ー断片を必要によりフェノール抽出処理、フェノール-
クロロホルム抽出処理、あるいはエタノール沈澱処理等
の既知の方法により精製する。ここで得た切断ベクター
DNAと先の純化されたSal I断片(11 kb)をT4-DNA
リガーゼにて反応させ組み換え体DNAを得る。
ベクターとしては、如何なるものでもよく、例えば、プ
ラスミドベクター、ファージベクター等が挙げられ、そ
れらの好ましい例としては、pBluescript II KS-ベクタ
ーDNA(Stratagene社製)等が挙げられる。そして、
例えば、pBluescript II KS-ベクターDNAをSal I
(宝酒造製)にて温度37℃、酵素濃度5〜100ユニッ
ト/mlで1時間以上、好ましくは1〜3時間消化し、切
断されたベクター断片を得る。さらに、これらのベクタ
ー断片を必要によりフェノール抽出処理、フェノール-
クロロホルム抽出処理、あるいはエタノール沈澱処理等
の既知の方法により精製する。ここで得た切断ベクター
DNAと先の純化されたSal I断片(11 kb)をT4-DNA
リガーゼにて反応させ組み換え体DNAを得る。
【0033】この組み換え体DNAで、例えば、大腸菌
JM109(宝酒造社製)等の細菌細胞を形質転換してアスパ
ラギン酸:アラニン変換代謝系遺伝子を含む菌株を得、
次いで、この菌株より純化された組み換え体DNAを得
る。なお、この形質転換及び組み換え体DNAの取得
は、カレント・プロトコルズ・イン・モレキュラー・バ
イオロジー、第1巻、第1号(1987年)記載の方法で行
なうことができる。このアスパラギン酸:アラニン変換
代謝系遺伝子を含むDNAを用いて、アスパラギン酸:
アラニン変換代謝系遺伝子の塩基配列解析を行なって
(配列番号3及び4参照)、翻訳されるポリペプチドの
アミノ酸配列を確定する(配列番号1及び2参照)。こ
のようにして確定されたアミノ酸配列をコードする遺伝
子がアスパラギン酸:アラニン変換代謝系酵素活性体ポ
リペプチドの遺伝子である。
JM109(宝酒造社製)等の細菌細胞を形質転換してアスパ
ラギン酸:アラニン変換代謝系遺伝子を含む菌株を得、
次いで、この菌株より純化された組み換え体DNAを得
る。なお、この形質転換及び組み換え体DNAの取得
は、カレント・プロトコルズ・イン・モレキュラー・バ
イオロジー、第1巻、第1号(1987年)記載の方法で行
なうことができる。このアスパラギン酸:アラニン変換
代謝系遺伝子を含むDNAを用いて、アスパラギン酸:
アラニン変換代謝系遺伝子の塩基配列解析を行なって
(配列番号3及び4参照)、翻訳されるポリペプチドの
アミノ酸配列を確定する(配列番号1及び2参照)。こ
のようにして確定されたアミノ酸配列をコードする遺伝
子がアスパラギン酸:アラニン変換代謝系酵素活性体ポ
リペプチドの遺伝子である。
【0034】なお、配列番号1または2に示されるアミ
ノ酸配列において夫々1もしくは複数のアミノ酸が付
加、欠失もしくは置換されており、かつ、アスパラギン
酸脱炭酸酵素またはアスパラギン酸輸送体活性を有する
アミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする遺伝子
は、全て本発明に含まれる。そして、これらの遺伝子を
得るには、如何なる方法でも良く、例えば、点変異また
は欠失変異を生じさせるために遺伝子を変異源で処理す
る方法;遺伝子を選択的に開裂し、次いで、選択された
ヌクレオチドを除去または付加し、遺伝子を連結する方
法;オリゴヌクレオチド変異誘発;PCRによる部位特
異的変異誘発法等が挙げられる。
ノ酸配列において夫々1もしくは複数のアミノ酸が付
加、欠失もしくは置換されており、かつ、アスパラギン
酸脱炭酸酵素またはアスパラギン酸輸送体活性を有する
アミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする遺伝子
は、全て本発明に含まれる。そして、これらの遺伝子を
得るには、如何なる方法でも良く、例えば、点変異また
は欠失変異を生じさせるために遺伝子を変異源で処理す
る方法;遺伝子を選択的に開裂し、次いで、選択された
ヌクレオチドを除去または付加し、遺伝子を連結する方
法;オリゴヌクレオチド変異誘発;PCRによる部位特
異的変異誘発法等が挙げられる。
【0035】このようにして得られたアスパラギン酸脱
炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送体を生産する
ことのできる形質転換体、好ましくは、エシェリシア
(Escherichia)属に属する菌体を用いてアスパラギン
酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送体を生産
するには、以下のようにして行なうことができる。上記
微生物を培養するには、通常の固体培養法で培養しても
よいが、なるべく液体培養法を採用して培養するのが好
ましい。
炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送体を生産する
ことのできる形質転換体、好ましくは、エシェリシア
(Escherichia)属に属する菌体を用いてアスパラギン
酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送体を生産
するには、以下のようにして行なうことができる。上記
微生物を培養するには、通常の固体培養法で培養しても
よいが、なるべく液体培養法を採用して培養するのが好
ましい。
【0036】また、上記微生物を培養するには、例え
ば、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスチィー
プリカー、大豆、もしくは小麦麹の浸出液等の1種以上
の窒素源に、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリ
ウム、硫酸マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄もし
くは硫酸マンガンの無機塩類の1種以上を添加し、さら
に必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添加したもの
が用いられる。
ば、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスチィー
プリカー、大豆、もしくは小麦麹の浸出液等の1種以上
の窒素源に、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリ
ウム、硫酸マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄もし
くは硫酸マンガンの無機塩類の1種以上を添加し、さら
に必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添加したもの
が用いられる。
【0037】なお、培地の初発pHは、7〜9に調整するの
が適当である。また培養は、30〜42℃、好ましくは37℃
前後で6〜24時間、振とう培養、通気撹拌深部培養、静
置培養等により実施するのが好ましい。培養終了後、該
培養物よりアスパラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアス
パラギン酸輸送体を採取するには、通常の酵素採取手段
を用いることができる。
が適当である。また培養は、30〜42℃、好ましくは37℃
前後で6〜24時間、振とう培養、通気撹拌深部培養、静
置培養等により実施するのが好ましい。培養終了後、該
培養物よりアスパラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアス
パラギン酸輸送体を採取するには、通常の酵素採取手段
を用いることができる。
【0038】培養物から、例えば、濾過、遠心分離等の
操作により菌体を分離し、洗菌する。この菌体からアス
パラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送
体を採取することが好ましい。この場合、菌体をそのま
ま用いることもできるが、超音波破壊機、フレンチプレ
ス、ダイナミル等の種々の破壊手段を用いて菌体を破壊
する方法、リゾチームの如き細胞壁溶解酵素を用いて菌
体細胞壁を溶解する方法、トリトンX-100等の界面活性
剤を用いて菌体から酵素を抽出する方法等により菌体か
らアスパラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン
酸輸送体を採取するのが好ましい。
操作により菌体を分離し、洗菌する。この菌体からアス
パラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送
体を採取することが好ましい。この場合、菌体をそのま
ま用いることもできるが、超音波破壊機、フレンチプレ
