JP2000241328A - 水分計の校正方法および繊維シートの水分率測定方法 - Google Patents

水分計の校正方法および繊維シートの水分率測定方法

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JP2000241328A JP4176699A JP4176699A JP2000241328A JP 2000241328 A JP2000241328 A JP 2000241328A JP 4176699 A JP4176699 A JP 4176699A JP 4176699 A JP4176699 A JP 4176699A JP 2000241328 A JP2000241328 A JP 2000241328A
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良司 篁
Hajime Hirata
肇 平田
Jun Torikai
潤 鳥飼
Masayuki Ishikane
正幸 石金
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水分率を測定する水分計を高精度かつ簡便に校
正することで高精度な水分率測定方法および装置を提供
すること。 【解決手段】調湿したサンプルをその調湿雰囲気とは異
なる湿度雰囲気に曝して、該サンプルの水分率の経時的
な変化に対する水分計の出力を求めるとともに、該サン
プルの水分率の経時的な変化に対する重量を測定し、別
に求めた該サンプルの絶乾重量と各時刻における重量に
基づいて求めた水分率と、前記水分計で求めた同時刻に
おける出力値との対応関係に基づいて、該水分計を校正
することを特徴とする水分計の校正方法である。およ
び、かかる校正方法で校正された水分計および、水分率
測定方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分率を測定する
ための水分計の校正方法に関し、さらに詳しくは、例え
ば、目付量が30から2000g/m2 などであって、
水分を内部に含んでいる繊維シートやウェブの水分率測
定に特に有効な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、不織布、繊維束、などの繊維シート
およびウェブを製造する際に、製造工程で水分率を制御
することは品質管理や、乾燥工程の省エネのために必須
である。この水分率を測定するために、水分計が使用さ
れている。
【0003】この水分計の校正は一般的に、シリカゲル
乾燥雰囲気、もしくは水蒸気雰囲気に曝して調湿したサ
ンプルを用いて行う方法があるが、誤差が大きく有効で
はない。この従来の水分計の校正手順を、以下に説明す
る。 [手順1]適当な大きさにサンプルを数個切り出す。 [手順2]サンプルを調湿雰囲気に置き調湿する。調湿
条件は例えばシリカゲル雰囲気での乾燥や、水蒸気雰囲
気での加湿などがある。 [手順3]各サンプルを調湿雰囲気から取りだし水分計
の測定場所にサンプルを設置する。このとき、サンプル
と水分計との距離および角度は水分計の仕様に合わせ正
確に設置する必要がある。 [手順4]水分計の出力値を記録する。 [手順5]水分計の測定場所からサンプルを取り外す。 [手順6]水分計で測定した前記サンプルの重量を測定
する。 [手順7]前記サンプルを乾燥機に入れ、水分を完全に
蒸発させ絶乾状態にする。 [手順8]乾燥機から取り出した前記サンプルの絶乾重
量を測定する。 [手順9]手順6で求めたサンプル重量と手順8で求め
たサンプルの絶乾重量とから水分率(以降絶乾水分率と
呼ぶ)を求める。 [手順10]手順9で求めた絶乾水分率と、手順4で求
めた水分計の出力値から水分計の校正を行う。
【0004】以上に述べた従来の校正方法では、特に手
順3、手順4、手順5、手順6でサンプルの設置や取り
外しに時間を要し、調湿した雰囲気とは異なる雰囲気に
サンプルが長時間曝され、サンプルが乾燥もしくは、吸
湿し水分率に変化が生じるため、サンプルの水分率は調
湿した状態とは異なってしまう。
【0005】また、上述の従来の校正方法では、サンプ
ルの調湿条件を微妙に変化させることが難しいため、サ
ンプルの水分率の刻み幅が広くなり、且つ異なる水分率
のサンプルを数多く作成することも困難である。
【0006】以上に述べたとおり、従来の校正方法で
は、水分計校正時と重量法による水分率測定時とでサン
プルの水分率が異なる。また、サンプルの水分率の刻み
幅が広くなり、かつ、データ数が少ないなどの問題点が
あり、精度の高い水分計の校正が不可能である。
【0007】一方、その他の従来技術として、校正用水
