JP2000244341A - カーテシアン・フィードバック回路における飽和防止回路 - Google Patents

カーテシアン・フィードバック回路における飽和防止回路

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JP2000244341A
JP2000244341A JP4506599A JP4506599A JP2000244341A JP 2000244341 A JP2000244341 A JP 2000244341A JP 4506599 A JP4506599 A JP 4506599A JP 4506599 A JP4506599 A JP 4506599A JP 2000244341 A JP2000244341 A JP 2000244341A
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phase
signal
quadrature
saturation
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Toshinori Hamazaki
俊典 濱崎
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線送信機のカーテシアン・フィードバック
回路における送信前の最大動作レベル設定動作を不要に
する。 【解決手段】 カーテシアン・フィードバック回路にお
ける同相誤差信号I3および直交誤差信号Q3と、局部
同相復調信号I4および局部直交復調信号Q4との位相
差を位相比較回路12により求める。位相差に基づいて、
飽和検出回路11により送信時に飽和検出を行う。振幅制
限回路10により、その時の同相入力I1および直交入力
Q1の振幅制御を行う。送信時に飽和検出が行えるの
で、送信前の最大レベル調整動作が必要無くなる。送信
前の最大動作レベル調整が許されていない無線送信機で
も、カーテシアン・フィードバック回路を使用でき、変
調の直線性を改善して、帯域外不要輻射を減らして隣接
チャネルへの妨害を無くすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線送信機などに
用いられるカーテシアン・フィードバック回路における
飽和防止回路に関し、特に、送信時に飽和検出を行って
振幅制御または利得制御を行う飽和防止回路に関する。
【0002】
【従来の技術】線形変調信号を送出するための送信機に
おいては、その直線性が悪いと、変調精度を悪化させる
ばかりでなく、過剰な帯域外不要輻射を発生し、隣接チ
ャネルに妨害を与える危険性がある。このため、送信機
の全動作範囲において、直線性を確保する必要がある。
従来、送信機の直線性を改善する方法の一つに、いわゆ
るカーテシアン・フィードバックがある。これは、送信
機の出力の一部を局部復調し、直交ベースバンド信号に
し、変調ベースバンド信号へ負帰還をかけるものであ
る。
【0003】カーテシアン・フィードバック回路の原理
を図18に示す。入力信号Vinは、減算器で帰還信号V
monが減算され、誤差信号Verrとなる。誤差信号Verr
は、利得G1の増幅器で増幅される。増幅器出力で増幅
器の歪み成分Vdが加算されVoutとなる。Voutは、減
衰器でG2倍に減衰された後、減算器で入力Vinが減算
される。誤差信号Verrは、 Verr=Vin−Vmon=Vin−G2×Vout (1) となる。出力Voutは、 Vout=Verr×G1+Vd (2) なので、上の(1)、(2)式をVoutについて解く
と、 Vout=(G1 × Vin)/(1+G1×G2)−Vd/
(1+G1×G2) となる。以上の様に、歪み成分は補正前に比較して、1
/(1+G1×G2)倍に改善されている。
【0004】図19は、従来の最大動作レベル設定回路
の構成を示す概略ブロック図である。最大動作レベル設
定によって、減衰器1と減衰器2の減衰量を調整し、同
相入力I1に最大値I1maxが入力されたときに、高周
波増幅器8が飽和を始めるように、同相信号I2のレベ
ルを設定する。
【0005】次に、図19に示す従来例における最大動
作レベル設定の方法について説明する。まず、送信機が
線形動作している場合、及び、飽和している場合につい
て分けて、各部の信号レベルの関係を示す。
【0006】送信機が線形動作している場合には、同相
信号I2、局部同相復調信号I4、同相誤差信号I3の
関係は、ループ利得をGLとすると次のようになる。 I3=I2−I4=I2−GL×I3 これを解くと I3=I2/(GL+1) となる。このように、送信機が線形動作している場合に
は、I3は、同相信号の1/(GL+1)倍で増加す
る。
【0007】送信機が飽和動作している場合には、局部
同相復調信号I4は、変化しない。この値をI4satと
すると I3=I2−I4sat となる。このように、送信機が線形動作している場合に
は、I3は、同相信号の1倍で増加する。
【0008】以上のように、同相誤差信号I3は、送信
機が飽和すると急激に増加する。送信機の飽和は、同相
信号I2を増加させた時に、同相誤差信号I3が、同相
飽和検出レベルI3satを越えたことによって検出す
る。この時のI2の値が、送信機を飽和させるI2の
値、飽和同相信号レベルI2satである。
【0009】次に、図19を用いて、従来の最大動作レ
ベル設定回路の動作について説明する。スイッチ39は通
常aに接続されているが、最大動作レベル設定時には、
bに接続される。減衰器1、減衰器2は、減衰無しに設
定されている。ランプ電圧発生器40の出力は時間と共に
増大し、スイッチ39を介して接続されている同相信号I
2は、時間と共に増大する。この時、同相誤差信号I3
も増大し、あらかじめ定めた同相飽和検出レベルI3sa
tを越えたことを比較器36によって検出する。比較器36
によって高周波増幅器8の飽和が検出されたあとは、ラ
ンプ電圧発生器40の出力は時間と共に減少を始める。こ
の飽和を始める時の同相信号I2のレベル、飽和同相信
号レベルI2satをサンプル&ホールド回路35によって
保持する。