ス、ダイナミル等の種々の破壊手段を用いて菌体を破壊
する方法、リゾチームの如き細胞壁溶解酵素を用いて菌
体細胞壁を溶解する方法、トリトンX-100等の界面活性
剤を用いて菌体から酵素を抽出する方法等により菌体か
らアスパラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン
酸輸送体を採取するのが好ましい。
【0039】このようにして得られた粗酵素液からアス
パラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送
体を単離するには通常の酵素精製に用いられる方法が使
用できる。例えば、硫安塩析法、有機溶媒沈殿法、イオ
ン交換クロマトグラフ法、ゲル濾過クロマトグラフ法、
吸着クロマトグラフ、電気泳動法等を適宜組み合わせて
行なうのが好ましい。
パラギン酸脱炭酸酵素及び/またはアスパラギン酸輸送
体を単離するには通常の酵素精製に用いられる方法が使
用できる。例えば、硫安塩析法、有機溶媒沈殿法、イオ
ン交換クロマトグラフ法、ゲル濾過クロマトグラフ法、
吸着クロマトグラフ、電気泳動法等を適宜組み合わせて
行なうのが好ましい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 <実施例> (1) テトラジェノコッカス・ハロフィラA−2プラスミ
ドDNAの調製 テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)〔ペディオコ
ッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(halophila)〔ハロ
フィルス(halophilus)〕A-2(FERM-P 5427)を、5%(W/V)N
aClを含むMRS培地(DIFCO社製)1Lに接種し、温度3
0℃にて72時間静置培養し、培養物を得た。この培養
物を10,000rpmで10分間常法により遠心分離し、湿潤
菌体4gを得た後、この菌体から公知の方法〔D. G. An
derson, and L. L. McKay, Simple and rapid method f
or isolating large plasmid DNA from lactic strepto
cocci.Appl. Environ. Microbiol., 46:549-552 (198
3)〕を用いてプラスミドDNAを単離した。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 <実施例> (1) テトラジェノコッカス・ハロフィラA−2プラスミ
ドDNAの調製 テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)〔ペディオコ
ッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(halophila)〔ハロ
フィルス(halophilus)〕A-2(FERM-P 5427)を、5%(W/V)N
aClを含むMRS培地(DIFCO社製)1Lに接種し、温度3
0℃にて72時間静置培養し、培養物を得た。この培養
物を10,000rpmで10分間常法により遠心分離し、湿潤
菌体4gを得た後、この菌体から公知の方法〔D. G. An
derson, and L. L. McKay, Simple and rapid method f
or isolating large plasmid DNA from lactic strepto
cocci.Appl. Environ. Microbiol., 46:549-552 (198
3)〕を用いてプラスミドDNAを単離した。
【0041】(2) テトラジェノコッカス(Tetragenococc
us)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(h
alophila)〔ハロフィルス(halophilus)〕A-2プラスミド
DNASal I 11 kb断片の精製 次いで、このプラスミドDNA10μg及び制限酵素Sa
l I(宝酒造社製)50ユニットを各々50mMトリス緩衝
液[100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール含
有 (pH 7.5)]に混合し、37℃で30分〜16時間反応
させた。反応終了液を常法により0.7%(W/V)アガロース
ゲル(宝酒造社製)電気泳動処理したものより、およそ
11kbの大きさのDNA断片をQuiagen (キアゲン)社
製Quiaquick Gel Extraction Kit(キアクイックゲル抽
出キット)にて精製した。
us)〔ペディオコッカス(Pediococcus)〕・ハロフィラ(h
alophila)〔ハロフィルス(halophilus)〕A-2プラスミド
DNASal I 11 kb断片の精製 次いで、このプラスミドDNA10μg及び制限酵素Sa
l I(宝酒造社製)50ユニットを各々50mMトリス緩衝
液[100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール含
有 (pH 7.5)]に混合し、37℃で30分〜16時間反応
させた。反応終了液を常法により0.7%(W/V)アガロース
ゲル(宝酒造社製)電気泳動処理したものより、およそ
11kbの大きさのDNA断片をQuiagen (キアゲン)社
製Quiaquick Gel Extraction Kit(キアクイックゲル抽
出キット)にて精製した。
【0042】(3) 組み換え体プラスミドpAsp10Sの作製 プラスミドpBluescriptII KS-DNA(ストラタジーン
社製)2.5μg及び制限酵素、Sal I 10ユニットを50mM
トリス緩衝液[100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレ
イトール含有 (pH 7.5)]に混合し、温度37℃で4時間
反応させて消化液を得、該溶液を常法によりフェノール
抽出及びエタノール沈澱処理した後、1ユニットのアル
カリ性フォスファターゼ(宝酒造社製)と共に50mMト
リス塩酸緩衝液(pH8)に添加し、温度37℃で45分間
反応して5’末端のリン酸を除去した。この反応終了液
を常法によフェノール抽出処理及びエタノール沈澱処理
することにより、Sal Iで消化されたプラスミドpBluesc
riptII KS-DNAを得た。
社製)2.5μg及び制限酵素、Sal I 10ユニットを50mM
トリス緩衝液[100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレ
イトール含有 (pH 7.5)]に混合し、温度37℃で4時間
反応させて消化液を得、該溶液を常法によりフェノール
抽出及びエタノール沈澱処理した後、1ユニットのアル
カリ性フォスファターゼ(宝酒造社製)と共に50mMト
リス塩酸緩衝液(pH8)に添加し、温度37℃で45分間
反応して5’末端のリン酸を除去した。この反応終了液
を常法によフェノール抽出処理及びエタノール沈澱処理
することにより、Sal Iで消化されたプラスミドpBluesc
riptII KS-DNAを得た。
【0043】次いで、この組み込み可能なpBluescriptI
I KS-DNA1μg、上記項目(2)で得られたSal Iで消
化されたテトラジェノコッカス・ハロフィラのプラスミ
ドDNASal I消化断片(11kb)3μg及び1ユニッ
トのT4DNAリガーゼ(宝酒造社製)を、6.6mM MgC
l2、10mMジチオスレイトール及び10mMATPを含有す
る66mMトリス緩衝液(pH7.5)に添加し、温度16℃で
16時間反応させて、DNAを連結させた。
I KS-DNA1μg、上記項目(2)で得られたSal Iで消
化されたテトラジェノコッカス・ハロフィラのプラスミ
ドDNASal I消化断片(11kb)3μg及び1ユニッ
トのT4DNAリガーゼ(宝酒造社製)を、6.6mM MgC
l2、10mMジチオスレイトール及び10mMATPを含有す
る66mMトリス緩衝液(pH7.5)に添加し、温度16℃で
16時間反応させて、DNAを連結させた。
【0044】次いで、該連結DNAを用いて公知の方法
〔カレント・プロトコルズ・インモレキュラー・バイオ
ロジー、第1巻、第3号(1987年)記載の方法〕で大腸菌
JM109(宝酒造社製)を形質転換し、得られた形質転換
株を50μg/mlアンピシリン、0.5mM イソプロピル-β
-チオガラクトシド(IPTG)及び0.004%(W/V) 5-ブロモ-4-
クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトシド(X-GAL)を夫々
含有するT-Y寒天平板培地を用いて温度37℃で24時
間培養し、白色のコロニーを形成するものがテトラジェ
