JP2000240471A - 熱機関 - Google Patents

熱機関

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JP2000240471A
JP2000240471A JP11355531A JP35553199A JP2000240471A JP 2000240471 A JP2000240471 A JP 2000240471A JP 11355531 A JP11355531 A JP 11355531A JP 35553199 A JP35553199 A JP 35553199A JP 2000240471 A JP2000240471 A JP 2000240471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン装置の効率向上を図る。 【解決手段】 空気等のガスが、ガスタービン装置10
0の圧縮機C101に入ると(状態1)、燃焼器B10
2によって高温ガスになり(状態3)、タービンT10
3に向かう。状態3の空気が入るタービンT103の後
方にもう一つのタービンT104がおかれ、最初の熱交
換器Hx105に入り(状態4)、圧縮機C109に供
給される(状態5)。その後、中間冷却部151の熱交
換器Hx106、圧縮機C110、熱交換器Hx10
7、圧縮機C111、熱交換器Hx108を経て(状態
6−11)、圧縮機C112から排出される(状態1
2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱機関に係り、特
に、動力発生装置をガスタービン装置の排ガス後方に取
付け、あたかも鏡面を対称面にガスタービン装置の圧縮
機/燃焼器/タービンと動力発生装置のタービン/冷却
器/圧縮機とが順列を逆にして同時に作動することを特
徴とする熱機関に関する。また、本発明は、ごみ処理な
どで発生される高温で、大気圧に近い状態のガスを有効
利用できる用にした熱機関に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガスタービン装置は、元来航空
用として使われてきたが、近年車両または産業用にも広
く応用されており、これらの効率向上及び構造の簡素化
が求められている。産業用ガスタービン装置の熱効率向
上には、主として2つの方式がある。ひとつは、ガスタ
ービン装置の排熱に水を通して蒸気を作り蒸気タ−ビン
をまわし出力を増やす「複合サイクル(コンバインドサ
イクル)」である。他のひとつは、排熱の熱量をガスタ
ービン装置の圧縮機の出口に戻し燃焼器入口の空気温度
をあげ投入燃料を減らす「再生サイクル」である。複合
サイクルは、発電所など大型ガスタービン装置に、ま
た、再生サイクルは、中・小型ガスタービン装置に、主
に使われている。
【0003】また、近年、大量に利用され始めた天然ガ
スは、極低温の液体の状態で搬入されるので、燃料にす
るためには気化しなければならない。現在、海水を利用
してこのような気化を行っているが、海水の温度が数度
下がるので、生態系への影響を配慮して温めて海に戻し
ている。その際、海水の温度と液体ガスの温度差である
約180度を利用して、冷熱発電も併せて行われること
もある。また、ゴミ処理などで発生される排ガスは、高
温であるが圧力が高くないので、水を通して温水にする
か、ボイラーを介して蒸気にする等の利用法がとられて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような、複合サ
イクル方式、即ち、発電所などで広く使われているガス
タービン装置と蒸気タービンの併用による方式は、熱効
率を上昇させる有効な方式として世界的に定着してい
る。しかしながら、複合サイクル方式は、蒸気をつくり
タービンをまわすため、莫大な費用と、ボイラーを含む
大型の設備を必要とする。さらに、蒸気をつくるボイラ
ーの金属表面の温度制約から、必ずしもガスタービン装
置を最適圧力で作動させることができるとは限らない。
【0005】一方、中・小型ガスタービン装置の効率向
上に使われる再生サイクル方式では、高温排ガスの熱源
を利用するに際し、高温に耐える熱交換器を必要とし、
かつ、熱交換する温度差が少ないので高い熱交換温度効
率を期待できない。さらに、ガスタービン装置側の圧縮
比が高くなるシステムにおいては、もはや再生サイクル
方式では熱交換がむずかしい。
【0006】さらに、本発明は、天然ガス製造にも適用
できる。従来の気化天然ガス製造技術においては、海水
と液体ガスの180度程度の温度差を利用してフロンを
用いたランキンサイクルで発電する冷熱発電も試みられ
た。しかしながら、従来の技術は、発電効率が数パーセ
ントと低く、また、フロンを作動媒体に使うことなどか
ら、この方式は衰退しつつある。
【0007】また、ゴミ処理場などの煙突や焼却炉から
出るガスは、大気またはそれに近い状態で排出される。
特にゴミ処理においてはダイオキシンを生成させないた
め、最近では、ガス温度は従来より高められ900度C
程度になっている。よってこの排ガスにはますます多く
の熱エネルギーが含まれている。本発明は、上述した方
式の欠点をなくしてガスタービン装置の効率向上を図る
ことを目的とする。また、本発明は、天然ガス製造と発
電を同時に一層高効率で行うことを目的とする。
【0008】本発明は、製作法などが確立している既存
の構成要素を主に利用し、各構成要素を新しく組み合わ