【0010】最大動作レベル設定時、同相入力I1に
は、同相入力I1の最大値、同相入力最大値I1maxが
入力されている。サンプル&ホールド回路35の出力であ
る、飽和同相信号レベルI2satと、減衰器1の出力
は、比較器38に入力され、その比較結果は、減衰器制御
回路34に入力される。減衰器制御回路34は、減衰器1の
出力と、サンプル&ホールド回路35より出力されている
値、飽和同相信号レベルI2satが等しくなるように、
減衰器1と減衰器2の減衰量を調整する。
【0011】以上の動作によって、同相入力の最大値、
I1maxの入力時に、高周波増幅器8が飽和する様に調
整できる。これにより、実際の送信時に、高周波増幅器
の飽和を防ぐことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の構成では、実際の送信動作の前に、最大レベル調
整用に送信動作を行う必要があり、そのような動作が許
されていない場合には、飽和を防止することができない
という問題があった。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、送信前の最大レベル調整動作の必要を無くし、送信
前に最大レベル調整動作が適用できない場合にも、飽和
防止ができるようにして、送信前の最大動作レベル調整
が許されていないシステムにも、カーテシアン・フィー
ドバック回路を適用可能とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、同相信号から局部同相復調信号を減
算して同相誤差信号を算出する同相減算回路と、直交信
号から局部直交復調信号を減算して直交誤差信号を算出
する直交減算回路と、同相誤差信号および直交誤差信号
を帯域制限するループフィルタと、ループフィルタの出
力を搬送波で直交変調する直交変調器と、直交変調器の
出力を増幅して送信する高周波増幅器と、高周波増幅器
の出力を位相調整された搬送波を用いて復調して局部同
相復調信号および局部直交復調信号として同相減算回路
および直交減算回路に出力する直交復調器とを備えたカ
ーテシアン・フィードバック回路における飽和防止回路
を、同相誤差信号および直交誤差信号と局部同相復調信
号および局部直交復調信号との位相差を検出する位相比
較回路と、位相比較回路の出力に基づいて飽和を検出す
る飽和検出回路と、飽和検出回路の出力に基づいて同相
入力信号および直交入力信号の振幅を制限して同相信号
および直交信号を出力する振幅制限回路とを具備する構
成とした。
【0015】このように構成したことにより、送信時に
飽和検出を行って振幅制限することができる。送信前の
最大レベル調整動作が必要無くなり、送信前の最大動作
レベル調整が許されていないシステムにも、カーテシア
ン・フィードバック回路を適用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
同相信号から局部同相復調信号を減算して同相誤差信号
を算出する同相減算回路と、直交信号から局部直交復調
信号を減算して直交誤差信号を算出する直交減算回路
と、前記同相誤差信号および前記直交誤差信号を帯域制
限するループフィルタと、前記ループフィルタの出力を
搬送波で直交変調する直交変調器と、前記直交変調器の
出力を増幅して送信する高周波増幅器と、前記高周波増
幅器の出力を位相調整された搬送波を用いて復調して前
記局部同相復調信号および前記局部直交復調信号として
前記同相減算回路および前記直交減算回路に出力する直
交復調器とを備えたカーテシアン・フィードバック回路
における飽和防止回路であって、前記同相誤差信号およ
び前記直交誤差信号と前記局部同相復調信号および前記
局部直交復調信号との位相差を検出する位相比較回路
と、前記位相比較回路の出力に基づいて飽和を検出する
飽和検出回路と、前記飽和検出回路の出力に基づいて同
相入力信号および直交入力信号の振幅を制限して前記同
相信号および前記直交信号を出力する振幅制限回路とを
具備する飽和防止回路であり、誤差信号と復調信号との
位相差から送信時に飽和検出を行い、振幅制御を行って
飽和を防止するという作用を有する。
【0017】本発明の請求項2記載の発明は、請求項1
記載の飽和検出回路において、前記同相入力信号と前記
直交入力信号とを出力する信号源と、前記飽和検出回路
の出力を入力するとともに前記信号源から前記同相入力
信号および前記直交入力信号と時刻情報と最大振幅情報
と最大振幅時の時刻情報とを入力して減衰量を算出する
利得制御回路と、前記同相入力信号および前記直交入力
信号を前記利得制御回路の出力に従って減衰させる減衰
器とを備えたものであり、送信時に飽和検出を行い、利
得制御と振幅制御を行って飽和を防止するという作用を
有する。
【0018】本発明の請求項3記載の発明は、請求項1
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路を、前
記同相信号および前記直交信号と前記局部同相復調信号
および前記局部直交復調信号との位相差を検出する回路
としたものであり、同相信号および直交信号と復調信号
との位相差から送信時に飽和検出を行い、振幅制御を行
って飽和を防止するという作用を有する。
【0019】本発明の請求項4記載の発明は、請求項2
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路を、前
記同相信号および前記直交信号と前記局部同相復調信号
および前記局部直交復調信号との位相差を検出する回路
としたものであり、同相信号および直交信号と復調信号
との位相差から送信時に飽和検出を行い、利得制御と振
幅制御を行って飽和を防止するという作用を有する。
【0020】本発明の請求項5記載の発明は、請求項1
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路を、前
記同相誤差信号および前記直交誤差信号と前記同相信号
および前記直交信号との位相差を検出する回路としたも
のであり、誤差信号と同相信号および直交信号との位相
差から送信時に飽和検出を行い、振幅制御を行って飽和
を防止するという作用を有する。