ノコッカス(Tetragenococcus)〔ペディオコッカス(Pedi
ococcus)〕・ハロフィラ(halophila)〔ハロフィルス(ha
lophilus)〕A-2のプラスミドDNASal I消化断片(1
1kb)の挿入された組み換え体プラスミドを保有するも
のであり、その一つとしてpAspSを得た。
〔カレント・プロトコルズ・インモレキュラー・バイオ
ロジー、第1巻、第3号(1987年)記載の方法〕で大腸菌
JM109(宝酒造社製)を形質転換し、得られた形質転換
株を50μg/mlアンピシリン、0.5mM イソプロピル-β
-チオガラクトシド(IPTG)及び0.004%(W/V) 5-ブロモ-4-
クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトシド(X-GAL)を夫々
含有するT-Y寒天平板培地を用いて温度37℃で24時
間培養し、白色のコロニーを形成するものがテトラジェ
ノコッカス(Tetragenococcus)〔ペディオコッカス(Pedi
ococcus)〕・ハロフィラ(halophila)〔ハロフィルス(ha
lophilus)〕A-2のプラスミドDNASal I消化断片(1
1kb)の挿入された組み換え体プラスミドを保有するも
のであり、その一つとしてpAspSを得た。
【0045】(4) 組み換え体プラスミドの単離 50μg/mlのアンピシリンを含むT-Y培地に、大腸菌JM10
9(pAspS)を接種して、温度37℃で24時間振とう培養
し、培養液を得た。次いで、この培養液よりカレント・
プロトコルズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、第
1巻、第6号(1987年)記載のアルカリ法によりプラスミ
ドを抽出し、さらにキアゲン社製のキアゲン-マキシ-プ
ラスミド精製キットにて該プラスミドpAspS100μg
を得た。
9(pAspS)を接種して、温度37℃で24時間振とう培養
し、培養液を得た。次いで、この培養液よりカレント・
プロトコルズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、第
1巻、第6号(1987年)記載のアルカリ法によりプラスミ
ドを抽出し、さらにキアゲン社製のキアゲン-マキシ-プ
ラスミド精製キットにて該プラスミドpAspS100μg
を得た。
【0046】(5) アスパラギン酸:アラニン変換代謝系
遺伝子を含有するDNAの塩基配列の解析 前記項目(4)で得られたプラスミドpAspSに組み込まれた
挿入断片について、ストラタジーン社製 ExoIII/Mung B
eanDNAディリーションキットを用いて、種々の長さ
の断片を作製したものについて、二本鎖DNAによるダイ
プライマー-タック-シークエンシング-キット(アプラ
イドバイオシステムズ社製)及び50%(W/V)の尿素を含
む、6%(W/V)ポリアクリルアミドゲル(National Diagno
stics社製)を用い、DNAシーケンサ370A(アプライ
ドバイオシステムズ社製) にて塩基配列の解析を行なっ
た。得られた塩基配列中には、オペロンを形成する主要
な2種のオープンリーディングフレームが見出された。
推定されたアスパラギン酸脱炭酸酵素及びアスパラギン
酸輸送体の塩基配列を配列番号3及び4に夫々示した。
また該遺伝子より翻訳されるアスパラギン酸脱炭酸酵素
のポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号1に、翻訳さ
れるアスパラギン酸輸送体のポリペプチドのアミノ酸配
列は配列番号2に夫々示した。
遺伝子を含有するDNAの塩基配列の解析 前記項目(4)で得られたプラスミドpAspSに組み込まれた
挿入断片について、ストラタジーン社製 ExoIII/Mung B
eanDNAディリーションキットを用いて、種々の長さ
の断片を作製したものについて、二本鎖DNAによるダイ
プライマー-タック-シークエンシング-キット(アプラ
イドバイオシステムズ社製)及び50%(W/V)の尿素を含
む、6%(W/V)ポリアクリルアミドゲル(National Diagno
stics社製)を用い、DNAシーケンサ370A(アプライ
ドバイオシステムズ社製) にて塩基配列の解析を行なっ
た。得られた塩基配列中には、オペロンを形成する主要
な2種のオープンリーディングフレームが見出された。
推定されたアスパラギン酸脱炭酸酵素及びアスパラギン
酸輸送体の塩基配列を配列番号3及び4に夫々示した。
また該遺伝子より翻訳されるアスパラギン酸脱炭酸酵素
のポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号1に、翻訳さ
れるアスパラギン酸輸送体のポリペプチドのアミノ酸配
列は配列番号2に夫々示した。
【0047】(6) 発現ベクターpTrAspD/Tの作製 pAspS上の推定されるアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子
(aspD)の開始コドン部位にNcoIサイトを導入するため
に、以下の変異用オリゴDNAプライマーすなわち変異
プライマー1(配列番号5)及び変異プライマー2(配列
番号6)をDNA合成機Model 392(アプライドバイオシ
ステムズ社製)を用いて合成した。
(aspD)の開始コドン部位にNcoIサイトを導入するため
に、以下の変異用オリゴDNAプライマーすなわち変異
プライマー1(配列番号5)及び変異プライマー2(配列
番号6)をDNA合成機Model 392(アプライドバイオシ
ステムズ社製)を用いて合成した。
【0048】これら2本の変異プライマー各々125 ng、
pAspS 10ng及びストラタジーン社のQuickChange Site-D
irected Mutagenesis Kitを用いて、添付Instruction M
anualに従ってpAspSの推定されるアスパラギン酸脱炭酸
酵素遺伝子(aspD)の開始コドン部位にNco I サイトを導
入し、変異プラスミドpAspS(NcoI)を得た。pAspS(NcoI)
20μgを制限酵素Nco I及びSal I(共に宝酒造社製)
50ユニットを各々10mMトリス緩衝液[150mM NaCl, 10m
M MgCl2, 1mMジチオスレイトール, 牛血清アルブミン
(BSA) 100μg/ml含有 (pH 7.9)]に混合し、37℃で
30分〜16時間反応させた。反応終了液を常法により
0.7%(W/V)アガロースゲル(宝酒造社製)電気泳動処理
したものより、約3.9kbの大きさのDNA断片2μg
をQuiagen (キアゲン)社製Quiaquick Gel Extraction K
it(キアクイックゲル抽出キット)にて精製した。この約
3.9kbの断片は、アスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子(asp
D)→アスパラギン酸輸送体遺伝子(aspT)の遺伝子構成を
有し、aspDのN-末にNcoIサイト及びaspT C-末側下流にS
al Iサイトを有する。
pAspS 10ng及びストラタジーン社のQuickChange Site-D
irected Mutagenesis Kitを用いて、添付Instruction M
anualに従ってpAspSの推定されるアスパラギン酸脱炭酸
酵素遺伝子(aspD)の開始コドン部位にNco I サイトを導
入し、変異プラスミドpAspS(NcoI)を得た。pAspS(NcoI)
20μgを制限酵素Nco I及びSal I(共に宝酒造社製)
50ユニットを各々10mMトリス緩衝液[150mM NaCl, 10m
M MgCl2, 1mMジチオスレイトール, 牛血清アルブミン
(BSA) 100μg/ml含有 (pH 7.9)]に混合し、37℃で
30分〜16時間反応させた。反応終了液を常法により
0.7%(W/V)アガロースゲル(宝酒造社製)電気泳動処理
したものより、約3.9kbの大きさのDNA断片2μg
をQuiagen (キアゲン)社製Quiaquick Gel Extraction K
it(キアクイックゲル抽出キット)にて精製した。この約
3.9kbの断片は、アスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子(asp
D)→アスパラギン酸輸送体遺伝子(aspT)の遺伝子構成を
有し、aspDのN-末にNcoIサイト及びaspT C-末側下流にS
al Iサイトを有する。
【0049】一方、pTrcA99(アマシャム・ファルマシ
アバイオテク社製)4μgを制限酵素Nco I及びSal I
(共に宝酒造社製)50ユニットを各々10mMトリス緩衝
液[150mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール,
BSA 100μg/ml含有 (pH 7.9)]に混合し、37℃で30
