JP2000243591A - 誘電体バリア放電ランプ光源装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ光源装置

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JP2000243591A JP3959899A JP3959899A JP2000243591A JP 2000243591 A JP2000243591 A JP 2000243591A JP 3959899 A JP3959899 A JP 3959899A JP 3959899 A JP3959899 A JP 3959899A JP 2000243591 A JP2000243591 A JP 2000243591A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマ分子を効率的に生成し、高効率な誘
電体バリア放電ランプ光源装置を提供すること。 【解決手段】 誘電体バリア放電によってエキシマ分子
を生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間
(2)があって、前記放電用ガスに放電現象を誘起せし
めるための両極の電極(3,4)のうちの少なくとも一
方と前記放電用ガスの間に誘電体(5,6)が介在する
構造を有するランプ(1)と、前記ランプの前記電極
(3,4)に高電圧を印加するための、フライバックイ
ンバータと昇圧トランスを用いた給電装置(7)とを有
して、前記フライバックインバータのスイッチ素子(1
0)がオンになるときにも、前記放電ランプに有効な放
電が生じるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電ランプの一種
で、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し、
前記エキシマ分子から放射される光を利用する、いわゆ
る誘電体バリア放電ランプを含む光源装置に関する。
【0002】
【従来技術】本発明に関連した技術としては、誘電体バ
リア放電ランプについては、例えば日本国公開特許公報
平2−7353号があり、そこには、放電容器にエキシ
マ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放
電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発
行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再販7刷
発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成
せしめ、前記エキシマ分子から放射される光を取り出す
放射器が記載されている。
【0003】図1に示すように、誘電体バリア放電ラン
プ(1)には、放電プラズマ空間(2)を挟んで電極
(3,4)の間に、1枚または2枚の誘電体が存在す
る。図1は、2枚の誘電体(5,6)が存在するランプ
を表している。因みに、図1ではランプ封体(9)が、
誘電体(5,6)を兼ねている。
【0004】誘電体バリア放電ランプ(1)を点灯させ
る際は、その両極の電極(3,4)に、例えば、10k
Hz〜200kHz、2kV〜10kVの高周波の交流
電圧が印加される。ところが放電プラズマ空間(2)と
電極(3,4)の間に介在する誘電体(5,6)のた
め、電極(3,4)から放電プラズマ空間(2)に直接
に電流が流れるのではなく、誘電体(5,6)がコンデ
ンサの働きをすることによって電流が流れる。すなわ
ち、各誘電体(5,6)の放電プラズマ空間(2)側の
面には、各電極(3,4)側の面と等量逆符号の電荷が
誘電体の分極により誘起され、放電プラズマ空間(2)
を挟んで対向する誘電体(5,6)の面の間で放電す
る。
【0005】誘電体(5,6)の放電プラズマ空間
(2)側の面に沿っては電流があまり流れないため、放
電が生じた部分では、誘電体(5,6)の放電プラズマ
空間(2)側の面に誘起された電荷は、放電により移動
した電荷により中和され、放電プラズマ空間(2)の電
界が減少するため、電極(3,4)への電圧印加が継続
されていても、放電電流はやがて停止してしまう。ただ
し、電極(3,4)への印加電圧がさらに上昇する場合
は、放電電流は持続する。1度の放電が生じた後、放電