【0021】本発明の請求項6記載の発明は、請求項2
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路を、前
記同相誤差信号および前記直交誤差信号と前記同相信号
および前記直交信号との位相差を検出する回路としたも
のであり、誤差信号と同相信号および直交信号との位相
差から送信時に飽和検出を行い、利得制御と振幅制御を
行って飽和を防止するという作用を有する。
【0022】本発明の請求項7記載の発明は、請求項1
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路の代わ
りに、前記同相誤差信号および前記直交誤差信号の振幅
を計算する振幅計算回路を設け、前記飽和検出回路を、
前記振幅計算回路回路の出力に基づいて飽和を検出する
回路としたものであり、誤差信号の振幅から送信時に飽
和検出を行い、振幅制御を行って飽和を防止するという
作用を有する。
【0023】本発明の請求項8記載の発明は、請求項2
記載の飽和防止回路において、前記位相比較回路の代わ
りに、前記同相誤差信号および前記直交誤差信号の振幅
を計算する振幅計算回路を設け、前記飽和検出回路を、
前記振幅計算回路の出力に基づいて飽和を検出する回路
としたものであり、誤差信号の振幅から送信時に飽和検
出を行い、利得制御と振幅制御を行って飽和を防止する
という作用を有する。
【0024】本発明の請求項9記載の発明は、請求項1
〜8記載の飽和防止回路を有する無線送信機であり、送
信時に飽和検出して振幅制御を行って飽和を防止し、不
要輻射の発生を防止するという作用を有する。という作
用を有する。
【0025】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図17を参照しながら詳細に説明する。
【0026】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態は、同相誤差信号および直交誤差信号と局部同相
復調信号および局部直交復調信号との位相差に基づいて
飽和を検出し、同相入力信号および直交入力信号の振幅
を制限する飽和防止回路である。
【0027】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。図9
は、位相比較回路の一例の構成を示すブロック図であ
る。図10は、飽和検出回路の一例の構成を示すブロッ
ク図である。図11は、振幅制限回路の一例の構成を示
すブロック図である。図12は、振幅計算回路の一例の
構成を示すブロック図である。図14は、高周波増幅器
の位相回転を示す図である。
【0028】図1を参照して、本発明の第1の実施の形
態における飽和検出回路の構成を説明する。第1の実施
の形態では、2チャンネルある直交変調無線機の信号チ
ャネルのうち、一方を同相信号、もう一方を直交信号と
呼ぶ。図1において、減算回路3は、同相信号I2か
ら、局部同相復調信号I4を減算して同相誤差信号I3
を出力する回路である。減算回路4は、直交信号Q2か
ら、局部直交復調信号Q4を減算して直交誤差信号Q3
を出力する回路である。ループフィルタ5は、同相誤差
信号I3の帯域を制限する回路である。ループフィルタ
6は、直交誤差信号Q3の帯域を制限する回路である。
直交変調器7は、ループフィルタ出力を直交変調する回
路である。高周波増幅器8は、直交変調器出力を増幅す
る回路である。直交復調器9は、高周波増幅器出力の一
部を分岐した信号を復調して、局部同相復調信号I4と
局部直交復調信号Q4を出力する回路である。位相比較
回路12は、局部同相復調信号I4、局部直交復調信号Q
4と同相誤差信号I3、直交誤差信号Q3の位相差を算
出する回路である。飽和検出回路11は、位相比較回路出
力により飽和を検出する回路である。振幅制御回路10
は、飽和検出回路出力に従って、同相入力I1および直
交入力Q1の振幅を制限する回路である。
【0029】図9に示す位相比較回路において、掛算回
路16は、同相入力1と直交入力2との乗算結果を出力す
る回路である。掛算回路17は、直交入力1と同相入力2
との乗算結果を出力する回路である。減算回路18は、掛
算回路16の出力から掛算回路17の出力を引き算する回路
である。
【0030】図10に示す飽和検出回路において、比較
器41は、位相比較回路出力または振幅計算回路出力と比
較基準値を比較する回路である。
【0031】図11に示す振幅制限回路において、振幅
計算回路15は、同相入力と直交入力の振幅を出力する回
路である。割り算回路19は、2つの入力の除算結果を出
力する回路である。記憶回路20は、飽和が検出されたと
きの振幅を記憶する回路である。スイッチ制御回路21
は、振幅計算回路出力と振幅記憶回路出力の大きさを比
較してスイッチを制御する回路である。スイッチ22は、
スイッチ制御回路出力に従って割り算回路出力と1とを
切り換え出力するスイッチである。掛算回路23は、同相
入力とスイッチ出力の掛算結果を出力する回路である。
掛算回路24は、直交入力とスイッチ出力の掛算結果を出
力する回路である。
【0032】図12に示す振幅計算回路において、掛算
回路30は、同相入力どうしの掛算を行い同相入力の二乗
を出力する回路である。掛算回路31は、直交入力どうし
の掛算を行い直交入力の二乗を出力する回路である。加
算回路32は、掛算回路30と掛算回路31の出力を加算し結
果を出力する回路である。開平回路33は、入力の開平結
果(平方根)を出力する回路である。
【0033】上記のように構成された本発明の第1の実
施の形態における飽和防止回路の動作を、図1、図9、
図10、図11、図12及び図14を参照しながら説明
する。
【0034】図12は、振幅計算回路の一例を示すブロ
ック図である。同相入力Iは、掛算回路30に入力され、
自分自身との積を取り、二乗されて出力される。直交入
力Qは、掛算回路31に入力され、自分自身との積を取
り、二乗されて出力される。掛算回路30と掛算回路31の
出力は、加算回路32に入力され、加算され、I×I+Q
×Qとして出力される。加算回路32の出力は、開平計算