せることにより、熱効率を増加させた熱機関を提供する
とともに、地球規模での炭酸ガス削減効果等に寄与する
ことを目的とする。また、本発明は、ゴミ処理などで発
生される排熱エネルギー(特に、高温で比較的低圧のガ
ス)を従来の方式よりもより有効に利用することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の熱機関による
と、常圧またはそれに近い圧力の高温ガスをガスタービ
ン装置に流入させ、ガスタービン装置のタービン出口後
に、熱交換してガスの温度を下げ、中間冷却した圧縮機
に流入させる動力発生装置を取付け、あたかも鏡面を対
称面にガスタービン装置の圧縮機/燃焼器/タービン
と、動力発生装置のタービン/冷却器/圧縮機とが、順
列を逆にして同時に作動するようにしたことを主な特徴
とする。本発明の動力発生装置は、通常のガスタービン
装置が圧縮、加熱、膨張の過程をたどるのに対して膨
張、冷却、圧縮の逆の過程をもつ鏡の面に写した2つの
サイクルで作動する熱機関である。
【0010】また、本発明を、大型の蒸気タービンをも
つ複合サイクルに代わって用いたり、あるいは一般の産
業用および車両用などの中・小型ガスタービン装置の再
生サイクルに代わって利用することができる。さらに、
本発明における冷却を液体天然ガス製造に適用すれば、
ガス製造と発電を同時に行なうことができる。
【0011】本発明の第1の解決手段によると、第1の
圧縮機、燃焼器及び第1のタービンを有するガスタービ
ン装置と、前記ガスタービン装置の排ガス後方に取付け
られ、前記第1のタービンからの常圧又は常圧に近い圧
力の高温の排ガスが流入される第2のタ−ビンと、前記
第2のタービンからの排ガスが流入され熱交換をして排
ガスの温度を下げる冷却器と、前記冷却器からの排ガス
が流入される第2の圧縮機と、前記第2の圧縮機からの
排ガスが流入され熱交換する中間冷却部を有する動力発
生装置を備えた熱機関を提供する。
【0012】また、本発明において、前記動力発生装置
の前記中間冷却部は、前記第2の圧縮機の排ガスが流入
され熱交換してガスの温度を下げる中間冷却器と、前記
中間冷却器からの排ガスが流入される中間圧縮機とを有
する中間冷却器を、ひとつ又は複数備えることを特徴と
する。本発明の第2の解決手段によると、高温の第1の
排ガスにより、流入された気体を常圧又は常圧に近い圧
力の高温の第2の排ガスとする熱交換器と、前記熱交換
器からの排ガスが流入されるタ−ビンと、前記タービン
からの排ガスが流入され、熱交換をして排ガスの温度を
下げる冷却器と、前記冷却器からの排ガスが流入され、
入口が負圧で作動される圧縮機と、前記圧縮機からの排
ガスが流入され熱交換する中間冷却部とを備えた熱機関
を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態 図1に、本発明に係る熱機関の第1の実施の形態の構成
図を示す。この熱機関は、ガスタービン装置100及び
動力発生装置150を備える。ガスタービン装置100
と動力発生装置150は、軸120によって直結されて
いる。この軸120には発電機などの負荷を、接続する
ことができる。ガスタービン装置100は、圧縮機C1
01、燃焼器B102とタービンT103を備える。動
力発生装置150は、タービンT104、圧縮機C10
9〜112及び熱交換器Hx105〜108を備える。
圧縮機C109〜112及び熱交換器Hx105〜10
8の組み合わせの段数は、図1では4段のものが記載さ
れているが、基本的には2段以上あればよく、適宜の段
数を備えることができる。図中、圧縮機C110〜11
1及び熱交換器Hx106〜108が、中間冷却部15
1としての作用を有する。また、図1では、動力発生装
置150をガスタービン装置100に取り付けるとき、
両者の軸同士は直結しているが、必ずしもこの軸は直結
している必要はなく、別々に独立していてもよいもので
ある。
【0014】タービンT103及び104は、流体エネ
ルギーを軸動力に変換するもので、その結果としてター
ビン翼を通過すると流体の温度と圧力が降下する。圧縮
機C109〜112は、タービンT104の出力する軸
動力を使って流体にエネルギーを与えるもので、圧縮機
翼を通過すると流体の圧力と温度が上昇する。熱交換器
Hx105〜108は、例えば温度差のある二つの流体
を金属面などで仕切り、熱伝導を利用して二つの流体を
混ぜ合わせることなく高い温度の熱エネルギーを低い温
度の流体に与えるものである。燃焼器B102は、燃料
を燃やして圧縮機C101からの空気を加熱するもので
ある。
【0015】次に、この熱機関の動作を説明する。図中
の数字1〜12は、本発明におけるガスの作動状態を表
している。空気等のガスが、ガスタービン装置100の
圧縮機C101に入ると(状態1)、燃焼器B102に
よって高温ガスになり(状態3)、タービンT103に
向かう。状態3の空気が入るタービンT103の後方に
もう一つのタービンT104がおかれ、最初の熱交換器
Hx105に入り(状態4)、圧縮機C109に供給さ
れる(状態5)。その後、中間冷却部151の熱交換器
Hx106、圧縮機C110、熱交換器Hx107、圧
縮機C111、熱交換器Hx108を経て(状態6−1
1)、圧縮機C112から排出される(状態12)。図
1に示される動力発生装置150内の動力発生用タービ
ンT104は、ガスタービン装置100内のタービンT
103と同じ外径で描かれているが、実際には、軸流速