分〜16時間反応させたものをフェノール抽出処理、フ
ェノール-クロロホルム抽出処理、あるいはエタノール
沈澱処理等の既知の方法により精製した。ここで得た切
断ベクターDNA及び先の純化されたaspD→aspTを含む
Nco I-Sal I断片(3.9 kb)をT4-DNAリガーゼにて反応
させ、組み換え体DNApTrAspD/Tを得た。このプラス
ミドは、trcプロモータ下流に推定されるアスパラギン
酸脱炭酸酵素遺伝子(aspD)、アスパラギン酸輸送体遺伝
子(aspT)が連なった形で連結され、IPTG等のインデュー
サーによりポリシストロニックに転写される構成であ
る。
アバイオテク社製)4μgを制限酵素Nco I及びSal I
(共に宝酒造社製)50ユニットを各々10mMトリス緩衝
液[150mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール,
BSA 100μg/ml含有 (pH 7.9)]に混合し、37℃で30
分〜16時間反応させたものをフェノール抽出処理、フ
ェノール-クロロホルム抽出処理、あるいはエタノール
沈澱処理等の既知の方法により精製した。ここで得た切
断ベクターDNA及び先の純化されたaspD→aspTを含む
Nco I-Sal I断片(3.9 kb)をT4-DNAリガーゼにて反応
させ、組み換え体DNApTrAspD/Tを得た。このプラス
ミドは、trcプロモータ下流に推定されるアスパラギン
酸脱炭酸酵素遺伝子(aspD)、アスパラギン酸輸送体遺伝
子(aspT)が連なった形で連結され、IPTG等のインデュー
サーによりポリシストロニックに転写される構成であ
る。
【0050】(7) 大腸菌XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)の
作製 このプラスミドpTrAspD/Tを常法に従って、大腸菌XL-1
Blue Kanr(ストラタジーン社製)に形質転換し、大腸
菌XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T) を得た。この大腸菌XL-1
Blue Kanr (pTrAspD/T)は、平成11年3月4日に通商
産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にブタペスト
条約下に国際寄託し、その寄託番号は、FERM BP-6671で
ある。
作製 このプラスミドpTrAspD/Tを常法に従って、大腸菌XL-1
Blue Kanr(ストラタジーン社製)に形質転換し、大腸
菌XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T) を得た。この大腸菌XL-1
Blue Kanr (pTrAspD/T)は、平成11年3月4日に通商
産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にブタペスト
条約下に国際寄託し、その寄託番号は、FERM BP-6671で
ある。
【0051】(8) 酵素活性等の発現 得られた上記大腸菌XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)を、1
mMイソプロピルーβーDーチオガラクトピラノシドを
含む50mlTY培地(1%バクトトリプトン、0.5%バク
トイーストエキストラクト、0.5%NaCl,pH7)にて4時
間振とう培養した後、遠心集菌後、50mMリン酸バッ
ファー(pH7.5)にて洗浄し、5mlの同一バッファーに
懸濁した。その後37℃で25分間保温し、菌体内のAT
Pを枯渇状態にした後、KCNを終濃度1mMになるように添
加して呼吸阻害を行ない、さらに5分間保温した。次い
で、アスパラギン酸を終濃度10mMになるように添加
し、37℃にて0〜45分間反応させた。経時的に反応
液100μlを採取し、アスパラギン酸:アラニン変換
及び菌体内ATP生成を阿部等の方法(J.Biol.Chem.271:30
79-3084,1996)に従って測定し、図1及び図2に示す結
果を得た。対照実験区として、pTrcA99プラスミドのみ
を有する大腸菌XL-1 Blue(pTrcA99)を比較した。各試験
区は、細胞濃度を108細胞/ml濃度に合わせて反応を行な
った。図2にアスパラギン酸からアラニンへの変換を示
した。
mMイソプロピルーβーDーチオガラクトピラノシドを
含む50mlTY培地(1%バクトトリプトン、0.5%バク
トイーストエキストラクト、0.5%NaCl,pH7)にて4時
間振とう培養した後、遠心集菌後、50mMリン酸バッ
ファー(pH7.5)にて洗浄し、5mlの同一バッファーに
懸濁した。その後37℃で25分間保温し、菌体内のAT
Pを枯渇状態にした後、KCNを終濃度1mMになるように添
加して呼吸阻害を行ない、さらに5分間保温した。次い
で、アスパラギン酸を終濃度10mMになるように添加
し、37℃にて0〜45分間反応させた。経時的に反応
液100μlを採取し、アスパラギン酸:アラニン変換
及び菌体内ATP生成を阿部等の方法(J.Biol.Chem.271:30
79-3084,1996)に従って測定し、図1及び図2に示す結
果を得た。対照実験区として、pTrcA99プラスミドのみ
を有する大腸菌XL-1 Blue(pTrcA99)を比較した。各試験
区は、細胞濃度を108細胞/ml濃度に合わせて反応を行な
った。図2にアスパラギン酸からアラニンへの変換を示
した。
【0052】図1に示したようにXL-1 Blue Kanr(pTrAs
pD/T)は、Asp(Asp+)とAsp(Asp-)の比較において、呼吸
阻害下で、アスパラギン酸脱炭酸に伴って、菌体内にAT
Pを生成した(アスパラギン酸の添加と無添加区との差
で示される。)。対照区のpTrcA99のベクターのみでは
アスパラギン酸添加、無添加に差がなく、アスパラギン
酸を利用してATPを生産することができない(Vec(Asp+)
とVec(Asp-)の比較)。図2においても、大腸菌XL-1 Bl
ue Kanr(pTrAspD/T)は、アスパラギン酸をアラニンに変
換し(Asp(Test)とAla(Test)の比較)、対照の大腸菌XL
-1 Blue Kanr(pTrcA99)は、変換しない(Asp(Vec)とAla
(Vec)の比較)ことが判明した。
pD/T)は、Asp(Asp+)とAsp(Asp-)の比較において、呼吸
阻害下で、アスパラギン酸脱炭酸に伴って、菌体内にAT
Pを生成した(アスパラギン酸の添加と無添加区との差
で示される。)。対照区のpTrcA99のベクターのみでは
アスパラギン酸添加、無添加に差がなく、アスパラギン
酸を利用してATPを生産することができない(Vec(Asp+)
とVec(Asp-)の比較)。図2においても、大腸菌XL-1 Bl
ue Kanr(pTrAspD/T)は、アスパラギン酸をアラニンに変
換し(Asp(Test)とAla(Test)の比較)、対照の大腸菌XL
-1 Blue Kanr(pTrcA99)は、変換しない(Asp(Vec)とAla
(Vec)の比較)ことが判明した。
【0053】
【発明の効果】本発明によって、脱炭酸共役エネルギー
生成系、特にアスパラギン酸:アラニン変換代謝系、の
蛋白質及びそれをコードする遺伝子が初めて提供され
る。これらの遺伝子を用いれば、目的とする細胞(例え
ば大腸菌)に組み込んでアスパラギン酸:アラニン変換
をさせることが可能となり、その結果、細胞にエネルギ
ー(ATP)を供給することが可能である。この反応によ
り供給されるATPは、細胞増殖あるいは、一次、二次代
謝産物の増産に利用することが可能となり、本発明によ
って多大の利益が付与されるであろう。
生成系、特にアスパラギン酸:アラニン変換代謝系、の
蛋白質及びそれをコードする遺伝子が初めて提供され
る。これらの遺伝子を用いれば、目的とする細胞(例え
ば大腸菌)に組み込んでアスパラギン酸:アラニン変換
をさせることが可能となり、その結果、細胞にエネルギ
ー(ATP)を供給することが可能である。この反応によ
り供給されるATPは、細胞増殖あるいは、一次、二次代
謝産物の増産に利用することが可能となり、本発明によ
って多大の利益が付与されるであろう。