回路33に入力され平方根が取られる。これにより、振幅
計算回路出力には、√(I×I+Q×Q)が出力され
る。
【0035】図11は、振幅制限回路の一例を示すブロ
ック図である。振幅計算回路15は、同相入力Iと直交入
力Qの振幅 M=√(I×I+Q×Q) を計算出力する。振幅記憶回路20は、飽和検出回路11か
らの飽和検出出力に従って、飽和検出時点での振幅計算
回路出力Msatを記憶する。振幅計算回路は、同相入力
Iと直交入力Qの振幅を計算出力しているので、振幅記
憶回路20は、飽和が検出された時点での同相入力Iと直
交入力Qの振幅が記憶される。また、動作開始前は、振
幅記憶回路20の出力は、同相入力Iと直交入力Qの振幅
√(I×I+Q×Q)の最大値に設定されている。
【0036】割り算回路には、振幅計算回路15と振幅記
憶回路20の出力が入力され、(振幅記憶回路20の出力/
振幅計算回路15の出力)=Msat/Mが出力される。
【0037】スイッチ制御回路21は、振幅計算回路15出
力と振幅記憶回路20出力を比較して、スイッチ22を、 振幅計算回路15出力≧振幅記憶回路20出力(M≧Msa
t) の場合には、aに切り換え、 振幅計算回路15出力<振幅記憶回路20出力(M<Msa
t) の場合には、bに切り換える。つまり、同相入力Iと直
交入力Qの振幅が飽和検出時の振幅よりも大きい場合に
はaが選択され、同相入力Iと直交入力Qの振幅が飽和
検出時の振幅よりも小さい場合にはbが選択される。
【0038】スイッチ22のaには割り算回路19の出力が
接続され、bには1が接続されているので、スイッチ22
の出力は、 振幅計算回路15出力≧振幅記憶回路20出力 の場合には、割り算回路19の出力が出力され、 振幅計算回路15出力<振幅記憶回路20出力 の場合には、1が出力される。
【0039】スイッチ22の出力は、掛算回路23および掛
算回路24に入力される。掛算回路23は、同相入力Iとス
イッチ22出力の積を出力する。掛算回路24は、直交入力
Qとスイッチ22出力の積を出力する。よって、 振幅計算回路15出力≧振幅記憶回路20出力(M≧Msa
t) の場合には、スイッチ22は、割り算回路19の出力が出力
されているので、 Io=I×(Msat/M) Qo=Q×(Msat/M) よって、同相出力Ioと直交出力Qoの振幅は、 √(Io2+Qo2) =√( (I×Msat/M)2+(Q×Msat/M)2) =(Msat/M)×√(I2+Q2) =(Msat/M)×M=Msat となる。 (振幅計算回路15出力)<(振幅記憶回路20出力) の場合には、スイッチ22には1が出力されているので、 Io=I Qo=Q となる。
【0040】以上のように、振幅制御回路は、入力I、
Qの振幅が、飽和検出時の振幅よりも大きい場合には、
出力振幅が飽和検出時の振幅となるように入力を減衰さ
せ、入力I、Qの振幅が、飽和検出時の振幅よりも小さ
い場合には、入力I、Qを、そのまま出力する。
【0041】図9は、位相比較回路の一例を示すブロッ
ク図である。同相入力1(I1)と直交入力2(Q2)
は、掛算回路16に入力され積を取られて出力される。直
交入力1(Q1)と同相入力2(I2)は、掛算回路17
に入力され積を取られて出力される。掛算回路16の出力
と掛算回路17の出力は、減算回路18に入力され減算され
て出力される。この結果、位相比較結果は、 I1×Q2−Q1×I2=|V1|・|V2|sinθ となる。ここで、V1=(I1,Q1),V2=(I
2,Q2),|Vn|はベクトルVnの大きさ、θはV
1とV2の角度である。
【0042】図14は、高周波増幅器の位相回転を示す
図である。
【0043】入力信号ベクトル=(I2,Q2)=in 局部復調信号ベクトル=(I4,Q4)=dem 誤差信号ベクトル=(I3,Q3)=mod としたとき、 I3=I2−I4 Q3=Q2−Q4 なので、 誤差信号ベクトル=入力信号ベクトル−局部復調信号ベ
クトル となる。局部復調信号ベクトルの項を移項させると、 入力信号ベクトル=誤差信号ベクトル+局部復調信号ベクトル …(3) となる。入力信号ベクトルが増大し、高周波増幅器が飽
和すると局部復調ベクトルの大きさは、ほぼ一定とな
る。しかし、高周波増幅器の過剰位相回転により高周波
増幅器入力側のベクトル、誤差信号ベクトルと高周波増
幅器出力側のベクトル、局部復調信号ベクトルの間に
は、位相差が現われる。この位相差は、過剰位相回転量
であり、θと表す。
【0044】式3に従って、入力信号ベクトルを誤差信
号ベクトルと局部復調信号ベクトルの和で表したものが
図14のグラフである。in1、in2、in3は、入
力信号ベクトルを表し、この順番に振幅が増大してい
る。
【0045】mod1、mod2、mod3は、入力信
号ベクトルがそれぞれ、in1、in2、in3の時の
誤差信号ベクトルである。
【0046】dem1、dem2、dem3は、入力信
号ベクトルがそれぞれ、in1、in2、in3の時の
局部復調信号ベクトルである。
【0047】図14から分かるように、高周波増幅器の
飽和後、入力信号ベクトルが増大するに従って|dem
|・|mod|・sinθは増加する。
【0048】よって、位相比較回路12の出力も、高周波
増幅器の飽和後、入力信号ベクトルの増大に伴い、増加
する。
【0049】図10は、飽和検出回路の一例を示すブロ
ック図である。比較器41には、位相比較回路出力または
振幅計算回路出力と、比較基準値が入力される。比較器
は、位相比較回路出力または、振幅計算回路出力が、比
較基準値よりも大きくなったことを検出して出力する。
上で説明した様に、位相比較回路出力は、高周波増幅器
が飽和すると出力が増大する。よって、飽和検出回路出
力は、高周波増幅器の飽和を検出する信号を出力する。
【0050】上記のように、本発明の第1の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相誤差信号および直交誤差信
号と局部同相復調信号および局部直交復調信号との位相
差に基づいて飽和を検出し、同相入力信号および直交入
力信号の振幅を制限する構成としたので、送信前の最大
レベル調整動作が必要無くなり、送信前に最大レベル調