度が過大にならないよう、例えば1.4ないし1.7程
度外径を大きく設計することができる。
【0016】図2に、ガスの作動状態を示す温度T・エ
ントロピ−S線図を示す。図2は、図1における流体の
流れ及びガスの熱力学的状態の変化を説明している。図
中の数字は、図1の各状態に対応している。図におい
て、Paは大気圧、Taは大気温度または環境温度であ
る。図1、2を比べてみると状態4では大気圧Pa以下
になっており、熱交換器Hx105を通って、環境温度
Taである状態5に戻される。ここで、ガスは圧縮さ
れ、状態6〜11で熱交換器Hx106〜108によっ
て環境温度Taに下げることを4回繰り返し、状態12
で大気放出される。
【0017】(2)第2の実施の形態 次に、図3に、本発明に係る熱機関の第2の実施の形態
の構成図を示す。図3は、図1における熱機関の動力発
生装置が複数ある場合の実施の形態の構成図である。こ
の熱機関は、ガスタービン装置200、複数個の動力発
生装置250及び251、ディフューザ206及び20
7を備える。ガスタービン装置200、動力発生装置2
50及び251の構成は、図1と同様に構成される。デ
ィフューザ206及び207は、このガスタービン装置
200とそれぞれの動力発生装置250及び251をつ
なぐものである。ディフューザ206及び207は、流
路面積を徐々に拡大させ、なかの流体速度を減少させる
働きをする。
【0018】この図3では、動力発生装置250及び2
51が2系統で構成されている場合を説明しているが、
適宜の数を備えることができる。このような動力発生装
置250及び251が複数となる場合は、ガスタービン
装置200と動力発生装置250及び251をつなぐデ
ィフューザ206及び207の数は動力発生装置の数に
応じて増えるものとなる。さらには、図3のような大型
ガスタービン装置200では、動力発生装置を複数個備
えることにより、その動力発生発生装置の中のタービン
と圧縮機の外径増加を最小限にすることもできる。
【0019】(3)動力発生装置の実験例 本発明はガスタービン装置と動力発生装置を組み合わせ
たものであるが、動力発生装置だけをとりだした基礎実
験例を以下に説明する。この実験により、本発明が、工
学的に成立することを確かめることができる。
【0020】図4に、本発明に係る動力発生装置の原理
説明図を示す。図4の動力発生装置は、一例として、遠
心タービンT32、遠心圧縮機C34、水冷熱交換器3
3、電動機付き圧縮機MC35を備えている。遠心ター
ビンT32は、一例として外径30mmのものを用いて
実験を行った。この電動機付き圧縮機MC35は空力的
スターターとなるものである。一般には、タービンと圧
縮機の軸に加工して機械的スターターをつけ、さらに発
電機をとりつけるのが常套手段であるが、費用を考慮し
て図のような形態とした。
【0021】次に、この動力発生装置の動作を説明す
る。都市ガスと空気の予混合ガスをスワールつき燃焼器
31に送り、着火して高温ガスを作りだし、電動機付き
圧縮機MC35で吸引しておいて序々に回転を上げる。
回転数は、遠心圧縮機34の翼に組み込んだ磁石の磁力
線を利用して計測し、タービン入口温度と電動機付き圧
縮機MC35の吸引力で制御する。十分高い回転数(例
えば、毎分25万回転程度)になったとき、電動機付き
圧縮機MC35と遠心圧縮機C34の間の管路につけた
弁36を序々に開け、遠心圧縮機C34の出口を大気開
放に近づけつつ、電動機付き圧縮機MC35を完全停止
にする。このとき遠心タービンT32の回転数は急激に
低下するが、ある程度回転が落ちた状態で遠心圧縮機C
34の出口が負から大気状態になる。ここで、遠心ター
ビンT32の出力と遠心圧縮機C34の必要馬力がバラ
ンスをとれていれば、動力発生装置は、自立運転に入る
ことができる。さらに燃料の投入量を減らしてタービン
入口温度を下げると、より低い回転数での自立運転を実
現することができる。実験例では、本システムが自立す
るための最低温度は975Kであることが望ましいもの
であった。最低温度は、この温度以下にすると回転数が
一定に維持できなくなるような温度であり、システム構
成により適宜の最低温度を決めることができる。
【0022】図5に、図4の動力発生装置におけるター
ビン入口温度と自立運転回転数の特性図を示す。図から
タービン入口温度が上昇すると回転数も上がることがわ
かる。
【0023】図6に、図4の動力発生装置における自立
運転時の比出力とタービン入口温度の特性図を示す。図
からタービン入口温度が上昇すると比出力が上がること
がわかる。
【0024】図7に、図4の動力発生装置におけるター
ビン入口温度と断熱効率の特性図を示す。図7は、実験
で使用したタービンT32のタービン入口温度と圧縮機
C34の断熱効率の関係を示したものである。
【0025】なお、上述の実験例ではタービンT32の
入口は、大気圧より少し高い30mmHg程度に保持す
ると燃焼することができた。また、燃焼させないときの
タービンT32の入口に同じ30mmHgの気圧をかけ
てみると、タービンT32は少し仕事をし、出口圧は3
mmHgとなる。この圧力が圧縮機C34にほぼそのま
まかかり、圧縮機C34もタービンのように機能し、毎
分1万回で回転した。
【0026】図8に、本発明に係る動力発生装置の別の
原理説明図を示す。図8の動力発生装置は、タービンT
32と圧縮機C34が直結したものになっている。ター
ビンT32の排ガスは、熱交換器33を経て圧縮機C3
