JP2000244590A - デジタル無線通信装置とそのベースバンド帯域制限フィルタの制御方法 - Google Patents

デジタル無線通信装置とそのベースバンド帯域制限フィルタの制御方法

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JP2000244590A
JP2000244590A JP11042474A JP4247499A JP2000244590A JP 2000244590 A JP2000244590 A JP 2000244590A JP 11042474 A JP11042474 A JP 11042474A JP 4247499 A JP4247499 A JP 4247499A JP 2000244590 A JP2000244590 A JP 2000244590A
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transmission power
band
bandwidth
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Kotaro Yoshida
宏太郎 吉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】送信電力の変化によって変化せず、総合的に安
定した送信特性を有する優れたデジタル無線通信装置及
びそのベースバンド帯域制限フィルタの制御方法を提供
すること。 【解決手段】ベースバンド信号生成回路1において生成
された直交デジタルベースバンド信号は帯域幅および減
衰特性が可変のベースバンド帯域制限部2により帯域制
限され、D/A変換部3においてアナログ信号に変換さ
れ、直交変調回路4において直交変調され、周波数変換
回路5において搬送波帯の信号に周波数変換され、利得
制御が可能な高周波増幅回路6において増幅されアンテ
ナ7から送信される。その際、検波回路8は自己チャネ
ル出力電力或いは隣接チャネル漏洩電力を検知し、その
結果に応じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅お
よび減衰特性を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル無線通信
装置とそのベースバンド帯域制限フィルタの制御方法に
関し、特にベースバンド帯域制限フィルタを備え送信電
力を制御するデジタル無線通信装置及びそのベースバン
ド帯域制限フィルタの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ベースバンド帯域制限フィルタを
備え送信電力を制御するデジタル無線通信装置として
は、図3に示すようなものがあった。図3はベースバン
ド帯域制限フィルタを備え送信電力を制御する従来のデ
ジタル無線通信装置の概略ブロック図である。図3にお
いて、1はベースバンド信号生成回路、2は直交ベース
バンド信号I/Qそれぞれの帯域制限フィルタによって
構成されるベースバンド帯域制限部、3はD/A変換
部、4は直交変調回路、5は周波数変換回路、6は高周
波増幅回路、7はアンテナである。なお、高周波増幅回
路6は、送信電力を制御するために利得を可変にする回
路構成とする。
【0003】次に、図3を参照して、上記従来のデジタ
ル無線通信装置の動作、すなわち前記デジタル無線通信
装置におけるベースバンド帯域制限回路の設計例および
制御例について説明する。ベースバンド信号生成回路1
において生成された直交デジタルベースバンド信号は、
ベースバンド帯域制限部2によってある一定の帯域制限
が行われ、D/A変換回路3へ出力される。D/A変換
回路3では、入力された直交デジタルベースバンド信号
をアナログ信号に変換して直交変調回路4へ送出する。
直交変調回路4では、入力された直交アナログベースバ
ンド信号を直交変調する。直交変調回路4において直交
変調された変調信号は周波数変換回路5において搬送波
帯の信号に周波数変換され、利得制御が可能な高周波増
幅回路6において増幅されアンテナ7から送信される。
【0004】このように、近年、この種のデジタル無線
通信装置では、その送信電力および隣接チャネル漏洩電
力に無関係に、ベースバンド信号に対し後述するような
一定の帯域制限を行うように構成されている。一般に、
デジタル無線通信装置におけるベースバンド帯域制限フ
ィルタの設計では、必要以上に挟帯域にすると、符号間
干渉を劣化させてしまい、それとは逆に必要以上に広帯
域にすると、空中線系における他の周波数チャンネルへ
の妨害波を送信してしまうという問題が有るため、これ
ら二者の妥協点からベースバンド帯域制限フィルタにお
ける帯域幅および減衰特性を決定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、一般に高周波増幅回路などの非線形性に
よる符号間干渉特性および隣接チャネル漏洩電力の制御
は送信電力の大きさに依存しているため、ベースバンド