整動作が適用できない場合にも、送信時に飽和検出が行
える。送信前の最大動作レベル調整が許されていないシ
ステムでも、カーテシアン・フィードバック回路を使用
できる。
【0051】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、飽和検出回路の出力と、信号源からの同相入
力信号および直交入力信号と時刻情報と最大振幅情報と
最大振幅時の時刻情報とに基づいて算出した減衰量に従
って、同相入力信号および直交入力信号を減衰させる飽
和防止回路である。
【0052】図2は、本発明の第2の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。第2の
実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、信号源か
ら同相入力I1と直交入力Q1が供給され、利得制御回
路より制御される減衰器1と減衰器2に入力され、飽和
検出回路から検出信号、信号源から同相入力I1、直交
入力Q1、時刻、最大振幅、最大振幅時の時刻が、利得
制御回路へ入力されることである。
【0053】図13は、第2の実施の形態における飽和
防止回路に用いる利得制御回路のブロック図である。図
13において、振幅計算回路15は、同相入力Iと直交入
力Qの振幅を計算する回路である。振幅記憶回路25は、
飽和検出入力で示される飽和検出時に振幅計算回路15の
出力peak1を記憶する回路である。時刻記憶回路26
は、飽和検出入力で示される飽和検出時に時刻入力の時
刻t1を記憶する回路である。振幅記憶回路27は、最大
振幅設定に従って、最大の振幅peak2を記憶する回
路である。時刻記憶回路28は、最大振幅時の時刻設定に
従って、最大振幅時の時刻t2を記憶する回路である。
減衰量計算回路29は、振幅記憶回路25の出力peak
1、時刻記憶回路26の出力t1、振幅記憶回路27の出力
peak2、時刻記憶回路28の出力t2に従って、減衰
器の減衰量を計算する回路である。
【0054】上記のように構成された本発明の第2の実
施の形態における飽和防止回路の動作を説明する。図1
5は、信号源13の出力振幅の時間波形の一例を示す図で
ある。信号源13は、時刻0の時点で、これから送信する
変調波が確定しており、送信終了時点t3までの間で信
号源13の出力の振幅√(I1×I1+Q2×Q2)の最
大値peak2が、送信前に、あらかじめ分かる。この
時の時刻がt2である。送信開始前にpeak2は利得
制御回路14の振幅記憶回路27に、t2は利得制御回路14
の時刻記憶回路28に記憶される。
【0055】t1は、飽和検出回路11で飽和が検出され
る時刻である。peak1は、飽和検出回路11で飽和が
検出された時の信号源13の出力の振幅√(I1×I1+
Q2×Q2)である。
【0056】図13に示す利得制御回路中の振幅計算回
路15において、入力の振幅√(I1×I1+Q1×Q
1)が計算され、振幅記憶回路25にて、飽和検出時の振
幅peak1が記憶される。同時に、飽和検出時の時刻
t1が、時刻記憶回路26で記憶される。送信前に信号源
13より、全送信波形振幅の最大値peak2が振幅記憶
回路27に記憶され、最大値peak2が送信される時刻
t2が、時刻記憶回路28に記憶される。
【0057】減衰量計算回路29は、時刻をtとした時、 t≦t1 → 1 t1<t≦t2 → 1−(1−(peak1/peak
2))×(t− t1)/(t2−t1) t2<t≦t3 → (peak1/peak2) を出力する。
【0058】図16は、減衰量計算回路の出力の時間波
形の一例を示した図である。減衰量計算回路出力は、時
刻t1に飽和が検出されるまでは1である。時刻t1に
飽和が検出されると、減衰量を1から、送信期間終了ま
での最大値(peak2)が飽和無しで送信できる減衰
量(peak1/peak2)まで、線形に変化させ
る。最大値(peak2)を送信するt2以後は、減衰
量(peak1/peak2)を送信終了時刻t3まで
維持する。この様に、peak1時刻でのみ振幅制限が
行われ、それ以後は、振幅制限無しに送信を行うことが
できる。
【0059】上記のように、本発明の第2の実施の形態
では、飽和防止回路を、飽和検出回路の出力と、信号源
からの同相入力信号および直交入力信号と時刻情報と最
大振幅情報と最大振幅時の時刻情報とに基づいて算出し
た減衰量に従って、同相入力信号および直交入力信号を
減衰させる構成としたので、ピーク時刻でのみ振幅制限
をして、それ以後は振幅制限無しに送信を行うことがで
きる。
【0060】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態は、同相信号および直交信号と局部同相復調信号
および局部直交復調信号との位相差を検出する飽和防止
回路である。
【0061】図3は、本発明の第3の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。第3の
実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の入力が、同相信号I2、直交信号Q2と局部同
相復調信号I4、局部直交復調信号Q4であることであ
る。
【0062】上記のように構成された本発明の第3の実
施の形態における飽和防止回路の動作を説明する。図1
4の高周波増幅器の位相回転の一例に示すように、高周
波増幅器8の飽和に伴い、入力信号ベクトル=(I2,
Q2)=in と局部復調信号ベクトル=(I4,Q
4)=demの間に角度差が生じる。
【0063】位相比較回路12は、2つのベクトルinと
demの間の角度をθとすると、 |in|・|dem|×sinθ を出力する。よって、第3の実施の形態においても、高
周波増幅器8の飽和にともない、位相比較回路12の出力
は増大する。これにより、第1の実施の形態と同様に動
作することが可能である。
【0064】上記のように、本発明の第3の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相信号および直交信号と局部