が停止した部分は、電極(3,4)に印加される電圧の
極性が反転するまで、再放電しない。
【0006】例えば、キセノンガスを封入したランプの
場合、キセノンガスは、放電によりイオンと電子に分離
し、キセノンプラズマとなる。このプラズマ中で、特定
のエネルギー準位に励起されたキセノンが結合し、エキ
シマ分子が形成される。キセノンエキシマは、ある寿命
時間を経過すると解離してしまうが、このときに開放さ
れるエネルギーが真空紫外波長の光子として放出され
る。ランプが真空紫外光源として効率的に動作させるた
めには、このエキシマ分子形成を効率的にする必要があ
る。
【0007】放電時に効率的なエキシマ分子形成を阻害
する大きな要因は、放電プラズマをエキシマ分子形成に
寄与しないエネルギー準位へ励起してしまうことであ
る。放電開始直後の放電プラズマの電子運動は集団的で
あり、エネルギーは高いが温度は低い状態にある。この
状態では、放電プラズマは、エキシマ分子を形成するた
めに必要な共鳴状態に遷移する確率が高い。
【0008】しかし、放電エネルギーが過大であった
り、放電時間が長くなると、プラズマの電子運動は次第
に熱的、すなわちマックスウェル−ボルツマン分布と呼
ばれる熱平衡状態になり、プラズマ温度が上昇し、エキ
シマ分子を形成できないような、より高い励起状態に遷
移する確率が上昇してしまう。
【0009】さらに、エキシマ分子が形成された場合で
も、寿命時間の経過を待って所期の光子を放出して自然
に解離する前に、後続の放電により、エキシマ分子が破
壊される場合もある。実際、キセノンエキシマの例で
は、放電開始から真空紫外波長の光子放出まで、1μs
程度の期間を要し、この期間内の後続の放電や再放電は
エキシマ発光の効率を低下させる。
【0010】すなわち、一度放電が開始したならば、短
い時間で、必要な電力をプラズマに投入して、できるだ
け早く放電を終了させることにより、後続する放電のエ
ネルギーはできるだけ小さくすることが非常に重要であ
ることがわかる。この点で、従来の誘電体バリア放電ラ
ンプ光源装置は満足できるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここで、エキシマ分子
形成を効率的にするために行われた発明として、特開平
9−199285号がある。この発明は、エキシマ分子
形成を効率的に実現する必要条件として、ランプ印加電
圧のパルス幅を規定するものである。
【0012】さらに、エキシマ分子形成を効率的にする
ために行われた発明として、特開平10−223384
号がある。この発明は、エキシマ分子形成を効率的に実
現する必要条件として、ランプ印加電圧の立上がり時間
を規定するものである。これらの発明においては、高周
波の交流電圧を生成するためのインバータとして、主と
してフライバックインバータを用いた実施例を挙げて説
明がなされている。
【0013】図3に、フライバックインバータを用いた
高周波の交流電圧発生回路の例を示す。また、これを用
いた、従来のランプ印加電圧波形を図4に示す。フライ
バックインバータは、基本的にトランジスタやFET等
のスイッチ素子を1個しか必要としないため、低コスト
であるという経済的利点がある。
【0014】しかし、その反面、高電圧の発生が、スイ
ッチ素子がオフになることにより発現されるため、動作
が負荷インピーダンスの影響を受け易いという欠点があ
る。また、前記特開平10−223384号に規定され
た条件を満足させるためには、昇圧トランスのインダク
タンス等の調整によって達成するしかなく、設計の自由
度が低かった。
【0015】誘電体バリア放電ランプは、放電プラズマ
空間の電圧の極性が逆転することにより放電が生じるた
め、普通、ランプ印加電圧波形の1周期に、複数回の放
電が発生する。前記特開平9−199285号や特開平
10−223384号の発明の構成では、ランプ印加電
圧波形の主たるピーク部分(Wm)の、前半部と後半部
で生じる、計2回の放電においては、その立上がり時
間、立下がり時間が短いため、前記の、一度放電が開始
したならば、短い時間で、必要な電力をプラズマに投入
して、できるだけ早く放電を終了させることという条件
に概ね合致する。しかし、それ以外の振動波形の部分
(Ws)に関しては、従来の正弦波的な駆動との差異が
あまりなく、したがって、ランプ発光量の増加には寄与
するが、エキシマ発光の効率はよくないものであった。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで上記の課題を解決