帯域制限フィルタに要求される帯域幅および減衰特性は
送信電力によって異なってしまうという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、自己の送信電力或いは隣接チャネル
漏洩電力に応じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域
幅および減衰特性を適宜自動制御し、送信電力の変化に
よって変化せず、総合的に安定した送信特性を有する優
れたデジタル無線通信装置及びそのベースバンド帯域制
限フィルタの制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、送信電力が可変のデジタル無線通信装置に
おいて、自己の送信電力或いは自己の送信信号に含まれ
る隣接チャネル漏洩電力を検知する手段と、帯域幅およ
び減衰特性が可変であるベースバンド帯域制限フィルタ
とを設け、自己の送信電力或いは隣接チャネル漏洩電力
に応じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および
減衰特性を自動制御するようにしたものである。
【0008】本発明は、検出した自己チャネルの出力電
力或いは隣接チャネルの漏洩電力に反映して、ベースバ
ンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を自動的
に設定するようにしたことにより、変化する各送信電力
に対するベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および
減衰特性を最適化することができ、総合的に安定した送
信性能を得ることができるデジタル無線通信装置とその
ベースバンド帯域制限フィルタの制御方法が得られる。
【0009】本発明は、上記目的を達成するため、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において、自己の送
信電力或いは自己の送信信号に含まれる隣接チャネル漏
洩電力を検知する手段と、動作/非動作の制御が可能な
少なくとも2以上の帯域幅および減衰特性を異にする第
1〜第nベースバンド帯域制限フィルタとを設け、自己
の送信電力或いは隣接チャネル漏洩電力に応じ前記2以
上のベースバンド帯域制限フィルタのいずれかを自動選
択して帯域幅および減衰特性を制御するようにしたもの
である。
【0010】本発明は、検出した自己チャネルの出力電
力或いは隣接チャネルの漏洩電力に反映して、それぞれ
帯域幅および減衰特性を異にする2以上の第1〜第nベ
ースバンド帯域制限フィルタを自動的に切替えるように
したことにより、変化する各送信電力に対するベースバ
ンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を最適化
することができ、総合的に安定した送信性能を得ること
ができるデジタル無線通信装置とそのベースバンド帯域
制限フィルタの制御方法が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、送信電力が可変のデジタル無線通信装置において、
帯域幅および減衰特性が可変のベースバンド帯域制限フ
ィルタと、自己の送信電力を検知する検波手段とを備
え、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および
減衰特性を前記検知した送信電力に応じて自動制御する
というものであり、送信電力が小さい時には帯域制限フ
ィルタの帯域幅を比較的広帯域にすることにより符号間
干渉特性を優先し、送信電力が大きい時には前記帯域制
限フィルタの帯域幅を比較的挟帯域にすることにより他
の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力に
おいて総合的に安定した送信性能を得ることができると
いう作用を有する。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、前記帯
域幅および減衰特性が可変であるベースバンド帯域制限
フィルタを、デジタルベースバンド信号をアナログ信号
に変換する前または後、或いは前及び後に備え、前記ベ
ースバンド帯域制限フィルタのうち少なくとも1つの帯
域幅および減衰特性を前記検知した送信電力に応じて自
動制御するというものであり、それによってより詳細で
柔軟にベースバンド帯域制限フィルタの特性を最適化す
ることができるという作用を有する。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、前記検
知した送信電力が大きくなるに従い、前記ベースバンド
帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯域にするというもので
あり、送信電力が小さい時には帯域制限フィルタの帯域
幅を比較的広帯域にすることにより符号間干渉特性を優
先し、送信電力が大きい時には前記帯域制限フィルタの