同相復調信号および局部直交復調信号との位相差を検出
する構成としたので、同相信号および直交信号と復調信
号との位相差から送信時に飽和検出ができ、送信前の最
大レベル調整動作が必要無くなる。
【0065】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態は、同相信号および直交信号と局部同相復調信号
および局部直交復調信号との位相差を検出する飽和防止
回路である。
【0066】図4は、本発明の第4の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。第4の
実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の入力が、同相信号I2、直交信号Q2と局部同
相復調信号I4、局部直交復調信号Q4であることであ
る。
【0067】第3の実施の形態で説明したように、第4
の実施の形態においても、高周波増幅器8の飽和にとも
ない、位相比較回路12の出力は増大する。これにより、
第2の実施の形態と同様に動作することが可能となる。
【0068】上記のように、本発明の第4の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相信号および直交信号と局部
同相復調信号および局部直交復調信号との位相差を検出
する構成としたので、同相信号および直交信号と復調信
号との位相差から送信時に飽和検出ができ、送信前の最
大レベル調整動作が必要無くなるとともに、ピーク時刻
でのみ振幅制限をして、それ以後は振幅制限無しに送信
を行うことができる。
【0069】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態は、同相誤差信号および直交誤差信号と同相信号
および直交信号との位相差を検出する飽和防止回路であ
る。
【0070】図5は、本発明の第5の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。第5の
実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の入力が、同相信号I2、直交信号Q2と同相誤
差信号I3、直交誤差信号Q3であることである。
【0071】上記のように構成された本発明の第5の実
施の形態における飽和防止回路の動作を説明する。図1
4の高周波増幅器の位相回転の一例に示すように、高周
波増幅器8の飽和に伴い、入力信号ベクトル=(I2,
Q2)=in と誤差信号ベクトル=(I4,Q4)=
modの間に角度差が生じる。
【0072】位相比較回路12は、2つのベクトルinと
modの間の角度をθとすると、 |in|・|mod|×sinθ を出力する。よって、第5の実施の形態においても、高
周波増幅器8の飽和にともない、位相比較回路12の出力
は増大する。これにより、第1の実施の形態と同様に動
作することが可能となる。
【0073】上記のように、本発明の第5の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相誤差信号および直交誤差信
号と同相信号および直交信号との位相差を検出する構成
としたので、誤差信号と同相信号および直交信号との位
相差から送信時に飽和検出ができ、送信前の最大レベル
調整動作が必要無くなる。
【0074】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態は、同相誤差信号および直交誤差信号と同相信号
および直交信号との位相差を検出する飽和防止回路であ
る。
【0075】図6は、本発明の第6の実施の形態におけ
る飽和防止回路の構成を示すブロック図である。第6の
実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の入力が、同相信号I2、直交信号Q2と同相誤
差信号I3、直交誤差信号Q3であることである。
【0076】第5の実施の形態で説明したように、第6
の実施の形態においても、高周波増幅器8の飽和にとも
ない、位相比較回路12の出力は増大する。これにより、
第2の実施の形態と同様に動作することが可能となる。
【0077】上記のように、本発明の第6の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相誤差信号および直交誤差信
号と同相信号および直交信号との位相差を検出する構成
としたので、誤差信号と同相信号および直交信号との位
相差から送信時に飽和検出ができ、送信前の最大レベル
調整動作が必要無くなるとともに、ピーク時刻でのみ振
幅制限をして、それ以後は振幅制限無しに送信を行うこ
とができる。
【0078】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
の形態は、同相誤差信号および直交誤差信号の振幅を計
算して飽和を検出する飽和防止回路である。
【0079】図7は、本発明の第7の実施の形態におけ
る飽和検出回路の構成を示すブロック図である。第7の
実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の代わりに、振幅計算回路15が使われていること
である。
【0080】上記のように構成された本発明の第7の実
施の形態における飽和防止回路の動作を説明する。高周
波増幅器8の飽和に伴い、誤差信号ベクトル=(I3,
Q3)の振幅の変化を述べる。最初に、高周波増幅器8
の飽和に伴い、過剰位相推移が起こらない場合を考察す
る。高周波増幅器8が線形動作している場合には、ルー
プ利得をGLとすると、 I3=I2−I4=I2−GL×I3 Q3=Q2−Q4=Q2−GL×Q3 なので、上式を解くと I3=I2/(1+GL) Q3=Q2/(1+GL) となる。これより、誤差信号の振幅を計算すると √(I3×I3+Q3×Q3)= √(I2×I2+Q
2×Q2)/(1 + GL) となる。この様に、高周波増幅器8が線形動作している
場合、誤差信号は、入力信号の振幅の1/(1+GL)
倍の割合で変化する。
【0081】高周波増幅器8が飽和した場合には、局部