分計を用いて測定用水分計を校正する方法が知られてい
る(例えば、特表平10−504643号公報)。しか
し、この従来技術でも校正用の水分計の設置が別途必要
となる。また、前記校正用水分計の校正も上記に示した
手順で行なう必要があり、校正による誤差の発生を避け
ることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水分計の校
正において、上述した従来の問題点を解決し、また校正
用の水分計を別に準備することもなく精度良く水分計を
校正することで、高精度に水分率を測定する方法および
装置を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、水分率を高精度に測定す
ることで紙、不織布などの繊維シートおよびウェブの生
産を安定にし、生産性向上、品質向上を達成するため
の、繊維シートおよびウェブの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、調湿したサンプルをその調湿雰囲気とは
異なる湿度雰囲気に曝して、該サンプルの水分率の経時
的な変化に対する水分計の出力を求めるとともに、該サ
ンプルの水分率の経時的な変化に対する重量を測定し、
別に求めた該サンプルの絶乾重量と各時刻における重量
に基づいて求めた水分率と、前記水分計で求めた同時刻
における出力値との対応関係に基づいて、該水分計を校
正することを特徴とする。
【0011】また、前記サンプルが繊維シートであるこ
とを特徴とする。
【0012】すなわち、水分計の校正方法であって、調
湿されたサンプルを異なる調湿雰囲気に曝すことで乾燥
もしくは吸湿させ、その水分率の変化を水分計で測定
し、同時にその重量変化を測定し重量変化から各時刻に
おける水分率を求め、同時刻における水分計の出力値と
で水分計を校正する。
【0013】このように、水分計の測定と重量測定とを
同時刻に行うため、各々の測定において時間のズレがな
いため、サンプルの水分率が異なることがない。また、
乾燥もしくは吸湿過程のデータを連続的に取り込むた
め、水分率の刻み幅の狭いデータが数多く収集できる。
このため水分計を高精度に校正することが可能となる。
【0014】もとより、本発明は、紙、不織布、繊維束
などの繊維シートおよびウェブの水分率測定方法および
装置として有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施の形態
を図に基づいて説明する。
【0016】最初に、水分率測定に一般的に良く使用さ
れる、反射型赤外線水分計について説明する。
【0017】水の吸収波長は、例えば1.45μm、
1.94μmおよび2.95μmにある。反射型赤外線
水分計はこの水の吸収波長を利用している。すなわち光
をサンプルに照射しサンプルから戻ってくる光の中か
ら、水の吸収波長の光を光学フィルタで取りだし、この
光がサンプル中の水分によって吸収される割合(以降吸
光度と呼ぶ)から、サンプル中の水分率を測定するもの
である。よって上記反射型赤外線水分計で水分率の測定
を行うためには、上記吸光度と水分率の関係を明確にし
水分計を校正する必要がある。
【0018】次に調湿サンプルの作成方法の一例を説明
する。例えば図2に示すようにデシケータ5の下部には
調湿材6が入っている。調湿材6にシリカゲルを用いる
と乾燥状態となり、水を用いるとデシケータ5の内部が
水蒸気雰囲気となるため、加湿状態となる。デシケータ
5の中にカットサンプル1を1時間から3日間、好まし
くは2日間放置することで、調湿サンプルが得られる。
このときデシケータの内部が乾燥状態の場合には乾燥サ
ンプルが得られ、加湿状態の場合には加湿サンプルを得
ることができる。
【0019】なお、加湿サンプルは、サンプルに霧吹き
を用いて水分を付与し、密閉容器、例えばポリ袋に1時
間から3日間、好ましくは2日間放置することで得るこ
とができる。また、乾燥サンプルは、100℃以上に加
熱した恒温槽内に10分から3時間、好ましくは30分
から1時間サンプルを放置し、サンプルに含まれる水分
を蒸発させることでも得ることができる。また、その他
の方法として繊維シートおよびウェブの製造工程からサ
ンプルを切り出したものをそのまま用いることも可能で
ある。
【0020】次に、本発明の水分率校正方法は、図1に
示すように、上記調湿サンプル作成方法などで得られた
調湿サンプル1を、調湿した雰囲気とは異なる雰囲気に
曝すと、乾燥もしくは吸湿が起こり、調湿サンプル1の
水分率が時間とともに変化する。
【0021】また、調湿サンプル1の水分量が変化する
ため、重量も時間とともに変化する。この調湿サンプル