帯域幅を比較的挟帯域にすることにより他の周波数チャ
ネルへの妨害特性を優先し、各送信電力において総合的
に安定した送信性能を得ることができるという作用を有
する。
【0014】本発明の請求項4に記載の発明は、送信電
力が可変のデジタル無線通信装置において、帯域幅およ
び減衰特性が可変のベースバンド帯域制限フィルタと、
自己の送信信号に含まれる隣接チャネル漏洩電力を検知
する検波手段とを備え、前記ベースバンド帯域制限フィ
ルタの帯域幅および減衰特性を前記検知した隣接チャネ
ル漏洩電力に応じて自動制御するというものであり、隣
接チャネル漏洩電力が小さい時には帯域制限フィルタの
帯域幅を比較的広帯域にすることにより符号間干渉特性
を優先し、隣接チャネル漏洩電力が大きい時には帯域制
限フィルタの帯域幅を比較的挟帯域にすることにより他
の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力に
おいて総合的に安定した送信性能を得ることができると
いう作用を有する。
【0015】本発明の請求項5に記載の発明は、前記帯
域幅および減衰特性が可変であるベースバンド帯域制限
フィルタを、デジタルベースバンド信号をアナログ信号
に変換する前または後、或いは前及び後に備え、前記ベ
ースバンド帯域制限フィルタのうち少なくとも1つの帯
域幅および減衰特性を前記検知した隣接チャネル漏洩電
力に応じて自動制御するというものであり、それによっ
てより詳細で柔軟にベースバンド帯域制限フィルタの特
性を最適化することができるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項6に記載の発明は、前記検
知した隣接チャネル漏洩電力が大きくなるに従い、前記
ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯域にする
というものであり、隣接チャネル漏洩電力が小さい時に
は帯域制限フィルタの帯域幅を比較的広帯域にすること
により符号間干渉特性を優先し、隣接チャネル漏洩電力
が大きい時には帯域制限フィルタの帯域幅を比較的挟帯
域にすることにより他の周波数チャネルへの妨害特性を
優先し、各送信電力において総合的に安定した送信性能
を得ることができるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項7に記載の発明は、送信電
力が可変のデジタル無線通信装置において、帯域幅およ
び減衰特性を異にする動作/非動作の制御が可能な少な
くとも2以上のベースバンド帯域制限フィルタと、自己
の送信電力を検知する検波手段とを備え、前記2以上の
ベースバンド帯域制限フィルタのいずれかを前記検知し
た送信電力に応じて自動選択するというものであり、送
信電力が小さい時には比較的広帯域なベースバンド帯域
制限フィルタを選択することにより符号間干渉特性を優
先し、送信電力が大きい時には比較的挟帯域なベースバ
ンド帯域制限フィルタを選択することにより他の周波数
チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力において総
合的に安定した送信性能を得ることができるという作用
を有する。
【0018】本発明の請求項8に記載の発明は、前記帯
域幅および減衰特性を異にする少なくとも2以上のベー
スバンド帯域制限フィルタを、デジタルベースバンド信
号をアナログ信号に変換する前または後、或いは前及び
後に備え、前記2以上のベースバンド帯域制限フィルタ
のうちいずれかを前記検知した送信電力に応じて自動選
択するというものであり、それによってより詳細で柔軟
にベースバンド帯域制限フィルタの特性を最適化するこ
とができるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項9に記載の発明は、前記検
知した送信電力が大きくなるに従い、前記2以上のベー
スバンド帯域制限フィルタのうち帯域幅が比較的挟帯域
なベースバンド帯域制限フィルタを選択するというもの
であり、送信電力が小さい時には比較的広帯域なベース
バンド帯域制限フィルタを選択することにより符号間干
渉特性を優先し、送信電力が大きい時には比較的挟帯域
なベースバンド帯域制限フィルタを選択することにより
他の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力
において総合的に安定した送信性能を得ることができる
という作用を有する。
【0020】本発明の請求項10に記載の発明は、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において、帯域幅お
よび減衰特性を異にする動作/非動作の制御が可能な少
なくとも2以上のベースバンド帯域制限フィルタと、自
己の送信信号に含まれる隣接チャネル漏洩電力を検知す
る検波手段とを備え、前記2以上のベースバンド帯域制
限フィルタのいずれかを前記検知した隣接チャネル漏洩
電力に応じて自動選択するというものであり、隣接チャ