【0054】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KIKKOMAN CORPORATION <120> Proteins involved in the energy-generating system linked to decarb oxylation, genes encoding the same, and use thereof <130> P99-0016 <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 532 <212> PRT <213> Tetragenococcus(Pediococcus) halophila(halophilus) <400> 1 Met Glu Ser Leu Asp Ile Glu Gln Leu Lys Gly Met Ser Asn Phe Glu 1 5 10 15 Val Ala Ala Leu Phe Leu Glu Asn Ser Glu Lys Asn Thr Met His Asn 20 25 30 Thr Pro Ile Asn Val Gly Arg Gly Asn Pro Asn Trp Ile Asn Thr Arg 35 40 45 Ala Arg Leu Ala Phe Asn Lys Ile Ala Glu Phe Gly Ile Gly Glu Ser 50 55 60 Ala Lys Thr Ile Asp Glu Ala Asp Gly Asp Met Ala Gly Tyr Val Glu 65 70 75 80 Lys Glu Gly Ile Ala Gln Arg Leu His Asp Tyr Leu Asp Ala Asn Asp 85 90 95 Lys Thr Asp Lys Phe Ile Leu Asp Phe Leu Ala Tyr Thr Glu Asn Asn 100 105 110 Met His Leu Asn Gln Asp Asp Leu Val His Glu Phe Val Asp Gly Ala 115 120 125 Ile Gly Asn His Tyr Pro Val Pro Ser Arg Ser Leu Val Asn Val Glu 130 135 140 Lys Ile Leu Asn Lys Tyr Leu Glu Val Ser Leu Tyr Asn Gly Glu Lys 145 150 155 160 Leu Ala Asp His Thr Asn Val Phe Pro Thr Glu Gly Gly Thr Ala Ala 165 170 175 Met Val Tyr Leu Phe Asn Glu Leu Lys Ile Ser His Ile Leu Glu Ala 180 185 190 Gly Asp Thr Ile Ala Ile Asn Thr Pro Ile Phe Thr Pro Tyr Leu Gln 195 200 205 Ile Pro Glu Leu Ser Glu Phe Lys Leu Lys Glu Leu Asp Val Ser Ser 210 215 220 Val Glu Asp Asn Asn Trp Gln Met Leu Asp Ala Lys Phe Glu Glu Leu 225 230 235 240 Lys Asp Pro Ser Val Lys Ala Phe Phe Val Val Asn Pro Thr Asn Pro 245 250 255 Thr Ser Arg Ala Phe Ser Gln His Ala Leu Asp Lys Ile Lys Glu Val 260 265 270 Val Ala Ala Asn Pro Glu Ile Ile Ile Ile Thr Asp Asp Val Tyr Gly 275 280 285 Thr Phe Val Asn Asn Phe Gln Thr Ile Tyr Ser Val Ala Pro Lys Asn 290 295 300 Thr Leu Leu Val Tyr Ser Tyr Ser Lys Leu Tyr Gly Ala Thr Gly His 305 310 315 320 Arg Leu Gly Leu Ile Ala Ala His Glu Asp Asn Val Phe Asp Glu Ile 325 330 335 Ile Ala Lys Arg Thr Ala Glu Asn Ala Ala Ile Lys Glu Glu Phe Glu 340 345 350 Lys Arg Tyr Ser Leu Val Val Ala Asn Pro Leu Asp Met Lys Phe Ile 355 360 365 Asp Arg Thr Val Ala Asp Ser Arg Glu Ile Gly Leu Tyr His Thr Ala 370 375 380 Gly Leu Ser Thr Pro Gln Gln Val Leu Met Ala Leu Phe Ser Leu Thr 385 390 395 400 Asn Leu Ile His Glu Gly Glu Lys Asp Pro Tyr Ile Glu Ala Ser Lys 405 410 415 Lys Val Val Asp Val Arg Tyr Asn Thr Phe Trp Lys Ser Met Gly Ile 420 425 430 Glu Gly Asp His Ser Ala Glu Lys Ala Glu Tyr Tyr Thr Val Phe Asn 435 440 445 Ile Tyr Glu Leu Ala Glu Lys Lys Tyr Gly Lys Asp Phe Arg Asp Tyr 450 455 460 Phe Glu Asn Asn Phe Ser Tyr Leu Glu Phe Glu Gly Glu Leu Ala Gly 465 470 475 480 Lys Tyr Gly Val Val Ala Met Asp Gly Ala Gly Met Gly Thr Glu Glu 485 490 495 Gly Tyr Leu Arg Val Ser Leu Ala Asn Gln Pro Ala Glu Asn Tyr Thr 500 505 510 Ile Thr Gly Lys Arg Ile Ala Glu Leu Leu Ala Glu Tyr Tyr Asp Lys 515 520 525 Phe Gln Gln Lys 530 <210> 2 <211> 543 <212> PRT <213> Tetragenococcus(Pediococcus) halophila(halophilus) <400> 2 Met Asn Ala Ile Gly Asn Phe Leu Val Gly Thr Pro Val Phe Thr Ile 1 5 10 15 Phe Ile Cys Leu Ala Leu Gly Tyr Leu Leu Gly Lys Leu Lys Ile Gly 20 25 30 Ser Phe Thr Leu Gly Ala Thr Val Gly Val Leu Ile Val Ala Leu Leu 35 40 45 Ile Gly Gln Leu Gly Val Phe Pro Arg Asp Thr Leu Leu Gly Asp Ile 50 55 60 Phe Phe Asp Phe Phe Met Phe Ala Ile Gly Tyr Arg Val Gly Pro Ser 65 70 75 80 Phe Ile Ser Ser Met Lys Lys Phe Gly Ala Lys Ile Val Tyr Ala Thr 85 90 95 Leu Ile Phe Leu Val Ser Ala Phe Ile Val Ala Tyr Ala Cys Phe Lys 100 105 110 Met Phe His Ile Gly Pro Gly Ile Ala Ala Gly Ile Ile Ala Gly Gly 115 120 125 Leu Thr Gln Ser Ala Val Ile Gly Ser Ser Leu Glu Thr Ile Ser Lys 130 135 140 Leu Pro Ile Ser Asp His Leu Lys Thr Leu Tyr Ser Asn Gln Ile Pro 145 150 155 160 Ile Val Tyr Thr Leu Thr Tyr Val Phe Gly Thr Ile Gly Val Leu Ile 165 170 175 Phe Leu Arg Asp Ile Met Pro Lys Leu Met His Ile Asp Leu Lys Lys 180 185 190 Gln Ala Val Lys Thr Ala Lys Glu Leu Asp Met Ile Pro Val Pro Val 195 200 205 Ile Val Ala Ser Thr His Phe Tyr Thr Ile Asn Asp Gly Ser Ser Leu 210 215 220 Ile Gly Gln Thr Leu Gly Thr Val Asn Thr Lys Phe Ala Lys Gly Leu 225 230 235 240 Val Ala Ala Gly Leu Asn Asp Ser Ala Asp Met Ala Ser Val Ile Asn 245 250 255 Ala Gly Asp Val Leu Ala Ile Ser Gly Gly