1の重量変化Wtを秤2によって測定する。同時に反射
型赤外線水分計3で時間と共に変化する吸光度Xtを測
定する。ここで、水分計には反射型赤外線水分計を用い
ているが、この他にも静電容量型水分計やマイクロ波透
過型水分計などを用いてもよい。また、秤2には高精度
に測定ができ、かつ記録が可能な電子天秤を用いるのが
好ましい。
【0022】秤2で測定した重量変化Wtと、水分計で
測定した吸光度の変化Xtは、記録計4にて同時に記録
される。ここで変化を目視で読み取ることも可能である
が、同時記録のためには記録計に記録するか、もしくは
アナログ/デジタル変換の後、データ収集装置にデータ
を記録することがより好ましい。
【0023】次に、上記調湿サンプル1を秤2から取り
外し、乾燥機に入れ完全に加熱乾燥し絶乾重量W0を測
定する。この絶乾重量W0と上記の乾燥過程もしくは吸
湿過程で測定した各時刻の重量Wtとから、各時刻にお
ける絶乾水分率Htを下式で求める。 Ht=(Wt−W0)/W0×100(%) この各時刻の重量Wtと絶乾重量W0から求めた絶乾水
分率Htと、水分計で求めた同時刻の吸光度Xtとでも
って水分計を校正する。
【0024】従来方法では各手順におけるサンプルの水
分率変化が問題となったが、本発明による水分計の校正
方法では、乾燥過程もしくは吸湿過程のサンプル水分率
の変化を測定し、同時刻に測定したサンプル重量と別途
求めた絶乾重量から水分率を求めることで、サンプルの
水分率変化がほとんど問題にならないため、高精度な校
正が可能となる。
【0025】すなわち、図3に、およそ8%に加湿した
加湿サンプルの乾燥過程の一例を示すが、時間0分にお
ける水分率の変化率は、およそ−0.24%/分であ
る。ここで前記、従来の技術で述べた手順3、手順4、
手順5、手順6に示す、水分計による測定から調湿サン
プルの重量測定までの作業を行なう際に1分間の時間を
必要とすると、水分計による測定時と重量測定時とでサ
ンプルの水分率が0.24%変化するため、水分計校正
の誤差となる。しかし、本発明では、同時刻に水分計の
測定と重量変化の測定を行うため、各々の測定で時間の
ズレは発生しない。万が一、各々の測定に5秒の時間の
ズレがあったとしても、0.02%の水分率誤差に収ま
るため、高精度な校正が可能となる。
【0026】なお、上述した調湿雰囲気は例えばシリカ
ゲル乾燥では、およそ5%以下の湿度雰囲気となり、霧
吹きで水分を付与した雰囲気ではおよそ70%以上とな
る。よって、通常の部屋の湿度雰囲気は20〜80%程
度であるので、調湿湿度雰囲気と調湿雰囲気とは異なる
湿度雰囲気との湿度差は10%以上が好ましい。さらに
は30%以上の湿度差がより好ましい。
【0027】なお、ここで用いる調湿サンプルは、例え
ば、繊維シートおよびウェブの製造工程における目標水
分率を20%とすると、水分計の水分率測定範囲は最低
でも前記目標水分率の前後1%とする。このために調湿
サンプルは、例えば25%というように前記目標水分率
より高い水分率に加湿したサンプルの乾燥過程を用い
て、本発明による校正を行えば良い。また、乾燥過程に
おいて乾燥が悪くサンプルの水分率が前記目標水分率の
20%以下に下がらない場合は、調湿雰囲気とは異なる
湿度雰囲気の湿度を空調機を用いて下げてもよい。ここ
で、乾燥が速すぎてサンプル表層と内層とで水分率に差
が生じるおそれがある場合には、空調機を用いて調湿雰
囲気とは異なる湿度雰囲気の湿度を上げて、乾燥過程に
おける水分率の変化を緩やかにしてもよい。
【0028】ここで、25%の加湿サンプル作成の一例
を以下に示す。まず、サンプルの絶乾重量を測定し、絶
乾重量の25%の重量の水を霧吹きで吹きかけ加湿す
る。この加湿したサンプルの重量は電子天秤で測定すれ
ばよい。このとき正確に25%に調整する必要はなく、
30%になっても水分計の測定範囲が広がるが、問題は
ない。その後、ポリ袋に入れ密封し、2日間放置すれば
水分率25%前後の加湿サンプルが得られる。
【0029】一方、繊維シートおよびウェブの製造工程
における目標水分率が例えば0.5%と低い場合には、
水分計の測定範囲は最低でもその前後0.1%とする。
このために、調湿サンプルはシリカゲル乾燥もしくは恒
温槽で絶乾することで、前記目標水分率より低い水分率
に乾燥したサンプルの吸湿過程を用いて、本発明による
校正を行えば良い。また、吸湿過程において吸湿が悪く
サンプルの水分率が前記目標水分率の0.5%以上に上
がらない場合は、調湿雰囲気とは異なる湿度雰囲気の湿
度を空調機を用いて上げてもよい。ここで、吸湿が速す
ぎてサンプル表層と内層とで水分率に差が生じる恐れが
ある場合には、空調機を用いて調湿雰囲気とは異なる湿