ネル漏洩電力が小さい時には比較的広帯域なベースバン
ド帯域制限フィルタを選択することにより符号間干渉特
性を優先し、隣接チャネル漏洩電力が大きい時には比較
的挟帯域なベースバンド帯域制限フィルタを選択するこ
とにより他の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各
送信電力において総合的に安定した送信性能を得ること
ができるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項11に記載の発明は、前記
帯域幅および減衰特性を異にする少なくとも2以上のベ
ースバンド帯域制限フィルタを、デジタルベースバンド
信号をアナログ信号に変換する前または後、或いは前及
び後に備え、前記2以上のベースバンド帯域制限フィル
タのうちいずれかを前記検知した隣接チャネル漏洩電力
に応じて自動選択するというものであり、それによって
より詳細で柔軟にベースバンド帯域制限フィルタの特性
を最適化することができるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項12に記載の発明は、前記
検知した隣接チャネル漏洩電力が大きくなるに従い、前
記2以上のベースバンド帯域制限フィルタのうち帯域幅
が比較的挟帯域なベースバンド帯域制限フィルタを選択
するというものであり、隣接チャネル漏洩電力が小さい
時には比較的広帯域なベースバンド帯域制限フィルタを
選択することにより符号間干渉特性を優先し、隣接チャ
ネル漏洩電力が大きい時には比較的挟帯域なベースバン
ド帯域制限フィルタを選択することにより他の周波数チ
ャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力において総合
的に安定した送信性能を得ることができるという作用を
有する。
【0023】本発明の請求項13に記載の発明は、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において送信電力を
検知し、前記検知した送信電力に応じてベースバンド帯
域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を自動制御する
各工程からなるというものであり、検知した送信電力に
応じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および減
衰特性を自動制御することにより、各送信電力において
総合的に安定した送信性能をデジタル無線通信装置に提
供することができるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項14に記載の発明は、前記
検知した送信電力に応じてベースバンド帯域制限フィル
タの帯域幅および減衰特性を自動制御する工程が前記検
知した送信電力が大きくなるに従い、前記ベースバンド
帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯域にするというもので
あり、送信電力が小さい時にはベースバンド帯域制限フ
ィルタの帯域幅を比較的広帯域にすることにより符号間
干渉特性を優先し、送信電力が大きい時にはベースバン
ド帯域制限フィルタの帯域幅を比較的挟帯域にすること
により他の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送
信電力において総合的に安定した送信性能をデジタル無
線通信装置に提供することができるという作用を有す
る。
【0025】本発明の請求項15に記載の発明は、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において自己の送信
信号に含まれる隣接チャネル漏洩電力を検知し、前記検
知した隣接チャネル漏洩電力に応じてベースバンド帯域
制限フィルタの帯域幅および減衰特性を自動制御する各
工程からなるというものであり、検知した隣接チャネル
漏洩電力に応じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域
幅および減衰特性を自動制御することにより、各送信電
力において総合的に安定した送信性能をデジタル無線通
信装置に提供することができるという作用を有する。
【0026】本発明の請求項16に記載の発明は、前記
検知した隣接チャネル漏洩電力に応じてベースバンド帯
域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を自動制御する
工程が前記検知した隣接チャネル漏洩電力が大きくなる
に従い、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を
挟帯域にするというものであり、隣接チャネル漏洩電力
が小さい時にはベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅
を比較的広帯域にすることにより符号間干渉特性を優先