4へ流入する。これによって、タービンT32に連結し
ている圧縮機C34は動力吸収の役目だけをしているこ
とになる。前述の実験例と同じように、都市ガスと空気
との予混合燃焼器からの高温ガスをタービンT32に入
れた。
【0027】図9に、図8の動力発生装置における出力
確認のための温度・エントロピ線図を示す。図中の状態
を表す数字は、図8の参照数字に対応する。出力は、状
態の変化の温度差に関連する。図9では、タービンT3
2の出力が1894W(ワツト)であり(状態1−
2)、圧縮機C34の必要馬力1434Wを上回ってい
るので(状態5−6)、もし電動機付き圧縮機MC35
とタービンT32が直結していれば動力発生する。ま
た、図9においては、圧縮機の効率を70%としている
が、この圧縮機は、一例として外径120mmの遠心送
風機を4つ重ねたものであり、この断熱効率は別の計測
で確認している。
【0028】本実験では、費用の点で本発明の動力発生
装置の圧縮機部の効率を上げるために冷却していない
が、タービン出口が大気圧以下の高温ガスで作動して軸
馬力を取り出せることを初めて実証した。
【0029】(4)複合サイクル方式の比較検討 つぎに、発明した熱機関の作動特性を熱力学的計算によ
り求め、従来技術により到達できる性能との比較検討を
行う。まず、複合サイクル方式について従来技術との比
較検討及び熱力学的計算について説明する。
【0030】図10に、従来の複合サイクル方式の構成
図を示す。この従来の複合サイクル方式は、ガスタービ
ン装置40とランキンサイクル41を有する。ガスター
ビン装置40は、圧縮機C、燃焼器B及びタービンTを
備える。ランキンサイクル41は、ボイラー43、ポン
プ44、蒸気タービンT45及び復水器46を備える。
ガスタービン装置40は、発電機42に、また、ランキ
ンサイクル41は、発電機47に直結されている。
【0031】本発明の複合サイクル方式への適用では、
図10におけるボイラー43、ポンプ44、復水器46
および蒸気タービン45を有するランキンサイクル41
の部分を、上述のような動力発生装置に置き換えるもの
である。
【0032】図11に、本発明及び従来の熱機関の熱効
率の特性図を示す。図中の実線は、本発明における動力
発生装置を3段冷却し、ガスタービン装置のタービン入
口温度を変化させたときの熱効率を図示している。ここ
では、一例として熱交換器の温度効率を95%、すべて
の圧縮機とタービンの断熱効率を90%とした。一方、
近年の納入実績のある複合サイクル方式では、タービン
入口温度は1300℃であることが常識化しているが、
このタービン入口温度は1400℃を超えて1500℃
とすることもできる。わが国で公表されている従来のデ
ータを、比較のために星印で示した。これら星印のデー
タは、図10で示した従来技術の複合サイクル方式から
得られたものである。これらは、いずれもガスタービン
装置の圧縮機とタービンの断熱効率は90%またはそれ
以上と公表されている。
【0033】図示のように、従来技術での熱効率に関す
る実績を、本発明を適用すれば、数%上回ることができ
る。なお、この比較計算には動力発生装置の最適圧力比
を少し下回る圧力比10を用いている。この場合、軸流
速度をガスタービン装置側と同一にして、かつ、動力発
生装置のタービンと圧縮機の外径をガスタービン装置の
それと同一にするとしたら、動力発生装置を例えば、1
0個設ける必要がある。そこで、例えば、3段冷却のま
まで圧力比を4にまで下げ最適値からさらにずらして再
計算すると、図11の実線で表した熱効率が1%程度降
下するぐらいとなる。この場合、例えば、動力発生装置
側のターボ機械、即ちタービンTと圧縮機Cの外径を2
倍ぐらいにするか、あるいは図3のように動力発生装置
を複数設ける形態にすれば、外径を4割程度ふやすぐら
いですむ。ただし、外径の増加は最大限の一例を述べた
のであって、詳細設計すればもっと増加をおさえられる
可能性もある。
【0034】また、3段中間冷却を採用したのはそれ以
上冷却してもあまり効果が少ないことを計算で確認して
いるためである。なお、熱効率の算出はガスタービン装
置側のタービン入口温度と動力発生装置の圧力比を定め
てから、ガスタービン装置側の圧力比を順次変化させ、
システム全体としての熱効率最高点を求めた。
【0035】図12に、本発明及び従来の熱機関の炭酸
ガス排出係数の特性図を示す。図12は、図11での熱
効率に対応する炭酸ガス排出係数を図示したものであ
る。図中の実線は、本発明における炭酸ガス排出係数を
図示している。これは、一例として理想的な熱機関であ
るカルノーサイクルの炭酸ガス発生量を1.0としたも
のであり、燃料消費率の比とも解釈できる。一方、星印
は従来技術での実績を示す。図示のように、本発明によ
り炭酸ガス排出量を数パーセント削減することができ
る。
【0036】(5)再生サイクル方式の比較検討 つぎに、再生サイクル方式について従来技術の比較検討
及び熱力学的計算を行った。図13に、従来技術による
再生サイクル方式の構成図を示す。この再生サイクル方
式はガスタービン装置50、発電機51及び熱交換器5
2を備える。ガスタービン装置50は、圧縮機C、燃焼
器B及びタービンTを有する。従来の再生サイクル方式
では高温排ガスの熱エネルギーを圧縮機のあとの空気に
もどし、燃料消費量を節約する。即ち、燃焼器Bへの流
入ガスを高温にし、燃料を少なくすることで効率を上げ
るものである。本発明は、この熱エネルギーの形で排熱