するために、この発明の誘電体バリア放電ランプ光源装
置は、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を生成す
る放電用ガスが充填された放電プラズマ空間(2)があ
って、前記放電用ガスに放電現象を誘起せしめるための
両極の電極(3,4)のうちの少なくとも一方と前記放
電用ガスの間に誘電体(5,6)が介在する構造を有す
るランプ(1)と、前記ランプの前記電極(3,4)に
高電圧を印加するための、フライバックインバータと昇
圧トランスを用いた給電装置(7)とを有して、前記フ
ライバックインバータのスイッチ素子(10)がオンに
なるときにも、前記放電ランプに有効な放電が生じるよ
うにしたことを特徴とする。
【0017】
【作用】図3において、ゲート駆動回路(13)よりの
ゲート信号(G(t))は、FET等よりなるスイッチ素
子(10)のゲート端子に供給される。ここでは、スイ
ッチ素子(10)は、ゲート信号(G(t))がハイレベ
ルのときにオン、ゲート信号(G(t))がローレベルの
ときにオフになるものとする。
【0018】スイッチ素子(10)がオンになると、昇
圧トランス(8)の1次側巻線(11)に電源(14)
の電圧が印加され、1次側電流(Ip(t))が流れ始め
る。1次側電流(Ip(t))は、スイッチ素子(10)
がオンである期間の長さに比例して増加し、昇圧トラン
ス(8)のコアに磁気エネルギーを蓄積してゆく。
【0019】スイッチ素子(10)がオフになると、1
次側電流(Ip(t))が急激に切断されるため、1次側
巻線(11)に逆極性の電圧が発生するが、これに対
し、概ね1次側巻線に対する2次側巻線の巻き数比倍に
増倍された電圧が、2次側電圧、すなわちランプ印加電
圧(E(t))として発生する。ランプ印加電圧(E
(t))は、2次側インダクタンスとランプの静電容量と
で決まる共振の周波数に基づく早さで増大し、ランプ
(1)の放電プラズマ空間(2)の電圧が、放電開始電
圧に達すると、放電(F1)が開始される。放電開始
後、ランプ印加電圧(E(t))がピークを迎えると、放
電が停止する。この様子は、図4に示す通りである。た
だし、放電電流(Id(t))は、放電プラズマ空間
(2)内の電荷の流れを概念的に表したもので、2次側
電流(Is(t))とは同じではなく、直接に測定するこ
とは不可能なものである。
【0020】その後、前記共振の現象に従って、ランプ
印加電圧(E(t))が0ボルトに近づくと、先の放電に
よって放電プラズマ空間(2)を移動して誘電体(5,
6)に付着した電荷が形成する電界により、先の放電と
は逆方向の放電(F2)が生じる。ここまでの主たるピ
ーク部分(Wm)の2回の放電にて、ランプの電力投入
の大部分を占めるが、通常は、前記共振の現象に従っ
て、ランプ印加電圧(E(t))が振動するため、放電プ
ラズマ空間(2)の電圧が、放電開始電圧に達する条件
が成立し得る限り、放電の開始と停止を繰り返す。
【0021】前記した、スイッチ素子(10)がオンの
期間(τon)においても、1次側巻線に対する2次側巻
線の巻き数比倍に増倍された電圧が、ランプ印加電圧
(E(t))として発生しているが、従来の誘電体バリア
放電ランプ光源装置においては、このときに発生する電
圧によって、有効な放電が生じるようにしていなかっ
た。
【0022】しかし、スイッチ素子(10)がオンにな
るとき(ton)の1次側電圧(Vp(t))の遷移は、ス
イッチ素子(10)によって1次側巻線(11)が電源
(14)に直結されることにより生じるため、非常に低
いインピーダンスで駆動されることになる。従って、こ
のときにランプ(1)から見た昇圧トランス(8)の2
側巻線(12)のインピーダンスも非常に低い。ランプ
(1)が出力インピーダンスの低い回路で強力に駆動さ
れるため、ランプ印加電圧は急峻に変化し、しかも、そ
の後は一定電圧を維持する、ステップ関数的波形である
ため、このときに放電させれば、前記のエキシマ分子形
成を効率的にするための、一度放電が開始したならば、
短い時間で、必要な電力をプラズマに投入して、できる
だけ早く放電を終了させることという条件に極めてうま
く合致する。何となれば、誘電体バリア放電ランプにお
いては、誘電体(5,6)がコンデンサの働きをするこ
とによって電流が流れるため、ステップ関数的波形の電
圧が急峻に変化するときにのみ電流が流れ、その後の平