し、隣接チャネル漏洩電力が大きい時にはベースバンド
帯域制限フィルタの帯域幅を比較的挟帯域にすることに
より他の周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信
電力において総合的に安定した送信性能をデジタル無線
通信装置に提供することができるという作用を有する。
【0027】本発明の請求項17に記載の発明は、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において送信電力を
検知し、前記検知した送信電力が大きくなるに従い、帯
域幅および減衰特性の異なる少なくとも2以上のベース
バンド帯域制限フィルタの中から帯域幅が比較的挟帯域
のベースバンド帯域制限フィルタを自動選択する各工程
からなるというものであり、送信電力が小さい時にはベ
ースバンド帯域制限フィルタの帯域幅が比較的広帯域な
ものを選択することにより符号間干渉特性を優先し、送
信電力が大きい時にはベースバンド帯域制限フィルタの
帯域幅が比較的挟帯域なものを選択することにより他の
周波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力にお
いて総合的に安定した送信性能をデジタル無線通信装置
に提供することができるという作用を有する。
【0028】本発明の請求項18に記載の発明は、送信
電力が可変のデジタル無線通信装置において隣接チャネ
ル漏洩電力を検知し、前記検知した隣接チャネル漏洩電
力が大きくなるに従い、帯域幅および減衰特性の異なる
少なくとも2以上のベースバンド帯域制限フィルタの中
から帯域幅が比較的挟帯域のベースバンド帯域制限フィ
ルタを自動選択する各工程からなるというものであり、
隣接チャネル漏洩電力が小さい時にはベースバンド帯域
制限フィルタの帯域幅が比較的広帯域なものを選択する
ことにより符号間干渉特性を優先し、隣接チャネル漏洩
電力が大きい時にはベースバンド帯域制限フィルタの帯
域幅が比較的挟帯域なものを選択することにより他の周
波数チャネルへの妨害特性を優先し、各送信電力におい
て総合的に安定した送信性能をデジタル無線通信装置に
提供することができるという作用を有する。
【0029】以下、添付図面、図1及び図2に基づき、
本発明の実施の形態を詳細に説明する。 (実施の形態1)まず、図1を参照して、本発明の実施
の形態1におけるデジタル無線通信装置の構成を説明す
る。図1は本発明の実施の形態1におけるデジタル無線
通信装置の構成を示す概略回路ブロック図である。図1
において、1はベースバンド信号生成回路、2は直交ベ
ースバンド信号I/Qそれぞれのベースバンド帯域制限
フィルタによって構成されるベースバンド帯域制限部、
3はD/A変換部、4は直交変調回路、5は周波数変換
回路、6は高周波増幅回路、7はアンテナ、8は自己の
送信電力を検知する検波手段としての検波回路、9はベ
ースバンド帯域制限部2を制御するフィルタ制御回路で
ある。なお、高周波増幅回路6は、送信電力を制御する
ために利得を可変にする回路構成とする。
【0030】次に、図1を参照して、本実施の形態1に
おけるデジタル無線通信装置の動作として、そのベース
バンド帯域制限フィルタの制御方法を説明する。まず、
ベースバンド信号生成回路1において生成された直交デ
ジタルベースバンド信号は、ベースバンド帯域制限部2
によって帯域制限が行われ、D/A変換部3へと出力さ
れる。D/A変換部3では、入力された直交デジタルベ
ースバンド信号をアナログ信号に変換して直交変調回路
4へ送出する。直交変調回路4では、入力された直交ア
ナログベースバンド信号を直交変調する。直交変調回路
4において変調された変調信号は周波数変換回路5にお
いて搬送波帯の信号に周波数変換され、利得制御が可能
な高周波増幅回路6において増幅されて後、アンテナ7
から送信される。
【0031】一方、検波回路8は高周波増幅回路6の自
己の送信電力(自己チャネル出力電力)或いは隣接チャ
ネル漏洩電力を検知し、その結果をフィルタ制御回路9
に送出する。フィルタ制御回路9は検波回路8により検
知された電力に応じて、ベースバンド帯域制限部2の各
ベースバンド帯域制限フィルタにおける帯域幅および減
衰特性を制御する。
【0032】本実施の形態1においては、ベースバンド
帯域制限回路2をベースバンド信号生成回路1とD/A
変換部3との間に挿入しているが、同じくD/A変換部
3と直交変調回路4との間、或いはそれらの両方に挿入
して制御を行うよう構成しても良い。また、本実施の形
態1においては、自己の送信電力或いは隣接チャネル漏
洩電力の検知手段を検波回路8に限定するものではな
く、フィルタ制御回路9を制御しうるものであれば、他
の如何なる手段を使用してもよい。例えば、検波回路8
は、受信電界強度や通信相手先からの指示など他の手段
により自己の送信電力を知り得る場合には省略すること
も可能である。
【0033】一般に、高周波増幅回路などの非線形性に
よる符号間干渉特性および隣接チャネル漏洩電力は送信
電力に依存しているため、送信電力の大きさによってベ