を回収するのに対して、動力の形でそれを行う点が大き
く違う。本発明は、動力発生装置により馬力を発生させ
ることで、効率を上げようとするものである。そして、
図13の再生サイクル方式の代わりに、本発明の動力発
生装置をガスタービン装置の再生器として作動させるこ
とができる。
【0037】図14に、本発明に係るガスタービン装置
の比出力と熱効率の特性図を示す。図中の実線は比出力
W、破線は熱効率ηthを表している。図14は、一例と
して熱交換器の温度効率を95%とおき、かつ、動力発
生装置を最適圧力比にしたとき、ガスタービン装置側の
圧力比によって本発明の熱機関の熱効率、比出力がどの
ように変化するかを図示している。また、最近のガスタ
ービン装置は、空冷化技術の進歩と相まって、1400
℃すなわち1673K(ケルビン)または、それ以上が
タービン入口温度として可能になりつつある。そこで、
計算は1673Kとし、圧縮機、タービンの断熱効率を
それぞれ80、85%とした。
【0038】図15に、本発明に係る熱交換器温度とガ
スタービン装置の圧力比の特性図を示す。図15は、図
14に対応する熱交換器入口温度を示したものである。
なお、動力発生装置のターボ機械の断熱効率は、ガスタ
ービン装置のそれぞれと同じとした。図14からわかる
ように、本発明の熱機関の熱効率最大45%は圧力比1
5近くで得られるが、図15で読み取れるようにこの圧
力比15では、熱交換器入口温度が725K程度にとど
まっている。この温度ならば通常の安価な金属の熱交換
器で十分対応でき、かつ、環境温度近くまでの高い温度
差が利用できるので、95%程度の高い温度効率が保て
る。ただし、この場合、1段冷却を採用しており、動力
発生装置は最適圧力比5で計算したものである。3段冷
却にすると、さらに1%の効率向上が望めるが、最適圧
力比が8になり、動力発生装置の外径が大きくなる。
【0039】図16に、従来技術の再生サイクル方式の
ガスタービン装置の比出力と熱効率の特性図を示す。図
中の実線は比出力Wを、点線は熱効率ηrxを図示してい
る。また、図17に、従来技術の再生サイクル方式の熱
交換器入口温度とガスタービン装置の圧力比の特性図を
示す。計算条件を上述の本発明での場合と同じにして従
来の再生サイクル方式で求めた結果を、これら図16と
図17に図示した。
【0040】図16からわかるように、圧力比10で最
大効率38%になる。図17よりこの圧力比10の値で
は、熱交換器入口温度が1000Kになり、現時点の技
術ではこのような高温の熱交換では、温度効率50%程
度が考えられる。なぜなら、高価な耐熱材料は熱伝導率
が悪く、かつ、従来の方式では圧縮機出口までの少ない
温度差しか利用できないからである。この結果計算例で
は、熱効率を従来の38%から45%に本発明により高
めることができる。以上の比較においては、動力発生装
置の圧力比を4にして最適値5からずらし、タービンと
圧縮機の外径の増加を2倍程度でおさえると、熱効率は
1%程度下がる。
【0041】これまでの記述は、タービンなどの外径を
おさえることであったが、ガスタービン装置が小型のと
きは動力発生装置の径を大きくでき、逆に要素の断熱効
率がスケール効果も加わり、ガスタービン装置のそれよ
り増加することができる。すなわち、今までの計算はガ
スタービン装置と動力発生装置の要素効率の値を一律に
していたが、小型ガスタービン装置では動力発生装置の
ターボ機械の径を大きくすることにより、最適圧力によ
り近づけて、かつ、スケール効果もあり、全体として高
い熱効率を得る本発明の特質を一層強く奏することがで
きる。
【0042】(6)第3の実施の形態 図18に、本発明に係る熱機関の第3の実施の形態の構
成図を示す。この熱機関は、気化天然ガス製造に適用し
たもので、ガスタービン装置300、動力発生装置35
0、発電機313、316、ポンプ314、LNGタン
ク315及び直接膨張タービン317を備える。ガスタ
ービン装置300は、圧縮機301、燃焼器302及び
タービン303を備えている。動力発生装置350は、
タービン304、圧縮機309〜312及び熱交換器3
05〜308を備えている。圧縮機312は、発電機3
13に直結している。なお、ガスタービン装置300と
動力発生装置350の軸は、別個に独立のものとしても
よい。また、熱交換器305とつながっている直接膨張
タービン317は、発電機316と直結している。図か
らわかるように、ガスタービン装置300及び動力発生
装置350は、図1の構成図と同様の概念を用いてい
る。ここでは、動力発生装置350の圧縮機部の冷却を
液化天然ガス(通称LNG)で行い、ガスタービン装置
300の排熱で気化と発電の両方を行う。なお、必要に
応じて発電の構成の位置を変更したり、省略することも
できる。ガスタービン装置300の燃料は、液化したガ
スの一部でまかなう。また、本システムでは、十分な排
ガス熱源が存在するのでLNGの直接膨張も利用するこ
とができる。
【0043】図19に、本発明に係る直接膨張タービン
の膨張過程の温度/エントロピ線図を示す。図19中の
数字1〜4は、それぞれ図18に対応するガスの状態番
号に対応している。一般に、LNGは1気圧で搬入され
る。この状態を図中には状態1として表している。これ
をポンプで例えば、60気圧程度に加圧して(状態
2)、加熱してから(状態3)、直接膨張タービンにい
れる。このとき、ほぼ環境温度Taに戻れるようにLN