坦な期間においては、電流が流れず、そのため、放電は
短期間に発生し、直ちに終了するからである。
【0023】その上、いま述べたように、スイッチ素子
(10)がオンになるとき(ton)およびそれ以降のス
イッチ素子(10)がオンの期間(τon)において、給
電装置の出力インピーダンスが低い状態が維持されるた
め、動作が負荷インピーダンスの影響を受けにくくなる
利点も有する。例えば、ランプの温度変化や、昇圧トラ
ンス(8)の1次側または2次側の配線の長さや引き回
しの変化があって、フライバックインバータから見た負
荷インピーダンスが変動しても、スイッチ素子(10)
がオンの期間(τon)の動作は、その変動の影響をほと
んど受けない。
【0024】なお、スイッチ素子(10)として、例え
ばパワーMOSFETを使用する場合、通常は、それ自
体に内蔵ダイオード(15)が含まれている。これによ
り、1次側電流(Ip(t))は、逆方向にはほぼ自由に
流れるため、主たるピーク部分(Wm)後のランプ印加
電圧波形(E(t))に平坦部(Wf)が生じる。もし、
スイッチ素子(10)に直列にダイオード(16)を挿
入した場合は、前記内蔵ダイオード(15)の働きは阻
止されるため、図5のように、前記ランプ印加電圧波形
(E(t))の平坦部(Wf)は生じない。本発明におい
ては、直列ダイオード(16)の有無は本質的な重要性
をもたず、これにに関係なく機能する。
【0025】
【発明の実施の形態】図6は、本発明の第1の実施例の
ランプ印加電圧波形(E(t))を示す。図6では、主た
るピーク部分(Wm)とそれに続く振動波形の部分(W
s)の放電の後に、スイッチ素子(10)がオンになる
とき(ton)の電圧遷移による放電を生じせしめてい
る。これを実現するためには、スイッチ素子(10)が
オンの期間(τon)の昇圧トランス(8)の電圧、すな
わちランプ印加電圧(E(t))が放電開始電圧に達する
ように、電源(14)の電圧と、1次側巻線に対する2
次側巻線の巻き数比を定めればよい。
【0026】スイッチ素子(10)がオンになるとき
(ton)に投入される電力は、当然主たるピーク部分
(Wm)のそれより小さいこともあるが、それでも、前
記のように、発光効率が非常に高いので、全体としてエ
キシマ分子形成を効率的にすることができる。また、前
記のように、フライバックインバータから見た負荷イン
ピーダンスが変動しても、スイッチ素子(10)がオン
の期間(τon)の動作は、その変動の影響をほとんど受
けないため、光量の安定性が高い。
【0027】図7は、本発明の第2の実施例のランプ印
加電圧波形(E(t))を示す。図7では、主たるピーク
部分(Wm)を過ぎ、それに続く振動波形の部分(Ws)
が終了していないうちに、スイッチ素子(10)がオン
になるとき(ton)の電圧遷移による放電を生じせしめ
ている。これを実現するためには、前記のように、スイ
ッチ素子(10)がオンの期間(τon)の昇圧トランス
(8)の電圧、すなわちランプ印加電圧(E(t))が放
電開始電圧に達するように、電源(14)の電圧と、1
次側巻線に対する2次側巻線の巻き数比を定めるととも
に、所期のタイミングでスイッチ素子(10)がオンに
なるように、ゲート駆動回路(13)の周期およびデュ
ーティサイクル比を定めればよい。
【0028】スイッチ素子(10)がオンになるとき
(ton)のタイミングとして、振動波形の部分(Ws)
において、スイッチ素子(10)がオンの期間(τon)
のランプ印加電圧(E(t))とは逆極性の絶対値の極大
点のタイミング(t1)付近とすることが有利である。
なぜなら、スイッチ素子(10)がオンになるとき(t
on)の電圧の遷移量が大きいため、放電によって放電プ
ラズマ空間(2)を移動して誘電体(5,6)に付着し
た電荷の存在量によらず、確実に鋭い放電を発生できる
からである。また、絶対値の極大点のタイミング(t
1)直前の放電によって放電プラズマ空間(2)を移動
して誘電体(5,6)に付着した電荷が存在するときに
は、その電荷の影響を有利に利用することになるため、
前記したこの放電の有利な特徴、すなわちエキシマ分子
形成を効率的にする特徴が強調される。
【0029】図9は、本発明の第2の実施例のランプ印
加電圧波形(E(t))と2次側電流波形(Is(t))の
実測データである。なお、この図は図6や図7と比べ
て、極性が逆になっているが、これは波形測定のための
基準点の取り方の違いによるだけである。図10は、図