復調信号は一定値となるので、各々をI4sat、Q4sat
とすると、 I3=I2−I4sat Q3=Q2−Q4sat となる。I4sat、Q4sat共に一定値なので、高周波増
幅器8の飽和後は、I2、Q2に比例して変化する。I
2の変化量をΔI2、Q2の変化量をΔQ2、I3の変
化量をΔI3、Q3の変化量をΔQ3とすると ΔI3=ΔI2 ΔQ3=ΔQ2 となる。よって、 √((ΔI3)×(ΔI3)+(ΔQ3)×(ΔQ
3))=√((ΔI2)×(ΔI2)+(ΔQ2)×
(ΔQ2)) となる。この様に、高周波増幅器8の飽和後は、入力信
号の振幅の増加と同じだけ誤差信号の振幅は増大する。
したがって、高周波増幅器8の飽和後は、急峻に誤差信
号の振幅が増加する。よって、誤差信号の増加を検出す
ることにより、飽和を検出することができる。
【0082】次に、高周波増幅器8の飽和に伴い、過剰
位相推移が起こる場合を考察する。線形動作している場
合には、過剰位相推移が起こらないので、上記の過剰位
相推移が起こらない場合の線形動作時と同様であり、誤
差信号は、入力信号の振幅の1/(1+GL)倍の割合
で変化する。
【0083】図17は、高周波増幅器の過剰位相推移の
無い場合と過剰位相推移がある場合の誤差信号ベクトル
の比較を示した図である。過剰位相推移の無い場合の各
ベクトルの大きさの関係は、 |in|=|dem1|+|mod1| となる。これを二乗すると、 |in|×|in|=|dem1|×|dem1|+|
mod1|×|mod1|+2×|dem1|×|mo
d1| となる。過剰位相推移のある場合の各ベクトルの大きさ
の関係は、 |in|×|in|=|dem2|×|dem2|+|
mod2|×|mod2| となる。上記2式より、 |dem1|×|dem1|+|mod1|×|mod
1|+2×|dem1|×|mod1|=|dem2|
×|dem2|+|mod2|×|mod2| となる。高周波増幅器8は飽和しているので、 |dem1|=|dem2| となる。これを上式に代入して整理すると、 |mod1|×|mod1|+2×|dem1|×|m
od1|=|mod2|×|mod2| となる。以上より、 |mod1|≦|mod2| となる。よって、過剰位相推移のある場合の誤差信号ベ
クトルの大きさは、過剰位相推移の無い場合に比べて大
きい。
【0084】この様に、高周波増幅器8の飽和後は、入
力信号の振幅の増加に伴い、急峻に誤差信号の振幅は増
加する。よって、誤差信号の振幅の増加を検出すること
により、飽和を検出することができる。これにより、第
1の実施の形態と同様に動作することが可能となる。
【0085】上記のように、本発明の第7の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相誤差信号および直交誤差信
号の振幅を計算して飽和を検出する構成としたので、誤
差信号の振幅から送信時に飽和検出ができ、送信前の最
大レベル調整動作が必要無くなる。
【0086】(第8の実施の形態)本発明の第8の実施
の形態は、同相誤差信号および直交誤差信号の振幅を計
算して飽和を検出する飽和防止回路である。
【0087】図8は、本発明の第8の実施の形態におけ
る飽和検出回路の構成を示すブロック図である。第8の
実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、位相比較
回路12の代わりに、振幅計算回路15が使われていること
である。
【0088】第7の実施の形態で説明したように、高周
波増幅器8の飽和後は、入力信号の振幅の増加に伴い、
急峻に誤差信号の振幅が増加する。これにより、第2の
実施の形態と同様に動作することが可能となる。
【0089】上記のように、本発明の第8の実施の形態
では、飽和防止回路を、同相誤差信号および直交誤差信
号の振幅を計算して飽和を検出する構成としたので、誤
差信号の振幅から送信時に飽和検出ができ、送信前の最
大レベル調整動作が必要無くなるとともに、ピーク時刻
でのみ振幅制限をして、それ以後は振幅制限無しに送信
を行うことができる。
【0090】なお、第1〜8の実施の形態の飽和防止回
路を無線送信機に用いることにより、送信前の最大動作
レベル調整が許されていない無線送信機でも、カーテシ
アン・フィードバック回路を利用して変調の直線性を改
善して、帯域外不要輻射を減らして隣接チャネルへの妨
害を無くすことができる。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、同相信号から局部同相復調信号を減算して同相誤
差信号を算出する同相減算回路と、直交信号から局部直
交復調信号を減算して直交誤差信号を算出する直交減算
回路と、同相誤差信号および直交誤差信号を帯域制限す
るループフィルタと、ループフィルタの出力を搬送波で
直交変調する直交変調器と、直交変調器の出力を増幅し
て送信する高周波増幅器と、高周波増幅器の出力を位相
調整された搬送波を用いて復調して局部同相復調信号お
よび局部直交復調信号として同相減算回路および直交減
算回路に出力する直交復調器とを備えたカーテシアン・
フィードバック回路における飽和防止回路を、同相誤差
信号および直交誤差信号と局部同相復調信号および局部
直交復調信号との位相差を検出する位相比較回路と、位
相比較回路の出力に基づいて飽和を検出する飽和検出回
路と、飽和検出回路の出力に基づいて同相入力信号およ
び直交入力信号の振幅を制限して同相信号および直交信
号を出力する振幅制限回路とを具備する構成としたの
で、送信時に飽和検出を行って振幅制限することによ
り、送信前の最大動作レベル調整が不要になり、送信前
の最大動作レベル調整が許されていないシステムにも、