Gの量を設定する。なお、通常、液化天然ガスは20気
圧(atm)程度のガス圧でユーザーに送られる。
【0044】図20に、従来方式にガスタービン装置6
0を付加した本発明に関連する構成図を示す。一般の冷
熱発電方式は、海水とLNGの温度差約180度を利用
しランキンサイクルでフレオンを熱媒体として行われて
いる。現在可動しているものは、ガスタービン装置は使
用していないが、本発明と比較するため同じ量の燃料を
使うガスタービン装置を仮に図中に挿入した。この方式
は、ガスタービン装置60、ランキンサイクル61、発
電機62、63、65、復水器64、直接膨張タービン
66、ポンプ67及びLNGタンク68から構成され
る。海水を用いるこのような方式でも、図20に示した
ように、直接膨張タービン66を併用しているが、熱源
が海水なのでタービン通過後の状態4に海水をかけて熱
交換器64を利用して環境温度に戻さねばならない。よ
って、図18に示したような本発明は、この点でも有利
である。なお、ポンプに必要な電気量は全体の発電量に
比べれば極めて小さくここでは考慮しない。
【0045】次に、国内の代表的な電力、ガス会社A,
B,Cが公表している冷熱発電出力、製造される気化天
然ガス量および方式を示す。
【0046】 冷熱発電(kW) 送出ガス量(kg/s) 方式 A社 8000 47 直接膨張とランキン B社 4000 28 ランキン C社 8500 82 直接膨張とランキン
【0047】そこで、これらのデータから本発明に係る
ものと送出ガス量およびガスタービン装置燃料流量を同
一にして比較計算した。従来システムに追加した仮想の
ガスタービン装置は、タービン入口温度1500℃、最
適圧力比40、熱効率49%で現時点で望み得る最高効
率とする。このように仮定するのは、本発明ではガスタ
ービン装置を基本としているからである。
【0048】図21に、本発明と公表されている3社の
データとの発電量の比較説明図を示す。また、図22
に、本発明と公表されている3社のデータとの総合熱効
率の比較説明図を示す。
【0049】これらの図は、本発明を利用した熱機関と
しての発電量および総合熱効率を、従来の方式と比較し
て示したものである。また、圧縮機とタービンの断熱効
率は、一例としてすべて85%とした。同じ規模の発電
量のとき、送出する天然ガス量が同一ならば、本発明で
は、ランキンサイクルを用いる従来方式に比べて約17
%多く発電できる。これを熱効率からみれば10%高い
ことになる。LNG利用の立場からみれば、低温で貯蔵
されているエネルギーをより多く活用できることにな
る。なお、以上の比較には、従来方式のとき温度の下が
った海水を温めて海に戻すに必要なエネルギーは含まれ
ていない。この場合も、動力発生装置の圧力比を10と
しているが、4に落としたほうがより現実的な場合もあ
り、複合サイクルで述べたように1%程度熱効率を図2
2に示した星印の点よりさがる。
【0050】次に、図23に、本発明と公表されている
3社との総合熱効率の比較説明図を示す。動力発生装置
の圧力比を2にして上記の計算を行い効率の低下幅を調
べたのが図23である。このときは動力発生装置の圧縮
機入口速度等をガスタービン装置のそれよりも少し増加
させるなど設計上配慮すれば、ターボ機械の径をほとん
ど増やす必要がない。動力発生装置の圧力比の高いとき
に比べて、やや総合熱効率が低下するものの、本発明の
優位性は維持されている。
【0051】(7)第4の実施の形態 図24に、本発明に係る熱機関の第4の実施の形態の構
成図を示す。この熱機関は、ごみ処理等による排ガスを
有効利用するためのもので、動力発生装置450、発電
機411、熱交換器401を備える。動力発生装置45
0は、タービン406、圧縮機407〜410及び熱交
換器402〜405を備えている。タービン406は、
発電機411に直結している。熱交換器401は、ごみ
処理場400等の排ガスが放出される煙突部分等に配置
され、高温で比較的低圧力の排ガスにより、空気・大気
・外気等を熱変換する。動力発生装置450は、図1の
構成図と同様の概念を用いている。ここでは、動力発生
装置450の圧縮機部の冷却を冷却水で行い、温水を得
ることができる。省略することもできる。ガスタービン
装置300の燃料は、液化したガスの一部でまかなう。
また、本システムでは、十分な排ガス熱源が存在するの
でLNGの直接膨張も利用することができる。
【0052】圧縮機407等の作用により熱交換器40
1に大気等より新鮮な常温の空気が流入し排ガスにより
温められ高温になりタービン406に流入する。この作
動空気はガスタービン406で膨張したのち熱交換器4
02で冷やされて大気より低い状態すなわち負圧で圧縮
機407に吸入される。圧縮された空気は再び熱交換器
403により環境温度近くにまで冷やされ圧縮機408
にはいる。この作用が複数回繰り返され最後に圧縮機4
10から作動空気は大気に常温に近い状態で放出され
る。タービン406の出力する仕事が圧縮機407〜4
10の必要仕事を上回われば発電機411に電気が発生
する。
【0053】図25は、第4の実施の形態の熱機関の比
仕事と圧力比の関係を示す特性図である。図26は、第
4の実施の形態の熱機関の熱効率と圧力比の関係を示す
特性図である。これらの図は、それぞれ、作動空気単位
kgあたりの取り出せる仕事すなわち比仕事と、熱機関
の熱効率を、圧縮機全体の圧力比に対してグラフ化した
ものである。ここで比仕事とは、もし発電機をつければ