9に概ね示す区間(Z)の部分を拡大測定したものであ
る。図11は、図10の波形を計算機にて解析処理して
放電電流波形(Id(t))を算出し、ランプ印加電圧波
形(E(t))と2次側電流波形(Is(t))とともに示
したものである。
【0030】ここで、図11のように、ランプ印加電圧
波形(E(t))と2次側電流波形(Is(t))から放電
電流波形(Id(t))を算出する方法について説明す
る。図1の誘電体バリア放電ランプ(1)を、図2に示
す等価回路に表すとき、放電プラズマ空間(2)の静電
容量C1、誘電体(5,6)の静電容量C2、それにラ
ンプに並列的に存在する浮遊静電容量C3により決ま
る、次の2個の係数Cu=1+C1/C2 (式1) Cv=C1+C3・Cu (式2) を用いれば、放電電流(Id(t))は次式により求める
ことができる。 Id(t)=Cu・Is(t)−Cv・dE(t)/dt (式3) ただし、誘電体が2枚の場合は、それぞれの静電容量を
直列合成したものをC2とすればよい。この方法は、数
値微分を使用するため、得られた結果の波形なかの電流
値の小さい領域における精度はあまり良くないが、放電
開始時は速い立上がりを示すため、これを見出す目的で
使用する限り問題はない。
【0031】図9、図10、図11の場合の解析条件、
および実験条件は次の通りである。 C1:35pF C2:220pF C3:15pF 周波数:36kHz トランス1次側インダクタンス:33μH トランス2次側インダクタンス:6.1mH トランス結合係数:0.9930 誘電体:石英ガラス−厚さ1mm 放電ガス:キセノン−圧力33kPa 放電ギャップ:4.3mm
【0032】図11においては、放電電流波形(Id
(t))は、時刻Td1および時刻Td2の2点において
鋭く立ち上がっており、従って、スイッチ素子(10)
がオンになるとき(ton)とスイッチ素子(10)がオ
フになるときにおいて主要な放電が発生していることが
わかる。なお、放電電流波形(Id(t))をさらに注意
して見ると、時刻Td3および時刻Td4においても、
放電が発生していると判断できる。
【0033】図8は、本発明の第3の実施例のランプ印
加電圧波形(E(t))を示す。図8では、主たるピーク
部分(Wm)の前半の放電完了後、それに続く主たるピ
ーク部分(Wm)の後半の自発的な放電の前、もしくは
同時、あるいは直後に、スイッチ素子(10)がオンに
なるとき(ton)の電圧遷移による放電を生じせしめて
いる。これを実現するためには、前記のように、所期の
タイミングでスイッチ素子(10)がオンになるよう
に、ゲート駆動回路(13)の周期およびデューティサ
イクル比を定めればよい。ただし、スイッチ素子(1
0)がオンの期間(τon)のランプ印加電圧(E(t))
は、前記第1の実施例およ第2の実施例の場合より小さ
くできる場合がある。なぜなら、主たるピーク部分(W
m)の前半の放電完了後には、前記のように、先の放電
によって放電プラズマ空間(2)を移動して誘電体
(5,6)に付着した電荷量が、前記第1の実施例およ
第2の実施例の場合より多く、スイッチ素子(10)が
オンになるとき(ton)に強い電界が形成されるからで
ある。
【0034】スイッチ素子(10)がオンになるとき
(ton)のタイミングとしては、前記第2の実施例の場
合のような、ランプ印加電圧波形(E(t))の主たるピ
ーク部分(Wm)の絶対値の極大点付近にとることを避け
る方がよい場合がある。何となれば、前記第2の実施例
の場合のような、ランプ印加電圧波形(E(t))の主た
るピーク部分(Wm)の絶対値の極大点付近でスイッチ
素子(10)がオンになる場合は、その瞬間におけるフ
ライバックインバータのスイッチ素子(10)に流れる
パルス状の電流尖頭値が大きくなるからである。より有
利には、主たるピーク部分(Wm)の絶対値の極大点付
近を過ぎて0ボルトに近づき、かつ自発的な放電が開始
する直前のタイミングを選ぶとよい。このとき、スイッ
チ素子(10)がオンになるとき(ton)の放電による
発光量にはほとんど影響なく、スイッチ素子(10)に
流れるパルス状の電流尖頭値がもっとも小さくなる。
【0035】ここで挙げた回路構成等は、本発明の特徴
を説明するための、簡略化された概念図であって、実際
の設計時には、必要に応じて付加回路や保護回路等が付
加されるべきものである。また、電源(14)やフライ
バックインバータのスイッチ素子(10)の極性、スイ