度雰囲気の湿度を下げて、吸湿過程における水分率の変
化を緩やかにしてもよい。
【0030】以上述べた通り、本発明によって、繊維シ
ートおよびウェブの製造工程における目標水分率を中心
とした、刻み幅が狭い水分計の検量線作製が可能とな
る。
【0031】また、本発明は、目付量が30から200
0g/m2 などであって、水分を内部に含んでいる紙、
不織布、繊維束、などの繊維シートおよびウェブの水分
率測定を行うための水分計の校正に好適に用いることが
できるものである。
【0032】例えば、これらの目付量の繊維シート、繊
維束等は、一般に容易に水分を多く含み得て、またそれ
らの製造工程内等においても、水に浸漬されたり、水分
付与されること等が多くあり、その水分率の調整・制御
等が重要な工程管理上の技術事項となるからである。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施の一例を図を用いて説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】図1に示すサンプル1は、80mm角で厚
さ約2mmのポリエステル繊維製のフェルトを用いた。
なお、測定を行った雰囲気条件は、およそ、室温20
℃、相対湿度50%であった。 実施例1 最初に調湿サンプルを調湿雰囲気から取り出した場合の
湿度変化の一例を示す。
【0035】サンプル1に霧吹きで水を吹きかけジッパ
ー付きのポリ袋に2日間放置し、およそ8%に加湿し
た。このサンプル1を調湿雰囲気から取りだし、電子天
秤2にセットし乾燥過程を確認した。加湿サンプル1が
時間の経過と共に乾燥するため、重量が変化する。この
重量変化Wtを電子天秤2から読み取り、別に求めたサ
ンプル1の絶乾重量とから求めた絶乾水分率Htが時間
と共に変化する状態を図3に示す。図の横軸は経過時
間、縦軸は絶乾水分率、丸印は測定値を示し、線は最小
二乗法で求めた2次の曲線を示す。図3から測定開始当
初は水分率の変化が大きいが、時間の経過と共にその変
化が緩やかになることがわかる。よって、測定データの
収集は、測定開始直後では数秒間隔で行い、時間の経過
と共に測定間隔を伸ばしていくことが好ましい。また測
定開始後1分以上のデータでもって水分計を校正するこ
とが好ましい。さらには測定開始後10分以上のデータ
でもって水分計を校正することがより好ましい。 実施例2 次に、本発明の水分計の校正方法について述べる。サン
プル1はシリカゲル雰囲気で2日間乾燥した乾燥サンプ
ルと、霧吹きで水を吹きかけジッパー付きのポリ袋に2
日間放置した加湿サンプルの2種類を準備した。このサ
ンプル1を調湿雰囲気から取りだし、重量変化を測定す
るために電子天秤2にセットした。水分計3は反射型赤
外線水分計を用いて、水分計の生出力である吸光度Xt
を記録計4に記録した。吸光度Xtを記録しながら同時
刻の重量Wtを電子天秤2の指示値から読み取り、記録
計4のチャート上に記録した。シリカゲル雰囲気で乾燥
したサンプルおよび、水分付与の加湿サンプルの変化重
量Wtから求めた各時刻における絶乾水分率Htと、同
時刻に求めた水分計の吸光度Xtとの関係を図4にまと
める。
【0036】次に、従来技術で述べた従来方法で校正し
た結果を図5に示す。
【0037】本発明による校正曲線と従来方法による校
正曲線とを、重ね合わせた結果を図6に示す。
【0038】なお、各図に示す横軸は上記水分計の吸光
度Xt、縦軸は上記絶乾水分率Ht、丸印は測定値を示
し、線は最小二乗法で求めた3次の校正曲線を示す。
【0039】図6から、従来方法では水分計の測定と重
量測定とを別の時刻に行うため加湿サンプルの場合、重
量測定までの間に水分が蒸発することにより、水分計で
測定した時点と比べ、絶乾水分率の値が小さくなってい
ることが分かる。
【0040】すなわち、本発明では水分計の測定と重量
測定を同時刻に行うため測定誤差は小さいが、従来方法
では測定誤差が大きくなっている。
【0041】また図4から分かるように本発明では乾燥
もしくは吸湿過程のデータを、連続的に取り込むため、
水分率の刻み幅の狭いデータを数多く収集できる。この
ため校正曲線の当てはめ精度が良い。しかし、図5から
分かるように、従来方法では微妙な水分率の調整が難し
いためデータ数も少なく、また水分率の刻み幅が広いデ
ータになり、校正曲線の当てはめ精度が悪い結果となっ
ている。
【0042】また、繊維シートおよびウェブの製造工程
では数%の狭い範囲で水分率の管理が行われることが多
く、数10%に渡る広い範囲で管理されることは少な
い。図6から分かるように、従来方法では水分率の刻み
幅が広いため、広い範囲の水分率の校正曲線となり実用