電気にかわる有効仕事である。熱効率とは排熱エネルギ
ーを何パーセント、比仕事として回収できたかを示して
いる。煙突等に設置する熱交換器401は、ガスとガス
の熱交換なので熱交換効率はあまり良好ではなく、煙突
の構造にも支配されるので、計算では0.9,0.8,0.7の3
種類について検討した。しかし、その後に設置する熱交
換器401、402、403、404、405などは水
とガスの熱交換なので温度効率は良好で0.95 とした。
タービンと圧縮機の断熱効率は80%と仮定した。図よ
り条件の悪いときでも熱効率10%以上が期待できる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、複合サイクル方式(ガス
タービン装置からの排熱を水を介して蒸気に変換し蒸気
タービンをまわしブレイトンとランキンの両サイクルを
併用する方式)を、本発明のようにすると、莫大な費用
と高温の蒸気を作る設備を必要とする蒸気タービンが不
要となる。通常のガスタービン装置を正(ポジチブ)と
考えると、動力発生装置は負(ネガチブ)である。した
がってポジチブとネガチブの二つのガスタービン装置を
連結すればよく、サイクル的にはブレイトンと逆ブレイ
トンの二つのサイクルで作動していることになり、従来
のランキンサイクルでは望めなかった高い温度の温水が
副産物として得られ、給湯や暖房に利用することができ
る。本発明をコゼネーレシオンシステムとして用いる
と、発電効率が高いため熱電比を低くおさえることがで
き、従来民生用システムの普及に障害であった熱電比の
ミスマッチ問題を解決出来る手段になり得る。そして、
本発明は、従来方式より環境に対する負荷が小さい。
【0055】また、本発明では熱交換器が、従来のボイ
ラー設備に置き代えることができ、占有容積はさほどか
わらないが、費用の点で内容に大差がある。即ち、本発
明の熱交換器は、高温ガスの通る大きな径のパイプに多
数の細い水管をならべておけばよく、温水の温度範囲も
100℃から環境温度までであり、低価な材料が使え
る。これに反して、従来のボイラー設備は、600℃程
度の蒸気をつくりださねばならず、費用やメンテナンス
の点で高価になる。
【0056】再生サイクル方式(比較的小型のガスター
ビン装置等において、タービンの排熱を圧縮機出口に戻
す方式)では、本発明を適用すると、熱交換器に流入す
るガス温度が低くなり、より低価な材料が使える。一
方、本発明によると、従来方式に比べて熱交換する温度
範囲が、環境温度レベルまで拡大したことにより、高い
変換効率が期待できる。従来では、出力を変えずに燃料
消費量を再生によりおさえるのに対して、本発明では燃
料消費量は変えずに出力増加で効率を高めるので、出力
をもとのままにしておくならばその分、機械の小型化を
達成することができる。本発明では、作動流体の流れ方
向をほとんど変更することなく、熱交換できるので、構
造に無理が生じず流体損失も少ない。また、本発明で
は、熱交換に水が使用できる環境であれば副産物として
温水が得られる。ガスタービン装置の圧力比が高くなる
と、従来方式を使うことはできないが、本発明では圧力
比になんら制限がない。また、本発明では、動力発生装
置のタービンなどの径が大きくなる傾向にあるが、小型
ガスタービン装置に適用するときは逆にこの特質を生か
せる。すなわち最適圧力に近づけて、よって動力発生装
置のタービンと圧縮機の外径をできるだけ大きくすれば
スケール効果により、小型ガスタービン装置より高い要
素効率が使え、結果として全体の熱効率向上を図れる。
【0057】また、本発明の熱機関気化天然ガス製造を
利用すれば、従来のように海水を必要とせず、従来より
10%程度以上高い熱効率で発電とガス気化が同時にお
こなえる。同じ規模の発電量のとき、送出ガス量が同一
ならば従来より約17%多く発電でき、液化天然ガスに
蓄えられた低温エネルギをより多く活用できる。さらに
従来方式では、生態系保護のため、使用した海水の温度
をもとに戻す余分なエネルギが必要であるが、本発明で
は海水を使用しないので、そのようなエネルギは必要な
い。
【0058】また、本発明により、ごみ処理場等の排ガ
スから電気などに変換できる高級な形で排熱エネルギー
が回収でき、副産物として温水を得ることができる。さ
らに、ごみ処理場等からの排ガスの温度は、900度C
から100度C近くまで低下し、環境汚染を緩和するこ
とができる。
【0059】また、本発明の製作については、すでに確
立された現在のガスタービン装置技術をそのまま動力発
生装置に利用できる。動力発生装置の圧縮機は0.25
気圧程度の低い圧力下で作動するが、この領域は航空エ
ンジンで既に経験されておりレイノルズ数を配慮して空
力設計する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱機関の第1の実施の形態の構成
図。
【図2】ガスの作動状態を示す温度T・エントロピ−S
線図。
【図3】動本発明に係る熱機関の第2の実施の形態の構
成図。
【図4】本発明に係る動力発生装置の原理説明図。
【図5】図4の動力発生装置におけるタービン入口温度
と自立運転回転数の特性図。
【図6】図4の動力発生装置における自立運転時の比出
力とタービン入口温度と特性図。
【図7】図4の動力発生装置におけるタービン入口温度
と断熱効率の特性図。
【図8】本発明に係る動力発生装置の別の原理説明図。
【図9】図8の動力発生装置における出力確認のための
温度・エントロピ線図。