Ile Asp Glu Ile Gly Arg 260 265 270 Ala Val Gln Glu Phe Asn Leu Leu Glu Val Thr Gly Lys Thr Lys Ala 275 280 285 Tyr Val Ser Lys Gln Val Val Leu Lys Lys Asn Phe Ser Ala Asp Val 290 295 300 Leu Lys Asn Ala Gln Asp Lys Gly Val Leu Val Ala Thr Leu Ala Gly 305 310 315 320 Asp Val Met Asp Pro Ala Gln Phe Ser Thr Leu Lys Pro Ala Glu Ser 325 330 335 Val Thr Leu Val Gly Gln Lys Asp Ala Val Ser Glu Val Gln Ser Gln 340 345 350 Leu Gly Arg Leu Arg Ala Ala Glu Asn Ile Ile Asn Tyr Ser Trp Phe 355 360 365 Ala Leu Gly Ile Ala Leu Ser Ala Ala Leu Gly Ile Val Gly Thr Lys 370 375 380 Val Ser Gly Val Pro Ile Ala Leu Gly Gly Gly Thr Ala Ser Leu Ile 385 390 395 400 Val Gly Leu Val Gln Ser Ile Tyr Arg Asp Lys His Ala His Met Asp 405 410 415 Thr Ile Pro Asp Ser Leu Leu Glu Phe Phe Gln Ser Ile Gly Leu Asn 420 425 430 Leu Phe Ile Ala Thr Val Gly Leu Ser Ala Ala Lys Thr Phe Ile Ser 435 440 445 Ala Ile Gln Ser Met Gly Ile Ser Val Leu Leu Ile Gly Ala Val Ile 450 455 460 Ser Ile Leu Pro His Ile Ile Thr Phe Val Ile Cys Tyr Tyr Leu Met 465 470 475 480 Lys Met Glu Pro Ile Ser Ile Ile Gly Ala Gln Thr Gly Ala Asp Thr 485 490 495 Leu Ser Ala Ala Leu Asn Asp Val Ser Glu Arg Val Gly Ser Asp Ala 500 505 510 Ser Pro Phe Phe Ala Ala Ala Val Ala Pro Ala Tyr Ala Ile Gly Asn 515 520 525 Ile Phe Leu Thr Leu Met Gly Pro Ile Phe Ile Val Leu Leu Ser 530 535 540 <210> 3 <211> 1599 <212> DNA <213> Tetragenococcus(Pediococcus) halophila(halophilus) <400> 3 atggaatcat tagatattga acaattaaaa ggtatgtcga actttgaagt tgctgccctt 60 ttcttggaaa attcagaaaa aaacacaatg cacaatacac caattaacgt tggtcgtggg 120 aaccctaact ggattaacac acgtgcgcgt ttagcattta acaaaattgc tgaattcggt 180 attggcgaat cagcaaaaac aattgacgaa gctgatggcg atatggctgg ctatgttgaa 240 aaagaaggca tcgcacaacg tcttcatgat tatttagatg caaacgacaa aactgataaa 300 tttatcttag atttcttagc atatacagaa aataatatgc acttaaacca agatgattta 360 gttcatgaat ttgttgatgg cgctattggt aaccattatc cagttccatc aagaagtctt 420 gttaatgttg aaaaaatctt gaacaagtat cttgaagtat cactttataa tggcgaaaaa 480 ttagccgatc ataccaatgt tttccctact gaagggggga cagcagctat ggtttactta 540 ttcaacgaat tgaaaatcag tcacatctta gaagctggtg acacgattgc aatcaataca 600 ccaatcttca caccatattt acaaattcct gaattaagtg aattcaaatt aaaagaactt 660 gatgttagct cagttgaaga taataactgg caaatgctag atgctaaatt tgaagaattg 720 aaagatcctt cagttaaagc attcttcgtt gttaacccaa ctaacccaac atcacgtgcc 780 tttagccaac atgctttaga caaaatcaag gaagttgttg cagctaaccc agaaattatc 840 attattactg atgatgttta tggcacattt gttaataatt tccaaacaat ttactcagta 900 gcaccaaaga atactttatt agtttactca tattcaaaac tttatggtgc aacaggccac 960 cgtctaggcc taattgcagc tcacgaagat aacgtctttg acgaaatcat cgctaaacgg 1020 actgctgaaa acgccgcaat caaagaagaa tttgaaaaac gttattcatt agtagtagct 1080 aacccattag acatgaagtt catcgacaga actgttgctg atagtcgtga aatcggcttg 1140 tatcatactg caggtctttc aacaccacaa caagtcttaa tggcattgtt cagtttaacg 1200 aacttaatcc atgaaggcga aaaagatcca tacatcgaag cttctaagaa agttgttgac 1260 gttcgctaca acacattctg gaaatcaatg ggtatagaag gcgatcattc agctgaaaaa 1320 gcagaatatt atacagtatt taatatttat gaacttgctg aaaagaaata tggcaaagac 1380 ttccgtgatt acttcgaaaa taactttagc taccttgaat ttgaaggcga attggccggc 1440 aaatatggtg ttgtcgctat ggacggcgct ggtatgggta ctgaagaagg ctacttacga 1500 gtatcattgg ctaaccaacc agctgaaaac tatacaatta caggtaaacg gattgctgaa 1560 ttattagctg aatactatga taaattccaa caaaaataa 1599 <210> 4 <211> 1632 <212> DNA <213> Tetragenococcus(Pediococcus) halophila(halophilus) <400> 4 atgaatgcaa ttggtaattt ccttgtggga actcctgtct ttactatttt catttgtttg 60 gcattaggtt atttgttagg taagttgaaa attggttcat ttacacttgg cgcaaccgtc 120 ggtgttttga ttgttgcttt attaattggc caattaggtg tcttcccccg tgatacactt 180 ttaggtgata tctttttcga cttctttatg tttgcaattg gttaccgtgt tgggcctagc 240 ttcatctcaa gtatgaagaa atttggggcc aagattgttt atgcgacatt aattttctta 300 gtatcagcgt ttatcgttgc atacgcatgt ttcaaaatgt tccacatcgg acccggaatt 360 gcagctggga ttattgctgg tggattaaca caatctgctg ttattggtag ttctttagaa 420 acaatttcta aattgccaat ttcagatcat ttgaagactt