ースバンド帯域制限フィルタが求められる帯域幅および
減衰特性が異なってしまう。そこで、本実施の形態1で
は、自己の送信電力或いは隣接チャネル漏洩電力を考慮
してベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰
特性を制御するようにし、各々の電力が比較的小さい場
合には、ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を広帯
域にすることにより符号間干渉特性を優先的に考慮して
符号間干渉を少なくし、各々の電力が比較的大きい場合
には、ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯域
にすることにより他の周波数チャネルへの妨害特性を優
先的に考慮して、他の周波数チャネルへの妨害を少なく
するなどの制御が可能となり、各送信電力において総合
的に安定した送信性能を得ることができるようにしたも
のである。
【0034】(実施の形態2)次に、図2を参照して、
本発明の実施の形態2におけるデジタル無線通信装置の
構成を説明する。図2は本発明の実施の形態2における
デジタル無線通信装置の構成を示す概略回路ブロック図
である。図2において、図1のものと同一の部分につい
ては、図1のその部分と同一の符号を付してその説明を
省略し、異なる部分について重点的に説明する。
【0035】図2において、図1と異なる主な部分は、
ベースバンド帯域制限部2が、直交ベースバンド信号I
/Qそれぞれに対し、それぞれ帯域幅および減衰特性を
異にする複数の第1乃至第nベースバンド帯域制限フィ
ルタを具備するように構成したことと、第1〜第nベー
スバンド帯域制限フィルタを切替えるスイッチング部1
0を設けたことである。
【0036】次に、図2を参照して、本発明の実施の形
態2におけるデジタル無線通信装置の動作として、その
ベースバンド帯域制限フィルタの制御方法を説明する。
本実施の形態2におけるデジタル無線通信装置は、実施
の形態1におけるものと同様に、検波回路8が高周波増
幅回路6の自己の送信電力或いは隣接チャネル漏洩電力
を検知して、その結果をスイッチング部10に送出す
る。スイッチング部10は検波回路8により検知された
電力に応じて、ベースバンド帯域制限部2を構成する第
1〜第nの帯域制限フィルタの中から、いずれか1つの
フィルタを選択してベースバンド信号生成回路1に接続
するよう設定される。
【0037】また、本実施の形態2では、ベースバンド
帯域制限部2をベースバンド信号生成回路1とD/A変
換部3との間に挿入しているが、同じくD/A変換部3
と直交変調回路4との間、或いはそれらの両方に挿入し
て制御を行うよう構成しても良い。また、本実施の形態
2においては、自己の送信電力或いは隣接チャネル漏洩
電力の検知手段を検波回路8に限定するものではなく、
フィルタ制御回路9を制御しうるものであれば、他の如
何なる手段を使用してもよい。例えば、検波回路8は、
受信電界強度や通信相手先からの指示など他の手段によ
り自己の送信電力を知り得る場合には省略することも可
能である。
【0038】一般に、高周波増幅回路などの非線形性に
よる符号間干渉特性および隣接チャネル漏洩電力は送信
電力に依存しているため、送信電力の大きさによってベ
ースバンド帯域制限フィルタに求める帯域幅および減衰
特性が異なってしまう。そこで、本実施の形態2では、
ベースバンド帯域制限部2に切替え可能な複数の帯域幅
および減衰特性の異なるベースバンド帯域制限フィルタ
を備え、ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および
減衰特性の切替え制御に自己の送信電力或いは隣接チャ
ネル漏洩電力を考慮するようにし、各々の電力が比較的
小さい場合には、広帯域なベースバンド帯域制限フィル
タを選択することにより符号間干渉特性を優先的に考慮
して符号間干渉を少なくし、各々の電力が比較的大きい
場合には、挟帯域なベースバンド帯域制限フィルタを選
択することにより他の周波数チャネルへの妨害特性を優
先的に考慮して、他の周波数チャネルへの妨害を少なく
するなどの制御が可能となり、各送信電力において総合
的に安定した送信性能を得ることができるようにしたも
のである。
【0039】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成し、特に自
己チャネルの出力電力或いは隣接チャネルの漏洩電力を
検出し、それに反映してベースバンド帯域制限フィルタ
の帯域幅および減衰特性を自動的に設定するようにした
ことにより、各送信電力に対するベースバンド帯域制限
フィルタの帯域幅および減衰特性を最適化することがで
き、総合的に安定した送信性能を得ることができる。
【0040】また、本発明は、上記のように構成し、特
に自己チャネルの出力電力或いは隣接チャネルの漏洩電
力が比較的小さい場合には、帯域制限フィルタの帯域幅
を広帯域にすることにより符号間干渉特性を優先し、電