的ではない。かつ、各測定値のバラツキも大きくなって
いる。しかし、本発明では、水分率の刻み幅が狭いた
め、実用域の数%の範囲で水分率の校正が可能となるも
のである。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、水分計の校正が簡単、
かつ高精度にできる。
【0044】更に、本発明では、水分率の異なるサンプ
ルを数多く準備する必要もなく、1種類もしくは2種類
の調湿サンプルを準備すれば校正が可能である。また、
絶乾重量はサンプルの乾燥を気にすることなく、何時何
処で測定しても良いため、乾燥機が水分計の設置現場近
くになくても容易に水分計の校正が可能となる。
【0045】乾燥工程において繊維シートおよびウェブ
等の水分率の制御は、乾燥工程の温度もしくはライン速
度を変化させて行い得るが、本発明による校正方法で校
正された水分計を用いれば、繊維シート、ウェブ等の水
分率が高精度に計れるため、この乾燥工程の制御性の向
上が可能となる。
【0046】このため繊維シートおよびウェブの製造に
際して、乾燥不足や過乾燥が生じないため、生産収率、
加工収率および品質の向上が可能となる。これにより、
必要以上に乾燥温度を上げることもなくなり、省エネが
可能となる。このことは、安定した生産工程の維持と、
安定した高品質の維持にもつながるものである。
【0047】特に、本発明は、紙、不織布、繊維束など
の繊維シートやウェブでも、繊維量が比較的多く、より
水分を内部に含み得る対象物の水分率測定を行う水分計
の校正に、正確かつ好適に用いることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水分計の校正方法の概略図であ
る。
【図2】調湿サンプル作成方法の一例である。
【図3】加湿サンプルの乾燥過程の一例である。
【図4】本発明の効果を示す水分計の校正曲線の一例で
ある。
【図5】従来技術における水分計の校正曲線の一例であ
る。
【図6】本発明と従来技術との水分計校正の比較の一例
である。
【符号の説明】
1:サンプル 2:電子天秤 3:反射型赤外線水分計 4:記録計 5:デシケータ 6:調湿材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石金 正幸 岐阜県安八郡神戸町大字安次900番地の1 東レ株式会社岐阜工場内 Fターム(参考) 2G059 BB10 BB15 CC09 EE02 FF04 GG00 HH01 HH06 JJ02 KK01 KK10 MM09 MM12 MM14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調湿したサンプルをその調湿雰囲気とは異
    なる湿度雰囲気に曝して、該サンプルの水分率の経時的
    な変化に対する水分計の出力を求めるとともに、該サン
    プルの水分率の経時的な変化に対する重量を測定し、別
    に求めた該サンプルの絶乾重量と各時刻における重量に
    基づいて求めた水分率と、前記水分計で求めた同時刻に
    おける出力値との対応関係に基づいて、該水分計を校正
    することを特徴とする水分計の校正方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のサンプルが繊維シートであ
    ることを特徴とする水分計の校正方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の校正方法で水分計を校正
    し、該水分計を用いて繊維シートの水分率を測定するこ
    とを特徴とする繊維シートの水分率測定方法。
  4. 【請求項4】水分計の測定および重量の測定を最初は数
    秒ごとに行い、時間の経過とともに測定間隔を長くし、
    1分以上のデータでもって水分計を校正することを特徴
    とする請求項1記載の水分計の校正方法。
  5. 【請求項5】請求項1あるいは請求項2記載の水分計の
    校正方法を用いて校正することを特徴とする水分計。
  6. 【請求項6】請求項3記載の水分率測定方法を用いて、
    繊維シートの乾燥工程中の後方あるいは工程直後におけ
    る繊維シートの水分率を測定し、該測定結果に応じて乾
    燥工程条件を変更し、該繊維シートの水分率を所定の値
    に制御することを特徴とする繊維シートの製造方法。
  7. 【請求項7】乾燥工程条件が、繊維シートの走行速度も
    しくは乾燥処理条件であることを特徴とする繊維シート
    の製造方法。
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