カーテシアン・フィードバック回路を適用できるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図2】本発明の第2の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図3】本発明の第3の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図4】本発明の第4の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図5】本発明の第5の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図6】本発明の第6の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図7】本発明の第7の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図8】本発明の第8の実施の形態における飽和防止回
路の構成を示すブロック図、
【図9】位相比較回路の一例の構成を示すブロック図、
【図10】飽和検出回路の一例の構成を示すブロック
図、
【図11】振幅制限回路の一例の構成を示すブロック
図、
【図12】振幅計算回路の一例の構成を示すブロック
図、
【図13】利得制御回路の一例の構成を示すブロック
図、
【図14】高周波増幅器の位相回転の一例を示す図、
【図15】信号源の出力振幅の時間波形の一例を示す
図、
【図16】減衰量計算回路の出力の時間波形の一例を示
す図、
【図17】高周波増幅器の過剰位相推移の無い場合と過
剰位相推移がある場合の誤差信号ベクトルの比較の図、
【図18】従来のカーテシアン・フィードバック回路の
原理を示す図、
【図19】従来の最大動作レベル設定回路の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1、2 減衰器 3、4、18 減算回路 5、6 ループ・フィルタ 7 直交変調器 8 高周波増幅器 9 直交復調器 10 振幅制御回路 11 飽和検出回路 12 位相比較回路 13 信号源 14 利得制御回路 15 振幅計算回路 16、17、23、24、30、31 掛算回路 19 割り算回路 20、25、27 振幅記憶回路 21 スイッチ制御回路 22、39 スイッチ 26、28 時刻記憶回路 29 減衰量計算回路 32 加算回路 33 開平計算回路 34 減衰器制御回路 35 サンプル&ホールド回路 36、38、41 比較器 37 比較基準値 40 ランプ電圧発生器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同相信号から局部同相復調信号を減算し
    て同相誤差信号を算出する同相減算回路と、直交信号か
    ら局部直交復調信号を減算して直交誤差信号を算出する
    直交減算回路と、前記同相誤差信号および前記直交誤差
    信号を帯域制限するループフィルタと、前記ループフィ
    ルタの出力を搬送波で直交変調する直交変調器と、前記
    直交変調器の出力を増幅して送信する高周波増幅器と、
    前記高周波増幅器の出力を位相調整された搬送波を用い
    て復調して前記局部同相復調信号および前記局部直交復
    調信号として前記同相減算回路および前記直交減算回路
    に出力する直交復調器とを備えたカーテシアン・フィー
    ドバック回路における飽和防止回路であって、前記同相
    誤差信号および前記直交誤差信号と前記局部同相復調信
    号および前記局部直交復調信号との位相差を検出する位
    相比較回路と、前記位相比較回路の出力に基づいて飽和
    を検出する飽和検出回路と、前記飽和検出回路の出力に
    基づいて同相入力信号および直交入力信号の振幅を制限
    して前記同相信号および前記直交信号を出力する振幅制
    限回路とを具備することを特徴とする飽和防止回路。
  2. 【請求項2】 前記同相入力信号と前記直交入力信号と
    を出力する信号源と、前記飽和検出回路の出力を入力す
    るとともに前記信号源から前記同相入力信号および前記
    直交入力信号と時刻情報と最大振幅情報と最大振幅時の
    時刻情報とを入力して減衰量を算出する利得制御回路
    と、前記同相入力信号および前記直交入力信号を前記利
    得制御回路の出力に従って減衰させる減衰器とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の飽和防止回路。
  3. 【請求項3】 前記位相比較回路を、前記同相信号およ
    び前記直交信号と前記局部同相復調信号および前記局部
    直交復調信号との位相差を検出する回路としたことを特
    徴とする請求項1記載の飽和防止回路。
  4. 【請求項4】 前記位相比較回路を、前記同相信号およ
    び前記直交信号と前記局部同相復調信号および前記局部
    直交復調信号との位相差を検出する回路としたことを特
    徴とする請求項2記載の飽和防止回路。
  5. 【請求項5】 前記位相比較回路を、前記同相誤差信号
    および前記直交誤差信号と前記同相信号および前記直交
    信号との位相差を検出する回路としたことを特徴とする
    請求項1記載の飽和防止回路。
  6. 【請求項6】 前記位相比較回路を、前記同相誤差信号
    および前記直交誤差信号と前記同相信号および前記直交
    信号との位相差を検出する回路としたことを特徴とする
    請求項2記載の飽和防止回路。
  7. 【請求項7】 前記位相比較回路の代わりに、前記同相
    誤差信号および前記直交誤差信号の振幅を計算する振幅
    計算回路を設け、前記飽和検出回路を、前記振幅計算回
    路回路の出力に基づいて飽和を検出する回路としたこと
    を特徴とする請求項1記載の飽和防止回路。
  8. 【請求項8】 前記位相比較回路の代わりに、前記同相
    誤差信号および前記直交誤差信号の振幅を計算する振幅
    計算回路を設け、前記飽和検出回路を、前記振幅計算回
    路の出力に基づいて飽和を検出する回路としたことを特
    徴とする請求項2記載の飽和防止回路。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載の飽和防止回路を有す
    ることを特徴とする無線送信機。
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