力が比較的大きい場合には、帯域制限フィルタの帯域幅
を挟帯域にすることにより他の周波数チャネルへの妨害
特性を優先するよう制御することにより、各送信電力に
おいて総合的に安定した送信性能を得ることができる。
【0041】また、本発明は、上記のように構成し、特
にベースバンド帯域制限部にそれぞれ帯域幅および減衰
特性を異にする複数の第1乃至第nベースバンド帯域制
限フィルタとその第1乃至第nベースバンド帯域制限フ
ィルタを切替えるスイッチング部とを備え、自己チャネ
ルの出力電力或いは隣接チャネルの漏洩電力に反映して
第1乃至第nベースバンド帯域制限フィルタを切替える
ようにしたことにより、ベースバンド帯域制限部の帯域
幅および減衰特性を自動的且つ容易に切替え制御するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデジタル無線通
信装置の構成を示す概略回路ブロック図、
【図2】本発明の実施の形態2におけるデジタル無線通
信装置の構成を示す概略回路ブロック図、
【図3】ベースバンド帯域制限フィルタを備え送信電力
を制御する従来のデジタル無線通信装置の概略ブロック
図。
【符号の説明】
1 ベースバンド信号生成回路 2 ベースバンド帯域制限部 3 D/A変換部 4 直交変調回路 5 周波数変換回路 6 高周波増幅回路 7 アンテナ 8 検波回路 9 フィルタの制御回路 10 スイッチング部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信電力が可変のデジタル無線通信装置に
    おいて、帯域幅および減衰特性が可変のベースバンド帯
    域制限フィルタと、自己の送信電力を検知する検波手段
    とを備え、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅
    および減衰特性を前記検知した送信電力に応じて自動制
    御することを特徴とするデジタル無線通信装置。
  2. 【請求項2】前記帯域幅および減衰特性が可変であるベ
    ースバンド帯域制限フィルタを、デジタルベースバンド
    信号をアナログ信号に変換する前または後、或いは前及
    び後に備え、前記ベースバンド帯域制限フィルタのうち
    少なくとも1つの帯域幅および減衰特性を前記検知した
    送信電力に応じて自動制御するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載のデジタル無線通信装置。
  3. 【請求項3】前記検知した送信電力が大きくなるに従
    い、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯
    域にすることを特徴とする請求項1または2記載のデジ
    タル無線通信装置。
  4. 【請求項4】送信電力が可変のデジタル無線通信装置に
    おいて、帯域幅および減衰特性が可変のベースバンド帯
    域制限フィルタと、自己の送信信号に含まれる隣接チャ
    ネル漏洩電力を検知する検波手段とを備え、前記ベース
    バンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を前記
    検知した隣接チャネル漏洩電力に応じて自動制御するこ
    とを特徴とするデジタル無線通信装置。
  5. 【請求項5】前記帯域幅および減衰特性が可変であるベ
    ースバンド帯域制限フィルタを、デジタルベースバンド
    信号をアナログ信号に変換する前または後、或いは前及
    び後に備え、前記ベースバンド帯域制限フィルタのうち
    少なくとも1つの帯域幅および減衰特性を前記検知した
    隣接チャネル漏洩電力に応じて自動制御するようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のデジタル無線通信装
    置。
  6. 【請求項6】前記検知した隣接チャネル漏洩電力が大き
    くなるに従い、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯
    域幅を挟帯域にすることを特徴とする請求項4または5
    記載のデジタル無線通信装置。
  7. 【請求項7】送信電力が可変のデジタル無線通信装置に
    おいて、帯域幅および減衰特性を異にする動作/非動作
    の制御が可能な少なくとも2以上のベースバンド帯域制
    限フィルタと、自己の送信電力を検知する検波手段とを
    備え、前記2以上のベースバンド帯域制限フィルタのい
    ずれかを前記検知した送信電力に応じて自動選択するこ
    とを特徴とするデジタル無線通信装置。
  8. 【請求項8】前記帯域幅および減衰特性を異にする少な
    くとも2以上のベースバンド帯域制限フィルタを、デジ
    タルベースバンド信号をアナログ信号に変換する前また
    は後、或いは前及び後に備え、前記2以上のベースバン
    ド帯域制限フィルタのうちいずれかを前記検知した送信