tatactcaaa ccaaattcca 480 atcgtatata ctttaacata tgtttttggg actatcgggg ttttaatctt cttacgtgat 540 attatgccaa aattaatgca catcgattta aagaaacaag ctgttaaaac agccaaggaa 600 ttggatatga ttcctgtgcc tgttatcgtt gctagcacgc atttctacac aattaacgat 660 ggttcatcat taattggtca aaccttaggt actgttaaca ctaaatttgc taaaggttta 720 gtagcagctg gcttgaatga ttctgctgat atggcatcag ttattaatgc cggcgatgtt 780 cttgcaatta gtggtgggat tgatgaaatc ggtcgtgctg tgcaagaatt taacttgctt 840 gaagtaactg gtaagacaaa agcttatgtt tcaaaacaag ttgtcttgaa gaagaacttt 900 tctgctgacg ttctaaaaaa cgctcaagac aaaggggttt tagtggcgac attggccggt 960 gacgtaatgg atccagcaca gttcagtact ttaaaacctg ctgaaagtgt aacattagtt 1020 ggtcaaaaag acgccgttag tgaagtccaa agccaattag gtcgtctccg tgctgctgag 1080 aatattatta actattcatg gtttgcactt gggattgctt tgagtgctgc ccttgggata 1140 gttggaacta aagttagtgg tgtgccaatc gccttaggtg gtgggactgc tagtttaatc 1200 gtcggtttag tacaaagtat ttaccgtgat aaacatgctc atatggacac gattcctgat 1260 agtttattgg aattcttcca aagtattggt ttgaacttat ttatcgctac ggttggttta 1320 tcagctgcta agacatttat tagcgctatc caatcaatgg gaatctctgt attattaatt 1380 ggtgcagtaa tttctatctt gccacatatc attactttcg taatttgtta ctatttaatg 1440 aaaatggaac ccatctcaat tattggggca caaactggtg ctgatacatt gtcagctgct 1500 ttgaatgatg tctcagaacg tgttggttct gatgctagcc cattctttgc cgctgcagtt 1560 gcacctgcat atgctattgg taatattttc ttaaccttaa tgggaccaat ctttatcgtg 1620 ttacttagct aa 1632 <210> 5 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a mutation primer for introducing an Nco I site at t he initiation codon site of an aspartate decarboxylase gene on plasmid p AspS. <400> 5 aaaggtggga gaaccatgga atcattag 28 <210> 6 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a mutation primer for introducing an Nco I site at t he initiation codon site of an aspartate decarboxylase gene on plasmid p AspS. <400> 6 ctaatgattc catggttctc ccaccttt
28
28
【0055】
【配列表フリーテキスト】配列番号5:プラスミドpA
spS上のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子の開始コド
ン部位にNco Iサイトを導入するための変異用プライマ
ーを示す。 配列番号6:プラスミドpAspS上のアスパラギン酸脱炭
酸酵素遺伝子の開始コドン部位にNco Iサイトを導入す
るための変異用プライマーを示す。
spS上のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子の開始コド
ン部位にNco Iサイトを導入するための変異用プライマ
ーを示す。 配列番号6:プラスミドpAspS上のアスパラギン酸脱炭
酸酵素遺伝子の開始コドン部位にNco Iサイトを導入す
るための変異用プライマーを示す。
【図1】細胞内のATPの経時的変化を示す図である。Asp
(Asp+)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)細胞に基質アス
パラギン酸を添加した場合を、Asp(Asp-)は、XL-1 Blue
Kanr(pTrAspD/T)細胞に基質アスパラギン酸を添加しな
い場合を、Vec(Asp+)は、XL-1 Blue Kanr(pTrcA99)細胞
に基質アスパラギン酸を添加した場合を、Vec(Asp-)
は、XL-1 Blue Kanr(pTrcA99)細胞に基質アスパラギン
酸を添加しない場合をそれぞれ示す。
(Asp+)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)細胞に基質アス
パラギン酸を添加した場合を、Asp(Asp-)は、XL-1 Blue
Kanr(pTrAspD/T)細胞に基質アスパラギン酸を添加しな
い場合を、Vec(Asp+)は、XL-1 Blue Kanr(pTrcA99)細胞
に基質アスパラギン酸を添加した場合を、Vec(Asp-)
は、XL-1 Blue Kanr(pTrcA99)細胞に基質アスパラギン
酸を添加しない場合をそれぞれ示す。
【図2】アスパラギン酸からアラニンへの変換を示す図
である。Asp(Test)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)細胞
に基質アスパラギン酸を添加した場合のアスパラギン酸
減少量を、AlaT(Test)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)
細胞に基質アスパラギン酸を添加した場合のアラニン生
成量を、Asp(Vec)は、XL-1 Blue Kanr(pTrc99A)細胞に
基質アスパラギン酸を添加した場合のアスパラギン酸減
少量を、Ala(Vec)は、XL-1 Blue Kanr(pTrc99A)細胞に
基質アスパラギン酸を添加した場合のアラニン生成量を
それぞれ示す。
である。Asp(Test)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)細胞
に基質アスパラギン酸を添加した場合のアスパラギン酸
減少量を、AlaT(Test)は、XL-1 Blue Kanr(pTrAspD/T)
細胞に基質アスパラギン酸を添加した場合のアラニン生
成量を、Asp(Vec)は、XL-1 Blue Kanr(pTrc99A)細胞に
基質アスパラギン酸を添加した場合のアスパラギン酸減
少量を、Ala(Vec)は、XL-1 Blue Kanr(pTrc99A)細胞に
基質アスパラギン酸を添加した場合のアラニン生成量を
それぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 9/88 9/88 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA03 AA05 BA07 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 4B050 CC03 DD02 LL02 LL05 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA01 DA20 4B065 AA01Y AA26X AB01 BA02 CA27 4H045 AA10 BA10 CA11 DA89 EA01 EA50 FA74
Claims (16)
- 【請求項1】 以下の(a)または(b)のアスパラギン酸脱
炭酸酵素。 (a) 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質 - 【請求項2】 以下の(a)または(b)の蛋白質をコードす
るアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a) 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱炭酸酵素
活性を有する蛋白質 - 【請求項3】 以下の(a)または(b)のDNAからなるア
スパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子。 (a) 配列番号3に示される塩基配列からなるDNA (b) 配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸脱炭酸酵素活性を有する蛋白質をコ
ードするDNA - 【請求項4】 請求項2または3記載のアスパラギン酸
脱炭酸酵素遺伝子をベクターDNAに挿入してなること
を特徴とする組み換え体DNA。 - 【請求項5】 請求項4記載の組み換え体DNAを含む
形質転換体。 - 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培地に培養
し、培養物からアスパラギン酸脱炭酸酵素を採取するこ
とを特徴とするアスパラギン酸脱炭酸酵素の製造法。 - 【請求項7】 以下の(a)または(b)のアスパラギン酸輸
送体。 (a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質 - 【請求項8】 以下の(a)または(b)の蛋白質をコードす
るアスパラギン酸輸送体遺伝子。 (a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸輸送体活性
を有する蛋白質 - 【請求項9】 以下の(a)または(b)のDNAからなるア
スパラギン酸輸送体遺伝子。 (a) 配列番号4に示される塩基配列からなるDNA (b) 配列番号4に示される塩基配列からなるDNAの相
補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、
かつアスパラギン酸輸送体活性を有する蛋白質をコード
するDNA - 【請求項10】 請求項8または9記載のアスパラギン
酸輸送体遺伝子をベクターDNAに挿入してなることを
特徴とする組み換え体DNA。 - 【請求項11】 請求項10記載の組み換え体DNAを
含む形質転換体。 - 【請求項12】 請求項11記載の形質転換体を培地に
培養し、培養物からアスパラギン酸輸送体を採取するこ
とを特徴とするアスパラギン酸輸送体の製造法。 - 【請求項13】 請求項2または3記載のアスパラギン
酸脱炭酸酵素遺伝子と請求項8または9記載のアスパラ
ギン酸輸送体遺伝子とがプロモーターの存在下に共発現
可能に含むベクター。 - 【請求項14】 請求項13記載のベクターによって形
質転換された真核または原核細胞。 - 【請求項15】 アミノ酸または有機酸の脱炭酸反応に
共役したエネルギー生成系に関わる複数の蛋白質をコー
ドする遺伝子が共発現可能に導入された真核または原核
細胞を作製し、該細胞に該アミノ酸または有機酸を添加
してエネルギー生成を誘発することを含む、細胞におい
てエネルギーを生成する方法。 - 【請求項16】 前記遺伝子が、請求項2または3記載
のアスパラギン酸脱炭酸酵素遺伝子及び請求項8または
9記載のアスパラギン酸輸送体遺伝子であることを特徴
とする請求項15記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059368A JP2000245481A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059368A JP2000245481A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000245481A true JP2000245481A (ja) | 2000-09-12 |
Family
ID=13111269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11059368A Pending JP2000245481A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000245481A (ja) |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP11059368A patent/JP2000245481A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2770464C1 (ru) | Новая аденилосукцинат-синтетаза и способ получения нуклеотидов пурина с ее использованием | |
EP3294762B1 (en) | Expression constructs and methods of genetically engineering methylotrophic yeast | |
CN101970679B (zh) | 氨基转移酶和氧化还原酶核酸和多肽和使用方法 | |
JP6648345B1 (ja) | 新規ポリペプチド及びこれを用いたimpの生産方法 | |
KR101956510B1 (ko) | 신규 5'-이노신산 디하이드로게나아제 및 이를 이용한 5'-이노신산 제조방법 | |
JP6940690B2 (ja) | Camp受容タンパク質変異体及びそれを用いたl−アミノ酸の製造方法 | |
JP2000505291A (ja) | トランスアミナーゼ及びアミノトランスフェラーゼ | |
KR101991206B1 (ko) | cAMP 수용 단백질 변이체 및 이를 이용한 L-아미노산 제조방법 | |
KR102185850B1 (ko) | 퓨린 뉴클레오티드를 생산하는 미생물 및 이를 이용한 퓨린 뉴클레오티드의 생산방법 | |
JP6997327B2 (ja) | Camp受容タンパク質変異体及びそれを用いたl-アミノ酸の製造方法 | |
KR102277407B1 (ko) | 신규한 글루타메이트 합성 효소 서브 유니트 알파 변이체 및 이를 이용한 l-글루탐산 생산 방법 | |
EP2840138B1 (en) | Process for production of cis-4-hydroxy-L-proline | |
US7858348B2 (en) | N-acetyl-(R,S)-beta-amino acid acylase gene | |
JP2007054013A (ja) | 耐熱性l−スレオニンアルドラ−ゼおよびそれをコードする遺伝子 | |
JP4079640B2 (ja) | 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法 | |
WO2000058478A1 (en) | MICROBIOLOGICAL PRODUCTION METHOD FOR α-L-ASPARTYL-L-PHENYLALANINE | |
JP2000245481A (ja) | 脱炭酸共役エネルギー生成系に関わる蛋白質、それをコードする遺伝子、及びそれらの使用 | |
JP4516712B2 (ja) | L−ピペコリン酸の生物学的な製造方法 | |
JP2003514582A (ja) | テトラヒドロピリミジンジオキシゲナーゼ遺伝子、該遺伝子によってコードされるポリペプチド、およびその生成法 | |
JP2003310274A (ja) | グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 | |
EP1165799A1 (en) | Microbiological production method for alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine | |
US9499825B2 (en) | Dual inducible system for the condensed single protein production system | |
EP4180523B1 (en) | Novel glutamine hydrolysis gmp synthase variant and method for producing purine nucleotides using same | |
JP5697327B2 (ja) | シス−ヒドロキシ−l−プロリンの製造方法 | |
CN111032874B (zh) | 表达活性d-脯氨酸还原酶的微生物以及生产活性d-脯氨酸还原酶的方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060509 |