【図10】従来の複合サイクル方式の構成図。
【図11】本発明及び従来の熱機関の熱効率の特性図。
【図12】本発明及び従来の熱機関の炭酸ガス排出係数
の特性図。
【図13】従来技術による再生サイクル方式の構成図。
【図14】本発明に係るガスタービン装置の比出力と熱
効率の特性図。
【図15】図14に対応する熱交換器入口温度とガスタ
ービン装置圧力比の関係。
【図16】従来技術の再生サイクル方式のガスタービン
装置の比出力と熱効率の特性図。
【図17】従来技術の再生サイクル方式の熱交換器入口
温度とガスタービン装置の圧力比の特性図。
【図18】本発明に係る熱機関の第3の実施の形態の構
成図。
【図19】直本発明に係る直接膨張タービンの膨張過程
の温度/エントロピ線図。
【図20】従来方式にガスタービン装置60を付加した
本発明に関連する構成図。
【図21】本発明と公表されている3社のデータとの発
電量の比較説明図。
【図22】本発明と公表されている3社のデータとの総
合熱効率の比較説明図。
【図23】本発明と公表されている3社との総合熱効率
の比較説明図。
【図24】本発明に係る熱機関の第4の実施の形態の構
成図。
【図25】第4の実施の形態の熱機関の比仕事と圧力比
の関係を示す特性図。
【図26】第4の実施の形態の熱機関の熱効率と圧力比
の関係を示す特性図。
【符号の説明】
100 ガスタービン装置 101 圧縮機C 102 燃焼器B 103、104 タービンT 105〜108 熱交換器Hx 109〜112 圧縮機C 120 軸 150 動力発生装置 151 中間冷却部 400 ごみ処理場 401 熱交換器 450 動力発生装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の圧縮機、燃焼器及び第1のタービン
    を有するガスタービン装置と、 前記ガスタービン装置の排ガス後方に取付けられ、前記
    第1のタービンからの常圧又は常圧に近い圧力の高温の
    排ガスが流入される第2のタ−ビンと、前記第2のター
    ビンからの排ガスが流入され熱交換をして排ガスの温度
    を下げる冷却器と、前記冷却器からの排ガスが流入され
    る第2の圧縮機と、前記第2の圧縮機からの排ガスが流
    入され熱交換する中間冷却部を有する動力発生装置とを
    備えた熱機関。
  2. 【請求項2】前記ガスタービン装置と前記動力発生装置
    の回転軸が、連結され又は同一の軸が用いられ、同時に
    作動するようにした請求項1に記載の熱機関。
  3. 【請求項3】前記ガスタービン装置と前記動力発生装置
    の回転軸は独立に設けられるようにした請求項1に記載
    の熱機関。
  4. 【請求項4】前記動力発生装置の前記中間冷却部は、 前記第2の圧縮機の排ガスが流入され熱交換してガスの
    温度を下げる中間熱交換器と、前記中間冷却器からの排
    ガスが流入される中間圧縮機とを有する中間冷却器を、
    ひとつ又は複数備えた請求項1乃至3のいずれかに記載
    の熱機関。
  5. 【請求項5】前記動力発生装置を複数備え、前記ガスタ
    ービン装置と複数の前記動力発生装置とを連動するディ
    フューザをさらに備えた請求項1乃至4のいずれかに記
    載の熱機関。
  6. 【請求項6】前記動力発生装置が、複合サイクル方式に
    おける蒸気タービンの代わりに前記ガスタービン装置の
    後方に取付けられたことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の熱機関。
  7. 【請求項7】前記動力発生装置が、再生サイクル方式に
    おける前記ガスタービン装置の再生器として作動するこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱機
    関。
  8. 【請求項8】前記動力発生装置は、液体天然ガスが供給
    され、前記冷却器及び前記中間冷却部による冷却過程が
    行われて気化天然ガスを出力し、前記動力発生装置が電
    気を発生するとともに、該気化天然ガスの一部を前記ガ
    スタービン装置に流入させることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の熱機関。
  9. 【請求項9】高温の第1の排ガスにより、流入された気
    体を常圧又は常圧に近い圧力の高温の第2の排ガスとす
    る熱交換器と、 前記熱交換器からの第2の排ガスが流入されるタ−ビン
    と、 前記タービンからの排ガスが流入され、熱交換をして排
    ガスの温度を下げる冷却器と、 前記冷却器からの排ガスが流入され、入口が負圧で作動
    される圧縮機と、 前記圧縮機からの排ガスが流入され熱交換する中間冷却
    部とを備えた熱機関。
  10. 【請求項10】前記中間冷却部は、 前記圧縮機の排ガスが流入され熱交換してガスの温度を
    下げる中間熱交換器と、前記中間冷却器からの排ガスが
    流入される中間圧縮機とを有する中間冷却器を、ひとつ
    又は複数備えた請求項9に記載の熱機関。
  11. 【請求項11】前記熱交換器は、ごみ・廃棄物等の処理
    場からの高温の排ガスの排気部に配置されたことを特徴
    とする9又は10に記載の熱機関。
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