ッチ素子(10)のゲート駆動の論理は、本発明の特徴
には無関係で、素子の入手の都合や回路構成上の都合に
より変更してもよい。また、ランプ印加電圧波形(E
(t))の極性を逆にしても、本発明の優れた特徴は良好
に保持される。
【0036】ここで挙げた回路動作や波形等は一例であ
って、それぞれの回路構成やランプの構造や大きさ、封
入ガス成分等により微妙に変化するし、また、図7と図
9とを比較すれば明らかなように、図6、図7、図8等
の概念波形図に対して、実際の波形には、リンギングや
ノイズなどが重畳されるが、本発明の優れた利点は、こ
れらの微妙な変化や重畳成分があっても、有効に発揮さ
れる。
【0037】なお本発明は、封体(9)ガラスの内面や
外面に蛍光体を塗布したランプにおいても良好に機能す
る。
【0038】
【効果】フライバックインバータスイッチ素子(10)
がオンになるとき(ton)にもランプ有効な放電が生じ
るようにすることにより、ランプ(1)が出力インピー
ダンスの低い回路で強力に駆動されるため、ランプ印加
電圧は急峻に変化し、しかも、その後は一定電圧を維持
する、ステップ関数的波形であるため、一度放電が開始
したならば、短い時間で、必要な電力をプラズマに投入
して、できるだけ早く放電を終了させることという条件
に極めてうまく合致し、エキシマ分子形成を効率的にす
ることができ、結果的に高効率な誘電体バリア放電ラン
プ光源装置が実現できる。
【0039】また、例えば、ランプの温度変化や、昇圧
トランス(8)の1次側または2次側の配線の長さや引
き回しの変化があって、フライバックインバータから見
た負荷インピーダンスが変動しても、スイッチ素子(1
0)がオンの期間(τon)の動作は、その変動の影響を
ほとんど受けない、優れた誘電体バリア放電ランプ光源
装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電体バリア放電ランプを示す。
【図2】誘電体バリア放電ランプの等価回路を示す。
【図3】高周波交流電圧の発生回路を示す。
【図4】従来のランプ印加電圧波形を示す。
【図5】ランプ印加電圧波形を示す。
【図6】ランプ印加電圧波形を示す。
【図7】ランプ印加電圧波形を示す。
【図8】ランプ印加電圧波形を示す。
【図9】ランプ印加電圧波形と電流波形の実測値を示
す。
【図10】図9の部分拡大図を示す。
【図11】図10の波形を計算機により解析処理をした
図を示す。
【符号の説明】
1 放電ランプ 2 放電プラズマ空間 3 電極 4 電極 5 誘電体 6 誘電体 7 給電装置 8 昇圧トランス 10 スイッチ素子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体バリア放電によってエキシマ分子
    を生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間
    (2)があって、この放電用ガスに放電現象を誘起せし
    めるための両極の電極(3,4)のうちの少なくとも一
    方と前記放電用ガスの間に誘電体(5,6)が介在する
    構造を有する放電ランプ(1)と、前記放電ランプの前
    記電極(3,4)に高電圧を印加するための、フライバ
    ックインバータと昇圧トランスを用いた給電装置(7)
    とを有する誘電体バリア放電ランプ光源装置において、 前記フライバックインバータのスイッチ素子(10)が
    オンになるときにも、前記放電ランプが有効な放電を生
    じるようにしたことを特徴とする誘電体バリア放電ラン
    プ光源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005129523A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Patent Treuhand Ges Elektr Gluehlamp Mbh 誘電体バリア放電ランプの駆動回路、照明装置、モニタ、および誘電体バリア放電ランプの点弧方法
KR100574812B1 (ko) * 2001-05-25 2006-04-27 우시오덴키 가부시키가이샤 유전체 배리어 방전 램프 점등장치
WO2022049882A1 (ja) * 2020-09-01 2022-03-10 ウシオ電機株式会社 光源装置

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