    電力に応じて自動選択するようにしたことを特徴とする
    請求項7記載のデジタル無線通信装置。
  9. 【請求項9】前記検知した送信電力が大きくなるに従
    い、前記2以上のベースバンド帯域制限フィルタのうち
    帯域幅が比較的挟帯域なベースバンド帯域制限フィルタ
    を選択することを特徴とする請求項7または8記載のデ
    ジタル無線通信装置。
  10. 【請求項10】送信電力が可変のデジタル無線通信装置
    において、帯域幅および減衰特性を異にする動作/非動
    作の制御が可能な少なくとも2以上のベースバンド帯域
    制限フィルタと、自己の送信信号に含まれる隣接チャネ
    ル漏洩電力を検知する検波手段とを備え、前記2以上の
    ベースバンド帯域制限フィルタのいずれかを前記検知し
    た隣接チャネル漏洩電力に応じて自動選択することを特
    徴とするデジタル無線通信装置。
  11. 【請求項11】前記帯域幅および減衰特性を異にする少
    なくとも2以上のベースバンド帯域制限フィルタを、デ
    ジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換する前ま
    たは後、或いは前及び後に備え、前記2以上のベースバ
    ンド帯域制限フィルタのうちいずれかを前記検知した隣
    接チャネル漏洩電力に応じて自動選択するようにしたこ
    とを特徴とする請求項10記載のデジタル無線通信装
    置。
  12. 【請求項12】前記検知した隣接チャネル漏洩電力が大
    きくなるに従い、前記2以上のベースバンド帯域制限フ
    ィルタのうち帯域幅が比較的挟帯域なベースバンド帯域
    制限フィルタを選択することを特徴とする請求項10ま
    たは11記載のデジタル無線通信装置。
  13. 【請求項13】送信電力が可変のデジタル無線通信装置
    において送信電力を検知し、前記検知した送信電力に応
    じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰
    特性を自動制御する各工程からなることを特徴とするデ
    ジタル無線通信装置におけるベースバンド帯域制限フィ
    ルタの制御方法。
  14. 【請求項14】前記検知した送信電力に応じてベースバ
    ンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰特性を自動制
    御する工程は前記検知した送信電力が大きくなるに従
    い、前記ベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅を挟帯
    域にすることを特徴とする請求項13記載のデジタル無
    線通信装置におけるベースバンド帯域制限フィルタの制
    御方法。
  15. 【請求項15】送信電力が可変のデジタル無線通信装置
    において自己の送信信号に含まれる隣接チャネル漏洩電
    力を検知し、前記検知した隣接チャネル漏洩電力に応じ
    てベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰特
    性を自動制御する各工程からなることを特徴とするデジ
    タル無線通信装置におけるベースバンド帯域制限フィル
    タの制御方法。
  16. 【請求項16】前記検知した隣接チャネル漏洩電力に応
    じてベースバンド帯域制限フィルタの帯域幅および減衰
    特性を自動制御する工程は前記検知した隣接チャネル漏
    洩電力が大きくなるに従い、前記ベースバンド帯域制限
    フィルタの帯域幅を挟帯域にすることを特徴とする請求
    項15記載のデジタル無線通信装置におけるベースバン
    ド帯域制限フィルタの制御方法。
  17. 【請求項17】送信電力が可変のデジタル無線通信装置
    において送信電力を検知し、前記検知した送信電力が大
    きくなるに従い、帯域幅および減衰特性の異なる少なく
    とも2以上のベースバンド帯域制限フィルタの中から帯
    域幅が比較的挟帯域のベースバンド帯域制限フィルタを
    自動選択する各工程からなることを特徴とするデジタル
    無線通信装置におけるベースバンド帯域制限フィルタの
    制御方法。
  18. 【請求項18】送信電力が可変のデジタル無線通信装置
    において隣接チャネル漏洩電力を検知し、前記検知した
    隣接チャネル漏洩電力が大きくなるに従い、帯域幅およ
    び減衰特性の異なる少なくとも2以上のベースバンド帯
    域制限フィルタの中から帯域幅が比較的挟帯域のベース
    バンド帯域制限フィルタを自動選択する各工程からなる
    ことを特徴とするデジタル無線通信装置におけるベース
    バンド帯域制限フィルタの制御方法。
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